説明

コネクタアセンブリ

【課題】熱を効率よく放出できるコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】コネクタアセンブリ1は、光ケーブル3とコネクタモジュール5とを含んで構成されおり、光ケーブル3は、光ファイバ心線7と、光ファイバ心線7の周りに設けられた外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に設けられ、高い熱伝導率を有する金属編組13とを有し、コネクタモジュール5は、収容空間Sを画成するハウジング20と、ハウジング20の収容空間Sに収容され、光ファイバ心線7が接続される受発光素子52が搭載された回路基板24とを有し、光ケーブル3の金属編組13とコネクタモジュール5の回路基板24とが熱伝導体により熱的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタアセンブリとして、電気信号を光信号に変換するものが知られている。例えば、特許文献1に記載のコネクタアセンブリは、光ケーブルと光電変換モジュールとを備えており、光電変換モジュールは、光ケーブルの光ファイバと接続される光電変換部が搭載された回路基板と、回路基板を収容するハウジングと、回路基板に接続される電気コネクタとを備えている。このコネクタアセンブリでは、入出力される電気信号を光電変換部により光信号に変換し、光信号による信号伝送を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−112898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のコネクタアセンブリでは、回路基板に搭載された制御用ICや光電変換部などにおいて熱が発生する。この熱は、ハウジングや回路基板の破損や伝送特性に影響を及ぼすおそれがあるため、外部に放出する必要がある。放熱先として、コネクタアセンブリが接続されるパソコンなどの電子機器が考えられる。しかしながら、電子機器への放熱はその状態に依存し、例えば電子機器の温度が上昇している場合には電子機器に対してコネクタアセンブリの熱が十分に放出されない。一方で、コネクタモジュールのハウジングを介して放熱することも可能ではあるが、ハウジングが熱くなるため、ユーザーが違和感を覚えるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、熱を効率よく放出することができるコネクタアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタアセンブリは、光ケーブルとコネクタモジュールとを含んで構成されるコネクタアセンブリであって、光ケーブルは、光ファイバと、光ファイバの周りに設けられた外被と、光ファイバと外被との間に設けられ、金属製の伝熱部材とを有し、コネクタモジュールは、空間を画成するハウジングと、ハウジングの空間に収容され、光ファイバが接続される光電変換部が搭載された回路基板とを有し、光ケーブルの伝熱部材とコネクタモジュールの回路基板とが熱伝導体により熱的に接続されていることを特徴とする。
【0007】
このコネクタアセンブリでは、光ケーブルに金属製の伝熱部材が設けられており、光電変換部などといった発熱体が搭載された回路基板と伝熱部材とが熱伝導体により熱的に接続されている。これにより、光電変換部で発生した熱は、回路基板及び熱伝導体を介して光ケーブルの伝熱部材に伝えられ、光ケーブルの外被から外部に放出される。すなわち、コネクタモジュールと光ケーブルとの間に放熱のための経路が確立されて光ケーブルに熱が伝達されるため、回路基板の熱を光ケーブルに効率的に放散できる。これにより、ハウジングが過剰に熱をもたないため、ユーザーの違和感を軽減できる。また、コネクタアセンブリの接続先の状態に依存することなく、熱を十分に放散することができる。以上のように、コネクタアセンブリでは、熱を効率よく放出することができる。
【0008】
伝熱部材の熱伝導率は、熱伝導体の熱伝導率より大きいことが好ましい。この場合には、ハウジングの熱を光ケーブルに効率的に放散できるため、回路基板の熱を光ケーブルに効率的に放散できる。
【0009】
上記光電変換部は、制御用半導体と受発光素子とを含み、熱伝導体は、回路基板と接続部材を介して熱的に接続されたハウジングを含み、ハウジングの前端には、回路基板と電気的に接続された電気コネクタを備え、制御用半導体は、回路基板において受発光素子よりも前方で且つ電気コネクタよりも後方に位置すると共に、受発光素子よりも発熱量の大きく、接続部材は、受発光素子より前方において、回路基板とハウジングを熱的に接続する領域を含む。このように構成すれば、受発光素子より発熱量の大きい熱源(例えば、制御用半導体や電気コネクタが接続される電子機器)からの熱が受発光素子に流入することを防止しつつ、回路基板の熱を光ケーブルに放散できる。
【0010】
伝熱部材は、光ケーブルの末端に取り付けられる金属製の加締め部材に圧着されており、加締め部材がハウジングと熱的に接続され、加締め部材及びハウジングにより熱伝導体が構成されていることが好ましい。光ケーブルを加締め部材により圧着することにより、光ケーブルを加締め部材に取り付ける作業性の向上を図ることができる。また、熱伝導体が加締め部材及びハウジングにより構成され、伝熱部材が加締め部材に圧着されているため、熱を効率よく伝熱部材に伝達でき、熱を効率よく放出することができる。
【0011】
加締め部材は、光ファイバが挿通される筒部と、筒部の径方向の外側に張り出す基部と、筒部の径方向の外側に位置し、光ケーブルの末端を筒部と挟持して圧着する圧着部と、を有し、伝熱部材は、筒部の外周面に配置され、当該外周面と圧着部との間に挟持されて圧着されていることが好ましい。このような構成により、光ケーブルを良好に保持することができる。
