コンクリートブロックの象嵌加工方法
【課題】象嵌が施されたコンクリートブロック基材表面を切削加工することで、該象嵌で表現された文字やマーク、図柄等の表情を豊かにする。
【解決手段】表面に所望の文字や図柄等に対応する溝2や凹部3を設けたコンクリートブロック基材10を成型し、該ブロック基材10の硬化後に該ブロック基材10の上記表面の溝2や凹部3に異なる色のモルタル4を摺り込んで象嵌5を施し、上記モルタル4の硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝7を形成する。
【解決手段】表面に所望の文字や図柄等に対応する溝2や凹部3を設けたコンクリートブロック基材10を成型し、該ブロック基材10の硬化後に該ブロック基材10の上記表面の溝2や凹部3に異なる色のモルタル4を摺り込んで象嵌5を施し、上記モルタル4の硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝7を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックの象嵌加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、公園や広場、街路等の敷き石、ビル等の床材等に、標識、地域情報、装飾等を表す手段として、文字やマーク、図柄等のカラーの象嵌が施されたコンクリートブロックがよく使用されている。これらのコンクリートブロックは、通常、該ブロックの成型時に、該ブロックの基材表面に所望の文字やマーク、図柄等に対応する溝や凹部を設けておき、ブロック基材の硬化後に、該ブロック基材の表面の所望の文字やマーク、図柄等に対応して設けた溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んだ後、ブロック基材の表面を研磨工具で研磨することによって製作されていた。したがって、文字や動物、花等の図柄等の境界が明確で光沢のある仕上がり面として表現されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、研磨加工による表面仕上げは平滑面に限定され、色の組み合わせだけでデザインするしかなく、表面デザインの可能性が狭かった。そのため、文字やマークなどによる情報伝達などに使われるケースが多かった。
【0004】
本発明では上記の問題点を解消し、コンクリートの象嵌技術のデザイン的可能性を大きく拡大した。すなわち、切削加工により表面にテクスチャー感のある仕上がりとし、さらにぼかしの技術や、立体感のある表面仕上がりを実現した。これらは従来の研磨仕上げでは不可能のことであり、コンクリートの象嵌技術によるデザインの可能性は大きく拡大されたことになる。
【0005】
本発明の適用対象の一つである建築用コンクリートブロックの分野では、従来、ほとんどが単一色のブロックが使われてきたが、象嵌による複数色で、切削テクスチャーやぼかし、立体感のある表面を生かしたデザインが可能となり、デザイン開発の可能性が広がった。また、従来建築ブロックの表面仕上げとして多く利用されてきたスプリット加工では、構造厚さに寄与しない化粧のための厚さが片側だけでも15mm前後あり、その分ブロックの重量が重くなり、輸送費が増える要因となっていた。本発明に使用する象嵌用モルタルにアクリルエマルジョンなどを添加すれば、基材ブロックとの接着力が向上し、両者が一体となるため、化粧のための厚さが無くなり、その分ブロック重量の軽減となり、輸送費の削減となるメリットもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、表面に所望の図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成型し、該ブロック基材の硬化後に該ブロック基材の上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝を形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面状の斜面として形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる多数の超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に関わる発明は、表面に所望の図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成形し、該ブロック基材の硬化後に該基材ブロックの上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工による複数の平行溝を形成方法であるから、従来のような印刷のような平面的な仕上がりではなく、境界部が細かく不規則な線となり、表面は単に粗いというだけでなく、もっと立体感に富み、テクスチャー感のある仕上がりとなる。
【0012】
請求項2に関わる発明によれば、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面上の斜面として形成されるので、コンクリートブロックの基材と象嵌の境界線がぼかし状となり、表面の切削テクスチャーと相まって、表情豊かな仕上がりとなる。
【0013】
請求項3に関わる発明によれば、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されるので、コンクリートブロックの基材と象嵌の境界線が一層霞んでぼやけるグラデーション効果が得られる。
