コンクリート構造物の蓋掛り部施工方法
【課題】コンクリート構造物の蓋掛り部の施工において、コンクリート打設中のエアを除去する。
【解決手段】コンクリート構造物の蓋掛り部Ｄを、透水シート３が巻き付けられた桟木２を型枠１に固定して、型枠１内にコンクリートを打設する。具体的には、桟木２の少なくとも下面及び側面に透水シート３が巻き付けられている。
【解決手段】コンクリート構造物の蓋掛り部Ｄを、透水シート３が巻き付けられた桟木２を型枠１に固定して、型枠１内にコンクリートを打設する。具体的には、桟木２の少なくとも下面及び側面に透水シート３が巻き付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンクリート構造物における蓋掛り部の施工方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
高架橋ダクト等の場所打ちコンクリートの蓋掛り天端は、桟木を浮き型枠として固定し、コンクリートを打設する。例えば、側溝の蓋掛り部が特許文献１に開示され、布基礎補強に用いる浮き型枠が特許文献２に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２２１６８３号公報
【特許文献２】特開２００９−１２７２３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、打設したコンクリートを締め固めるため、上部の開口部よりバイブレータにて型枠内部のコンクリートを振動撹拌すると、コンクリート内部のブリーディング水（余剰水）が上に昇り、側面の壁に蓋掛り形状を作るための桟木の下にエア溜りを作ってしまう。すなわち、蓋掛り部は側面の壁と直角面のため、ブリーディング水発生時のエアが抜け難く、蓋掛り部にエアあばたを発生してしまう問題がある。
【０００５】
本発明の課題は、コンクリート構造物の蓋掛り部の施工において、コンクリート打設中のエアを除去することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、コンクリート構造物の蓋掛り部を、透水シートが巻き付けられた桟木を型枠に固定して、型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法であって、前記桟木の少なくとも下面及び側面に前記透水シートが巻き付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、コンクリート構造物の蓋掛り部の施工の際に、コンクリート打設中のエアを、桟木に巻き付けられた透水シートを通して除去できるため、蓋掛り部のエアあばた発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、高架橋ダクト蓋掛り部の型枠セット状態を示した縦断面図である。
【図２】図１の型枠内へのコンクリート打設を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図１は本発明を適用した一実施形態の構成として高架橋ダクト蓋掛り部の型枠セット状態を示したもので、図中、１は型枠、２は桟木、３は透水シートである。
【００１１】
図示のように、型枠１により囲まれた空間の上隅部に桟木２が固定されている。この桟木２は、型枠１に接する一側面を除いた上下面及び他側面に透水シート３が巻き付けられている。
【００１２】
図２は型枠１内へのコンクリートＣの打設を示したもので、図中、Ｄは蓋掛り部である。
【００１３】
図示のように、型枠１内にコンクリートＣが打設されて、その打設コンクリートＣを締め固めるため、上部の開口部より図示しないバイブレータにて型枠１内部のコンクリートＣを振動撹拌すると、コンクリートＣ内部のブリーディング水が上に昇り、コンクリートＣ中のエアが、矢印で示したように、桟木２の下面及び側面の透水シート３を通って上方に抜ける。
【００１４】
従って、エアあばたの発生が見られない良好な蓋掛り部Ｄが形成される。
【００１５】
以上、実施形態の高架橋ダクトの蓋掛り部施工方法によれば、透水シート３が巻き付けられた桟木２を固定した型枠１内にコンクリートＣを打設することで、コンクリートＣ打設中のエアを、桟木２に巻き付けられた透水シート３を通して除去できるため、蓋掛り部Ｄのエアあばた発生を防止することができる。
【００１６】
なお、以上の実施形態においては、高架橋ダクトの蓋掛り部としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、場所打ちの側溝の蓋掛り部や、壁の箱抜き開口部の下面の蓋掛り部等、他のコンクリート構造物の蓋掛り部であってもよい。
また、実施形態では、桟木の上面にまで透水シートを巻き付けたが、透水シートは桟木の少なくとも下面及び側面に巻き付けておけばよい。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００１７】
１ 型枠
２ 桟木
３ 透水シート
Ｃ コンクリート
Ｄ 蓋掛り部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンクリート構造物における蓋掛り部の施工方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
高架橋ダクト等の場所打ちコンクリートの蓋掛り天端は、桟木を浮き型枠として固定し、コンクリートを打設する。例えば、側溝の蓋掛り部が特許文献１に開示され、布基礎補強に用いる浮き型枠が特許文献２に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２２１６８３号公報
