説明

コンタクト及びこれを用いた接続装置

【目的】 本発明の目的は、半田接続を行うことなく、リード端子を接続することができるコンタクトを提供する。
【構成】 コンタクト100は、板状のベース部110と、このベース部110の先端部に設けられており且つ第1のリード端子10が接続される接続部120と、ベース部110の基端部に設けられており且つ第2のリード端子20の第2の導体部22を挿脱可能に挟持する第1、第2のクランプアーム130a、130bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極蛍光ランプ等の電子部品のリード端子を電気接続するためのコンタクト及びこれを用いた接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の接続装置としては、蛍光ランプのリード端子と、この蛍光ランプが取り付けられる電子機器の電源部に接続されたリード端子とを半田接続した後に、当該接続装置のケースに内蔵保持するようにしたものがある( 特許文献1の図6参照) 。
【0003】
【特許文献1】実開平07−11747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記接続装置は、半田接続が手作業になることから、半田接続不良が発生したり、半田接続時に蛍光ランプを落とし、蛍光ランプが破損したりする可能性を有している。また、半田接続により両リード端子が固定されることから、前記接続装置を前記電子機器に取り付けるに当たり、半田接続部又は蛍光ランプが破損する可能性も有している。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、半田接続を行うことなく、リード端子を接続することができるコンタクト及びこれを用いた接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のコンタクトは、第1、第2のリード端子を電気接続するためのコンタクトにおいて、第1のリード端子が接続される接続部と、弾性変形可能な端子であって、第2のリード端子を当該第2のリード端子の長さ方向に対して直交する方向に挿脱可能に挟持する一対のクランプアームとを有したことを特徴としている。
【0007】
このようなコンタクトによる場合、第1のリード端子が接続部に接続される一方、第2のリード端子が一対のクランプアームの間から挿入され、当該第2のリード端子が一対のクランプアームに挟持される。これにより、第1、第2のリード端子が電気接続される。また、第2のリード端子は、前記押し込み方向と反対の方向に移動させる又は第2のリード端子の長さ方向に引き抜くことにより、一対のクランプアームの挟持が解除される。
【0008】
一方のクランプアームは略U字状の板体とすることができる。この場合、他方のクランプアームは略矩形状の板体であって、一方のクランプアームの間に入り込むようになっている。このようなクランプアームによる場合、第2のリード端子に対して3点で接触し、挟持することができるので、当該第2のリード端子を安定して保持し且つ電気接続することができる。
【0009】
更に、一対のクランプアームは、互いに交差する一対の先端部と、この一対の先端部に連続する部位であり且つ互いに離れる方向に湾曲した一対の第1の湾曲部と、この一対の第1の湾曲部に連続する部位であり且つ互いに近づく方向に湾曲した一対の第2の湾曲部とを有しており、一対の先端部の間から第2のリード端子が押し込まれ、一対の第1の湾曲部を乗り越えると、一対の第2の湾曲部が第2のリード端子を挟持すると共に、一対の第1の湾曲部が当該第2のリード端子の脱方向の部位に当接する形状とすることができる。
【0010】
この場合、第2のリード端子は、一対の第2の湾曲部に挟持されると共に、当該第2のリード端子の脱方向の部位が一対の第1の湾曲部に当接する。このため、不用意に第2のリード端子に脱方向の力が掛かっても、当該第2のリード端子が一対のクランプアームの間から脱落するのを防止することができる。前記第2のリード端子を取り外すためには、一対のクランプアームの弾性力に抗して一対の第1の湾曲部を押し上げつつ外側に移動させる必要がある。このため、一対のクランプアームは、第2のリード端子の取り外しが第2のリード端子の取り付けよりも大きな力を必要とする形状となっている。
【0011】
前記一対のクランプアームの一対の先端部には、互いに係止することにより、当該一対の先端部を交差させた状態で維持する係止手段を設けることができる。このように係止手段により、一対の先端部同士を係止させ、互いに予圧を与え合うことにより、一対の先端部が交差状態で維持されると、当該一対の先端部の間に第2のリード端子を押し込むための空間が形成される。
【0012】
本発明の接続装置は、上記コンタクトと、このコンタクトが内蔵されるボディとを備えており、ボディには、コンタクトの接続部を露出させ、第1のリード端子と接続させるための凹部と、コンタクトの一対のクランプアームの一対の先端部を露出させ、第2のリード端子を挿脱可能にするための挿入穴部とが設けられている。
【0013】
このため、第2のリード端子を挿入穴部に挿入し、コンタクトの一対のクランプアームに挟持させることができる一方、第2のリード端子を脱方向に移動させ、当該一対のクランプアームの挟持を解除して前記挿入穴部から取り出すことができる。
【0014】
前記接続装置は、第2のリード端子をコンタクトの一対のクランプアームに押し込むための押圧部材を更に備えた構成とすることができる。この場合、挿入穴部は、一対のクランプアームの一対の先端部を露出させるために当該一対のクランプアームの長さ方向に沿うように延びた第1の穴部と、この第1の穴部の長さ方向の端部に連続するように設けられた第2の穴部とを有する。この第2の穴部には押圧部材が挿入されるようになっている。
【0015】
この場合、第2のリード端子を挿入穴部の第1の穴部及び第2の穴部に挿入し、一対のクランプアームの一対の先端部の間にセットする。この状態で、押圧部材を第2の穴部に挿入すると、当該押圧部材により第2のリード端子が押され、一対のクランプアームに挟持される。
【0016】
