説明

コネクタ装置

【課題】ハウジングを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化及び構成部材数の低減を図ることができる構造と簡単な操作とをもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止状態及び係止解除状態に選択的におくことができるものを提供する。
【解決手段】ハウジング(11)を部分的に覆う導電性シェル(14)に、ハウジング(11)に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板(50)における切欠き係合部(53)に係合してフレキシブル印刷配線基板(50)を係止する係止部(29),係止部(29)によるフレキシブル印刷配線基板(50)の係止を解除させる係止解除部(25)、及び、係止部(29)と係止解除部(25)とを連結する連結部(26)が、折返し突出部を成すものとして一体的に形成されており、係止解除部(25)と係止部(29)とがフレキシブル印刷配線基板(50)の面に直交する方向(上下方向)に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)等の配線板状部材に設けられた接続端子部を、他の配線基板等とされる他の電気部品に電気的に連結するため、配線基板等に取り付けられて配線板状部材が差し込まれるものとして用いられ、差し込まれた配線板状部材にその離脱を阻止すべく係合する係止手段及び差し込まれた配線板状部材における接続端子部に接触接続されるコンタクトを含んで構成されるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等の配線板状部材は、各種の電気部品が取り付けられる主配線基板との電気的連結が、当該主配線基板に電気的接続がなされて固定されるコネクタ装置が用いられて行われることが多い。このような配線板状部材の主配線基板との電気的連結にあたって用いられるコネクタ装置は、配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続される導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板状部材に設けられた接続端子部を主配線基板に設けられた配線部に電気的に連結する。
【0003】
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材の主配線基板との電気的連結に用いられるコネクタ装置は、配線板状部材が差し込まれる差込み部が設けられたものとされて主配線基板に配される、例えば、絶縁材料によって形成されたハウジングを有したものとされる。そして、例えば、ハウジングに配列配置されて設けられ、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、その配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々対応するものとなる複数のコンタクトと、複数のコンタクトについての特性インピーダンス調整に貢献するものとして、さらには、外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るために、ハウジングを部分的もしくは全体的に覆うものとして配されて主配線基板に設けられた接地端子に連結される導電性シェルと、ハウジングに対して回動可能とされるとともに複数のコンタクトの夫々に係合して設けられ、回動せしめられるとき、複数のコンタクトに、複数の接続端子部に夫々接触接続された状態、あるいは、複数の接続端子部との接触接続から解放された状態をとらせるアクチュエータとを備えている。このようなもとで、複数のコンタクトが配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続された状態におかれることにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0004】
さらに、従来提案されている配線板状部材の主配線基板との電気的接続に用いられるコネクタ装置の中には、上述のようなハウジングを有し、上述のような複数のコンタクト及び導電性シェルを備えてはいるが、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータを備えていず、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、自動的に、ハウジング内に設けられた複数のコンタクトが差し込まれた配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続されるものもある。斯かるものにあっては、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに適正に差し込まれるだけで、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0005】
このような従来提案されているコネクタ装置にあっては、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータを備えたもの及び斯かるアクチュエータを備えていないもののいずれの場合にも、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材が、主配線基板に配されたハウジングに差込み部を通じて差し込まれて、ハウジングに配された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれるにあたり、配線板状部材がハウジングから不所望に離脱するような事態が回避されなくてはならない。当然のことながら、ハウジングに配された複数のコンタクトがハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が適正に維持されるためには、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材が、その状態を安定に維持することができ、ハウジングから不所望に抜脱されるような事態をまねかないものとされることが必要とされるのである。
【0006】
そのため、前述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータとを備えたコネクタ装置に属するものであって、ハウジング内に差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置が従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、前述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとを備えてはいるが、ハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータを備えていないコネクタ装置に属するものであって、ハウジング内に差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置も従来提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
特許文献1に示されるコネクタ装置にあっては、導電性シェル(シールドプレート11)の一部にシーソーのように変位することができる係止手段(ロック部11c)が形成されており、この係止手段には、導電性シェルの内側に向かって屈曲した係止端部(ロック爪11d)が設けられている。そして、係止手段は、ハウジング(ハウジング3)に対して回動可能とされたアクチュエータ(アクチュエータ9)の回動操作に応じて変位する。
【0008】
このようなもとで、配線板状部材(FPC21)がハウジング内の受容空間(FPC受容空間34)に差し込まれた後に、アクチュエータの第1の方向への回動操作が行われると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(第1コンタクト5,第2コンタクト6)が、アクチュエータに形成されたカム(カム部92,93)によって変位せしめられ、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段が、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)によって変位せしめられ、それに設けられた係止端部をハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(切欠21a)に係合させる。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、係止手段により係止されて、ハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。
【0009】
