説明

コマンド操作及びファイル変更の復元方法

【課題】操作履歴を利用してコマンド操作及びファイル変更の復元を行う。
【解決手段】操作履歴取得処理部1は、コンピュータに対するファイル変更の操作をも含むコマンド操作111に関する情報を操作履歴データベース12に登録し、ファイル復元処理部2は、コマンド操作により行われたファイル変更について、ファイルを変更前の状態に復元し、操作履歴参照処理部3は、操作履歴データベース12の内容を操作履歴参照画面31に表示する。操作履歴編集処理部4は、表示された操作履歴を、各作業に合わせて編集する。操作履歴実行処理部5は、操作履歴参照処理部3で参照した操作履歴、または、操作履歴編集処理部4で編集した操作履歴を、1台または複数台のローカルコンピュータまたはリモートコンピュータ51に対して実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマンド操作及びファイル変更の復元方法に係り、特に、コンピュータに対して行われたコマンド操作及びファイル変更を操作履歴として保存しておき、保存した操作履歴を利用して、コンピュータに対するコマンド操作及びファイル変更の復元を行うコマンド操作及びファイル変更の復元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンピュータの運用保守を行う際には、同じような一連のコマンド操作を、複数回実行する作業が頻繁に発生する。また、多重化されたサーバコンピュータまたは複数台存在するクライアントコンピュータは、管理を容易にするためアプリケーションやファイル構成を同じにしていることが多く、そのような複数台のコンピュータに対して運用保守を行う場合、各コンピュータに対して同一のコマンド操作を実行する必要がある。このような作業は、コマンド操作が多くなるため手間が掛かり、また、操作誤りや操作漏れという問題を引き起こす可能性が高くなる。
【0003】
前述のような問題を回避するための従来の技術として、同じような操作を複数回行う作業については、一連のコマンド操作を記述したスクリプトファイルを作成して、必要となったときにスクリプトファイルを実行するという方法が知られている。また、他の方法として、複数台のコンピュータを運用保守する場合、各コンピュータにスクリプトファイルを配置して実行する方法、あるいは、リモートコンピュータを一括操作するアプリケーションを利用して運用保守を行う方法等が知られている。
【0004】
しかし、前述のスクリプトを作成して利用する方法は、一定の技術が必要となり、また、スクリプトの作成のために時間が掛かり、スクリプトが正確に作成されているか否かの確認を行う必要もあるという問題点を生じさせる。また、リモートコンピュータを一括操作する方法は、操作を一度失敗すると全てのコンピュータに対して復元操作を行わなければならないことになり、影響範囲が大きくなるという問題点を有している。
【0005】
さらに、コンピュータの運用保守を行う際に、一連のコマンド操作を行う中で、ファイルの新規作成、移動、修正、削除のようなファイル変更を行う場合に、変更した後で何らかの問題が判明して、ファイルを変更前の状態に復元したいことがある。また、複数のファイルを変更した場合に、任意のファイルだけを復元し、それ以外のファイルは変更した状態のままとしたいこともある。
【0006】
ファイルを変更前の状態に復元するための従来の技術として、ファイル変更操作を行う前に変更前ファイルのバックアップを取得しておき、バックアップから復元するという方法が知られている。
【0007】
しかし、前述の方法は、ファイルを復元する場合に、変更対象のファイルを事前にバックアップする操作、及び、バックアップから復元する操作を行う必要があり、変更ファイル数が多い場合、操作が煩雑となり、手間が掛かるという問題点を有し、また、操作誤りや復元漏れを引き起こす可能性も高くなるという問題点を有している。また、コンピュータの全てのファイルについてバックアップを取得しておき、そこから全てのファイルを変更前の状態に復元するという方法もあるが、この方法は、本来変更のなかった箇所にも影響を及ぼすためリスクが大きくなり復元方法として採用しにくいという問題点を有し、また、変更した複数ファイルのうち任意のファイルを復元させるには、ファイル毎に個別に復元する操作を行う必要があるという問題を生じさせる。
【0008】
なお、操作履歴を用いてファイルの復元を行う従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。
【特許文献1】特開平5―158775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コマンド操作及びファイル変更の復元に関する従来の技術としては、種々のものが知られているが、前述で説明したように、それぞれの技術に特有の問題を有している。
【0010】
