説明

コンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システム

【課題】コンクリート打設空間に確実にコンクリートを密実に打設するようにコンクリートの打設管理を行うことが可能なコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムを提供する。
【解決手段】コンクリート打設空間1bの上方に配設したセンサ2によって、コンクリートCの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面C1との距離を計測し、このセンサ2から出力された計測値を受けた演算表示装置3によって、計測値を基にコンクリート高さT1を演算してリアルタイムで表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート打設空間にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
S造、RC造、SRC造に比べて耐震性能や耐火性能に優れるなど多くの利点を有することから、低層から超高層の建物の柱などに、鋼管にコンクリートを充填してなるCFT造(Concrete Filled Steel Tube:コンクリート充填鋼管構造)を採用するケースが多くなっている。
【0003】
また、例えばCFT造を建物の柱に採用したCFT柱を施工する際には、鋼管の内部にコンクリートを充填する方法として、トレミー管や圧送管などを鋼管の上端(柱頂部)から内部に挿入配置してコンクリートを打設してゆく落し込み充填工法、あるいは鋼管の下端側(柱脚部)に形成した圧入口に圧送管を接続し、コンクリートポンプなどによって鋼管の下端側からコンクリートを連続的に圧入して打設してゆく圧入工法が用いられている。
【0004】
このようなCFT柱の施工においては、一般に他のコンクリート構造と比較して1回の打設高さを高くし連続的にコンクリートを打設する関係上、特にダイヤフラムを備えた鋼管を用いる場合など、打設速度を速くすると空気だまりが発生しやすくなったり、材料分離が生じやすくなる。また、打設速度を遅くするとコンクリートの流動性が低下してやはり密実に充填することができなくなってしまう。このため、特に圧入工法を用いてコンクリート打設を行う際には、例えば1m/分程度の打設速度を基準として設定し、この設定速度を確保しながらコンクリートを打設することが、CFT柱の性能を確保する上で重要になる。
【0005】
また、従来、圧入工法においては、鋼管の内部にコンクリートを打設する際に鋼管をたたき、コンクリートを圧入するとともに下方から上方に変位(上昇)するコンクリート面を境に上部と下部の打音の違いによって、すなわち鋼管の内部のコンクリートが打設されていない部分とコンクリートが打設された部分の打音の違いによって、コンクリートが鋼管内部に充填され所定の打設速度に応じて健全に上昇していることを確認するようにしている。
【0006】
一方、例えば特許文献1に、高流動コンクリートを型枠に打設する方法が開示されており、この方法では、型枠の上辺に沿って並べられた複数のレーザ変位計(レーザ距離計)と型枠の底辺に並べて埋設された複数のロードセルとをセンサとして使用し、コンクリートの打設時に、これらセンサからの出力を制御器(パソコン)に入力して、この制御器でコンクリートの流動速度(打設速度)を計算させる。そして、計算された流動速度が許容流動速度範囲外である場合に、コンクリートを供給するプレーサの圧力調整を行ってコンクリートの流入量を調整することでコンクリート(コンクリート製品)の品質を確保するようにしている。
【特許文献1】特開平11−34030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特にCFT柱の施工においては、鋼管内に打設されるコンクリートを施工管理者が外側から見ることができないために、上記のように、鋼管をたたき、コンクリートが打設されていない部分とコンクリートが打設された部分の打音の違いによってコンクリートの打設管理を行うようにしているが、このような打音による管理では、コンクリートを圧入するとともに時々刻々と下方から上方に変位するコンクリート面の位置(コンクリート高さ)を正確に捉えることができないため、正確にコンクリートが密実に充填されているか否かを判別することが困難であり、CFT柱の品質を確保して施工を行うことが難しいという問題があった。
【0008】
このため、コンクリートを圧入するとともに時々刻々と変位するコンクリート高さをリアルタイムで確認できる手法が強く望まれていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、コンクリート打設空間に打設するコンクリートの高さをリアルタイムで確認して、確実にコンクリートを密実に打設するようにコンクリートの打設管理を行うことが可能なコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0011】
