説明

コピー保護文書をプレビューするシステム及び方法

【課題】印刷前に原稿文書のコピー保護パターンをプレビューする方法を提供する。
【解決手段】複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程360と、ユーザインタフェースに関連する複数のオプションのうちの1つを用いて、前記コピー保護テンプレートに対応する画像を前記文書の少なくとも1ページ分の画像と混合することによって表示される前記文書を表示する工程335と、を有し、前記オプションは、前記文書の印刷バージョンの表示を可能とする印刷プレビューオプションと、前記文書の複製バージョンの表示を可能とするコピープレビューオプションと、を含み、印刷前に原稿文書のコピー保護オーバーレイパターンを伴なった文書をプレビューすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷の分野に関し、特に、コピー保護機能に基づき、地紋(tint−block)を使用して文書をプレビューするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近代的な組織の至る所に存在する文書印刷システムは、文書の迅速な印刷及び/又は複製を可能とする。最新の印刷及びコピーシステムの設計者は、プリンタのネットワーク上でのユニバーサルな導入が得られるプリンタ速度、処理能力、機能、効率及びコストの改善に絶えず力を注いできている。プリント媒体上の物理的文書は容易に複製することができるため、印刷原稿の多くは、コピーを禁止し、及び/又は複製文書を視覚的に識別可能とするコピー保護機能を含んでいる。
【0003】
具体的には、2つのコピー保護スキームが一般的である。ウォーターマーキングでは、文書がどのような見方をされるかに応じて、用紙において認識可能な画像又はパターンが、背景よりも薄く又は濃く見えるように用紙に適用される。ウォーターマークは第1にオリジナルの標識としての機能を果たすものであり、通常は、コピーの防止やコピーを原稿から区別するために用いられない。
【0004】
地紋コピー保護と呼ばれる第2のスキームでは、原稿文書で視覚化される際に原稿において単純パターン又は背景色に見える画像が、原稿が複製される際に異なる画像又は一組の文字に見える。地紋スキームは、原稿文書では見えないが原稿が複製されるとコピーに目立つように現れる背景パターンの使用を含んでいる。例えば、「COPY」という語が、原稿印刷文書においては見にくいが、文書が複製される際に文書に渡って大きなフォントで現れるようにしてもよい。
【0005】
多くの他の特徴的なパターン又は単語もまた、複製物を識別するのに用いられうる。他のスキームは、規格に準拠したコピー機においてソフトウェアを起動し、完全に複製を防止するのに用いられる、「EURion Constellation」等のパターンの使用を含む。5つのリングから成る「EURion Constellation」パターンは、典型的には法定紙幣に配置され、コピー機で検出されることにより紙幣の偽造が防止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、第1に地紋を用いたコピー保護スキームに関する。いくつかの例では、地紋スキームにおけるコピー保護のパターンは、文書と共に生成されてプリンタに送信され、印刷されうる。プリンタは、印刷の前に、パターンを文書画像に重ねてもよい。印刷されると、文書はコピー保護及び/又は検知機能を含むことになる。しかしながら、コピー保護オーバーレイパターンの生成処理は文書印刷スキームと切り離されていることから、プリンタへの送信前に、コピー保護オーバーレイパターンを伴った最終的な印刷文書を、ユーザがプレビューすることができない場合がある。
【0007】
コピー保護パターンをプレビューできないことは、オーバーレイパターンが不体裁であるか、文書の一部において希望より大きい範囲に現れるか、他の種々の利用によりユーザに好まれない場合があるため、原稿文書が印刷される際に問題となりうる。更に、ユーザは、原稿文書が複製される際に、コピー保護スキームが十分に視認できること、さもなければ適当であることを確実にするために、複製後の文書のプレビューを望むこともある。現在のスキームにより、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書を印刷前にプレビューできないことは、非効率性、紙、トナー及び他の資源の無駄を招く。したがって、印刷前にコピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューするシステム及び方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示される実施形態に従って、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューする装置、システム及び方法が提示される。一部の実施形態では、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書プレビュー方法は、複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程と、ユーザインタフェースに関連する複数のオプションのうちの1つを用いて、前記コピー保護テンプレートに対応する画像を前記文書の少なくとも1ページ分の画像と混合することによって表示される前記文書を表示する工程と、を有し、前記オプションは、前記文書の印刷バージョンの表示を可能とする印刷プレビューオプションと、前記文書の複製バージョンの表示を可能とするコピープレビューオプションと、を含んでいる。