【0014】
請求項4に関わる発明によれば、上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされるため、切削加工を容易に行うことができる。
【0015】
請求項5に関わる発明によれば、上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことにより、切削面に立体的変化を与えることができ、平坦な面の仕上がりに比べて、表情豊かになり、デザイン的可能性は一層高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1(a)(b)に示されるコンクリートブロック1は、基材10の表面11に文字やマーク、図柄等で表現される象嵌5を施したものである。図1(a)(b)に示されるように、コンクリートブロックの基材10としては、例えば図14(a)(b)に示すようなものを利用すればよい。なお、象嵌加工は表裏両面でも片面でもよく、以下の形態では片面のみに象嵌加工を施したものについて説明する。
【0017】
すなわち、コンクリートブロック1の基材10が型枠へのコンクリートの流し込みにより、その表面11に図2(a)(b)に示されるような所望の文字やマーク、図柄等を表現するための溝2や凹部3が形成されて型枠成型される。ブロック基材10が完全に硬化した後に、該ブロック基材10の上記表面11に形成された上記溝2や凹部3内に所望の着色が施されたモルタル4が摺り込まれて象嵌5が形成される。
【0018】
上述の象嵌加工は、着色されたモルタル4を文字やマーク、図柄等の表現に応じて適宜選択して、上記溝2もしくは凹部3内に摺り込むことでなされ、上記文字やマーク、図柄等をコンクリートブロック基材10の表面11に着色表現される。
【0019】
さらに、モルタル4の硬化後にブロック基材10の表面11を切削加工して仕上げる。切削は切削工具を用いて行われる。切削加工は、超硬チップが取り付けられた切削ドラムを使用して行えばよい。チェーンソウタイプ等の切削工具を使用してもよい。
【0020】
切削ドラム6は、図3に図示されるようにその円筒状のドラム60の外周に多数の超硬チップ61が取り付けられたものであり、超硬チップ61は、通常一定の規則性を持ってドラム60の外周に配列されている。各超硬チップ61は図4(a)(b)に図示される保持部材(高さ調整部材)62に保持されてその六角形状の一つの角をなす切削刃部63をドラム60の外周から所定量突出して取り付けられている。
【0021】
また、超硬チップ61を保持する保持部材62は長さの異なるものがあり、超硬チップ61は大きさの異なるものがある。これらの超硬チップ61と保持部材62を適宜選択してドラム60の外周に取り付けることができるようになっている。
【0022】
次に、コンクリートブロック基材10の象嵌5が施された表面11に対する切削加工の態様を、主に図1(b)の象嵌形態について説明する。
【0023】
まず、図5に示されるように、切削工具に同じ大きさで同じ長さの保持部材62に保持された超硬チップ61を取り付けた場合、上記切削ドラムによってコンクリートブロック基材10の表面11を切削すると、図1(b)に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。これにより、表面に凹凸が出るだけでなく、象嵌5の境界は真正面からはあまり変わらないが、少し斜めから見ると、超硬チップ61に触れた境界線は削り取られるので、境界線は滑らかな線ではなく、ギザの多い波形又は鋸歯形となる。したがって、通常の象嵌とは異なる趣の象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0024】
次に、切削ドラムに同じ大きさで突出量の異なる保持部材62に保持された超硬チップ61を適宜取り付けて切削した場合の形態を図6に示す。
【0025】
上記切削加工によれば、図7に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。この場合の平行溝7は溝の深さが異なるので、象嵌5を含む表面51は不均一な凹凸面に仕上げられ、象嵌5の境界線も、大小のギザが複雑に入り乱れた波形又は鋸歯形となる。したがって、通常の象嵌とはさらに趣の異なる象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0026】
次に、切削加工は、切削ドラムに異なる大きさの超硬チップ61を取り付けて行なってもよい。
【0027】
上記切削態様によれば、図8に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。この場合の平行溝7は溝の大きさ、深さ及び間隔が異なるので、象嵌5を含む表面51はより不均一な凹凸面に仕上げられ、象嵌5の境界線も、大小のギザが複雑に入り乱れた鋸歯形となる。したがって、図9に示されるように、通常の象嵌とはかなり趣の異なる象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。表面は単に粗いというだけでなく、もっと立体感に富み、テクスチャー感のある仕上がりとなる。
【0028】
なお、上述の切削形態は、横型の切削ドラムを使用したものであるが、これに限定されない。縦型の切削ドラムによって切削加工してもよい。この場合、切削ドラムによって刻設された平行溝7が横方向に刻設された粗面となるので、縦型の切削ドラムによる切削加工の場合とは異なる趣のある象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0029】
