説明

コネクタ、カードエッジコネクタ及びそれを使用したセンサ

【課題】特別な別部材を用いることなく、適切に抜け止め防止を図る。
【解決手段】カードエッジコネクタ31のレセプタクル10への挿抜方向をカードエッジコネクタ及びレセプタクルへ接続されたケーブルの引き出し方向に対して略直交させ、カードエッジコネクタに挿抜方向に略平行な第1の端面36bと、レセプタクルに挿抜方向に略平行な第1の壁面24aとを設け、カードエッジコネクタとレセプタクルとが結合した状態において、ケーブルの引き出し方向の引っ張り力を、第1の端面と第1の壁面とを当接させて受け得るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブルが引っ張られたときに抜けることがないように抜け止め対策が採られたコネクタ、カードエッジコネクタ及びそれを使用したセンサに関し、特に抜け止めのための別部材を必要とせず、また抜け止めの設定、解除に別途操作を必要としないコネクタ、このコネクタに使用されるカードエッジコネクタ及びこのカードエッジコネクタを使用したセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中継コードのコネクタと、これに接続するプローブコネクタの抜け止めとしては、中継コードのコネクタに、プローブコネクタのケーブルを除く全体を覆い、回転可能なカバーを備えたものが知られている。このカバーは、プローブコネクタを覆う状態で内部に保持するようにし、プローブコネクタの引き抜き方向への移動を阻止するものである。
【0003】
しかしながら、上記の構成によると、コネクタに特別な別部材を設ける必要があり、構成が大掛かりであり、コスト高につながるという問題がある。
【0004】
上記以外には、中継コードのコネクタ内にバネを用いたロック機構を設け、プローブコネクタを接続する場合にロック機構が働くことにより、抜け止め防止を図るものが知られている(特許文献1、2参照)。
【0005】
しかし、この抜け止め防止に係る構成もコネクタ以外に別部材が必要であり、また、コネクタを取り外す際にはロック機構を解除するためにタブやボタンを操作する必要があり、煩わしいという問題がある。
【0006】
更に、雄コネクタにフランジを設け、このフランジを雌コネクタの溝穴に嵌合させることにより抜け止めを防止するようにしたコネクタも知られている(特許文献3参照)。
【0007】
上記のコネクタは構成が簡素であり、特別なロック解除操作が不要という利点があるものの、嵌合力の調整が難しく、容易に抜けてしまったり、またはコネクタを結合すると極めて抜け難く実際の使用に不便であったりする虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5387122号明細書
【特許文献2】米国特許第6152754号明細書
【特許文献3】特開2002−325740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような従来のコネクタが有する問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、特別な別部材を用いることなく、また、抜け止めの設定、解除の操作が不要であり、しかもコネクタの挿抜が容易でありながら適切に抜け止め防止を図ることができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るコネクタは、カードエッジコネクタと、該カードエッジコネクタから引き出される第1のケーブルと、前記カードエッジコネクタに設けられ、前記第1のケーブルと接続される第1の端子と、前記カードエッジコネクタが挿抜されるレセプタクルと、該レセプタクルから引き出される第2のケーブルと、前記レセプタクルに設けられ、前記第2のケーブルと接続される第2の端子と、前記カードエッジコネクタを前記レセプタクルに挿入したときに前記第1の端子と前記第2の端子とが電気的に接続されるように構成されたコネクタであって、前記カードエッジコネクタの挿抜方向を前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの引き出し方向に対して略直交させ、前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第1の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第1の壁面とを設け、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの引き出し方向の引っ張り力を、前記第1の端面と前記第1の壁面とを当接させて受け得るように構成したことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るコネクタでは、前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第2の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第2の壁面とを設け、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの反引き出し方向の押し込み力を前記第2の端面と前記第2の壁面とを当接させて受け得るように構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るコネクタでは、前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略直交する第3の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略直交する第3の壁面とを備え、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第3の端面と前記第3の壁面とが当接し得るように