説明

コンクリートブロック成型機のパレット供給装置

【課題】 昇降台振動用のベルトにパレットホールドアーム及びその先端のストッパーに駆動ベルトが接触することがあった。
【解決手段】 本発明のパレット供給装置は、往復移動可能なパレット押出機構によってレールの上の空パレットをコンクリートブロック成型機の昇降台側に送り出して昇降台の上にあるブロック搭載パレットを昇降台の外に突出すと共に突出し後の昇降台の上に前記空パレットをのせるパレット供給装置であり、レールの両外側にブレーキローラーを設け、ブレーキローラーはパレット押出機構又は空パレットが所定位置に来たことを検知する検知機からの指示により作動して、移動中の空パレットを両側から挟んで昇降台の上の所定位置に停止させる。また、ブレーキローラーの制動力を、パレット押出機構による空パレットの送り出しが停止すると所定位置に停止する強さにして、空パレットが昇降台の所定位置に自動停止するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は即時脱型方式のコンクリートブロック成型機(以下単に「ブロック成型機」という。)のパレット供給装置に関し、コンクリートブロック成型枠(以下単に「ブロック成型枠」という。)の下面開口部の下に宛がわれる空パレットを、ブロック成型機の昇降台の上に送り出すと同時に昇降台の上のブロック搭載パレットを昇降台の外に送り出すためのものである。
【背景技術】
【0002】
即時脱型方式のブロック成型機には大別してテーブル振動方式と型枠振動方式がある。テーブル振動方式の一つに、次のようにしてコンクリートブロック(以下単に「ブロック」という。)を成型するものがある。
(1)図7(a、b)のように、パレット供給装置のパレットプッシャーAを油圧或いは電動機で前進させて、空パレットBをレールC上でスライドさせて振動テーブルDの真上に供給する。供給後、パレットプッシャーAは後退して前進前の位置に戻る。
(2)図8(a)のように、防振ゴムEを介して振動テーブルDを支持しているレシーバーFをシリンダGにて上昇させ、型枠Hの底面に空パレットBを押し付ける。
(3)図8(b)、図8(c)のように、型枠H内にその上方からコンクリートを流し込み、プレス機Iによるプレス及び振動テーブルDの振動で型枠H内のコンクリートを所定の高さ寸法になるまで締め固める。
(4)図8(d)に示すように、ブロックJを挟むようにしてプレス機IとレシーバーFのシリンダGを下降させ、ブロックJを脱型して空パレットBの上に載せる。
(5)再びパレットプッシャーAで空パレットBを後方から押し出すことで、テーブル上のブロック搭載パレットKを外に押出して空パレットBと置き替える。
(6)上記(1)〜(5)の工程を繰り返して、ブロックJを繰り返し成型する。
(7)ブロック搭載パレットKは図示されていない搬送装置によって養生室に運び込まれ、その中で硬化させて最終製品とする。
【0003】
前記パレットBやレールCは通常は鋼鉄製であると同時に、パレットBと養生後のブロックJを剥がれやすくするために、油をパレットBの搭載面(上面)に塗布しているので滑りやすくなっている。このため、パレットBの押出し(突出し)速度を速くすると、振動テーブルD上に送り出されたパレットBがオーバーランして、レシーバーFの上昇時にモールド下面のパレット案内ガイドXに突っかけて、パレットを曲げてしまうという不具合がある。そのため、突き出し速度を落としてゆっくり移動させることで、オーバーランを防いでいるのが実情である。しかし、これではブロックJの成型に時間が掛かり、生産効率が著しく低下してしまう。
【0004】
前記課題を解決するため、本件出願人は先に図9(a、b)に示すようなパレット供給装置を開発し特許を得ている(特許文献1参照。)。このパレット供給装置はパレットプッシャーAの本体両脇からパレットホールドアームLを伸ばし、そのアームLの先端にストッパーMを設け、空パレットBを抱かかえるようにして、前記ストッパーMで空パレットBを振動テーブルDの上にセットして、空パレットBのオーバーランを防ぐようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】特許第2500481号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1のパレット供給装置の動作は、パレットプッシャーAを前進させ、空パレットBを前進させてブロック搭載パレットKを空パレットBで突き出し、レシーバーFを上昇させてからパレットプッシャーAを後退させる。