その後、係止手段に設けられた係止端部がハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、アクチュエータの第1の方向とは逆の第2の方向への回動操作が行われると、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)が、係止手段に、それに設けられた係止端部の配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する状態をとることを許す。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【0010】
また、特許文献2に示されるコネクタ装置にあっては、ハウジング(ハウジング本体2)に、それに対して回動可能に設けられた導電性シェル(シェル4)が備えられている。そして、導電性シェルの一部に板ばね状の係止手段(足部46)が形成されており、この係止手段の先端部に導電性シェルの内側に向かう係止突起(係止突起44)が設けられている。
【0011】
このようなハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、その全体がハウジングに近接することになる、ハウジングに対して伏した位置をとるもとで、配線板状部材(FPC)がハウジング内に差込み部(挿入口21)を通じて差し込まれると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(コンタクト3(上部コンタクト31,下部コンタクト32))が、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段に設けられた係止突起が、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(FPC係止孔FPC2)に係合する。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、係止手段により係止されて、ハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。
【0012】
その後、係止手段に設けられた係止突起がハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、ハウジングに対して起き上がった位置をとるべく回動操作されると、導電性シェルに形成された係止手段も導電性シェルに伴って変位し、それに設けられた係止突起が配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−52993号公報(段落0016,0017,0033〜0043、図1,5,6)
【特許文献2】特開2008−192574号公報(段落0026,0027,0031〜0034,図1〜6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述のような、フレキシブル印刷配線基板等の配線板状部材の主配線基板との電気的連結に用いられるコネクタ装置であって、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたものとして従来提案されているコネクタ装置にあっては、係止手段がハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータの回動操作に応じて変位するものとされ、あるいは、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成されている。
【0015】
このような、係止手段がハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータの回動操作に応じて変位するものとされた従来のコネクタ装置の場合には、係止手段とアクチュエータとを個別に形成された別部材として備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の全体の小型化に対する障害と構成部材数の増加とをまねき、製造コストを嵩ませる要因となる。それに加えて、係止手段に配線板状部材に対する係止状態あるいは係止解除状態をとらせるにあたっては、アクチュエータをハウジングに対して回動させる操作が不可欠とされ、斯かる操作を行うための不所望なスペースをコネクタ装置の周囲に設けることが必要とされる。
【0016】
また、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成された従来のコネクタ装置の場合には、導電性シェルがハウジングに対して回動可能とされるので、コネクタ装置の主配線基板への固定のために導電性シェルを利用することができず、別途、コネクタ装置を主配線基板に固定するための部材(ホールドダウン部材)を備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の全体の小型化に対する障害と構成部材数の増加とをまねき、製造コストを嵩ませる要因となる。
【0017】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材の他の配線基板との電気的連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられて他の配線基板に配されるハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆う導電性シェルとを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができ、しかも、配線板状部材を係止状態から解放された状態におくための操作が極めて簡単とされることになるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、相互対向側端部の一方側において開口する板状部材差込み部が設けられて配線基板に配されるハウジングと、各々がハウジング内に配される接触部とハウジングにおける相互対向側端部の他方側からハウジング外に導出される接続部とを有して配列配置され、配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、複数の接触部がハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆い、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合してその配線板状部材に対する係止状態をとる係止部,係止部の係止状態を解除すべく操作される係止解除部、及び、係止解除部と係止部とを連結する連結部が一体的に形成された導電性シェルとを備えて成り、係止解除部が、導電性シェルにおける板状部材差込み部を挟んで対向するハウジングの相互対向平板状部の一方における一端部に対応する部分から、ハウジングの相互対向側端部の一方の外部へと伸び、連結部が、係止解除部から屈曲して複数のコンタクトの配列方向に直交する方向においてハウジングの相互対向平板状部の他方側へと伸び、係止部が、連結部から屈曲してハウジング内へと伸びる片持支持部分とその片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分とを有し、係止解除部,連結部及び係止部が、全体として導電性シェルに設けられた折返し突出部を成すものとされる。
【0019】
上述のような本発明に係るコネクタ装置にあっては、複数の接続端子部が設けられた配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれると、それにより、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、導電性シェルに一体的に形成された係止部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材との係合状態におかれて、当該配線板状部材に対する係止状態をとる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、係止部により係止されてハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれ、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、当該配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が安定に維持される。
【0020】
その後、係止部と共に導電性シェルに一体的に形成された係止解除部に、係止部の係止状態を解除するための操作、例えば、係止解除部を係止部に向けて変位させる押圧操作が加えられると、変位する係止解除部が、連結部を介して係止部を変位させ、係止部にハウジングに差し込まれた配線板状部材との係合を解除する状態をとらせる。それにより、係止部がハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止状態を解除し、ハウジングから配線板状部材を意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
【0021】
このような本発明に係るコネクタ装置における各部の機能あるいは役割は、より具体的には、例えば、次のように果たされる。