上述のように、切削ドラム等の切削工具による上述の機能調整と、使用状態の変更策の組合せを適宜行なうことで、さらに表情が豊かで多様な趣のある文字やマーク、図柄等で表現された象嵌を施したコンクリートブロックを提供することができる。
【0030】
なお、切削加工によってコンクリートブロック基材10の表面11に形成される平行溝7は必ずしも直線に限定されない。例えば、円形や楕円や波形等に形成することができる。
【0031】
また、図10(a)〜(d)に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11の象嵌形成のための溝2や凹部3の側面形状を平面状の斜面又は曲面状の斜面として形成してもよい。
【0032】
例えば図10(a)又は(b)のように、上記溝2又は凹部3の一方の側面を垂直に、他方の側面を平面状の斜面として形成し、上述の要領で、上記溝2又は凹部3にブロック基材10とは異なる色に着色されたモルタル4を摺り込んで象嵌5を形成し、このブロック基材10の表面11を、例えば同じ大きさで同じ突出量の超硬チップ61が取り付けられた横型の切削ドラム6を用いて切削する。
【0033】
上記構成によれば、図11に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。溝2の垂直面22側の基材10と象嵌5との境界線L1は、真正面から見れば直線状であるが、他方の傾斜面側の境界線L2は、削り取られた部分と残った部分とによって滑らかな線ではなく、ギザの多い波形又は鋸歯形が強く出る境界となる。したがって、正面から見ても、通常の象嵌とは異なり、霞んだようにぼやけた線に仕上がる。
【0034】
これに対し、図10(c)又は(d)に示されるように、上記溝2又は凹部3の一方の側面を垂直に、他方の側面を曲面状の斜面として形成し、上記溝2にブロック基材10とは異なる色に着色されたモルタル4を摺り込んで象嵌5を形成し、このブロック基材10の表面11を、例えば同じ大きさで同じ突出量の超硬チップ61が取り付けられた横型の切削ドラム6を用いて切削したときは、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となるが、この場合は、斜面側は浅くなるに従い色が薄くなり着色によっては透けるようになるので、図12に示されるように、基材10と象嵌5の境界L3は霞んでぼやけた状態となり、顕著なグラデーション効果が得られる。
【0035】
なお、斜面は凹面状でも凸面状でもよい。
【0036】
また、境界線における上述の効果を得るための好適な直線状の斜面の角度は75度〜15度であり、円弧の半径は2R以上である。
【0037】
さらに、象嵌材料の配合をカラーモルタル4に種石41を加えた配合としてもよい。
【0038】
例えば、図13に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11に形成される象嵌5の摺り込み用のカラーモルタル4の材料を、該カラーモルタル4に種石41を加えた配合材とし、上述と同様の横型切削ドラム6を用いて該基材10の表面11を切削する。
【0039】
この切削により、象嵌5に種石41が露出してカラーモルタルに比べて質感のある仕上がりとなり、さらに基材10と象嵌5の境界線には、種石41の一部が露出するのでシャープな直線状を形成することなく、不規則な線となる。したがって、この場合も、研磨による象嵌に比べて質感のある、デザイン性の高い仕上がりにできる。なお、好適には種石41の直径は1mm〜5mm程度が良い。
【0040】
次に、いくつかの実施例を示す。
(実施例1)
(1)基材の形状・・・図15参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・628
水・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・0.16
顔料960・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・縦型切削ドラム使用
(4)使用した超硬チップ
ISO使用分類記号・・K05
材種・・・・・・・・・HTi05T
形状・・・・・・・・・六角(大)
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は直線であった(図16参照)。
【0041】
(実施例2)
(1)基材の形状・・・図15と同じ
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・628
水・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラムを使用
(4)使用した超硬チップ
ISO使用分類記号・・・・・・K10
材種・・・・・・・・・・・・・HTi10T
形状・・・・・・・・・・・・・六角(小)
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は波状となった(図17参照)
【0042】
(実施例3)
(1)基材の形状・・・図18参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・・0.16
顔料318・・・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラムを斜めに移動