【0007】
ところが、本方式のレシーバーFには図10のように振動テーブルDと、これを駆動するための電動機N、駆動ベルトO等の動力伝達装置が搭載され、それらが一体となって上昇、下降する構造となっているため、レシーバーF上昇時に図11のように、パレット両脇にあるパレットホールドアームLに駆動ベルトOが干渉する不具合が生じる。この干渉を避けるために、振動テーブルD上面からの振動軸の位置を下げると、必要以上に振動テーブルDが大きくなったり、装置全体の高さが増したりする不都合が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、パレット押出機構の押し出し速度を落とすことなくパレットを所定位置で確実に停止させることができ、空パレットとブロック搭載パレットの入れ替えもスムースに行うことができ、成型時間の短縮を図り、生産性を向上させると共に装置の振動方式や成型ブロックの高さ寸法等の違いに関係なく適用でき、汎用性が高く、しかも、昇降する昇降台に接触もしないコンクリートブロック成型機のパレット供給装置を提供するものである。
【0009】
本件出願のコンクリートブロック成型機のパレット供給装置は、請求項1記載のように、往復移動可能なパレット押出機構によってレールの上の空パレットをコンクリートブロック成型機の昇降台側に送り出してその空パレットによって昇降台の上にあるコンクリートブロック搭載パレットをその後方から昇降台の外に突き出すと共に突き出し後の昇降台の上に前記空パレットをのせるパレット供給装置であり、前記レールの両外側にブレーキローラーを設け、ブレーキローラーはパレット押出機構又はそれにより送り出される空パレットが所定位置に到来したことを検知する検知機からの指示により作動して、前記空パレットを送り出し途中で両側から挟んで制動して昇降台の上の所定位置に停止させるようにした。この場合、請求項2記載のように、ブレーキローラーの制動力を、パレット押出機構による空パレットの送り出しが停止すると所定位置に停止する強さにして、空パレットが昇降台の所定位置に自動停止するようにするのが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本件出願の請求項1記載のコンクリートブロック成型機のパレット供給装置は次のような効果がある。
(1)レールの両外側に設けたブレーキローラーで、昇降台の上に送り出す途中の空パレットを両側から挟んで昇降台の上の所定位置に停止させるようにしてあるため、空パレットのオーバーランを防止できる。このため、空パレットによるブロック搭載パレットの突き出し速度を、ブロックが崩れたり、滑ったりしない範囲で最大限に速くすることができ、成型時間の短縮化が可能となり、ひいては生産性の向上を図ることができる。
(2)コンクリートブロック成型機の振動方式やブロックの高さ寸法の違いに左右されることなく適用できるので、汎用性が高く応用範囲が広がる。
(3)ブレーキローラーと検知機を設けることにより実現できるので、前記特許第2500481号のオーバーラン防止付きパレット供給装置よりも構造が簡単で安価である。また、オーバーラン防止機構の無い既存のパレット供給装置にも簡易に設置できる。
【0011】
本件出願の請求項2記載のコンクリートブロック成型機のパレット供給装置は、ブレーキローラーの制動力を、パレット押出機構による空パレットの送り出しが停止すると停止する強さにしてあるため、パレット押出機構の停止位置を設定することにより、空パレットはパレット押出機構の停止位置に自動的に確実に停止するという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施形態1)
