説明

コンセント

【課題】接続部分に埃が付すに安全で、しかも使い易いコンセントを提供する。
【解決手段】a)壁部材1内に埋設され、平行に直立した対向側面2a、2b間に形成された矩形の開口部2fが前面に開口したコンセントボックス2と、b)コンセントボックス2の対向側面2a、2bに近接した対向側面3a、3bと、対向側面3a、3b間に前記コンセントボックス2の開口部2fの下辺部を中心としたコンセントボックス2の開口部2fの上下幅程の半径で1/4円筒状に湾曲した上面3cと、プラグ差込孔5を備えた前面3dと、プラグ差込孔5の内部に設けたプラグ端子を挟んで受ける両プラグ端子挟持板6a、6bとを有し、プラグ差込孔5を正面向きから下向きに擺動可能となるようにコンセントボックス2の対向側面2a、2bの前下部に設けた枢支孔22に対向側面3a、3bの前下部に設けた枢支軸23を枢支した擺動コンセント3と、から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラグを差し込んで電源に接続するために壁面に設けられるコンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
壁面に設けるプラグ差し込み用コンセントは、差込孔とプラグ端子との間に隙間ができ、その隙間に埃が溜まり易い。そして溜まった埃に水分や湿気などの条件が加わって漏電し、火災を発生させることがある。
従来、外壁や水周りなどの水の影響を受けやすい場所では、下記特許文献1に記載の「防水コンセント」や下記特許文献2に記載の「壁面防塵コンセントボックス」の如き、接続面を下向きに形成したコンセントが使用され、また周囲を防水カバーや蓋などで囲うことによって埃や水分が接続部分へ侵入するのを防止しようとする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−103258号公報
【特許文献2】特開2008−53195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の如くプラグの差込口を下向きにしたものでは、正面から差込孔が見えない状態となってしまい、プラグを円滑に差し込むことができないという難点がある。また上記特許文献2の如く蓋を設けたものではプラグを差し込むのに一々蓋の開け閉めをしなければならず、面倒で使用し難いとう欠点がある。
【0005】
そこで、本発明は、プラグの接続部分に埃が付き難くすることで、漏電火災に対する安全性を高めると同時に、前からコンセントの孔を見てプラグ端子を容易に差し込むことができる使用し易いコンセントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明のコンセントにおける請求項1の記載の発明にあっては、a)全体が壁部材内に埋設され、平行に直立した対向側面間に形成された矩形の開口部が壁部材1の前面に開口したコンセントボックスと、b)該コンセントボックスの対向側面に近接して平行に直立した対向側面と、該対向側面間に前記コンセントボックスの開口部の下辺部を中心とした前記コンセントボックスの開口部の上下幅程の半径で1/4円筒状に湾曲した上面と、プラグ差込孔を備えた前面と、該プラグ差込孔の内部に設けたプラグ端子を挟んで受ける両プラグ端子挟持板とを有し、前記プラグ差込孔を正面向きから下向きに擺動可能となるように前記コンセントボックスの対向側面の前下部に設けた枢支孔に前記対向側面の前下部に設けた枢支軸を枢支した擺動コンセントと、から成るコンセントであって、c)前記コンセントボックスの対向側面のボックス内の少なくとも上部に露出させて設けた両通電接点と、該両通電接点と対向して接触可能に前記擺動コンセントの対向側面の後部に露出させて設けた通電接点と、d)前記擺動コンセントの両プラグ端子挟持板と前記両通電接点とを接続した両送電回路と、前記コンセントボックスの両通電接点と電源コードに接続するための両電源線接続部とを接続した両送電回路と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明にあっては、上記発明において、a)前記コンセントボックスの枢支孔が前後に長い枢支孔であって、その枢支孔に擺動コンセントの枢支軸を遊嵌し、該枢支軸に擺動コンセントとを前へ回動するように付勢して装着したバネと、b)前記擺動コンセントを前面側へ前記バネの付勢で回動させたとき、該擺動コンセントのプラグ差込孔が下向きとなって停止させるようコンセントボックスに設けた上部ストッパと、該上部ストッパに掛かるように対応させて設けた擺動コンセントの後面外側の突起と、c)前記擺動コンセントを後部側へ前記バネの付勢に抗して回動させたとき、該擺動コンセントのプラグ差込孔が前面向きとなって停止させるようコンセントボックスの下部に設けた下部ストッパと、該下部ストッパに掛かるように対応させて設けた擺動コンセントの後面内側の突起と、d)前記擺動コンセントの後部とコンセントボックスとの間に、該擺動コンセントのプラグ差込孔が前面向き状態で、擺動コンセントを前方に押し出すように付勢させて設けた板バネと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記擺動コンセント内に両プラグ端子挟持板を固定する端子固定部を設け、該端子固定部に擺動コンセントの前面から一定距離まで突出可能としたスライド手段を設けるとともに、両送電回路に前記端子固定部の移動に追随して伸縮可能とする伸縮送電回路を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記コンセントボックスの通電接点を、擺動コンセントの通電接点に接触可能に対向させて、擺動上限に狭く形成するか又は擺動上限から擺動下限までの範囲に広く形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記擺動コンセントの上面に両送電回路の接続をオン・オフするスイッチを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記擺動コンセントの上面に両送電回路が通電接点に接触状態で点灯し、非接触状態で消灯するランプを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記コンセントボックスに、開口部から突出した擺動コンセントを囲う蓋を開閉可能に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコンセントは、前記擺動コンセントのプラグ差込孔を備えた前面が、プラグを差し込む前には壁面と面―となって壁面から突出しないので、邪魔にはならない。
そして、プラグを差し込む際には、壁面前からプラグ差込孔を正面に見つつ確実に差し込めるので、差込作業が容易に行える。
差し込んだ後では、バネの付勢で擺動コンセントは回動して下向きとなる。従って接続部分にできる隙間は横向きとなり、擺動コンセントの下に隠れるためプラグ端子にまでは埃が入り込み難くなる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、プラグを板バネに抗して差し込むと、前記擺動コンセントが後方に押されて下部ストッパが自動的に外れる。そして枢支軸に装着したバネの付勢でプラグ差込孔が下向きとなるように前記擺動コンセントが回動する。
使用していないときには、プラグを抜いて、前記擺動コンセントを手で後方へ回動させてコンセントボックス内に戻すと、突起が下部ストッパに掛かり、前記擺動コンセントが板バネで前方に押されて下部ストッパに突起が確実に係止される。
即ち、プラグを単に押して差し込めば下部ストッパから外れて手を離せば前記擺動コンセントが前に回動し、プラグは下向きになって吊られる。
プラグを抜くときには、プラグが差し込まれている擺動コンセントを上げると、擺動コンセントが板バネで押されて下部ストッパに掛かり、プラグ差込孔を正面に向けた状態で容易に引き抜くことが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、歩行中、誤ってプラグに繋がる電気コードを脚に掛けて引っ張ったとき、擺動コンセントの両プラグ端子挟持板を固定した端子固定部が擺動コンセントから突出し、引っ張り力を緩和する。このため両プラグ端子挟持板からプラグ端子が抜け出ずに接続が維持され、簡単に電源が切断されることがない。このため、パソコンの使用中に急に電源が切れて、作業したデータが喪失してしまう心配が解消される。
【0016】
請求項4に記載の発明では、通電接点を擺動上限に限定することで、プラグ差込孔が下向きにならない限り電流が流れないので、使用者はプラグ差込孔が下向きとなった状態での安全な使用が強制されることとなる。
また、通電接点を擺動上限から擺動下限までの広範囲に設けると、プラグ差込孔が下向き状態から正面向き状態にどこでも電流が流れる。このためプラグ差込孔が正面向きでも使用することが可能となって、差込プラグ付きのアダプタを直接使用することもできるようになり、使い勝手を良くすることが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、コンセントに電気器具のプラグを接続したままプラグを抜かずに、電気器具の電源のオン・オフが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、コンセントで電気を接続可能なときにはランプが点灯することで、そのランプの光を目で確かめつつ電気製品の使用ができる。