【0012】
伝熱部材は、光ケーブルの末端において外被の外周側に折り返されており、加締め部材において、筒部の外周面、基部及び圧着部と当接している。このように、熱伝導体が加締め部材と多くの箇所で当接することにより、加締め部材と伝熱部材とがより良好に熱的に接続され、ハウジングと熱伝導体との間の放熱経路を良好に形成できる。したがって、熱を効率よく放出することができる。
【0013】
ハウジングは、金属材料からなる第1ハウジングを含んでおり、第1ハウジングが熱伝導体を構成していることが好ましい。このように、ハウジングを金属材料にて形成することにより、ハウジングを熱伝導体として機能させることができ、回路基板の熱を光ケーブルの伝熱部材に良好に伝えることができる。
【0014】
第1ハウジングは、空間を画成する収容部材と、収容部材と連結可能に構成されていると共に、光ケーブルを保持する固定部材とを有し、固定部材に伝熱部材が熱的に接続されていると共に、収容部材と固定部材とが熱的に接続されていることが好ましい。このような構成によれば、熱を放散する経路を良好に確立することができる。
【0015】
コネクタモジュールは、回路基板と第1ハウジングの収容部材とを熱的に接続する接続部材を有しており、接続部材及び第1ハウジングが熱伝導体を構成していることが好ましい。このように、接続部材によって回路基板と第1ハウジングとの間に熱を伝達する経路を確実に確立できる。
【0016】
第1ハウジングは、空間を画成する収容部材と、収容部材と連結可能に構成されていると共に、光ケーブルを保持する固定部材とを有し、固定部材に伝熱部材が熱的に接続されていると共に、固定部材が回路基板に直接接続されていることが好ましい。このように、固定部材を回路基板に直接接続することにより、回路基板から光ケーブルの伝熱部材に熱が伝達される経路を確実に確立できる。
【0017】
ハウジングは、樹脂材料からなり且つ第1ハウジングを収容する第2ハウジングを有していることが好ましい。このような構成によれば、光ケーブル側に熱を放散するための熱伝達経路を確実に構成できる。また、第2ハウジングが樹脂材料から形成されているため、ユーザーがハウジングを持ったときに、熱(熱さ)を感じることが軽減される。
【0018】
伝熱部材は、金属編組であることが好ましい。金属編組を用いることにより、密度、表面積を確保できるため、伝熱特性及び放熱特性を良好に得ることができる。また、金属編組は、光ケーブルの曲げに対する変形性も有しているため、光ケーブルが曲がった場合であっても所定の放熱特性を得ることができる。
【0019】
光ケーブルは、光ファイバと伝熱部材との間に抗張力繊維を有していることが好ましい。抗張力繊維を設けることにより、光ケーブルに加えられる引張力などの外力に対する耐久性を光ケーブルにおいて確保できる。一方、光ファイバと伝熱部材との間に抗張力繊維を備えるので、発生した熱が伝熱部材から外被を介して外部に放出されるのを妨げることを防止できる。
【0020】
光ケーブルは、抗張力繊維と金属編組との間にチューブが設けられていることが好ましい。これにより、光ケーブルの内部に熱が伝達されることを抑制でき、熱を外被を介して外部に良好に放出できる。
【0021】
伝熱部材は、熱伝導体にはんだにより接合されていることが好ましい。伝熱部材と熱伝導体とをはんだによって接合することにより、良好な伝熱性を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、熱を効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係るコネクタアセンブリを示す斜視図である。
【図2】樹脂ハウジングを外した状態を示す斜視図である。
【図3】ハウジングを外した状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は図3に示す回路基板を上から見た図であり、(b)は図3に示す回路基板を横から見た図である。
【図5】図3に示す回路基板及び固定部材を横から見た図である。
【図6】図1に示すコネクタアセンブリの断面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す図である。
【図8】第2実施形態に係るコネクタアセンブリのコネクタモジュールを示す斜視図である。
【図9】ハウジングの一部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】光ケーブルの断面構成を示す図である。
【図11】加締め部材を示す斜視図である。
【図12】加締め部材に光ケーブルを取り付ける方法を示す図である。
【図13】加締め部材に光ケーブルを取り付ける方法を示す図である。
【図14】コネクタアセンブリの断面構成を示す図である。
【図15】他の実施形態に係るコネクタアセンブリの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコネクタアセンブリを示す斜視図である。図2は、樹脂ハウジングを外した状態を示す斜視図である。図3は、ハウジングを外した状態を示す斜視図である。図4(a)は、図3に示す回路基板を上から見た図であり、図4(b)は、図3に示す回路基板を横から見た図である。図5は、図3に示す回路基板及び固定部材を横から見た図である。図6は、図1に示すコネクタアセンブリの断面図である。図7は、図6の一部を拡大して示す図である。
【0026】
各図に示すコネクタアセンブリ1は、光通信技術などにおいて信号(データ)の伝送に用いられるものであり、接続先のパソコンなどといった電子機器に電気的に接続され、入出力される電気信号を光信号に変換して光信号を伝送するものである。
【0027】
