説明

コピー管理システム、コピー管理方法、コピー管理プログラム、および複写機

【課題】コピー権限とコピー物のライフサイクル情報とを簡便確実に管理可能とする。
【解決手段】コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物75の原本データを含むコピー内容の情報とをコピー情報として入力インターフェイスより取得し当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベース125に格納するコピー情報取得部110と、コピーIDを電子透かしとして原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共にコピーID格納済の無線ICチップ80が付されたコピー媒体85に対する電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物90を生成する指示を電子透かし入り原本データと共に複写機160に送信する複写指示部111とからシステム構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー管理システム、コピー管理方法、コピー管理プログラム、および複写機に関し、特に、顧客の身分を証明することが必要となる業務、例えばレンタルショップにおける本人確認業務において、顧客の身分証明情報を紙媒体にコピーした場合、そのコピーを安全に管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、文庫本、CD(Compact Disk)といった媒体を顧客から買取ったり、顧客にレンタルする際、顧客の身分を証明する証明書、例えば自動車運転免許証など(本人の写真、住所、氏名、年齢といった情報が含まれる)の提示を、顧客に求める場合がある。従業員はこの顧客の証明書(原本)の控え(コピー物)を複写機によるコピー処理にて入手する。そして、その控えは鍵のついた保管庫にて厳重に管理されることになっている。
【0003】
この場合、誰がいつどのコピーをどこに保管しているかといった情報が記録されずに保管がなされるか、或いは保管台帳等への手書き記帳による簡単な保管記録が実行され、保管がなされている。しかし、個人情報の適切な管理という点で、このような管理の仕方は不十分であり、例えば保管期限が過ぎた控えの破棄処分についてはその実行有無が不明確な状況が多い。
【0004】
そこで、コピーの発生から破棄までのライフサイクルの情報を管理する技術が提案されている。例えば、文書を保持する文書管理データベースおよび前記文書の利用許諾条件を保持する利用許諾条件データベースを含んで構成される文書管理サーバと、前記文書管理サーバと通信回線で接続されて前記文書を処理する文書処理端末とからなる文書管理システムにおける前記文書管理サーバであって、前記文書管理サーバは、前記文書処理端末から受信した利用許諾メッセージに含まれる文書IDおよびユーザIDを利用許諾条件データベースと照合する利用許諾条件データベース管理部と、前記文書の利用許諾の照合結果を前記文書処理端末に通知する通信部とからなることを特徴とする文書管理サーバ(特許文献1参照)などが提案されている。
【0005】
また、画像データ(画像および該画像に係る画像情報。以下同じ)を印刷出力する画像印刷手段と、画像データを記憶する画像記憶手段と、画像形成の動作設定を入力する操作手段と、前記動作設定を表示する表示手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像データを蓄積する蓄積手段と、該蓄積手段に蓄積された画像情報を前記操作手段により変更する画像情報変更手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像を印刷出力する蓄積画像印刷手段とを有する、複数の画像処理装置を相互にネットワーク接続してなる画像処理装置ネットワークシステムにおいて、前記蓄積手段に蓄積された画像を前記蓄積画像印刷手段で印刷出力する際に、前記蓄積画像の画像情報をチェックし、前記蓄積画像に機密情報が設定されている場合には、該蓄積画像を、当該ネットワーク内の特定の画像処理装置により印刷出力することを特徴とする画像処理装置ネットワークシステム(特許文献2参照)なども提案されている。
【特許文献1】特開2004−171101号公報
【特許文献2】特開2004−112517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来技術においては、コピー実行者の属性がコピー対象物の情報と共に管理されることもなく、コピー実行者毎のコピー権限に基づくコピー実行可否の判定等を行うことが難しかった。更に、コピー物の保管場所および持ち出し先といった位置情報の履歴を前記コピー実行者と関係づけて管理することがなく、コピー実行履歴とコピー物の保管に関する厳密な管理を実行するのは困難となっていた。加えて、コピー物毎に設定された所定の期限に応じた確実な破棄処理を確立するといったことも難しかった。
【0007】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、コピー権限とコピー物のライフサイクル情報とを簡便確実に管理可能とする、コピー管理システム、コピー管理方法、コピー管理プログラム、および複写機を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明のコピー管理システムは、複写機におけるコピー対象物のコピーを管理するシステムであって、コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納する、コピー情報取得部と、前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信する、複写指示部と、を備えることを特徴とする(第1の発明)。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記コピー情報取得部が、コピー物に対する無線ICチップ読取り処理で得られる、無線ICチップ格納の前記コピーIDと、コピー物に対する電子透かし読取り処理で得られる電子透かしとを含むコピー情報を、入力インターフェイスより取得し、前記複写指示部が、前記取得した無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとを照合し、当該無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとが一致する場合に、新たに生成した新規コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記新規コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信することを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記複写指示部が、前記原本データに埋め込む電子透かしの情報を電子透かし入り原本データの生成指示と共に、複写機に送信することを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記複写機が無線ICチップへの書込処理機能を備えるものである場合、前記複写指示部が、前記コピーIDを無線ICチップへのコピーID書込指示と共に、複写機に送信することを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明において、コピー物付帯の無線ICチップに対する読取り可否に基づく格納有無判定を行って、当該格納有無の結果に応じた前記コピー物の持ち出し状況を検知する、前記コピー物の保管装置より、コピー物毎の持ち出し状況の情報を取得して、これを閲覧履歴データベースに格納する、持ち出し状況認識部と、前記コピー物の保管領域からの持ち出しに伴って、当該コピー物の持ち出しを行う者のIDを閲覧者IDとして、入力インターフェイスより取得し、これを前記持ち出し状況の情報と紐付けて前記閲覧履歴データベースに格納する、閲覧者認識部と、前記閲覧者ID毎に前記持ち出し状況の情報に応じたコピー可否または閲覧可否の情報を格納したID管理データベースに対し、入力インターフェイスより取得した前記コピー実行者の属性情報を照合し、当該コピー実行者によるコピー対象物のコピーまたは閲覧の可否を決定する、ID確認