説明

コンタクトレンズ用溶液

【課題】コンタクトレンズに持続性のある親水性と防汚性を付与できるコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。
【解決手段】下記構造式で表される高分子化合物を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用溶液。
【化1】


式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜23の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、m及びnは1〜4の整数であり、X、Y、Zは正の整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズ用溶液に関する。詳しくは、コンタクトレンズ表面に親水性及び防汚性を付与できる洗浄剤や保存剤並びに洗浄保存剤として効果的なコンタクトレンズ用溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズを快適かつ適切に装用するためには、専用の洗浄剤や保存剤を用いた定期的なケアが必要である。従来のコンタクトレンズ用溶液は、装用によりレンズ表面に付着したタンパク質、脂質等を洗浄により除去することを主目的とし、コンタクトレンズの装用感を向上させる効果は少なかった。
【0003】
装用感を向上させる手段としては、コンタクトレンズ自体の表面を親水性化する方法と、レンズ表面を親水性化できる専用溶液で処理する方法が知られている。例えば、レンズ自体の表面を親水性化する方法としては、親水性高分子をレンズ材料の表面にグラフトする処理が挙げられる。この方法は表面の親水性化と共に汚れ付着の防止に対しても有効ではあるが、繰り返しの装用による経時的な性能の低下が課題となっている。
【0004】
一方、専用溶液で処理する方法としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等の水溶性高分子を含有する溶液での処理が挙げられる。しかし、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンは、高い親水性を有し、疎水性の高いレンズ表面とは反発し合うので、持続性のある親水性を付与することはできない。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーは、親水性部位と疎水性部位を有する非イオン性高分子であり、溶液のpHや共存するイオン性成分の影響を受け難く、その上任意のHLB(親水性/疎水性のバランス)を設定できるため一般的に利用されている。しかし、親水性部位であるポリオキシエチレンの保水力と、疎水性部位であるポリオキシプロピレンのレンズ表面への吸着力とは相反する関係にあるため、その水濡れ性の持続的効果には限界がある。
【0005】
他の専用溶液で処理する方法としては、例えば、特定の両性界面活性剤とイオン性界面活性剤を組合せた技術(特許文献1参照)、リン脂質極性基を有する(メタ)アクリレートを含む溶液を用いる方法等が開示されている(特許文献2参照)。いずれもコンタクトレンズに付着した汚れを洗浄除去すると共に、レンズ表面に親水性と防汚性の付与を目的とするが、その持続的な効果は期待できず装用感の改善という点で満足できるものではなく、また、殺菌や消毒効果の有効性についても課題がある。
【0006】
例えば、特許文献2で用いられるリン脂質極性基を有する(メタ)アクリレートは、ホスホリルコリン構造を有する両性高分子化合物であるが、中性付近(pH6.5以上)では、わずかに陰イオン性を示し、pHの上昇に伴って陰イオン性が強まると考えられる。そのため、通常のコンタクトレンズ溶液に適するpH領域(pH6.5〜7.5)の水溶液中に、殺菌や消毒効果を示す陽イオン性化合物を共存させる場合には、その効果が低下する。この両性高分子化合物を減量したり、pHを酸性側にすることで、陽イオン性化合物の効果への影響は抑制できるが、親水性と防汚性、及び眼に対する安全性において有効ではない。すなわち、特許文献2で用いられる両性高分子化合物をコンタクトレンズ用溶液に用いるには課題を有する。
【0007】
また、三級アミノ基や四級アンモニウム基を有する陽イオン性の化合物を配合して、洗浄性と同時に防汚性を付与する発明(特許文献3及び4参照)や疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合体を調製してレンズ表面に水膜を形成する発明が開示されている(特許文献5参照)。
【0008】
特許文献3及び4では、正電荷を帯びた三級アミノ基系や四級アンモニウム基系高分子によって、レンズ表面に防汚性が付与されるため、タンパク質汚れの付着や蓄積を抑制できるが、レンズ表面に親水性を付与して装用感を向上させることは配慮されていない。
【0009】
また、特許文献5の場合、疎水性モノマーと親水性モノマー更に第三成分として殺菌性モノマーを用いた共重合体によってレンズ表面に親水性と防汚性を付与し、かつ、殺菌や消毒効果を付与するものである。親水性モノマーとしてアニオン性モノマー、カチオン性モノマー、非イオン性モノマー、両性(ベタイン系)モノマーを例示しているが、アニオン性モノマーやカチオン性モノマーを用いた場合前述のように、殺菌や消毒作用を有する陽イオン性の化合物、洗浄作用を有する陰イオン界面活性剤の効果が発揮できない。
【0010】
