説明

コンタクトレンズの消毒のための過酸化水素溶液及びキット

触媒の存在下で残留過酸化水素濃度の増加に有効な量のビニルピロリドンポリマーを含み、したがって溶液の有効期間を延ばす、コンタクトレンズの消毒のための過酸化水素溶液である。また、a)過酸化水素水溶液(ここで、過酸化水素水溶液は、ビニルピロリドンポリマー及び過酸化水素を含む)、ならびにb)所定の量の過酸化水素溶液を保持するための容器(ここで、容器は、基板及びその上に被覆している触媒を含むディスクを含む)を含むコンタクトレンズの消毒に使用するためのキットであり、ここで、所定の量の過酸化水素が容器に加えられて触媒で被覆したディスクの全体を浸したとき、過酸化水素水溶液が6時間かけて分解して、100ppm未満の残留過酸化水素濃度をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医用装置の消毒及び清浄システムに関する。好ましい実施態様では、本発明は、コンタクトレンズを同時に清浄及び消毒するための組成物、方法及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
コンタクトレンズに使用するための消毒溶液は、当技術分野において周知であり、そしてそのようなレンズの使用は、毎日の消毒処理を伴う。可撓性、すなわちソフトコンタクトレンズは一般に親水性ポリマーから製造され、これらのレンズのヒドロキシ基は、相当量の水をプラスチック内に引き付けかつ保持し、それが清浄及び消毒の間に困難をもたらす。
【0003】
コンタクトレンズ消毒の最も主要な二つの方法は、単一の溶液が、レンズの消毒、清浄及び貯蔵に使用される多目的溶液ならびに過酸化水素に基づくシステムである。多目的溶液は保存料を含むが、過酸化水素に基づくシステムでは、保存料を含まない。過酸化水素は、酸化によって病原体を破壊する、効果的な微生物消毒剤である。過酸化水素システム、特に3%過酸化水素溶液は、全ての型の一日及び長期装用ヒドロゲルレンズに選択される消毒剤として出現した。この人気の主な理由は、微生物汚染物質の速やかな殺菌及び低い残留特性である。過酸化水素がレンズを消毒した後、O及び水のような無害かつ自然の副生成物へと変換することができ、これは眼の生理と適合する。Krezanoski et al., "Journal of the American Optometric Association", Vol. 59, Number 3, pages 193 197 (1988)を参照されたい。
【0004】
一般に、過酸化水素システムは、過酸化水素含有消毒溶液を含み、この溶液に消毒されるコンタクトレンズを入れ、所要の期間留まらせる。過酸化水素は、(1)バクテリア内の塩化物を酸化して次亜塩素酸塩とするか、又は(2)新生酸素及びヒドロキシルラジカルへと分解することができ、よって殺菌効果をもたらす。必要な期間の後、過酸化水素の意図的な不活性化が、例えば白金触媒を用いて行われる。不活性化の後、コンタクトレンズは、眼に再度挿入することができる。
【0005】
多量の特許文献が、過酸化水素のコンタクトレンズ消毒システムに関して利用できる。引用文献は、以下に対しこの点においてなされる:
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Wintertonらの米国特許第5,523,012号は、界面活性剤の過酸化物消毒溶液への添加が、溶液の消毒特性を強化することを教示している。しかしながら、開示されている界面活性剤は、全て0.1%を超える量で存在し、かつ過剰の発泡のために、レンズ消毒系において過酸化水素の失活に通常使用される白金触媒ディスクと適合しない。
【0007】
Parkらの米国特許第5,746,972号は、過酸化水素を含む液体媒質及び少なくとも70重量%のポリエチレンオキシドを有する固体のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー界面活性剤を含む、コンタクトレンズの消毒及び清浄のための組成物及び方法を教示している。過酸化水素は、溶液から放出されるカタラーゼによって分解され、「発泡量の減少」を生じさせる。しかしながら、このような組成物は、白金触媒が過酸化水素の分解に使用されるとき、過剰の発泡を生じさせる。
【0008】
コンタクトレンズ産業における長年にわたる要求の一つは、使いやすく、更に消毒効果の高いコンタクトレンズケア溶液を提供することである。二種類の過酸化水素のコンタクトレンズ消毒溶液があり、それらは:1工程システム及び2工程システムである。2工程システムは:第一に、過酸化水素濃度がほぼ一定である期間、コンタクトレンズを0.6%〜3%の間の濃度を有する過酸化水素溶液に浸すこと、及び第二に、コンタクトレンズを触媒溶液に浸して、コンタクトレンズ内に残った過酸化水素を中和することを含む。1工程システムは、コンタクトレンズを、触媒白金ディスクを設置したコンタクトレンズ貯蔵容器内で、約3%の過酸化水素溶液に約6時間浸すことを含む。6時間浸した後、残留過酸化水素の濃度は、200ppm未満、より好ましくは100ppm未満に減少し、そしてコンタクトレンズは、眼に挿入することができる。通常は、2工程システムは、1工程システムより高い消毒効果を有し、これは、前者が消毒処理の間により高い過酸化水素濃度を有するためである。しかしながら、1工程システムは2工程システムより簡便であり、コンタクトレンズ装用者の間でより高い人気を得ている。
【0009】
したがって、これらの問題の一つ以上を解決する、過酸化物のコンタクトレンズ消毒溶液を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、一つの態様において、消毒に有効である量の過酸化水素及びビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを含む、コンタクトレンズを消毒するためのコンタクトレンズケア溶液であって、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーが、同一の触媒、約6.0〜8.0のpHを組成物に提供するのに十分な量の一種以上の緩衝剤の存在下で、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有さない同一の組成を有する対照溶液と比べて少なくとも20%の、残留過酸化水素濃度の増加をもたらすのに十分な量で存在しており、組成物が、約200〜約450mOsm/kgのオスモル濃度及び25℃で最大5.0センチポアズまでの粘度を有する、溶液を提供する。
【0011】
本発明は、他の態様において、コンタクトレンズの消毒に使用するためのキットであって、a)過酸化水素水溶液(過酸化水素水溶液は、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを含み、消毒に有効な量の過酸化水素を含む)ならびにb)所定の量の過酸化水素溶液を保持する容器(容器は、基板及びその上に被覆している触媒を含むディスクを含む)を含み、所定の量の過酸化水素が容器に加えられて触媒で被覆した放射状ディスクの全体を浸したとき、過酸化水素水溶液が6時間かけて分解され、100ppm未満の残留過酸化水素濃度をもたらす、キットを提供する。
【0012】