【0019】
請求項7記載の発明では、コンセント部分を覆う蓋によって、コンセント全体を覆い、コンセント中への埃の侵入を防止できるので、より安全性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のプラグを差し込んでいない状態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明のプラグを差し込んで使用している状態を示す縦断側面図である。
【図3】別の形態のプラグを差し込んで使用している状態を示す縦断側面図である。
【図4】別の形態のプラグを差し込んで使用している状態を示す縦断側面図である。
【図5】コンセントボックスを示す縦断斜視図である。
【図6】擺動コンセントの(イ)が斜め正面から見た斜視図、(ロ)が斜め背面から見た斜視図である。
【図7】別の形態のプラグを差し込んで使用している状態を示し(イ)は差込固定部が突出していない状態を示し、(ロ)は差込固定部が突出した状態を示す各縦断側面図である。
【図8】コンセントボックスの背面から見た斜視図である。
【図9】蓋を備えた形態の(イ)は蓋を閉じた状態を示し、(ロ)は蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を以下説明する。
本発明は、図1、図5及び図8に示すように、全体が壁部材1内に埋設され、平行に直立した対向側面2a、2bと、コンセントボックスの上面2c及び下面2dとの間に形成された矩形の開口部2fが壁部材1の前面1aに開口したコンセントボックス2と、そのコンセントボックス2中に収納可能され、図2及び図6に示すように、プラグ差込孔5を設けた前面3dが正面向きから下向きに擺動可能となるように前記コンセントボックス2の対向側面2a、2bの前下部に設けた枢支孔22に前記対向側面3a、3bの前下部に設けた枢支軸23を枢支した擺動コンセント3とで構成する。
【0022】
前記コンセントボックス2の壁部材1への固定は、開口部2fの周囲にネジ孔31を設けたフランジ30を形成し、ネジ孔31に壁固定ネジ32で壁部材1に室内側からの差込んで固定する態様を示しているが、壁部材1を壁に張る前に、その下地である間柱やスタッドに固定できるように、ネジ孔31を設けたフランジをコンセントボックス2の後面2e側に設けるなど、壁構造や壁施工手順の中で最適な構造のものを選択することができる。
【0023】
前記擺動コンセント3は、図1及び図6に示すように、前記コンセントボックス2の対向側面2a、2bに近接して平行に直立した対向側面3a、3bと、該対向側面3a、3b間に前記コンセントボックス2の開口部2fの下辺部を中心とした前記コンセントボックス2の開口部2fの上下幅程の半径で1/4円筒状に湾曲した湾曲上面3cと、プラグ差込孔5を備えた前面3dと、図2に示すように、該プラグ差込孔5の内部に設けたプラグ端子を挟んで受ける両プラグ端子挟持板6とを有する。そして、前記湾曲上面3cと、後面3eとの境に突出部34を設ける。
該両プラグ端子挟持板6a、6bはU字形に折曲げ、プラグPの各端子Pa部分がそれぞれ差し込める程度の弾力性をもつ真鍮などの板を折り曲げて形成し、プラグ端子挟持板固定ネジ12で差込固定部4に固定する。
そして、前記プラグ差込孔5を正面向きから下向きに擺動可能となるように前記コンセントボックス2の対向側面2a、2bの前下部に設けた枢支孔22に前記対向側面3a、3bの前下部に設けた枢支軸23を枢支する。
図1は、プラグを差し込んでいない状態を示し、図2は、プラグ端子Paをプラグ端子挟持板6a、6bに差し込んで、擺動した前記擺動コンセント3のプラグ差込孔5が下向き状態となったことを示している。
【0024】
また、図8に示すように、前記コンセントボックス2の対向側面2a、2bのボックス内の少なくとも上部に露出させて板状の両通電接点8a、8bを対向側面2a、2bの表面から少し膨出状態に設け、図1及び図6に示すように、該両通電接点8a、8bと対向して接触可能に前記擺動コンセント3の対向側面3a、3bの後部に露出させて円板状の通電接点9a、9bを対向側面3a、3bの表面から少し膨出状態に設ける。
【0025】