各図に示すように、コネクタアセンブリ1は、光ケーブル3と、コネクタモジュール5とを備えている。コネクタアセンブリ1では、単芯或いは多芯の光ケーブル3の末端がコネクタモジュール5に取り付けられて構成されている。
【0028】
光ケーブル3は、複数本(ここでは4本)の光ファイバ心線(光ファイバ)7と、この光ファイバ心線7を被覆する樹脂製の外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に介在された極細径の抗張力繊維(ケブラー)11と、外被9と抗張力繊維11との間に介在され、外被9と接触する金属編組13とを有している。つまり、光ケーブル3では、光ファイバ心線7、抗張力繊維11、金属編組13及び外被9が、その中心から径方向の外側に向けてこの順に配置されている。
【0029】
光ファイバ心線7としては、石英系光ファイバ、プラスチック光ファイバ(POF:PlasticOptical Fiber)などを用いることができる。外被9は、ノンハロゲン難燃性樹脂である例えばPVC(polyvinylchloride)から形成されている。外被9の外径は、4.2mm程度であり、外被9の熱伝導率は、例えば0.17W/m・Kである。抗張力繊維11は、例えばアラミド繊維であり、束状に集合された状態で光ケーブル3に内蔵されている。
【0030】
金属編組13は、例えば錫めっき導線から形成されており、編組密度が70%以上、編み角度が45°〜60°である。金属編組13の外径は、0.05mm程度である。金属編組13の熱伝導率は、例えば400W/m・Kである。金属編組13は、熱伝導を良好に確保するために高密度に配置することが好ましく、一例としては平角線の錫めっき導線で構成されていることが好ましい。
【0031】
コネクタモジュール5は、ハウジング20と、ハウジング20の前端(先端)側に設けられる電気コネクタ22と、ハウジング20に収容される回路基板24とを備えている。
【0032】
ハウジング20は、金属ハウジング(第1ハウジング)26と、樹脂ハウジング(第2ハウジング)28とから構成されている。金属ハウジング26は、収容部材30と、収容部材30の後端部に連結され、光ケーブル3を固定する固定部材32とから構成されている。金属ハウジング26は、鋼(Fe系)、ブリキ(錫めっき銅)、ステンレス、銅、真鍮、アルミなどの熱伝導率の高い(好ましくは100W/m・K以上)金属材料により形成されている。金属ハウジング26は、熱伝導体を構成している。
【0033】
収容部材30は、断面が略矩形形状を呈する筒状の中空部材である。収容部材30は、回路基板24などを収容する収容空間Sを画成している。収容部材30の前端側には、電気コネクタ22が設けられ、収容部材30の後端側には、固定部材32が連結される。
【0034】
固定部材32は、板状の基部34と、筒部36と、基部34の両側から前方に張り出す一対の第1張出片38と、基部34の両側から後方に張り出す一対の第2張出片40とを有している。一対の第1張出片38は、収容部材30の後部からそれぞれ挿入され、収容部材30に当接して連結される。一対の第2張出片40は、後述する樹脂ハウジング28のブーツ46に連結される。なお、固定部材32は、基部34、筒部36、第1張出片38及び第2張出片40が板金により一体に形成されている。
【0035】
筒部36は、略円筒形状をなしており、基部34から後方に突出するように設けられている。筒部36は、カシメリング42との協働により光ケーブル3を保持する。具体的には、外被9を剥いだ後、光ケーブル3の光ファイバ心線7を筒部36の内部に挿通させると共に、抗張力繊維11を筒部36の外周面に沿って配置する。そして、筒部36の外周面に配置された抗張力繊維11上にカシメリング42を配置して、カシメリング42をかしめる。これにより、抗張力繊維11が筒部36とカシメリング42との間に挟持されて固定され、固定部材32に光ケーブル3が保持固定される。
【0036】
基部34には、光ケーブル3の金属編組13の端部がはんだにより接合されている。具体的には、金属編組13は、固定部材32においてカシメリング42(筒部36)の外周を覆うように配置されており、その端部が基部34の一面(後面)にまで延ばされてはんだにより接合されている。これにより、固定部材32と金属編組13とは、熱的に接続されている。さらに、収容部材30の後端部に固定部材32が結合することにより、収容部材30と固定部材32とが物理的且つ熱的に接続される。つまり、収容部材30と光ケーブル3の金属編組13とが熱的に接続される。
【0037】
樹脂ハウジング28は、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料から形成されており、金属ハウジング26を覆っている。樹脂ハウジング28は、外装ハウジング44と、外装ハウジング44と連結するブーツ46とを有している。外装ハウジング44は、収容部材30の外面を覆うように設けられている。ブーツ46は、外装ハウジング44の後端部に連結され、金属ハウジング26の固定部材32を覆っている。ブーツ46の後端部と光ケーブル3の外被9とは、接着剤(図示しない)により接着される。
【0038】
電気コネクタ22は、接続対象(パソコンなど)に挿入され、接続対象と電気的に接続される部分である。電気コネクタ22は、ハウジング20の前端側に配置されており、ハウジング20から前方に突出している。電気コネクタ22は、接触子22aにより回路基板24に電気的に接続されている。
【0039】