本発明のコンクリート打設管理方法は、コンクリート打設空間にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理方法であって、前記コンクリート打設空間の上方に配設したセンサによって、前記コンクリートの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面との距離を計測し、該センサから出力された計測値を受けた演算表示装置によって、前記計測値を基にコンクリート高さを演算してリアルタイムで表示させることを特徴とする。
【0012】
この発明においては、コンクリート打設空間にコンクリートを打設するとともに下方から上方に変位するコンクリート面との距離をセンサで計測し、このセンサで計測した計測値を基に例えばパソコンなどの演算表示装置で演算したコンクリート高さがリアルタイムで表示されるため、例えば鋼管内に打設されるコンクリートを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、このコンクリート高さの表示を確認しながらコンクリートを打設することで確実にコンクリートの品質を保持することが可能になる。
【0013】
また、このとき、コンクリートの打設とともに時々刻々と変化するコンクリート高さをグラフ化するなどして演算表示装置で表示させることによって、より確実にコンクリートの打設管理を行うことが可能である。さらに、センサから出力された計測値を演算表示装置で記憶させることで、施工記録を自動的に残すことができ、計測履歴(施工履歴)を即時にグラフ化するなどして表示することも可能になる。
【0014】
また、本発明のコンクリート打設管理方法においては、前記センサにレーザ距離計を用いることが望ましい。
【0015】
この発明においては、センサとしてレーザ距離計を用いることで、コンクリート面との距離を高精度で計測することが可能になり、正確なコンクリート高さを得ることが可能になる。
【0016】
さらに、本発明のコンクリート打設管理方法においては、前記演算表示装置によって前記計測値を基に前記コンクリートの打設速度を演算してリアルタイムで表示させることがより望ましい。
【0017】
この発明においては、センサの計測値を基にコンクリートの打設速度を演算してコンクリート高さとともにリアルタイムで表示させることによって、打設速度の管理をも行うことが可能になる。これにより、所定の打設速度でコンクリートを打設しているにもかかわらず、演算したコンクリートの打設速度が上昇した場合に、この打設速度の上昇によって、例えばCFT柱の鋼管のダイヤフラムなどによって空気だまりが生じていることを検知することが可能になり、より確実にコンクリートの品質を保持して施工を行うことが可能になる。
【0018】
また、本発明のコンクリート打設管理方法においては、前記打設速度が予め設定した許容範囲を外れた場合に、前記演算表示装置によって警告を発するようにすることがさらに望ましい。
【0019】
この発明においては、打設速度が所望の打設速度(設定速度)の許容範囲を外れた場合に、演算表示装置に警告が表示されたり、演算表示装置から警告音が発せられることにより、さらに確実にコンクリートの品質を保持してコンクリートを打設することが可能になる。
【0020】
本発明のコンクリート打設管理システムは、コンクリート打設空間にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理システムであって、前記コンクリート打設空間の上方に配設され、前記コンクリートの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面との距離を計測するセンサと、該センサから出力された計測値を受け、該計測値を基にコンクリート高さを演算してリアルタイムで表示する演算表示装置とを備えることを特徴とする。
【0021】
この発明においては、コンクリート打設空間にコンクリートを打設するとともに下方から上方に変位するコンクリート面との距離をセンサで計測し、このセンサで計測した計測値を基に例えばパソコンなどの演算表示装置で演算したコンクリート高さがリアルタイムで表示されるため、例えば鋼管内に打設されるコンクリートを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、このコンクリート高さの表示を確認しながらコンクリートを打設することで確実にコンクリートの品質を保持することが可能になる。
【0022】
また、このとき、コンクリートの打設とともに時々刻々と変化するコンクリート高さをグラフ化するなどして演算表示装置で表示させることによって、より確実にコンクリートの打設管理を行うことが可能である。さらに、センサから出力された計測値を演算表示装置で記憶させることで、施工記録を自動的に残すことができ、計測履歴(施工履歴)を即時にグラフ化するなどして表示することも可能になる。
【0023】
また、本発明のコンクリート打設管理システムにおいては、前記センサがレーザ距離計であることが望ましい。
【0024】