部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明において、前記コピー情報取得部が、コピー物の破棄期限日の情報を含むコピー情報を入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報を前記コピー管理データベースに格納する場合、前記コピー管理データベースにおけるコピー物の破棄期限日の情報に基づき、前記コピー物の破棄期限日の到来を検知し、当該破棄期限日の到来情報を出力インターフェイスに出力する、破棄管理部を備えることを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、複写機におけるコピー対象物のコピー管理をコンピュータにて行う方法であって、コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納し、前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信する、ことを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、複写機におけるコピー対象物のコピー管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納するステップと、前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
第9の発明は、コピー対象物のコピー管理システムを構成する複写機であって、コピー実行者の属性情報を入力インターフェイスより受け付けると共に、前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報を取得して、前記コピー実行者の属性情報とコピー内容の情報とを含むコピー情報を生成し、これをコピー管理システムに送信する、コピー情報読み取り部と、前記コピー管理システムにおいて前記コピー情報毎に設定したユニークなコピーIDを、電子透かしとして前記原本データに埋め込んで生成された、電子透かし入り原本データを、前記コピー管理システムより受信し、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する、複写実行部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
第10の発明は、第9の発明において、前記コピーID格納済の無線ICチップを、接着媒体を介して前記コピー媒体に当接し貼付する、無線ICチップ貼付機能を備えることを特徴とする。
【0018】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コピー権限とコピー物のライフサイクル情報との簡便確実な管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態におけるコピー管理システムを含むネットワーク構成図である。本実施形態においては、一例として、レンタルビデオショップにおいて会員入会時に必要となる運転免許証などの身分証を原本75とし、この原本75のコピー処理やコピー物90の持ち出し、閲覧、破棄等を管理する状況を想定する。勿論、本発明の適用範囲はこの状況のみに限定されることはなく、原本75のコピー処理やコピー物90の管理を行ういずれの状況にも適用可能である。
【0021】
本発明のコピー管理システム100(以下、システム100)は、本発明のコピー管理方法を実行する機能を実現すべく書き換え可能メモリなどのプログラムデータベース101に格納されたプログラム102をメモリ103に読み出し、演算装置たるCPU104により実行する。
【0022】
また、前記システム100は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボード200やボタン類、ディスプレイ201などの入出力インターフェイス105、ならびにコピー実行者のIDカード70の読取りを行うICリーダ150、RFID複写機(本発明の複写機)160、システム100に対してアクセスして情報閲覧等を行う情報端末170、コピー物90の保管装置95などとの間のデータ授受を担う通信手段106などを有している。
【0023】
システム100は、前記通信手段106により、前記ICリーダ150、RFID複写機(本発明の複写機)160、情報端末170、保管装置95らと例えばインターネットやLAN、シリアル・インターフェース通信線などのネットワーク140を介して接続し、データ授受を実行する。システム100の各種機能部と通信手段106との間ではI/O部107がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
【0024】
なお、前記RFID複写機(本発明の複写機)160、情報端末170らも、コンピュータとして、書き換え可能メモリなどのプログラムデータベース11に格納されたプログラム12をメモリ13に読み出し、演算装置たるCPU14により実行する。また、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入出力インターフェイス15、ならびにシステム100らとの間のデータ授受を担う通信手段16などを有している。更に、各種機能部と通信手段16との間ではI/O部17がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
【0025】
また、前記ICリーダ150も、コンピュータとして、書き換え可能メモリなどのプログラムデータベース11に格納されたプログラム12をメモリ13に読み出し、演算装置たるCPU14により実行する。また、コンピュータ装置が一般に備えている、システム100らとの間のデータ授受を担う通信手段16などを有している。更に、各種機能部と通信手段16との間ではI/O部17がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
【0026】
また、保管装置95も、コンピュータとして、書き換え可能メモリなどのプログラムデータベース11に格納されたプログラム12をメモリ13に読み出し、演算装置たるCPU14により実行する。また、コンピュータ装置が一般に備えている、システム100らとの間のデータ授受を担う通信手段16などを有している。更に、各種機能部と通信手段16との間ではI/O部17がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
【0027】
この保管装置95は、コピー物90の保管庫無内に設置され、適宜な区画においてコピー物90を保管する装置である。この保管装置95は、ICリーダ96を備えて、当該保管装置95からコピー物90を持ち出す者のIDカード70の読取りを実施する。また、保管装置95は、RFIDアンテナ97を保管区画98毎に備えて、コピー物付帯の無線ICチップたるRFID80に対する読取り可否(例:RFIDアンテナ97とRFID80との距離が読取り限界内か否かで判定可能)に基づく格納有無判定を行う。なお、このRFIDアンテナ97と各保管区画98とは予め空間内での位置関係が特定できるよう配置されているものとする。
【0028】
また、RFID複写機160は、出力形式や部数を指定する装置が備え付けられており、またコピー対象物たる原本75に記載されている情報を原本データとして読み込む手段(例:光学的読取り装置など)と、指定された情報とシステム100の命令のもとコピー媒体85に情報を書き込む手段を備え付けている。さらに、RFID80を複数保持することができ、RFID80にデジタル情報を書き込む手段、RFID80に書き込まれているデジタル情報を読み込む手段を備え付けている。
【0029】
こうしたRFID複写機160は、そのプログラム12として、コピー実行者の属性情報を入力インターフェイスより受け付けると共に、前記コピー対象物75の原本データを含むコピー内容の情報を取得して、前記コピー実行者の属性情報とコピー内容の情報とを含むコピー情報を生成し、これをシステム100に送信する、コピー情報読み取り部161を備えている。また同様にプログラム12として、前記システム100において前記コピー情報毎に設定したユニークなコピーIDを、電子透かしとして前記原本データに埋め込んで生成された、電子透かし入り原本データを、前記システム100より受信し、前記コピーID格納済のRFID80が付されたコピー媒体85に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する、複写実行部162を備える。