回路基板24は、金属ハウジング26(収容部材30)の収容空間Sに収容されている。回路基板24には、制御用半導体50と、受発光素子52とが搭載されている。回路基板24は、制御用半導体50と受発光素子52とを電気的に接続している。回路基板24は、平面視で略矩形形状を呈しており、所定の厚みを有している。回路基板24は、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板などの絶縁基板であり、その表面又は内部には、金(Au)、アルミ(Al)又は銅(Cu)などにより回路配線が形成されている。制御用半導体50と受発光素子52とは、光電変換部を構成している。本実施形態において、制御用半導体50は、回路基板24における、受発光素子52より前方であって、且つ、電気コネクタ22より後方の位置に配置されている。制御用半導体50は、受発光素子52より発熱量が大きい。
【0040】
制御用半導体50は、駆動IC(Integrated Circuit)50aや波形整形器であるCDR(Clock Data Recovery)装置50bなどを含んでいる。制御用半導体50は、回路基板24において、表面24aの前端側に配置されている。制御用半導体50は、電気コネクタ22と電気的に接続されている。
【0041】
受発光素子52は、複数(ここでは2つ)の発光素子52aと、複数(ここでは2つ)の受光素子52bとを含んで構成されている。発光素子52a及び受光素子52bは、回路基板24において、表面24aの後端側に配置されている。発光素子52aとしては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザダイオード(LD:LaserDiode)、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface EmittingLASER)などを用いることができる。受光素子52bとしては、例えば、フォトダイオード(PD:PhotoDiode)などを用いることができる。
【0042】
受発光素子52は、光ケーブル3の光ファイバ心線7と光学的に接続されている。具体的には、図4(b)に示すように、回路基板24には、受発光素子52及び駆動IC50aを覆うようにレンズアレイ部品55が配置されている。レンズアレイ部品55には、発光素子52aから出射された光、又は、光ファイバ心線7から出射された光を反射して屈曲させる反射膜55aが配置されている。光ファイバ心線7の末端にはコネクタ部品54が取り付けられており、コネクタ部品54とレンズアレイ部品55とが位置決めピンによって位置決めされて結合することにより光ファイバ心線7と受発光素子52とが光学的に接続される。レンズアレイ部品55は、光の入射部および出射部に、入射光を平行光とし、平行光を集光して出射するコリメートレンズを備えることが好ましい。このようなレンズアレイ部品55は、樹脂の射出成形により、一体に構成することができる。
【0043】
回路基板24と収容部材30(金属ハウジング26)との間には、放熱シート(接続部材)56が配置されている。放熱シート56は、熱伝導性及び柔軟性を有する材料から形成される熱伝導体である。放熱シート56は、回路基板24の裏面24bにおいて、回路基板24の幅方向に沿って延在して設けられている。放熱シート56は、例えば受発光素子52の下方に配置される。放熱シート56は、その上面が回路基板24の裏面24bに物理的且つ熱的に接続されていると共に、その下面が収容部材30の内側面に物理的且つ熱的に接続されている。この放熱シート56により、回路基板24と金属ハウジング26とが熱的に接続され、回路基板24の熱が収容部材30に伝達される。
【0044】
なお、ここで言う熱的に接続されているとは、物理的な接続によって熱を伝達可能な経路が確立されていることを言う。したがって、本実施形態では、空気などの媒体を介して熱を伝達することは、熱的に接続されていることとはならない。
【0045】
上記構成を有するコネクタアセンブリ1では、電気コネクタ22から電気信号を入力し、回路基板24の配線を介して制御用半導体50が電気信号を入力する。制御用半導体50に入力された電気信号は、レベルの調整やCDR装置50bにより波形整形などが行われた後に、制御用半導体50から回路基板24の配線を介して受発光素子52に出力される。電気信号を入力した受発光素子52では、電気信号を光信号に変換し、発光素子52aから光ファイバ心線7に光信号を出射する。
【0046】
また、光ケーブル3で伝送された光信号は、受光素子52bにより入射される。受発光素子52では、入射された光信号を電気信号に変換し、この電気信号を回路基板24の配線を介して制御用半導体50に出力する。制御用半導体50では、電気信号に所定の処理を施した後、電気コネクタ22にその電気信号を出力する。
【0047】
続いて、コネクタアセンブリ1における放熱方法について、図6を参照しながら説明する。回路基板24に搭載された制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱は、まず回路基板24に伝わる。回路基板24に伝達された熱は、放熱シート56を介して収容部材30に伝えられる。次に、熱は、収容部材30からこれに連結された固定部材32に伝わり、固定部材32に接続された光ケーブル3の金属編組13に伝えられる。そして、金属編組13に伝わった熱は、光ケーブル3の外被9を介して外部に放熱される。以上のようにして、コネクタアセンブリ1では、発熱体である制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱が外部に放出される。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、光ケーブル3に熱伝導率の高い金属編組13が設けられており、制御用半導体50や受発光素子52などの発熱体が搭載された回路基板24と金属編組13とが金属ハウジング26により熱的に接続されている。これにより、制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱は、回路基板24及び金属ハウジング26を介して光ケーブル3の金属編組13に伝わり、光ケーブル3の外被9から外部に放出される。すなわち、コネクタモジュール5と光ケーブル3との間に放熱の経路が確立されて光ケーブル3に伝達されるため、回路基板24の熱を光ケーブル3に効率的に放散できる。これにより、ハウジング20が過剰に熱をもたないため、ユーザーの違和感を軽減できる。