本発明は、さらなる態様において、コンタクトレンズの消毒に使用するための装置であって:過酸化水素水溶液を含有するための容器;ならびに約2.0cm〜9.0cmの表面積を有する基板及びその上に被覆している触媒を含む過酸化水素分解ディスクを含み、ここで、触媒ディスクは、10.4cmの基板表面積、及び容器内で一定体積の過酸化水素溶液と接触したときに表面積当たりの重量が実質的に同一である触媒コーティングとを有する対照竪琴状と比べて、少なくとも80%の残留過酸化水素濃度の増加をもたらすことができ、ここで、放射状ディスクが、容器内で過酸化水素水溶液と全体で接触するように位置している、装置を提供する。
【0013】
本発明のこれらの、そしてまた他の態様は、以下の好ましい本実施態様の説明から明らかになるであろう。詳細な説明は、単に本発明を図示し、本発明の範囲を制限せず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその同等物によって定義される。当業者にとって明らかであるように、本発明の多くの変形及び変更は、開示の新規な概念の趣旨と範囲から逸脱することなく作用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術の竪琴状触媒ディスクの平面図である。
【図2】本発明の実施例の実施態様の、放射状触媒ディスクの平面図である。
【図3】本発明の実施例の実施態様の、二つのアームを切り落とした放射状触媒ディスクの平面図である。
【図4】本発明の実施例の実施態様の、四つのアームを切り落とした放射状触媒ディスクの平面図である。
【図5】本発明の実施例の実施態様の、切り落とされた触媒放射状ディスクの平面図である。
【図6】本発明の実施例の実施態様の、放射状触媒ディスクの斜視図である。
【図7】本発明の実施例の実施態様の、50%高さが修正された放射状触媒ディスクの斜視図である。
【図8A】図8は、表面積を修正した放射状触媒ディスクの、Clear Care(登録商標)中で20、30、60、120及び360分間の循環後の残留過酸化水素濃度を示す棒グラフである。
【図8B】図8Bは、表面積を修正した放射状触媒ディスクの、Clear Care(登録商標)中で20、30、60、120及び360分間の循環後の残留過酸化水素濃度を示す棒グラフである。
【図8C】図8Cは、表面積を修正した放射状触媒ディスクの、Clear Care(登録商標)中で20、30、60、120及び360分間の循環後の残留過酸化水素濃度を示す棒グラフである。
【図8D】図8Dは、表面積を修正した放射状触媒ディスクの、Clear Care(登録商標)中で20、30、60、120及び360分間の循環後の残留過酸化水素濃度を示す棒グラフである。
【図8E】図8Eは、表面積を修正した放射状触媒ディスクの、Clear Care(登録商標)中で20、30、60、120及び360分間の循環後の残留過酸化水素濃度を示す棒グラフである。
【0015】
発明の詳細な説明
断りない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法及び実験方法は、当技術分野において周知であり、一般に使用されている。従来の方法が、これらの方法、例えば当技術分野において及び種々の一般的な参考文献で提供されるものに対して用いられる。用語が単数で与えられている場合、本発明者らはその用語の複数形も想定している。一般に、本願明細書で用いられる命名法及び後述する実験方法は、当技術分野において周知であり、一般に使用されているものである。開示の全体にわたって用いられるように、下記の用語は、特に明記しない限り、下記の意味を有することが理解されるものとする。
【0016】
本発明は、(A)ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを過酸化水素溶液に混合すること、あるいは(B)過酸化水素を中和するために用いる触媒ディスクの表面積を減らすこと、あるいは(C)(A)及び(B)の組合せによって、広い範囲の微生物に対する改良された消毒有効性の発見に基づく。
【0017】
消毒溶液は、通常、一種以上の有効成分(例えば、抗菌物質及び/又は保存料)を、推奨される最低限の浸漬時間の範囲内で、コンタクトレンズ表面上の有害な微生物を壊滅するために十分な濃度で含む、コンタクトレンズケア用品として定義される。推奨される最低限の浸漬時間は、消毒溶液の使用に関するパッケージの説明書に含まれている。
【0018】
用語「ソフトレンズ」は、使用中のレンズの含水量が少なくとも20重量%であるように、親水性の繰り返し単位の部分を有するレンズを意味する。本明細書で用いられる用語「ソフトコンタクトレンズ」は、一般に、少量の力の下で容易に撓曲するコンタクトレンズを指す。通常、ソフトコンタクトレンズは、ヒドロキシエチルメタクリラート及び/又は他の親水性モノマーから誘導され、一定の割合の繰り返し単位を有するポリマーから調整されて、通常は架橋剤によって架橋される。対照的に、眼の角膜の一部しか覆わない従来の「ハードコンタクトレンズ」は通常、エチレングリコールジメタクリラート等によって架橋したポリ(メチルメタクリラート)からなり、そして、従来の堅い気体透過性レンズ(RGP)は、通常、より酸素透過性の材料を生じるケイ素を含むモノマーからなる。
【0019】
コンタクトレンズに関して、用語「眼に安全」は、その溶液で処理したコンタクトレンズが、すすぎ無しで直接眼に入れても安全であること、すなわち、その溶液がコンタクトレンズを介しての眼との毎日の接触に対して安全かつ十分に快適であることを意味する。眼に安全な溶液は、眼に適合する張度及びpHを有し、そして国際的なISO標準及び米FDA規則に従って非細胞毒性である、材料及びその量を含む。
【0020】
用語「眼と適合する」は、眼を著しく損傷せず、そして装用者への目立った不快感無しで、長期間眼と密接することができる溶液を意味する。
【0021】
用語「消毒溶液」は、コンタクトレンズに存在する種々の微生物の存在を減らすか又は実質的に除去するために効果的である、一種以上の微生物消毒化合物を含む溶液を意味し、溶液又は溶液に浸漬した後のコンタクトレンズを、当該微生物の指定された接種物を用いて検証することによって、試験することができる。本明細書で用いられる用語「消毒溶液」は、溶液が貯蔵溶液としても役立つことができるか、又は消毒溶液がさらにコンタクトレンズの毎日の清浄、すすぎ及び貯蔵に役立つことができるという可能性を排除しない。
【0022】
用語「清浄」は、溶液が、物品の表面上に緩く保持されたレンズ付着物及び他の汚染物質をはずし、そして除去するために十分な濃度の一種以上の有効成分を含むことを意味する。本発明には必要ではないが、使用者は、指での操作(例えば、溶液とレンズの手動摩擦)又はレンズと接触した溶液を攪拌する付属装置(例えば、機械的洗浄補助装置)と連動して本発明の溶液を使用することを望むことができる。
【0023】
例えばコンタクトレンズのような物品の清浄、化学消毒、貯蔵及びすすぎに役立つ溶液を、本明細書において「多目的溶液」という。そのような溶液は、「多目的溶液系」の一部又は「多目的溶液パッケージ」の一部でもよい。多目的溶液、システム又はパッケージを使用するための手順は、「多機能消毒法」という。多目的溶液は、一部の装用者、例えば消毒薬又は他の薬品に特に敏感である装用者が、レンズ挿入前に他の溶液、例えば無菌の塩水溶液を用いてコンタクトレンズをすすぐ又は濡らすことを好むことができるという可能性を排除しない。用語「多目的溶液」はまた、毎日は用いられない周期的な清浄剤又は通常は毎週使われるタンパク質を除去するための補助的な清浄剤、例えば酵素清浄剤の可能性を除外しない。
【0024】
本明細書で用いられるポリマー材料の「分子量」は、他に特記しない限り又は他に試験条件を示さない限り、数平均分子量を指す。