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコネクタでは、前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第4の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第4の壁面とを備え、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記ケーブルの反引き出し方向の押し込み力を前記第4の端面と前記第4の壁面とを当接させて受け得るように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るコネクタでは、前記第2の端面と前記第2の壁面とに、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において嵌り合う凹凸部が備えられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコネクタでは、前記カードエッジコネクタには、現用端子と拡張用端子とが設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコネクタでは、前記第1のケーブルは、フレキシブルプリント基板の配線パターンにより形成されてセンサと接続されており、前記第1の端子は、前記カードエッジコネクタの挿抜方向の挿入側先端部に前記フレキシブルプリント基板の配線パターンをむき出しにして形成されており、前記カードエッジコネクタは、前記フレキシブルプリント基板に補強板を重ねて接着形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るコネクタでは、前記第2のケーブル(または前記第1のケーブル)の引き出し部を通り、前記挿抜方向に直交する直線に対して、前記第1のケーブル(または前記第2のケーブル)の引き出し部が前記カードエッジコネクタ(または前記レセプタクル)の挿入方向側に位置するように設定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るカードエッジコネクタは、請求項1乃至8のいずれかに記載のコネクタに使用するカードエッジコネクタであることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るセンサは、請求項9に記載のカードエッジコネクタを使用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコネクタによれば、カードエッジコネクタを使用し、このカードエッジコネクタの挿抜方向を第1のケーブル及び/または第2のケーブルの引き出し方向に対して略直交させるように構成したので、特に別部材を用いることなく、ケーブルが引っ張られた場合において、第1の端面と第1の壁面とが当接することによってレセプタクル及びカードエッジコネクタの移動が阻止されて抜け防止を図ることができる。しかも、レセプタクルとカードエッジコネクタとの挿抜力に影響を及ぼすことなく、好適である。
【0021】
本発明のコネクタによれば、ケーブルの引き出し方向の押し込み力を、第2の端面と第2の壁面とを当接させることによって受けるようにしたので、レセプタクル及びカードエッジコネクタの移動が阻止されて抜け防止を図ることができる。
【0022】
本発明のコネクタによれば、第3の端面と第3の壁面とが当接し得るように構成されているため、カードエッジコネクタとレセプタクルとが結合した状態において、カードエッジコネクタの挿入方向も規制されるため、ケーブルが引き出し方向以外の方向へ引っ張られてカードエッジコネクタとレセプタクルとに回転方向の力がかかっても、有効に抜け防止を図ることができる。
【0023】
本発明のコネクタによれば、ケーブルの引き出し方向の押し込み力を、第4の端面と第4の壁面とを当接させることによって受けるようにしたので、適切なコンタクトと抜け止め防止を図ることができる。
【0024】
本発明のコネクタによれば、第2の端面と第2の壁面との凹凸部が嵌り合うことにより、より確実な抜け防止を図ることができる。
【0025】
本発明のコネクタによれば、カードエッジコネクタには、現用端子と拡張用端子とが設けられているので、接続されるセンサの数や装置の機能が拡張された場合に拡張用端子を用いて対応することができ便利である。
【0026】
本発明のコネクタによれば、センサから端子までをフレキシブルプリント基板により形成したので、構成が簡単で信頼性が高い。
【0027】
本発明のコネクタによれば、第1のケーブル及び/または第2のケーブルが引っ張られた場合、カードエッジコネクタとレセプタクルとにそれぞれ挿入方向の力が働くため、より一層の抜け防止を図ることができる。
【0028】
本発明によるカードエッジコネクタによれば、上記レセプタクルと組み合わせることにより、構成が簡単で、別部材を使用することなく、抜け止めのための設定、解除の動作が不要で、確実な抜け止め効果が得られる。
【0029】
本発明によるカードエッジコネクタをセンサに使用し、上記レセプタクルと組み合わせることにより、構成が簡単で、別部材を使用することなく、抜け止めのための設定、解除の動作が不要で、確実な抜け止め効果を備えたセンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの一部破断した要部組立斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの要部組立平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの結合状態を示す要部斜視図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの蓋を閉めた状態を示す要部斜視図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