【0049】
ここで、上記の熱を電気コネクタ22を介してパソコンなどの接続対象に放出することも考えられる。しかしながら、熱を放出するときに接続対象がそれを受け入れられる状態にあるか否かを予測することは困難である。そのため、熱を放出する際、接続対象の温度が上昇している場合には、コネクタアセンブリ1の熱を接続対象側に十分に放散することができない。これに対して、本実施形態では、光ケーブル3に回路基板24の熱を放散させて外部に放出するため、コネクタアセンブリ1の接続先の状態に依存することなく、熱を十分に放出することができる。
【0050】
また、本実施形態では、金属編組13(伝熱部材)の熱伝導率は、金属ハウジング26、放熱シート56(熱伝導体)の熱伝導率より大きい。このため、金属ハウジング26の熱を光ケーブル3に効率的に放散できるので、回路基板24の熱を光ケーブル3に効率的に放散できる。さらに、熱伝導体を構成する金属ハウジング26を収容する樹脂ハウジング28をさらに有する場合には、金属ハウジング26からの放熱は樹脂ハウジング28によって妨げられることとなるが、回路基板24の熱を光ケーブル3に効率的に放散することによって、収容部材30内の温度を効率よく低下させることができる。これにより、受発光素子52の信頼性が向上し、ユーザーがハウジング20を持ったときに、熱(熱さ)を感じることが軽減される。
【0051】
また、本実施形態では、回路基板24と金属ハウジング26(固定部材32)とが放熱シート56で熱的に接続されている。そのため、回路基板24の熱を金属ハウジング26に効率的に伝達することができる。その結果、伝達効率の良好な熱伝達経路を回路基板24と光ケーブル3との間に確立できる。また、金属編組13を固定部材32にはんだにより接合することにより、より確実な熱的な接続を得ることができる。
【0052】
また、光ケーブル3は、光ファイバ心線7と、この光ファイバ心線7を被覆する樹脂製の外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に介在された抗張力繊維11と、外被9と抗張力繊維11との間に介在された金属編組13とを有し、光ファイバ心線7、抗張力繊維11、金属編組13及び外被9が、その中心から径方向の外側に向けてこの順に配置されている。これにより、光ケーブル3に加えられる引張力などの外力に対する耐久性を光ケーブル3において確保できる一方、光ファイバ心線7と金属編組13との間に抗張力繊維11を備えるので、発生した熱が熱伝導体から外被9を介して外部に放出されるのを妨げることを防止できる。さらに、外被9と金属編組13との間に空間を介することなく密着させることにより、金属編組13から外被9への熱の拡散を効率よく行うことができる。
【0053】
また、熱伝導体である金属ハウジング26が樹脂ハウジング28に収容されているため、回路基板24の熱は、熱伝導率の高い光ケーブル3に放散される。したがって、光ケーブル3側に熱を放散するための熱伝達経路を確実に構成できる。また、樹脂ハウジング28により、ユーザーがハウジング20を持ったときに、熱さを感じることが軽減される。
【0054】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係るコネクタアセンブリのコネクタモジュールを示す斜視図である。図9は、ハウジングの一部を取り外した状態を示す斜視図である。図10は、光ケーブルの断面構成を示す図である。コネクタアセンブリ1Aは、光ケーブル3Aと、コネクタモジュール5Aとを備えている。
【0055】
図10に示すように、光ケーブル3Aは、複数本(ここでは4本)の光ファイバ心線7と、この光ファイバ心線7を被覆する樹脂製の外被9と、光ファイバ心線7と外被9との間に介在された極細径の抗張力繊維11と、外被9と抗張力繊維11との間に介在され、外被9と接触する金属編組13と、抗張力繊維11と金属編組13との間に介在されたインナーチューブ14とを有している。つまり、光ケーブル3Aでは、光ファイバ心線7、抗張力繊維11、インナーチューブ14、金属編組13及び外被9が、その中心から径方向の外側に向けてこの順に配置されている。
【0056】
コネクタモジュール5Aは、ハウジング60と、ハウジング20の前端(先端)側に設けられる電気コネクタ22と、ハウジング60に収容される回路基板24とを備えている。なお、電気コネクタ22、回路基板24及び放熱シート56の構成は、第1実施形態と同様である。
【0057】
ハウジング60は、金属ハウジング61と、図示しない樹脂ハウジングとから構成されている。金属ハウジング61は、収容部材62と、収容部材62の後端部に連結され、光ケーブル3Aを固定する加締め部材64とから構成されている。金属ハウジング61は、鋼(Fe系)、ブリキ(錫めっき銅)、ステンレス、銅、真鍮、アルミなどの熱伝導率の高い(好ましくは100W/m・K以上)金属材料により形成されている。金属ハウジング61は、熱伝導体を構成している。
【0058】
収容部材62は、断面が略矩形形状を呈する筒状の中空部材である。収容部材62は、回路基板24などを収容する収容空間S(図9参照)を画成している。収容部材62の前端側には、電気コネクタ22が設けられ、収容部材62の後端側には、加締め部材64が連結される。収容部材62は、複数の部材により構成されている。収容部材62は、後端部が開口している。
【0059】