さらに、図1に示すように、前記擺動コンセント3の両プラグ端子挟持板6a、6bと、前記両通電接点9a、9bとを接続した板状の両送電回路10a、10bと、図8に示すように、前記コンセントボックス2の両通電接点8a、8bと外部コードに接続するための両電源線接続部13a、13bとを接続した板状の両送電回路11a、11bとを備える。なお、これらの送電回路10a、10b及び両送電回路11a、11bが通電させるためのものなので板状に限定するものではなく、電気コードを用いても良い。
前記両電源線接続部13a、13bは、図8に示すように、前記擺動コンセント3の湾曲上面3cの上部に空間があるので、その空間を利用して前記コンセントボックス2の後上部を凹ませ、この内部に設けることができる。そして、室内配線の電源コード14a、14bに前記両電源線接続部13a、13bで接続する。
【0026】
そして、図2及び図5に示すように、前記コンセントボックス2の枢支孔22は前後に長い枢支孔22を形成し、その枢支孔22に擺動コンセント3の枢支軸23を遊嵌する。そして、該枢支軸23に擺動コンセント3とを前へ回動するように付勢したバネ15を装着する。
このバネ15の装着は、枢支軸23を巻くようにコイルバネ15を設けて、該バネ15の一方端を擺動コンセント3に固定し、他方端を前記コンセントボックス2に固定して装着する。
【0027】
また、図2及び3に示すように、前記擺動コンセント3を前面側へ前記バネ15の付勢で回動させたとき、該擺動コンセント3のプラグ差込孔5が下向きとなって停止させるようコンセントボックス2に設けた段差状の上部ストッパ17を設ける。そして、該上部ストッパ17に掛かるように対応させて擺動コンセント3の後面3e外側の段差状の突起16を設け、両段差面が突き当たるようにする。
【0028】
また、図1に示すように、前記擺動コンセント3を後部側へ前記バネ15の付勢に抗して回動させたとき、該擺動コンセント3のプラグ差込孔5が前面向きとなって停止させるようコンセントボックス2の下部に段差状の下部ストッパ19を設ける。そして、該下部ストッパ19に掛かるように対応させて擺動コンセント3の後面3e内側の段差状の突起18を設け、両段差面が突き当たるようにする。
【0029】
さらに、図1に示すように、前記擺動コンセント3の後部とコンセントボックス2との間に、該擺動コンセント3のプラグ差込孔5が前面向き状態で、擺動コンセント3を前方に押し出すように付勢させてコンセントボックス2の後面2e内部に板バネ21を設ける。
該板バネ21に対応させて、図6に示すように、擺動コンセント3の湾曲上面3cの最後部に設けた擺動コンセント3の後面3e外側の突起16の中間にバネ逃げ溝24を設けて、前記板バネ21が擺動コンセント3の湾曲上面3cを押圧しつつ円滑にスライドできるようにする。
【0030】
本発明は以上の如き構造のコンセントであって、使用しないときには、図1に示すように、前記擺動コンセント3のプラグ差込孔5a、5bを備えた前面3dが壁面1と面―となって壁前面1aから突出しない。そして、プラグPを差し込む際には、壁面前からプラグ差込孔5a、5bを正面に見つつ確実に差し込める。
プラグ5を差し込んだ後、図2に示すように、擺動コンセント3は回動させプラグ差込孔5a、5bを下向きにすることができる。このため接続部分にできる隙間は横向きとなり、擺動コンセント3の下に隠れるためプラグ端子Paにまでは埃が入り込み難くなる。
【0031】
その使用に際し、前記コンセントボックス2の中に設けた前記板バネ21に抗してプラグPをプラグ差込孔5に差し込むと、前記擺動コンセント3が後方に押されて下部ストッパ19から突起18が自動的に外れる。そして枢支軸23に装着したバネ15の付勢でプラグ差込孔5が下向きとなるように前記擺動コンセント3が回動する。
使用していないときには、プラグPを抜いて、前記擺動コンセント3を手で後方へ回動させてコンセントボックス2内に戻すと、突起18が下部ストッパ19に掛かり、前記擺動コンセント3が板バネ21で前方に押されて下部ストッパ19に突起18が確実に係止される。
【0032】
このように、プラグPを単に押してプラグ差込孔5に差し込めば下部ストッパ19から突起18が外れて、そのまま手を離せばバネ15の付勢で前記擺動コンセント3が前に回動し、プラグP及び電気コードは下に垂れ下がって吊られる。
また、プラグPを抜くときには、垂れ下がっているプラグPを持って擺動コンセント3を上げると、上限まで上げたとき擺動コンセント3が板バネ21で押されて下部ストッパ19に突起18が掛かり、プラグ差込孔5を正面に向けた状態を維持し、その状態でプラグPを前に水平に引けば容易に擺動コンセント3からプラグPを引き抜くことが可能となる。