るコネクタに用いられるレセプタクルホルダを示す図であり、(a)は平面図、(b)はI−I断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るコネクタをプローブに適用した場合を示す平面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るコネクタを示す要部平面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの結合状態においてケーブルが引っ張られる前を示す平面図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの結合状態においてケーブルが引っ張られた後を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明に係るコネクタの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1〜図6に、第1の実施形態に係るコネクタを示す。このコネクタは、レセプタクル10とプラグ30とにより構成される。このプラグ30は、カードエッジコネクタ31であり、一端が、プリント配線されてケーブル32(第1のケーブル)としてパルスオキシメータのプローブ部50(センサ)へ接続されるフレキシブルプリント基板(以下、FPCと記す)41の他端に補強板としてのリジッド基板42を接着剤或いは粘着剤を用いて接着して成る。カードエッジコネクタ31は、その一部が、不織布から成るカバー43に覆われている基部31aと、平面形状が概ね方形状の挿抜基板部31bと、基部31aと挿抜基板部31bとの間に位置する中間部31cとにより構成される。
【0032】
基部31aと挿抜基板部31bとの間は、基板が存在しない凹部31dとなっており、中間部31cが細く括れた部位を構成している。挿抜基板部31bの側壁36cは、後述する、カードエッジコネクタ30からのケーブル32の引き出し方向に対してほぼ平行に形成されており、この側壁36cをレセプタクル10に対向させて挿入するため、挿抜基板部31bの側壁36c側を先端部分と称する。前記先端部分のFPC41には、配線パターンによる複数の端子33(第1の端子)が設けられている。端子33(第1の端子)から延長されている配線パターン33aは、端子33の部分を除きレジスト34により被覆されて絶縁されている。
【0033】
本実施形態においては、端子33からプローブ部50までFPC41にプリント配線された配線パターン33で繋ぎ目なく接続しているが、基部31aのプローブ部50側の端部からプローブ部50までの配線パターンをケーブル32と称し、前記端部をケーブル32の引き出し部と称している。カバー43は、基部31aの一部からFPC41を経てプローブ部50までを覆っている。
【0034】
レセプタクル10は、上記カードエッジコネクタ31の面積よりも遥かに広い面積を有するベースハウジング11にレセプタクルホルダ20が載置され固定された構成を有している。
【0035】
レセプタクルホルダ20は、図5に示されるように直方体形状のハウジング21の内室22に、カードエッジコネクタ31の端子33の数に対応する複数の導電性のメス端子23が収納されている。上記の内室22は、中央部に横長に形成された一連の受穴24を備えている。この受穴24には、カードエッジコネクタ31の端子33が露出した挿抜基板部31bの半分程度が挿入される。
【0036】
図5(b)は図5(a)のI−I断面図を示しており、メス端子23が折返部23aで折り返され、折り返された下側のメス端子23(第2の端子)の先端部分に、カードエッジコネクタ31の端子33と接触する接触部23bが形成されている。この構成によって、折返部23aから接触部23bの間は弾性を有し、接触部23bは挿入された端子33を押圧するようにして端子33と接触する。
【0037】
メス端子23において、接触部23bの反対側の端部は、接続部23cが形成されており、当該接続部23cは、図示しないパルスオキシメータ本体と接続されるケーブル51の複数のリード線と接続されている。ケーブル51は、ベースハウジング11の引き出し部12から外部に引き出されている。
【0038】
レセプタクルホルダ20の裏面(受穴24が開口している反対の面)側におけるベースハウジング11の端縁には、引き出し部12から延びる外壁13が形成されており、ベースハウジング11の角部から内側へ直角に折れて壁面14(第3の壁面)を形成し、更にレセプタクルホルダ20の角部近傍において直角に折れて外側壁に沿うように壁面15(第2の壁面)を形成している。
【0039】
引き出し部12から外壁13とは逆方向へ向かって、引き出し部12から延びる外壁16が形成されている。この外壁16は、レセプタクルホルダ20の表面(受穴24が開口している面)側における角部に近いベースハウジング11の角部からレセプタクルホルダ20の表面側へ直角に折れ曲がって壁面17を形成し、レセプタクルホルダ20の表面側に当接して終端している。
【0040】
カードエッジコネクタ31における端子33が設けられている挿抜基板部31bの幅W1は、レセプタクルホルダ20における受穴24の幅W2にほぼ等しく形成されている。また、カードエッジコネクタ31の基部31aにおいて、凹部31dの入口部分に位置する角部38は、レセプタクル10の壁面14、15により形成された角部18に一致する形状に形成されている。
【0041】
蓋54をベースハウジング11に被せた状態で、蓋54とベースハウジング11との間に開口部35が生じるように構成されている。カードエッジコネクタ31を前記開口部35に挿入することにより、レセプタクル10とプラグ30とが電気的に接続される(図4)。レセプタクル10とプラグ30とを接続した状態では、図6に示すように、ケーブル32の軸線(ケーブル32の引き出し方向)とケーブル51の軸線(ケーブル51の引き出し方向)とは概ね同一直線上にある。
【0042】