本発明の目的は、前述したような点に鑑み、コンピュータに対して複数回行うような一連のコマンド操作と、ファイル変更におけるバックアップ及び復元のコマンド操作について、操作履歴を利用して簡易的で正確に操作実行させることができるようにしたコマンド操作及びファイル変更の復元方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば前記目的は、操作履歴を利用して、あるコンピュータに対して行ったコマンド操作及びファイル変更を他のコンピュータであるローカルコンピュータあるいはリモートコンピュータに実行させるコマンド操作及びファイル変更の復元方法において、前記あるコンピュータは、操作履歴取得処理手段と、ファイル復元処理手段と、操作履歴参照処理手段と、操作履歴編集処理手段と、操作履歴実行処理手段と、操作履歴データベースとを備え、前記操作履歴取得処理手段は、コンピュータに対するファイル変更の操作をも含むコマンド操作に関する情報を前記操作履歴データベースに登録し、前記ファイル復元処理手段は、コマンド操作により行われたファイル変更について、ファイルを変更前の状態に復元し、前記操作履歴参照処理手段は、操作履歴データベースの内容を操作履歴参照画面に表示し、前記操作履歴編集処理手段は、表示された操作履歴を、各作業に合わせて編集し、前記操作履歴実行処理手段は、前記操作履歴参照処理手段で参照した操作履歴、または、前記操作履歴編集処理手段で編集した操作履歴を、1台または複数台のローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して実行させることにより達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンピュータに対して複数回行う必要があるコマンド操作について、そのコマンドを1度実行するとその履歴情報を利用して、ローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して、同一のコマンド操作を簡易的にかつ正確に実行することができる。また、本発明によれば、ファイル変更について、バックアップ操作を自動化することができ、復元操作をグループ化した単位で簡易的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるコマンド操作及びファイル変更の復元方法の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0014】
図1Aは本発明の一実施形態によるコマンド操作及びファイル変更の復元方法が適用されたコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図、図1Bは本発明の一実施形態によるコマンド操作及びファイル変更の復元方法を概念的に説明する図である。本発明の実施形態は、システムの運用保守での使用を想定しているが、本発明は、これに限定されるものではなくコンピュータに対する操作を必要とする状況で常に使用することができる。
【0015】
本発明が適用されるコンピュータシステムは、図1Aに示すように、本発明の実施形態での各種の処理を行うコンピュータ装置101と、ローカルコンピュータ、リモートコンピュータ等の複数のコンピュータ装置である操作対象コンピュータ群51とが、ネットワーク109等による通信回線を介して接続されて構成されている。
【0016】
コンピュータ装置101は、CPU102、HDD等による記憶装置103、表示装置104、通信装置105、キーボード、マウス等による入力装置106、メモリ107がバス108に接続されて構成されている。記憶装置103には、後述するデータベース12が格納されており、メモリ107には、本発明での処理のための操作履歴取得処理部1、ファイル復元処理部2、操作履歴参照処理部3、操作履歴編集処理部4、操作履歴実行処理部5が格納されている。これらの処理部は、プログラムにより構成され、通常、記憶装置103に格納されていて、メモリ107にロードされてCPU101により実行されることにより、それぞれの機能を構築するものである。
【0017】
そして、図1Bに示すように、表示装置104には、コマンド操作入力部11が表示され、作業者は、コマンド操作入力部11を参照しながら、マウス等の入力装置106からコマンド操作を行う。表示装置104に表示されるコマンド操作入力部品は、操作を行うユーザがコンピュータに対する操作コマンドを入力するための部品であり、一般的なコンピュータを想定している。
【0018】
操作履歴取得処理部1は、コマンド操作入力部からコマンド操作が入力される度に、コマンド操作に関する情報を、操作履歴データベース12に自動的に登録する。コマンド操作例111のbegin は、操作グループの開始を指定するコマンドであり、end は、操作グループの終了を指定するコマンドである。begin、endの各コマンドの引数は、操作グループを特定するための操作グループ番号である。begin とend と間のコマンド操作を1つの操作グループと呼び、関連性を持った一連の操作の集合として扱う。