【0022】
本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止部及び係止解除部が、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項2に記載されたもののように、夫々が弾性を有した可動部分を成すものとされ、それに加えて、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項3に記載されたもののように、係止部が有する係合突起部分が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれる配線板状部材における係合部に係合するものとされ、また、係止部が有する片持支持部分が、連結部との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされ、さらに、係止解除部が、係止部に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、導電性シェルとの相互連結部分を揺動中心として揺動するものとされる。それにより、例えば、係止解除部に係止部に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、導電性シェルにおいて係止解除部,連結部及び係止部により形成される折返し突出部の全体が容易に歪み変形を生じ、係止解除部が導電性シェルとの相互連結部分を揺動中心として揺動するとともに、係止部が有する片持支持部分が連結部との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係止部が有する係合突起部分が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合を解除する。また、係止解除部に係止部に向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、係止部及び係止解除部の夫々の弾性により、導電性シェルにおいて係止解除部,連結部及び係止部により形成される折返し突出部が、全体的に元の位置へと復元変位する。
【0023】
斯かる際、係止部が、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項4に記載されたもののように、係止解除部に押圧操作が加えられていないとき、片持支持部分をハウジングに設けられた位置規制部に接触させて位置決めされ、係止解除部に押圧操作が加えられるとき、片持支持部分をハウジングに設けられた当接部に当接させて、片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させる。そして、係止部は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項5に記載されたもののように、片持支持部分をハウジングに設けられた位置規制部に接触させて位置決めされるとき、片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分をハウジングに設けられた板状部材差込み部内に位置させ、片持支持部分をハウジングに設けられた当接部に当接させて、片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、その係合突起部分をハウジングに設けられた板状部材差込み部内から退去させる。
【0024】
それにより、係止部は、係止解除部に押圧操作が加えられていないもとで、片持支持部分をハウジングに設けられた位置規制部に接触させて位置決めされているとき、片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分に板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態をとらせ、また、係止解除部に押圧操作が加えられて、片持支持部分をハウジングに設けられた当接部に当接させて、片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、係合突起部分を板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態から解放する。
【0025】
なお、ハウジング外に配される係止解除部は、配線板状部材がハウジングに差し込まれたもとで、係止部が配線板状部材に係合してその配線板状部材に対する係止状態をとるときと、係止部が配線板状部材に係合せず配線板状部材に対する係止状態をとらないときとで、異なった位置をとることになる。
【0026】
そして、本発明に係るコネクタ装置の一例にあっては、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載されたもののように、係止部,係止解除部及び連結部の組が、導電性シェルにおけるハウジングの相互対向平板状部の一方における両端部に夫々対応する二カ所に一体的に形成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るコネクタ装置においては、上述のように、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それとともに、導電性シェルに一体的に形成された係止部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材に対する係止状態をとる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止部により係止されてハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におくことができ、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々電気的に接続された状態を安定に維持することができる。
【0028】
また、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が係止部により係止された状態におかれたもとで、係止部と共に導電性シェルに一体的に形成された係止解除部に、係止部の係止状態を解除するための押圧操作が加えられると、それにより変位する係止解除部が、連結部を介して係止部を変位させ、係止部にハウジングに差し込まれた配線板状部材との係合を解除させる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止部による係止状態から解放して、ハウジングから意図的に抜脱することができる状態におくことができる。
【0029】
従って、本発明に係るコネクタ装置によれば、係止部及び係止解除部とそれらを連結する連結部とが導電性シェルに一体的に形成された、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができる。
【0030】
さらに、導電性シェルに一体的に形成された係止解除部,連結部及び係止部が、全体として折返し突出部を成すものとされていることにより、係止解除部に加える押圧操作により係止解除部を比較的小規模に変位させることによって、連結部を介して係止部を比較的大規模に変位させることができることになり、係止解除部,連結部及び係止部の全体を小型化できるものとしたもとで、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止部による係止状態を確実に解除することができる。
【0031】
しかも、係止部による配線板状部材に対する係止状態を解除するために係止解除部に加えられるべき操作は、押圧操作とされることで足りるので、配線板状部材を係止部による係止状態から解放された状態におくための操作が極めて簡単とされることになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面側から見た斜視図である。
【図2】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す背面側から見た斜視図である。
【図3】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面図である。
【図5】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す底面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線断面を示す断面図である。
【図7】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す正面側から見た斜視図である。
【図8】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す背面側から見た斜視図である。
【図9】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルの端部を示す一部破断部分斜視図である。
【図10】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる係止部,連結部及び係止解除部の説明に供される一部破断部分斜視図である。