(4)超硬チップ・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
基材と象嵌部との境界線が霞んでぼやけた(図19参照)。
【0043】
(実施例4)
(1)基材の形状・・・図21参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・・・31.4
(3)加工方法
横型切削ドラムに高さの異なる調整金具を取り付けた。
(4)超硬合金の種類・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
切削後の表面は凹凸となり、基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線が湾曲して見えた(図21参照)。
【0044】
(実施例5)
(1)基材の形状・・・図20と同じ
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・620
細骨材B、5mm下・・・・660
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラム使用
(4)超硬チップ・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は波状となった(図22参照)。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)(b)は本発明のコンクリートブロックを示す平面図
【図2】(a)(b)は上記コンクリートブロックの一部を破断して示す斜視図
【図3】切削加工に用いる切削工具の斜視図
【図4】(a)(b)は切削工具用の超硬チップを示す側面図
【図5】横型切削ドラムによってコンクリートブロック基材を切削する直前の説明図
【図6】突出量の異なる超硬チップを取付けた状態の切削ドラムの断面図
【図7】上記切削ドラムによって加工されたコンクリートブロックの一部の斜視図
【図8】突出量と大きさの異なる超硬チップを取付けた切削工具によって加工した状態のコンクリートブロックの一部の斜視図
【図9】写真によって示すコンクリートブロックの表面の切削状態説明図
【図10】(a)〜(d)はコンクリートブロック基材の溝又は凹部の形成態様を示す説明図
【図11】図11(a)(b)のコンクリートブロック基材に象嵌加工を施したときの表面の説明図
【図12】図11(c)(d)のコンクリートブロック基材に象嵌加工を施したときの表面を写真で示した説明図
【図13】種石を加えたモルタルが摺り込まれて象嵌が施されたコンクリートブロック基材表面の説明図
【図14】(a)(b)は切削の対象とされたブロック基材の平面図と側面図
【図15】実施例1に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図16】上記コンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図17】実施例2に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図18】実施例3に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図19】実施例3に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図20】実施例4に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図21】実施例4に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図22】実施例5に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【符号の説明】
【0046】
1 コンクリートブロック
2 溝
3 凹部
4 カラーモルタル
5 象嵌
6 切削ドラム
7 平行溝
10 コンクリートブロック基材
11 ブロック基材表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックの象嵌加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、公園や広場、街路等の敷き石、ビル等の床材等に、標識、地域情報、装飾等を表す手段として、文字やマーク、図柄等のカラーの象嵌が施されたコンクリートブロックがよく使用されている。これらのコンクリートブロックは、通常、該ブロックの成型時に、該ブロックの基材表面に所望の文字やマーク、図柄等に対応する溝や凹部を設けておき、ブロック基材の硬化後に、該ブロック基材の表面の所望の文字やマーク、図柄等に対応して設けた溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んだ後、ブロック基材の表面を研磨工具で研磨することによって製作されていた。したがって、文字や動物、花等の図柄等の境界が明確で光沢のある仕上がり面として表現されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、研磨加工による表面仕上げは平滑面に限定され、色の組み合わせだけでデザインするしかなく、表面デザインの可能性が狭かった。そのため、文字やマークなどによる情報伝達などに使われるケースが多かった。
【0004】
