説明

コネクタ

【課題】雄型コネクタ及び雌型コネクタの各接続面に液体が付着することを抑制することができるコネクタを提供する。
【解決手段】液体が流れる流路を有する雄側ケース18と該雄側ケース18内に備えられた雄側弁機構25とを有する雄型コネクタ10と、液体が流れる流路を有する雌側ケース33と該雌側ケース33内に備えられた雌側弁機構37とを有する雌型コネクタ11とを備え、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結を解除する際に雄側弁機構25及び雌側弁機構37を閉状態とするコネクタにおいて、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11が連結された際に、雄型コネクタ10の流路側及び雌型コネクタ11の流路側からそれらの接続面の間隙を閉塞する連結シール部22を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体が流れる複数の流路を接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の流路を接続するためのコネクタとして、弁機構をそれぞれ有する雌型のコネクタ及び雄型のコネクタを備えたものがある。この種のコネクタとして、図10に示すように、弁体101、及び該弁体を開口側に付勢するバネ102を有する雄型配管継手100と、可動弁体103及び該可動弁体103を開口側に付勢するバネ104を有する雌型配管継手105とを備えたコネクタがある(例えば、特許文献1参照)。尚、図10は、各配管継手100,105が連結され、流路が連通された状態を示す。
【0003】
各配管継手100,105を連結しない際には、雄型配管継手100の弁体101は、該弁体101が収容された筒体106の開口を閉塞する位置に付勢され、雌型配管継手105の可動弁体103は、該可動弁体103が収容された筒体107の開口を閉塞する位置に付勢されている。
【0004】
各配管継手100,105を連結する際には、上記筒体106.107の開口を互いに対向させ、雄型配管継手100の筒体106を、雌型配管継手105の可動弁体103に当接させるとともに、雄型配管継手の弁体101を、雌型配管継手105内に移動不能に固定された弁棒108に当接させる。そして、雄型配管継手100を、雌型配管継手105の筒体107内に挿入する。
【0005】
雄型配管継手100を雌型配管継手105に挿入すると、雄型配管継手100の弁体101が、雌型配管継手105の弁棒108により、雄型配管継手100の筒体106内に押し込まれる。同時に、雌型配管継手105の可動弁体103が、雄型配管継手100の筒体106により、雌型配管継手105の筒体107内に押し込まれる。このように、雄型配管継手100の弁体101と、雌型配管継手105の可動弁体103とが変位することで、雄型配管継手100が有する流路と、雌型配管継手105が有する流路とが連通され、液体がコネクタを通過可能となる。
【0006】
また、コネクタの連結を解除する際には、雌型配管継手105から雄型配管継手100を引き抜いて、雄型配管継手100の筒体106を、雌型配管継手105の可動弁体103から離間させるとともに、雄型配管継手100の弁体101を、雌型配管継手105の弁棒108から離間させる。このように、雌型配管継手105から雄型配管継手100を抜出すると、弁体101及び可動弁体103は、上記筒体106.107の開口をそれぞれ閉塞する位置に変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3686856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、雄型配管継手100及び雌型配管継手105を連結した状態では、可動弁体103はバネ104の付勢力によって雄型配管継手100の筒体106に圧接されているものの、筒体106と可動弁体103との間に生じた僅かな隙間に液体が浸入することがある。
【0009】
このように、各配管継手100,105の接続面の間に生じた隙間に液体が流入した場合、雄型配管継手100と雌型配管継手105との連結を解除した際には、それらの接続面付近に液体が付着した状態となる。少なくとも雄型配管継手100の筒体106の端面は、連結解除時には外部に露出された状態となるため、その端面に付着した液体が周囲の物体に付いたり、液体が付着していることでその端面に塵埃が吸着されやすくなるといった問題があった。このため、コネクタの連結を解除した際に、それらの接続面付近への液体の付着を抑制することが要請されていた。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、雄型コネクタ及び雌型コネクタの各接続面に液体が付着することを抑制することができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体が流れる流路を有する雄側ケースと該雄側ケース内に備えられた雄側弁機構とを有する雄型コネクタと、液体が流れる流路を有する雌側ケースと該雌側ケース内に備えられた雌側弁機構とを有する雌型コネクタとを備え、前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタの連結が解除された際に前記雄側弁機構及び前記雌側弁機構を閉状態とするコネクタにおいて、前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタが連結された際に、前記雄側ケースの流路側及び前記雌側ケースの流路側からそれらの接続面の間隙を閉塞するシール部を備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、雄型コネクタ及び雌型コネクタが互いに当接する各接続面を流路側から閉塞するシール部を備えたので、雄型コネクタ及び雌型コネクタを連結した際に、上記隙間に液体が浸入したり、隙間の開口付近に液体が付着することを防ぐことができる。