【0009】
また、本発明の実施形態は、コンピュータにより読取可能な媒体又はコンピュータにより読取可能なメモリを用いて、プロセッサにより作成、記憶又は修正された、ソフトウェア、ファームウェア及びプログラム命令に関連している。記載された方法は、コンピュータ及び/又は印刷デバイスを含むシステムによって実行されうる。更に、これらの又は他の実施形態は、下記の図面に関して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、地紋コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューする例示的なシステム100のブロック図を示す。
【図2A】図2Aは、文書コピー保護印刷プレビュー処理において用いられるいくつかの例示的な対象物200を示す。
【図2B】図2Bは、文書コピー保護印刷プレビュー処理において用いられるいくつかの例示的な対象物200を示す。
【図3】図3は、地紋コピー保護を用いるスキームにおける、文書をコピー保護する例示的な方法300を記載したフローチャートを図示する。
【図4A】図4Aは、文書をコピー保護するシステムにおけるユーザ設定可能なオプションを示すコピープレビューウィンドウを備えた例示的なユーザインタイフェースを図示する。
【図4B】図4Bは、文書をコピー保護するシステムにおけるユーザ設定可能なオプションを示すコピープレビューウィンドウを備えた例示的なユーザインタイフェースを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に従って、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューするシステム及び方法が提示される。
【0012】
図1は、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューする例示的なシステム100のブロック図である。開示された実施形態に適合するコンピュータソフトウエアアプリケーションは、図1に示すように、コンピュータ及び/又はプリンタのネットワーク上に配備されてもよく、これらは、従来の通信プロトコル及び/又はデータポートインタフェースを用いた情報交換を可能にする通信リンクを介して接続されている。
【0013】
図1に示すように、例示的なシステム100は、コンピュータ又はコンピューティングデバイス110及びサーバ130を含んでいる。更に、コンピューティングデバイス110及びサーバ130は、接続部120を介して通信することができる。接続部120は、ネットワーク140を通過してもよく、一例としては、インターネットであってもよい。コンピューティングデバイス110は、コンピュータワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はネットワーク化された環境で用いることができる他のいかなるコンピュータデバイスであってもよい。サーバ130は、コンピューティングデバイス110及び他のデバイス(図示せず)に接続可能なプラットフォームであってもよい。コンピューティングデバイス110及びサーバ130は、プリンタ160−1及び/又は160−2における印刷の前に、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューすることを可能にするソフトウェア(図示せず)を実行可能であってもよい。
【0014】
プリンタ160は、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ、LEDプリンタ、プロッタ、多機能デバイス、又は文書を印刷することができる他のデバイスであってもよい。コンピューティングデバイス110は、リムーバブルメディアドライブ150を含んでもよい。リムーバブルメディアドライブ150は、例えば、3.5インチフロッピードライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、CD±RW若しくはDVD±RWドライブ、USBフラッシュドライブ、及び/又は本発明の実施形態に適合する他のいかなるリムーバブルメディアドライブであってもよい。ソフトウェアアプリケーションの一部はリムーバブルメディアに搭載され、リムーバブルメディアドライブ150を用いたコンピューティングデバイス110によって読み取られて実行されてもよい。一部の実施形態では、アプリケーションにより生成された中間及び最終結果及び/又はデータもまた、リムーバブルメディアに記憶されうる。
【0015】