本発明のパレット供給装置は舗装用ブロックを成型するテーブル振動方式のブロック成型機にも、空洞ブロックを成型する型枠振動方式の成型機にも応用できるが、この実施形態1は前者のブロック成型機に応用した場合である。
【0013】
実施形態1のパレット供給装置1は図1(a、b)〜図3(a、b)に示すように、供給装置1のフレーム5の内側に空パレット4をのせるパレットレール6、空パレット4をパレットレール6の上を移送させて送り出すパレット押出機構8、パレット押出機構8が走行する走行レール7が設けられ、フレーム5の幅方向両外側にブレーキローラー9が配置されている。
【0014】
前記フレーム5は鋼材製であり、支持脚の上に左右の側板25、26が設けられ、上面及び下面、前面及び後面が開口している前後に細長の角形枠状である。
【0015】
前記パレットレール6はフレーム5の左右両側板25、26の内面上端部に一本ずつ、計二本が平行に取付けられている。パレットレール6は鋼材製の角棒であり、その長さは図1(a、b)に示すように空パレット4の長さよりも長くして、二本のパレットレール6の上に空パレット4が跨った状態で載るようにしてある。
【0016】
前記パレット押出機構8は押出機本体の底面四隅に走行ローラー33が取り付けられ、その走行ローラー33が走行レール7上に支持され、走行ローラー33がラック10及びピニオン11により走行レール7上を前後に往復走行できるようにし、前方移動時に押出機本体の先端幅方向両側二箇所に前方に突出している押し駒31により空パレット4を前方に押して、ブロック成型機2の昇降台3の上に脱型済のブロック20が載置されたブロック搭載パレット35がある場合はそのパレット35を突き出しながら昇降台3の上に載せ、載せ終えたら後退して元の位置に戻るようにしてある。本発明では前記前進により空パレット4が所定位置(昇降台3に乗り始める位置)まで到来すると、フレーム5の両外側に一つずつ設けられている前記二つのブレーキローラー9により空パレット4の両側面を挟着して空パレット4の移動を制動して、空パレット4のオーバーランを防止して、昇降台3の上の所定位置で停止できるようにしてある。
【0017】
前記押出機本体は上板29の幅方向両側下方に側板30を備えた下向きコ字状であり、夫々の側板の先端側と後端側(底面四隅)に走行ローラー33が回転自在に取り付けられ、一方の側板の後方の走行ローラー33の下にピニオンが回転自在に取り付けられ、同側板のピニオン11の前方にモーター(駆動源)32が取り付けられている。
【0018】
前記走行レール7は金属製の角棒であり、押出機本体の夫々の側板30の内面であって前記パレットレール6より低い位置に一本ずつ、計二本が側板30の前後方向に平行に取り付けられている。走行レール7は押出機本体8を移動させて空パレット4を昇降台3の上に送り出すものであるためフレーム5の先端から後端に亘る長さとしてある。この走行レール7の上に前記四つの走行ローラー33が支持されている。
【0019】
前記一方の走行レール7の底面長手方向には金属製のラック10が下向きに固定されており、このラック10と前記ピニオン11が噛み合って、ピニオン11が前記モーター32の動力で回転すると、ピニオン11がラック10に沿って前進し、それに伴って押出機本体が前進し、モーター32が逆回転するとピニオン11も逆回転してピニオン11が後退し、それに伴って押出機本体が後退し、この前進後退により押出機本体が走行レール7上を前後に往復移動できるようにしてある。前記のようにラック10の歯を下向きにするのは歯に塵芥や油分等が溜まらないようにして、ピニオン11との噛み合いを確実にするためである。
【0020】
前記ブレーキローラー9は図4に示すように、回転軸上部に回転自在に取り付けられたローラー40と、摩擦板42と、固定板43とを備えており、給気口から供給される空気圧によって摩擦板42が上昇して固定板43と接触するとローラー40の回転が規制されるようにしてある。
【0021】