本発明では上記の問題点を解消し、コンクリートの象嵌技術のデザイン的可能性を大きく拡大した。すなわち、切削加工により表面にテクスチャー感のある仕上がりとし、さらにぼかしの技術や、立体感のある表面仕上がりを実現した。これらは従来の研磨仕上げでは不可能のことであり、コンクリートの象嵌技術によるデザインの可能性は大きく拡大されたことになる。
【0005】
本発明の適用対象の一つである建築用コンクリートブロックの分野では、従来、ほとんどが単一色のブロックが使われてきたが、象嵌による複数色で、切削テクスチャーやぼかし、立体感のある表面を生かしたデザインが可能となり、デザイン開発の可能性が広がった。また、従来建築ブロックの表面仕上げとして多く利用されてきたスプリット加工では、構造厚さに寄与しない化粧のための厚さが片側だけでも15mm前後あり、その分ブロックの重量が重くなり、輸送費が増える要因となっていた。本発明に使用する象嵌用モルタルにアクリルエマルジョンなどを添加すれば、基材ブロックとの接着力が向上し、両者が一体となるため、化粧のための厚さが無くなり、その分ブロック重量の軽減となり、輸送費の削減となるメリットもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、表面に所望の図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成型し、該ブロック基材の硬化後に該ブロック基材の上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝を形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面状の斜面として形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる多数の超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に関わる発明は、表面に所望の図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成形し、該ブロック基材の硬化後に該基材ブロックの上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工による複数の平行溝を形成方法であるから、従来のような印刷のような平面的な仕上がりではなく、境界部が細かく不規則な線となり、表面は単に粗いというだけでなく、もっと立体感に富み、テクスチャー感のある仕上がりとなる。
【0012】
請求項2に関わる発明によれば、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面上の斜面として形成されるので、コンクリートブロックの基材と象嵌の境界線がぼかし状となり、表面の切削テクスチャーと相まって、表情豊かな仕上がりとなる。
【0013】
請求項3に関わる発明によれば、上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されるので、コンクリートブロックの基材と象嵌の境界線が一層霞んでぼやけるグラデーション効果が得られる。
【0014】
請求項4に関わる発明によれば、上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされるため、切削加工を容易に行うことができる。
【0015】
請求項5に関わる発明によれば、上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことにより、切削面に立体的変化を与えることができ、平坦な面の仕上がりに比べて、表情豊かになり、デザイン的可能性は一層高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1(a)(b)に示されるコンクリートブロック1は、基材10の表面11に文字やマーク、図柄等で表現される象嵌5を施したものである。図1(a)(b)に示されるように、コンクリートブロックの基材10としては、例えば図14(a)(b)に示すようなものを利用すればよい。なお、象嵌加工は表裏両面でも片面でもよく、以下の形態では片面のみに象嵌加工を施したものについて説明する。
【0017】
すなわち、コンクリートブロック1の基材10が型枠へのコンクリートの流し込みにより、その表面11に図2(a)(b)に示されるような所望の文字やマーク、図柄等を表現するための溝2や凹部3が形成されて型枠成型される。ブロック基材10が完全に硬化した後に、該ブロック基材10の上記表面11に形成された上記溝2や凹部3内に所望の着色が施されたモルタル4が摺り込まれて象嵌5が形成される。
【0018】
上述の象嵌加工は、着色されたモルタル4を文字やマーク、図柄等の表現に応じて適宜選択して、上記溝2もしくは凹部3内に摺り込むことでなされ、上記文字やマーク、図柄等をコンクリートブロック基材10の表面11に着色表現される。
【0019】
さらに、モルタル4の硬化後にブロック基材10の表面11を切削加工して仕上げる。切削は切削工具を用いて行われる。切削加工は、超硬チップが取り付けられた切削ドラムを使用して行えばよい。チェーンソウタイプ等の切削工具を使用してもよい。
【0020】
切削ドラム6は、図3に図示されるようにその円筒状のドラム60の外周に多数の超硬チップ61が取り付けられたものであり、超硬チップ61は、通常一定の規則性を持ってドラム60の外周に配列されている。各超硬チップ61は図4(a)(b)に図示される保持部材(高さ調整部材)62に保持されてその六角形状の一つの角をなす切削刃部63をドラム60の外周から所定量突出して取り付けられている。