【0025】
本明細書で用いられる「対照溶液と比べての残留過酸化水素濃度の増加」は、同一の触媒の存在下での、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有さない同一の組成を有する対象溶液と比べての、残留過酸化水素濃度の増加を指す。ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの存在による残留過酸化水素濃度の増加の割合は、比率[(Cwith at 30 minute−Ccontrol at 30 minute)/Ccontrol at 30 minute]]×100として定義される;Cwith at 30 minuteは、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有する一定体積の過酸化水素含有溶液が、適切な触媒と、プラスチック容器中、室温で30分間接触するときに測定した、残留過酸化水素濃度である。Ccontrol at 30 minuteは、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有さない以外同一の一定体積の過酸化水素溶液が、同一の適切な触媒と、同一のプラスチック容器中、室温で30分間接触する(対照溶液と称する)ときに測定した、残留過酸化水素濃度である。一定体積は、触媒を完全に浸漬することができて、約5cm〜25cm、好ましくは7cm〜18cm、より好ましくは8cm〜13cm、更により好ましくは9cm〜11cmである。過酸化水素溶液は、過酸化水素を含み、コンタクトレンズケア溶液のための他の適切な成分、例えば界面活性剤、緩衝液、等張化剤を含むことができる。
【0026】
本明細書で使用する用語「対照ディスクと比べての残留過酸化水素濃度の増加」は、一定体積の同一の過酸化水素溶液と容器内で接触したときの、10.4cmの基板表面積及び表面積当たりの重量が実質的に同一の触媒コーティングを有する対照ディスクと比べての、残留過酸化水素濃度の増加を指すことができ、ここで、放射状ディスクは、容器内で過酸化水素水溶液と接触するように位置する。対照の放射状ディスクより小さい表面積のディスクによる残留過酸化水素濃度の増加の割合は、比率[(Creduced surface area at 60 minute −Ccontrol disc at 60 minute)/Ccontrol at 60 minute]×100として定義される;Creduced surface area at 60 minuteは、一定体積の過酸化水素が、対照ディスクより小さい表面積を有する、触媒で被覆したディスクとプラスチック容器中で、室温で60分間接触するときに測定した、残留過酸化水素濃度である。Ccontrol at 60 minuteは、一定体積で同一の過酸化水素溶液が、同一の触媒で被覆した対照ディスクと、同一のプラスチック容器中で、室温で60分間接触するときに測定した、残留過酸化水素濃度である。一定体積は、触媒を完全に浸漬することができて、約5cm〜25cm、好ましくは7cm〜18cm、より好ましくは8cm〜13cm、更により好ましくは9cm〜11cmである。過酸化水素溶液は、過酸化水素を含み、コンタクトレンズケア溶液のための他の適切な成分、例えば界面活性剤、緩衝剤、等張化剤を含むことができる。
【0027】
本発明に従って、用語「基板」は、任意のプラスチック材料を意味する。好ましいプラスチック材料は、良好な寸法安定性、加水分解安定性及び低〜非水吸収作用の材料特性を有し、例えば、アセタール(Delrin(登録商標)、Celcon(登録商標))、CPVC、Engage(登録商標)、Halar(登録商標)、Isoplast(商標)Kynar(登録商標)(PVDF)、Lexan(登録商標)(PC)、Noryl(登録商標)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)である。より好ましいプラスチック材料は、Noryl(登録商標)、修飾ポリフェニレンエーテルである。本発明のディスクは、プラスチック材料を使用する射出成形方法によって製造することができる。本発明のディスクは、平滑な表面及び粗い表面を有することができる。好ましくは、ディスク表面は、SPI(プラスチック工業会)表面仕上げのB−2〜C−1の評価、より好ましくはB3の評価を有する。
【0028】
本発明に従って、用語「触媒」は、過酸化水素の分解を触媒する任意の材料を意味する。触媒は、好ましくは固体であり、より好ましくは、周期表の3〜12族の遷移金属もしくはランタノイド元素の一種の、金属又は金属酸化物である。特に好ましいものは、白金、より特には酸化白金である。異なる遷移金属は、過酸化水素の分解において異なる反応経路をたどる。例えば、出願人は、過酸化物は、触媒として白金イオンを使用して、以下の機構をたどって分解されると考えている:
2H+Ptn+ → 2HO+O+Ptn+
【0029】
出願人はまた、過酸化物は、Fenton試薬を使用して分解することができ、例えば、第一鉄イオンFe2+は、水素によって酸化され、鉄イオンFe3+、ヒドロキシルラジカル及びヒドロキシルアニオンとなることを見出した。鉄イオンFe3+は、次に同じ過酸化水素によって、第一鉄イオン、ペルオキシドラジカル及びプロトンに還元される(不均化)。
+Fe2+ → HO・+HO+Fe3+
+Fe3+ → Fe2++OOH・+H
【0030】
高い反応性種であるヒドロキシルラジカルは、消毒の効果を増加させることができる。Fenton試薬は、過酸化水素の分解用の触媒として白金と共に組み込むことも、又は単独で作用することもできる。Fenton試薬の供給源は、例えば、TiO、Fe(NO、Fe(Cl)、Fe(NH)(SO又はFe2+又はTi3+イオンを含有するか生じることができる他の電子供与性化合物であることができる。
【0031】
選択肢(A)の本発明は、一般に過酸化水素消毒溶液に関する。本発明は、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの過酸化水素消毒溶液への添加が、同一の触媒存在下で、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有さない同一の組成を有する対照溶液に比べて少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%又はより好ましくは少なくとも50%の残留過酸化水素濃度の増加をもたらすという発見に部分的に基づく。過酸化水素消毒溶液はまた、一種以上の緩衝剤を、約6.0〜8.0のpHを組成物にもたらすのに十分な量で含み、ここで、組成物は、中和後に約200〜約450mOsm/kgのオスモル濃度及び25℃で約5.0センチポアズまでの粘度を有する。選択肢(A)の本発明はまた、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの添加は30分間の処理で残留過酸化水素の実質的な増加をもたらすが、6時間の処理後の残留過酸化水素の濃度は、100ppm未満まで減少しており、そしてビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有する過酸化水素溶液で処理したコンタクトレンズは、眼に挿入した際にも快適であるという発見に部分的に基づく。選択肢(A)の本発明は更に、過酸化水素消毒溶液中のビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの存在が、過酸化水素消毒溶液を含むビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーが触媒ディスクを含む容器内でコンタクトレンズの消毒に使用される場合に、無いか又は実質的に低い形成を生じさせるという発見に部分的に基づく。選択肢(A)の本発明はまた更に、過酸化水素消毒溶液中のビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの存在が、コンタクトレンズに潤滑性をもたらし、これは湿潤性の上昇、摩擦の減少、初期快適さ及び/又はレンズ上の付着物の減少した接着力という予期しない恩恵をもたらし、それらよって眼中のコンタクトレンズの快適さを向上させるという発見に部分的に基づく。