【0030】
また、前記RFID複写機160は、前記コピーID格納済のRFID80を、接着媒体を介して前記コピー媒体85に当接し貼付する、無線ICチップ貼付機能を備えることとすれば好適である。
【0031】
一方、従来の複写機180は、上記ネットワーク140に接続していない複写機で、コピー対象物たる原本75の情報を読み取って、読み取った情報をもとにコピー出力を実行する従来通りのコピー装置である。
【0032】
続いて、前記システム100が例えばプログラム102に基づき構成・保持する機能部につき説明を行う。システム100は、コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物(原本)75の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイス(例:コピー実行者のIDカード70を読み取るICリーダ150ならびに、原本データの読取りを行うRFID複写機160)より取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベース125に格納する、コピー情報取得部110を備える。
【0033】
また、システム100は、前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済のRFID80が付されたコピー媒体85に対する、前記電子透かし入り原本データの出力指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記RFID複写機160に送信する、複写指示部111を備える。
【0034】
なお、前記コピー情報取得部110が、コピー対象物75に対する(ICリーダ150による)無線ICチップ読取り処理で得られる、無線ICチップ格納の前記コピーIDと、コピー対象物75に対する電子透かし読取り処理(本実施形態では、RFID複写機160が当該読取り機能を備えるものとする)で得られる電子透かしとを含むコピー情報を、入力インターフェイス(本実施形態では、ICリーダ150およびRFID複写機160)より取得するものとできる。
【0035】
この場合、前記複写指示部111は、前記取得した無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとを照合し、当該無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとが一致する場合に、新たに生成した新規コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記新規コピーID格納済のRFID80が付されたコピー媒体85に対する、前記電子透かし入り原本データの出力指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記RFID複写機160に送信することとできる。
【0036】
また、前記複写指示部111は、前記原本データに埋め込む電子透かしの情報を電子透かし入り原本データの生成指示と共に、RFID複写機160に送信することとしてもよい。
【0037】
また、前記RFID複写機160がRFID80への書込処理機能を備えるものである場合、前記複写指示部111が、前記コピーIDをRFID80へのコピーID書込指示と共に、RFID複写機160に送信することとできる。
【0038】
また、システム100は、コピー物付帯のRFID80に対する読取り可否に基づく格納有無判定を行って、当該格納有無の結果に応じた前記コピー物90の持ち出し状況を検知する、前記コピー物90の保管装置95より、コピー物毎の持ち出し状況の情報を取得して、これを閲覧履歴データベース127に格納する、持ち出し状況認識部112を備えることとできる。
【0039】
また、システム100は、前記コピー物90の保管装置95からの持ち出しに伴って、当該コピー物90の持ち出しを行う者のIDを閲覧者IDとして、入力インターフェイス(例:ICリーダ96)より取得し、これを前記持ち出し状況の情報と紐付けて前記閲覧履歴データベース127に格納する、閲覧者認識部113を備えることとできる。
【0040】
また、システム100は、前記閲覧者ID毎に前記持ち出し状況の情報に応じたコピー可否または閲覧可否の情報を格納したID管理データベース126に対し、入力インターフェイス(例:前記ICリーダ150)より取得した前記コピー実行者の属性情報を照合し、当該コピー実行者によるコピー対象物のコピーまたは閲覧の可否を決定する、ID確認部114を備えることとできる。
【0041】
また、システム100は、前記コピー情報取得部110が、コピー物90の破棄期限日の情報を含むコピー情報を入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報を前記コピー管理データベース125に格納する場合、前記コピー管理データベース125におけるコピー物90の破棄期限日の情報に基づき、前記コピー物90の破棄期限日の到来を検知し、当該破棄期限日の到来情報を出力インターフェイスに出力する、破棄管理部115を備えることとできる。
【0042】
なお、これまで示した システム100における各機能部110〜115は、ハードウェアとして実現してもよいし、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、前記CPU104がプログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラムをメモリ103に読み出して、これを実行することとなる。
【0043】
また、前記ネットワーク140に関しては、インターネット、LANの他、ATM回線や専用回線、WAN(Wide Area Network)、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網、シリアル・インターフェース通信線など様々なネットワークを採用することも出来る。また、VPN(Virtual Private Network)など仮想専用ネットワーク技術を用いれば、インターネットを採用した際にセキュリティ性を高めた通信が確立され好適である。なお、前記シリアル・インターフェイスは、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送で、外部機器と接続するためのインターフェースを指し、通信方式としてはRS-232C、RS-422、IrDA、USB、IEEE1394、ファイバ・チャネルなどが想定できる。
【0044】
−−−データベース構造−−−
次に、本実施形態における前記システム100が利用するデータベースの構造について説明する。図2は、本実施形態における、(a)コピー管理データベース、(b)ID管理データベース、(c)閲覧履歴データベース、(d)閲覧者履歴データベースの各データ構造例を示す図である。
【0045】
前記コピー管理データベース125は、コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物75の原本データを含むコピー内容の情報とを、ユニークなコピーIDと紐付けたコピー情報として格納するデータベースである。また、このコピー管理データベース125は、前記コピー物90に対するRFID80の読取り処理で得られる、RFID80が格納の前記コピーIDと、コピー物90に対する電子透かし読取り処理で得られる電子透かしとを含むコピー情報を、ユニークなコピーIDと紐付けて格納するデータベースでもある。更に、前記コピー管理データベース125は、コピー物90の破棄期限日の情報(を含むコピー情報)を格納するデータベースでもある。
【0046】
このコピー管理データベース125は、例えばコピー者ID(コピー実行者のID)をキーとして、コピーナンバー(コピーID)、免許証等の原本75を提示する会員の会員番号、コピー枚数、原本データ、コピーの完了状況、コピー物90の取得日時、前記保管装置95におけるコピー物90の保管場所(保管区画98)または持ち出し状況を示す場所情報、コピー物90の持ち出し時間、コピー処理のエラー情報、およびコピー物90の破棄期限といった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0047】