前記ブレーキローラー9は、フレーム5の夫々の側板25、26の先端寄り外側に突出させたアーム(図1)に取り付けられた支軸36の上端側にL字状のクランク板37が図4のように上下に二枚一組で取り付けられ、二枚のクランク板37の先端部間にローラー40が水平回転自在に取付けられ、クランク板37の後端部に開閉用シリンダ38のロッド39が連結されている。この開閉用シリンダ38には、油圧シリンダ、エアシリンダ等、任意のものを用いることができる。
【0022】
前記ローラー40の下にはその回転を制動する油圧式或いはエアー式のブレーキ機構41を備えている。前記ブレーキローラー9は図1(a)の非制動時にはクランク板37がロッド39により後方に引かれ、ローラー40が空パレット4から離れてそれに接触しない。図2(a)、図3(a)に示す制動時には開閉用シリンダ38が作動してロッド39が前方へ押出され、それに伴ってクランク板37が支軸36を中心に水平回転してローラー40の外周面が空パレット4の外側面に接触するようにしてある。空パレット4に接触したローラー40は回転しながら空パレット4を制動する。従って、左右両側のブレーキローラー9を同時に作動させることで、移動中の空パレット4を両側から挟んでその移動を制動し、前記パレット押出機構8による押しが停止すると空パレット4が昇降台3上の所定位置に自動的に停止するようにしてある。ローラー40の制動力は、送り出す空パレット4の質量、送り出し速度、空パレット4とローラー40の摩擦力に応じて自在に調整可能とすることができる。また、前記ローラー40は空パレット4への非接触時にはフリーの回転状態にしておき、空パレット4の挟着と同時にブレーキ機構41によって制動がかかるようにすることも、非接触時にも弱い制動を掛けておき、空パレット4の挟着と同時にブレーキ機構41によって制動を強くすることもできる。
【0023】
図1(b)、図2(b)に示すように、フレーム5の内側であってパレット押出機構8の移動径路上には検知スイッチ12が取付けられている。この検知スイッチ12はブレーキローラー9の始動タイミングをとるためのスイッチであり、この実施形態ではリミットスイッチが使用されている。検知スイッチ12は空パレット4を押し出すパレット押出機構8が通過すると接触してブレーキローラー9を作動させる始動信号を発するようにしてある。左右のブレーキローラー9は検知スイッチ12から送られる始動信号を受信すると作動して図2(a)に示すように昇降台3上に送り出す途中の空パレット4の両側面をローラー40によって両外側から挟む。空パレット4はローラー40によって挟まれたままパレット押出機構8により押されるがオーバーラン(昇降台3の上の行き過ぎ)は防止され、パレット押出機構8による押出しが停止されると自動的に図3(a、b)のように昇降台3の上の所定位置に停止するようにしてある。この停止位置はそのまま昇降台3を上昇させれば空パレット4がブロック成型機2の成型型枠17の下面開放部を閉塞できる位置としてある。
【0024】
図5(a)〜(d)に示すブロック成型機2は既存のものであり、ブロック成型型枠17の下方に昇降台3と昇降シリンダ15と振動機構16を備え、ブロック成型型枠17の上方にプレス機18とプレスシリンダ19が備えられている。このブロック成型機2は孔無しのブロック20成型用のものである。
【0025】
(使用例1)
本発明のパレット供給装置1を用いて空パレット4を昇降台3の所定位置に配置してコンクリートブロック20を成型し、その後、昇降台3の所定位置に別の空パレット4を送り出すことによって、昇降台上の脱型済のコンクリートブロック20が載置されたブロック搭載パレット35を押して、そのブロック搭載パレット35を昇降台3外に押し出すには、以下のようにする。
【0026】
(1)パレットレール6上にパレットがない間は、パレット供給装置1のパレット押出機構8は、走行レール7の最後部まで移動した状態で待機している(図1ab参照)。この時は、左右のブレーキローラー9も開いている。
(2)昇降台3上へ送り出す空パレット4が運ばれて来てパレットレール6上に載せられると、パレット押出機構8のモーター32が作動して、ピニオン11を回転させてパレット押出機構8を前に移動させて、押し駒31を空パレット4の後端部に押し当て、空パレット4を前方に向けて押し始める(図1ab参照。)。