【特許文献２】特開２００９−１２７２３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、打設したコンクリートを締め固めるため、上部の開口部よりバイブレータにて型枠内部のコンクリートを振動撹拌すると、コンクリート内部のブリーディング水（余剰水）が上に昇り、側面の壁に蓋掛り形状を作るための桟木の下にエア溜りを作ってしまう。すなわち、蓋掛り部は側面の壁と直角面のため、ブリーディング水発生時のエアが抜け難く、蓋掛り部にエアあばたを発生してしまう問題がある。
【０００５】
本発明の課題は、コンクリート構造物の蓋掛り部の施工において、コンクリート打設中のエアを除去することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、コンクリート構造物の蓋掛り部を、透水シートが巻き付けられた桟木を型枠に固定して、型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法であって、前記桟木の少なくとも下面及び側面に前記透水シートが巻き付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、コンクリート構造物の蓋掛り部の施工の際に、コンクリート打設中のエアを、桟木に巻き付けられた透水シートを通して除去できるため、蓋掛り部のエアあばた発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、高架橋ダクト蓋掛り部の型枠セット状態を示した縦断面図である。
【図２】図１の型枠内へのコンクリート打設を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図１は本発明を適用した一実施形態の構成として高架橋ダクト蓋掛り部の型枠セット状態を示したもので、図中、１は型枠、２は桟木、３は透水シートである。
【００１１】
図示のように、型枠１により囲まれた空間の上隅部に桟木２が固定されている。この桟木２は、型枠１に接する一側面を除いた上下面及び他側面に透水シート３が巻き付けられている。
【００１２】
図２は型枠１内へのコンクリートＣの打設を示したもので、図中、Ｄは蓋掛り部である。
【００１３】
図示のように、型枠１内にコンクリートＣが打設されて、その打設コンクリートＣを締め固めるため、上部の開口部より図示しないバイブレータにて型枠１内部のコンクリートＣを振動撹拌すると、コンクリートＣ内部のブリーディング水が上に昇り、コンクリートＣ中のエアが、矢印で示したように、桟木２の下面及び側面の透水シート３を通って上方に抜ける。
【００１４】
従って、エアあばたの発生が見られない良好な蓋掛り部Ｄが形成される。
【００１５】
以上、実施形態の高架橋ダクトの蓋掛り部施工方法によれば、透水シート３が巻き付けられた桟木２を固定した型枠１内にコンクリートＣを打設することで、コンクリートＣ打設中のエアを、桟木２に巻き付けられた透水シート３を通して除去できるため、蓋掛り部Ｄのエアあばた発生を防止することができる。
【００１６】
なお、以上の実施形態においては、高架橋ダクトの蓋掛り部としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、場所打ちの側溝の蓋掛り部や、壁の箱抜き開口部の下面の蓋掛り部等、他のコンクリート構造物の蓋掛り部であってもよい。
また、実施形態では、桟木の上面にまで透水シートを巻き付けたが、透水シートは桟木の少なくとも下面及び側面に巻き付けておけばよい。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００１７】
１ 型枠
２ 桟木
３ 透水シート
Ｃ コンクリート
Ｄ 蓋掛り部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
コンクリート構造物の蓋掛り部を、透水シートが巻き付けられた桟木を型枠に固定して、型枠内にコンクリートを打設することを特徴とするコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法。
【請求項２】
前記桟木の少なくとも下面及び側面に前記透水シートが巻き付けられていることを特徴とする請求項１に記載のコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法。
【請求項１】
コンクリート構造物の蓋掛り部を、透水シートが巻き付けられた桟木を型枠に固定して、型枠内にコンクリートを打設することを特徴とするコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法。
【請求項２】
前記桟木の少なくとも下面及び側面に前記透水シートが巻き付けられていることを特徴とする請求項１に記載のコンクリート構造物の蓋掛り部施工方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１１−２０２３７９（Ｐ２０１１−２０２３７９Ａ）
【公開日】平成２３年１０月１３日（２０１１．１０．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−６９１３２（Ｐ２０１０−６９１３２）
【出願日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【出願人】（０００１９５９７１）西松建設株式会社 (329)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１０月１３日（２０１１．１０．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【出願人】（０００１９５９７１）西松建設株式会社 (329)
【Ｆターム（参考）】
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