【0021】
また、超硬チップ61を保持する保持部材62は長さの異なるものがあり、超硬チップ61は大きさの異なるものがある。これらの超硬チップ61と保持部材62を適宜選択してドラム60の外周に取り付けることができるようになっている。
【0022】
次に、コンクリートブロック基材10の象嵌5が施された表面11に対する切削加工の態様を、主に図1(b)の象嵌形態について説明する。
【0023】
まず、図5に示されるように、切削工具に同じ大きさで同じ長さの保持部材62に保持された超硬チップ61を取り付けた場合、上記切削ドラムによってコンクリートブロック基材10の表面11を切削すると、図1(b)に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。これにより、表面に凹凸が出るだけでなく、象嵌5の境界は真正面からはあまり変わらないが、少し斜めから見ると、超硬チップ61に触れた境界線は削り取られるので、境界線は滑らかな線ではなく、ギザの多い波形又は鋸歯形となる。したがって、通常の象嵌とは異なる趣の象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0024】
次に、切削ドラムに同じ大きさで突出量の異なる保持部材62に保持された超硬チップ61を適宜取り付けて切削した場合の形態を図6に示す。
【0025】
上記切削加工によれば、図7に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。この場合の平行溝7は溝の深さが異なるので、象嵌5を含む表面51は不均一な凹凸面に仕上げられ、象嵌5の境界線も、大小のギザが複雑に入り乱れた波形又は鋸歯形となる。したがって、通常の象嵌とはさらに趣の異なる象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0026】
次に、切削加工は、切削ドラムに異なる大きさの超硬チップ61を取り付けて行なってもよい。
【0027】
上記切削態様によれば、図8に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。この場合の平行溝7は溝の大きさ、深さ及び間隔が異なるので、象嵌5を含む表面51はより不均一な凹凸面に仕上げられ、象嵌5の境界線も、大小のギザが複雑に入り乱れた鋸歯形となる。したがって、図9に示されるように、通常の象嵌とはかなり趣の異なる象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。表面は単に粗いというだけでなく、もっと立体感に富み、テクスチャー感のある仕上がりとなる。
【0028】
なお、上述の切削形態は、横型の切削ドラムを使用したものであるが、これに限定されない。縦型の切削ドラムによって切削加工してもよい。この場合、切削ドラムによって刻設された平行溝7が横方向に刻設された粗面となるので、縦型の切削ドラムによる切削加工の場合とは異なる趣のある象嵌5を施したコンクリートブロック1を提供することができる。
【0029】
上述のように、切削ドラム等の切削工具による上述の機能調整と、使用状態の変更策の組合せを適宜行なうことで、さらに表情が豊かで多様な趣のある文字やマーク、図柄等で表現された象嵌を施したコンクリートブロックを提供することができる。
【0030】
なお、切削加工によってコンクリートブロック基材10の表面11に形成される平行溝7は必ずしも直線に限定されない。例えば、円形や楕円や波形等に形成することができる。
【0031】
また、図10(a)〜(d)に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11の象嵌形成のための溝2や凹部3の側面形状を平面状の斜面又は曲面状の斜面として形成してもよい。
【0032】
例えば図10(a)又は(b)のように、上記溝2又は凹部3の一方の側面を垂直に、他方の側面を平面状の斜面として形成し、上述の要領で、上記溝2又は凹部3にブロック基材10とは異なる色に着色されたモルタル4を摺り込んで象嵌5を形成し、このブロック基材10の表面11を、例えば同じ大きさで同じ突出量の超硬チップ61が取り付けられた横型の切削ドラム6を用いて切削する。
【0033】
上記構成によれば、図11に示されるように、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となる。溝2の垂直面22側の基材10と象嵌5との境界線L1は、真正面から見れば直線状であるが、他方の傾斜面側の境界線L2は、削り取られた部分と残った部分とによって滑らかな線ではなく、ギザの多い波形又は鋸歯形が強く出る境界となる。したがって、正面から見ても、通常の象嵌とは異なり、霞んだようにぼやけた線に仕上がる。
【0034】
これに対し、図10(c)又は(d)に示されるように、上記溝2又は凹部3の一方の側面を垂直に、他方の側面を曲面状の斜面として形成し、上記溝2にブロック基材10とは異なる色に着色されたモルタル4を摺り込んで象嵌5を形成し、このブロック基材10の表面11を、例えば同じ大きさで同じ突出量の超硬チップ61が取り付けられた横型の切削ドラム6を用いて切削したときは、ブロック基材10の表面11と象嵌5の表面51は、引っかいたような多数の平行溝7が刻設された粗面となるが、この場合は、斜面側は浅くなるに従い色が薄くなり着色によっては透けるようになるので、図12に示されるように、基材10と象嵌5の境界L3は霞んでぼやけた状態となり、顕著なグラデーション効果が得られる。