接続部120は、コンピューティングデバイス110、サーバ130及びプリンタ160を接続しており、従来の通信プロトコル及び/又はデータポートインタフェースを用いて、有線接続又は無線接続として実施されることができる。一般に、接続部120は、デバイス間のデータ送信を可能とするいかなる通信チャネルとされてもよい。一部の実施形態では、例えば、デバイスは、シリアル、パラレル、USBTM、SCSI及びFIREWIRETM等の従来のデータポート、並びに/又は適当な接続部120を介してデータ送信するためのEthernetポートを備えてもよい。通信リンクは、無線リンク、有線リンク、又はコンピューティングデバイス110、サーバ130及びプリンタ160の間の通信を可能とするいかなる組合せであってもよい。
【0016】
ネットワーク140は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)又はインターネットを含んでもよい。一部の実施形態では、ネットワーク140を介して送信された情報は、送信中のデータのセキュリティを保証するために暗号化されてもよい。例示的な印刷デバイス160−2はネットワークプリンタであってもよく、接続部120を介してネットワーク140に接続されてもよい。
【0017】
システム100は、本発明の実施形態に従って、複数の印刷デバイス160及び他の周辺機器(図示せず)を含んでいる。印刷デバイス160は、ハードウェア、ファームウェア若しくはソフトウェア、又はそれらのいくつかの組合せによって制御されてもよい。印刷デバイス160は、例示的なプリントコントローラ175−1及び175−2等の一以上の印刷コントローラボード175を有していてもよく、印刷コントローラボード175は印刷デバイス160の動作を制御することができる。印刷デバイス160は、プリントコントローラ175のメモリデバイスに存在するファームウェア又はソフトウェアにより制御されてもよい。一般に、プリントコントローラ175は印刷デバイス160の内部又は外部にあってもよい。一部の実施形態では、印刷デバイス160の一部は、コンピューティングデバイス110又はサーバ120上で作動する、プリンタドライバ、プリントサーバ、又は他のソウトウェアを含むソフトウェアによって制御されてもよい。
【0018】
例示的な印刷デバイス160等の印刷デバイスは、コンソール190−1及び190−2等のコンソール190、又はユーザ入力並びにプリンタ及び/若しくはプリントジョブ関連情報をユーザに表示することを可能とする他のインタフェースを有していてもよい。一部の実施形態では、コンソール190は、ユーザによる設定オプションの設定、又はユーザ識別及び/若しくは他の認証情報の入力を可能としてもよい。一部の実施形態では、コンソール190は、ディスプレイ、又は印刷デバイス160に接続されたコンピュータ110若しくはサーバ120のモニタ上のユーザインタフェースの形をとってもよい。例えば、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書は、コンソール190−1,190−2及びコンソール/モニタ190−3上の適当なユーザインタフェースを用いて、印刷前にプレビューされてもよい。更に、印刷デバイス160−1に一以上の設定オプションを設定するユーザインタフェースが、コンピュータ110に接続されるコンソール/モニタ190−3に表示されてもよい。一部の実施形態では、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書のプレビュー等、プリンタ160に関連するアプリケーションは、サーバ130上で作動するソフトウェアを用いて実行及び表示されてもよい。
【0019】
一部の実施形態では、印刷デバイス160に関する設定パラメータは、ユーザにより設定可能であってもよい。例えば、文書プレビューオプション、コピー保護パターンの選択、プレ印刷オプション、印刷解像度、文書サイズ、カラーオプション及び他の設定パラメータを、ユーザにより設定可能としてもよい。プレ印刷オプションは、いくつかのコピー保護オーバーレイパターンのうちの1つを選択し、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書をプレビューするオプションを含んでもよい。ユーザが、入力及び/又は出力トレイ、並びに原稿のバッチ処理を可能とする自動原稿送り装置の使用を指定できるようにしてもよい。また、ユーザが印刷デバイス160にログインして、印刷デバイス160におけるソフトウェア又はファームウェアを有効にして種々の機能を実行させる等の管理機能を実行することができるようにしてもよい。一部の実施形態では、ログイン処理にパスワード又は他のユーザ認証機構を要することとしてもよい。
【0020】
本発明に適合するコンピュータソフトウェアアプリケーションは、図1に示すような例示的なコンピュータ又はプリンタのうちのいずれに配備されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス110は、プリンタ160−1における印刷に先立って、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書のプレビューを制御及び/又は監視することができる、ドライバ等のソフトウェアを実行しうる。他の例では、コピー保護オーバーレイパターンを伴った文書を印刷前にプレビューするアプリケーションは、プリントコントローラ175−1に搭載されて実行されうるが、プリンタドライバにより提供される適当なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を用いたコンピュータ110を用いて呼び出され、設定されてもよい。一部の実施形態では、GUIは、文書処理プログラムのための「印刷プレビュー」ウィンドウにおいてユーザが選択可能なオプションとして提供されてもよい。一般に、アプリケーションは、システムにおける一以上のコンピュータ、プリントコントローラ又はプリンタにおいて、全部又は一部を実行することができる。上述の実施形態は例示的なものにすぎず、他の実施形態及び実施は当業者において明らかである。