【0032】
本発明者らは任意の特定の理論に束縛されることを望まないが、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーが初期快適さ(レンズを挿入する時)に影響を及ぼすことができると考えられる。十分に大きい分子量を有するビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーは、レンズと角膜上皮の間に潤滑さをもたらすことができる。ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの取り込みは、本発明のコンタクトレンズ溶液に浸漬されたコンタクトレンズの潤滑性、湿潤性(接触角の減少によって特徴づけられる)を増加させ、及び/又は摩擦力を減少させることができる。
【0033】
本発明に従って、コンタクトレンズは、従来型のヒドロゲルコンタクトレンズ(すなわち非シリコーンヒドロゲルレンズ)又は好ましくはシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであることができる。
【0034】
本発明の溶液は、過酸化水素を消毒用途に適切な濃度、好ましくは約0.5%〜約6%、より好ましくは約2%〜約6重量%、最も好ましくは3%〜4%の間、又は約3重量%で含む。
【0035】
本発明に従って、任意のビニルピロリドンのコポリマー及び少なくとも一種の親水性モノマーを、本発明に使用することができる。好ましいコポリマーの種類は、ビニルピロリドン及び少なくとも一種のアミノ含有ビニルモノマーのコポリマーである。アミノ含有ビニルモノマーの例は、非限定的に、8〜15個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキルメタクリラート、7〜15個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキルアクリラート、8〜20個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキルメタクリラート、7〜20個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキルアクリラート、3〜10個の炭素原子を有するN−ビニルアルキルアミドを含む。好ましいN−ビニルアルキルアミドの例は、非限定的に、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド及びN−ビニル−N−メチルアセトアミドを含む。好ましいコポリマーの例は、非限定的に、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマーを含む。そのような好ましいコポリマーは市販されており、例えばISP製コポリマー845及びコポリマー937である。
【0036】
ビニルピロリドンのコポリマーは、組成物中に、体積当たりの重量(w/v)に基づいて約0.02%〜約5重量%、好ましくは0.1〜3%;より好ましくは約0.5%〜約2%、最も好ましくは約0.25%〜約1.5%の量で存在する。
【0037】
本発明の組成物は、好ましくは緩衝液を含む。緩衝液は、pHを好ましくは所望の範囲内、例えば約4、又は約5、又は約6から約8、又は約9又は約10の、生理学的に許容される範囲に保つ。特に、溶液は、好ましくは約5.5〜約8の範囲のpHを有する。緩衝液は、無機又は有機塩基、好ましくは塩基性の酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、炭酸塩、重炭酸塩及びそれらの混合物、より好ましくは塩基性のリン酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、炭酸塩、重炭酸塩及びそれらの混合物より選択される。通常は、体積当たりの重量(w/v)に基づいて、0.001%〜2%、好ましくは0.01%〜1%;最も好ましくは約0.05%〜約0.30%の量で存在する。
【0038】
緩衝液成分は、好ましくは一種以上のリン酸緩衝液、例えば一塩基リン酸、二塩基性リン酸などの組み合わせを含む。特に有用なリン酸緩衝液は、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属のリン酸塩から選択されるそれらである。適切なリン酸緩衝液の例は、一種以上のリン酸二ナトリウム(NaHPO)、リン酸一ナトリウム(NaHPO)及びリン酸一カリウム(KHPO)を含む。他の好ましい緩衝液系は、一つ以上のホウ酸塩緩衝液を含む。
【0039】
本発明による溶液は、好ましくはそれらが涙液と等張性であるような方法で処方される。涙液と等張性である溶液は、一般に、その濃度が0.9%塩化ナトリウム溶液(308mOsm/kg)の濃度に対応する溶液であると理解される。この濃度からの逸脱は、終始可能である。
【0040】
涙液との等張性又は他の所望の張度は、張度に影響を及ぼす有機又は無機質の添加によって調整することができる。眼に許容される適切な等張化剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、polios、マンニトール、ソルビトール、キシリトール及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。好ましくは、溶液の張度の大部分は、非ハライド含有電解質(例えば重炭酸ナトリウム)及び非電解化合物からなる群より選択される一種以上の化合物によって提供される。溶液の張度は、通常は約200〜約450ミリオスモル(mOsm)、好ましくは約250〜350mOsmの範囲に調整される。
【0041】
本発明の組成物は、界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含んでもよい。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性及び両性の界面活性剤を含む、実質的に任意の眼に許容される界面活性剤であることができる。適切な界面活性剤は一般に、第一級又は第二級ヒドロキシル基を末端とする親水性及び疎水性物質のブロックコポリマーとして説明することができる。そのような界面活性剤の第一の例は、第一級ヒドロキシル基を末端とするポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合ポリマーである。これらはまず、プロピレングリコールの二つのヒドロキシル基へのプロピレンオキシドの制御添加によって、所望の分子量の疎水物質をつくることで合成することができる。合成の第二段階において、エチレンオキシドを加えて、この疎水物質を親水性基の間にはさむ。そのようなブロックコポリマーは、BASF社から、PLURONIC(登録商標)の商標で購入することができる。そのような界面活性剤の第二の例は、第二級ヒドロキシル基を末端とするポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン縮合ポリマーである。これらはまず、エチレンオキシドのエチレングリコールへの制御添加によって、所望の分子量の親水性物質(ポリオキシエチレン)をつくることで合成することができる。合成の第二の工程において、プロピレンオキシドを加えて、分子の外側に疎水性ブロックを生じる。そのようなブロックコポリマーは、BASF社からPLURONIC(登録商標)Rの商標で購入して得ることができる。PLURONIC(登録商標)R界面活性剤の具体的な例は、満足にはPLURONIC(登録商標)31R1、PLURONIC(登録商標)31R2、PLURONIC(登録商標)25R1、PLURONIC(登録商標)17R1、PLURONIC(登録商標)17R2、PLURONIC(登録商標)12R3を含む。特に良好な結果は、PLURONIC(登録商標)17R4界面活性剤を用いて得られる。