収容部材62には、保持片62a,62bが設けられている。保持片62a,62bは、収容部材62の後端部において両端側(左右)に一対設けられており、収容部材62の上部から下側に折り返されて下部に向かって延びている。
【0060】
図11は、加締め部材を示す斜視図であり、収容部材に連結される前の状態(折り返される前の状態)を示している。加締め部材64は、基部66と、筒部68と、基部66の両側から後方に張り出す一対の圧着部70a,70bとを有している。加締め部材64は、基部66、筒部68及び圧着部70a,70bが板金により一体に形成されている。
【0061】
基部66は、板状の部材であり、筒部68の径方向の外側に張り出している。基部66は、本体部66aと、張出部66bを有している。張出部66bは、本体部66aの左右に張り出していると共に、上下に所定の間隔をあけて設けられている。
【0062】
筒部68は、略円筒形状をなしており、基部66の本体部66aから後方に突出するように設けられている。筒部68は、光ファイバ心線7を挿通すると共に、圧着部70a,70bとの協働により光ケーブル3Aを保持する。
【0063】
圧着部70a,70bは、光ケーブル3Aを筒部68との協働で圧着すると共に、抗張力繊維11が巻き付けられる。圧着部70aと圧着部70bとは、同様の構成を有しており、以下では、圧着部70aを一例に具体的に説明する。圧着部70aは、基部66から折り返されて筒部68の径方向の外側に位置している。圧着部70aには、凹部71aと、2つのスリット部71b,71cとが設けられている。凹部71a及びスリット部71b,71cは、抗張力繊維11が巻きつけられる部分である。圧着部70a,70bに抗張力繊維11を巻き付ける方法については後述する。
【0064】
続いて、上記の構成を有する加締め部材64と収容部材62との連結について説明する。加締め部材64を収容部材62に連結するときには、加締め部材64を収容部材62の保持片62a,62bの間に下側から押し込む。これにより、基部66の本体部66aの上部から張り出す張出部66bが保持片62a,62bとの間に保持されるように、加締め部材64と収容部材62とが連結される。
【0065】
続いて、光ケーブル3Aを加締め部材64に取り付ける方法について説明する。図12及び図13は、加締め部材に光ケーブルを取り付ける方法を示す図である。図14は、コネクタアセンブリの断面構成を示す図である。図12に示すように、加締め部材64に光ケーブル3Aを取り付ける前の状態では、加締め部材64の圧着部70a,70bは折り返されていない。最初に、光ケーブル3Aの外被9を剥いで金属編組13を露出させ、この金属編組13を外被9の外周側に折り返す。このとき、金属編組13を折り返す長さは、例えば筒部68の長さ以下とする。次に、加締め部材64を準備し、加締め部材64の筒部68に光ケーブル3Aの光ファイバ心線7、抗張力繊維11及びインナーチューブ14を挿通させると共に、金属編組13を筒部68の外周面68aに被せる。
【0066】
続いて、抗張力繊維11を圧着部70a,70bに巻き付ける。具体的には、抗張力繊維11を、基部66の前面に沿って左右に引き出して圧着部70a,70bの凹部71aに掛けて折り返す。次に、抗張力繊維11をスリット部71cに通した後にスリット部71bに通し、再度凹部71aに掛ける。このようにして、抗張力繊維11を圧着部70a,70bに巻き付ける。
【0067】
抗張力繊維11を巻き付けた後、圧着部70a,70bを光ケーブル3A側に折り返す。このとき、図14に示すように、金属編組13が、筒部68の外周面68a、基部66の後面及び圧着部70a,70bで接触する。圧着部70a,70bが折り返されると、外被9及び金属編組13が筒部68と圧着部70a,70bの基部側との間に挟持されてこの部分で圧着されると共に、外被9に圧着部70a,70bが食い込み、光ケーブル3Aが加締め部材64により保持固定される。以上のように、光ケーブル3Aが圧着部70a,70bにより加締められて加締め部材64に圧着され、光ケーブル3Aの金属編組13と加締め部材64(金属ハウジング61)とが熱的に接続される。
【0068】
続いて、コネクタアセンブリ1Aにおける放熱方法について説明する。回路基板24に搭載された制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱は、まず回路基板24に伝わる。回路基板24に伝達された熱は、放熱シート56を介して収容部材62に伝えられる。次に、熱は、収容部材62からこれに連結された加締め部材64に伝わり、加締め部材64に接続された光ケーブル3Aの金属編組13に伝えられる。そして、金属編組13に伝わった熱は、光ケーブル3Aの外被9を介して外部に放熱される。以上のようにして、コネクタアセンブリ1Aでは、発熱体である制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱が外部に放出される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態では、制御用半導体50や受発光素子52などの発熱体が搭載された回路基板24と金属編組13とが金属ハウジング61により熱的に接続されている。これにより、制御用半導体50及び受発光素子52で発生した熱は、回路基板24及び金属ハウジング61(収容部材62及び加締め部材64)を介して光ケーブル3Aの金属編組13に伝わり、光ケーブル3Aの外被9から外部に放出される。すなわち、コネクタモジュール5Aと光ケーブル3Aとの間に放熱の経路が確立されて光ケーブル3Aに伝達されるため、回路基板24の熱を光ケーブル3Aに効率的に放散できる。
【0070】