【0021】
図2A及び2Bは、文書コピー保護印刷プレビュー処理に用いられるいくつかの例示的な対象物200を示しており、対象物200は、文書画像210、コピー保護テンプレート220、及びコピー保護文書画像230を含んでいる。
【0022】
図2A及び2Bに示すように、例示的な文書画像210は、印刷される文書のページを示している。ページは、テキスト、画像及び/又は他のグラフィック対象物を含みうる。文書は1以上のページを含んでもよい。最新の文書処理ソフトウェア、及び/又はプリンタドライバに関連するソフトウェアは、文書の各ページの画像を生成することができる。例えば、MicrosoftTMWORDの文書は、「印刷プレビュー」メニューオプションを用いてプレビューされうる。それにより、文書画像210は生成されるか、文書処理又は他のソフトウェアに利用されうる。一部の実施形態では、文書画像210は文書のビットマップイメージに対応してもよい。文書画像210は、文書の個別のページに対応する一連の画像を成してもよい。一般に、文書画像210Aは、印刷媒体上の印刷文書を生成するのにプリンタ160で用いることができる文書のいかなる表現であってもよい。
【0023】
例示的なコピー保護テンプレート220−1及び220−2は、文書を保護する地紋スキームに用いられる画像であってもよく、また、文書コピー保護印刷プレビュー処理に利用可能であってもよい。例えば、コピー保護テンプレート220−1及び220−2は、ハードドライブ、コンピュータ110に付随するリムーバブルメディア150、サーバ120、プリントコントローラ175、及び/又はプリンタ160に格納されうる。コピー保護テンプレート220−1及び220−2は、Joint Photographic Experts Group(「JPEG」)、Graphical Interchange Format(「GIF」)、Tagged Image File Format(「TIFF」)、ビットマップ、及び/又は開示される実施形態に用いることができる、他のいかなる画像フォーマットをも含む種々の画像フォーマットによって格納されうる。
【0024】
説明のための図2Aに示すように、コピー保護テンプレート210−1は、画像をコピー時の状態で表示する。例示的なコピー保護テンプレート220−1では、単語「COPY」がページ全体にわたって印刷された大きなフォントで現れる。コピー保護テンプレート220Aは、印刷文書が地紋スキームを用いてコピー保護される場合に適用されうる。原稿印刷文書において、コピー保護テンプレート220Aの画像(単語「COPY」を含む)は見えなくてもよく、又は背景パターンとしてかすかに見えてもよい。
【0025】
図2Bは、小さなフォントの単語「COPY」の複数のインスタンスがページ全体にわたって配置された、他の例示的なコピー保護テンプレート220−2を示す。コピー保護テンプレート220−2は、コピー保護印刷文書に対する地紋スキームで用いられてもよい。コピー保護テンプレート220−2が原稿文書に印刷される際に、コピー保護テンプレート220−2における画像の複数のインスタンスは見えなくてもよく、背景として薄い文字に現れてもよい。
【0026】
一部の実施形態には、例示的なコピー保護文書画像230−1は、図2Aにおいて矢印で示されるように、コピー保護テンプレート220−1及び文書画像210を重ね合わせることによって取得されてもよい。同様に、図2Bに示すように、例示的なコピー保護文書画像230−2は、コピー保護テンプレート220−2及び文書画像210を重ね合わせることによって取得されてもよい。一部の実施形態では、前記処理が文書の各ページについて繰り返されることにより、文書のすべてのページがコピー保護機能を有するようになってもよい。
【0027】
一部の実施形態では、コピー保護文書画像230−1又は230−2が印刷媒体に印刷されるときに、テンプレートは隠れているか、わずかに見えるか、肉眼ではすぐに見ることができなくてもよい。しかしながら、コピー保護文書がコピーされるときに、コピー保護パターンは強調されることが可能であり、テンプレートが明確に視認できることによって複製文書がコピーであることを識別可能としてもよい。説明のためだけに示されたコピー保護文書画像230−1及び230−2は、それぞれコピー保護テンプレート220−1及び220−2により、コピー保護文書が複製又はコピーされる際にどのように現れるかを示してもよい。
【0028】
一部の実施形態では、印刷文書及び複製文書共に、コピー保護プレビュー処理の間、ユーザに示されてもよい。一部の実施形態では、コピー保護テンプレート220は、文書処理ソフトウェアによるドキュメントレイヤとして見られてもよい。
【0029】