そして、雄型コネクタ及び雌型コネクタの連結が解除された際には、雄側弁機構及び雌側弁機構を閉状態とするので、それらの隙間に液体が浸入しない状態を維持したまま、雌型コネクタから雄型コネクタを外すことができる。従って、連結を解除した雄型コネクタ及び雌型コネクタの接続面は液体が付着していない状態となるため、コネクタ以外の周囲の物体に液体が付着したり、液体により接続面に塵埃が付着しやすくなることを抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記シール部は、前記各接続面の間に挟持される被挟持部をさらに有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、シール部は、各接続面の間に挟持されることで隙間を埋める被挟持部と、隙間の開口を閉塞する閉塞部を有するので、雄型コネクタ及び雌型コネクタの連結時には、各接続面の間に生じる隙間全体が、コネクタ内を流れる液体に曝されないようにすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、前記雌側弁機構は、前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタが連結された際に、前記雄側ケースと当接する雌側弁体を備え、前記シール部は、前記雄側ケース及び前記雌側弁体が互いに当接する各接続面の間隙を閉塞することを要旨とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、シール部は、雄側ケース及び雌側弁体の各接続面の間に生じる隙間を閉塞するため、雄側ケース及び雌側弁体の各接続面に液体が付着することを抑制することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコネクタにおいて、前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、前記雌型コネクタは前記雄側弁体と当接する固定弁を備えるとともに、前記雄側弁体及び前記固定弁の間に挟持される内側シール部をさらに備えることを要旨とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、雄側弁体及び固定弁の間に挟持される内側シール部をさらに備えるため、雄型コネクタ及び雌型コネクタの各接続面全体を、液体が付着しない状態にすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、前記雌型コネクタは前記雄側弁体と当接する固定弁を備えるとともに、前記固定弁は液体の漏出を抑制する摺接シール部をさらに備え、該摺接シール部は、前記シール部に対し、その先端で摺接するリップ部を有することを要旨とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、摺接シール部は、接続面の隙間を閉塞するシール部に対し、先端のリップ部で接触するため、シール部との接触面積が小さくなる。従って、摺接シール部がシール部を摺動する際の摩擦係数が比較的大きくても、その接触面積が小さいため、雄型コネクタを雌型コネクタに挿入する際に要する力を小さくすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、前記雄側弁体は前記雄側ケースとの間を介した液体の漏出を抑制する摺接シール部を備え、該摺接シール部は、前記雄側ケースに対しその先端で摺接するリップ部を有することを要旨とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、摺接シール部は、雄側ケースに対しその先端で接触するリップ部を有するため、リップ部と雄側ケースとの接触面積が小さくなる。このため、雄型コネクタを雌型コネクタに挿入する際に要する力を小さくすることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のコネクタにおいて、前記シール部は、前記摺接シール部の前記リップ部と当接する傾斜面を有することを要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、シール部はリップ部に当接する傾斜面を有するので、リップ部の摺動が開始されやすくなる。このため、雄型コネクタを雌型コネクタに挿入開始する際に要する力を小さくすることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記シール部は、弾性変形可能であって且つ前記摺接シール部よりも軟質な材料からなることを要旨とする。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、シール部は、摺接シール部と当接した際に、シール部の形状に沿って弾性変形することができる。このため、シール部と摺接シール部との間に隙間が生じ難いため、シール部と該シール部に当接した摺接シール部との隙間を介して、液体が漏出することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、この発明によれば、雄型コネクタ及び雌型コネクタの各接続面に液体が付着することを防止するコネクタを提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のコネクタの非連結状態を示す断面図。