また、本実施形態では、金属編組13(伝熱部材)の熱伝導率は、金属ハウジング61、放熱シート56(熱伝導体)の熱伝導率より大きい。このため、金属ハウジング61の熱を光ケーブル3Aに効率的に放散できるので、回路基板24の熱を光ケーブル3Aに効率的に放散できる。さらに、熱伝導体を構成する金属ハウジング61を収容する樹脂ハウジング(図示しない)をさらに有する場合には、金属ハウジング61からの放熱は樹脂ハウジングによって妨げられることとなるが、回路基板24の熱を光ケーブル3Aに効率的に放散することによって、収容部材62内の温度を効率よく低下させることができる。これにより、受発光素子52の信頼性が向上し、ユーザーがハウジング60を持ったときに、熱(熱さ)を感じることが軽減される。
【0071】
また、本実施形態では、加締め部材64により光ケーブル3Aを加締めて圧着し保持固定する構成のため、光ケーブル3Aを金属ハウジング61に簡易に接合することができる。これにより、作業現場におけるコネクタアセンブリ1Aの組立て作業性を向上することができる。
【0072】
また、金属編組13は、加締め部材64において、基部66、筒部68の外周面68a及び圧着部70a,70bと当接している。このように、金属編組13と加締め部材64とを多くの箇所で接触させ、金属編組13と加締め部材64との接触面積を確保することにより、放熱経路を良好に確保することができる。したがって、回路基板24の熱を光ケーブル3Aにより効率的に放散できる。
【0073】
また、本実施形態では、光ケーブル3Aにおいて、抗張力繊維11と金属編組13との間にインナーチューブ14が設けられている。インナーチューブ14により、光ケーブル3Aの内部に熱が伝達されることを抑制でき、熱を外被9を介して外部に良好に放出できる。外被9の表面積は光ケーブル3A内部のインナーチューブ14の表面積より大きいから、インナーチューブ14の熱伝導率が外被9の熱伝導率以下であることが好ましい。
【0074】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、伝熱部材として金属編組13を例示しているが、伝熱部材は金属編組13に限定されない。伝熱部材としては、高い熱伝導率を有する部材であればよく、例えば金属テープなどであってもよい。
【0075】
また、第2実施形態の光ケーブル3Aを、第1実施形態のコネクタアセンブリ1に用いてもよい。
【0076】
また、第1実施形態では、固定部材32と金属編組13とをはんだにより接合しているが、固定部材32と金属編組13との接合ははんだに限定されない。なお、第1実施形態において、接合部に外力が印加され得ることが想定される場合には、容易に接合が解除されることがない接合方法を選択する必要があり、はんだによる接合が最も好ましい。
【0077】
また、第1実施形態では、熱の伝達経路が放熱シート56、収容部材30及び固定部材32により構成されているが、固定部材32が回路基板24に直接接続(固定)されることにより熱の伝達経路が構成されてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、接続部材である放熱シート56は、その上面が回路基板24の裏面24bに物理的且つ熱的に接続され、その下面が収容部材30(62)の内側面に物理的且つ熱的に接続されているが、接続部材は、例えば図15に示す構成であってもよい。図15は、他の実施形態に係るコネクタアセンブリの断面構成を示す図である。
【0079】
図15に示すように、コネクタアセンブリ1Bでは、回路基板24と収容部材30(62)(金属ハウジング26,61)との間には、第1放熱シート56a及び第2放熱シート56bが配置されている。第1放熱シート56aは、回路基板24の表面24aの前端側に配置されたCDR(Clock Data Recovery)装置50bと金属ハウジング26(61)との間に配置され、両者を熱的に接続する。
【0080】
また、第2放熱シート56bは、回路基板24の裏面24bと金属ハウジング26との間に配置され、両者を熱的に接続する。第2放熱シート56bは、駆動IC50aが配置された領域に対応する回路基板24の裏面24bから、回路基板24前端側にわたって延在するように配置されている。これらの第1及び第2放熱シート56a,56bにより、受発光素子52より前方において、回路基板24と金属ハウジング26(61)を熱的に接続する領域が形成される。これにより、制御用半導体50からの熱が回路基板24を介して受発光素子52に流入することを防止しながら、収容部材30(62)に伝達される。
【0081】
上記実施形態のように、複数の受発光素子52を用いて高速パラレルデータ伝送を行う場合には、正確な波形成形やレベル制御を行うためにCDR装置50bが用いられる。また、受発光素子52の駆動IC50aも大規模化し得る。このように制御用半導体50として発熱量が大きい部品を用いると、そこから発生した熱が受発光素子52に流入し、受発光素子52が破損する要因となる。また、電気コネクタ22が接続される電子機器の発熱量が大きい場合も、同様の問題が生じ得る。
【0082】
コネクタアセンブリ1Bでは、制御用半導体50や、電気コネクタ22が接続される電子機器からの熱が回路基板24を介して受発光素子52に流入する前に、熱を金属ハウジング26(61)側に拡散して光ケーブル3(3A)に放散できるから、受発光素子52の信頼性を損なうことを防止しつつ、熱を光ケーブル3(3A)に放散できる。
【符号の説明】
【0083】
1,1A…コネクタアセンブリ、3,3A…光ケーブル、5,5A…コネクタモジュール、7…光ファイバ心線、9…外被、11…抗張力繊維、13…金属編組(伝熱部材)、14…インナーチューブ、20,60…ハウジング、26,61…金属ハウジング(第1ハウジング、熱伝導体)、28…樹脂ハウジング(第2ハウジング)、30,62…収容部材(熱伝導体)、32,64…固定部材(熱伝導体)、50…制御用半導体(光電変換部)、52…受発光素子(光電変換部)、56…放熱シート(接続部材、熱伝導体)、56a,56b…第1、第2放熱シート(接続部材)、66…基部、68…筒部、70a,70b…圧着部、S…収容空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルとコネクタモジュールとを含んで構成されるコネクタアセンブリであって、
