説明

コニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造

【課題】本発明は、フィルター部取付パイプに対して簡単かつ確実に真空パイプフィルター部を着脱自在とすることを目的とする。
【解決手段】本発明によるコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造は、真空パイプフィルター部(8)の根元部(9)をフィルター部取付パイプ(6)の外周に挿入した後に所定角度(θ)の回転により、ピン(21)が切欠溝部(20)内を回動して内端部(20c)に当接し、止めネジ(11)により真空パイプフィルター部(8)がフィルター部取付パイプ(6)に固定される構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造に関し、特に、フィルター部取付パイプに対して簡単かつ確実に真空パイプフィルター部を着脱自在とするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造としては、社内製作のみで、特許出願をしていないため、特許文献等は特に開示していないが、図6及び図7で示される構成を従来例として挙げることができる。
すなわち、図7において符号1で示されるものは台部であり、この台部1上の両端には第1、第2軸支部2,3が設けられ、各軸支部2,3間には乾燥チャンバー4が外部駆動により回転自在に設けられている。
【0003】
各軸支部2,3の一方の第1軸支部2には、管状の真空パイプ5が同軸状に配設され、この真空パイプ5の先端のフィルター部取付パイプ6は前記乾燥チャンバー4内に突出して位置し、このフィルター部取付パイプ6の外周には、図6で示されるように、フィルター7を有する真空パイプフィルター部8の根元部9がネジ部10を介して螺合して設けられている。
【0004】
前記フィルター部取付パイプ6の外周に螺合された前記根元部9は、止めネジ11によって固定されている。
従って、前述の構成において、前記乾燥チャンバー4内で、湿った粉体を加熱乾燥し、この乾燥した粉体は、前記真空パイプ5の吸引部12に接続されたバキューム式の図示しない吸引体により吸引され、フィルター7を介して濾過されつつ気体は外部に排気され、乾燥した粉体は乾燥チャンバー4内に残る。
また、前述のフィルター部取付パイプ6と根元部9の接続構造は、ネジ部10と止めネジ11を用いた構成の他に、図示していないが、ネジ込みフランジ等も用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、フィルター部取付パイプの外周にネジ部を形成する構成では、使用中に受ける力によるネジの喰い込みや、内容物である粉体の噛み込み、また、フランジを使用する構成では、構造の複雑化により部品点数が増加し、取り外し作業時に部品を落下させる恐れ等もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造は、回転する乾燥チャンバーを軸支する一対の第1、第2軸支部の一方の第1軸支部に同軸状に配設された真空パイプと、前記真空パイプの先端に設けられ前記乾燥チャンバー内に突出して位置するフィルター部取付パイプと、前記フィルター部取付パイプに着脱自在に設けられ管体をなす真空パイプフィルター部と、前記真空パイプフィルター部に設けられたメッシュ部と、前記フィルター部取付パイプに形成された切欠溝部と、前記真空パイプフィルター部の根元部に設けられ前記切欠溝部と係合するピンと、前記真空パイプフィルター部及びフィルター部取付パイプを肉厚方向に貫通して螺入される止めネジと、を備え、前記真空パイプフィルター部の根元部を前記フィルター部取付パイプの外周に挿入した後に所定角度の回転により、前記ピンが前記切欠溝部内を回動して内端部に当接し、前記止めネジにより前記真空パイプフィルター部が前記フィルター部取付パイプに固定される構成であり、また、前記所定角度は、45度よりなる構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、乾燥チャンバーに接続された真空パイプの先端のフィルター部取付パイプの外周に真空パイプフィルター部の根元部を挿入させ、所定角度回転させた後に止めネジで前記根元部をフィルター部取付パイプに固定するため、乾燥チャンバー内におけるフィルター部取付パイプに対する真空パイプフィルター部の着脱が極めて容易である。
また、フィルター部取付パイプに対する真空パイプフィルター部の着脱は、実質的に止めネジのみであるため、作業としては、工具等を用いる必要がなく、乾燥チャンバー内への工具等の落下によるホーロー仕上げの内壁に対する損傷等を防止することができる。
また、フィルター部取付パイプに対する真空パイプフィルター部の根元部の接続が相互の軸方向に沿う挿入のみであるため、粉体等の噛み込みもなく、完全に結合でき、真空による吸引時も漏れのない完全な吸引を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、フィルター部取付パイプに対して簡単かつ確実に真空パイプフィルター部を着脱自在とするようにしたコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造を提供することを目的とする。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明によるコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図4において符号1で示されるものは、台部であり、この台部1上の両端には第1、第2軸支部2,3が設けられ、各軸支部2,3間には乾燥チャンバー4が駆動部4Aによる外部駆動により回転自在に設けられている。