【0033】
またこれとは別に、図7に示すように、前記端子固定部4が突出可能な形態が可能である。
この形態では、前記擺動コンセント3内に両プラグ端子挟持板6a、6bを固定する端子固定部4を設け、該端子固定部4に擺動コンセント3の前面から一定距離まで突出可能としたスライド手段を設けるとともに、両送電回路10aに前記端子固定部4の移動に追随して伸縮可能とする伸縮送電回路27aを設けることができる。
【0034】
また、前記コンセントボックス2の通電接点8a、8bを、擺動コンセント3の通電接点9a、9bに接触可能に対向させて、図2に示すように、擺動上限に狭く形成するか又は図3に示すように、擺動上限から擺動下限までの範囲に広く形成することができる。
擺動上限に狭く形成した場合には、図に1示すように、前記通電接点8、9を擺動上限に限定することで、プラグ差込孔5が下向きにならない限り電流が流れないので、使用者はプラグ差込孔5が下向きとなった状態での安全な使用が強制されることとなる。
また擺動上限から擺動下限までの範囲に広く形成した場合には、図3に示すように、通電接点8cを擺動上限から擺動下限までの広範囲に設けると、プラグ差込孔5が下向き状態から正面向き状態にどこでも電流が流れる。このためプラグ差込孔5が正面向きでも使用することが可能となって、プラグ端子の取り付け面が広い差込プラグ付きのアダプタを直接使用することもできるようになり、使い勝手を良くすることが可能となる。
【0035】
また、図4に示すように、擺動コンセント3の上面3cに両送電回路10a、10bの接続をオン・オフするスイッチ25を設ける。そして、このスイッチ25で電気器具のプラグを接続したままでプラグPを抜かずに電気器具の電源のオン・オフすることが可能となる。
【0036】
また、図4に示すように、両送電回路10a、10bが通電接点8a、8bに接触状態で、両送電回路10a、10b間に並列接続した擺動コンセント3の上面3cのランプ26が点灯し、両送電回路10a、10b間で非接触状態のときには消灯する小さいランプ26を設けることができる。
この形態は、電気を接続可能なときにはランプ26が点灯することで、そのランプ26の光を目で確かめつつ電気製品の使用ができるので安心である。
【0037】
また、図9に示すように、コンセントボックス2に、開口部2fから突出した擺動コンセント3を囲うプラスチック製の蓋35をコンセントボックス2の上部に設けたヒンジ36で開閉可能に設けることができる。
この蓋を設けることによって、コンセント全体を覆い、コンセントボックス2中への埃の侵入を防止することができるので、安全性がより高められる。
この際、該蓋35の下面にはその下部側に溝蓋37を設けて、中央にプラグ通し孔38を設け、プラグが蓋面を貫通して差し込まれる状態にすることもできる。こうすることで、より埃の侵入の防止機能が高められる。
なお、図9にはヒンジ36で開閉する態様を示したが、この他にも蓋の開閉構造はスライド式や観音開きなど各種態様が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のコンセントは、使用する部材を選別して防水性を高めることで内壁用に限らず外壁用としても利用することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 壁部材
1a 壁部材の前面
2 コンセントボックス
2a コンセントボックスの側面
2b コンセントボックスの側面
2c コンセントボックスの上面
2d コンセントボックスの下面
2e コンセントボックスの後面
2f コンセントボックスの開口部
3 擺動コンセント
3a 擺動コンセントの側面
3b 擺動コンセントの側面
3c 擺動コンセントの湾曲上面
3d 擺動コンセントの前面
3e 擺動コンセントの後面
4 差込固定部
5 プラグ差込孔
5a プラグ差込孔
5b プラグ差込孔
6 プラグ端子挟持板
6a プラグ端子挟持板
6b プラグ端子挟持板
7 枢支部
8a 通電接点
8b 通電接点
9a 通電接点
9b 通電接点
10a 送電回路
10b 送電回路
11a 送電回路
11b 送電回路
12 プラグ端子挟持板固定ネジ
13a 電気コード接続ネジ
13b 電気コード接続ネジ
14a 電源コード
14b 電源コード
15 バネ
16 突起
17 上部ストッパ
18 突起
19 下部ストッパ
20 固定ネジ
21 板バネ
22 枢支孔
23 枢支軸
24 バネ逃げ溝
25 スイッチ
26 ランプ
27 伸縮送電回路
28 スライドガイド