また、特許文献5では殺菌効果を付与するために第三の共重合成分として陽イオン性化合物の殺菌性モノマーを用いるので、得られる高分子化合物も陽イオン性を示し、洗浄成分である陰イオン界面活性剤と共存させた場合は、殺菌効果が低下するだけでなく、水膜の形成も困難になる等、コンタクトレンズ用溶液に通常配合されるべき界面活性剤との相性について検討すべき課題がある。更に、殺菌性を有する高分子化合物の水膜が眼と長時間接触することは、眼刺激や眼障害の要因となることも考えられ、眼に対する安全性上好ましくない。
【0011】
更に、特定の構造式で表されるベタイン構造を有する高分子化合物を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用溶液が開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、特許文献6で用いられる高分子化合物は、ベタイン構造による良好な親水性を有するものの、四級アンモニウム基の強いカチオン性により、涙液中のアニオン性汚染物質を吸着する恐れがあり、耐汚染性に対し十分満足いくものではなかった。また、コンタクトレンズ基材表面への親水性の付与は、基材表面と高分子化合物中の疎水部の疎水性相互作用によりなされるが、この高分子化合物の親水性/疎水性のバランスが親水性寄りであるため、疎水性相互作用が発現され難く、親水性の持続性に対しても十分満足されるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−202383号公報
【特許文献2】特開平7−166154号公報
【特許文献3】特表2000−510186号公報
【特許文献4】特開2002−256030号公報
【特許文献5】特開2006−3827号公報
【特許文献6】特開2008−152094号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】松本恒隆、感温性凝集剤によるヘドロの凝集、「高分子論文集」、1974年、第31巻、第11号、669〜675頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、コンタクトレンズに持続性のある親水性と防汚性を付与できるコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。更に詳細には、持続性のある親水性と防汚性を付与でき、かつ、コンタクトレンズ用溶液に通常配合されるべき陰イオン界面活性剤や陽イオン界面活性剤等の諸成分とを特定の割合で配合できるコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記の課題に鑑み、鋭意検討した結果、下記構造式で表される高分子化合物を用いることで、上記目的を達成できることを見出した。
【0016】
本発明に従って、下記構造式で表される高分子化合物を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用溶液が提供される。
【0017】
【化1】

【0018】
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜23の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、m及びnは1〜4の整数であり、X、Y、Zは正の整数である。
【発明の効果】
【0019】
コンタクトレンズ用溶液としての洗浄、殺菌・抗菌等の基本的機能を保持し、かつレンズ表面に持続性のある親水性と防汚性を付与してコンタクトレンズの装用感を改善することができる。更に、本発明で用いる高分子化合物は、高い界面活性能を有するのでコンタクトレンズ用洗浄剤として用いた場合には、洗浄効果と汚れ付着防止効果との相乗効果が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明では、コンタクトレンズ用溶液中に(メタ)アクリロイルオキシアルキルベタイン構造と(メタ)アクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキル構造を有する高分子化合物を用いる点に特徴がある。通常、ベタイン構造を有する親水性モノマーの単独重合体は、高い親水性を有することから、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンと同様、疎水性のコンタクトレンズ表面と反発し合うため、持続的な親水性化には限界がある。本発明で用いるベタイン構造を有する高分子化合物は共重合体であり、下記構造式で示される。
【0022】
【化2】

【0023】
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜23の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、m及びnは1〜4の整数であり、X、Y、Z、は正の整数である。
【0024】
上記構造式の左側の(メタ)アクリル酸アルキル構造としては、メタクリル酸アルキルが好ましく用いられ、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸i−ペンチル、メタクリル酸t−ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸1−メチルブチル、メタクリル酸1−メチルヘプチル、メタクリル酸3−メチルトリデシル、メタクリル酸6−メチルトリデシル、メタクリル酸7−メチルトリデシル、メタクリル酸2,11−ジメチルドデシル、メタクリル酸2,7−ジメチル−4,5−ジエチルオクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸1−シクロヘキセニル等が挙げられる。