【図11】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる係止部,連結部及び係止解除部の説明に供される一部破断部分斜視図である。
【図12】本発明に係るコネクタ装置の一例に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るコネクタ装置の一例にフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るコネクタ装置の一例にフレキシブル印刷配線基板が差し込まれる直前の状態を示す部分断面図である。
【図15】本発明に係るコネクタ装置の一例に対してフレキシブル印刷配線基板が差し込み途中にある状態を示す部分断面図である。
【図16】本発明に係るコネクタ装置の一例に対するフレキシブル印刷配線基板の差込みが完了し、フレキシブル印刷配線基板が係止部により係止された状態を示す部分断面図である。
【図17】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられた係止解除部が係止部にフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除させた状態を示す部分断面図である。
【図18】本発明に係るコネクタ装置の他の例の説明に供される部分断面図である。
【図19】本発明に係るコネクタ装置の他の例の説明に供される部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を実施するための形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例1】
【0034】
図1(正面側から見た斜視図),図2(背面側から見た斜視図),図3(平面図),図4(正面図)及び図5(底面図)は、本発明に係るコネクタ装置の一例を示す。
【0035】
図1〜図5には、本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10が示されており、図4は、コネクタ装置10の正面を示している。以下においては、図4に示されるコネクタ装置10の正面に向かって上側, 下側、左側及び右側を、夫々、上,下,左及び右、あるいは、上方、下方、左方、右方とする。
【0036】
図1〜図5に示されるコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えており、ハウジング11は、相互対向側端部を成す正面側端部11a及び背面側端部11bと、相互対向平板状部を成す上方に配された天板部11c及び下方に配された底板部11dとを有している。そして、図1及び図4に示されるように、ハウジング11には、その正面側端部11aにおいて開口する板状部材差込み部12が、正面側端部11aからハウジング11の内部を背面側端部11bに向かって広がるものとされて設けられている。従って、ハウジング11の天板部11c及び底板部11dは、上下方向において、板状部材差込み部12を挟んで対向するものとなっている。
【0037】
ハウジング11は、例えば、図示されていない配線基板に、底板部11dを対接させて配され、それにより、コネクタ装置10の全体が当該配線基板に取り付けられたものとされる。そして、板状部材差込み部12を通じて、例えば、後述されるフレキシブル印刷配線基板が、配線板状部材を成すものとして、ハウジング11に差し込まれる。
【0038】
ハウジング11には、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト13が、ハウジング11の長手方向(左右方向)に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト13の夫々は、図4及び図4におけるVI−VI線断面を示す図6に示されるように、ハウジング11内に配される接触部13aと、図2及び図6に示されるように、ハウジング11の背面側端部11bからその外部に導出される接続部13bとを有している。そして、接触部13aは、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における接続端子部に、ハウジング11における底板部11dに対向する天板部11c側から当接して接触接続され、また、接続部13bは、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に、例えば、半田付けによって接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
【0039】
また、コネクタ装置10は、ハウジング11の外面部分を部分的に覆う導電性シェル14を備えている。具体的には、導電性シェル14によって、ハウジング11における、正面側端部11aにおける板状部材差込み部12が開口する部分及びその周囲部分を除いた部分,背面側端部11bの左右方向の両端部分、天板部11cの大部分、底板部11dの一部分、左側端部の大部分及び右側端部の大部分の夫々の外面部分が覆われている。この導電性シェル14は、弾性を有した金属板が加工成形されて構成されており、複数のコンタクト13についての特性インピーダンス調整に貢献するため、さらには、コネクタ装置10についての外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、コネクタ装置10における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るためのものとして、備えられている。
【0040】
コネクタ装置10に備えられる導電性シェル14は、図7(正面側から見た斜視図)及び図8(背面側から見た斜視図)に示されるように、ハウジング11の天板部11cの大部分を覆う上方部分15,ハウジング11の底板部11dの一部分を覆う下方部分16,ハウジング11の左側端部の大部分を覆う左側面部分17、及び、ハウジング11の右側端部の大部分を覆う右側面部分18を有しており、コネクタ装置10の正面側に配されることになる正面部分19は開口部を形成している。下方部分16には、図8に示されるように、その背面側端縁部から導電性シェル14の内側に屈曲して正面部分19側へと伸びる接地用コンタクト20が、複数個設けられている。これら複数の接地用コンタクト20の夫々は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における接地接続部に、下方部分16側から当接して接触接続される。また、下方部分16における左側面部分17に近接した部分及び右側面部分18に近接した部分には、基板接続部21及び22が下方部分16から背面側外方に突出するものとして夫々設けられており、さらに、左側面部分17及び右側面部分18には、それらから外方に突出する基板接続部23及び24が夫々設けられている。これらの基板接続部21〜24の夫々は、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に、例えば、半田付けされて接続される。
【0041】
上述のような複数の接地用コンタクト20及び基板接続部21〜24が設けられていることにより、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における接地接続部が、接地用コンタクト20及び基板接続部21〜24が形成された導電性シェル14を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に連結される。その際、基板接続部21〜24は、導電性シェル14に配線基板からの接地電位を与える役割を果たすとともに、コネクタ装置10の配線基板への取り付けに使用される。
【0042】
また、導電性シェル14には、図7,図8及び図9に明瞭に示されるように、ハウジング11の天板部11cの左側端部に対応する部分となる、その上方部分15における左側面部分17側の端部15aから、ハウジング11の正面側端部11aの外方となる、その正面部分19の外方へと伸びる係止解除部25,係止解除部25から屈曲して、複数のコンタクト13の配列方向に直交する方向においてハウジング11の底板部11d側へと伸びることになる、下方へと伸びる連結部26、及び、連結部26から屈曲してハウジング11内へと伸びることになる、その正面部分19側へと伸びる片持支持部分27と片持支持部分27の端部に設けられた係合突起部分28とを有した係止部29が、一体的に形成されている。これらの係止解除部25,連結部26及び係止部29は、全体として、帯状の板状部材が折返し成形されて形成されて、導電性シェル14の上方部分15における端部15aから正面部分19の外方へと突出する、導電性シェル14に設けられた折返し突出部を成すものとされている。
【0043】