【0042】
PLURONIC(登録商標)の文字−数字の組合せは、一連の様々な製品を識別するために用いられる。アルファベットの指定は、生成物の物理的形態を説明する:液体は「L」、ペーストは「P」、固体形態は「F」(全て20℃において)。数字の指定において、最初の数字(3桁番号において2桁)は、300を乗じて、疎水物質(ポリプロピレンオキシド)のおよその分子量を示す。最後の桁は、10を乗じて、パーセントでの分子内のおよそのポリエチレンオキシド含有量を示す。
【0043】
PLURONIC(登録商標)R系列の呼称の途中に見られる文字「R」は、この生成物がPLURONIC(登録商標)製品と比べて逆の構造を備えていること、すなわち、親水性部分(エチレンオキシド)がプロピレンオキシドブロックの間に挟まれていることを示す。「R」の前の数字の指定は、100を乗じて、プロピレンオキシドブロックのおよその分子量を示す。「R」の後の数字は、10を乗じて、その製品中のエチレンオキシドのおよその重量パーセントを示す。
【0044】
好ましい界面活性剤の例は、非限定的に、ポロキサマー(例えば、Pluronic(登録商標)L35、L43、L44、L62、L62D、L62LF、L64、L92、F108、F123、F88、F98、F68、F68LF、F127、F87、F77、P84、P85、P75、P103、P104、P105及び17R4)、ポロキサミン(例えば、Tetronic(登録商標)707、1107及び1307)、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル(例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80)、C12−C18アルカンのポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンエーテル(例えば、Brij(登録商標)35)、ポリオキシエチレンステアラート(Myrj(登録商標)52)、ポリオキシエチレンプロピレングリコールステアラート(Atlas(登録商標)G 2612)ならびに商品名Mirataine(登録商標)及びMiranol(登録商標)の両性界面活性剤を含む。
【0045】
界面活性剤成分の量は、多くの要因、例えば、具体的な界面活性剤又は用いられる界面活性剤、組成物中の他の成分等に応じて、広範囲に変化する。例えば、PLURONIC(登録商標)系列の界面活性剤について、多くの場合、界面活性剤の量は、約0.0001%又は約0.0002%〜約0.03%、又は約0.05%又は約0.08%(w/v)の範囲である。好ましくは、界面活性剤は、0.02%未満;及び最も好ましくは0.04%未満の量で存在する。他の例では、非PLURONIC(登録商標)R系列の界面活性剤、例えばPLURONIC(登録商標)Rは、多くの場合、界面活性剤の量は、約0.005%又は約0.01%〜約0.1%、又は約0.5%又は約0.8%(w/v)の範囲である。好ましくは、界面活性剤は、0.2%未満;最も好ましくは0.1%未満の量で存在する。
【0046】
本発明のコンタクトレンズ溶液は、粘度を増強するポリマーを含むことができ、これは水溶性セルロース誘導ポリマー、水溶性ポリビニルアルコール(PVA)又はそれらの組み合わせであることができる。有用なセルロース誘導ポリマーの例は、非限定的に、セルロースエーテルを含む。好ましいセルロースエーテルの例は、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はそれらの混合物である。より好ましくは、セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びそれらの混合物である。セルロースエーテルは、組成物中に、レンズケア溶液の総量に基づいて、好ましくは約0.001%〜約0.5重量%の量で存在する。レンズケア溶液の望ましい粘度は、25℃で約5.0センチポアズまでである。
【0047】
本発明に従って、溶液は更に、ムチン様材料、眼に有益な材料、ヒアルロン酸及び/又は界面活性剤を含むことができる。
【0048】
ムチン様材料の例は、非限定的に、ポリグリコール酸及びポリラクチドを含む。ムチン様材料は、ドライアイ症候群の処置のために、眼の表面に、長期間にわたって連続的にかつゆっくりと徐放されることができるゲスト材料として使用することができる。ムチン様材料は、好ましくは有効量で存在する。
【0049】
眼に有益な材料の例は、非限定的に、2−ピロリドン−5−カルボン酸(PCA)、アミノ酸(例えば、タウリン、グリシン等)、α−ヒドロキシル酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸及びクエン酸ならびにそれらの塩等)、リノール酸及びγ−リノール酸ならびにビタミン(例えば、B5、A、B6等)を含む。
【0050】
レンズは、ヒドロゲルレンズ形成配合物から、当業者に公知である任意の方法に従って調製することができる。「ヒドロゲルレンズ形成配合物」又は「ヒドロゲルレンズ形成材料」は、熱的に又は化学線的に硬化する(すなわち、重合及び/又は架橋)ことができ、架橋/重合したポリマー材料を与える重合性組成物を指す。レンズ形成材料は、当業者に周知である。通常は、レンズ形成材料は、当業者に公知である重合性/架橋性成分、例えば、モノマー、マクロマー、プレポリマー又はそれらの組み合わせを含む。レンズ形成材料は、更に他の成分、例えば非架橋性親水性ポリマー(すなわち、浸出性ポリマー潤滑剤)、開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)、視認着色剤、UV遮断剤、光増感剤、抗菌剤等を含むことができる。
【0051】
選択肢(B)の本発明は、対照の竪琴状ディスクと比べてのディスクの表面積の減少による、残留過酸化水素濃度の増加をもたらす。現在市場に出されている竪琴状触媒ディスクは、およそ10.4cmの表面積を有する、一般に中空で円形の、歯車形の物体を含む。触媒ディスクは、円筒容器の底部の中で協調して適合するように成形される。そのような円筒容器は、当技術分野において公知であり、そして例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,196,174号に提供されている。触媒ディスクの表面積は、ディスクの高さを減少させるか又はディスクから一つもしくは幾つかのアームを取り除くことにより減少させることができる。10.4cm(対照としての竪琴状ディスク)、8.7cm(放射状ディスク)及び5.2cm(放射状ディスク)の表面積を有する触媒ディスクが、例として評価される。触媒ディスクの表面積は、与えられた処理条件(過酸化水素溶液の組成、初期過酸化水素濃度、過酸化水素の体積、処理温度等)での、ある処理時間後の残留過酸化水素濃度の増加に重要であることを注意されたい。