【0025】
上記構造式の中央の(メタ)アクリロイルオキシアルキルベタイン構造としては、(メタ)アクリロイルオキシアルキルカルボキシベタイン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルスルホベタインが挙げられるが、本発明では、メタクリロイルオキシアルキルカルボキシベタインが好ましく用いられ、具体的には、N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシプロピル−N,N−ジエチルアンモニウム−α−N−エチルカルボキシベタイン等が挙げられる。
【0026】
上記構造式の右側の(メタ)アクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキル構造としては、メタクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキルが好ましく、具体的には、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0027】
本発明で用いる高分子化合物として、具体的には、N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル/メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルコポリマー、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル/メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルコポリマー等が挙げられる。
【0028】
コンタクトレンズ用溶液は通常水溶液であるため、添加する高分子化合物の水に対する溶解性を考慮して上記化合物中より構成成分を選択する。選択されたメタクリル酸アルキルは単独、又は2種類以上を組合せて用いることができ、N−メタクリロイルオキシアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−アルキルカルボキシベタイン、及びメタクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキルとの共重合比(X/Y/Z)も決定される。
【0029】
これらの高分子化合物の分子量は、2000〜1000000の平均分子量のものを用いることができるが、平均分子量は、5000〜500000が好ましく、より好ましくは10000〜300000である。この範囲内であることにより高い親水性と防汚性を兼ね備えることが可能である。
【0030】
本発明で用いる高分子化合物は、上記化合物より適宜選択された、(メタ)アクリル酸アルキル、N−メタクリロイルオキシアルキル−N,N−ジアルキルアンモニウム−α−N−アルキルカルボキシベタイン、(メタ)アクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキル及び重合開始剤を水/アルコール溶液に溶解し、窒素置換した後、攪拌しながら加温させ前記3成分を共重合させることにより得ることができる。また、商業的に容易に入手可能なRAMレジンシリーズ(大阪有機化学工業株式会社)も高分子化合物として用いることができる。
【0031】
本発明に用いる、高分子化合物は、親水性部位と疎水性部位からなる共重合体であるが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーと異なり、従来のポリオキシプロピレンよりも高い疎水性を示す疎水性部位を有するため、コンタクトレンズ表面と良好な相互作用を発揮し、一方のベタイン構造を有する親水性部位が、ポリオキシエチレンよりも高い水濡れ性を発揮するため、持続性のある親水性をコンタクトレンズ表面に付与することができる。
【0032】
本発明の一つの特徴として、用いる高分子化合物の構成成分中に、温度応答性を示す基を側鎖に有する化合物が含まれることが挙げられ、具体的には、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。ポリメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルは、温度応答性高分子として知られており(非特許文献1)、下限臨界溶解温度(LCST)の35℃前後で親水性/疎水性が反転する。即ち、コンタクトレンズを装用した場合に、その効果が好適に発揮されることとなる。体温による温度応答現象により、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルは疎水化し、疎水性相互作用が増強するため、ベタイン構造を有する高分子化合物のコンタクトレンズ表面への保持性は更に向上され、より持続性の高い親水性が得られる。4級アンモニウム塩の場合、装用時においても親水性/疎水性の反転現象は起きないために疎水性の向上は見られず、ベタイン構造を有する高分子化合物のコンタクトレンズ表面への保持性向上は得られない。また、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルはカチオン性を有するものの、4級アンモニウム塩と比較し低度であるため、アニオン性汚染物質の吸着量は低減することから、持続性の高い耐汚染性も発揮される。