【0019】
一般に、運用保守の作業は、1つの作業の中で複数のコマンドを実行することが多く、操作グループを使用することによって、関連性のある操作をグループ化し、コマンド操作を個別ではなく、グループの単位で扱うことにより、管理を容易にすることができる。操作履歴取得処理部1は、この操作グループも、操作コマンドと合わせて操作履歴データベース12に登録する。また、操作履歴取得処理部1は、コマンド操作の中でファイル変更が行われた場合、変更前ファイルのバックアップを取得し、操作履歴データベースに登録する。ここでいうファイル変更とは、1つまたは複数のファイルまたはディレクトリについて、新規作成、移動、修正、コピー、削除等のように状態を変更させることを指す。
【0020】
コマンド操作例112のrollbackは、ファイル復元を実行するコマンドである。ファイル復元処理部2は、rollbackの引数に指定された操作グループの中で行われたファイル変更について、変更前の状態にファイルを復元することが可能である。
【0021】
操作履歴参照処理部3は、操作履歴データベース12を再利用するために、その内容を操作履歴参照画面31に表示して、操作ユーザに参照させるための機能である。操作履歴編集処理部4は、操作履歴参照処理部3で表示した操作履歴を、各作業に合わせて編集するための機能である。操作履歴実行処理部5は、操作履歴参照処理部3で参照した操作履歴、または、操作履歴編集処理部4で編集した操作履歴を、1台または複数台のローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して実行するための機能である。
【0022】
図2は操作履歴データベース12のテーブル定義例121及び操作履歴データベース12の登録データ例122を説明する図である。操作履歴データベース12のテーブル121は、図2(a)のテーブル定義例に示すように、通番、操作グループ番号、操作順序、操作日時、操作ユーザ、操作コマンド、コマンド引数情報、変更前バックアップを各項目として構成されている。各項目のそれぞれは、予め決められたデータ型を有し、内容の欄に説明しているような内容を有している。
【0023】
すなわち、通番の項目には、データベース内のレコードを一意に限定するためのユニークキーが設定される。操作グループ番号の項目には、Begin-end で指定された操作グループ番号が設定される。操作順序の項目には、操作グループ内でのコマンド操作の順番が設定される。操作日時の項目は、コマンド操作を実行した日時が設定される。操作ユーザの項目には、コマンド操作を行った操作ユーザが設定される。操作コマンドの項目には、実行した操作コマンドが設定される。コマンド引数情報の項目には、コマンド操作の後ろに指定された引数情報が設定される。変更前バックアップの項目には、変更前ファイルのバックアップが格納される。
【0024】
前述で説明したような複数の項目を持った操作履歴データの登録データ例の幾つかを図2(b)に示しているが、これについての説明は省略する。このように1度行った操作を履歴としてデータベースに蓄積しておくことにより、次回以降の作業に利用したり、コマンド操作だけでなく作業に関するノウハウを蓄えることも可能となる。但し、操作履歴データベースのテーブルの項目は、前述したような構成に限定される必要はない。
【0025】
図3は操作履歴取得処理部1での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0026】
(1)操作履歴取得処理部1は、操作ユーザによりコンピュータ装置101に対するコマンド操作が行われる度に、そのコマンド操作を受け付け、コマンド操作が行われた場合、コマンド操作の内容がファイル変更を行う操作であるか否かを判定する(ステップS11、S12)。
【0027】
(2)ステップS12の判定で、コマンド操作の内容がファイル変更を行う操作であった場合、操作コマンドの情報及び変更前ファイルのバックアップの情報を取得し、それらを操作履歴データベース12に登録する(ステップS13)。
【0028】
(3)ステップS12の判定で、コマンド操作の内容がファイル変更を行わない操作であった場合、操作コマンドの情報を取得し、取得した操作コマンドの情報を操作履歴データベース12に登録する(ステップS14)。
【0029】
前述したステップS13、S14の処理で、操作履歴データベース12への登録を行う際に、操作グループ番号が指定されている場合、操作グループ番号も同時に操作履歴データベース12に登録する。
【0030】
(4)ステップS13、S14の処理の後、操作ユーザがコンピュータ装置101からログアウト、あるいは、コンピュータ装置のシャットダウンをして、コマンド操作を終了するまで、ステップS101からの処理に戻って、コマンド操作を受け付けて処理を続ける(ステップS15)。
【0031】