前記ID管理データベース126は、コピー者ID(閲覧者ID)毎に、コピー物90の持ち出し状況の情報に応じたコピー可否または閲覧可否の情報を格納するデータベースである。このID管理データベース126は、例えばコピー者IDをキーとして、コピー可否情報、およびコピー物90の閲覧可否情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0048】
前記閲覧履歴データベース127は、コピー物付帯のRFID80に対する読取り可否に基づく格納有無判定を行って、当該格納有無の結果に応じた前記コピー物90の持ち出し状況を検知する、前記保管装置95よりシステム100が得たコピー物90毎の持ち出し状況の情報を格納するデータベースである。また、前記閲覧履歴データベース127は、前記コピー物90の保管領域(保管区画98)からの持ち出しに伴って取得した、当該コピー物90の持ち出しを行う者の者ID(閲覧者ID)を前記持ち出し状況の情報と紐付けて格納するデータベースでもある。
【0049】
この閲覧履歴データベース127は、例えば閲覧者IDをキーとして、コピーナンバー、コピー物90の持ち出し日時、保管区画98に対応する持ち出し位置、保管区画98への返却日時、保管区画98における返却位置、持ち出し時間、所定の持ち出し許可時間、およびコピー回数といった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0050】
前記閲覧者履歴データベース128は、前記閲覧履歴データベース127の情報に基づき、閲覧者毎のコピー物90の閲覧、持ち出し、返却、コピーの各履歴、ならびにこれら履歴内容に応じたコピーや閲覧の可否情報を集約して格納するデータベースである。この閲覧者履歴データベース128は、例えば閲覧者IDをキーとして、コピーナンバー、総持ち出し時間、保管区画98から持ち出し後に違う保管区画98へ返却した回数を示す返却場所の不一致回数、総コピー回数、コピー可否およびコピー物90の閲覧可否といった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0051】
−−−全体の処理概要−−−
以下、本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順について、図に基づき説明する。なお、以下で説明するコピー管理方法に対応する各種動作は、前記システム100がメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0052】
図3は、本実施形態におけるコピー管理方法の概略を示す図である。まずは本実施形態における処理の全体像をF1(情報の発生)からF4(情報の破棄)に至る4つのフェーズに分けて概略説明しておく。
【0053】
まずフェーズF1の「情報の発生」について説明する。このフェーズでは、例えば顧客にビデオやCDを貸し出すレンタル業において、新規顧客に対して本人を確認する証明書を預かり、その証明書をもとに会員証を発行するといった状況に対応する。この時、レンタルビデオショップ側では、顧客がレンタルを延期した場合など違反が生じた状況などに備え、本人連絡先が認識できる本人証明書のコピーを保管することとなる。そこで、本実施形態においては、前記本人証明書たる原本75のコピーをとるに際し、原本75を特定できる情報(一意のコピーID)を含んだRFID80を、コピーする紙、つまりコピー媒体85に貼り付けて、保管装置95に保管している。なお本実施形態では、原本75のコピーをするに際し、前記RFID複写機160がシステム100に前記コピー情報を送信することで、システム100側ではコピー処理に伴う「情報の発生」を確認している。
【0054】
次に、フェーズF2の「情報の利用」について説明する。このフェーズでは、例えば、前記レンタルビデオショップの店員が、前記保管装置95に保管されているコピー物90を持出して閲覧した履歴をシステム100が取得・管理している状況に対応する。
【0055】
コピー物90として保管されている原本75の記載事項は、一般的には個人情報であることが多く、前記店員であっても前記コピー物90の容易な持ち出し・閲覧が可能である状況は好ましくない。そこで、システム100としては、前記コピー物90の利用状況を監視する必要がある。このため、本実施形態においては、コピー物90にRFID80を貼付け、常時、保管装置95のRFIDアンテナ97からRFID80のID情報を読み取って、持ち出し等に伴う利用履歴を残すようにしている。
【0056】
次にフェーズF3の「情報の複製」について説明する。このフェーズでは、例えば、前記原本75をコピーして生成したコピー物90を更にコピーする状況に対応する。こういう状況は、例えば、前記コピー物90について、1部は必ず保管装置95に保管し、持ち出しをするときは前記コピー物90のコピーをとって持ち出すという業務、または逆にコピーをすることを許可しない業務において想定できる。
【0057】
そこで本実施形態においては、前記コピー物90(RFID80が付されたコピー媒体85に、前記電子透かし入り原本データを出力したもの)が不正に複製されないよう、コピー物90のコピー時に、コピー物90から読み取れる電子透かし(コピーIDに対応)と、紙に貼り付けられたRFID80の格納情報(コピーID)の一致判定を行うことで、コピー可否の判定を実行する。或いは更に、コピー実行者のIDに紐付けされているコピー可否等の権限情報をシステム100がID管理データベース127で確認することで、コピー実行者の選別を行うこともできる。ここで得られる、コピー物90のコピーをコピー物91、当該コピー物91に添付のRFIDをRFID81とする。
【0058】
最後にフェーズF4の「情報の破棄」について説明する。このフェーズでは、個人情報を含んだコピー物90の適切な破棄を可能にする状況に対応する。例えば、前記レンタルビデオショップの業務上、会員カードの有効期限を1年と設定している場合、この1年が経つと、古い会員カードは即座に適切に破棄しなければならない。本実施形態においては、システム100が、例えば前記コピー管理データベース125における、破棄期限の情報に基づき、破棄期限が到来した該当コピーナンバーのコピー物90を特定し、その破棄期限到来の旨を出力インターフェイスに出力することとする。
【0059】
上述したように、本実施形態ではこのF1〜F4のフェーズにより、個人情報を含んだコピー物90のライフサイクルを管理するための手法を提供している。
【0060】
−−−処理フロー例1−−−
続いて、本実施形態におけるコピー管理方法の手順につき、前記レンタルビデオショップ等での実際業務に即した詳細フローを説明する。図4は、本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例1を示すフロー図である。ここでは、前記レンタルビデオショップの店員たるコピー者が、新規会員となる顧客から預かった本人確認証、例えば名前、生年月日、写真、住所が記載されている運転免許証を原本75とし、、RFID複写機160でコピーを行う際の処理を示している。なお、このフローでは前記コピー者の動作も含まれる記述となる場合があるが、システム100たる複写機サーバ100またはICリーダ150が入力インターフェイスを介してこれら動作を受付けて、電子処理することとなる。
【0061】
まずシステム100は、前記コピー者によるICリーダ150に対してのIDカード70の読込処理を通じた、コピー者ID200の取得を行うこととなる(s0、s100)。コピー者ID200の取得処理は、例えば社員証カード(IDカード70)に電子的に保持されているコピー者ID200に対する、前記ICリーダ150による読み込み動作により、コピー者ID200がICリーダ150よりシステム100に転送されることで実行される。なお、他の処理形態としては、例えば認証端末を介してコピー者のコピー者ID200と適宜な認証情報(パスワード等)の入力をシステム100が受付けるといった手法も想定できる。従って、コピー者を限定することができる手法であればいずれも適用可能である。
【0062】