【0033】
その上、高分子化合物自体が両イオン性を示すので他のイオン性化合物との共存も可能である。特に、本発明で用いるベタイン構造を有する高分子化合物は、イオン性を示す界面活性剤等との相性を、通常のコンタクトレンズ溶液に適するpH領域(pH6.5〜7.5)内で制御することができる。すなわち、洗浄効果を発揮させるために陰イオン界面活性剤を共存させた場合でも、相互作用によるイオンコンプレックスを形成しないため白濁することもなく、洗浄効果とレンズ表面の水濡れ性や防汚性を付与できる。また、殺菌や消毒効果を発揮させるために陽イオン性の化合物、例えば陽イオン界面活性剤を共存させた場合でも、殺菌・消毒効果を低下させることはない。本発明で用いる高分子化合物の配合量は、通常0.001〜20(W/V)%程度を添加すれば良いが、好ましくは、0.1〜10(W/V)%、より好ましくは0.1〜5(W/V)%、特に好ましくは0.3〜3(W/V)%である。配合量が少な過ぎると、親水性及び防汚性の付与効果が不十分となり、多過ぎると他の成分との相互作用によって洗浄効果、殺菌や消毒効果、及びコンタクトレンズへの悪影響が生じる場合がある。
【0034】
本発明のコンタクトレンズ用溶液では、その用途に合わせて、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤の中から選択した各種低分子量の界面活性剤、殺菌消毒剤、抗菌防腐剤、緩衝剤、酵素、浸透圧調整剤、粘稠化剤、その他成分を本発明の効果を損なわない範囲において、各々1種単独、又は2種以上を適宜組合せて用いることができ、特にイオン性界面活性剤、殺菌消毒剤を含有することが好ましい。例えば、洗浄液や保存液として用いる場合には、陰イオン界面活性剤単独、あるいは、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を組合せることが好ましい。また、擦り洗い等の物理的作用による洗浄効果を期待する洗浄消毒液の場合には、殺菌や消毒効果を阻害しない非イオン界面活性剤が好ましく用いられる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明で用いる両性高分子化合物の親水性及び防汚性の付与効果を阻害せず、コンタクトレンズの形状安定性等に悪影響を与えることなく、且つ眼に対する刺激のない濃度であれば特に制限はないが、好ましくは0.05〜20(W/V)%、より好ましくは0.1〜5(W/V)%の範囲である。
【0035】
陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸トリエタノールアミン等のアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0036】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等のアルキロールアマイド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等のポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセライド、ポリソルベート80等のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
【0037】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン型、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩液等が挙げられる。
【0038】
本発明で用いるベタイン構造を有する高分子化合物は両イオン性を示すため、一般的に殺菌や消毒剤として用いられる陽イオン性化合物の効果を低下させることなく用いることができることに特徴がある。これらの配合量は、目的とする効果と眼に対する安全性、コンタクトレンズに対する影響を考慮して決定するが、0.00001〜10(W/V)%が好ましく、より好ましくは0.00005〜6.5(W/V)%である。
【0039】
具体的には、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド、塩化ポリドロニウム、過酸化水素、ポビドンヨード、アルキルポリアミノエチルグリシン等、抗菌・防腐剤として、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、5,5−ジメチルヒダントイン、メチロール化ヒダントイン、ハロゲン化ヒダントイン、ソルビン酸(及びその塩)、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。上記化合物のうち、5,5−ジメチルヒダントインは陰イオン界面活性剤の共存下で洗浄効果と抗菌防腐効果を両立させた洗浄保存剤に好ましく用いられる。また、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニドは非イオン界面活性剤の共存下での殺菌消毒剤に好ましく用いられる。
【0040】