すなわち、前記駆動部4Aの回転は、ベルト4B、プーリ4C、駆動ギア4D及び従動ギア4Eを介して前記乾燥チャンバー4を回転するように構成されている。
【0010】
各軸支部2,3の一方の第1軸支部2には、管状の真空パイプ5が同軸状に配設され、この真空パイプ5の先端のフィルター部取付パイプ6は前記乾燥チャンバー4内に突出して位置し、このフィルター部取付パイプ6の外周には、図1で示されるように、フィルターとしてのメッシュ部7を有する真空パイプフィルター部8の根元部9が挿入によって挿入接続されている。
尚、この根元部9の先端に設けられたOリング9aはフィルター部取付パイプ6の外周に蜜合している。
【0011】
前記フィルター取付パイプ6の前記根元部9と対応する端部位置には、図2及び図3で示されるように、所定角度θ(本形態では45度)の範囲で形成され平面形状でL字型をなす切欠溝部20が形成されている。
前記真空パイプフィルター部8の根元部9には、半径方向に沿って長手方向を有するピン21が設けられ、このピン21は前記切欠溝部20と係合するように構成されている。
【0012】
前記真空パイプフィルター部8の根元部9及びフィルター部取付パイプ6には、図2に示されるように、肉厚方向に貫通して形成されたネジ孔9A及び6Aが設けられており、これらの各ネジ孔9A及び6Aには、前記根元部9の外側から貫通する状態で止めネジ11が螺入されることにより、前記根元部9がフィルター部取付パイプ6に固定されるように構成されている。
【0013】
従って、前述の構成において、前記真空パイプフィルター部8を前記フィルター部取付パイプ6に接続する場合、前記フィルター部取付パイプ6の端部6aに形成され平面形状でL字型をなす 切欠溝部20の直線状の入口部20aに根元部9のピン21を挿入し、ピン21が角部20bに当接した状態で、根元部9を図2の所定角度θに沿って回転させることにより、ピン21が切欠溝部20の内端部20cに当接した状態で、フィルター部取付パイプ6に対する根元部9の接続が完了し、その後、前記止めねじ11を直列状の前記各ネジ孔9A及び6Aに螺入して螺合することにより、相互の固定が完了する。
【0014】
前述のように、前記乾燥チャンバー4内における真空パイプフィルター部8の取付完了後に、乾燥チャンバー4により湿った状態の粉体を加熱乾燥し、この乾燥した粉体は、乾燥チャンバー4内に残り、前記真空パイプ5の吸引部12に接続されたバキューム式の図示しない吸引体により吸引された気体は、メッシュ部7を介して濾過されつつ外部に排気される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明によるコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造を示す断面図である。
【図2】図1の要部の断面図である。
【図3】図1の切欠溝部の拡大平面図である。
【図4】図1の接続構造を用いた乾燥チャンバーを示す断面構成図である。
【図5】図4の右側面図である。
【図6】従来構成を示す断面図である。
【図7】図6の従来構成を用いた乾燥チャンバーを示す断面構成図である。
【符号の説明】
【0016】
1 台部
2 第1軸支部
3 第2軸支部
4 乾燥チャンバー
5 真空パイプ
6 フィルター部取付パイプ
6A,9A ネジ孔
7 メッシュ部
8 真空パイプフィルター部
9 根元部
11 止めネジ
20 切欠溝部
21 ピン
θ 所定角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する乾燥チャンバー(4)を軸支する一対の第1、第2軸支部(2,3)の一方の第1軸支部(2)に同軸状に配設された真空パイプ(5)と、前記真空パイプ(5)の先端に設けられ前記乾燥チャンバー(4)内に突出して位置するフィルター部取付パイプ(6)と、前記フィルター部取付パイプ(6)に着脱自在に設けられ管体をなす真空パイプフィルター部(8)と、前記真空パイプフィルター部(8)に設けられたメッシュ部(7)と、前記フィルター部取付パイプ(6)に形成された切欠溝部(20)と、前記真空パイプフィルター部(8)の根元部(9)に設けられ前記切欠溝部(20)と係合するピン(21)と、前記真空パイプフィルター部(8)及びフィルター部取付パイプ(6)を肉厚方向に貫通して螺入される止めネジ(11)と、を備え、
前記真空パイプフィルター部(8)の根元部(9)を前記フィルター部取付パイプ(6)の外周に挿入した後に所定角度(θ)の回転により、前記ピン(21)が前記切欠溝部(20)内を回動して内端部(20c)に当接し、前記止めネジ(11)により前記真空パイプフィルター部(8)が前記フィルター部取付パイプ(6)に固定されることを特徴とするコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造。
【請求項2】
前記所定角度(θ)は、45度よりなることを特徴とする請求項1記載のコニカルドライヤー吸引管先端部の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−275972(P2009−275972A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127236(P2008−127236)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000209773)池袋琺瑯工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】