説明

コネクタ保持具

【課題】簡素な構成で且つ簡単な作業でケーブルのコネクタ間の接続状態を保持する。
【解決手段】コネクタ保持具1は、第1のケーブル201を支持する第1の支持部10と、第1のケーブル201のコネクタ201aに接続されるコネクタ202aを有する第2のケーブル202を支持する第2の支持部20と、第1の支持部10及び第2の支持部20と一体に設けられ、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を広げる伸び方向及びこの間隔を狭める圧縮方向に伸縮する間隔調整部30,40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記述された実施形態は、ケーブルのコネクタ間の接続状態を保持するコネクタ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばATM(Automatic Teller Machine)や情報処理装置等において使用されているケーブルには、ケーブル障害時の交換作業の簡素化、ノイズ対策等のために、ケーブルをコネクタにより中継接続している箇所がある。
【0003】
コネクタ自体の形状は様々であり、このコネクタを有するケーブルの形状も多数ある。その中でもコネクタ自体にロック式やネジ止め等の抜け防止構造を持ってないものが多数使用されている。抜け防止構造を持ってないコネクタは、互いに接続された状態のメス側コネクタ及びオス側コネクタの両側の根元部分においてケーブルをクランプ等で固定するなどの抜け防止を図ることによって保持されている。
【0004】
図9は、参考技術に係るクランプを用いたコネクタ接続を説明するための斜視図である。
図9に示すように、第1のケーブル201及び第2のケーブル202は、コネクタ201a,202aと、ケーブル本体201b,202bとを有し、コネクタ201a,202aにおいて互いに接続される。
【0005】
この接続状態を保持するために、ケーブル本体201b,202bは、コネクタ201a,202aの根元部分側において、クランプ211を巻きつけられ、クランプ211を貫通するネジ212により図示しない電子機器等に対し固定されている。
【0006】
図9に示すクランプ211以外の保持具としては、ケーブルのコネクタ間の接続状態を保持するものではなく基板のコネクタに用いられる保持具ではあるが、キャップアセンブリ側の部材とプラグアセンブリ側の部材とがゴム部材を介して連結されている保持具(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【0007】
また、ケーブルのコネクタ間の接続状態を保持するものではなく機器に接続されるコネクタを保持する保持具ではあるが、位置調整可能な保持具(例えば、特許文献2参照)、上述のようなクランプを用いた保持具(例えば、特許文献3参照)、面ファスナーを備える保持具(例えば、特許文献4参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−86077号公報
【特許文献2】特開2010−114006号公報
【特許文献3】特開2006−59688号公報
【特許文献4】特開2004−253164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、コネクタ自体に抜け防止構造を持っていないケーブルは、当然ながら、コネクタ自体に抜け防止構造(ロック式やネジ止め等)を持っているケーブルに比べて容易に抜けやすい。
【0010】
そのため、コネクタ自体に抜け防止構造を持っていないケーブルは、図9に示すクランプ211及びネジ212等で固定されるが、このように固定される場合、コネクタ201a,202aの寸法に合わせて固定位置を決めるため、コネクタ201a,202aが限定され汎用性がない。また、ケーブル201,202のそれぞれに、クランプ211及びネジ212が必要になる。更には、コネクタ201a,202a着脱の際は、コネクタ201a,202aを着脱する度にクランプ211を外す作業が必要となる。
【0011】
また、ゴム部材を用いた保持具については、構造が複雑化する上、ゴム部材は常に圧縮方向に付勢されるため、位置の保持が困難で、しかもゴム部材の付勢力に抗して位置決めを行わなければならず、作業性が悪い。
【0012】
本発明の目的は、簡素な構成で且つ簡単な作業でケーブルのコネクタ間の接続状態を保持することができるコネクタ保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書で開示するコネクタ保持具は、第1のケーブルを支持する第1の支持部と、上記第1のケーブルのコネクタに接続されるコネクタを有する第2のケーブルを支持する第2の支持部と、上記第1の支持部及び上記第2の支持部と一体に設けられ、上記第1の支持部と上記第2の支持部との間隔を広げる伸び方向及びこの間隔を狭める圧縮方向に伸縮する間隔調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本明細書で開示するコネクタ保持具によれば、簡素な構成で且つ簡単な作業でケーブルのコネクタ間の接続状態を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施の形態に係るコネクタ保持具を示す斜視図である。
【図2】一実施の形態に係るコネクタ保持具の展開状態を示す斜視図(その1)である。
【図3】一実施の形態に係るコネクタ保持具の展開状態を示す斜視図(その2)である。
【図4】一実施の形態に係るコネクタ保持具を用いたコネクタ接続を説明するための斜視図(その1)である。
【図5】一実施の形態に係るコネクタ保持具を用いたコネクタ接続を説明するための斜視図(その2)である。
【図6】一実施の形態に係るコネクタ保持具を用いたコネクタ接続を説明するための斜視図(その3)である。
【図7】一実施の形態の変形例に係るコネクタ保持具を示す斜視図である。
【図8】他の実施の形態に係るコネクタ保持具を示す斜視図である。
【図9】参考技術に係るクランプを用いたコネクタ接続を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態に係るコネクタ保持具について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係るコネクタ保持具1を示す斜視図である。
図2及び図3は、コネクタ保持具1の展開状態を示す斜視図である。
【0017】
図1〜図3に示すコネクタ保持具1は、第1の支持部10と、第2の支持部20と、間隔調整部30,40と、第1の間隔規定部50と、第2の間隔規定部60とを備える。コネクタ保持具1は、各部が例えばプラスチックなどの単一材料から一体に成形されてなる。コネクタ保持具1の材料としては、例えば、プラスチック、金属などが挙げられる。詳しくは後述するが、間隔調整部30,40は伸縮する(伸縮方向D)。そのため、間隔調整部30,40の厚さなどの形状にもよるが、コネクタ保持具1の材料は、間隔調整部30,40が変形して伸縮可能となる程度の柔軟性(可撓性)を有する材料であることが望ましい。
【0018】
第1の支持部10は、図4に示す第1のケーブル201を支持し、第2の支持部20は、図4に示す第2のケーブル202を支持する。
第1の支持部10は、第1のベースプレート11と、この第1のベースプレート11から例えば直角に立ち上がり第1のケーブル201を支持する第1の立ち上がり部12と、を有する。
【0019】
同様に、第2の支持部20は、第2のベースプレート21と、第2のベースプレート21から例えば直角に立ち上がり第2のケーブル202を支持する第2の立ち上がり部22と、を有する。
【0020】
第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22は、コネクタ201a,202aにおいて接続されて一直線状に延びる第1のケーブル201及び第2のケーブル202を支持するべく、互いに対向して配置されている。
【0021】
第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22の自由端である先端には、第1のケーブル201又は第2のケーブル202が挿入される切り欠き部12a,22aが形成されている。
【0022】
切り欠き部12a,22aは、第1のケーブル201又は第2のケーブル202が嵌め込まれる略円形の貫通孔であるケーブル保持部分12a−1,22a−1と、このケーブル保持部分12a−1,22a−1から第1の立ち上がり部12又は第2の立ち上がり部22の先端に近づくほど幅が広くなるガイド部分12a−2,22a−2とを有する。
【0023】
一対の間隔調整部30,40は、第1のベースプレート11(第1の支持部10)と一体に設けられた第1の間隔調整片31,41と、この第1の間隔調整片31,41及び第2のベースプレート21(第2の支持部20)と一体に設けられた第2の間隔調整片32,42とを有する。
【0024】
第1の間隔調整片31,41及び第2の間隔調整片32,42は、棒状を呈し、これらのなす角度θが可変となるように変形することで、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を広げる伸び方向及びこの間隔を狭める圧縮方向に伸縮する(伸縮方向D)。
【0025】
間隔調整部30,40は、第1のベースプレート11及び第2のベースプレート21に対し第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22の立ち上がり方向に突出し、第1のケーブル201及び第2のケーブル202のコネクタ201a,202aを挟んで互いに対向する。
【0026】
なお、本実施の形態では、後述する第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60が第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を規定(保持)するため、間隔調整部30,40の変形特性は特に限定されない。しかし、第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60を省略する場合には、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を保持した状態でコネクタ接続を行うという観点からは、間隔調整部30,40は、弾性変形可能であるよりも塑性変形可能である方がより望ましい。また、間隔調整部30,40の数は、2つではなく、1つであってもよい。
【0027】
第1の間隔規定部50は、第1のベースプレート11(第1の支持部10)と一体に設けられ、第2の間隔規定部60は、第2のベースプレート21(第2の支持部20)と一体に設けられている。
【0028】
第1の間隔規定部50は、第1の支持部10との連結部分である固定端から第2の支持部20側に延び、第2の間隔規定部60は、第2の支持部20との連結部分である固定端から第1の支持部10側に延びる。
【0029】
第1の間隔規定部50と第2の間隔規定部60とは、互いに係合することにより第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を規定(保持)する。第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60は、一対の間隔調整部30,40の間に位置する。
【0030】
第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60は、先端側の一部分(少なくとも先端部分の一例)が例えば二股に分岐し、分岐部分51,52,61,62が形成されている。これにより、分岐部分51、52の隙間、または分岐部分61、62の隙間に、ネジを挿入し固定することにより、所定の固定場所にコネクタ保持具1を固定することが可能となる。また、これに限らず、第1の支持部10の裏面、または第2の支持部20の裏面に接着材等を使用することにより所定の固定場所にコネクタ保持具1を固定することが可能となる。
【0031】
なお、図2及び図3では、第2の間隔規定部60の分岐部分61,62の長さを図1よりも小さく図示し、二点鎖線で図1の分岐部分61,62を図示しているが、第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60の分岐部分51,52,61,62の長さは特に限定されず、第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60の両方又は一方の分岐部分51,52,61,62を省略してもよい。
【0032】
第1の間隔規定部50は、分岐部分51,52のそれぞれに凹凸形状の係合面51a,52aを有する。この係合面51a,52aの凹凸形状は、間隔調整部30,40の伸縮方向Dに凹凸が連続する。凹凸形状は、波型形状であることが望ましい。
【0033】
第2の間隔規定部60には、分岐部分61,62の先端において係合凸部61a,62aが設けられており、分岐部分61,62において、係合凸部61a,62aが係合面51a,52aに係合する。
【0034】
図4〜図6は、コネクタ保持具1を用いたコネクタ接続を説明するための斜視図である。
コネクタ保持具1によって第1のケーブル201と第2のケーブル202との接続状態を保持する場合には、まず、図4及び図5に示すように、雄側のコネクタ201aと雄側のコネクタ202aとが接続される。
【0035】
その後、図6に示すように第1のケーブル201及び第2のケーブル202がコネクタ保持具1の第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22のケーブル保持部分12a−2,22a−2に挿入されるが、この挿入時には、ケーブル保持部分12a−2,22a−2がケーブル本体201b,202bを保持できる程度に、間隔調整部30,40は伸縮方向Dに伸びた状態とするとよい。
【0036】
そして、ケーブル本体201b,202bがケーブル保持部分12a−2,22a−2に嵌め込まれた後に、間隔調整部30,40を伸縮方向に圧縮して、第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22がコネクタ201a,202aに当接するようにするとよい。
【0037】
以上説明した本実施の形態では、コネクタ保持具1は、第1の支持部10と、第2の支持部20と、間隔調整部30,40とを備える。第1の支持部10は、第1のケーブル201を支持する。第2の支持部20は、第1のケーブル201のコネクタ201aに接続されるコネクタ202aを有する第2のケーブル202を支持する。間隔調整部30,40は、第1の支持部10及び第2の支持部20と一体に設けられ、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を広げる伸び方向及びこの間隔を狭める圧縮方向に伸縮する(伸縮方向D)。
【0038】
この構成によって、間隔調整部30,40により第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を調整できてコネクタ201a,202aの大きさの違いを吸収できるため、汎用性があり、しかも、固定位置の調整の作業や、位置調整後のコネクタ保持具1の固定作業についての作業性が良好である。
【0039】
更には、第1の支持部10と、第2の支持部20と、間隔調整部30,40とが一体であるため、単一部品で構成を簡素にすることができる上、組立作業を省略することができると共に、ケーブル201,202の交換作業の効率化を図ることができる。
よって、本実施の形態によれば、簡素な構成で且つ簡単な作業でケーブル201,202のコネクタ201a,202a間の接続状態を保持することができる。
【0040】
更には、間隔調整部30,40によって第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を調整することで、接続状態を保持されたコネクタ201a,202aの揺れを防止できるなど、コネクタ201a,202a間の接続状態を確実に保持し、コネクタ201a,202aの抜けに関する品質の安定化を図ることもできる。
【0041】
また、本実施の形態では、コネクタ保持部1は、第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60を備える。第1の間隔規定部50は、第1の支持部10と一体に設けられている。第2の間隔規定部60は、第2の支持部20と一体に設けられ、第1の間隔規定部50と係合することにより第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を規定する。
この構成によって、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を維持することができるため、コネクタ保持部1を取付ける際の作業性を向上させることができると共に、コネクタ保持部1を取付けた後の接続状態を安定させることができる。
【0042】
また、本実施の形態では、第1の間隔規定部50(第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60のうち少なくとも一方)は、間隔調整部30,40の伸縮方向Dに凹凸が連続する凹凸形状の係合面51a,52aを有する。
この構成によって、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔の微調整を行うことができる。
【0043】
また、本実施の形態では、係合面51a,52aの凹凸形状は、波型形状である。
この構成によって、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔の微調整の作業性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施の形態では、第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60の両方(少なくとも一方)は、少なくとも先端部分が分岐し、分岐した部分(分岐部分51,52,61,62)が係合する。
この構成によって、簡素な構成で、第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を確実に規定することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、第1の支持部10は、間隔調整部30,40と一体に設けられた第1のベースプレート11と、この第1のベースプレート11から立ち上がり第1のケーブル201を支持する第1の立ち上がり部12と、を有する。第2の支持部20は、間隔調整部30,40と一体に設けられた第2のベースプレート21と、この第2のベースプレート21から第1の立ち上がり部12に対向して立ち上がり第2のケーブル202を支持する第2の立ち上がり部22と、を有する。
この構成によって、より簡素な構成で第1のケーブル201及び第2のケーブル202を支持することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、間隔調整部30,40は、一対で設けられ、この一対の間隔調整部30,40は、第1のベースプレート11及び第2のベースプレート21に対し第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22の立ち上がり方向に突出し、第1のケーブル201及び第2のケーブル202のコネクタ201a,202aを挟んで互いに対向する。
この構成によって、間隔調整部30,40がかさ張らず、より簡素な構成にすることができると共に、間隔調整部30,40によりコネクタ201a,202aが人の手や何らかの部品に接触してコネクタ201a,202aが抜けるのを防ぐこともできる。
【0047】
また、本実施の形態では、第1の立ち上がり部12及び第2の立ち上がり部22の自由端(先端)には、第1のケーブル201又は第2のケーブル202が挿入される切り欠き部12a,22aが形成されている。
この構成によって、より簡単な作業で第1のケーブル201及び第2のケーブル202を支持することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、切り欠き部12a,22aは、第1のケーブル201又は第2のケーブル202が嵌め込まれるケーブル保持部分12a−1,22a−1と、このケーブル保持部分12a−1,22a−1から第1の立ち上がり部12又は第2の立ち上がり部22の自由端(先端)に近づくほど幅が広くなるガイド部分12a−2,22a−2とを有する。
この構成によって、より一層簡単な作業で第1のケーブル201及び第2のケーブル202を支持することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、間隔調整部30,40は、第1の支持部10と一体に設けられた第1の間隔調整片31,41と、この第1の間隔調整片31,41及び第2の支持部20と一体に設けられた第2の間隔調整片32,42とを有し、第1の間隔調整片31,41と第2の間隔調整片32,42とがなす角度θが可変であることで第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を可変にする。
この構成によって、より簡素な構成で第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を調整することができる。
【0050】
図7は、本実施の形態の変形例に係るコネクタ保持具1−1を示す斜視図である。
本変形例では、第1の支持部70の第1の立ち上がり部71及び第2の支持部80の第2の立ち上がり部81のみ上述のコネクタ保持具1と相違する。共通する部分については説明を省略する。
【0051】
第1の立ち上がり部71及び第2の立ち上がり部81には、自由端である先端側から第1のケーブル201又は第2のケーブル202が挿入されるケーブル保持部71a,81aが設けられている。このケーブル保持部71a,81aは、例えば、2枚の細長い薄板状の部分によって、第1のケーブル201又は第2のケーブル202を挟み込むことで保持する。
【0052】
ケーブル保持部71a,81aは、例えば2枚の板状部材からなり、第1のケーブル201又は第2のケーブル202が嵌め込まれるケーブル保持部分71a−1,81a−1と、このケーブル保持部分71a−1,81a−1から第1の立ち上がり部71又は第2の立ち上がり部81の先端に近づくほど幅が広くなるガイド部分71a−2,81a−2とを有する。ケーブル保持部71a,81aは、板状で所定のケーブルの太さに合わせた形状で中央が円形状で(ケーブル保持部分71a−1,81a−1)、外側の端部(第1の立ち上がり部71又は第2の立ち上がり部81の先端)に向かって、一度窪み(ケーブル保持部分71a−1,81a−1の先端)、その外側の端部に向かって広がっている。また、材料は、変形可能となる程度の柔軟性(可撓性)を有する材料にすることが望ましい。
【0053】
本変形例のようなケーブル保持部71a,81aを用いることでも、ケーブル201,202を支持することができる。そして、本変形例のコネクタ保持具1−1によっても、上述のコネクタ保持具1と同様の効果を得ることができる。また、ケーブル保持部71a,81aを板状で変形可能となる程度の柔軟性(可撓性)を有する材料にすることでケーブル保持部分71a−1,81a−1のケーブル固定径よりも太いケーブルを挿入した場合でも、ケーブルの固定が可能となる。
【0054】
図8は、他の実施の形態に係るコネクタ保持具101を示す斜視図である。
本実施の形態では、第1の間隔規定部110及び第2の間隔規定部120のみ上述の一実施の形態に係るコネクタ保持具1と相違する。共通する部分については、説明を省略する。
【0055】
まず、第1の間隔規定部110及び第2の間隔規定部120が上述の一実施の形態の第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60と同様である点について述べる。
第1の間隔規定部110は、第1のベースプレート11(第1の支持部10)と一体に設けられ、第2の間隔規定部120は、第2のベースプレート21(第2の支持部20)と一体に設けられている。
【0056】
また、第1の間隔規定部110は、第1の支持部10との連結部分である固定端から第2の支持部20側に延び、第2の間隔規定部120は、第2の支持部20との連結部分である固定端から第1の支持部10側に延びる。
【0057】
更には、第1の間隔規定部110と第2の間隔規定部120とは、互いに係合することにより第1の支持部10と第2の支持部20との間隔を規定(保持)する。第1の間隔規定部110及び第2の間隔規定部120は、一対の間隔調整部30,40の間に位置する。
【0058】
次に、第1の間隔規定部110及び第2の間隔規定部120が上述の一実施の形態の第1の間隔規定部50及び第2の間隔規定部60と相違する点について述べる。
第2の間隔規定部120のみ、先端側の一部分(少なくとも先端部分の一例)が二股に分岐し、分岐部分121,122が形成されている。
【0059】
第2の間隔規定部120は、分岐部分121,122に凹凸形状の係合面121a,122aを有する。この係合面121a,122aの凹凸形状は、間隔調整部30,40の伸縮方向Dに凹凸が連続する。凹凸形状は、波型形状であることが望ましい。
【0060】
第1の間隔規定部110は、第2の間隔規定部120の分岐部分121,122に挟み込まれるように設けられている。第1の間隔規定部110の自由端である先端には、係合面121a,122aに係合する係合凸部110a,110bが設けられている。
【0061】
本実施の形態のような第1の間隔規定部110及び第2の間隔規定部120を用いることでも、ケーブル201,202を支持することができる。そして、本実施の形態のコネクタ保持具101によっても、上述の一実施の形態に係るコネクタ保持具1と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 コネクタ保持具
10 第1の支持部
11 第1のベースプレート
12 第1の立ち上がり部
12a 切り欠き部
12a−1 ケーブル保持部分
12a−2 ガイド部分
20 第2の支持部
21 第2のベースプレート
22 第2の立ち上がり部
22a 切り欠き部
22a−1 ケーブル保持部分
22a−2 ガイド部分
30,40 間隔調整部
31,41 第1の間隔調整片
32,42 第2の間隔調整片
50 第1の間隔規定部
51,52 分岐部分
51a,52a 係合面
60 第2の間隔規定部
61,62 分岐部分
61a,62a 係合凸部
70 第1の支持部
71 第1の立ち上がり部
71a ケーブル保持部
71a−1 ケーブル保持部分
71a−2 ガイド部分
80 第2の支持部
81 第2の立ち上がり部
81a ケーブル保持部
81a−1 ケーブル保持部分
81a−2 ガイド部分
101 コネクタ保持具
110 第1の間隔規定部
110a,110b 係合凸部
120 第2の間隔規定部
121,122 分岐部分
121a,122a 係合面
201 第1のケーブル
201a コネクタ
201b ケーブル本体
202 第2のケーブル
202a コネクタ
202b ケーブル本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケーブルを支持する第1の支持部と、
前記第1のケーブルのコネクタに接続されるコネクタを有する第2のケーブルを支持する第2の支持部と、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部と一体に設けられ、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間隔を広げる伸び方向及び該間隔を狭める圧縮方向に伸縮する間隔調整部と、
を備えることを特徴とするコネクタ保持具。
【請求項2】
前記第1の支持部と一体に設けられた第1の間隔規定部と、
前記第2の支持部と一体に設けられ、前記第1の間隔規定部と係合することにより前記第1の支持部と前記第2の支持部との間隔を規定する第2の間隔規定部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載のコネクタ保持具。
【請求項3】
前記第1の間隔規定部及び前記第2の間隔規定部のうち少なくとも一方は、前記間隔調整部の伸縮方向に凹凸が連続する凹凸形状の係合面を有することを特徴とする請求項2記載のコネクタ保持具。
【請求項4】
前記凹凸形状は、波型形状であることを特徴とする請求項3記載のコネクタ保持具。
【請求項5】
前記第1の間隔規定部及び前記第2の間隔規定部のうち少なくとも一方は、少なくとも先端部分が分岐し、分岐した部分が前記第1の間隔規定部又は前記第2の間隔規定部に係合することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項記載のコネクタ保持具。
【請求項6】
前記第1の間隔規定部及び前記第2の間隔規定部のうち一方の少なくとも先端部分が分岐し、分岐した部分が他方を挟み込み且つ他方に係合することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項記載のコネクタ保持具。
【請求項7】
前記第1の支持部は、前記間隔調整部と一体に設けられた第1のベースプレートと、該第1のベースプレートから立ち上がり前記第1のケーブルを支持する第1の立ち上がり部と、を有し、
前記第2の支持部は、前記間隔調整部と一体に設けられた第2のベースプレートと、該第2のベースプレートから前記第1の立ち上がり部に対向して立ち上がり前記第2のケーブルを支持する第2の立ち上がり部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載のコネクタ保持具。
【請求項8】
前記間隔調整部は、一対で設けられ、
前記一対の間隔調整部は、前記第1のベースプレート及び前記第2のベースプレートに対し前記第1の立ち上がり部及び前記第2の立ち上がり部の立ち上がり方向に突出し、前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルの前記コネクタを挟んで互いに対向する、
ことを特徴とする請求項7記載のコネクタ保持具。
【請求項9】
前記第1の立ち上がり部及び前記第2の立ち上がり部の先端には、前記第1のケーブル又は前記第2のケーブルが挿入される切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のコネクタ保持具。
【請求項10】
前記切り欠き部は、前記第1のケーブル又は前記第2のケーブルが嵌め込まれるケーブル保持部分と、該ケーブル保持部分から前記第1の立ち上がり部又は前記第2の立ち上がり部の先端に近づくほど幅が広くなるガイド部分とを有することを特徴とする請求項9記載のコネクタ保持具。
【請求項11】
前記第1の立ち上がり部及び前記第2の立ち上がり部には、先端側から前記第1のケーブル又は前記第2のケーブルが挿入されるケーブル保持部が設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のコネクタ保持具。
【請求項12】
前記ケーブル保持部は、前記第1のケーブル又は前記第2のケーブルが嵌め込まれるケーブル保持部分と、該ケーブル保持部分から前記第1の立ち上がり部又は前記第2の立ち上がり部の先端に近づくほど幅が広くなるガイド部分とを有することを特徴とする請求項11記載のコネクタ保持具。
【請求項13】
前記間隔調整部は、前記第1の支持部と一体に設けられた第1の間隔調整片と、該第1の間隔調整片及び前記第2の支持部と一体に設けられた第2の間隔調整片とを有し、前記第1の間隔調整片と前記第2の間隔調整片とがなす角度が可変であることで前記第1の支持部と前記第2の支持部との間隔を可変にすることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項記載のコネクタ保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93248(P2013−93248A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235512(P2011−235512)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】