(3)そのまま、パレット押出機構8の移動に合わせてパレットレール6上の空パレット4を昇降台3方向へ移動させる。
(4)空パレット4が昇降台3上に乗り移り始める位置までパレット押出機構8を移動させると、パレット押出機構8の移動径路上の検知スイッチ12がパレット押出機構8を検知する。
(5)検知スイッチ12がパレット押出機構8を検知すると、検知スイッチ12からの始動信号によって左右のブレーキローラー9の開閉用シリンダ38が作動してロッド39が前方に押し出され、クランク板37の後側の端部が前方へ押し出され、クランク板37が支軸36を中心に水平回転して左右のローラー40によって移動中の空パレット4を挟む(図2ab参照。)。
(6)空パレット4をローラー40によって挟んだままパレット押出機構8を所定位置まで押し出して、空パレット4を昇降台上の所定位置に停止させる。昇降台3上に載せられた空パレット4は、そのまま昇降台3を上昇させれば空パレット4が成型型枠17の下面開放部を閉塞できる位置に停止される(図3ab参照。)。
【0027】
(7)空パレット4が所定位置に停止したら、左右のブレーキローラー9の開閉用シリンダ38が作動してロッド39が後退し、クランク板37の後端部が後方へ引かれ、左右のローラー40が開いて空パレット4を解放する。
(8)空パレット4が左右のローラー40から解放されたら、図5(a)に示すように、昇降シリンダ15で成型機2の昇降台3を上昇させ、空パレット4によってブロック成型型枠17の下面開放部を宛がってブロック成型型枠17の下部を閉塞する。この間に、パレット押出機構8は駆動源32を逆回転させて後方へ移動し、再び待機位置に戻る。
(9)ブロック成型型枠17の下面開放部を空パレット4によって閉塞したら、図5(b)に示すように、ブロック成型型枠17内にコンクリート材料21を充填する。
(10)ブロック成型型枠17内にコンクリート材料21を充填したら、振動機構16を作動させて、成型型枠17を上下に振動させて、コンクリート材料21の流動性を向上させて、自重でコンクリート材料21をある程度詰める。このとき、成型型枠17の下面に押し付けられたパレット4は、防振ゴム22を介して昇降台3によって押し付けられているため、成型型枠17の上下振動中も成型型枠17の下面から離れることはない。
(11)ある程度コンクリート材料21が詰まったら、図5(c)に示すように、成型型枠17の上方に設けられたプレス機18をプレスシリンダ19によって下方へ押し下げて、プレス機18によって成型型枠17内のコンクリート材料21を上から押圧すると同時に上下振動を加えて、成型型枠17内のコンクリート材料21が所定高さになるまで締め固める。
(12)コンクリート材料21を所望の高さまで締め固めたら、振動機構16を停止し、図5(d)に示すように、昇降シリンダ15及びプレスシリンダ19によって昇降台3とプレス機18を同時に下降させ、締め固められたコンクリート材料21(ブロック20)が、パレット4とプレス機18に挟まれるようにして成型型枠17から抜ける。
(13)脱型が完了すると、パレット上にブロック20が乗った状態となる。脱型済のブロック20が載せられたブロック搭載パレット35は、昇降台3上に載置されている。
【0028】
(14)ブロック搭載パレット35が昇降台3上に載置されている状態で、昇降台3上へ送り出す新しい空パレット4が運ばれて来て図1(a、b)に示すようにパレットレール6上に載せられると、パレット押出機構8のモーター32が再び作動し、ピニオン11を回転させてパレット押出機構8を前に移動させて、押し駒31を空パレット4の後端部に押し当て、空パレット4を前方に向けて押し始める。
(15)そのまま、パレット押出機構8の移動に合わせてパレットレール6上の空パレット4を昇降台3方向へ移動させると、押し出される空パレット4の進行方向先端部が、昇降台3上のブロック搭載パレット35の後端部に突き当たる。
(16)そのままパレット押出機構8を移動させて、空パレット4によってブロック搭載パレット35を押して、図2(a、b)に示すように、ブロック搭載パレット35を昇降台3から滑らせて(スライドさせて)押し出す(突き出す)。
