説明

コップ

【課題】軽量化でき、材料の使用量を減少でき、構造の強度が高いコップを提供する。
【解決手段】円錐台形状を呈する本体を含み、前記本体は、底面と、外側面と、内側面と、を有し、前記底面と前記内側面とから液体収容空間が形成され、前記外側面が円錐弧面であり、前記内側面は縦方向に沿って延びる円錐弧面を有し、前記円錐弧面は、前記内側面を巡るように配列し、その左右端が互いに連接して波状を成し、前記外側面は予定の高度での半径がR1であり、前記内側面は予定の高度での半径がR2であり、前記円錐弧面は予定の高度での半径がR3である場合には、65%<R3/R1<80%と、1%<(R1-R2)/R1<3%との関係を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コップは液体を収容するためのものである。軽量化およびローコストの要請を満足するために、使い捨てコップの材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE、PE)、ポリ塩化ビニール(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE、PE)、又はポリプロピレン(PP)などを採用する。
【0003】
樹脂製の使い捨てコップは、構造の強度を増加して破裂を回避するために、その厚さを増加することが一般であるが、そうすると、樹脂材料の使用量が増加し、生産コストが増加する。
【0004】
上記の問題を解決するために、特許文献1の台湾特許M360639号の「断熱コップ」が提案された。この断熱コップは、内層が波状を呈するものであり、外層がスリーブであるため、内外層の間に隙間があり、前記隙間により断熱の目的を達成でき、そしてコップの構造の強度も増加する。しかし、このような構成によれば、材料がかなりかかり、且つ内外層は別々に製造することが必要であるため、生産コストが増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許M360639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、軽量化でき、材料の使用量を減少でき、構造の強度が高いコップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコップによると、円錐台形状を呈する本体を含み、前記本体は、底面と、外側面と、内側面と、を有し、前記底面と前記内側面とから液体収容空間が形成され、前記外側面が円錐弧面であり、前記内側面は縦方向に沿って延びる円錐弧面を有し、前記円錐弧面は、前記内側面を巡るように配列し、その左右端が互いに連接して波状を成し、前記外側面は予定の高度での半径がR1であり、前記内側面は予定の高度での半径がR2であり、前記円錐弧面は予定の高度での曲率半径がR3である場合には、65%<R3/R1<80%と、1%<(R1-R2)/R1<3%との関係を満足することを特徴とする。
【0008】
本発明のコップによると、前記内側面は45個から60個の前記円錐弧面を有することを特徴とする。
【0009】
本発明のコップによると、隣接する前記円錐弧面同士の間には面取りを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のコップによると、前記内側面は、更に、少なくとも一つの環状円弧面を有し、これらの前記環状円弧面は予定の高度での半径がR2であり、これらの前記環状円弧面により、これらの前記円錐弧面が若干の上下セクションに分けられることを特徴とする。
【0011】
本発明のコップによると、前記本体の内外側面に環状階段面が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコップによれば、軽量化でき、材料の使用量を減少でき、構造の強度が高いという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例の予定高度での横断面図である。
【図4】図3の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1乃至図4を参照する。本発明の一実施例のコップは、円錐台形状を呈する本体10を含む、本体10は、底面11と、外側面12と、内側面13と、を有する。底面11と内側面13とから液体収容空間が形成され、前記液体収容空間は溶液や粒状体などを収容できる。外側面12が平滑な円錐弧面であり、これにより、外側面12に印刷することができ、或いは外側面12にフィルムを貼り付けることができる。内側面13は縦方向に沿って延びる円錐弧面14を有する。円錐弧面14は、内側面13を巡るように配列し、その左右端が互いに連接して波状を成す。内側面13は45個から60個の円錐弧面14を有することが好ましい。隣接する円錐弧面14同士の間には、窪み15が自然に形成され、面取りを有することが好ましい。前記窪み又は面取りにより、材料の使用量を減少でき、全体の重量を減少できる。
【0015】
外側面12は予定の高度での半径がR1であり、内側面13は予定の高度での半径がR2であり、円錐弧面14は予定の高度での曲率半径がR3である場合には、65%<R3/R1<80%と、1%<(R1-R2)/R1<3%との関係を満足する。そうすると、本発明のコップの構造の強度を増加できる。
【0016】
一方、コップの高さがより高い場合には、内側面13は、更に、少なくとも一つの環状円弧面16を有し、これらの環状円弧面16は予定の高度での半径がR2であり、内側面13の環状円弧面16では窪み15が形成されないと想像でき、これにより、これらの環状円弧面16により、これらの円錐弧面14が若干の上下セクションに分けられる。そうすると、コップの構造の強度を増加でき、変形し難い。
【0017】
また、本体10の内側面13と外側面12とには、更に、環状階段面17が設けられる。
【0018】
上記の説明から明らかなように、本発明のコップは、内側面13の半径がR2で窪み15が形成されないコップに比べると、コップ全体の重量の10%から30%を減少でき、且つ構造の強度が近似するため、軽量化でき、材料の使用量を減少でき、構造の強度が高いという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、コップに適用することができる。
【符号の説明】
【0020】
10:本体
11:底面
12:外側面
13:内側面
14:円錐弧面
15:窪み
16:環状円弧面
17:環状階段面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台形状を呈する本体を含み、前記本体は、底面と、外側面と、内側面と、を有し、前記底面と前記内側面とから液体収容空間が形成され、前記外側面が円錐弧面であり、前記内側面は縦方向に沿って延びる円錐弧面を有し、前記円錐弧面は、前記内側面を巡るように配列し、その左右端が互いに連接して波状を成し、前記外側面は予定の高度での半径がR1であり、前記内側面は予定の高度での半径がR2であり、前記円錐弧面は予定の高度での曲率半径がR3である場合には、65%<R3/R1<80%と、1%<(R1-R2)/R1<3%との関係を満足することを特徴とするコップ。
【請求項2】
前記内側面は45個から60個の前記円錐弧面を有することを特徴とする、請求項1に記載のコップ。
【請求項3】
隣接する前記円錐弧面同士の間には面取りを有することを特徴とする、請求項1に記載のコップ。
【請求項4】
前記内側面は、更に、少なくとも一つの環状円弧面を有し、これらの前記環状円弧面は予定の高度での半径がR2であり、これらの前記環状円弧面により、これらの前記円錐弧面が複数の上下セクションに分けられることを特徴とする、請求項1に記載のコップ。
【請求項5】
前記本体の内外側面に環状階段面が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のコップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−218144(P2011−218144A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258412(P2010−258412)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(510201713)
【Fターム(参考)】