さらに、導電性シェル14には、図7及び図8に明瞭に示されるように、その上方部分15における右側面部分18側の端部15bから、その正面部分19の外方へと伸びる係止解除部30,係止解除部30から屈曲して下方へと伸びる連結部31、及び、連結部31から屈曲して正面部19側へと伸びる片持支持部分32と片持支持部分32の端部に設けられた係合突起部分33とを有した係止部34が、一体的に形成されている。これらの係止解除部30,連結部31及び係止部34は、全体として、帯状の板状部材が折返し成形されて形成され、導電性シェル14の上方部分15における端部15bから正面部分19の外方へと突出する、導電性シェル14に設けられた折返し突出部を成すものとされている。
【0044】
係止部29及び34の夫々は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板に係合して当該フレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとるものとして設けられており、係止解除部25及び30の夫々は、係止部29及び34の夫々のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態を解除すべく、例えば、係止部29及び34に向かう向きの押圧力が作用せしめられる押圧操作、即ち、係止部29及び34に向かう方向の押圧操作が加えられるものとして設けられている。また、連結部26は、係止解除部25と係止部29とを連結するものとして設けられており、連結部31は、係止解除部30と係止部34とを連結するものとして設けられている。
【0045】
係止部29のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態は、係止部29が有する係合突起部分28が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合することにより得られ、また、係止部34のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態も、係止部34が有する係合突起部分33が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合することにより得られる。
【0046】
係止解除部25及び30及び係止部29及び34の夫々は、導電性シェル14が弾性を有した金属板が加工成形されて構成されていることに基づき、弾性を有した可動部分を成している。そして、係止部29が有する片持支持部分27が、連結部26との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされており、同様に、係止部34が有する片持支持部分32が、連結部31との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされている。また、係止解除部25は、導電性シェル14の上方部分15における端部15aとの相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされており、同様に、係止解除部30は、導電性シェル14の上方部分15における端部15bとの相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされている。
【0047】
図6及びコネクタ装置10における左方端部を部分的に破断して示す図10に示されるように、係止部29は、係止解除部25に押圧操作が加えられていないとき、その片持支持部分27をハウジング11に設けられた位置規制部40に接触させて位置決めされ、その係合突起部分28をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させる。このようにして、係止部29がその係合突起部分28をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させたもとで、フレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれると、係止部29が有する係合突起部分28がフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合し、それにより、係止部29がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとる。
【0048】
また、コネクタ装置10における左方端部を部分的に破断して示す図11に示されるように、係止解除部25に、図11において矢印Fをもってあらわされる、係止部29に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部25は、導電性シェル14の上方部分15における端部15aとの相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部29が、その片持支持部分27をハウジング11に設けられた当接部41に当接させたもとで、連結部26との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合突起部分28を、導電性シェル14の上方部分15における端部15aと係止解除部25との相互連結部分に近接する方向に移動させ、ハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。このようにして、係止部29が係合突起部分28をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させるもとにあっては、係合突起部分28とハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態はとられない。従って、係止部29がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとるもとで、係止解除部25に係止部29に向かう方向の押圧操作が加えられるときには、係止部29のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態が解除されることになる。
【0049】
係止部29と同様に、係止部34も、係止解除部30に押圧操作が加えられていないとき、その片持支持部分32をハウジング11に設けられた位置規制部に接触させて位置決めされ、その係合突起部分33をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させる。このようにして、係止部34がその係合突起部分33をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させたもとで、フレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれると、係止部34が有する係合突起部分33がフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合し、それにより、係止部34がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとる。
【0050】
また、係止解除部30に、係止部34に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部30は、導電性シェル14の上方部分15における端部15bとの相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部34が、その片持支持部分32をハウジング11に設けられた当接部に当接させたもとで、連結部31との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合突起部分33を、導電性シェル14の上方部分15における端部15bと係止解除部30との相互連結部分に近接する方向に移動させ、ハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。このようにして、係止部34が係合突起部分33をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させるもとにあっては、係合突起部分33とハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態はとられない。従って、係止部34がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとるもとで、係止解除部30に係止部34に向かう方向の押圧操作が加えられるときには、係止部34のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態が解除されることになる。
【0051】
図12は、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれる、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の一例であるフレキシブル印刷配線基板50を示す。
【0052】