最新の文書処理ソフトウェアはウィジウィグ(What You See Is What You Get:WYSIWYG)原理によって作動することから、コピー保護ソフトウェアは、文書処理ソフトウェアについて、ソフトウェアレイヤと一体化してもよく、ソフトウェアレイヤと連動して作動してもよく、又はソフトウェアレイヤとして作動してもよい。これらの実施形態では、コピー保護は、WYSIWYGモードにおいて、文書の文書処理ソフトウェアの「印刷プレビュー」画像を用いてプレビューされてもよく、これによりユーザが身近なインタフェースを用いてコピー保護スキームをプレビューすることを可能としてもよい。一部の実施形態では、付加的なアイコン又はメニューボタンがコピー保護処理を円滑にするために提供されうる。
【0030】
一部の実施形態では、文書に対応する保存されたコピー保護テンプレート220は、プリンタ160にロードされて処理されることにより、印刷文書のコピー保護を達成してもよい。例えば、文書ページのコピー保護テンプレート220はラスタライズされ、プリンタ160のフレームバッファにおいて文書ページ210のラスタライズ画像と混合されてもよい。文書ページ210のコピー保護との混合画像は、その後、プリンタ160によってコピー保護文書として印刷されることができる。一部の実施形態では、コピー保護テンプレート220は、プリンタ160に接続された記憶デバイス又は不揮発性メモリに保存されてもよい。一部の実施形態では、コピー保護テンプレート220を用いて操作される文書の属性は、文書がコピー保護テンプレートに関連することを示すように修正されてもよい。
【0031】
図3は、文書をコピー保護する例示的な方法300を記載したフローチャートを図示している。一部の実施形態では、例示的な方法300は、文書の印刷時に、プリンタ160のためのプリンタドライバと関連づけられたユーザインタフェースによって呼び出されてもよい。例えば、「印刷プリファレンス」又は「印刷プレビュー」項目を、コピー保護及び/又はコピー保護プレビューを呼び出すのに用いることができる。つまり、例示的な方法300は、印刷プリファレンス設定を設定する処理の一部としての、プレ印刷処理として実行されうる。1つの実施形態では、例示的な方法300は、コンピュータ110、サーバ130及び/又はプリンタ160上のハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアのいくつかの組合せを用いて実現されるアルゴリズムによって実行されてもよい。
【0032】
ステップ310において、文書の印刷時に、ユーザは、文書コピー保護を文書に適用してよいか否か示すことができる。コピー保護が適用されない場合は、ステップ325において、文書はコピー保護なしで印刷されることができる。
【0033】
一部の実施形態では、文書保護が示された場合、ステップ320において、ユーザは適当なコピー保護テンプレートを選択することができる。例えば、種々のパターンがコピー保護としてユーザに使用されうる。これらは、文書の複製時に印刷された単語「COPY」(又は他の単語若しくは画像)の一以上のインスタンスをもたらす簡易スキーム等の簡易スキームや、より複雑なスキーム及びパターンを含みうる。一部の実施形態では、文書の複製が試みられたときに、パターン又はスキームがコピー機のコピー防止機能を始動させてもよい。
【0034】
ステップ330において、ユーザは、選択したコピー保護テンプレート220と共に文書をプレビューするオプションを与えられることができる。ステップ330において、ユーザが文書をプレビューしないことを選択した場合(「No」)、ステップ360において、文書は選択されたコピー保護スキームに関連づけられてもよい。一部の実施形態では、デフォルトコピー保護テンプレート220は、その属性がコピー保護を特定する文書と関連づけられてもよく、また、文書は印刷時には常にデフォルトコピー保護テンプレート220と共に印刷されてもよい。一部の実施形態では、デフォルトコピー保護スキームは、「クイックプロテクト」又は同様のオプションとして提供されることができる。一部の実施形態では、個別デフォルトコピー保護テンプレート220が特定され、その生成時又はその後いつでもコピー保護文書と関連づけられることができる。一部の実施形態では、ユーザがデフォルトコピー保護テンプレートと関連づけられた文書の印刷を選択したとき、テンプレート名及び/又は他の識別情報がプリンタドライバに提供され、及び/又はプリンタドライバによってプリンタ160に提供されてもよい。
【0035】
ステップ330において、ユーザが文書をプレビューすることを選択した場合(「Yes」)、ステップ335において、コピー保護文書画像230を表示する「プレビューウィンドウ」がユーザに表示される。一部の実施形態では、プレビューウィンドウは、コピー保護文書画像230を、印刷された形及び/又は複製された形で表示することができる。一部の実施形態では、ブレビューウィンドウは「印刷プリファレンス」ウィンドウに組み込まれてもよく、これによりコピー保護テンプレート220が選択されたときはいつも、小さなコピー保護文書画像230が表示されるようにしてもよい。一部の実施形態では、プレビューウィンドウは別々に表示されてもよく、ユーザによって拡大又はサイズ変更されてもよい。一部の実施形態では、ズーム又は縮小率が、プレビューウィンドウに対して指定されてもよい。また、他の種々のオプションが利用可能である。