前述した処理により、操作ユーザがコマンド操作を実行する度に、自動的に操作コマンドの情報及び操作グループ番号が自動的に操作履歴データベース12に登録される。また、コマンド操作によりファイル変更操作が行われた場合、変更前ファイルのバックアップが取得される。この変更前ファイルのバックアップと操作グループとにより、ファイル復元処理部2は、後述するように、ファイル復元操作時のコマンド操作を簡略化することが可能となる。
【0032】
図4はファイル復元処理部2での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0033】
(1)ファイル復元処理部2は、操作ユーザによりコンピュータ装置101に対するコマンド操作が行われる度に、そのコマンド操作を受け付け、コマンド操作が行われた場合、コマンド操作の内容がファイル復元を指示する操作であるか否かを判定する(ステップS21、S22)。
【0034】
(2)ステップS22の判定で、コマンド操作の内容がファイル復元を指示する操作でなかった場合、ステップS21からの処理に戻って、ファイル復元を指示するコマンド操作が行われるのを待つ。
【0035】
(3)ステップS22の判定で、コマンド操作の内容がファイル復元を指示する操作であった場合、ファイル復元操作で指定された操作グループに関する操作履歴を操作履歴データベース12から取得し、さらに取得した操作履歴の中でファイルを変更している操作がある場合、変更前バックアップを操作履歴データベースから抽出し、抽出した操作履歴とバックアップファイルとを元に、変更されたファイルを変更前の状態に復元する(ステップS23、S24)。
【0036】
前述した処理により、ファイル復元時に必要であったファイルバックアップとファイル復元のコマンドとを不要とし、操作ユーザが行う操作を軽減することができる。また、操作グループの単位で変更前のファイル状態に一括して復元させることが可能なため、個々のファイルについてのファイル復元を、操作ユーザに意識させる必要をなくすことができる。なお、操作グループの単位は、後述する操作履歴編集処理部4で編集することが可能なため、操作グループの範囲を柔軟に指定することがきるため、必要であれば、個別のファイル復元も可能となる。
【0037】
図5は操作履歴参照処理部が処理の結果として表示した画面イメージの一例を示す図である。
【0038】
操作履歴参照画面31は、検索条件311、操作履歴検索312、操作履歴一覧313、操作履歴保存314、操作履歴実行315から構成される。検索条件は、操作履歴データベース12から操作履歴検索を行う際の条件を入力するための部品である。操作履歴検索312のボタンは、検索条件311を元に、操作履歴データベース12から操作履歴の抽出を実行させるための部品である。操作履歴一覧313は、操作履歴データベース12から操作履歴の一覧を表示する部品であり、操作履歴検索312のボタンが操作されたときに、操作履歴を抽出して表示されるものであり、一覧として表示された操作履歴は、編集することが可能である。操作履歴保存314は、操作履歴一覧で編集した操作履歴を保存するための部品であり、保存する操作グループ番号を指定することを可能としている。操作履歴実行315は、選択した操作履歴を、指定した対象コンピュータ装置に対して実行するための部品である。前述した操作履歴参照画面の構成は、これに限定されるものではない。
【0039】
図6は操作履歴参照処理部3での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0040】
(1)操作履歴参照処理部3は、操作履歴データベース12から操作データの情報を取得して、図5に示して説明した操作履歴参照の画面を表示し、操作履歴検索312の処理が実行されたか否かを判定する(ステップS31、S32)。
【0041】
(2)ステップS32の判定で、操作履歴検索312の処理が実行されていなかった場合、ステップS31からの処理に戻って、操作履歴検索312の処理を実行する操作が行われるのを待つ。
【0042】
(3)ステップS32の判定で、操作履歴検索312の処理が実行された場合、検索条件311の検索条件を画面から取得し、操作履歴データベースから該当する操作履歴のデータを取得し、取得した操作履歴の一覧を操作履歴参照画面に表示する(ステップS33、S34)。
【0043】
前述の処理により、操作履歴データベース12の情報を利用する機能を提供することができる。また、前述した処理では、操作履歴データベース12のは自分以外の操作ユーザのコマンド操作も参照することができるため、過去に有識者が行ったコマンド操作を参照し再利用することが可能となる。
【0044】
図7は操作履歴編集処理部4での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0045】