また、本発明のコンタクトレンズ用溶液は、使用目的に応じて眼に対する刺激やコンタクトレンズに対する影響を考慮して、pH5〜9の範囲内で調製されるのが好ましく、より好ましくはpH5.5〜8.5程度の範囲での調整である。特に、イオン性の界面活性剤等の共存下では、本発明で用いる両性高分子化合物の特徴である親水性や防汚性付与の効果を低下しないpHにて調整すると好ましい。例えば、洗浄効果付与を目的として陰イオン界面活性剤を配合する場合には、pH6.5〜8.5の範囲内で調整するとより一層効果が発揮でき、殺菌や消毒効果付与を目的として陽イオン性化合物を配合する場合には、pH5.5〜7.5程度に調整するとより一層効果が発揮できる。
【0041】
緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ砂、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、リン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等、従来から用いられているものの中から適宜選択して用いる。具体的には、トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸あるいはクエン酸とを組み合わせた緩衝剤や、ホウ酸及び/又はホウ砂を組み合わせた緩衝剤等が挙げられる。配合量は、好ましくは0.1〜10(W/V)%の範囲である。0.1(W/V)%未満では十分なpH安定性が得られ難く、また、10(W/V)%を超えてもpHの顕著な安定性が認められないばかりか、低温下で保存する場合に緩衝剤が析出する可能性がある。
【0042】
酵素としては、タンパク分解酵素、脂質分解酵素、糖質分解酵素等の中から適宜選択して用いる。具体的には、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、パパイン、コラゲナーゼ、プロメライン、アミノペプチダーゼ、アスペルギロ・ペプチダーゼ、プロナーゼE、ディスパーゼ、ズブチリシンA、ズブチリシンB、リパーゼ、グルコシダーゼ、ムタナーゼ、α−アミラーゼ、デキストラナーゼ等が挙げられる。特に、タンパク分解酵素は、コンタクトレンズ装用時にレンズ表面に付着するタンパク質汚れを除去するために、好ましく配合される。これら酵素の配合量は、洗浄効果に応じた有効量に基づいて適宜決定されるものであるが、好ましくは0.01〜10(W/V)%、より好ましくは0.05〜5(W/V)%の範囲である。
【0043】
また、タンパク分解酵素を配合する場合、界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤の共存下での安定性を向上させるために、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の水溶性多価アルコール、トリメチルグリシンを添加することもできる。水溶性多価アルコールとしては、その種類に特に制限はなく、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。その配合量は、洗浄効果、殺菌・消毒効果及びコンタクトレンズの形状安定性に影響のない濃度であれば特に制限はないが、タンパク分解酵素の安定性、並びに、性状及び触感を考慮すると、好ましくは3〜65(W/V)%、より好ましくは10〜35(W/V)%の範囲である。3%未満ではタンパク分解酵素の安定性が十分ではなく、また65%を超えても安定性の顕著な向上は認められない。
【0044】
浸透圧調整剤は、眼科的に従来から公知の無機塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のイオン性浸透圧調整剤の他に、グリセリン、プロピレングリコール等の水溶性多価アルコール、グリシン、アラニン等のアミノ酸、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール、グルコース、フルクトース等の単糖類をはじめトレハロース等の二糖類、それ以上の多糖類(環状多糖類であるサイクロデキストリン等も含む)等の非イオン性、あるいはトリメチルグリシン等の両性の浸透圧調整剤の中から適宜選択して使用することができる。また、その配合量は、目的とする浸透圧に調整するのに必要な量であり、コンタクトレンズの形状安定性等に悪影響を与えることなく、且つ眼に対する刺激のない濃度であれば特に制限はないが、含水性コンタクトレンズに用いる場合は、150〜500mmol/Lが好ましく、より好ましくは200〜450mmol/Lの浸透圧となるように調整するのに必要な量を使用する。
【0045】
粘稠化剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルの共重合体、デキストラン、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられ、これらの中から単独あるいは適宜組合せて使用することができる。その配合量は、通常0.01〜10(W/V)%の範囲である。
【0046】
上記成分の他にも、本発明の目的を損なわない限り、保存剤、キレート剤、溶解補助剤等の各種添加剤を更に配合することができる。
【0047】
本発明のコンタクトレンズ用溶液の対象となるコンタクトレンズの種類は、含水(低含水、高含水)、非含水、イオン性等の素材・材質的な制限は特になく、全てのコンタクトレンズに適用することができる。また、本発明におけるコンタクトレンズ用溶液とは、コンタクトレンズの洗浄液、保存液、洗浄・保存液、消毒液、すすぎ液、溶解水、マルチパーパスソリューション、コンデショニングソリューション、リンスソリューション、コンタクトレンズ装着液等が挙げられる。