【0035】
なお、斜面は凹面状でも凸面状でもよい。
【0036】
また、境界線における上述の効果を得るための好適な直線状の斜面の角度は75度〜15度であり、円弧の半径は2R以上である。
【0037】
さらに、象嵌材料の配合をカラーモルタル4に種石41を加えた配合としてもよい。
【0038】
例えば、図13に示されるように、コンクリートブロック基材10の表面11に形成される象嵌5の摺り込み用のカラーモルタル4の材料を、該カラーモルタル4に種石41を加えた配合材とし、上述と同様の横型切削ドラム6を用いて該基材10の表面11を切削する。
【0039】
この切削により、象嵌5に種石41が露出してカラーモルタルに比べて質感のある仕上がりとなり、さらに基材10と象嵌5の境界線には、種石41の一部が露出するのでシャープな直線状を形成することなく、不規則な線となる。したがって、この場合も、研磨による象嵌に比べて質感のある、デザイン性の高い仕上がりにできる。なお、好適には種石41の直径は1mm〜5mm程度が良い。
【0040】
次に、いくつかの実施例を示す。
(実施例1)
(1)基材の形状・・・図15参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・628
水・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・0.16
顔料960・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・縦型切削ドラム使用
(4)使用した超硬チップ
ISO使用分類記号・・K05
材種・・・・・・・・・HTi05T
形状・・・・・・・・・六角(大)
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は直線であった(図16参照)。
【0041】
(実施例2)
(1)基材の形状・・・図15と同じ
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・628
水・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラムを使用
(4)使用した超硬チップ
ISO使用分類記号・・・・・・K10
材種・・・・・・・・・・・・・HTi10T
形状・・・・・・・・・・・・・六角(小)
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は波状となった(図17参照)
【0042】
(実施例3)
(1)基材の形状・・・図18参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・・0.16
顔料318・・・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラムを斜めに移動
(4)超硬チップ・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
基材と象嵌部との境界線が霞んでぼやけた(図19参照)。
【0043】
(実施例4)
(1)基材の形状・・・図21参照
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・1258
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・・・31.4
(3)加工方法
横型切削ドラムに高さの異なる調整金具を取り付けた。
(4)超硬合金の種類・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
切削後の表面は凹凸となり、基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線が湾曲して見えた(図21参照)。
【0044】
(実施例5)
(1)基材の形状・・・図20と同じ
(2)象嵌部の材料配合(単位kg/m3)
普通セメント・・・・・・・628
水・・・・・・・・・・・・198
細骨材A・・・・・・・・・620
細骨材B、5mm下・・・・660
混和剤・・・・・・・・・・100
増粘剤・・・・・・・・・0.16
顔料663・・・・・・・31.4
(3)加工方法・・・横型切削ドラム使用
(4)超硬チップ・・・実施例2のものと同じ
(5)結果
基材コンクリートブロックとの象嵌部との境界線は波状となった(図22参照)。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)(b)は本発明のコンクリートブロックを示す平面図
【図2】(a)(b)は上記コンクリートブロックの一部を破断して示す斜視図
【図3】切削加工に用いる切削工具の斜視図
【図4】(a)(b)は切削工具用の超硬チップを示す側面図
【図5】横型切削ドラムによってコンクリートブロック基材を切削する直前の説明図
【図6】突出量の異なる超硬チップを取付けた状態の切削ドラムの断面図
【図7】上記切削ドラムによって加工されたコンクリートブロックの一部の斜視図
【図8】突出量と大きさの異なる超硬チップを取付けた切削工具によって加工した状態のコンクリートブロックの一部の斜視図
【図9】写真によって示すコンクリートブロックの表面の切削状態説明図
【図10】(a)〜(d)はコンクリートブロック基材の溝又は凹部の形成態様を示す説明図
【図11】図11(a)(b)のコンクリートブロック基材に象嵌加工を施したときの表面の説明図