【図2】(a)は同コネクタに備えられる連結シール部の斜視図、(b)はその断面図。
【図3】(a)は同コネクタに備えられるVリングの斜視図、(b)はその断面図。
【図4】同コネクタの平面図。
【図5】同コネクタの非連結状態を示す要部断面図。
【図6】同コネクタの連結開始状態を示す要部断面図。
【図7】同コネクタの連結完了状態を示す断面図。
【図8】本発明を具体化した第2実施形態のコネクタの連結完了状態を示す要部断面図。
【図9】本発明を具体化した第3実施形態のコネクタの連結完了状態を示す要部断面図。
【図10】従来構成の連結完了状態のコネクタを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明のコネクタを具体化した第1実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態のコネクタは、雄型コネクタ10と雌型コネクタ11とから構成されている。雄型コネクタ10は、液体が流れる第1外部流路(図示略)に接続され、雌型コネクタ11は、液体が流れる第2外部流路(図示略)に接続される。
【0029】
雄型コネクタ10は、上記第1外部流路に接続され内側に連通路16を備えた継手部15と、継手部15にシールリング17を介して固定された雄側ケース18とを備えている。雄側ケース18は、樹脂からなり、略円筒状をなすとともに、その内側に液体が流れる流路21を有している。また雄側ケース18は、継手部15の連通路16に接続される開口19と、雌型コネクタ11に接続される雄側接続口20とをそれぞれ備えられている。さらに流路21は、開口19側に設けられた大径流路21aと、雄側接続口20側に設けられ、大径流路21aよりも径が小さい小径流路21bとから構成されている。また、雄側ケース18の外周面には、エラストマー又はゴムからなるシールリング18aが嵌合されている。
【0030】
この雄側ケース18のうち、雄側接続口20側には、エラストマー等の弾性変形可能な材料からなる連結シール部22が嵌合されている。図2(a)に示すように、連結シール部22は、筒状に形成された閉塞部22aと、閉塞部22aの外周面から垂直に延出された被挟持部22bとを有する。閉塞部22aは、雄側ケース18の小径流路21bに内嵌可能な外径を有している。また図2(b)に示すように、閉塞部22aの両端には、その先端面が内側に傾斜した傾斜部22cが形成されている。
【0031】
また、被挟持部22bは、閉塞部22aの外周面のうち、一方の開口から他方の開口に向かう高さ方向の略中央から延出されている。この被挟持部22bの幅は、小径流路21b側の雄側ケース18の端面の幅と略同一となっている。
【0032】
図1に示すように、連結シール部22を雄側ケース18に嵌合すると、被挟持部22bが雄側ケース18の端面と当接することにより、連結シール部22が位置決めされる。即ち、閉塞部22aの下部が小径流路21bに内嵌され、それ以外の上部が、雄側ケース18の端面から突出した状態となる。また、連結シール部22の被挟持部22bは、雄側ケース18の端面に接着剤等で固定されていてもよい。
【0033】
また図1に示すように、雄側ケース18には、雄側弁機構25が収容されている。雄側弁機構25は、雄側ケース18内を変位可能に設けられた雄側弁体26と、雄側弁体26を雄側接続口20側に付勢するコイル状のバネ27とを備えている。雄側弁体26は、樹脂製であって、略有蓋筒状に形成され、開口を有する基端部26aと、該基端部26aよりも小径の先端部26bとを備えている。
【0034】
基端部26aは、大径流路21aと小径流路21bとの段差面に当接可能な形状を有するとともに、その外径は、大径流路21aの内径よりも若干小さくなっている。先端部26bの外径は、小径流路21bよりも若干小さく形成されている。また、先端部26bの先端側と雄側ケース18との間には隙間が形成され、この隙間には、連結シール部22の閉塞部22aの一端が嵌合される(図5参照)。
【0035】
また図1に示すように、雄側弁体26の周壁部には、貫通孔26dが形成されている。雄側弁体26が、小径流路21bから脱出し、開放された雄側接続口20から液体が流路21に導入されると、該液体は、この貫通孔26dを介して、雄側ケース18の流路21に送出される。
【0036】
また先端部26bの外周面には、凹部26eが形成され、この凹部26eには、摺接シール部としての雄側Vリング24Aが嵌合されている。雄側Vリング24Aは、雄側ケース18と雄側弁体26との隙間を介した液体の漏出を抑制する。この雄側Vリング24Aは、弾性変形可能であって、連結シール部22よりも硬質の材料からなり、例えばゴムから形成されている。
【0037】
図3(a)に示すように、雄側Vリング24Aは、略環状であって、図3(b)に示すように、その断面形状がV字状となる形状に形成されている。また、雄側Vリング24Aは、円筒部Cと、円筒部Cの先端から斜め下方に向かって延出されたリップ部Rとを有している。図3(b)に示すように、円筒部Cは、凹部26eに嵌合可能な大きさに形成され、その外周面は、リップ部Rが形成された一方の端部から、他方の端部にかけて外径が小さくなるように傾斜している。