(17)ブロック搭載パレット35を昇降台3外へ押し出し、空パレット4が昇降台3上に乗り移り始める位置までパレット押出機構8を移動させると、パレット押出機構8の移動径路上の検知スイッチ12がパレット押出機構8を検知する。
(18)検知スイッチ12がパレット押出機構8を検知すると、検知スイッチ12からの始動信号によって左右のブレーキローラー9の開閉用シリンダ38が作動してロッド39が前方に押し出され、クランク板37の後端部が前方へ押し出され、クランク板37が支軸36を中心に水平回転して左右のローラー40によって移動中の空パレット4を挟む(図2ab参照。)。
(19)空パレット4をローラー40によって挟んだままパレット押出機構8を所定位置まで押し出して、図3(a、b)に示すように、空パレット4を昇降台3上の所定位置に停止させる。これにより、ブロック搭載パレット35は完全に昇降台3外へ送り出される。昇降台3に載せられた空パレット4は、そのまま昇降台3を上昇させれば空パレット4が成型型枠17の下面開放部を閉塞できる位置に停止される。
以後、連続してブロックを成型し、空パレット4を昇降台3上に供給する場合は、上記(7)〜(19)の工程を繰り返して行う。
【0029】
(実施形態2)
ブロック成型型枠17は、前記のようなテーブル振動方式のブロック成型機2によって孔無しブロック20を成型するものには限られず、図6(a)〜(c)に示すような、型枠振動方式のブロック成型機2によって貫通孔50のあるブロック51を成型するものとすることもできる。その場合、成型型枠17は、図6(a)に示すような、貫通孔成型用の中子52が内側に備えられたものとされる。
【0030】
(実施形態3)
フレーム5の左右側板に取付けられる走行レール7は、前記のように左右一本ずつ備えられる場合には限られず、左右二本ずつ、上下一組にして備えることもできる。その場合、パレット押出機構8の走行ローラー33は上下の走行レール7間に備えられる。これにより、移動中のパレット押出機構8が上下に揺動することなく、安定して空パレット4を押し出すことができるようになる。
【0031】
(実施形態4)
パレット押出機構8を検知して、ブレーキローラー9を作動させる指示を発信する検知機は、前記検知スイッチ12(リミットスイッチ)には限られず、例えば光センサ、近接センサ等、パレット押出機構8を検知して、ブレーキローラー9を作動させる指示を発信可能なものであれば、任意のものとすることができる。また、検知機は、移動してくるパレット押出機構8を検知するものには限られず、移動してくる空パレット4を検知してブレーキローラー9を作動させる指示を発信するようにすることもできる。その場合には、検知機は空パレット4の移動径路上に配置することが望ましい。
【0032】
(その他の実施形態)
ブレーキローラー9は、前記のようにパレット押出機構8又は空パレット4を検知した検知機からの始動信号で作動するようにしたものには限られず、パレット押出機構8が待機位置から昇降台3側へ移動しはじめてから所定時間経過後に自動的に作動するタイマー式のものとすることもできる。パレット押出機構8が待機位置から昇降台3側へ移動しはじめてからブレーキローラー9が作動するまでの時間は、任意とすることができる。従って、例えば、パレット押出機構8が待機位置から昇降台3側へ移動しはじめてから0.1秒程度経過後に自動的にブレーキローラー9が作動するようにしておくこと等が可能である。
【0033】
また、左右のブレーキローラー9を閉じるタイミングも、前記のように、空パレット4が昇降台3上に乗り移り始めた時点に限られず、任意のタイミングとすることもできる。もっとも、パレット押出機構8の移動速度が走行レール7の中央部〜先端部付近で減速する前に左右のブレーキローラー9を閉じて空パレット4の制動を開始することが、パレット押出機構8による押し力のロスが少なくなって効率的であり、望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のパレット供給装置は、前記コンクリートブロックの成型機には限られず、即時脱型可能なU字溝、側溝板等のコンクリート二次製品の成型機にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)、(b)は本発明のパレット供給装置の実施形態の一例を示す説明図。(a)は平面説明図、(b)は正面説明図。
