説明

コネクタ装置

【課題】第一舌片と第二舌片とが安定に組み合わさるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】コネクタ装置は、相手コネクタを挿入する挿入空間を有するコネクタ装置において、前記挿入空間に突出する第一舌片と第二舌片を含む絶縁本体と前記第一舌片と第二舌片との中の少なくともの一方に配置されて前記挿入空間に露出する導電端子とを含み、前記第一舌片に前記第二舌片を保持するための収容溝が形成され、これによって、第一舌片と第二舌片との間が安定に保持され、相手コネクタからの挿入力が強くても受けることができ、コネクタ装置と相手コネクタとの接続の安定性が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置に関し、特に、コネクタ装置の絶縁本体を改良する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1を参照すると、従来のコネクタ装置は回路基板に実装され、組み合わせた第一本体及び第二本体と、前記第一本体と第二本体にそれぞれ装着された第一端子及び第二端子と、前記第一本体と第二本体を包囲するための金属板からなる金属シェルとを含む。金属シェルは、相手コネクタを収容するための収容空間を構成して、前記第一本体には収容空間に突出する第一舌片が設けられ、前記第二本体には収容空間に突出する第二舌片が設けられる。第一端子は前記第一舌片の上壁に配置される第一接触部を有して、第二端子は前記第二舌片の下壁に配置される第二接触部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾実用新案公告第M312100号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、組み合わせた時に、前記第一舌片と第二舌片は上下方向で積み重ねるように配置されるが、第一舌片と第二舌片との間に保持構造が備えられず、相手コネクタの挿入力が大き過ぎると、第一舌片と第二舌片との間に偏りを生じる恐れがあった。従って、新たなコネクタ装置を開発することが必要である。
【0005】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、第一舌片と第二舌片とが安定に組み合わせられたコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタ装置は、相手コネクタを挿入する挿入空間を有するコネクタ装置において、前記挿入空間に突出する第一舌片と第二舌片を含む絶縁本体と前記第一舌片と第二舌片との少なくともの一方に配置されて前記挿入空間に露出する導電端子とを含み、前記第一舌片に前記第二舌片を保持するための収容溝が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
従来技術に比べ、本発明は以下の利点を有する。前記第一舌片に前記第二舌片を保持するための収容溝が形成されるので、第一舌片と第二舌片との間が安定に保持され、相手コネクタからの挿入力が強くても受けることができ、コネクタ装置と相手コネクタとの接続の安定性が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の組立斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタ装置のほかの角度から見る組立斜視図である。
【図3】図1に示すコネクタ装置のA-A線に沿った断面図である。
【図4】本発明に係るコネクタ装置の分解図である。
【図5】図4に示すコネクタ装置のほかの角度から見た分解図である。
【図6】本発明に示すコネクタ装置の第二本体と導電端子との斜面図である。
【図7】図6に示すコネクタ装置の第二本体と導電端子とのほかの角度から見る斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明についての実施形態を詳細に説明する。以下の説明において、後方は相手コネクタの挿入方向であり、前方は相手コネクタの離脱方向である。図1乃至図7を参照すると、本発明に係るコネクタ装置100は回路基板に実装され、絶縁本体と、絶縁本体に装着される複数の導電端子と、絶縁本体に組み合わせた光ファイバー部材5と、絶縁本体を包囲する金属板で構成されるシェル6とを含む。
【0010】