また、前記取得したコピー者ID200については、システム100たる複写機サーバ100において確認処理がなされる(s101)。これは、当該コピー者のIDが、RFID複写機160を利用して原本75のコピーを行う権限があるか否かを確認する処理である。そのため、システム100は、コピー者毎のコピー権限が事前に登録されたID管理データベース126において、前記取得したコピー者ID200を照合し、該当レコードのコピー可否フラグが「可」であればコピー可であると判定し(s102:YES)、RFID複写機160に「コピー可」の情報を送信する(s103)。他方、前記該当レコードのコピー可否フラグが「否」であればコピー不可であると判定し(s102:NO)、その旨を出力インターフェイスに出力し(s104)、処理を終了する。
【0063】
一方、前記コピー可あるいはコピー不可の通知202を受信したRFID複写機160は、これを例えば、前記コピー者がコピー可否を識別しうる所定の電子音の鳴動等で出力することで、コピー者にコピー可否情報202の情報を知らせることとなる(s104、s105)。この後、RFID複写機160は、コピー対象物つまり原本75の読取り指示待ちに入る(s106)。
【0064】
RFID複写機160は、前記コピー可否情報202の内容が「コピー可」であれば、例えばRFID複写機160に備え付けられているコピー実行ボタンの押下をもって読取り開始情報203とし、(s107)、原本75の読取りを開始する(s108)。なお、前記コピー可否情報202が「コピー不可」である場合は、例えばコピー者による上記コピー実行ボタンの押下があったとしても、RFID複写機160は原本75の読取りを開始しない。
【0065】
前記原本データの読取り開始にあたっては、前記コピー者が前記RFID複写機160の読み取り装置に対して原本75を配置することとなる。そして、RFID複写機160は、例えばコピー物90の出力形式や枚数を、液晶タッチパネル等の適宜な入力インターフェイスから受付けて、前記読取り開始情報203に含めるものとする。
【0066】
こうした読取り開始情報203を取得した前記RFID複写機160は、原本75に記載されている記載事項、つまり原本データ204のスキャニングによる読込処理を行う。スキャニングされた原本データ204は、ステップs107で指定された出力形式や部数といったコピー内容の情報と共に、RFID複写機160よりコピー情報700としてシステム100に送信される(s109)。
【0067】
このコピー情報700の一例を図7(a)に示す。コピー情報700は、例えば、コピー者IDをキーとして、コピーナンバー、会員番号、コピー枚数、原本データ、コピーの完了状況、コピー物90の取得日時、保管装置95における保管場所、保管装置95からの持ち出し時間、コピーのエラー状況といった情報が関連づけされたレコードとなっている。なお、当該レコードを構成する各情報のうち、コピー者ID、枚数、原本データの情報が、前記ステップs109の時点にて含まれると好適な情報となる。
【0068】
次にシステム100は、前記コピー情報700をRFID複写機160より受信し(s110)、これをコピー管理データベース125へ登録処理する(s111)。この時、システム100は、コピー情報700に対して一意の番号をコピーNO206として割り振る。また同時に、少なくともコピーを実施した時刻をシステム100で管理している日時を前記「取得日時」としてコピー管理データベース125に登録する。
【0069】
この取得日時219は、例えば1年後に破棄すべきコピー物90であれば、取得日時219から1年後の日時をシステム100で算出し、これを管理者等の情報端末170へメール送信するといった手順で利用される。これにより、前記管理者等は、破棄すべきコピー物90の有無を簡便確実に認識することができる。
【0070】
なお、顧客への会員カード発行の管理を行う顧客管理システムと前記コピー管理データベース125とが連携することを想定すれば、例えば顧客の会員番号を会員カードから電子的に読込み、当該会員番号をコピー管理データ125に保持することが可能である。
【0071】
次に、システム100は、前記RFID複写機160より取得したコピー情報205が含む、原本データ204に対し、電子透かし処理を行う(s112)。この処理においては、コピー情報700を一意に識別する番号たるコピーナンバー206を、原本データ204に埋め込んで電子透かし入り原本データを生成することとなる。
【0072】
続いてシステム100は、前記電子透かし入り原本データをRFID複写機160に送信する(s113)。或いは、RFID複写機160が原本データ204を保持しているとし、前記電子透かし207とコピーナンバー206のみを、RFID複写機160に送信することとしてもよい。
【0073】
一方、RFID複写機160は、システム100より受信したコピーナンバー206を、RFID80に書き込む処理を行う(s114)。これは、RFID複写機160が受信したコピーナンバー206を、コピー媒体85への貼付用として予め保有しているRFID80に書き込むことで実行される。なお、本実施形態では、コピーナンバー206をRFID80に書き込むこととしているが、原本データ204や電子透かし207を書き込むようにしても良い。
【0074】
次に、RFID複写機160は、電子透かし207(電子透かし入り原本データ)のコピー媒体85への書込み処理を行う(s115)。これは、システム100より受信した電子透かし207をコピー媒体85の紙面上に実際に印字する処理である。なお、本実施形態においては、このコピー媒体85として、通常の複写機180によるコピー処理によれば印字結果に「複写禁止」といった文言が浮かび上がったり、紙面全体がほぼ真っ黒になるといった不正コピー防止策のとられたものを想定しているが、これ以外の方法で通常の複写機180にて正常コピーができないようにする技術が実現されているものであれば、特に限定しない。
【0075】
次に、RFID複写機160は、前記コピーナンバー206を格納したRFID80のコピー媒体85への取り付け処理を行う(s116)。これは、RFID複写機160において、前記RFID80が、接着媒体を介して前記コピー媒体85に当接し貼付されることで実行される。そして、電子透かし入り原本データが印字され、更にはコピーナンバー206が格納されたRFID80が貼付されたコピー媒体85は、コピー物90となって、RFID複写機160から出力されることとなる(s117)。
【0076】
また、RFID複写機160は、前記コピー物90の排出に伴って、システム100に対してコピー完了情報208を送信する(s118)。システム100では、このコピー完了情報208を受信し(s119)、当該受信したコピー完了情報108をコピー管理データベース125に書き込んで(s120)、処理を終了する。なお、上記いずれかのステップ中に不正が生じた場合は、コピー管理データベース125にエラー情報を書き込むこととする。
【0077】
なお、本実施形態では、RFID複写機160における、RFID80のコピー媒体85への貼付け位置については、コピー媒体85の中央や上下左右の端のどこにでも対応できることを想定している。また、読み取った情報(原本データ)のレイアウトに応じて、RFID80の貼付け位置を変更できるとしても良い。
【0078】
また、前記出力されたコピー物90は、前記保管装置95に置かれるものとする。この際、システム100が、コピー管理データベース125におけるコピー者ID200や取得日時119の情報に基づき、配置する保管区画98について指示しても良い。こうしたコピー物90の保管装置95への配送については、RFID複写機160より保管装置95に至る自動配送装置を導入し対応するとしても良い。
【0079】
−−−処理フロー例2−−−
続いて、保管装置95に保管されているコピー物90を前記レンタルビデオショップの店員等が持ち出しする際の利用状況の把握・管理や、当該利用状況に基づきID管理データベース126を更新する処理につき説明する。図5は、本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例2を示すフロー図である。
【0080】
状況として、前記レンタルビデオショップの店員等が前記保管装置95に保管されているコピー物90を持ち出して、閲覧やコピーに供する場合を考える。ここでまず、前記保管装置95が備えるICリーダ96による、コピー物90の閲覧者が備える前記社員証カード70に対する読取り動作が行われる(s200)。この処理に際しては、前記閲覧者が本人の閲覧者IDを含んだ前記社員証カード70を前記ICリーダ96で読み込ませることで、このICリーダ96が閲覧者IDを取得し、これをシステム100に送信する処理がなされる(s201)。