【図2】(a)、(b)は図1に示すパレット供給装置において、空パレットを成型機の昇降台上に押し出す様子を示す説明図。(a)は平面説明図、(b)は正面説明図。
【図3】(a)、(b)は図1に示すパレット供給装置において、空パレットを成型機の昇降台上に停止させた様子を示す説明図。(a)は平面説明図、(b)は正面説明図。
【図4】図1に示すパレット供給装置のブレーキローラーを示す正面説明図。
【図5】(a)〜(d)は本発明のパレット供給装置を用いるコンクリートブロック成型機を示す側面説明図。(a)は成型前、(b)は給材工程、(c)はプレス工程、(d)は脱型工程を夫々示す。
【図6】(a)〜(c)は、本発明のパレット供給装置の実施形態の他の一例を示す説明図。(a)は、側面説明図、(b)は平面説明図、(c)は正面説明図。
【図7】(a)、(b)は、従来のパレット供給装置の実施形態の一例を示す説明図。(a)は平面説明図、(b)は正面説明図。
【図8】(a)〜(d)は、従来のパレット供給装置を用いるコンクリートブロック成型機を示す側面説明図。(a)は成型前、(b)は給材工程、(c)はプレス工程、(d)は脱型工程を夫々示す。
【図9】(a)、(b)は、従来のパレット供給装置の実施形態の他の一例を示す説明図。(a)は平面説明図、(b)は正面説明図。
【図10】図9に示すパレット供給装置を備えたコンクリートブロック成型機を示す成型前の側面説明図。
【図11】図9に示すパレット供給装置を備えたコンクリートブロック成型機を示す給材工程の側面説明図。
【符号の説明】
【0036】
1 パレット供給装置
2 成型機
3 昇降台
4 空パレット
5 フレーム
6 パレットレール
7 走行レール
8 パレット押出機構
9 ブレーキローラー
10 ラック
11 ピニオン
12 検知スイッチ
15 昇降シリンダ
16 振動機構
17 ブロック成型型枠
18 プレス機
19 プレスシリンダ
20 ブロック
21 コンクリート材料
22 防振ゴム
31 押し爪
32 駆動源
33 走行ローラー
34 ベルト
35 ブロック搭載パレット
36 支軸
37 クランク板
38 開閉用シリンダ
40 ローラー
41 ブレーキ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット用レールの上の空パレットを、往復移動可能なパレット押出機構によってコンクリートブロック成型機の昇降台の上に送り出し、送り出した空パレットによって昇降台の上にあるコンクリートブロック搭載パレットをその後方から昇降台の外に突き出すと共に突き出し後の昇降台の上に前記空パレットをセットするパレット供給装置であって、前記レールの両外側にブレーキローラーを設け、ブレーキローラーはパレット押出機構又はそれにより押されて移動する空パレットが所定位置に到来したことを検知する検知機からの指示により作動して、前記空パレットを送り出し途中で両側から挟んで制動して、昇降台の上の所定位置に停止させることを特徴とするコンクリートブロック成型機のパレット供給装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリートブロック成型機のパレット供給装置において、ブレーキローラーの制動力が、パレット押出機構による空パレットの送り出しが停止すると昇降台の所定位置に自動停止する強さであることを特徴とするコンクリートブロック成型機のパレット供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−80774(P2008−80774A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266805(P2006−266805)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000142687)株式会社桂機械製作所 (5)
【Fターム(参考)】