絶縁本体は第一本体1と第一本体1に組合せた第二本体2とを含み、第一本体1は第一基部11と、第一基部11と、第一基部11から前向きに延出して形成される第一舌片12と、第一基部11の底部から前向きに延出して、前記第一舌片12と平行的に配置される補強板13とを含み、補強板13は第一舌片12より第一基部11から突出する長さが短い。第一基部11の上下にそれぞれ配置される第一空間111と第二空間112とが貫通するよう形成され、前記第一空間111と第二空間112の間に平板状の隔離壁117が設けられ、また、上方での第二空間112の先端の中部に隔離板113が設けられる。
【0011】
前記第一舌片12には、上表面としての第一上壁121と下表面としての第一下壁122とを含み、第一上壁121には、前記第一空間111に連通する収容溝123と、収容溝123の先端での第一舌片11の先端を貫通する複数の位置決め溝124が凹んで形成され、前記収容溝123の深さは位置決め溝124より深く、また、複数の位置決め溝124同士の間に凸状リブ125が間隔をあけて形成される。第一舌片11の側部に収容溝123に突出する係合部126が設けられ、収容溝123の両側にコ字形状を呈する係合溝127が形成され、係合部126が係合溝127の天板とする。係合部126と係合溝127との長さが収容溝123の長さに相当する。第一基部11は、頂部に複数の凸部114と、側部に凸部115とが形成され、側部の後端に切欠き部116が形成される。
【0012】
第二本体2は、第二基部21と第二基部21から前向きに延出する第二舌片22とを含む。第一本体1と第二本体2が組み合わさる場合、第二本体2は前記第一空間111に組付けられ、第二舌片22が第一舌片12の収容溝123に保持され収容される。第一舌片12と第二舌片22との積み重なった厚さは、第二舌片22の厚さと同じである。第二基部21の両側に凸部211が設けられ、第一空間111に前記凸部211に係合する凹部118が形成される。第二舌片22の両側に前記係合溝127に係合する縁部227が形成され、係合部126が縁部227の上に当接することにより、第二舌片22の上方への移動が制限される。収容溝123が位置決め溝124より深いので第二舌片22の前向きへの移動が制限できる。
【0013】
前記第二舌片22の第二上壁221と第一舌片12の第一上壁121とは、同一な面に位置している。第二基部21の先端壁212には第一保持溝214が下向きに貫通するように形成され、第二基部21の後端壁213には第一固定溝215が下向きに貫通するように形成され、第二舌片22の第二上壁221には前記第一固定溝215に連通すると共に第二舌片22を前向きに貫通しない第二固定溝224が設けられる。第二舌片22の第二舌壁222には、前記第一保持溝214から前向きに延出する第二保持溝225が設けられ、第二舌片22の先端に前記第二保持溝225に連通して上向きに延出する第三保持溝226が貫通するように形成される。
【0014】
導電端子は、第一導電端子組3と複数の第二導電端子組4とを含む。前記第一導電端子組3はUSB2.0規格に符合し、電源端子と、グランド端子と、一ペア差動信号端子とを含む。第一導電端子組3と第二導電端子組4とは、USB3.0規格に符合している。
【0015】
前記第一導電端子組3の各第一導電端子は、直角状の第一保持部31と、第一保持部31の一端から相手コネクタ方向へ延出する弧状の第一接触部32と、第一保持部31の他端から回路基板方向へ延出する第一半田部33とを含む。前記第一保持部31が第一固定溝215、第二固定溝224に保持され、第一接触部32が第二舌片22の第二上壁221から突出するように配置される。
【0016】
前記第二導電端子組4の各第二導電端子は、直角状の第二保持部41と、第二保持部41の一端から上向きに屈曲して延出する連接部44と、連接部44の一端から延出する第二接触部42と、第一保持部41の他端から回路基板方向へ延出する第二半田部43とを含む。前記第二保持部41が第一保持溝214、第二保持溝225に保持され、連接部44が第三保持溝226に収容し保持される。前記第二接触部42が第二舌片22の先端から突出して第一舌片12の位置決め溝124に収容されて保持され、第二舌片22の先端に設けられた凸部228により第二接触部42の上向きへの移動が制限できる。
【0017】
光ファイバー部材5は、光受信部材52と、第一本体1の隔離板113に保持される凹溝53と、光信号を回路基板に伝送する光素子(図示せず)とを含む。光受信部材52は光ファイバー部材5の先端に位置し、レンズである。組合せた時に、前記光ファイバー部材5は第一本体1の第二空間112に装着され、前記第一接触部32と第二接触部42が前記光受信部材52の先端に位置している。
【0018】
前記シェル6は、第一本体12と第二本体22の外周を包囲して相手コネクタを嵌合する挿入空間60を構成する。シェル6は、天板61と、天板61と対向する底板62と、天板61と底板62を連接する両側板63とを含み、第一本体1の補強板13が底板62の底部を支持することによって底板62の変形を防止できる。