(1)操作履歴編集処理部4は、操作履歴データベース12から操作データの情報を取得して、図5に示して説明した操作履歴参照の画面を表示し、操作履歴一覧313において、操作ユーザが、表示されている操作履歴の編集、並び替え及び必要な操作を選択することを可能とし、操作履歴保存314の処理が実行されたか否かを判定する(ステップS41、S42)。
【0046】
(2)ステップS42の判定で、操作履歴保存314の処理が実行されていなかった場合、ステップS41からの処理に戻って、操作履歴保存314の処理を実行する操作が行われるのを待つ。
【0047】
(3)ステップS42の判定で、操作履歴保存314の処理が実行された場合、操作履歴一覧313で編集した操作履歴と保存する操作グループ314とを、操作履歴参照画面から取得し、取得した操作履歴を、取得した操作グループとして操作履歴データベースに登録する(ステップS43、S44)。
【0048】
前述の処理により、過去の操作履歴を利用して、操作ユーザが行いたいコマンド操作に合わせて、コマンド操作を編集することが可能となり、簡易的で柔軟に操作グループを作成することができる。
【0049】
図8は操作履歴実行処理部5での処理動作を接続するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0050】
(1)操作履歴実行処理部5は、操作履歴データベース12から操作データの情報を取得して、図5に示して説明した操作履歴参照の画面を表示し、操作履歴実行315の指示が行われたか否かを判定する(ステップS51、S52)。
【0051】
(2)ステップS52の判定で、操作履歴実行315の指示が行われていなかった場合、ステップS51からの処理に戻って、操作履歴実行315の指示が行われるのを待つ。
【0052】
(3)ステップS52の判定で、操作履歴実行315の指示が行われていた場合、操作履歴一覧313で編集された操作履歴及び操作履歴実行で指定された操作対象コンピュータ315を抽出する(ステップS53)。
【0053】
(4)その後、操作履歴実行処理部5は、抽出した操作履歴の操作コマンドを、操作対象コンピュータに対して実行する。なお、操作対象コンピュータとして、1台または複数台のローカルコンピュータまたはリモートコンピュータを指定することができる(ステップS54)。
【0054】
前述の処理により、操作履歴を元に、ネットワークで接続されたあらゆるコンピュータ51に対して、簡易的に一括してコマンド操作を実行させることができる。また、1度実行して成功した操作グループであれば、そのまま再実行すれば操作誤りを起こすことなく、正確に同一の操作を実行させることができ、複数台のコンピュータをメンテナンスする場合に、大幅に作業効率を向上させることができる。
【0055】
前述した本発明の実施形態での各処理は、プログラムにより構成し、本発明が備えるCPUに実行させることができ、また、それらのプログラムは、FD、CDROM、DVD等の記録媒体に格納して提供することができ、また、ネットワークを介してディジタル情報により提供することができる。
【0056】
前述した本発明の実施形態は、操作履歴取得処理部1、ファイル復元処理部2が使用するコマンド操作のインタフェースをコマンドユーザインタフェースとし、操作履歴参照処理部3、操作履歴編集処理部4、操作履歴実行処理部5が使用する画面表示のインタフェースをグラフィカルユーザインタフェースとして説明したが、各処理部で使用するインタフェースは、コマンドユーザインタフェースとグラフィカルユーザインタフェースのいずれでも実現可能であり、その組み合わせにも制限はない。
【0057】
また、本発明の実施形態は、コマンド操作または操作履歴保存時に、操作ユーザが操作グループ番号を指定しているが、操作グループの指定を省略することが可能であり、その場合、操作履歴データベースの操作グループ番号の最大値から1カウントアップした値を、新しい操作グループとして設定する等の方法を用いることができる。さらに、本発明の実施形態は、操作コマンドと操作グループとを同等として扱うことを可能とし、操作グループの中に別の操作グループを含め、組み合わせを柔軟にすることも可能である。
【0058】
前述した本発明の実施形態によれば、操作履歴取得処理部、ファイル復元処理部、操作履歴参照処理部、操作履歴編集処理部、操作履歴実行処理部を使用することによって、コンピュータに対して複数回行うような一連のコマンド操作及びファイル変更におけるバックアップと復元とのコマンド操作を、簡易的にかつ正確に実行させることが可能となり、コンピュータに対するコマンド操作の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1A】本発明の一実施形態によるコマンド操作及びファイル変更の復元方法が適用されたコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図1B】本発明の一実施形態によるコマンド操作及びファイル変更の復元方法を概念的に説明する図である。
【図2】操作履歴データベース12のテーブル定義例121及び操作履歴データベース12の登録データ例122を説明する図である。