前記光ケーブルは、
光ファイバと、
前記光ファイバの周りに設けられた外被と、
前記光ファイバと前記外被との間に設けられ、金属製の伝熱部材とを有し、
前記コネクタモジュールは、
空間を画成するハウジングと、
前記ハウジングの前記空間に収容され、前記光ファイバが接続される光電変換部が搭載された回路基板とを有し、
前記光ケーブルの前記伝熱部材と前記コネクタモジュールの前記回路基板とが熱伝導体により熱的に接続されていることを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記伝熱部材の熱伝導率は、前記熱伝導体の熱伝導率より大きいことを特徴とする請求項1記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記光電変換部は、制御用半導体と受発光素子とを含み、
前記熱伝導体は、前記回路基板と接続部材を介して熱的に接続された前記ハウジングを含み、
前記ハウジングの前端には、前記回路基板と電気的に接続された電気コネクタを備え、
前記制御用半導体は、前記回路基板において前記受発光素子よりも前方で且つ前記電気コネクタよりも後方に位置すると共に、前記受発光素子よりも発熱量の大きく、
前記接続部材は、前記受発光素子より前方において、前記回路基板と前記ハウジングを熱的に接続する領域を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記伝熱部材は、前記光ケーブルの末端に取り付けられる金属製の加締め部材に圧着されており、
前記加締め部材が前記ハウジングと熱的に接続され、前記加締め部材及び前記ハウジングにより前記熱伝導体が構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記加締め部材は、
前記光ファイバが挿通される筒部と、
前記筒部の径方向の外側に張り出す基部と、
前記筒部の径方向の外側に位置し、前記光ケーブルの末端を前記筒部と挟持して圧着する圧着部と、を有し、
前記伝熱部材は、前記筒部の外周面に配置され、当該外周面と前記圧着部との間に挟持されて圧着されていることを特徴とする請求項4記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記伝熱部材は、前記光ケーブルの末端において前記外被の外周側に折り返されており、前記加締め部材において、前記筒部の前記外周面、前記基部及び前記圧着部と当接していることを特徴とする請求項5記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングは、金属材料からなる第1ハウジングを含んでおり、
前記第1ハウジングが前記熱伝導体を構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第1ハウジングは、前記空間を画成する収容部材と、前記収容部材と連結可能に構成されていると共に、前記光ケーブルを保持する固定部材とを有し、
前記固定部材に前記伝熱部材が熱的に接続されていると共に、前記収容部材と前記固定部材とが熱的に接続されていることを特徴とする請求項7記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記コネクタモジュールは、前記回路基板と前記第1ハウジングの前記収容部材とを熱的に接続する接続部材を有しており、
前記接続部材及び前記第1ハウジングが前記熱伝導体を構成していることを特徴とする請求項8記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記第1ハウジングは、前記空間を画成する収容部材と、前記収容部材と連結可能に構成されていると共に、前記光ケーブルを保持する固定部材とを有し、
前記固定部材に前記伝熱部材が熱的に接続されていると共に、前記固定部材が前記回路基板に直接接続されていることを特徴とする請求項7記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングは、樹脂材料からなり且つ前記第1ハウジングを収容する第2ハウジングを有していることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記伝熱部材は、金属編組であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記光ケーブルは、前記光ファイバと前記伝熱部材との間に抗張力繊維を有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記光ケーブルは、前記抗張力繊維と前記伝熱部材との間にチューブが設けられていることを特徴とする請求項13記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記伝熱部材は、前記熱伝導体にはんだにより接合されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタアセンブリ。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−83946(P2013−83946A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197585(P2012−197585)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】