説明

コリネ型細菌形質転換体及びそれを用いるブタノールの製造方法

【課 題】効率よくブタノールを生産する微生物、及び微生物を用いて効率よくブタノールを製造する方法を提供する。
【解決手段】コリネ型細菌中で機能する、以下の(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つ以上のDNAをコリネ型細菌に導入することを特徴とする、ブタノール生産能を有する形質転換体
(1)アセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードするDNA
(2)3-ヒドロキシブチル-CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNA
(3) 3-ヒドロキシブチリル-CoA デヒドラターゼ活性を有する酵素をコードするDNA
(4)クロトニル-CoA レダクターゼ活性を有する酵素をコードするDNA
(5)アルデヒド デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNA
(6)アルコール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNA


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリネ型細菌中で機能する、以下の(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1つ以上のDNAをコリネ型細菌に導入することを特徴とする、ブタノール生産能を有する形質転換体。
(1)配列番号1で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号2で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号3で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号4で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号1、2、3又は4で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
(2)配列番号5で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号6で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号7で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号8で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号5、6、7又は8で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ3-ヒドロキシブチル-CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
(3)配列番号9で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号10で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号9又は10で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ3-ヒドロキシブチリル-CoA デヒドラターゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
(4)配列番号11で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号12で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号11又は12で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつクロトニル-CoA レダクターゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
(5)配列番号13で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号14で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号16で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号17で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号13、14、16又は17で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルデヒド デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
(6)配列番号15で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号16で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号17で表わされる塩基配列からなるDNA、並びに、配列番号15、16又は17で表わされる塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルコール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードするDNAからなる群より選択される少なくとも1種のDNA
【請求項2】
(1)において、配列番号1で表わされる塩基配列からなるDNAが、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来、配列番号2で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号3で表わされる塩基配列からなるDNAが、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)由来、配列番号4で表わされる塩基配列からなるDNAが、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来のアセチル-CoA アセチルトランスフェラーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であり、
(2)において、配列番号5で表わされる塩基配列からなるDNAが、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium
acetobutylicum)由来、配列番号6で表わされる塩基配列からなるDNAが、クロストリジウム・ベージェリンキー(Clostridium
beijerinckii)由来、配列番号7で表わされる塩基配列からなるDNAが、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来、配列番号8で表わされる塩基配列からなるDNAが、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来の3-ヒドロキシブチル-CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であり、
(3)において、配列番号9で表わされる塩基配列からなるDNAが、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)由来、配列番号10で表わされる塩基配列からなるDNAが、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の3-ヒドロキシブチリル-CoA デヒドラターゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であり、
(4)において、配列番号11で表わされる塩基配列からなるDNAが、ストレプトミセス・アベルミティリス(Streptomyces avermitilis)由来、配列番号12で表わされる塩基配列からなるDNAが、ストレプトミセス・ヴィオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のクロトニル-CoA レダクターゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であり、
(5)において、配列番号13で表わされる塩基配列からなるDNA、配列番号14で表わされる塩基配列からなるDNA及び配列番号16で表わされる塩基配列からなるDNAが、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来、配列番号17で表わされる塩基配列からなるDNAが、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であり、かつ、
(6)において、配列番号15で表わされる塩基配列からなるDNAが、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)由来、配列番号16で表わされる塩基配列からなるDNAが、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来、配列番号17で表わされる塩基配列からなるDNAが、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc
mesenteroides)由来のアルコール デヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子であることを特徴とする請求項1に記載の形質転換体。
【請求項3】
(1)が、ラルストニア・ユートロファ由来の配列番号1で表わされる塩基配列からなるDNAであり、
(2)が、クロストリジウム・アセトブチリカム由来の配列番号5で表わされる塩基配列からなるDNA又はクロストリジウム・ベージェリンキー由来の配列番号6で表わされる塩基配列からなるDNAであり、
(3)が、クロストリジウム・アセトブチリカム由来の配列番号9で表わされる塩基配列からなるDNAであり、
(4)が、ストレプトミセス・アベルミティリス由来の配列番号11で表わされる塩基配列からなるDNAであり、
(5)が、エシェリヒア・コリ由来の配列番号13又は16で表わされる塩基配列からなるDNAであり、かつ
(6)が、コリネバクテリウム・グルタミカム由来の配列番号15で表わされる塩基配列からなるDNA又はエシェリヒア・コリ由来の配列番号16で表わされる塩基配列からなるDNAである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の形質転換体。
【請求項4】
(1)〜(5)又は(1)〜(6)のDNAをコリネ型細菌に導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の形質転換体。
【請求項5】
コリネ型細菌が、コリネバクテリウム・グルタミカム、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、及び、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)からなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の形質転換体。
【請求項6】
コリネバクテリウム・グルタミカムが、コリネバクテリウム・グルタミカムR株(FERM P−18976)、又は、その乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)破壊株である請求項5に記載の形質転換体。
【請求項7】
Corynebacterium glutamicum But1(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター寄託微生物―受託番号:NITE P−482)、Corynebacterium glutamicum But2(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター寄託微生物―受託番号:NITE P−483)、又はCorynebacterium glutamicum But3(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター寄託微生物―受託番号:NITE P−484)の名称で寄託されている形質転換体。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の形質転換体により、糖類を含有する培地中でブタノール生成を行なわせる工程と、生成したブタノールを回収する工程とを含むブタノールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−183259(P2009−183259A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29797(P2008−29797)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(591178012)財団法人地球環境産業技術研究機構 (153)
【Fターム(参考)】