【図3】操作履歴取得処理部1での処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】ファイル復元処理部2での処理動作を説明するフローチャートである。
【図5】操作履歴参照処理部が処理の結果として表示した画面イメージの一例を示す図である。
【図6】操作履歴参照処理部3での処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】操作履歴編集処理部4での処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】操作履歴実行処理部5での処理動作を接続するフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 操作履歴取得処理部
2 ファイル復元処理部
3 操作履歴参照処理部
4 操作履歴編集処理部
5 操作履歴実行処理部
11 コマンド操作入力部
12 操作履歴データベース
31 操作履歴参照画面
51 操作対象コンピュータ群
101 コンピュータ
102 CPU
103 記憶装置
104 表示装置
105 通信装置
106 入力装置
107 メモリ
108 バス
109 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作履歴を利用して、あるコンピュータに対して行ったコマンド操作及びファイル変更を他のコンピュータであるローカルコンピュータあるいはリモートコンピュータに実行させるコマンド操作及びファイル変更の復元方法において、
前記あるコンピュータは、操作履歴取得処理手段と、ファイル復元処理手段と、操作履歴参照処理手段と、操作履歴編集処理手段と、操作履歴実行処理手段と、操作履歴データベースとを備え、
前記操作履歴取得処理手段は、コンピュータに対するファイル変更の操作をも含むコマンド操作に関する情報を前記操作履歴データベースに登録し、前記ファイル復元処理手段は、コマンド操作により行われたファイル変更について、ファイルを変更前の状態に復元し、前記操作履歴参照処理手段は、操作履歴データベースの内容を操作履歴参照画面に表示し、前記操作履歴編集処理手段は、表示された操作履歴を、各作業に合わせて編集し、前記操作履歴実行処理手段は、前記操作履歴参照処理手段で参照した操作履歴、または、前記操作履歴編集処理手段で編集した操作履歴を、1台または複数台のローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して実行させることを特徴とするコマンド操作及びファイル変更の復元方法。
【請求項2】
前記操作履歴取得処理手段は、前記あるコンピュータに対する1つまたは複数のコマンド操作を操作ユーザの指示により任意にグループ化して操作グループとし、コマンド操作が実行される度に操作グループ、及び、操作コマンドにかかわる情報を前記操作履歴データベースに登録し、コマンド操作によりファイル変更を行った場合、ファイル変更前のバックアップを前記操作履歴データベースに登録することを特徴とする請求項1記載のコマンド操作及びファイル変更の復元方法。
【請求項3】
前記ファイル復元処理手段は、作成された操作履歴データベースの任意の操作グループの中で行われたファイル変更について、操作履歴データベースの情報を元に、グループ化された単位で変更前のファイル状態に復元させることを特徴とする請求項1記載のコマンド操作及びファイル変更の復元方法。
【請求項4】
前記操作履歴参照処理手段は、前記作成された操作履歴データベースの情報を利用するために、操作履歴データベース内の本人または他人のコマンド操作履歴を参照させることを特徴とする請求項1記載のコマンド操作及びファイル変更の復元方法。
【請求項5】
前記操作履歴編集処理手段は、前記操作履歴データベースの情報から、任意に指定された1つまたは複数の操作コマンドまたは操作グループを編集及び組み合わせて新しい操作グループとして操作履歴データベースに登録することを特徴とする請求項1記載のコマンド操作及びファイル変更の復元方法。
【請求項6】
前記操作履歴実行処理手段は、前記操作履歴データベースの情報から、任意に指定された操作グループを、任意に指定された1つまたは複数の、ローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して実行させることを特徴とする請求項1記載のコマンド操作及びファイル変更の復元方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−39752(P2010−39752A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201831(P2008−201831)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】