【0081】
なお、本実施形態では、前記ICリーダ96で入退室を管理されたセキュリティルームといった閉じた空間で、コピー物90の保管や利用がなされることを想定している。そのため、入退場のゲートで閲覧者IDを読込むようにしている。ただし、本発明は、このような形態に限定することなく、例えば、コピー物90が保管されている保管区画98に閲覧者IDの読込み装置を取り付けるようにしても良いし、また前記社員証カード70(ICカード)の格納情報に基づく閲覧者IDの特定に限ることなく、指紋や光彩、静脈に関する認証といったバイオメトリクス認証の手法を閲覧者の特定方法として採用することも出来る。したがて、閲覧者本人を特定する情報を取得できればいずれの手法を採用しても良い。
【0082】
次に、システム100は、前記ICリーダ96より前記閲覧者IDを受信し(s202)、閲覧者IDに基づく、コピー物90の閲覧許可判定処理を行う(s203)。ここでは、システム100が受信した閲覧者ID209をID管理データベース126に照合することとなる。そして、ID管理データベース126の閲覧者ID209とICリーダ96から受信した閲覧者IDとが一致し、ID管理データベース126における当該の閲覧者ID209の閲覧可否フラグが「可」であれば、前記閲覧者によりコピー物90の閲覧を可能として以下の処理に進む。他方、前記閲覧可否フラグが「否」の場合は、前記閲覧者がコピー物90を閲覧できないよう、前記保管装置95へ至るドア(電子的に施錠制御できるもの)または保管区画98のロック(電子的に施錠制御できるもの)を施錠状態に維持する。
【0083】
また、保管装置95における、コピー物90の位置情報取得の処理を行う(s204)。前記保管装置95は、コピー物90が収められる保管区画98の位置と関連付けて配置された複数枚のRFIDアンテナ97を備えている。前記保管装置95は、このRFIDアンテナ97を通じて、コピー物90のRFID80に格納されているコピーナンバー206と、位置情報210として読み取った前記RFIDアンテナ97の識別情報を逐次取得する。そして、コピーナンバー206と位置情報210は、システム100へ送信される(s205)。 なお、本実施形態におけるRFID80に対する位置情報取得処理は、RFIDの備える特性上、特に読取り対象部位が隠れていても問題なく、さらに無線で複数枚のRFID80のコピーナンバー206を読取れるといった特徴がある。ただし、位置情報を特定する方法は、位置情報が取得さえできれば上記方法に限定するものではない。
【0084】
他方、システム100は、前記位置情報を前記保管装置95より受信し(s206)、これに基づくコピー管理データベース125DBの更新処理を行う(s207)。これは、上記で受信したコピー物90のコピーナンバー206をもとに、コピー管理データベース125の位置情報210を登録する処理であり、すでにコピー管理データベース125に位置情報が登録されている場合、新たに受信した位置情報による上書き更新となる。
【0085】
一方、前記閲覧者は前記情報端末170において、閲覧対象となるコピー物90の検索処理を行うこととなる(s208)。これは、前記閲覧者が閲覧したいコピー物90のコピーナンバー206を情報端末170に入力することで始まる。そして、情報端末170はコピーナンバー206をシステム100に送信する(s209)。
【0086】
なお、本実施形態では、コピー物90の検索に当たって、コピーナンバー206が情報端末170において入力されることになっているが、例えばシステム100のコピー管理データベース125にて登録されている取得日時219をもとに検索を実行するといった手法を採用したり、または顧客から預かった会員カードが格納している会員番号をもとにシステム100側で検索させるようにしても良く、特に限定しない。
【0087】
システム100では前記コピーナンバー206の情報を受信し、これに基づくコピー物90の検索を実行する(s210)。これは、情報端末170から受信したコピーナンバー206を、コピー管理データベース125で照合し、一致するコピーナンバー206の場所情報(前記保管装置95の保管区画98であったり、持ち出し中であったりする)220を取得することとなる。そして、この取得した場所情報220を情報端末170へ返信する(s211)。この際、すでに他の者によって該当するコピーナンバーのコピー物90が持出されている場合は持出中の情報を返すようにし、また該当するコピーナンバーが存在しなかった場合には、NULL値を返すようにしている。
【0088】
情報端末170においては、前記位置情報210をシステム100より受信し、これを出力インターフェイスに出力する(s212)。情報端末170を操作する閲覧者はこの返信された情報を閲覧し、コピー物90の場所を特定できる。
【0089】
こうして所望のコピー物90の位置を認識した前記閲覧者は、コピー物90を保管装置95の保管区画98より持ち出すこととなる(s213)。この場合、閲覧者が特定のコピー物90を保管区画98より取り出すことで、コピーナンバー206が前記RFIDアンテナ97から読み込めなくなり、コピー管理データベース125の場所情報220が更新できなくなる(s214)。この際、システム100は、該当コピーナンバー206のコピー物90が持ち出されたと判断し、コピー管理データベース125の場所情報220について例えば「持出中」と更新する。
【0090】
システム100は、持ち出された前記コピー物90のコピーナンバー206が所定の保管区画98で読み込めなくなった時刻を持出日時211として保管装置95から取得し、当該持出日時211から経過した時間を持出時間212として算出している(s215)。この際、システム100は、例えば各コピー物90に応じて事前設定しておいた持出許可時間215と前記算出した持出時間212とを比較することによって、算出した持出時間212が特定の閾値よりも大きい場合、前記保管装置95の管理室等へ備え付けた警報装置や管理者のモバイル端末やPC端末に警告を鳴らすよう通知するとしても良い。
【0091】
次に、前記コピー物90の返却処理がなされた際の処理につき説明する。これは、前記閲覧者がコピー物90を前記保管装置95の保管区画98に返却する処理で、システム100は、コピー物90のコピーナンバー206が、再び所定保管区画98のRFIDアンテナ97から検知されることをもって返却状態を確認するものとする。
【0092】
このとき検知された日時を返却日時222としてシステム100は保管装置95より取得する。この際、システム100または保管装置95で、持ち出される前のコピー物90の位置情報を持出位置213とし記録しておき、持出位置213と返却位置214とを比較し、持出位置213と返却位置214とが不一致である場合、例えば前記保管装置95の配置空間に設置したブザーで警告を鳴らすといった処理をしても良い。
【0093】
続いてシステム100は、前記コピー物90の閲覧履歴を登録する処理を行う(s217)。これは、例えば持ち出されたコピー物90のコピーナンバー206と、閲覧者を特定する情報である閲覧者ID209と、上記の持出日時211と持出位置213、返却日時222と返却位置214、持出時間212、持出許可時間215を、閲覧履歴データベース127に登録する。この際、持ち出されたコピー物90がRFID複写機160でコピーされた場合に、コピー内容の情報(コピー回数など)をRFID複写機160より取得して、閲覧履歴データベース127に登録するとできる。
【0094】
次に、システム100は、閲覧者の情報の登録処理や更新処理を行う(s218)。これは、上記ステップ217にて登録された閲覧履歴データベース127の情報に対して、例えば閲覧者ID209と閲覧したコピー物90のコピーナンバー206をもとに、閲覧者履歴データベース127の総持出時間216に持出し時間212を加算して総持出時間216を更新するといった処理が含まれる。また、持出位置と返却位置とが不一致である場合、返却位置不一致回数217に1を加算して返却位置不一致回数217を更新する。 この際、前記持出位置と返却位置との不一致度合いが所定範囲以上である場合に、適宜なペナルティ情報を加えるようにしても良い。また、コピー物90のコピー回数223を総コピー回数218に加算するようにしても良い。
【0095】