【0048】
更に本発明は、目的に応じて用時調製用の顆粒、粉末、タブレット、ゲル等の剤形として用いることができる。
【実施例】
【0049】
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、実施例における単位は、特に断らない限りW/V%である。
【0050】
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1に記載した各配合成分を精製水100ml中に混合し溶解して、実施例及び比較例のコンタクトレンズ用溶液を調製して親水性付与の効果と防汚性付与の効果及びその持続性を次の方法により評価した。
【0051】
1.親水性付与効果及び持続性の評価
コンタクトレンズ材料(RGPCL材料:シード社製A−1、SCL材料:シード社製SX)から切削・研磨により試験用ディスクを作製した。A−1ディスクは5mm厚、SXディスクは1mm厚とし、SXディスクはダルベッコリン酸緩衝生理食塩水にて膨潤・含水させた後、試験に用いた。試験用ディスクの浸漬処理前の接触角を測定(初期値)した後、実施例1〜4及び比較例1〜2のコンタクトレンズ用溶液にはA−1ディスク、実施例5〜6及び比較例3〜4のコンタクトレンズ用溶液にはSXディスクを6時間浸漬処理した。6時間後、A−1ディスクは37℃に保った純水で、SXディスクは37℃に保ったダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で30秒間すすいだ後、各コンタクトレンズ用溶液による浸漬処理後の試験用ディスクの接触角を測定した。試験用ディスクの各コンタクトレンズ用溶液による浸漬処理前後の接触角の差(接触角変化量)により親水性付与効果を評価した。接触角は、協和界面科学株式会社製、接触角計CA−D型を用いた気泡法により測定し、下記の計算式に従い、接触角変化量を算出した。
【0052】
接触角変化量(°)=(浸漬処理前の接触角)−(浸漬処理後の接触角)
算出した接触角変化量(°)から、以下に示すように5段階で親水性付与効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0053】
◎;25°以上
○;15°以上〜25°未満
△;10°以上〜15°未満
▲;5°以上〜10°未満
×;5°未満
【0054】
次いで、A−1ディスクは37℃に保った純水で、SXディスクは37℃に保ったダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で30秒間すすぎ洗いを繰り返し、各回すすぎ後の接触角を測定した。前回サイクル後との接触角の差(接触角変化量)により親水性付与の持続性を評価した。接触角は、協和界面科学株式会社製、接触角計CA−D型を用いた気泡法により測定し、下記の計算式に従い、接触角変化量を算出した。
【0055】
接触角変化量(°)=(前回サイクル後の接触角)−(今回サイクル後の接触角)
算出した接触角変化量(°)から、以下に示すように5段階で親水性付与効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0056】
◎;5°未満
○;5°以上〜10°未満
△;10°以上〜15°未満
▲;15°以上〜25°未満
×;25°以上
【0057】
2.防汚性付与効果及び持続性の評価
人工汚れ液に浸漬して汚れを付着させる操作と、コンタクトレンズ用溶液によるケア(洗浄・保存)操作を繰返し行ない、実際のコンタクトレンズ使用を模倣したサイクル処理によって付着していく汚れの増加量を、ヘーズ値(濁度)により測定することで、コンタクトレンズ用溶液の防汚性付与効果を評価した。公知の涙液成分(タンパク質、脂質及び無機塩)を含有し、37℃に保った人工汚れ液に、試験用レンズ(RGPCL:シード社製A−1、SCL:シード社製SXブルー)を6時間浸漬する。6時間後のRGPCLは、レンズを人工汚れ液から取出して、実施例1〜4及び比較例1〜2のコンタクトレンズ用溶液に6時間浸漬する。6時間後は、水道水ですすいだ後、再び37℃の人工汚れ液に浸漬する。SCLは、レンズを人工汚れ液から取出した時点で実施例5〜6及び比較例3〜4のコンタクトレンズ用溶液で擦り洗いとすすぎを行なった後、4時間浸漬した。4時間後、コンタクトレンズ用溶液から取出して、そのまま37℃の人工汚れ液に浸漬した。上記の手順を1サイクルとして、その都度ヘーズ値(濁度)を測定して防汚性付与効果を評価した。ヘーズ値の測定には、スガ試験機株式会社製、全自動ヘーズコンピューター HGM−2DPを使用した。測定したレンズのヘーズ値から、以下に示すように5段階で防汚性付与効果を評価した。
【0058】
◎;10以下
○;10超過〜20未満
△;20以上〜30未満
▲;30以上〜40未満
×;40以上
【0059】
【表1】

【0060】
*ベタイン含有高分子1:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル/メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルコポリマー(平均分子量50000〜100000、メタクリル酸アルキルはメタクリル酸n−ブチル:メタクリル酸2−エチルヘキシル=5:2)