この発明においては、センサとしてレーザ距離計を用いることで、コンクリート面との距離を高精度で計測することが可能になり、正確なコンクリート高さを得ることが可能になる。
【0025】
さらに、本発明のコンクリート打設管理システムにおいては、前記演算表示装置が前記計測値を基に前記コンクリートの打設速度を演算してリアルタイムで表示するように構成されていることがより望ましい。
【0026】
この発明においては、センサの計測値を基にコンクリートの打設速度を演算してコンクリート高さとともにリアルタイムで表示させることによって、打設速度の管理をも行うことが可能になる。これにより、所定の打設速度でコンクリートを打設しているにもかかわらず、演算したコンクリートの打設速度が上昇した場合に、この打設速度の上昇によって、例えばCFT柱の鋼管のダイヤフラムなどによって空気だまりが生じていることを検知することが可能になり、より確実にコンクリートの品質を保持して施工を行うことが可能になる。
【0027】
また、本発明のコンクリート打設管理方法においては、前記打設速度が予め設定した許容範囲を外れた場合に、前記演算表示装置が警告を発するように構成されていることがさらに望ましい。
【0028】
この発明においては、打設速度が所望の打設速度(設定速度)の許容範囲を外れた場合に、演算表示装置に警告が表示されたり、演算表示装置から警告音が発せられることにより、さらに確実にコンクリートの品質を保持してコンクリートを打設することが可能になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムによれば、リアルタイムでコンクリート高さが演算表示装置に表示されるため、例えば鋼管内に打設されるコンクリートを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、このコンクリート高さの表示を確認しながらコンクリートを打設することで確実にコンクリートの品質を保持することが可能になり、自動化、省力化を図り、合理的な施工を実現することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムついて説明する。本実施形態は、CFT造の建物の柱(CFT柱)を施工するにあたり、鋼管の内部(コンクリート打設空間)にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムに関するものである。
【0031】
本実施形態のコンクリート打設管理システムAは、図1に示すように、鋼管1の上端側(柱頂部1a)に適宜手段をもって固設したレーザ距離計(センサ)2と、レーザ距離計から出力された計測値をワイヤレスで受信する受信機3aを備えたパソコン(演算表示装置)3とで構成されている。
【0032】
レーザ距離計2は、鋼管1の内部(コンクリート打設空間1b)に、且つ鋼管1の柱頂部1aから柱底部1cに向けた垂直方向にレーザLを照射するように設けられている。また、このレーザ距離計2は、鋼管1の下端側(柱脚部)に形成した図示せぬ圧入口から順次鋼管1の内部1bにコンクリートCを圧入するとともに下方から上方に変位するコンクリート面C1との距離を計測する。
【0033】
一方、パソコン3は、レーザ距離計2から出力された計測値を受信機3aで受信して入力されるとともに、これを記憶し、この計測値と予め入力された鋼管1(コンクリート打設空間1b)の形状寸法を基に、コンクリート高さT1を演算してこれをリアルタイムで表示部3bに表示する。また、このとき、パソコン3は、鋼管1の柱頂部1aに対するレーザ距離計2の相対位置が予め入力され、レーザ距離計2から入力された計測値をこのレーザ距離計2の相対位置に基づいて補正して柱頂部1aからコンクリート面C1までの実距離T2を演算するとともにこの実距離T2を基にしてコンクリート高さT1を演算してリアルタイムで表示する。さらに、コンクリート面C1までの実距離T2と鋼管1の形状とから、コンクリート打設時に時々刻々と変化するコンクリート面C1の位置(コンクリート高さT1)をグラフ化して(図1に示すグラフGとして)表示する。
【0034】
また、本実施形態では、レーザ距離計2から出力された計測値及び予め入力された鋼管1の形状寸法を基に、パソコン3でコンクリートCの打設速度が演算され、この打設速度がパソコン3の表示部3bに表示される(図1には不図示)。さらに、パソコン3には、予め入力して設定されたコンクリートCの打設速度(設定速度)の許容範囲に対し、パソコン3で演算した打設速度がこの許容範囲を外れた場合に、即時にパソコン3の表示部3bにこれを知らせる警告を表示したり、警告音を発する図示せぬ警告手段が具備されている。
【0035】
このような本実施形態のコンクリート打設管理システムAを用いて鋼管1の内部1bにコンクリートCを打設する際には、例えばコンクリートポンプなどで圧入口から鋼管1の内部1bにコンクリートCを圧入するとともに、順次下方から上方に変位するコンクリート面C1とレーザ距離計2の距離が計測され、この計測値が受信機3aを通じてリアルタイムでパソコン3に入力されてゆく。