【0036】
ステップ340において、ユーザは、現在選択されているコピー保護テンプレート220を承認するオプションを与えられてもよい。ユーザが新たなコピー保護テンプレートを使用することを選択した場合、アルゴリズムはステップ320に戻り、ユーザが選択したテンプレートに満足するまでステップ320から340が繰り返される。例えば、プレビューウィンドウは別のコピー保護テンプレート220を選択することを可能にし、新たに選択されたコピー保護テンプレート220を用いて、コピー保護された文書画像230を更新すると共に表示してもよい。ユーザが現在選択されているテンプレートを承認した場合は、ステップ360において、文書が選択されたコピー保護テンプレートと関連づけられてもよい。次に、ステップ370において、文書は、関連コピー保護テンプレート220を用いて印刷されうる。印刷が完了すると、ステップ380において、ユーザに文書が印刷された旨のメッセージが送信される。
【0037】
上述の方法は例示的なものにすぎず、他の種々の代替的なアルゴリズムが当業者において明らかである点に留意されたい。例えば、フローチャート300の工程は数工程に分けることが可能であり、又は一以上の工程が結合されてもよい。更に、フローチャート300の一部は、コンピュータ110、サーバ120、プリントコントローラ165及び/又はプリンタ160のうちの一以上を用いて、文書処理ソフトウェア及び/又はプリンタドライバによって様々に実行されてもよい。例えば、コピー保護工程が文書処理ソフトウェアに関連づけられたビューアを用いて実行される場合、保存されたコピー保護テンプレートをソース文書と関連づけるのにオプションが利用されてもよい。Revision Control System(「RCS」)が文書のバージョン又は変更を追跡する一部の実施形態では、文書バージョンに対するコピー保護テンプレートは、Revision Control Systemにおける文書の対応するバージョンに関連づけられることができる。
【0038】
図4A及び4Bは、コピー保護文書をプレビューするシステムにおけるユーザ設定オプションを示す、例示的なユーザインタフェースを図示している。ユーザインタフェースは例示的なものにすぎず、他のインタフェース又はオプションがコピー保護のための文書を構成するのに提供されうる。
【0039】
図4Aに示すように、「ウォーターマーク」サブウィンドウ470に関連する例示的なドロップダウンメニュー480において、ウォーターマーク又は地紋のプレビューを選択するオプションがユーザに与えられてもよい。具体的には、「なし」、「ウォーターマーク」及び「地紋」等のオプションを選ぶためのドロップダウンメニュー480がユーザに与えられてもよい。例えば、ドロップダウンメニュー480から「なし」が選択された場合、ウォーターマーク及び地紋についてユーザが選択することができる、いかなるオプションも機能しなくなる(グレー表示される)。同様に、図4Aに示すように、ドロップダウンメニュー480から「地紋」が選択された場合、地紋についてユーザが選択することができるオプションが利用可能とされ、ウォーターマークについてユーザが選択することができるオプションが機能しなくなる。
【0040】
図4Aに示すように、ユーザはコピー保護テンプレートに関する種々の設定を選択することができる。具体的には、ユーザはコピー保護のためのテキスト文字列、テキスト文字列のためのテキスト色、コピー保護のための背景パターンを、それぞれ例示的なドロップダウンメニュー410,420及び430から選択することができる。
1つの実施形態では、コピー保護に関するテキスト文字列を選択するための例示的なドロップダウンメニュー410は、「コピー(Copy)」、「機密(Confidential)」、「無効(Void)」又はメニュー410における他のオプションを含んでもよい。図4Aに示すように、オプション「コピー」が例示的に選択されている。例示的なドロップダウンメニュー420においては、種々の色がリスト化され、図4Aにおいて、ドロップダウンメニュー420はテキスト文字列の色として黒が選択されたことを示している。
【0041】
1つの例示的な実施形態では、背景パターンを設定するオプションは、「なし」、「桜」、及びドロップダウンメニュー430において利用可能な他のいかなるオプションを含んでもよい。例えば、図4Aに示すように、ドロップダウンメニュー430における選択のために、「桜」の背景パターンが表示される。一部の実施形態では、テンプレートのテキスト記述と共にアイコンが表示されることにより、ドロップダウンメニュー410,420及び430で指定されたオプションを用いて選択されたコピー保護テンプレートの外観の視覚的表示を、ユーザが取得できるようにしてもよい。
【0042】
プレビューウィンドウ440には、コピー保護された文書画像230が表示されうる。1つの実施形態では、ウォーターマークコピー保護画像及び地紋コピー保護画像の双方共に、プレビューウィンドウ440に表示することができ、プレビューウィンドウ440はウォーターマーク及び地紋オプション双方に共通のディスプレイウィンドウになりうる。ドロップダウンメニュー480において「地紋」が選択された場合、トグルスイッチ450及び460が有効となって、文書を印刷された形で表示するコピー保護文書印刷プレビュー、又はコピー保護文書を複製された形で表示するコピー保護文書コピープレビューをユーザが選択できるようになる。