【0052】
選択肢(B)の本発明は、一般に、過酸化水素触媒の装置及び方法に関する。本発明は、より小さい触媒ディスクは、容器内で一定体積の過酸化水素溶液と接触したとき(ここで、ラジカルディスクは過酸化水素水溶液と接触するように容器内に位置する)、10.4cmの基板表面積及び実質的に同一の表面積当たりの重量の触媒コーティングを有する対照ディスクと比べて、少なくとも80%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも500%、更により好ましくは1000%、残留過酸化水素濃度の増加をもたらすことができるという発見に部分的に基づく。残留過酸化水素濃度は、一定体積の過酸化水素が、触媒で被覆した、対照ディスクより小さい表面積を有するディスクと、プラスチック容器内で、60分間室温で接触したときに測定される。本発明はまた、より小さな触媒ディスクは、一定体積の過酸化水素が、触媒で被覆した、対照ディスクより小さい表面積を有するディスクと、プラスチック容器内で、60分間室温で接触するときに測定される、残留過酸化水素濃度の実質的な増加(80%〜1000%)をもたらすことができるが、6時間接触した後の残留過酸化水素の濃度が、200ppm、より好ましくは100ppm未満に減少し、かつ過酸化水素触媒装置で処理したコンタクトレンズが、眼に快適に挿入することができるという発見に部分的に基づく。
【0053】
本発明は、ディスクの表面積を減少させることによって、改良された中和反応機構をもたらす。現在市販されている竪琴状ディスクは、表1に示すように、1150μgの白金コーティングと共に約10.4cmの表面積を有する。表1はまた、968μgの白金コーティングと共に8.7cmの表面積を有する放射状ディスク;649μgの白金コーティングと共に5.2cmの表面積を有する別の放射状ディスクを提供する。驚くべきことに、より少ない白金で被覆したディスクは、処理開始から1時間の間及び清浄サイクルを通して、コンタクトレンズに過酸化水素の増加をもたらし、よって消毒効果において全体的な増加を生じる。これはコンタクトレンズの消毒に使用される過酸化水素消毒溶液は、8ml〜18mlの範囲の体積を有することを仮定している。好ましい実施態様において、過酸化水素消毒溶液は、9.5ml〜11.5mlの範囲の体積を有する。好ましい実施態様において、放射状ディスクは、2.0cm〜9.0cmの範囲の表面積、好ましくは3.5cm〜8.5cmの範囲の表面積、より好ましくは5.0cm〜6.5cmの範囲の表面積、更に好ましくは5.2cm〜6.0cmの範囲の表面積を有する。
【0054】
好ましい実施態様において、放射状ディスクはプラスチック担体を用い、かつ200μg〜1000μgの範囲での触媒コーティング、好ましくは400μg〜960μgの範囲での触媒コーティング、より好ましくは500μg〜700μgの範囲での触媒コーティング、更に好ましくは600μg〜650μgの範囲での触媒コーティングを有する。
【0055】
表面積当たりの被覆重量の観点から、好ましい実施態様において、ディスクは60μg/cm〜250μg/cm、好ましくは90μg/cm〜135μg/cm、より好ましくは100μg/cm〜125μg/cmの、触媒コーティングの表面積当たりの重量を有する。
【0056】
6時間後、残留過酸化物濃度はそれでも、灼熱感/刺痛及び/又は角膜の炎症を生じうる水準以下を保っている。
【0057】
【表1】

【0058】
更に、本発明は、現在の組成物の製造における容易さをもたらし、そのような組成物の使用を生じうる潜在的な問題の数を減少させる、相対的に単純かつ単純な被覆組成物を使用する、触媒で被覆した放射状ディスクを提供する。該組成物が製造される方法は、高度に均一なコーティングを提供し、したがって、所望の過酸化水素分解反応機構を提供するのに高度に信頼できる。
【0059】
選択肢(B)の本発明は、コンタクトレンズの消毒をもたらし、そして消毒の完了時に眼への挿入を適切にする、過酸化水素消毒水溶液の中和を行う過酸化水素触媒装置に関する。該装置は、約2.0cm〜9.0cmの表面積を有する放射状ディスクを含む。放射状ディスクは更に、処理開始から1時間の間にコンタクトレンズ消毒の効果の増加をもたらす、200μg〜900μgの触媒コーティングを含む。好ましい実施態様において、放射状ディスクは、2.0cm〜9.0cmの範囲の表面積、好ましくは3.5cm〜8.5cmの範囲の表面積、より好ましくは5.0cm〜6.5cmの範囲の表面積、更に好ましくは5.2cm〜6.0cmの範囲の表面積を有する。好ましい実施態様において、放射状ディスクは、200μg〜1000μgの範囲の触媒コーティング、好ましくは400μg〜960μgの範囲の触媒コーティング、より好ましくは500μg〜700μgの範囲の触媒コーティング、更により好ましくは600μg〜650μgの範囲の触媒コーティングを有する。更により好ましい実施態様において、ディスクは、表面積当たりの重量で60μg/cm〜250μg/cm、好ましくは90μg/cm〜135μg/cm、より好ましくは100μg/cm〜125μg/cmの触媒コーティングを有する。
【0060】
ここで図に関して、同じ参照番号は、幾つかの図の全体にわたって対応する部分を表す。図1は、従来技術の、10.4cmの表面積を有する竪琴状ディスク触媒ディスク15の平面図を示す。竪琴状触媒ディスクは、一般に残りのアームより長い3本のアームを有する、中空で円形の、歯車形の物体から成る。触媒ディスクは、円筒容器の底部の中で協調して適合するように、中心が中空の穴を有するように成形される。そのような円筒容器は当技術分野において公知であり、そして例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,196,174号において提供される。
【0061】
図2は、本発明についての実施例の態様に従う、8.74cmの表面積を有する対照の放射状触媒ディスク20の平面図を示す。図示するように、放射状ディスク20は、核から放射状にアームを伸ばす。示すように、対照の放射状ディスク20は、同様な一般に中空で円形の歯車状であるが、ディスクの全てのアームを等しい長さで製造することによって、従来技術の竪琴状ディスクからは減少した表面積を有する。放射状ディスクの表面積の減少は、過酸化水素とのより遅い反応をもたらし、それによって、清浄操作の初期に、過酸化水素のより高い水準を維持する一方で、灼熱感/刺痛及び/又は角膜の刺激をもたらす場合がある水準以下に残留過酸化水素を下げる。放射状触媒ディスクの斜視図は、図6に示される。
【0062】
図3〜5は、表面積を減らすさまざまな変更態様を有する、同様な一般に中空で円形の歯車状であるが、従来技術の放射状ディスク触媒より小さい表面積を有する、放射状触媒ディスクの平面図である。図3において、7.79cmの表面積を有する放射状触媒ディスク30は、切り落とされた2本のアームによって示される。図4において、放射状触媒ディスク40は、切り落とされた4本のアームによって示され、そして6.80cmの表面積を有する。図5において、放射状触媒ディスク50は、先端を四角く切り落とされたアームによって示される。同様な中心的な品目の周りのこれらの様々なデザインは、本発明の放射状ディスクの進歩的な効果を可能にする。このようにして、適切な放射状ディスク構成を、異なるタイプの過酸化水素消毒溶液ごとに提示することができる。
【0063】
代替的な実施形態において、高さの減少した放射状触媒ディスク60は、最も大きな表面積の減少をもたらす。放射状ディスク60の高さは、放射状ディスク20の高さの5%〜90%の範囲の寸法に減少する。これは、1.967cm〜8.026cmの表面積になる。放射状ディスクの高さのおよそ50%の減少は、図7にて示され、そして5.17cmの表面積になる。この減少は、過酸化水素清浄液の中和の間、放射状ディスクの過酸化物分解反応機構に莫大な影響を及ぼす。
【0064】
上記の放射状ディスク及び循環後のそれらの残留過酸化水素濃度の比較は、図8A〜8Eに図示される。Clear Care(登録商標)の溶液に浸漬している、各々の表面積を修正した放射状触媒ディスク20〜40及び60の残留過酸化水素濃度は、20、30、60、120及び360分の時間増加に対して示される。Clear Care(登録商標)溶液の過酸化水素濃度は、最初は約35,000ppmである。
【0065】
図8Aに示すように、初期過酸化水素濃度は、およそ20分後に急速な触媒的中和を受けた。20分後に、放射状ディスク20は、およそ2000ppmまでの過酸化水素の中和を生じた。これは、放射状ディスク30、40及び60に対しての触媒的中和の減少とは対照的である。2本のアームを減らした放射状ディスク30は、およそ4000ppmの過酸化水素濃度となり、4本のアームを減らした放射状ディスク40は、およそ4100ppmの過酸化水素濃度となり、そして50%高さを修正した放射状ディスク60は、およそ10,000ppmの過酸化水素濃度になった。図8Bは、放射状ディスク20〜40及び60を使用して30分循環させた後の過酸化水素濃度を示し、測定値は各々の放射状ディスクについて、それぞれおよそ1000ppm、2000ppm、2500ppm及び7800ppmであった。
【0066】
図8Cは、各々の放射状ディスク20〜40及び60に対して、およそ60分循環した後に測定した過酸化水素濃度を示す。各々の放射状ディスク20〜40及び60に対する過酸化水素濃度は、それぞれおよそ150、250、600及び1,750ppmであった。以上のように、放射状ディスクの表面積の減少は、消毒液中の過酸化水素の中和に、拡大した影響を及ぼす。触媒で被覆したディスクの表面積がより小さいほど、中和はより遅くなる。
【0067】
図8Dは、放射状ディスク20〜40及び60に対して、120分循環した後の過酸化水素濃度を示し、測定値は各々の放射状ディスクに対してそれぞれおよそ80ppm、200ppm、500ppm及び650ppmであった。
【0068】
図8Eは、放射状ディスク20〜40及び60を使用しての、6時間循環した後の過酸化水素濃度を示し、測定値は各々の放射状ディスクについてそれぞれおよそ2.6ppm、13ppm、15ppm及び25ppmであった。放射状ディスク20〜40及び60の使用は、6時間の循環後の残留過酸化水素濃度が100ppm以下であるので、高い残留過酸化物含有量に伴う灼熱感及び刺痛の危険を増加させない。
【0069】
以上の説明から、過酸化水素の中和の速度が提供される触媒域に依存していることは、容易に明らかである。したがって、任意で望ましい過酸化水素中和の速度を、使用する触媒で被覆した放射状ディスクの表面積を増減することによって達成することができる。
【0070】
選択肢(C)の本発明は、一般に、a)過酸化水素水溶液(ここで、過酸化水素水溶液は、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマー及び消毒に有効な量の過酸化水素を含む)ならびにb)所定の量の過酸化水素溶液を保持するための容器(ここで、容器は、基板及びその上に被覆している触媒を含有するディスクを含む)を含み、ここで、所定の量の過酸化水素が容器に加えられて触媒で被覆した放射状ディスクを完全に浸すとき、過酸化水素水溶液は6時間かけて分解して、100ppm未満の残留過酸化水素濃度をもたらす、コンタクトレンズの消毒に使用するキットを提供することに関する。
【0071】
前記開示は、当業者が本発明を実施することを可能にする。読者が具体的な実施態様及びその利点をよりよく理解することを可能とするために、以下の非限定的実施例を参照されたい。しかしながら、以下の実施例は、本発明の範囲を制限するように読まれるべきではない。
【実施例】
【0072】
以下の非限定的実施例は、本発明のある態様を例示する。
【0073】
実施例1(従来技術)−Clear Care溶液は、Ciba Visionより市販されている。
以下の液体組成物の量を、個々の成分(体積当たり重量%(w/v))を共に混合することにより調製した。
過酸化水素 3.5%
リン酸一ナトリウム、一水和物 0.072%
リン酸二ナトリウム、無水物 0.1555%
DEQUEST(登録商標)2060S 0.012%
塩化ナトリウム 0.79%
PLURONIC 17R4 0.05%
精製水 体積に適量
得られた溶液は、過酸化水素3.5%;リン酸一ナトリウム一水和物0.072%;リン酸二ナトリウム無水物0.1555%;DEQUEST(登録商標)2060S 0.012%;及び塩化ナトリウム0.79%及びPLURONIC 17R4 0.05%を含む水溶液である。
【0074】
実施例2
1%のコポリマー845を溶液に加えたこと以外は実施例1と同様の手法で、溶液を調製した。コポリマー845は、ISPより得た。
【0075】
実施例3
1%のコポリマー845及び0.02%のHPMC E4Mを溶液に加えたこと以外は実施例1と同様の手法で、溶液を調製した。コポリマー845は、ISPより得て、HPMC E4Mは、DOWより得た。
【0076】
実施例4
1.0%のコポリマー845を溶液に加え、PLURONIC 17R4をPLURONIC P103(0.001%)に代えた以外は実施例1と同様の手法で、溶液を調製した。PLURONIC P103は、BASFより得た。
【0077】
実施例5
0.5%のコポリマー845を溶液に加え、PLURONIC 17R4をPLURONIC P103(0.001%)に代えたこと以外は実施例1と同様の手法で、溶液を調製した。
【0078】
実施例6
リン酸緩衝液を0.64%ホウ酸緩衝液に代え、1.0%のコポリマー845及び0.02%のHPMC E4Mを溶液に加えたこと以外は実施例1と同様の方法で、溶液を調製した。
【0079】
過酸化物中和の30分及び360分後の過酸化物濃度
(AOCUP及びAODiscを使用した白金で被覆したディスクシステム;共にAOSEP(登録商標)過酸化水素システムとして市販されている)
【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
実施例7〜9
実施例7〜9に使用した溶液は、実施例1(従来技術)と同様にして調製した。過酸化水素−分解放射状ディスクは、それぞれ10.4cm、8.7cm及び5.2cmの表面積を有する基板を有する。
【0083】
実施例10〜12
実施例10〜12に使用した溶液は、実施例3と同様にして調製した。過酸化水素−分解放射状ディスクは、それぞれ10.4cm、8.7cm及び5.2cmの表面積を有する基板を有する。
【0084】
【表4】

【0085】
10.4cm及び8.7cmの表面積を有する放射状ディスクと溶液3(ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有する過酸化水素溶液)との組み合わせは、20ppmより僅かに上である、26及び36ppmの残留過酸化水素濃度という結果になった。しかしながら、10.4cm及び8.7cmの表面積を有する放射状ディスクの溶液3との使用は、高い残留過酸化物含有量に伴う灼熱感及び刺痛の危険を有意に増加させなかった。
【0086】
5.2cmの表面積を有する放射状ディスクは、溶液3(ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有する過酸化水素溶液)中での8.7cmの表面積を有する放射状ディスクとほぼ同様にして、溶液1(Clear Care(商標)溶液)中で実施した。6時間後、残留過酸化水素濃度は、およそ37ppmであった。これは100ppmより十分に低く、ビニルピロリドンのコポリマー又はコポリマーを有する過酸化水素溶液を用いて処理したコンタクトレンズは、未だ快適に眼に挿入できる。実施例3の溶液中の5.2cmの表面積を有する放射状ディスクは、試験した全ての組み合わせの中で、最も高い残留過酸化水素濃度を有した。実施例3の溶液中の、5.2cmの表面積を有する放射状ディスクについての残留過酸化水素濃度は、約54ppmであった。これはやはり100ppmより十分に低く、ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有する過酸化水素溶液で処理したコンタクトレンズは、未だ快適に眼に挿入できる。
【0087】
本発明の種々の実施態様が、具体的な用語、装置及び方法を用いて記載されてきたが、このような記載は例示的な目的のみである。使用される語は、限定よりむしろ説明の語である。変更及び変法が、当業者によって、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神又は範囲を逸脱することなく行うことができることが理解される。加えて、各種実施形態の態様が全体的に又は部分的に交換することもできることを理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、本明細書に含まれる好ましい形態の記載に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒に有効である量の過酸化水素及びビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを含む、コンタクトレンズを消毒するための溶液であって、前記ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーが、同一の触媒、約6.0〜8.0のpHを前記組成物にもたらすのに十分な量の一種以上の緩衝剤の存在下で、前記ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーを有さない同一の組成を有する対照溶液と比べて少なくとも20%の、残留過酸化水素濃度の増加をもたらすのに十分な量で存在しており、前記組成物が、約200〜約450mOsm/kgのオスモル濃度及び25℃で約5.0センチポアズまでの粘度を有する溶液。
【請求項2】
前記溶液が、ビニルピロリドンのコポリマー及び少なくとも一種のアミノ含有ビニルモノマーを含み、アミノ含有ビニルモノマーが、8〜15個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキルメタクリラート、7〜15個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキルアクリラート、8〜20個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキルメタクリラート、7〜20個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキルアクリラート及び3〜10個の炭素原子を有するN−ビニルアルキルアミドからなる群より選択される、請求項1の溶液。
【請求項3】
前記アミノ含有ビニルモノマーが、ジメチルアミノエチルメタクリラート又はジメチルアミノエチルアクリラートである、請求項2の溶液。
【請求項4】
メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びそれらの混合物からなる群より選択される粘度上昇剤を更に含む、請求項1〜3の溶液。
【請求項5】
リン酸緩衝液及びホウ酸緩衝液からなる群より選択される緩衝剤を更に含む、請求項1〜4の溶液。
【請求項6】
Pluronic 17R4及びPluronic P103からなる群より選択される界面活性剤を更に含む、請求項1〜5の溶液。
【請求項7】
前記過酸化物の濃度が、溶液の総重量に基づいて約3%である、請求項1〜6の溶液。
【請求項8】
前記ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの濃度が、体積当たり重量(w/v)で約0.1%〜5%である、請求項7の溶液。
【請求項9】
前記ビニルピロリドンのホモポリマー又はコポリマーの濃度が、体積当たり重量(w/v)で約0.25%〜1.5%である、請求項8の溶液。
【請求項10】
前記残留過酸化水素濃度の増加が、少なくとも35%である、請求項1〜9の溶液。
【請求項11】
前記残留過酸化水素濃度の増加が、少なくとも50%である、請求項10の溶液。
【請求項12】
コンタクトレンズの消毒に使用するためのキットであって、
a)請求項1〜12の過酸化水素水溶液、ならびにb)所定の量の過酸化水素溶液を保持するための容器を含み、前記容器はディスクを含有し、前記ディスクは基板及びその上に被覆している触媒を含み、ここで、所定の量の前記過酸化水素が前記容器に加えられて触媒で被覆したディスクの全体を浸したとき、前記過酸化水素水溶液が6時間かけて分解して、100ppm未満の残留過酸化水素濃度をもたらすキット。
【請求項13】
前記ディスクが、10.4cmの表面積を有する竪琴状ディスクである、請求項12のキット。
【請求項14】
前記ディスクが、2.0cm〜9.0cmの表面積を有する放射状ディスクである、請求項12のキット。
【請求項15】
コンタクトレンズの消毒に使用するための装置であって:過酸化水素水溶液を入れるための容器;ならびに約2.0cm〜9.0cmの表面積を有する基板及びその上に被覆している触媒を含む過酸化水素分解ディスクを含み、前記触媒ディスクが、前記容器内で一定体積の過酸化水素溶液と接触したときに、10.4cmの基板表面積及び表面積当たりの重量が実質的に同一である触媒コーティングを有する対照竪琴状ディスクと比べて少なくとも80%の残留過酸化水素濃度の増加をもたらすことができ、ここで、前記ディスクが、前記容器内で前記過酸化水素水溶液と全体で接触するように位置している装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【公表番号】特表2013−511337(P2013−511337A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539992(P2012−539992)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/056981
【国際公開番号】WO2011/062959
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】