【0038】
またリップ部Rは、その外側に傾斜面Sを有している。図1及び図5に示すように、リップ部Rは、雄側Vリング24Aが凹部26eに嵌合された際に、雄側弁体26の先端部26bの外周面から突出するような形状に形成されている。従って、雄側弁体26が雄側ケース18内を変位する際には、このリップ部Rの先端が雄側ケース18の内側面に摺接し、雄側ケース18と雄側弁体26との間のシール性を保持する。このリップ部Rの先端の面積は小さく、略同じ大きさのOリングを凹部26eに嵌合した場合よりも、雄側ケース18との接触面積が小さくなる。このため、小さい挿入力(低挿入力)で雄側弁体26を雄側ケース18内に押し込むことができる。この雄側Vリング24Aは、雄側弁体26に対し、リップ部Rの基端部が雄側弁体26の先端面側、リップ部Rの先端部が雄側弁体26の基端部26a側となるように凹部26eに固定される。
【0039】
また、図1及び図5に示すように、雄側弁体26の先端面には、先端面よりも若干小さい大きさを有する円形状の収容部26gが凹設されており、該収容部26gには、円板状の内側シール部23が収容されている。内側シール部23は、例えばエラストマー等、連結シール部22と同一材料から形成されている。
【0040】
このような雄側弁体のうち、先端部26bが小径流路21bに挿入されると、その先端部26bによって小径流路21bが閉塞されるとともに、先端部26bと小径流路21bとの間の僅かな隙間を雄側Vリング24Aがシールした状態となる。その結果、雄側接続口20が閉塞され、流路21内の液体の流れが遮断される。以下、この状態の雄側弁体26の位置を閉位置という。
【0041】
図1に示すように、バネ27は、大径流路21a内に伸縮可能な状態で配設されている。バネ27は、雄側弁体26を、上記閉位置に付勢する。このバネ27の付勢力により、雄側弁体26に対し外部から押圧力が加えられていない状態では、雄側弁体26は閉位置に配置される。
【0042】
図1に示すように、雌型コネクタ11は、上記第2外部流路に接続され内側に連通路30を有する継手部29と、継手部29にシールリング32を介して固定された雌側ケース33を有している。雌側ケース33は、樹脂からなり、略円筒状をなすとともに、その内側に液体が流れる流路31を有している。また、雌側ケース33は、その両端に、継手部29の連通路30に接続される開口34と、雄型コネクタ10側に接続される雌側接続口35とを有している。この雌側接続口35の端縁は、雄型コネクタ10を受け入れやすくするために、外側に拡開した形状となっている。
【0043】
また、雌側ケース33は、開口34側に形成された大径部33aと、雌側接続口35側に形成された小径部33bとから構成される。これらの大径部33aと小径部33bとの間には、段差部33cが設けられている。
【0044】
また、雌側ケース33内には、樹脂製の固定弁36が移動不能に固定されている。図4に示すように、固定弁36は、略円柱状の本体36aと、本体36aの一端に形成された固定部36bとを備えている。固定部36bは、本体36aから放射状に形成された3本の延出部を有しており、図1に示すように雌側ケース33と継手部29との間に固定されている。そして固定部36bに備えられた延出部の間であって、本体36aの外周には、液体が通過する流路36cが形成されている。この流路36cは、雌側ケース33に固定弁36を固定した際に、継手部29内の連通路30と、雌側ケース33内の流路31とを連通するようになっている。
【0045】
また図1に示すように、固定弁36の先端部の外周には凹部36dが形成され、この凹部36dには、摺接シール部としての雌側Vリング24Bが嵌合されている。この雌側Vリング24Bは、雄側Vリング24Aと同一の形状であって、且つ同一の材料からなる。
【0046】
この雌側Vリング24Bは、雄側Vリング24Aの向きと反対の向きで配置される。即ち、雄側弁体26に対し、リップ部Rの基端部が固定弁36の先端面側、リップ部Rの先端部が固定弁36の固定部36b側となるように配置される。
【0047】
また、図1に示すように、雌側ケース33内であって、固定弁36の外周には、雌側弁機構37が備えられている。雌側弁機構37は、雌側ケース33内を変位する雌側弁体38と、雌側弁体38を雌側接続口35に付勢するコイル状のバネ39とを備えている。
【0048】
雌側弁体38は、樹脂製であって略円筒状に形成され、その外径は、雌側ケース33の流路31の内径よりも若干小さくなっている。また雌側弁体38は、内側に固定弁36の先端部を収容している。この雌側弁体38の内側面には、固定弁36に嵌合された雌側Vリング24Aのリップ部Rが摺接し、雌側弁体38と固定弁36との間の隙間を介した液体の漏出を抑制するようになっている。
【0049】
また、雌側弁体38の内側面には、段差状の段差面38aが形成され、この段差面38aにバネ39の一端が支持固定されている。さらに、雌側弁体38の一端には、鍔部38bが外側に張り出すように形成されている。この鍔部38bが、雌側ケース33の段差部33cと当接すると、雌側弁体38の変位範囲が規制されるとともに、雌側弁体38は、雌側接続口35を閉塞する閉位置に配置される。雌側弁体38に押圧力が加えられていない状態では、雌側弁体38は、バネ39の付勢力により閉位置に付勢される。
【0050】
次に本実施形態のコネクタの作用について説明する。まず図5に示すように、雄型コネクタ10と雌型コネクタ11とを、それらの中心軸が一致し、且つ雄型コネクタ10の連結シール部22と雌型コネクタ11の雌側接続口35とが対向するように配置する。