【0043】
図4Bは、印刷プレビュー選択450に示されるように、「印刷プレビュー」モードにおけるユーザインタフェース400を示している。更に、図4Bに示すように、「ウォーターマーク」サブウィンドウ470に関連するドロップダウンメニュー480において「地紋」が選択され、また、ウォーターマークに関するオプションは無効とされる。印刷プレビューは、ユーザが文書を印刷された形でプレビューすることを可能にする。選択された地紋に応じて、プリントプレビューはわずかに見えるのみか、印刷プレビューウィンドウ440において見えなくてもよい。したがって、印刷プレビューウィンドウ440に表示された文書において、コピー保護が適用されたことを示す視覚的な痕跡を見つけることは難しいであろう。
【0044】
一部の実施形態では、「コピープレビュー」及び「印刷プレビュー」の双方において、プレビューウィンドウ440を拡大することにより、ユーザがプレビューウィンドウ440でより詳細なプレビューを得ることが可能であってもよい。図4に示すように、他の種々の設定オプションもまた、ユーザインタフェース400の使用によりユーザに利用可能であってもよい。
【0045】
更に、本発明の実施形態に適合する方法は、プログラムモジュール、ハードウェアモジュール、又はプログラム及びハードウェアモジュールの組合せを用いて適宜実行されうる。このようなモジュールは、実行時に、図示された例示的なフローチャートを参照して開示された工程又は特徴を含む、本明細書に開示の工程又は特徴を実行してもよい。上述した、及び添付の図面に示した動作、工程及び手順は、当業者が発明を実施できる程度に十分に開示されている。更に、本発明の実施に使用可能な多くのコンピュータ及びオペレーティングシステムが存在するため、これら多くの異なるシステムに適用可能である詳細なコンピュータは提供できない。特定のコンピュータの各使用者には、ユーザのニーズ及び目的に最も役に立つ言語、ハードウェア及びツールを認識することができるであろう。
【0046】
本発明の上記の特徴及び側面は、様々な環境において実施されることができる。このような環境及び関連するアプリケーションは、本発明の種々の処理及び動作を実行するために特別に構成され、また、それらは機能性を提供するプログラムコードによって選択的に駆動され又は再構築された汎用コンピュータ又はコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。ここに開示される処理は、特定のコンピュータ又は他の装置に本質的に関連するものではなく、これらの処理の各側面は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの適当な組合せによって実行されうる。
【0047】
また、本発明の実施形態は、本発明の実施形態の方法及び処理に基づき、様々なコンピュータ実施動作を実行するプログラム命令又はプログラムコードを含む、コンピュータにより読取可能な媒体に関する。プログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計され又は構成されたものであってもよく、また、コンピュータソフトウェアの分野の当業者に周知であって利用可能なものでもよい。プログラム命令の例には、例えば、コンパイラ等により生成されるマシンコード、及びインタプリタを用いたコンピュータにより実行可能なハイレベルコードを含むファイルが含まれる。
【0048】
本発明の他の実施形態は、明細書の検討及びここに開示される発明の実施形態の実施により、当業者において明らかになるであろう。明細書及び実施例は例示的なものにすぎないと解釈されることが意図されており、本発明の真の範囲及び趣旨は特許請求の範囲によって示されている。そのため、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程と、
ユーザインタフェースに関連する複数のオプションのうちの1つを用いて、前記コピー保護テンプレートに対応する画像を前記文書の少なくとも1ページ分の画像と混合することによって表示される前記文書を表示する工程と、
を有し、
前記オプションは、
前記文書の印刷バージョンの表示を可能とする印刷プレビューオプションと、
前記文書の複製バージョンの表示を可能とするコピープレビューオプションと、
を含むことを特徴とする文書プレビュー方法。
【請求項2】