【0019】
前記天板61に第一本体1の凸部114に係合するための開口614が設けられ、側板63に第一本体1の側部での凸部115に係合するための開口635が設けられ、側板63の後端に第一本体1の切欠き部116に係止するための弾性片636が形成され、これによって、シェル6が第一本体1と第二本体2に安定に保持される。側板63に回路基板の保持孔(図示せず)に保持される保持片632がそれぞれ下向きに延出するように形成され、また保持片632には回路基板の保持孔と干渉して係合するための突出部633が打ち抜けられる。
【0020】
前記第二舌片22が第一舌片12の収容溝123に収容し保持されることによって、第一舌片12と第二舌片22との間が安定に保持され、相手コネクタからの挿入力が強くても受けるでき、コネクタ装置100と相手コネクタとの接続の安定性が提供される。
【0021】
以上本発明について最良の実施の形態を参照して詳細に説明したが、実施形態はあくまでも例示的なものであり、これらに限定されない。また上述の説明は、本発明に基づきなしうる細部の修正或は変更など、いずれも本発明の請求範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0022】
100 コネクタ装置
1 第一本体
11 第一基部
12 第一舌片
123 収容溝
124 位置決め溝
126 係合部
127 係合溝
2 第二本体
21 第二基部
22 第二舌片
227 縁部
3 第一導電端子組
4 第二導電端子組
32 第一接触部
42 第二接触部
60 挿入空間
121 第一上壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手コネクタを挿入する挿入空間を有するコネクタ装置において、
前記挿入空間に突出する第一舌片と第二舌片を含む絶縁本体と
前記第一舌片と第二舌片との中の少なくともの一方に配置されて前記挿入空間に露出する導電端子とを含み、
前記第一舌片に前記第二舌片を保持するための収容溝が形成されることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記第一舌片と第二舌片は、厚さ方向に少なくとも一部分が重なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記収容溝は前記第一舌片の上壁に形成されて、前記収容溝が前記第一舌片の後端を貫通するように設けられ、前記第二舌片が前記収容溝に支持されえて収容されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記収容溝の両側には、コ字を呈する係合溝が後向きに第一舌片を貫通するようにそれぞれ形成され、
前記第二舌片の両側には前記係合溝に係合する縁部が形成され、前記係合溝の天板としての係合部が前記縁部の上部に当接することで、前記第二舌片の上向きの移動が制限されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第一舌片の先端には複数の位置決め溝が形成され、前記位置決め溝が前記収容溝より浅いので前記第二舌片の前向きへの移動が制限でき、前記導電端子は前記位置決め溝に収容される接触部を有し、前記位置決め同士の間に凸状リブにより隔離されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記導電端子は、第一導電端子組と第二導電端子組とを含み、第一導電端子組はUSB2.0規格に適合して、第一導電端子組と第二導電端子組とはUSB3.0規格に適合して、
前記第一導電端子組は前記第一舌片の上壁に配置される第一接触部を有し、前記第二導電端子組は前記位置決め溝に収容される第二接触部を有して、前記第一接触部と第二接触部とは前記第一舌片の上壁側にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記絶縁本体は、前記第一舌片を有する第一本体と、前記第二舌片を有する第二本体とを含み、前記第一本体は前記第一舌片の後端での第一基部を有して、前記第二本体は前記第二舌片の後端での第二基部を有して、前記第一基部に前記収容溝に連通する第一空間が貫通するように形成され、前記第二基部は前記第一空間に収容されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−282965(P2010−282965A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125742(P2010−125742)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】