図12に示されるフレキシブル印刷配線基板50における一対の相互対向面の一方には、その一端部に各々が短冊状に形成された複数の接続端子部51が配列配置されて設けられており、また、図示が省略されているが、一対の相互対向面の他方には、平板状の接地接続部が設けられている。さらに、フレキシブル印刷配線基板50には、配列配置された複数の接続端子部51を挟んで相互対向する一対の側縁部に切欠き係合部53及び54が夫々形成されており、フレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部53より先端側となる部分が端縁部55とされるとともに、フレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部54より先端側となる部分が端縁部56とされている。そして、フレキシブル印刷配線基板50においては、複数の接続端子部51及び接地接続部が設けられた部分と一対の切欠き係合部53及び54が形成された部分と端縁部55及び56とを残して、それら以外の部分がカバーフィルム57によって覆われている。
【0053】
図13は、図12に示されるフレキシブル印刷配線基板50が、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた状態を示す。ハウジング11に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板50は、配列配置された複数の接続端子部51が設けられた板面が、上方に向けられたもの、即ち、導電性シェル14の上方部分15側に向けられたものとされる。そして、コネクタ装置10における斯かるフレキシブル印刷配線基板50のハウジング11への差込みが適正に行われるときには、フレキシブル印刷配線基板50における複数の接続端子部51が配列配置された部分の先端縁部が、ハウジング11の背面側端部11b と平行になるようにされる。
【0054】
図13に示されるようにフレキシブル印刷配線基板50がハウジング11に差し込まれた状態がとられるにあたっては、先ず、図14に示されるように、コネクタ装置10がそれにおける係止解除部25に押圧操作が加えられていない状態に置かれたもとで、そのコネクタ装置10に対して、フレキシブル印刷配線基板50が、複数の接続端子部51が配列配置された部分の先端縁部を、コネクタ装置10におけるハウジング11の正面側端部11aに開口する板状部材差込み部12に対向させて配される。このとき、フレキシブル印刷配線基板50における端縁部55及び切欠き係合部53がコネクタ装置10における係止部29に対応する位置をとるものとされ、また、図示が省略されているが、フレキシブル印刷配線基板50における端縁部56及び切欠き係合部54がコネクタ装置10における係止部34に対応する位置をとるものとされる。
【0055】
次に、図15に示されるように、フレキシブル印刷配線基板50が、複数の接続端子部51が配列配置された部分の先端縁部を先頭にするとともに、複数の接続端子部51が設けられた板面を上方に向けて、板状部材差込み部12を通じてハウジング11内へと差し込まれる。その際、フレキシブル印刷配線基板50における、その側端部に形成された切欠き係合部53より先端側となる端縁部55が、コネクタ装置10における係止部29が有する係合突起部分28に当接して、係合突起部分28を導電性シェル14の上方部分15における端部15aに近接する方向へと移動させる。それにより、係止部29が有する片持支持部分27が、連結部26との相互連結部分を揺動中心として揺動し、係合突起部分28をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。その結果、係止部29が有する係合突起部分28が、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板50の差込みを妨げない状態をとる。
【0056】
それとともに、図示は省略されているが、フレキシブル印刷配線基板50における、その側端部に形成された切欠き係合部54より先端側となる端縁部56が、コネクタ装置10における係止部34が有する係合突起部分33に当接して、係合突起部分33を導電性シェル14の上方部分15における端部15bに近接する方向へと移動させる。それにより、係止部34が有する片持支持部分32が、連結部31との相互連結部分を揺動中心として揺動し、係合突起部分33をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。その結果、係止部34が有する係合突起部分33が、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板50の差込みを妨げない状態をとる。
【0057】
続いて、フレキシブル印刷配線基板50が更にハウジング11内へと差し込まれ、ハウジング11内における予め設定された所定の位置に到達すると、フレキシブル印刷配線基板50のハウジング11に対する差込みが完了する。その際には、図16に示されるように、係止部29が有する係合突起部分28が、フレキシブル印刷配線基板50における端縁部55から外れて、フレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部53に係合し、また、図示は省略されているが、係止部34が有する係合突起部分33が、フレキシブル印刷配線基板50における端縁部56から外れて、フレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部54に係合する。
【0058】
このとき、係止部29が有する片持支持部分27は、自らが具える弾性によって、連結部26との相互連結部分を揺動中心とする復元揺動を行い、係止部29が有する係合突起部分28をフレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部53に係合させる。同様に、係止部34が有する片持支持部分32も、自らが具える弾性によって、連結部31との相互連結部分を揺動中心とする復元揺動を行い、係止部34が有する係合突起部分33をフレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部54に係合させる。
【0059】
その結果、係止部29及び34の夫々が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差込まれたフレキシブル印刷配線基板50に係合して、そのフレキシブル印刷配線基板50を係止し、それにより、フレキシブル印刷配線基板50のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態が得られる。
【0060】
このようにして、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50が、係止部29及び34による係止状態におかれたもとにあっては、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の夫々における接触部13aが、ハウジング11内において、複数の接続端子部51が設けられた板面が上方に向けられてハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における複数の接続端子部51のうちの対応するものに、導電性シェル14の上方部分15側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における複数の接続端子部51が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
【0061】
また、このとき、導電性シェル14の下方部分16から伸びてハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置するものとされた複数の接地用コンタクト20が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における接地接続部に、下方部分16側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における接地接続部が、複数の接地用コンタクト20を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に連結される。
【0062】
その後、図17に示されるように、係止解除部25に、図17において矢印Fをもってあらわされる、係止部29に向かう方向の押圧操作が加えられると、係止解除部25は、導電性シェル14の上方部分15における端部15aとの相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部29が有する片持支持部分27が、ハウジング11に設けられた当接部41に当接したもとで、連結部26との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係止部29が有する係合突起部分28を導電性シェル14の上方部分15における端部15aと係止解除部25との相互連結部に近接する方向に移動させ、係合突起部分28をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。それにより、係止部29が有する係合突起部分28が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部53に係合しなくなり、係止部29のフレキシブル印刷配線基板50に対する係止状態が解除される。