【0051】
そして、図6に示すように、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に対し相対移動させる。そして、雌型コネクタ11の固定弁36の先端を、連結シール部22の閉塞部22aに内嵌し、固定弁36の先端面と雄側弁体26の先端面とを当接させるとともに、連結シール部22の被挟持部22bに、雌側弁体38の先端面を当接させる。
【0052】
その結果、雄側弁体26の先端面に設けられた内側シール部23は、雄側弁体26と固定弁36との間に挟持されるとともに、連結シール部22の各傾斜部22cの傾斜面に、雄側Vリング24Aのリップ部Rと、雌側Vリング24Bのリップ部Rとが当接する。このとき、上述したように連結シール部22は、各Vリング24A,24Bよりも軟質の材料からなるため、各Vリング24A,24Bの形状に沿って変形し、その傾斜面に密着する。
【0053】
このように、雄側接続口20と雌側接続口35とを接続すると、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に向かって押圧するか、又は雌型コネクタ11を雄型コネクタ10に向かって押圧する。こうして雌型コネクタ11に雄型コネクタ10を挿入していくと、雄側ケース18が、雌型コネクタ11のバネ39の付勢力に抗して雌側弁体38を押圧し、雌側弁体38を閉位置から雌側ケース33内に押し込む。同時に、雌型コネクタ11の固定弁36が、その先端に設けられた雌側Vリング24Bを連結シール部22の内側面に摺接させながら、バネ27の付勢力に抗して雄側弁体26を押圧する。雄側弁体26は、固定弁36に押圧されることで、閉位置から離間する方向に変位する。
【0054】
このように、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入する際に、雌側Vリング24Bは、滑りにくい表面を有する連結シール部22の内側面を摺接することとなるが、雌側Vリング24Bのうち連結シール部22に摺接するリップ部Rは、接触面積が小さい。このため、雄側弁機構25及び雌側弁機構37を開状態とするために必要な挿入力を比較的小さくすることができる。
【0055】
このとき、連結シール部22の被挟持部22bは、雌側弁体38を付勢するバネ39の付勢力によって、雄側ケース18と雌側弁体38との間で弾性変形し、雄側ケース18の端面及び雌側弁体38の端面に密着した状態となっている。また、連結シール部22の閉塞部22aは、雄側ケース18及び雌側弁体38の間隙を、雄側ケース18の流路21側及び雌側ケース33の流路側から閉塞している。換言すると、閉塞部22aは、雄側ケース18及び雌側弁体38の間隙の開口を、雄側ケース18の内側面及び雌側ケース33の内側面から閉塞している。さらに、雄側弁体26の先端面に設けられた内側シール部23は、雄側弁体26の先端面及び固定弁36の先端面に密着し、それらの先端面の間に生じる隙間を自体を埋めるように閉塞している。
【0056】
そして、図7に示すように、雄側弁体26の先端部26bが、雄側ケース18の小径流路21bから脱出するとともに、雌側弁体38が雌側ケース33の大径部33a側に押し込まれ、且つ固定弁36の先端が雄側ケース18に挿入されると、雄型コネクタ10の流路21と雌型コネクタ11の流路31とが連通される。このようにコネクタが連通状態とされた際に、上記第1外部流路から継手部29の連通路30を介して液体が導入された場合、その液体は、固定弁36の本体36aの外周に設けられた流路36cを通過し、連結シール部22内を通過する。さらに液体は、雄側ケース18の小径流路21bを介して大径流路21aに送出され、雄側弁体26の貫通孔26dを通過し、雄側ケース18の開口19から継手部15の連通路16に送出される。そして継手部15の連通路16から、第2外部流路に送出される。
【0057】
このようにコネクタ内に液体が流れる際、連結シール部22の閉塞部22a及び被挟持部22bによって、雄側ケース18と雌側弁体38との間に生じる隙間が液体に露出されない状態となる。このため、その隙間に液体が浸入したり、隙間の開口付近に液体が付着することを抑制することができる。また、雄側弁体26と固定弁36との間には内側シール部23が介在し、それらの先端面に密着して、雄側弁体26及び固定弁36との間の隙間を埋めるように閉塞しているため、該隙間にも液体が浸入しない。
【0058】
そして、コネクタを非連通状態として、第1外部流路と第2外部流路との接続を解除する際には、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11から抜出していく。このとき、雄側弁体26は、バネ27の付勢力により雄側接続口20に向かって雄側ケース18内を変位する。また、雌側弁体38は、バネ39の付勢力により、雌側接続口35に向かって雌側ケース33内を変位する。
【0059】
そして、雄側ケース18を雌側ケース33から完全に抜出すると、雄側弁体26は雄側接続口20を閉塞する閉位置に配置され、雌側弁体38は雌側接続口35を閉塞する閉位置に配置される。この際、雄側Vリング24Aは、そのリップ部Rが連結シール部22の傾斜部22cの傾斜面に当接した状態となるため、雄側ケース18内に存在する液体が、雄側接続口20に押し出されることを防ぐことができる。また、連結シール部22により雄側ケース18及び雌側弁体38の間への液体の浸入が抑制されていたため、連結シール部22の被挟持部22bの表面及び雌側弁体38の端面には液体が付着していない状態になっている。また内側シール部23により雄側弁体26及び固定弁36の間への液体の浸入が抑制されているため、雄側弁体26との先端面と固定弁36との先端面にも液体が付着していない状態となる。即ち、雄側接続口20及び雌側接続口35全体に液体が付着することを抑制することができる。