そして、この閲覧者履歴データベース128を管理者が閲覧して、例えば総持出時間がある閾値より大きい場合、または返却位置不一致回数が所定値より多い場合に、閲覧者ID209に対してコピーナンバー206のコピー物90の閲覧を禁止する設定を行うことも可能である。さらに、総コピー回数218が2回以上ある場合にコピーナンバー206のコピー物90をコピーすることを禁止する情報を付与することも可能である。この際、前記閲覧者の過去履歴に基づいて、システム100が前記コピー等を禁止にする閾値を自動決定し、その閾値情報をもとに上記で述べた閲覧禁止設定やコピー禁止設定をシステム100側で行うようにしても良い。
【0096】
次に、システム100は、ID管理データベース126の更新処理を行う(s219)。これは、閲覧者履歴データベース128の情報をもとに、閲覧者のコピー可否201の情報を更新することとなる。具体的には、閲覧者履歴データベース128の任意の閲覧者ID209に対してコピー可否224の欄が「不可」となっていれば、ID管理データベース126のコピー可否209も不可とする。また任意の閲覧者ID209に対して閲覧可否225の欄が「不可」であれば、ID管理データベース126の閲覧可否221を「不可」にする。ただし、コピー可否フラグや閲覧可否フラグの可否設定については、特に上記処理方法に限定されるものではなく、例えば上記の持出時間212や返却場所不一致回数により閲覧者ID209の信頼度合いを算出し、昼間はコピーも閲覧も可能であるが、夜はコピーも閲覧も不可とするようにしても良い。
【0097】
−−−処理フロー例3−−−
図6は、本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例3を示すフロー図である。次に、コピー物90をRFID複写機160でコピーし、コピー物91を得るときの処理を示す。この場合、s300からs307までの処理については、図4におけるs0からs106の処理と同様であるため、ここでは説明を省略し、s308のステップから説明を始める。
【0098】
まず、コピー者がRFID複写機160に対してコピーの実行指示を行う(s308)。これは、コピー者がコピーをするコピー物90をRFID複写機160の読取り部分に配置することで始まる。この時、RFID複写機160は、前記コピー者による例えば出力形式や部数といったコピー内容の入力を入力インターフェイスで受け付けて、このコピー内容の情報をコピー実行ボタンの押下をもって読み取り開始情報226として取得する。
【0099】
前記読み取り開始情報226を取得したRFID複写機160は、コピー物90の電子透かし207をスキャニングし、コピー物90に取り付けられているRFID80からコピーナンバー206を読み取る(s309)。RFID80の読取り装置については、RFID複写機160に内蔵で備え付けられているものを想定できる。
【0100】
そして、前記スキャニングした電子透かし207は、RFID複写機160からシステム100に、前記ステップs308で指定された出力形式や部数といったコピー内容の情報と一緒に、透かしコピー情報710として送信する(s310)。透かしコピー情報710の一例を図7(b)に示す。
前記透かしコピー情報をシステム100は受信し(s311)、この情報に基づくコピー可否判定処理を行う(s312)。ここでシステム100は、前記受信した透かしコピー情報710の含む電子透かしの情報から、コピーナンバー206を抽出し、当該抽出したコピーナンバー206と透かしコピー情報710に含まれるコピーナンバー206とを比較することとなる。この比較の結果、コピーナンバー同士が一致する場合は、前記コピー物90のコピーを許可する。
【0101】
ただし、コピー物90に取り付けられているRFID80が剥がれている場合、または何者かによって別のRFID80に取り替えられている場合は、電子透かしから抽出されたコピーナンバー206とRFID80に含まれているコピーナンバー206とが不一致となるため、コピーを許可しない。この処理により、RFID部分をコピー物90から剥がして不正コピーを行うといった事態に対処している。
【0102】
前記コピー可否判定のステップs312にて、コピーが許可された場合、コピーナンバー229を新規に発行する。また、コピー管理データベース125において、前記コピー物90について既に格納されていたコピーナンバー206に紐付けされた会員番号、枚数、原本データの各情報を取得すると共に、当該各情報を、前記コピー物90のコピーを行う者のコピー者ID200とコピーナンバー229に新たに紐付けたレコードを生成し、コピー管理データベース125に登録する。
【0103】
他方、前記コピー可否判定のステップs312にて、コピーが不許可であった場合、システム100は、例えばRFID複写機160の電子音を鳴らすといった処理でコピー者に「コピー不許可」の事象を警告する。また、システム100は、コピー管理データベース125のエラー128の欄にエラー情報を記録する。
【0104】
続いてシステム100は、原本データ204に電子透かしをいれる処理を行う(s313)。ここでシステム100は、上記のコピーナンバー229の原本データ204を取得して、この原本データ204に電子透かしでコピーナンバー229を付与し、電子透かし230を生成する。そして、このコピーナンバー229と電子透かし230は、システム100からRFID複写機160へ送信される(s314)。以降の処理のs315〜s321に関しても、図4における処理s114〜s120と同様の処理が実行され、コピー物90のコピーであるコピー物91が得られることとなる。
−−−処理フロー例4−−−
図7は本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例4を示すフロー図である。上述してきたように、本実施形態においては、原本75およびコピー物90(コピー物91も含む)のコピーや閲覧について利用管理を行うことができた。こうした利用管理に加えて、本発明によれば、コピー物90の破棄期限の管理を行うことも可能である。
【0105】
この場合、システム100は、コピー物90の破棄期限日の情報を前記コピー管理データベース125において定期的に検索し、抽出する(s400)。そして、ここで抽出したコピー物90の破棄期限日の情報を、例えばシステム100のカレンダー機能における現在日時と照合し、前記コピー物90の破棄期限日の到来を判定する(s401)。この判定の結果が、期限が到来していないものであった場合(s402:NO)、処理をステップs400に戻す。
【0106】
他方、前記判定の結果が、期限到来を意味するものであった場合(s402:YES)、コピー物90の保管管理者等が利用する前記情報端末170に、前記破棄期限到来の通知を行う(s403)。情報端末170はこの破棄期限到来の通知を受信し(s404)、この破棄期限到来通知のデータフォーマットに応じてディスプレイやスピーカー等に出力する(s405)。
【0107】
また、システム100は、前記破棄期限到来の通知を、保管装置95にも送信する(s406)。この保管装置95は、この破棄期限到来の通知を受信し(s406)、この破棄期限到来通知のデータフォーマットに応じてディスプレイやスピーカー等に出力するか、或いは、保管区画98より該当コピー物90を自動排出して破断処理するなどし(s407)、処理を終了する。こうして、コピー物90の破棄期限管理が可能となる。
【0108】
本発明によれば、コピー権限とコピー物のライフサイクル情報との簡便確実な管理が可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施形態におけるコピー管理システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態における、(a)コピー管理データベース、(b)ID管理データベース、(c)閲覧履歴データベース、(d)閲覧者履歴データベースの各データ構造例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるコピー管理方法の概略を示す図である。
【図4】本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例1を示すフロー図である。
【図5】本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例2を示すフロー図である。
【図6】本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例3を示すフロー図である。