【0063】
同様に、係止解除部30に、係止部34に向かう方向の押圧操作が加えられると、係止解除部30は、導電性シェル14の上方部分15における端部15bとの相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部34が有する片持支持部分32が、ハウジング11に設けられた当接部に当接したもとで、連結部31との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係止部34が有する係合突起部分33を導電性シェル14の上方部分15における端部15bと係止解除部30との相互連結部に近接する方向に移動させ、係合突起部分33をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。それにより、係止部34が有する係合突起部分33が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における切欠き係合部54に係合しなくなり、係止部34のフレキシブル印刷配線基板50に対する係止状態が解除される。
【0064】
このようにして、係止部29及び34の夫々のフレキシブル印刷配線基板50に対する係止状態が解除されると、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50をハウジング11から意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
【0065】
上述のような本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10によれば、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板50が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたとき、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の各々が備える複数の接触部13aが、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における複数の接続端子部51に夫々接触接続され、それとともに、導電性シェル14に一体的に形成された係止部29及び34が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50に係合して、当該フレキシブル印刷配線基板50に対する係止状態をとる。その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50を、係止部29及び34により係止されてハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におくことができ、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50における複数の接続端子部51に夫々電気的に接続された状態を安定に維持することができる。
【0066】
また、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50が係止部29及び34による係止状態におかれたもとで、係止部29及び34と共に導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部25及び30に、係止部29及び34による係止状態を解除するための操作が加えられると、それにより変位する係止解除部25及び30が、連結部26及び31を介して係止部29及び34を変位させ、係止部29及び34にハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50との係合を解除させる。その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50を、係止部29及び34による係止状態から解放して、ハウジング11から意図的に抜脱することができる状態におくことができる。
【0067】
従って、コネクタ装置10によれば、係止部29及び係止解除部25とそれらを連結する連結部26との組、及び、係止部34及び係止解除部30とそれらを連結する連結部31との組が、導電性シェル14に一体的に形成されて成る、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50を、ハウジング11からの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジング11からの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができる。
【0068】
さらに、導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部25,連結部26及び係止部29の組と係止解除部30,連結部31及び係止部34の組との夫々が、全体として、帯状の板状部材が折返し成形されて形成され、導電性シェル14の上方部分15から正面部分19の外方へと突出する折返し突出部を成すものとされていることにより、係止解除部25及び30の夫々に加える操作により係止解除部25及び30の夫々を比較的小規模に変位させることによって、連結部26及び31の夫々を介して、係止部29が有する片持支持部分27及び係合突起部分28、及び、係止部34が有する片持支持部分32及び係合突起部分33の夫々を比較的大規模に変位させることができることになり、係止解除部25,連結部26及び係止部29の組の全体及び係止解除部30,連結部31及び係止部34の組の全体を小型化できるものとしたもとで、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50に対する係止部29及び34による係止状態を確実に解除することができる。
【0069】
しかも、係止部29及び34によるフレキシブル印刷配線基板50に対する係止状態を解除するために係止解除部25及び30に夫々加えられるべき操作は、押圧操作とされることで足りるので、フレキシブル印刷配線基板50を係止部29及び34による係止状態から解放された状態におくための操作が極めて簡単とされることになる。
【0070】
なお、上述のコネクタ装置10にあっては、コンタクト13におけるフレキシブル印刷配線基板50の接続端子部51と接触する接触部13aが、導電性シェル14における上方部分15側からハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に突出するように配置されているため、フレキシブル印刷配線基板50の接続端子部51を上方に向けて板状部材差込み部12へ挿入する構成としているが、コンタクト13におけるフレキシブル印刷配線基板50の接続端子部51と接触する接触部13aを、導電性シェル14における下方部分16側からハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に突出するように配置して、フレキシブル印刷配線基板50の接続端子部51を下方に向けて板状部材差込み部12へ挿入する構成としてもよい。また、上述のコネクタ装置10では、導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部25,連結部26及び係止部29の組と係止解除部30,連結部31及び係止部34の組とをハウジング11の正面側端部11a側に配置し、係止部29及び34をハウジング11の正面側端部11a側からハウジング11内に延出するものとしているが、係止解除部25,連結部26及び係止部29の組と係止解除部30,連結部31及び係止部34の組とをハウジング11の背面側端部11b側に配置し、係止部29及び34をハウジング11の背面側端部11b側からハウジング11内に延出するものとしても良い。
【実施例2】
【0071】
図18は、本発明に係るコネクタ装置の他の例を成すコネクタ装置60の部分を示す。
【0072】
図18に示されるコネクタ装置60は、前述のコネクタ装置10と同様に構成された部分を多々有しており、図18にあっては、コネクタ装置60におけるコネクタ装置10の各部及び各部材に対応する部分及び部材が、コネクタ装置10と共通の符号をもって示されており、それらについての重複説明は省略される。
【0073】
図18には、コネクタ装置60における左方端部が部分的に破断されて示されている。コネクタ装置60のハウジング11には、その左側端部の近傍となる部分に、その正面側からその外方に突出して、係止解除部25,連結部26及び係止部29が形成する折返し突出部の下方に位置するものとされるストッパ部61が設けられている。このストッパ部61と、折返し突出部を形成する係止部29との間には、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50が係止部29による係止状態におかれたもとで、係止解除部25に係止部29による係止状態を解除するための係止部29に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部25及び係止部29の必要とされる下方への変位を許すだけの間隔が設けられている。