【0060】
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1実施形態では、雄型コネクタ10に、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の間隙を、雄側ケース18の流路21側及び雌側ケース33の流路31側から閉塞する閉塞部22aを有する連結シール部22を備えた。このため、コネクタ内を液体が流れる際に、雄側ケース18と雌側弁体38との間に液体が侵入することを抑制することができる。そして、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結を解除する際には、雄側弁機構25及び雌側弁機構37が閉状態とされるので、それらの隙間に液体が浸入しない状態を維持したまま、雌型コネクタ11から雄型コネクタ10を外すことができる。従って、連結を解除した雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の各接続面は露出された状態となるが、雄側ケース18及び雌側弁体38の間に液体が付着していない状態であるため、連結解除後に接続面に付着した液体がコネクタ以外の周囲の物体に付いたり、接続面に塵埃が付着されやすくなることを抑制することができる。
【0061】
(2)連結シール部22は、雄側ケース18及び雌側弁体38の間に挟持される被挟持部22bをさらに有する。この被挟持部22bは、それらの端面の間に挟持されることで隙間を埋める。このため、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結時には、それらの接続面の間に生じる隙間全体が、コネクタ内を流れる液体に曝されないようにすることができるため、その隙間に液体が浸入したり、隙間の開口付近に液体が付着することを抑制することができる。
【0062】
(3)雄側弁体26に、雄側弁体26と固定弁36との間に生じる隙間を閉塞する内側シール部23を備えた。雄側弁体26と固定弁36との間に液体が侵入することを抑制することができるので、内側シール部23及び連結シール部22によって、雄側接続口20及び雌側接続口35全体に液体が付着することを抑制することができる。
【0063】
(4)雌型コネクタ11の固定弁36は、雌側弁体38との間を介した液体の漏出を抑制する雌側Vリング24Bを備えた。この雌側Vリング24Bは、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入する際に、連結シール部22及び雄側ケース18にその先端で接触するリップ部Rを有する。リップ部Rは、連結シール部22及び雄側ケース18との接触面積が十分小さいため、エラストマーからなる連結シール部22を雌側Vリング24Bが摺接する範囲に設けても、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入する際に要する力を小さくすることができる。また、雌側Vリング24Bは、雄側弁体26及び雌側弁体38が閉位置に配置された際に、連結シール部22に当接するため、雌型コネクタ11内に存在する液体の漏出を抑制することができる。
【0064】
(5)雄側弁体26は、雄側ケース18との間を介した液体の漏出を抑制する雄側Vリング24Aを備えた。雄側Vリング24Aは、雄側弁体26が閉位置から変位する際に、雄側ケース18の内側面にその先端で接触するリップ部Rを有する。このリップ部Rと雄側ケース18との接触面積は小さいため、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入する際に要する力を小さくすることができる。また、雄側Vリング24Aは、雄側弁体26及び雌側弁体38が閉位置に配置された際に、連結シール部22に当接するため、雄型コネクタ10内に存在する液体の漏出を抑制することができる。
【0065】
(6)連結シール部22は、その両端に、各Vリング24A,24Bに当接する傾斜部22cを備えた。そして、雄側弁体26及び雌側弁体38が閉位置に配置された状態では、その傾斜部22cが各Vリング24A,24Bのリップ部Rに当接した状態となる。このため、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入した際に、雌側Vリング24Bが、連結シール部22の傾斜部22cの表面を滑るように移動する。このため、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に挿入する際に要する力を小さくすることができる。
【0066】
(7)連結シール部22は、弾性変形可能であって、各Vリング24A,24Bよりも軟質な材料からなる。このため、連結シール部22がVリング24A,24Bと当接した際に、連結シール部22の形状に沿って変形することができる。このため、連結シール部22と各Vリング24A,24Bとの間に隙間が生じ難いため、連結シール部22と該連結シール部22に当接した各Vリング24A,24Bとの隙間を介して、液体が漏出することを抑制することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図8にしたがって説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態の連結シール部を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0068】