【図7】本実施形態におけるコピー管理方法の実際手順例4を示すフロー図である。
【図8】本実施形態における、(a)コピー情報、(b)透かしコピー情報、の各データ構造例を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
70 IDカード
75 コピー対象物、原本
80 無線ICチップ、RFID
81(コピー物をコピーして得られたコピー物に付与される)無線ICチップ、RFID
85 コピー媒体
90 コピー物
91(コピー物をコピーして得られた)コピー物
95 保管装置
96(保管装置の)ICリーダ
97 RFIDアンテナ
98 保管区画
100 コピー管理システム、システム、複写機サーバ
101、11 プログラムデータベース 102、12 プログラム
103、13 メモリ 104、14 CPU
105、15 入出力インターフェイス 106、16 通信手段
107、17 I/O部 110 コピー情報取得部
111 複写指示部 112 持ち出し状況認識部
113 閲覧者認識部 114 ID確認部
115 破棄管理部 125 コピー管理データベース
126 ID管理データベース 127 閲覧履歴データベース
128 閲覧者履歴データベース 140 ネットワーク
150 ICリーダ 160 RFID複写機
161 コピー情報読み取り部 162 複写実行部
170 情報端末 200 コピー者ID
201 コピー可否情報 204 原本データ
206 コピーナンバー、コピーID 208 コピー完了の情報
211 コピー物の持出日時 212 コピー物の持出時間
213 コピー物の持出位置 214 コピー物の返却位置
215 コピー物の持出許可時間 216 コピー物の総持出時間
217 コピー物の返却場所不一致回数 218 総コピー回数
219 コピー取得日時 220 コピー物の場所情報
221 コピー物の閲覧可否情報 222 コピー物の返却日時

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写機におけるコピー対象物のコピーを管理するシステムであって、
コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納する、コピー情報取得部と、
前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信する、複写指示部と、
を備えることを特徴とするコピー管理システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記コピー情報取得部が、前記コピー物に対する無線ICチップ読取り処理で得られる、無線ICチップ格納の前記コピーIDと、コピー物に対する電子透かし読取り処理で得られる電子透かしとを含むコピー情報を、入力インターフェイスより取得し、
前記複写指示部が、前記取得した無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとを照合し、当該無線ICチップ由来のコピーIDと電子透かし由来のコピーIDとが一致する場合に、新たに生成した新規コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記新規コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信する、
ことを特徴とするコピー管理システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記複写指示部が、前記原本データに埋め込む電子透かしの情報を電子透かし入り原本データの生成指示と共に、複写機に送信することを特徴とするコピー管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記複写機が無線ICチップへの書込処理機能を備えるものである場合、
前記複写指示部が、前記コピーIDを無線ICチップへのコピーID書込指示と共に、複写機に送信することを特徴とするコピー管理システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
コピー物付帯の無線ICチップに対する読取り可否に基づく格納有無判定を行って、当該格納有無の結果に応じた前記コピー物の持ち出し状況を検知する、前記コピー物の保管装置より、コピー物毎の持ち出し状況の情報を取得して、これを閲覧履歴データベースに格納する、持ち出し状況認識部と、
前記コピー物の保管領域からの持ち出しに伴って、当該コピー物の持ち出しを行う者のIDを閲覧者IDとして、入力インターフェイスより取得し、これを前記持ち出し状況の情報と紐付けて前記閲覧履歴データベースに格納する、閲覧者認識部と、
前記閲覧者ID毎に前記持ち出し状況の情報に応じたコピー可否または閲覧可否の情報を格納したID管理データベースに対し、入力インターフェイスより取得した前記コピー実行者の属性情報を照合し、当該コピー実行者によるコピー対象物のコピーまたは閲覧の可否を決定する、ID確認部と、
を備えることを特徴とするコピー管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記コピー情報取得部が、コピー物の破棄期限日の情報を含むコピー情報を入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報を前記コピー管理データベースに格納する場合、
前記コピー管理データベースにおけるコピー物の破棄期限日の情報に基づき、前記コピー物の破棄期限日の到来を検知し、当該破棄期限日の到来情報を出力インターフェイスに出力する、破棄管理部を備えることを特徴とするコピー管理システム。
【請求項7】
複写機におけるコピー対象物のコピー管理をコンピュータにて行う方法であって、
コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納し、
前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信する、ことを特徴とするコピー管理方法。
【請求項8】
複写機におけるコピー対象物のコピー管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コピー実行者の属性情報と前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報とを、コピー情報として入力インターフェイスより取得し、当該コピー情報をコピー情報毎にユニークなコピーIDと紐付けてコピー管理データベースに格納するステップと、
前記コピーIDを電子透かしとして前記原本データに埋め込んで電子透かし入り原本データを生成すると共に、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する指示を、前記電子透かし入り原本データと共に前記複写機に送信するステップと、
を含むことを特徴とするコピー管理プログラム。
【請求項9】
コピー対象物のコピー管理システムを構成する複写機であって、
コピー実行者の属性情報を入力インターフェイスより受け付けると共に、前記コピー対象物の原本データを含むコピー内容の情報を取得して、前記コピー実行者の属性情報とコピー内容の情報とを含むコピー情報を生成し、これをコピー管理システムに送信する、コピー情報読み取り部と、
前記コピー管理システムにおいて前記コピー情報毎に設定したユニークなコピーIDを、電子透かしとして前記原本データに埋め込んで生成された、電子透かし入り原本データを、前記コピー管理システムより受信し、前記コピーID格納済の無線ICチップが付されたコピー媒体に対する前記電子透かし入り原本データの出力を行ってコピー物を生成する、複写実行部と、
を備えることを特徴とする複写機。
【請求項10】
請求項9において、
前記コピーID格納済の無線ICチップを、接着媒体を介して前記コピー媒体に当接し貼付する、無線ICチップ貼付機能を備えることを特徴とする複写機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−173739(P2006−173739A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359876(P2004−359876)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】