【0074】
図示は省略されているが、コネクタ装置60のハウジング11には、その右側端部の近傍となる部分にも、その正面側からその外方に突出して、係止解除部30,連結部31及び係止部34が形成する折返し突出部の下方に位置するものとされるストッパ部が、ストッパ部61に対応するものとして設けられている。このストッパ部と、折返し突出部を形成する係止部34との間にも、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板50が係止部34による係止状態におかれたもとで、係止解除部30に係止部34による係止状態を解除するための係止部34に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部30及び係止部34の必要とされる下方への変位を許すだけの間隔が設けられている。
【0075】
そして、図19に示されるように、係止解除部25に、図19において矢印Fをもって示される係止部29に向かう方向の押圧操作が加えられ、それにより、係止解除部25が、導電性シェル14の上方部分15における端部15aとの相互連結部分を揺動中心として揺動して下方に変位し、それに伴って、係止部29が有する片持支持部分27が、ハウジング11に設けられた当接部41に当接したもとで、連結部26との相互連結部分を揺動中心として揺動して変位し、係止部29の全体が下方に変位する際には、係止解除部25及び係止部29が必要とされるだけの変位量をもって下方に変位したとき、連結部26と係止部29が有する片持支持部分27との相互連結部分が、ストッパ部61に当接して、係止解除部25及び係止部29のそれ以上の下方への変位を阻止する。
【0076】
即ち、ストッパ部61によって、係止解除部25及び係止部29の下方への過大な変位が阻止されるのであり、それにより、係止解除部25,連結部26及び係止部29が形成する折返し突出部が破損する事態あるいは損傷を受ける事態が回避される。
【0077】
同様に、図示はされていないが、係止解除部30に係止部34に向かう方向の押圧操作が加えられ、それにより、係止解除部30が、導電性シェル14の上方部分15における端部15bとの相互連結部分を揺動中心として揺動して下方に変位し、それに伴って、係止部34が有する片持支持部分32が、ハウジング11に設けられた当接部に当接したもとで、連結部31との相互連結部分を揺動中心として揺動して変位し、係止部34の全体が下方に変位する際には、係止解除部30及び係止部34が必要とされるだけの変位量をもって下方に変位したとき、連結部31と係止部34が有する片持支持部分32との相互連結部分が、ストッパ部に当接して、係止解除部30及び係止部34のそれ以上の下方への変位を阻止する。
【0078】
即ち、ストッパ部によって、係止解除部30及び係止部34の下方への過大な変位が阻止されるのであり、それにより、係止解除部30,連結部31及び係止部34が形成する折返し突出部が破損する事態あるいは損傷を受ける事態が回避される。
【0079】
コネクタ装置60のその他の部分は、前述のコネクタ装置10と同様に構成されており、斯かるコネクタ装置60によっても、コネクタ装置10の場合と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、例えば、フレキシブル印刷配線基板等とされる配線板状部材の他の配線基板との電気的連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジング内に配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆う導電性シェルとを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができ、しかも、配線板状部材を係止状態から解放された状態におくための操作が極めて簡単とされるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0081】
10,60・・・コネクタ装置, 11・・・ハウジング, 11a・・・正面側端部, 11b・・・背面側端部, 11c・・・天板部, 11d・・・底板部, 12・・・板状部材差込み部, 13・・・コンタクト, 14・・・導電性シェル, 15・・・上方部分, 16・・・下方部分, 17・・・左側面部分, 18・・・右側面部分, 19・・・正面部分, 20・・・接地用コンタクト, 21,22,23,24・・・基板接続部, 25,30・・・係止解除部, 26,31・・・連結部, 27,32・・・片持支持部分, 28,33・・・係合突起部分, 29,34・・・係止部, 40・・・位置規制部, 41・・・当接部, 50・・・フレキシブル印刷配線基板, 51・・・接続端子部, 53,54・・・切欠き係合部, 55,56・・・端縁部, 57・・・カバーフィルム, 61・・・ストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互対向側端部の一方側において開口する板状部材差込み部が設けられて配線基板に配されるハウジングと、
各々が上記ハウジング内に配される接触部と上記相互対向側端部の他方側からハウジング外に導出される接続部とを有して配列配置され、配線板状部材が上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれたとき、上記複数の接触部が上記ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、
上記ハウジングを部分的に覆い、上記ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合して該配線板状部材に対する係止状態をとる係止部,該係止部の係止状態を解除すべく操作される係止解除部、及び、該係止解除部と上記係止部とを連結する連結部が一体的に形成された導電性シェルと、
を備えて成り、
上記係止解除部が、上記導電性シェルにおける上記板状部材差込み部を挟んで対向する上記ハウジングの相互対向平板状部の一方における一端部に対応する部分から、上記ハウジングの相互対向側端部の一方の外部へと伸び、上記連結部が、上記係止解除部から屈曲して上記複数のコンタクトの配列方向に直交する方向において上記ハウジングの相互対向平板状部の他方側へと伸び、上記係止部が、上記連結部から屈曲して上記ハウジング内へと伸びる片持支持部分と該片持支持部分の端部に設けられた係合突起部分とを有し、上記係止解除部,連結部及び係止部が、全体として上記導電性シェルに設けられた折返し突出部を成すことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記係止部及び上記係止解除部の夫々が弾性を有した可動部分を成すことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記係止部が有する上記係合突起部分が、上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれる配線板状部材における係合部に係合するものとされ、上記係止部が有する上記片持支持部分が、上記連結部との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされ、上記係止解除部が、上記係止部に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、上記導電性シェルとの相互連結部分を揺動中心として揺動するものとされることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記係止部が、上記係止解除部に押圧操作が加えられていないとき、上記片持支持部分を上記ハウジングに設けられた位置規制部に接触させて位置決めされ、上記係止解除部に押圧操作が加えられるとき、上記片持支持部分を上記ハウジングに設けられた当接部に当接させて、上記係合突起部分を上記導電性シェルにおける上記係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記係止部が、上記片持支持部分を上記位置規制部に接触させて位置決めされるとき、上記係合突起部分を上記板状部材差込み部内に位置させ、上記片持支持部分を上記当接部に当接させて、上記係合突起部分を上記導電性シェルにおける上記係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、該係合突起部分を上記板状部材差込み部内から退去させることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記係止部,係止解除部及び連結部の組が、上記導電性シェルにおける上記ハウジングの相互対向平板状部の一方における他端部に対応する部分にも一体的に形成されたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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