図8に示すように、本実施形態の連結シール部22は、閉塞部22aのみを備え、略環状に形成されている。この連結シール部22は、閉塞部22aの上部を雄側ケース18の端面から突出させた状態で、雄側ケース18の雄側接続口20に固定されている。
【0069】
雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11を連結した状態では、閉塞部22aによって、雄側ケース18及び雌側弁体38の間に生じる隙間の開口が、雄側ケース18の流路側及び雌側ケース33の流路側から閉塞されるため、その隙間に液体が浸入しない。
【0070】
そして雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結を解除する際には、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11から引き抜き、固定弁36を連結シール部22から抜出するとともに、雄側ケース18を雌側弁体38から離間させる。この際、上記隙間には液体が浸入しないため、雄側ケース18の端面及び雌側弁体38の端面に液体が付着していない状態にすることができる。
【0071】
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)及び(3)〜(7)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(6)第2実施形態では、連結シール部22は、雄側ケース18及び雌側弁体38の内側面から、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の間隙を閉塞する閉塞部22aのみを備えたため、連結シール部22を簡略な構成とすることができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図9にしたがって説明する。尚、第3実施形態は、第1実施形態の連結シール部及び内側シール部を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0073】
図9に示すように、本実施形態の連結シール部22は、環状に形成され、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11が連結された際に、雄側ケース18の端面及び雌側弁体38の端面に挟持される被挟持部22bのみを有している。
【0074】
また、内側シール部23は、雄側弁体26の先端に固定されている。この内側シール部23は、雄側弁体26の先端面を覆う被挟持部23aと、被挟持部23aを取り囲むように、被挟持部23aと一体に形成された閉塞部23bとを有している。被挟持部23aは、雄側弁体26の先端面と固定弁36の先端面の形状に合わせて円形状に形成されている。閉塞部23bは、円筒状に形成され、その内側面のうち略中央に被挟持部23aが一体に形成されている。また、閉塞部23bは、その両端に、各Vリング24A,24Bのリップ部Rと当接可能な傾斜部23cを有している。
【0075】
この内側シール部23は、雄側弁体26に対し、被挟持部23aが雄側弁体26の先端面に当接し、閉塞部23bが雄側弁体26の先端を内嵌するように固定される。その結果、閉塞部23bが、雄側弁体26の先端面から突出した状態となる。また、閉塞部23bの外周面は、雄側Vリング24Aのリップ部Rの先端から外側に突出しないため、雄側弁体26が変位する際に、雄側ケース18の内側面に当接しない。
【0076】
雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11を連結する際には、雌側弁体38を雄側ケース18に当接させるとともに、雄側弁体26に固定された連結シール部22の内側に、固定弁36の先端を内嵌する。そして、雄型コネクタ10を雌型コネクタ11に押し込む。この際、各Vリング24A,24Bは、雄側ケース18等に摺接するが、内側シール部23は、それらの部材に摺接しない。
【0077】
雄側弁機構25及び雌側弁機構37が開状態となると、コネクタ内に液体が供給される。この際、雄側ケース18及び雌側弁体38の間には連結シール部22が介在し、連結シール部22は、それらの端面に密着しているため、その隙間に液体が浸入することを抑制することができる。
【0078】
また、雄側弁体26と固定弁36との間には内側シール部23の被挟持部23aが介在し、それらの隙間を埋めるように閉塞し、内側シール部23の閉塞部23bは、雄側弁体26及び固定弁36の隙間の開口を閉塞しているため、雄側弁体26及び固定弁36の接続面全体が液体に曝されない。このため、その隙間に液体が浸入することを抑制するとともに、隙間の開口に液体が付着することを抑制することができる。従って、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結を解除した際には、雄側ケース18の端面、雌側弁体38の端面、雄側弁体26の先端面及び固定弁36の先端面に液体が付着していない。
【0079】