【0036】
そして、レーザ距離計3から送られた計測値を基に、コンクリート高さT1が求められ、リアルタイムでこのコンクリート高さT1とともに柱頂部1aからコンクリート面C1までの実距離T2がパソコン3の表示部3bに表示される。さらに、コンクリート高さT1と実距離T2から、打設したコンクリートCの範囲及び鋼管1の残空間(コンクリート高さT1及び実距離T2)が一目で確認できるようにリアルタイムでグラフ化されるとともに、コンクリートCの打設速度が表示される。
【0037】
これにより、施工管理者は、例えば鋼管1の内部1bに打設されるコンクリートCを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、パソコン3の表示部3bの表示(コンクリート高さT1やコンクリートCの打設速度)を確認しながらコンクリートCを打設することで、鋼管1の内部1bにコンクリートCが密実に打設されているか否かを容易に判別できる。また、空気だまりなど充填不良が生じやすい例えばダイヤフラムなどの部位にコンクリートCを打設していることをもパソコン3の表示部3bを確認することで把握することができる。さらに、このとき、所定の打設速度でコンクリートCを打設しているにもかかわらず、演算したコンクリートCの打設速度が上昇した場合には、この打設速度の上昇によって、CFT柱の鋼管1のダイヤフラムなどによって空気だまりが生じていることを検知することが可能になる。よって、確実に鋼管1の内部1bにコンクリートCが密実に打設されているか否かを、自動化、省力化を図り、合理的に判別できる。
【0038】
また、本実施形態において、例えば1m/分程度の予め設定されたコンクリートCの打設速度に対し、パソコン3で演算した打設速度が許容範囲を外れた場合には、即時にパソコン3の警告手段によって表示部3bにこれを知らせる警告が表示されたり、警告音が発せられる。このため、施工管理者が適切な打設速度でコンクリートCが打設されていないことを即時に把握することができる。これにより、常時適正な打設速度でコンクリートCを打設することが可能になり、且つ空気だまりなどが生じていることを即時に把握することが可能になる。
【0039】
さらに、レーザ距離計3から送られた計測値が順次パソコン3に記憶されて、施工記録が自動的に保存されるため、計測履歴(施工履歴)を即時にグラフ化するなどして表示することが可能になる。
【0040】
したがって、本実施形態のコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムAにおいては、鋼管1の内部(コンクリート打設空間)1bにコンクリートCを打設するとともに下方から上方に変位するコンクリート面C1との距離をレーザ距離計(センサ)2で計測し、この計測値を基にパソコン(演算表示装置)3で演算したコンクリート高さT1がリアルタイムで表示されるため、鋼管1の内部1bに打設されるコンクリートCを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、このコンクリート高さT1の表示を確認しながらコンクリートCを打設することで確実にコンクリートCの品質を保持することが可能になる。
【0041】
また、このとき、コンクリートCの打設とともに時々刻々と変化するコンクリート高さT1をグラフ化してパソコン3で表示させることによって、より確実にコンクリートCの打設管理を行うことが可能である。さらに、レーザ距離計2から出力した計測値をパソコン3で記憶させることで、施工記録を自動的に残すことができ、計測履歴(施工履歴)を即時にグラフ化するなどして表示することも可能になる。
【0042】
また、レーザ距離計2をコンクリート面C1との距離を計測するセンサとして用いることで、コンクリート面C1との距離を高精度で計測することが可能になり、正確なコンクリート高さT1を得ることが可能になる。
【0043】
さらに、レーザ距離計2の計測値を基にコンクリートCの打設速度を演算してコンクリート高さT1とともにリアルタイムで表示させることによって、打設速度の管理をも行うことが可能になる。これにより、所定の打設速度でコンクリートCを打設しているにもかかわらず、演算したコンクリートCの打設速度が上昇した場合に、この打設速度の上昇によって、CFT柱の鋼管1のダイヤフラムなどによって空気だまりが生じていることを検知することが可能になり、より確実にコンクリートCの品質を保持して施工を行うことが可能になる。
【0044】
また、このとき、打設速度が所望の打設速度(設定速度)の許容範囲を外れた場合に、パソコン3の表示部3bに警告が表示されたり、警告音が発せられることにより、さらに確実にコンクリートCの品質を保持してコンクリートCを打設することが可能になる。
【0045】