29 スライダ
30 フランジ
31 ネジ孔
32 壁固定ネジ
33 突出部収納溝
34 突出部
35 蓋
36 ヒンジ
37 溝蓋
38 プラグ通し孔
P プラグ
Pa プラグ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)全体が壁部材内に埋設され、平行に直立した対向側面間に形成された矩形の開口部が壁部材1の前面に開口したコンセントボックスと、
b)該コンセントボックスの対向側面に近接して平行に直立した対向側面と、該対向側面間に前記コンセントボックスの開口部の下辺部を中心とした前記コンセントボックスの開口部の上下幅程の半径で1/4円筒状に湾曲した上面と、プラグ差込孔を備えた前面と、該プラグ差込孔の内部に設けたプラグ端子を挟んで受ける両プラグ端子挟持板とを有し、前記プラグ差込孔を正面向きから下向きに擺動可能となるように前記コンセントボックスの対向側面の前下部に設けた枢支孔に前記対向側面の前下部に設けた枢支軸を枢支した擺動コンセントと、から成るコンセントであって、
c)前記コンセントボックスの対向側面のボックス内の少なくとも上部に露出させて設けた両通電接点及び該両通電接点と対向して接触可能に前記擺動コンセントの対向側面の後部に露出させて設けた通電接点と、
d)前記擺動コンセントの両プラグ端子挟持板と前記両通電接点とを接続した両送電回路及び前記コンセントボックスの両通電接点と電源コードに接続するための両電源線接続部とを接続した両送電回路と、
を備えたことを特徴とするコンセント。
【請求項2】
a)コンセントボックスの枢支孔が前後に長い枢支孔であって、その枢支孔に擺動コンセントの枢支軸を遊嵌し、該枢支軸に擺動コンセントとを前へ回動するように付勢して装着したバネと、
b)前記擺動コンセントを前面側へ前記バネの付勢で回動させたとき、該擺動コンセントのプラグ差込孔が下向きとなって停止させるようコンセントボックスに設けた上部ストッパと、該上部ストッパに掛かるように対応させて設けた擺動コンセントの後面外側の突起と、
c)前記擺動コンセントを後部側へ前記バネの付勢に抗して回動させたとき、該擺動コンセントのプラグ差込孔が前面向きとなって停止させるようコンセントボックスの下部に設けた下部ストッパと、該下部ストッパに掛かるように対応させて設けた擺動コンセントの後面内側の突起と、
d)前記擺動コンセントの後部とコンセントボックスとの間に、該擺動コンセントのプラグ差込孔が前面向き状態で、擺動コンセントを前方に押し出すように付勢させて設けた板バネと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンセント。
【請求項3】
擺動コンセント内に両プラグ端子挟持板を固定する端子固定部を設け、該端子固定部に擺動コンセントの前面から一定距離まで突出可能としたスライド手段を設けるとともに、両送電回路に前記端子固定部の移動に追随して伸縮可能とする伸縮送電回路を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンセント。
【請求項4】
コンセントボックスの通電接点を、擺動コンセントの通電接点に接触可能に対向させて、擺動上限に狭く形成するか又は擺動上限から擺動下限までの範囲に広く形成したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載のコンセント。
【請求項5】
擺動コンセントの上面に両送電回路の接続をオン・オフするスイッチを設けたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載のコンセント。
【請求項6】
擺動コンセントの上面に両送電回路が通電接点に接触状態で点灯し、非接触状態で消灯するランプを設けたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれかに記載のコンセント。
【請求項7】
コンセントボックスに、開口部から突出した擺動コンセントを囲う蓋を開閉可能に設けたことを特徴とする請求項1から6のうちいずれかに記載のコンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45734(P2013−45734A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184356(P2011−184356)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(511208955)
【Fターム(参考)】