従って、第3実施形態によれば、第1実施形態の(2)及び(4)〜(7)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(7)第3実施形態では、内側シール部23は、雄側弁体26及び固定弁36の各接続面の間に挟持される被挟持部23aを備えた。また、内側シール部23は、それらの接続面の間隙を、雄型コネクタ10の内側面及び雌型コネクタ11の内側面から閉塞する閉塞部23bとを有する。このため、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の連結時には、それらの接続面の間に生じる隙間全体が、コネクタ内を流れる液体に曝されないようにすることができるため、その隙間に液体が浸入したり、隙間の開口付近に液体が付着することを抑制することができる。
【0080】
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、雌型コネクタ11から雄型コネクタ10へ向かって液体を流すようにしたが、雄型コネクタ10から雌型コネクタ11へ向かって液体を流すようにしてもよい。
【0081】
・上記各実施形態では、連結シール部22と内側シール部23との両方を備えるようにしたが、いずれか一方でもよい。例えば、第1実施形態において、内側シール部23を省略してもよい。
【0082】
・上記各実施形態では、雄型コネクタ10に連結シール部22及び内側シール部23を備えたが、それらを雌型コネクタ11に備えてもよい。その場合、連結シール部22は、雌側弁体38の内側に嵌合され、内側シール部23は固定弁36の先端面に固定される。また、片方だけでなく、雄型コネクタ10及び雌型コネクタ11の両方に連結シール部22及び内側シール部23を備えるようにしてもよい。
【0083】
・第3実施形態では、内側シール部23は、円筒状の閉塞部23bのみを備える構成とし、被挟持部23aを省略してもよい。
・コネクタの構成や形状は、上記各実施形態以外の構成及び形状でもよく、雌側弁体38と、該雌側弁体38と当接する雄側の被当接部との間に連結シール部22を備えた構成であればよい。
【符号の説明】
【0084】
10…雄型コネクタ、11…雌型コネクタ、18…雄側ケース、21,31,36c…流路、22…連結シール部、22b,23a…被挟持部、23…内側シール部、25…雄側弁機構、26…雄側弁体、27…バネ、31…流路、33…雌側ケース、36…固定弁、37…雌側弁機構、38…雌側弁体、39…バネ、R…リップ部、S…傾斜面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れる流路を有する雄側ケースと該雄側ケース内に備えられた雄側弁機構とを有する雄型コネクタと、
液体が流れる流路を有する雌側ケースと該雌側ケース内に備えられた雌側弁機構とを有する雌型コネクタとを備え、
前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタの連結が解除された際に前記雄側弁機構及び前記雌側弁機構を閉状態とするコネクタにおいて、
前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタが連結された際に、前記雄側ケースの流路側及び前記雌側ケースの流路側からそれらの接続面の間隙を閉塞するシール部を備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記シール部は、前記各接続面の間に挟持される被挟持部をさらに有する請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記雌側弁機構は、前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタが連結された際に、前記雄側ケースと当接する雌側弁体を備え、
前記シール部は、前記雄側ケース及び前記雌側弁体が互いに当接する各接続面の間隙を閉塞する請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、前記雌型コネクタは前記雄側弁体と当接する固定弁を備えるとともに、
前記雄側弁体及び前記固定弁の間に挟持される内側シール部をさらに備える請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、前記雌型コネクタは前記雄側弁体と当接する固定弁を備えるとともに、
前記固定弁は液体の漏出を抑制する摺接シール部をさらに備え、該摺接シール部は、前記シール部に対し、その先端で摺接するリップ部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記雄側弁機構は前記雄側ケース内で変位する雄側弁体を備え、
前記雄側弁体は前記雄側ケースとの間を介した液体の漏出を抑制する摺接シール部を備え、該摺接シール部は、前記雄側ケースに対しその先端で摺接するリップ部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記シール部は、前記摺接シール部の前記リップ部と当接する傾斜面を有する請求項5又は6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記シール部は、弾性変形可能であって且つ前記摺接シール部よりも軟質な材料からなる請求項5〜7のいずれか1項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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