【図12】図11(c)(d)のコンクリートブロック基材に象嵌加工を施したときの表面を写真で示した説明図
【図13】種石を加えたモルタルが摺り込まれて象嵌が施されたコンクリートブロック基材表面の説明図
【図14】(a)(b)は切削の対象とされたブロック基材の平面図と側面図
【図15】実施例1に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図16】上記コンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図17】実施例2に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図18】実施例3に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図19】実施例3に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図20】実施例4に使用されたコンクリートブロックの平面図
【図21】実施例4に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【図22】実施例5に使用されたコンクリートブロックに切削加工を施したときの表面の説明図
【符号の説明】
【0046】
1 コンクリートブロック
2 溝
3 凹部
4 カラーモルタル
5 象嵌
6 切削ドラム
7 平行溝
10 コンクリートブロック基材
11 ブロック基材表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に所望の文字や図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成型し、該ブロック基材の硬化後に該ブロック基材の上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝を形成することを特徴とするコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項2】
上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面状の斜面として形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項3】
上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項4】
上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項5】
上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる多数の超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことを特徴とする請求項4に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項1】
表面に所望の文字や図柄等に対応する溝や凹部を設けたコンクリートブロック基材を成型し、該ブロック基材の硬化後に該ブロック基材の上記表面の溝や凹部に異なる色のモルタルを摺り込んで象嵌を施し、上記モルタルの硬化後に上記象嵌部分を含む表面には、切削加工により複数の平行溝を形成することを特徴とするコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項2】
上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、平面状の斜面として形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項3】
上記コンクリートブロック基材の表面の溝や凹部の側面は、曲面状の斜面として形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項4】
上記表面の切削加工は、多数の超硬チップを取り付けた切削ドラムやチェーンソウタイプの切削工具を用いてなされることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【請求項5】
上記切削ドラムには、高さや大きさが異なる多数の超硬チップを適宜選択して取り付け可能としたことを特徴とする請求項4に記載のコンクリートブロックの象嵌加工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図9】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図9】
【図12】
【公開番号】特開2010−120810(P2010−120810A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295884(P2008−295884)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(594033260)エスビック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(594033260)エスビック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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