*ベタイン含有高分子2:N−メタクリロイルオキシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル/メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルコポリマー(平均分子量50000〜100000、メタクリル酸アルキルはメタクリル酸トリデシル:メタクリル酸シクロヘキシル=1:2)
*ベタイン含有高分子3:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル/メタクリロイルオキシエチルジメチルアミノエチルクロライドコポリマー(平均分子量50000〜100000、メタクリル酸アルキルはメタクリル酸n−ブチル:メタクリル酸2−エチルヘキシル=5:2)
*界面活性剤の配合量は、純分換算後の配合量である。
*界面活性剤1:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム((株)ライオン:リポランPJ−400)
*界面活性剤2:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(BASFジャパン(株):ルトロールF−127)
*CHG:グルコン酸クロルヘキシジン
*PHMB:塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド
*酵素:蛋白分解酵素(ノボザイムズ(株):CL−Pro2.5MG)
【0061】
表中から実施例1〜6では親水性及び防汚性付与効果並びに持続性が確認できた。しかしながら、コンタクトレンズ用溶液中に添加されたベタイン構造を有する高分子化合物の構成成分に、四級アンモニウム塩が含まれる場合、使用初期には親水性、防汚性付与効果は認められたものの、体温付近である37℃における長時間の使用により耐久性が低下することが比較例1及び3により確認された。また、コンタクトレンズ溶液中にベタイン構造を有する高分子化合物が添加されない場合、親水性付与効果は認められず、防汚性も低いことが比較例2及び4により確認できる。
【0062】
以上の評価結果から、本発明のコンタクトレンズ用溶液では、処理を施す度に親水性と防汚性が付与され、また、体温付近の37℃においてレンズ表面に良好な保持性を示すため、レンズ表面の水濡れ低下や汚れの付着による異物感、くもり等を原因とするコンタクトレンズ装用中の装用感の低下による不快な症状を解消することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式で表される高分子化合物を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用溶液。
【化1】


(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜23の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、m及びnは1〜4の整数であり、X、Y、Zは正の整数である。)
【請求項2】
前記高分子化合物の構成成分中に、少なくとも(メタ)アクリロイルオキシアルキルベタイン、(メタ)アクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキルを有する請求項1に記載のコンタクトレンズ用溶液。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸2−(ジアルキルアミノ)アルキルが、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルであることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトレンズ用溶液。
【請求項4】
前記高分子化合物が、メタクリル酸アルキル/N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルからなる請求項1〜3のいずれかに記載のコンタクトレンズ用溶液。
【請求項5】
前記メタクリル酸アルキルのアルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルトリデシル基、6−メチルトリデシル基、7−メチルトリデシル基、2,11−ジメチルドデシル基、2,7−ジメチル−4,5−ジエチルオクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、1−シクロヘキセニル基である請求項4に記載のコンタクトレンズ用溶液。
【請求項6】
更に、イオン性界面活性剤、殺菌消毒成分を含む請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクトレンズ用溶液。
【請求項7】
前記殺菌消毒成分が、5,5−ジメチルヒダントインである請求項6に記載のコンタクトレンズ用溶液。

【公開番号】特開2011−33701(P2011−33701A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177807(P2009−177807)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【特許番号】特許第4457237号(P4457237)
【特許公報発行日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000131245)株式会社シード (30)
【Fターム(参考)】