レセプタクル10とプラグ30との挿抜方向は、矢印Cによって示されるように、上記ケーブル32及びケーブル51の軸線とほぼ直交する方向である。そして、レセプタクル10へプラグ30を挿入する際には、ベースハウジング11の壁面17にカードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bの端面36a(第4の端面)を摺動させて挿入する。
【0043】
端子33がレセプタクルホルダ20の受穴24に挿入されてゆくと、カードエッジコネクタ31における基部31aに形成された角部38を構成する端面38a(第2の端面)がベースハウジング11の壁面15に沿って摺動され、上記角部38を構成する端面38b(第3の端面)がベースハウジング11の壁面14に当接して挿入が終了される。この状態では、端子33がメス端子23に接触し電気的に接続状態となる。
【0044】
上記のように、レセプタクルホルダ20へカードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bを挿入完了した状態においては、挿抜基板部31bの幅W1は、レセプタクルホルダ20における受穴24の幅W2にほぼ等しく構成されているため、ケーブル51とケーブル32とが、図6において、それぞれ矢印A、B方向へ引っ張られた場合に、カードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bにおける端面36b(第1の端面)がレセプタクルホルダ20の受穴24の壁面24a(第1の壁面)に当接し、カードエッジコネクタ31の移動を阻止するように働くので、レセプタクル10からプラグ30が抜けることを防止する(図3)。
【0045】
また、レセプタクルホルダ20へカードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bを挿入完了した状態においては、カードエッジコネクタ31の角部38は、レセプタクル10の壁面14、15により形成された角部18に当接し、壁面14(第3の壁面)及び壁面15(第2の壁面)が端面38a(第2の端面)及び端面38b(第3の端面)に接触した状態である。このため、プローブ部50が図6の矢印Xや矢印Yに示す方向へ引っ張られた場合に、壁面14、15がカードエッジコネクタ31の回転移動を阻止するように働き、レセプタクル10からプラグ30を抜け難くする。この機能は、カードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bにおける端面36a(第4の端面)がレセプタクルホルダ20の受穴24の壁面24b(第4の壁面)に当接することによっても実現されている。
【0046】
図7に、第2の実施形態に係るコネクタの平面図を示す。この実施形態においては、カードエッジコネクタ31の端面38a(第2の端面)から突起39が突出している。この突起39に対応して、レセプタクル10Aの壁面15(第2の壁面)に凹部19が形成されている。この構成によれば、レセプタクルホルダ20Aへカードエッジコネクタ31の挿抜基板部31bを挿入完了した状態においては、凹部19に突起39が嵌合する。このため、凹部19と突起39とは、レセプタクル10Aまたはプラグ30Aの回転移動を抑制する凹凸部として機能する。
【0047】
また、この実施形態では、プラグ30Aの端子33には、現用端子33Nと拡張用端子33Eとが設けられている。拡張用端子33Eは、プローブ部50に複数のセンサやLEDなどの拡張機能を実現する電子素子を設ける場合に使用される。この拡張用端子33Eを使用する場合にのみ、これらが拡張機能を実現する電子素子に接続される。
【0048】
レセプタクルホルダ20Aは、拡張用端子33Eの部分だけ大きな受穴24Aを備えている。レセプタクル10のレセプタクルホルダ20は、現用端子33Nと対応する大きさの受穴24を備えている。レセプタクル10には、拡張用端子33Eに対応する計測装置(本体)は接続されていない。このため、レセプタクル10にプラグ30Aを挿入することができず、拡張機能を実現する電子素子が備えられたプローブ部50を有するプラグ30Aを誤接続することがない。レセプタクルホルダ20Aは、図1〜6に示すプラグ30にも、また本実施形態のプラグ30Aにも対応しており、接続が可能である。
【0049】
図8、図9には、第3の実施形態に係るコネクタが概略的に示されている。上述の第1、第2の実施形態においては、レセプタクル10(10A)とプラグ30(30A)とを接続した状態では、図6に示すように、ケーブル32の軸線とケーブル51の軸線とは概ね同一直線上であったが、本実施形態においては、レセプタクルとプラグとを接続した状態で、レセプタクル側のケーブルの軸線とプラグ側のケーブルの軸線とがずれるように構成したことが、第1、第2の実施形態と異なる主要な点である。
【0050】
図8は、プラグ70とレセプタクル80とが接続された状態を示す。符号75は、プラグ70の引き出し部79から引き出されて図示しないプローブに接続されるケーブル(第1のケーブル)である。符号85はレセプタクル80の引き出し部89から引き出されて図示しないパルスオキシメータ本体と接続されるケーブル(第2のケーブル)である。図8においては、ケーブル75、85は引っ張られていない状態を示す。
【0051】
ケーブル75の引き出し部79とケーブル85の引き出し部89との位置関係は、次のように設定される。すなわち、ケーブル85(75)の引き出し部89(79)を通り、プラグ70とレセプタクル80との挿抜方向に直交する直線に対して、ケーブル75(85)の引き出し部79(89)がプラグ70(レセプタクル80)の挿入方向側に位置するように設定される。
【0052】