前記文書が印刷媒体に印刷される前に、前記文書がプレビューされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コピー保護テンプレートはドキュメントレイヤとして記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程は、アイコンを用いて前記コピー保護テンプレートを選択する工程を更に含み、前記アイコンはテンプレートにおけるパターンの視覚的表示を提供することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、文書処理ソフトウェアを用いて呼び出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、プリンタに接続されたコンソールから呼び出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、プリンタドライバソフトウェアに関連するユーザインタフェースから呼び出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コピー保護テンプレートは、ビットマップ画像として保存されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コピー保護テンプレートは、文書処理ソフトウェアに関連するユーザインタフェースを用いて文書と関連づけられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコピー保護テンプレートを文書と関連づける工程は、文書属性を用いて前記文書に関連する前記コピー保護テンプレートを識別する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
命令を記憶するコンピュータにより読取可能な媒体であって、プロセッサにより実行される際に、
複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程と、
ユーザインタフェースに関連する複数のオプションのうちの1つを用いて、前記コピー保護テンプレートに対応する画像を前記文書の少なくとも1ページ分の画像と混合することによって表示される前記文書を表示する工程と、
を有し、
前記オプションは、
前記文書の印刷バージョンの表示を可能とする印刷プレビューオプションと、
前記文書の複製バージョンの表示を可能とするコピープレビューオプションと、
を含む文書プレビュー方法の工程を実行することを特徴とするコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項12】
前記文書が印刷媒体に印刷される前に、前記文書がプレビューされることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項13】
前記コピー保護テンプレートはドキュメントレイヤとして記憶されることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項14】
前記複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程は、アイコンを用いて前記コピー保護テンプレートを選択する工程を更に含み、前記アイコンはテンプレートにおけるパターンの視覚的表示を提供することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項15】
前記方法は、文書処理ソフトウェアを用いて呼び出されることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項16】
前記方法は、プリンタに接続されたコンソールから呼び出されることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項17】
前記方法は、プリンタドライバソフトウェアに関連するユーザインタフェースから呼び出されることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項18】
命令を記憶するコンピュータにより読取可能なメモリであって、プロセッサにより実行される際に、
複数のコピー保護テンプレートのうちの1つを文書と関連づける工程と、
ユーザインタフェースに関連する複数のオプションのうちの1つを用いて、前記コピー保護テンプレートに対応する画像を前記文書の少なくとも1ページ分の画像と混合することによって表示される前記文書を表示する工程と、
を有し、
前記オプションは、
前記文書の印刷バージョンの表示を可能とする印刷プレビューオプションと、
前記文書の複製バージョンの表示を可能とするコピープレビューオプションと、
を含む文書プレビュー方法の工程を実行することを特徴とするコンピュータにより読取可能なメモリ。
【請求項19】
前記文書が印刷媒体に印刷される前に、前記文書がプレビューされることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータにより読取可能なメモリ。
【請求項20】
前記コピー保護テンプレートはドキュメントレイヤとして記憶されることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータにより読取可能なメモリ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2010−81598(P2010−81598A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−205614(P2009−205614)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.ETHERNET
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】