説明

コネクタ構造

【課題】係り代を常に一定に確保しコネクタをコネクタ収容体に確実に収容できるコネクタ構造を提供する。
【解決手段】コネクタ構造1はコネクタ2とコネクタ収容体3とを備えている。コネクタ2はハウジング6と弾性アーム7とを備えている。ハウジング6はリブ13を備えている。リブ13はハウジング6の外面から凸に設けられている。弾性アーム7はアーム本体17と係合突起8と当接部10とを備えている。アーム本体17の長手方向の両端部はハウジング6に連結している。係合突起8はアーム本体17の外面24から凸に設けられている。当接部10は係合突起8と一体に外面24から凸に設けられ、外面24からの突出量は係合突起8の突出量より少ない。コネクタ収容体3はコネクタ2を収容する収容部16を備えている。収容部16は係合突起8と係合する係合孔9を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタと、コネクタを収容するコネクタ収容体と、を備えたコネクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車のヘッドレストには、モニタや衝突時のむち打ちを防止するむち打ち防止装置等の各種の電子機器が取り付けられることがある。この種のヘッドレストに取り付けられる電子機器に所望の電力や信号を供給するために、コネクタ構造が用いられる。このようなコネクタ構造において、コネクタは車内のコネクタ収容体に収容された後に、相手方コネクタと嵌合する。
【0003】
コネクタは、コネクタ収容体に設けられた収容部に収容される。この種のコネクタ構造において、コネクタは、外面から突出した弾性アームを備えている(例えば、特許文献1参照)。弾性アームは係合突起を備え、収容部は係合突起と係合する係合孔を備えている。コネクタは、弾性アームを弾性変形させて収容部に収容される。収容部内で係合突起と係合孔とは係合し、弾性アームは弾性復帰して前記係合を保持する。
【特許文献1】特開2000−268914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1等に記載されたコネクタ構造は、係合突起と係合孔との係り代が小さいと、係合が不安定になる虞があった。例えば、係合突起の弾性アームからの突出量が少ない場合や、係合孔を設ける収容部の外壁が薄い場合は、係り代が小さくなり係合突起と係合孔との係合が外れてコネクタが収容部から外れてしまう虞があった。また係り代が変動してコネクタが振動し、異音の発生する虞があった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、係り代を常に一定に確保し、コネクタをコネクタ収容体に確実に収容できるコネクタ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のコネクタ構造は、端子金具を収容するハウジングと、弾性アームと、を有するコネクタと、前記コネクタを収容部に収容するコネクタ収容体と、を備えたコネクタ構造において、前記弾性アームは、前記ハウジングに連結したアーム本体と、前記アーム本体の外面から凸の係合突起と、当接部と、を備え、前記収容部は、前記係合突起と係合する係合孔を備え、前記コネクタが前記収容部に収容されると、前記弾性アームは、前記係合突起を前記係合孔と係合し且つ前記当接部が前記収容部の内面を押圧するように弾性復元力を生じることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の本発明のコネクタ構造は、請求項1に記載のコネクタ構造において、前記当接部は、前記アーム本体の外面から凸に設けられ、前記係合突起よりも前記弾性アームからの突出量が少ないことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の本発明のコネクタ構造は、請求項1または請求項2に記載のコネクタ構造において、前記当接部は、前記係合突起と一体に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の本発明のコネクタ構造は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタ構造において、前記アーム本体は、長手方向の両端部が前記ハウジングに連結していることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の本発明のコネクタ構造は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載のコネクタ構造において、前記ハウジングはリブを備え、前記リブは前記ハウジングの外面から凸に前記弾性アームの近傍に配置され、前記コネクタが前記収容部に収容される際に前記収容部の内面と当接することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載した本発明のコネクタ構造によれば、コネクタが収容部に収容されると、弾性アームは、係合突起を係合孔と係合し且つ当接部が収容部の内面を押圧するように弾性復元力を生じる。このため、当接部は収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。
【0012】
請求項2に記載した本発明のコネクタ構造によれば、当接部はアーム本体の外面から凸に設けられ、係合突起よりも弾性アームからの突出量が少ない。このため、当接部はより確実に収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。
【0013】
請求項3に記載した本発明のコネクタ構造によれば、当接部は係合突起と一体に形成されている。このため、当接部はより確実に収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。また当接部は強度が増し破損しにくくなる。
【0014】
請求項4に記載した本発明のコネクタ構造によれば、アーム本体の長手方向の両端部はハウジングに連結している。このため、弾性アームは弾性復元力がより大きくなり、撓み量が少なくなる。
【0015】
請求項5に記載した本発明のコネクタ構造によれば、弾性アームの近傍にリブを備えている。このため、弾性アームの撓み量はリブにより抑えられる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明は、コネクタが収容部に収容されると、弾性アームは、係合突起を係合孔と係合し且つ当接部が収容部の内面を押圧するように弾性復元力を生じる。このため、当接部は収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起と係合孔との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタをコネクタ収容体に確実に収容できる。
【0017】
また、係り代が少なくてもよいため、係合突起の突出量を抑え、収容部の外壁の厚さを薄くすることができる。したがって副次的な効果として、弾性アームの撓み量が抑えられ撓んだ弾性アームが端子金具に接触するのを防ぐことができる。また係合した係合突起を係合孔から突出させずに、コネクタ収容体の外面を平坦に保つことができる。
【0018】
請求項2に記載の本発明は、当接部はアーム本体の外面から凸に設けられ、係合突起よりも弾性アームからの突出量が少ない。このため、当接部はより確実に収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起と係合孔との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタをコネクタ収容体に確実に収容できる。
【0019】
請求項3に記載の本発明は、当接部は係合突起と一体に形成されている。このため、当接部はより確実に収容部の内面を押圧し、弾性アームは収容部の内面に常に密接する。また当接部は強度が増し破損しにくくなる。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起と係合孔との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタをコネクタ収容体に確実に収容できる。
【0020】
請求項4に記載の本発明は、アーム本体の長手方向の両端部はハウジングに連結している。このため、弾性アームは撓み量が少なくなり弾性復元力が大きくなる。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起と係合孔との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタをコネクタ収容体に確実に収容できる。また副次的な効果として、撓んだ弾性アームが端子金具に接触するのを防ぐことができる。
【0021】
請求項5に記載の本発明は、弾性アームの近傍にハウジングの外面から凸のリブを備えている。このため、コネクタが他部と接触するとリブが他部と接触し、弾性アームの撓み量はリブにより規制される。したがって、撓んだ弾性アームが端子金具に接触するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかるコネクタ構造1を、図1ないし図4を参照して説明する。図1等に示すコネクタ構造1は、自動車等のヘッドレストに取り付けられるモニタやむち打ち防止装置等の各種の電子機器に所望の電力や信号を伝送するために用いられる。本発明の一実施形態にかかるコネクタ構造1は、図1に示すように、コネクタ2と、コネクタ収容体3と、を備えている。
【0023】
コネクタ2は、図3等に示すように、端子金具4と、スペーサ5と、ハウジング6と、弾性アーム7と、を備えている。端子金具4は、導電性の板金等からなる。端子金具4は、電線の端末に取り付けられて電線の芯線と電気的に接続する。
【0024】
スペーサ5は、絶縁性の合成樹脂からなる。スペーサ5は、ハウジング6に取り付けられる。スペーサ5は、ハウジング6に取り付けられると、ハウジング6に収容された端子金具4がハウジング6内から抜け出ることを防止する。
【0025】
ハウジング6は、絶縁性の合成樹脂からなり、筒状に形成されている。ハウジング6は、図2に示すように、端子収容室11と、ハウジング収容室12と、リブ13と、を備えている。
【0026】
端子収容室11は、筒状に形成され、ハウジング6のコネクタ収容体3寄りに複数設けられている。端子収容室11は、それぞれ、直線状に延在している。複数の端子収容室11は、互いに平行に配置されている。端子収容室11は、電線の端末に取り付けられた端子金具4を収容する。
【0027】
ハウジング収容室12は、筒状に形成され、ハウジング6のコネクタ収容体3から離れた側に設けられている。ハウジング収容室12は、図示しない相手方コネクタのハウジングを収容する。ハウジング収容室12内には、コネクタ収容体3から離れる方向に端子金具4が突出する。ハウジング収容室12は、フランジ部14と、直線孔15と、を備えている。
【0028】
フランジ部14は、図3に示すように、ハウジング収容室12のコネクタ収容体3から離れた外縁からハウジング収容室12の外周方向に延在している。フランジ部14は、略半円環状に形成され、ハウジング収容室12の軸心を挟んで互いに相対する位置に一対設けられている。
【0029】
直線孔15は、図2に示すように、ハウジング収容室12の外壁を貫通し、コネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向に沿って直線状に延在している。直線孔15は、ハウジング収容室12の外壁のコネクタ収容体3から離れた端部から切り欠き状に形成されている。
【0030】
リブ13は、ハウジング6の外面から凸に設けられている。リブ13は、コネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向に沿って延在している。リブ13は、互いの間に直線孔15を位置付けるように一対設けられている。一対のリブ13は、間隔をあけて相対している。一対のリブ13は、互いに平行である。一対のリブ13は、弾性アームの近傍の直線孔15の内縁部に配置され、互いの間に後述する弾性アーム7を位置付ける。
【0031】
弾性アーム7は、図1ないし図3に示すように、コネクタ2に設けられている。弾性アーム7は、ハウジング6の外壁に連結している。弾性アーム7は、図2に示すように、アーム本体17と、係合突起8と、当接部10と、切り欠き部18と、を備えている。
【0032】
アーム本体17は、コネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向に沿って延在している。アーム本体17の長手方向の一端部は端子収容室11に連結し、他端部はハウジング収容室12に連結している。即ち、所謂両持ち状に形成されている。アーム本体17は、一対のリブ13の間に、一対のリブ13と間隔をあけて配置されている。アーム本体17は、直線孔15を覆うように配置されている。
【0033】
係合突起8は、方体状に形成され、図4に示すように、アーム本体17の外面24から凸に設けられている。係合突起8は、アーム本体17の長手方向の略中央に設けられている。係合突起8のコネクタ収容体3寄りの端部には、コネクタ収容体3に近づくにしたがってアーム本体17の外面24に近づく方向に傾斜したテーパ面を設けている。
【0034】
当接部10は、係合突起8と一体に形成されている。当接部10は、方体状に形成され、アーム本体17の外面24から凸に設けられている。当接部10と係合突起8とは、コネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向に並んで配置されている。当接部10は、係合突起8のコネクタ収容体3から離れた側に配置されている。当接部10のアーム本体17の外面24からの突出量は、係合突起8の外面24からの突出量より少ない。
【0035】
当接部10のアーム本体17から離れた当接面19は、コネクタ2がコネクタ収容体3に収容されると、弾性アーム7が撓んでコネクタ収容体3の後述する収容部16の内面20に当接する。当接面19のハウジング収容室12の軸心からの距離は、収容部16の大径部22の内半径より大きくなるように設けられている。
【0036】
切り欠き部18は、図2に示すように、アーム本体17を貫通し、コネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向に沿って延在している。切り欠き部18は、アーム本体17のコネクタ収容体3から離れた端部の中央から切り欠き状に形成されている。切り欠き部18のコネクタ収容体3寄りの端部には、当接部10が突出している。
【0037】
コネクタ収容体3は、図3に示すように、互いに内径の異なる大径部22と、小径部23と、を一体に備えている。大径部22と小径部23とは、それぞれ、円管状に形成されており、互いに同軸的即ち直列に配置されている。大径部22は、コネクタ収容体3のコネクタ2寄りに配置されている。小径部23は、コネクタ収容体3のコネクタ2から離れた側に配置されている。大径部22の外径は、小径部23の外径と等しい。大径部22の内径は、小径部23の内径より大きい。
【0038】
コネクタ収容体3は、コネクタ2を収容する収容部16を備えている。収容部16は、コネクタ収容体3のコネクタ2寄りの端部に、大径部22と小径部23とに亘って設けられている。収容部16は、弾性アーム7に設けられた係合突起8と係合する係合孔9を備えている。
【0039】
係合孔9は、図4に示すように、収容部16の大径部22の外壁を貫通している。係合孔9は、平面形状が略矩形状に形成されている。係合孔9のコネクタ2とコネクタ収容体3とが互いに近づく方向の長さは、係合突起8の前記近づく方向の長さと略等しい。係合孔9が貫通する収容部16の大径部22の外壁は、当接面19からの係合突起8の突出量より厚い。係合孔9は、コネクタ2がコネクタ収容体3に収容されると、コネクタ収容体3の係合突起8と係合する。
【0040】
前述した係合突起8の上面21は、一対のリブ13の上面よりハウジング収容室12の軸心から離れた位置に配置されている。コネクタ2がコネクタ収容体3に収容される際に、収容部16のコネクタ2寄りの端部は、係合突起8をハウジング6の内側に押し込み弾性アーム7を撓ませる。しかし収容部16の内面20が一対のリブ13の上面と当接するため、係合突起8の上面21は、リブ13の上面よりハウジング6の内側には押し込まれない。弾性アーム7の撓み量は、一対のリブ13により抑えられている。
【0041】
前述した構成のコネクタ2をコネクタ収容体3に収容する際には、まず、電線が取り付けられた端子金具4をハウジング3内に収容する。スペーサ5をハウジング3に取り付ける。続いてコネクタ収容体3の収容部16とコネクタ2の端子収容室11とを相対させ、コネクタ収容体3にコネクタ2を挿入していく。
【0042】
すると、弾性アーム7に設けられた係合突起8と、収容部16のコネクタ2寄りの端部とが当接する。係合突起8はコネクタ収容体3寄りの端部にテーパ面を設けており、弾性アーム7はハウジング6の内側に近づく方向に撓む。係合突起8の上面21を収容部16の内面20に接触させて、コネクタ2は更に収容部16内に侵入する。
【0043】
係合突起8が収容部16の係合孔9に到達すると、係合突起8は係合孔9と係合する。当接部10は、係合孔9に侵入せずに、当接面19を収容部16の内面20と当接させる。弾性アーム7は一部弾性復帰するものの弾性復元力を維持しており、係合突起8が係合孔9と係合するように且つ当接部10が内面20に当接するように付勢する。またこの時、コネクタ2のフランジ部14と収容部16のコネクタ2寄りの端部とは当接する。
【0044】
なお、係合突起8は当接面19から更に突出している。係合突起8と係合孔9とが係合すると、図4に示すように、係合突起8の当接面19からの突出部分は確実に係合孔9に侵入する。よって係合突起8と係合孔9とは、一定の係り代をもって確実に係合する。
【0045】
また、係合突起8の当接面19からの突出量は、図4に示すように、係合孔9が貫通する収容部16の大径部22の外壁の厚さより少ない。よって係合突起8と係合孔9とが係合しても、係合突起8は係合孔9から突出しない。以上のように、コネクタ2はコネクタ収容体3に収容される。
【0046】
コネクタ2をコネクタ収容体3から取り出す際には、係合突起8を収容部16内に押し込んで、係合突起8と係合孔9との係合を解除する。コネクタ2とコネクタ収容体3とを互いに離れる方向に引っ張り、コネクタ2をコネクタ収容体3から取り出す。
【0047】
コネクタ構造1は、コネクタ収容体3がヘッドレストに固定され、該ヘッドレストに取り付けられる。そして、ヘッドレストがシートに近づけられ、該シートに取り付けられた相手方のコネクタがコネクタ2に近づいて、コネクタ2に相手方のコネクタが嵌合する。こうして、コネクタ構造1は、自動車の車体側の電子機器と、ヘッドレストに取り付けられた電子機器とを互いに接続して、ヘッドレストに取り付けられた電子機器に所望の電力や信号を供給する。
【0048】
本実施形態によれば、コネクタ2が収容部16に収容されると、弾性アーム7は、係合突起8を係合孔9と係合し且つ当接部10が収容部16の内面20を押圧するように弾性復元力を生じる。このため、当接部10は収容部16の内面20を押圧し、弾性アーム7は収容部16の内面20に常に密接する。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起8と係合孔9との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタ2をコネクタ収容体3に確実に収容できる。
【0049】
また、係り代が少なくてもよいため、係合突起8の突出量を抑え、収容部16の外壁の厚さを薄くすることができる。したがって副次的な効果として、弾性アーム7の撓み量が抑えられ撓んだ弾性アーム7が端子金具4に接触するのを防ぐことができる。また係合した係合突起8を係合孔9から突出させずに、コネクタ収容体3の外面を平坦に保つことができる。
【0050】
当接部10はアーム本体17の外面24から凸に設けられ、係合突起8よりも弾性アーム7からの突出量が少ない。このため、当接部10はより確実に収容部16の内面20を押圧し、弾性アーム7は収容部16の内面20に常に密接する。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起8と係合孔9との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタ2をコネクタ収容体3に確実に収容できる。
【0051】
当接部10は係合突起8と一体に形成されている。このため、当接部10はより確実に収容部16の内面20を押圧し、弾性アーム7は収容部16の内面20に常に密接する。また当接部10は強度が増し破損しにくくなる。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起8と係合孔9との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保してコネクタ2をコネクタ収容体3に確実に収容できる。
【0052】
アーム本体17の長手方向の両端部はハウジング6に連結している。このため、弾性アーム7は撓み量が少なくなり弾性復元力が大きくなる。したがって、係り代が少ない場合でも係合突起8と係合孔9との係合の解除を防止できる。さらに、係り代を常に一定に確保し、コネクタ2をコネクタ収容体3に確実に収容できる。また副次的な効果として、撓んだ弾性アーム7が端子金具4に接触するのを防ぐことができる。
【0053】
弾性アーム7の近傍にハウジング6の外面から凸のリブ13を備えている。このため、コネクタ2が他部と接触するとリブ13が他部と接触し、弾性アーム7の撓み量はリブ13により規制される。したがって、撓んだ弾性アーム7が端子金具4に接触するのを防ぐことができる。
【0054】
前述した実施形態では、コネクタ構造1はヘッドレストに取り付けられ、シートに取り付けられた電子機器と接続することにより、ヘッドレストに取り付けられた電子機器に所望の電力や信号を供給していた。しかしながら、本発明では、これに限定することなく、ヘッドレスト以外の物品(自動車以外の物品でもよい)に取り付けられ、シート以外の物品(自動車以外の物品でもよい)に取り付けられた電子機器と接続してもよい。
【0055】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタ構造の斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタの上面図である。
【図3】図1に示されたコネクタがコネクタ収容体に収容された状態を一部切り欠いて示す側面図である。
【図4】図3の係合突起と係合孔との係合部分を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ構造
2 コネクタ
3 コネクタ収容体
6 ハウジング
7 弾性アーム
8 係合突起
9 係合孔
10 当接部
13 リブ
16 収容部
19 当接面(当接部)
20 内面(収容部)
24 外面(アーム本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具を収容するハウジングと、弾性アームと、を有するコネクタと、
前記コネクタを収容部に収容するコネクタ収容体と、を備えたコネクタ構造において、
前記弾性アームは、前記ハウジングに連結したアーム本体と、前記アーム本体の外面から凸の係合突起と、当接部と、を備え、
前記収容部は、前記係合突起と係合する係合孔を備え、
前記コネクタが前記収容部に収容されると、前記弾性アームは、前記係合突起が前記係合孔と係合し且つ前記当接部が前記収容部の内面を押圧するように弾性復元力を生じることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項2】
前記当接部は、前記アーム本体の外面から凸に設けられ、前記係合突起よりも前記弾性アームからの突出量が少ないことを特徴とする請求項1記載のコネクタ構造。
【請求項3】
前記当接部は、前記係合突起と一体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ構造。
【請求項4】
前記アーム本体は、長手方向の両端部が前記ハウジングに連結していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項5】
前記ハウジングはリブを備え、前記リブは前記ハウジングの外面から凸に前記弾性アームの近傍に配置され、前記コネクタが前記収容部に収容される際に前記収容部の内面と当接することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載のコネクタ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−52980(P2008−52980A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226585(P2006−226585)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】