この構成において、ケーブル75を矢印K方向へ引っ張り、ケーブル85を矢印L方向へ引っ張ると、プラグ70とレセプタクル80とは一体で回動して図9の状態となる。この状態においては、ケーブル75の軸線とケーブル85の軸線とは、ほぼ同一直線上にあり、この直線に対して、プラグ70及びレセプタクル80の挿抜方向、すなわち、当接するプラグ70の側壁77(図2における端面36bに相当)及びレセプタクル80の壁面87(図2における壁面24aに相当)は直角ではない。このため、プラグ70及びレセプタクル80はそれぞれ矢印P、Qで示す方向に力を受ける。これらの力は、プラグ70及びレセプタクル80をお互いに結合させる方向に作用するので、レセプタクル70からプラグ80が抜けることを防止する。
【0053】
尚、上記実施形態では、パルスオキシメータのコネクタに適用した例としたが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
10、10A、80 レセプタクル 11 ベースハウジング
13、16 外壁 14 第3の壁面
15 第2の壁面 19 凹部(凹凸部)
20、20A、72 レセプタクルホルダ 21、71、81 ハウジング
23 メス端子(第2の端子) 24a 第1の壁面
24b 第4の壁面 30、30A、70 プラグ
31 カードエッジコネクタ 31b 挿抜基板部
32 第1のケーブル 33 端子(第1の端子)
33E 拡張用端子 33N 現用端子
36a 第4の端面 36b 第1の端面
38a 第2の端面 38b 第3の端面
39 突起(凹凸部) 41 フレキシブルプリント基板
42 リジッド基板(補強板) 50 プローブ部(センサ)
51 第2のケーブル 75、85 ケーブル
79、89 引き出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードエッジコネクタと、
該カードエッジコネクタから引き出される第1のケーブルと、
前記カードエッジコネクタに設けられ、前記第1のケーブルと接続される第1の端子と、
前記カードエッジコネクタが挿抜されるレセプタクルと、
該レセプタクルから引き出される第2のケーブルと、
前記レセプタクルに設けられ、前記第2のケーブルと接続される第2の端子と、
前記カードエッジコネクタを前記レセプタクルに挿入したときに前記第1の端子と前記第2の端子とが電気的に接続されるように構成されたコネクタであって、
前記カードエッジコネクタの挿抜方向を前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの引き出し方向に対して略直交させ、
前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第1の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第1の壁面とを設け、
前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの引き出し方向の引っ張り力を、前記第1の端面と前記第1の壁面とを当接させて受け得るように構成したことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第2の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第2の壁面とを設け、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第1のケーブル及び/または前記第2のケーブルの反引き出し方向の押し込み力を前記第2の端面と前記第2の壁面とを当接させて受け得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略直交する第3の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略直交する第3の壁面とを備え、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記第3の端面と前記第3の壁面とが当接し得るように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記カードエッジコネクタに前記挿抜方向に略平行な第4の端面と、前記レセプタクルに前記挿抜方向に略平行な第4の壁面とを備え、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において、前記ケーブルの反引き出し方向の押し込み力を前記第4の端面と前記第4の壁面とを当接させて受け得るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2の端面と前記第2の壁面とに、前記カードエッジコネクタと前記レセプタクルとが結合した状態において嵌り合う凹凸部が備えられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1の端子には、現用端子と拡張用端子とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1のケーブルは、フレキシブルプリント基板の配線パターンにより形成されてセンサと接続されており、
前記第1の端子は、前記カードエッジコネクタの挿抜方向の挿入側先端部に前記フレキシブルプリント基板の配線パターンをむき出しにして形成されており、
前記カードエッジコネクタは、前記フレキシブルプリント基板に補強板を重ねて接着形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第2のケーブル(または前記第1のケーブル)の引き出し部を通り、前記挿抜方向に直交する直線に対して、前記第1のケーブル(または前記第2のケーブル)の引き出し部が前記カードエッジコネクタ(または前記レセプタクル)の挿入方向側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のコネクタに使用するカードエッジコネクタ。
【請求項10】
請求項9に記載のカードエッジコネクタを使用したことを特徴とするセンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate