説明

コンタクトレンズケース

【課題】個体差が大きく、持ち運びやすく、左右が明確で、広告媒体や景品としても利用価値が高く、ピルケースとしても使えるコンタクトレンズケースを提供する。
【解決手段】コンタクトレンズケースの輪郭や形状を、物やキャラクター、上下が明確な画などの形状でもって、平面的、立体的にかたどる。また、本体基部をヒサシ状に拡大し、拡大部分に収納部の面積より広い印刷面を確保する。クリップを取り付けるための穴、クボミ、あるいは突起を作り、吊り具を取り付けられるクリップで直接挟みこむ。洗浄作業時はケースからクリップを外す。底面から溝の角をなくし、水が流動可能なゆるやかな凸凹をつける。コンタクトレンズケースとして使用していない時はピルケースとして使用する。これらの手段を組み合わせることによって、より個体差が増すと共に、利用価値の高いコンタクトレンズケースを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体差が大きく、持ち運びやすく、左右が明確で、広告媒体や景品としても利用価値が高く、ピルケースとしても使えるコンタクトレンズケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のソフトコンタクトレンズを維持するためには、煮沸消毒が必要であった。そのため、ケースごと煮沸器に入れられるようにコンタクトレンズケースは最低限に小型化され、多くがムダのない類似した形となった。しかし近年は煮沸をせず、専用の液剤に浸して浄化、保存するのが一般的になってきている。
【特許文献1】特開平6−205706
【非特許文献1】メニコンコンタクトレンズ主要ケア用品カタログ2006全4頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
量販されているコンタクトレンズケースの形状は酷似しており、家族や友人、他人との取り違えが起きやすかった。そのため、翌朝すぐに使う場合であっても洗面台に置いたままにすることが出来なかった。
【0004】
複数枚、あるいは複数組のコンタクトレンズを所有する場合も、ケースの形状が酷似しているため、目的とするレンズあるいはレンズ組を特定することが難しく、選択に時間がかかった。
【0005】
ケースの左右を見分けようとする場合、フタに浅く刻まれた左右の表示や、左右のフタの色、あるいは本体の一部の突起などによって判断せねばならず、眼の悪い人にとっては前後左右が分かりにくかった。
【0006】
個体差が少なくデザイン性も低いことから、広告媒体としての利用価値が低く、景品としての魅力にも欠けていた。また煮沸器に入れることを前提としているため全体が小さく、大きな印刷面や広告面を作ることが出来なかった。
【0007】
従来のものにはストラップなどの吊り具がついておらず、持ち運びや吊るしての保管に適していなかった。また、吊り具を直接本体にとりつけてしまうと、吊り具が濡れたり、洗浄作業の邪魔になったりしてしまう。
【0008】
従来品は全体が小さいため、裏面(底面)は設置面を小さくするための下駄状や塀状で良かったが、本体が大型化した場合では、裏面に角が多いと乾きにくく、水分を拭き取るのに時間がかかる。
【0009】
雑菌の繁殖を防ぐため、コンタクトレンズケースは定期的に更新する必要がある。そのため、更新のたびに古いケースを廃棄していた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本体、フタ、フタを覆うカバー、あるいはその一部の、輪郭または形状を、生物、人物、乗り物、物品、キャラクター、上下か左右が明確な画、あるいはその一部分の形状でもって、平面的、立体的にかたどり、様々な形の個性的なコンタクトレンズケースを提供する。
【0011】
本体基部をヒサシ状、ツバ状、翼状に拡大し、本体の拡大部分に収納部(フタを除く)の面積の和より広い印刷面を確保し、上下か左右が明確な画、写真、文字(左右の表示に関わるものを除く)を印刷する。
【0012】
本体あるいはフタの一部に、クリップを取り付けるための穴あるいはクボミあるいは突起を作り、吊り具のついたクリップ、あるいは吊り具を取り付けられるクリップで直接挟みこむ。洗浄作業時はケースからクリップを外す。
【0013】
本体の裏面(底面)を平面に近づけて溝や糸底などの角をなくし、波板状、ダチョウ皮状などの、水が流動可能なゆるやかな凸凹をつける。
【0014】
これらの手段のうちのいくつかを組み合わせる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によってコンタクトレンズケースの個体差が著しく大きくなることで、家族や友人との取り違えの可能性が低くなるとともに、複数のレンズ組の中から目的のレンズを特定することも容易となる。
【0016】
前後左右も一目瞭然となるため、左右を確認するためにケースに目を近づける必要が少なくなり、フタの左右表示をなくしたり小さくしたりできる。
【0017】
本体を拡大することで印刷面を広く確保できるようになるため、広告媒体としての価値が高まり、個性的なデザインは景品としても極めて有効である。
【0018】
クリップに吊り具を取り付けることで、クリップの着脱だけでケースから吊り具を簡単に取り外したり、再び取り付けたりできる。吊り具を別の物に取り付けたままの状態からでも、容易にケースだけを取り外せる。
【0019】
吊り具や固体差の付加によって容器としての価値が高まり、コンタクトレンズケースとして使用していない時は、ピルケースとしても利用できる。これによって容器として使用できる期間を延長できる。
【0020】
裏面のゆるやかな凸凹は、水場で滑らないストッパーとしての機能を果たし、かつタオルなどで水滴を拭き取ることも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1の例では本体の輪郭を車の形でかたどっている。上下が明確なため使用する方向が一目瞭然で、左右も分かりやすい。イラストを加えれば、効果はより明確となろう。本例のような車をかたどったものに車名や製造会社名を印刷すれば、宣伝用の景品としても極めて有効である。生物、人物、商品といった、あらゆる物に応用できる。
【0023】
図2の例では立体的にミカンを模している。全体を立体化しなくても、本体の一部やフタだけを半立体化するだけで十分に存在感のあるケースとなる。目新しく、豊富な種類を提供できることから、商品性も高まる。ハードコンタクトレンズケースにも応用できる。
【0024】
図3では、ヒサシ状に広がった本体1が単純な図形をかたどっている。十分に広げられた本体には、2つの収納部の面積を越す印刷面が確保できる。観光地を印刷して土産物にしたり、キャラクター商品としても有効である。ピルケースとして利用できることを外装に明記すれば、コンタクトレンズ利用者以外の人の購入も見込める。
【0025】
図4は底面図である。底面にはゆるやかな凸凹を施すが、一例として波板状となっている。水が流動可能であるとともに、タオルなどで拭き取りやすい。底の形状としては他に、水玉模様を浮き上がらせたようなオーストリッチ皮状などがあげられる。
【0026】
図1、3、4、5にはクリップ用の穴やクボミ、突起があり、クリップが装着できる。クリップには吊り具が一体となっているか、あるいは吊り具を取り付けられる。クリップごと取り外せるので、吊り具を本体がくぐれる長さにする必要もない。
【0027】
図5のクリップ穴は、本体の一部を突出させて形成されている。これにより、クリップの下顎の厚みで本体が浮き上がるのを防ぎ、クリップを装着したままでも安定的に平面に置くことができる。
【0028】
上記はあくまでも実施例の一部を記したものである。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、組み合わせることによってさらに多様となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物の形を平面的にかたどったコンタクトレンズケースの正面図。
【図2】物の形を立体的にかたどったコンタクトレンズケースの斜視図。
【図3】本体基部をヒサシ状に拡大して印刷面を広げたうえ、吊り具を取り付けたクリップを装着したコンタクトレンズケースの正面図。
【図4】波板状の凹凸をつけたコンタクトレンズケースの底面図。
【図5】クリップ用の穴とクリップの例を示した、コンタクトレンズケースの斜視図。
【符号の説明】
1 本体基部
2 本体収納部
3 フタ
4 クリップ用の穴
5 左右表示
6 クリップ
7 吊り具
8 画、イラスト
9 広告
10 文字
11 波板状の底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ、あるいは複数の収納部を有するコンタクトレンズケースであって、その本体あるいはフタの一部に、クリップを取り付けるための穴あるいはクボミあるいは突起を有し、吊り具付きのクリップあるいは吊り具を取り付けられるクリップでケースを直接挟みこめるようにした、クリップ付きコンタクトレンズケース。
【請求項2】
一つ、あるいは複数の収納部を有するコンタクトレンズケースであって、本体、フタ、あるいはその一部の、輪郭または形状を、生物、人物、乗り物、物品、キャラクター、上下か左右が明確な画、あるいはそれらの一部分の形でもって、平面的、立体的に、かたどったコンタクトレンズケース。
【請求項3】
複数の収納部を有するコンタクトレンズケースであって、本体基部をヒサシ状、ツバ状、翼状に拡大し、拡大部分に、上下か左右が明確な画、キャラクター、写真、文字(左右の表示に関わるものを除く)を印刷し、本体の印刷部分が、収納部(フタを除く)の面積より大きくなるようにしたコンタクトレンズケース。
【請求項4】
請求項1、2、3の特徴のうちの複数の特徴を、複合的に有するコンタクトレンズケース。
【請求項5】
本体の底面から溝の角をなくし(クリップ用の穴やクボミを除く)、底全体にゆるやかな凸凹をつけた請求項1、2、3、4に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項6】
本体、フタ、クリップ、吊り具、あるいはその一部に広告を有する、請求項1、2、3、4、5に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項7】
ピルケースとしても利用可能な、請求項1、2、3、4、5に記載のコンタクトレンズケース

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−212599(P2008−212599A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89372(P2007−89372)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(507101831)
【Fターム(参考)】