よって、本実施形態のコンクリート打設管理方法及びコンクリート打設管理システムAによれば、リアルタイムでコンクリート高さT1がパソコン3に表示されるため、鋼管1内部1bに打設されるコンクリートCを外側から見ることができないCFT柱の施工においても、このコンクリート高さT1の表示を確認しながらコンクリートCを打設することで確実にコンクリートCを鋼管1の内部1bに密実に充填することが可能になり、コンクリートCの品質を確保することが可能になる。これにより、鋼管1から離れた場所にパソコン3を設置してコンクリートCの打設管理を行うことが可能になり、自動化、省力化を図って合理的な施工を実現することが可能になる。
【0046】
以上、本発明に係るコンクリート打設管理システム及びコンクリート打設管理方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、CFT柱を施工するにあたり、この鋼管1の内部1bにコンクリートCを打設する際の管理を行うものとして説明を行ったが、本発明に係るコンクリート打設管理システム及びコンクリート打設管理方法は、例えば他のコンクリート構造物を形成するための型枠の内部など、あらゆるコンクリート打設空間1bにコンクリートCを密実に充填する際に適用されてもよいものである。
【0047】
また、本実施形態では、コンクリートCの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面C1との距離を計測するセンサがレーザ距離計2であるものとしたが、他の計測手段をセンサとして採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンクリート打設管理システムを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 鋼管
1a 柱頂部
1b 鋼管の内部(コンクリート打設空間)
2 レーザ距離計(センサ)
3 パソコン(演算表示装置)
3b 表示部
A コンクリート打設管理システム
C コンクリート
C1 コンクリート面
G グラフ
T1 コンクリート高さ
L レーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設空間にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理方法であって、
前記コンクリート打設空間の上方に配設したセンサによって、前記コンクリートの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面との距離を計測し、該センサから出力された計測値を受けた演算表示装置によって、前記計測値を基にコンクリート高さを演算してリアルタイムで表示させることを特徴とするコンクリート打設管理方法。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリート打設管理方法において、
前記センサにレーザ距離計を用いることを特徴とするコンクリート打設管理方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のコンクリート打設管理方法において、
前記演算表示装置によって前記計測値を基に前記コンクリートの打設速度を演算してリアルタイムで表示させることを特徴とするコンクリート打設管理方法。
【請求項4】
請求項3記載のコンクリート打設管理方法において、
前記打設速度が予め設定した許容範囲を外れた場合に、前記演算表示装置によって警告を発するようにしたことを特徴とするコンクリート打設管理方法。
【請求項5】
コンクリート打設空間にコンクリートを密実に打設するためのコンクリート打設管理システムであって、
前記コンクリート打設空間の上方に配設され、前記コンクリートの打設時に下方から上方に変位するコンクリート面との距離を計測するセンサと、該センサから出力された計測値を受け、該計測値を基にコンクリート高さを演算してリアルタイムで表示する演算表示装置とを備えることを特徴とするコンクリート打設管理システム。
【請求項6】
請求項5記載のコンクリート打設管理システムにおいて、
前記センサがレーザ距離計であることを特徴とするコンクリート打設管理システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のコンクリート打設管理システムにおいて、
前記演算表示装置が前記計測値を基に前記コンクリートの打設速度を演算してリアルタイムで表示するように構成されていることを特徴とするコンクリート打設管理システム。
【請求項8】
請求項7記載のコンクリート打設管理システムにおいて、
前記打設速度が予め設定した許容範囲を外れた場合に、前記演算表示装置が警告を発するように構成されていることを特徴とするコンクリート打設管理システム。

【図1】
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【公開番号】特開2009−83353(P2009−83353A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257232(P2007−257232)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】