また、前記接続装置は、ボディに被せられるカバーを更に備えた構成とすることができる。この場合、カバーの挿入穴部対向面に前記押圧部材を設けることができる。このため、カバーをボディに被せると、当該カバーの押圧部材が前記ボディの挿入穴部の第2の穴部に挿入される。このとき、押圧部材が第2のリード端子を押し下げ、一対のクランプアームに挟持させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコンタクトによる場合、第1のリード端子が接続部に接続される一方、第2のリード端子が一対のクランプアームに挟持されるようになっているので、半田接続を行うことなく、第1、第2のリード端子を接続することができる。しかも、第2のリード端子が電子部品( 例えば、冷陰極蛍光ランプ) のリード端子である場合、第2のリード端子を一対のクランプアームに挟持させるだけで簡単に接続を行うことができることから、接続時に電子部品を落とし、破損させる等の可能性を低減することができる。
【0018】
しかも、一対のクランプアームが、互いに交差する一対の先端部と、この一対の先端部に連続する部位であり且つ互いに離れる方向に湾曲した一対の第1の湾曲部と、この一対の第1の湾曲部に連続する部位であり且つ互いに近づく方向に湾曲した一対の第2の湾曲部とを有した形状である場合、一対のクランプアームの一対の先端部の間から第2のリード端子が押し込まれ、一対の第1の湾曲部を乗り越えると、第2のリード端子が一対の第2の湾曲部に挟持されると共に、当該第2のリード端子の脱方向の部位が一対の第1の湾曲部に当接する。よって、不用意に第2のリード端子に脱方向の力が掛かっても、一対のクランプアームの間から脱落するのを防止することができ、当該第2のリード端子と安定した電気接続を図ることができる。
【0019】
本発明の接続装置による場合、コンタクトの一対のクランプアームが第2のリード端子をその長さ方向に対して直交する方向に挿脱可能であり且つ上述の通り第2のリード端子の脱落するのを防止し得る形状となっていることから、当該接続装置を電子機器に取り付けた状態で、第2のリード端子を接続することが可能になり、その脱落や前記電子部品接続部( 半田部) の破損も防止することができる。
【0020】
しかも、ボディに設けられた挿入穴部が、一対のクランプアームの先端部を露出させるために当該一対のクランプアームの長さ方向に沿うように延びた第1の穴部と、この第1の穴部の長さ方向の端部に連続するように設けられた第2の穴部とを有した形状である場合、第2のリード端子を挿入穴部の第1の穴部と第2の穴部とに挿入し、この状態で、第2の穴部に押圧部材を挿入すると、当該押圧部材が前記第2のリード端子を押下し、一対のクランプアームの一対の先端部の間に押し込むことができる。即ち、押圧部材を挿入穴部の第2の穴部に挿入することにより、第2のリード端子を一対のクランプアームに挟持させることができるので、第2のリード端子の取り付けが非常に簡単になる。
【0021】
また、カバーの挿入穴部対向面に前記押圧部材を設けるようにすれば、カバーをボディに被せることにより、当該カバーの押圧部材が前記第2のリード端子を押下し、一対のクランプアームの一対の先端部の間に押し込むことができる。よって、第2のリード端子の取付作業を簡単化することができると共に、部品点数を低減することができるので、低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る接続装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る接続装置のカバー開状態を示す斜視図、図2は同装置のカバーを取り外し且つボディの内部を透過させた状態のボディの模式的部分斜視図、図3は同装置のコンタクトを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c)が側面図、( d)が平面図、図4は同装置のボディを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c) が平面図、( d)が側面図、図5は同装置のカバーを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c) が底面図、( d)が側面図、図6は同装置のカバーの開閉過程を示す斜視図であって、( a) がカバーの回動過程を示す図、( b)がカバーの下降過程を示す図、( c)カバーの閉状態を示す図、図7は同装置のコンタクトの背面図であって、( a) が第2のリード端子の挿入前の状態を示す図、( b) が第2のリード端子を押し込んだ状態を示す図、( c)が第2のリード端子が挟持された状態を示す図である。
【0023】
図1に示す接続装置は、図示しない冷陰極蛍光ランプのソケットであって、図示しない液晶表示装置の電源部に接続された第1のリード端子10と前記冷陰極蛍光ランプの第2のリード端子20とを電気接続するための2つのコンタクト100と、この2つのコンタクト100が内蔵されるボディ200と、このボディ200に回動自在に取り付けられたカバー300とを備えている。
【0024】
第1のリード端子10は、図2に示すように、第1の本体部11と、この第1の本体部11から露出した第1の導体部12とを有する。第2のリード端子20も、第2の本体部21と、この第2の本体部21から露出した第2の導体部22とを有する。
【0025】
コンタクト100は、図2及び図3に示すように、板状のベース部110と、このベース部110の先端部に設けられており且つ第1のリード端子10が接続される接続部120と、ベース部110の基端部に設けられており且つ第2のリード端子20の第2の導体部22を挿脱可能に挟持する第1、第2のクランプアーム130a、130bとを有する。
【0026】
ベース部110は、幅方向の一端部の基端部及び中間部の一部がカットされることにより、2つの片部材111が形成されている。この片部材111は下方に向けて折り曲げられており、ボディ200の収容部221の2つの係止凹部221a( 図4( d)参照) に係止され、コンタクト100の位置決めをなす。
【0027】
接続部120は、第1のリード端子10が圧着され且つ接続される端子部であって、第1のリード端子10の第1の本体部11を支持する略U字状の支持部121と、この支持部121に連続して設けられており且つ当該第1のリード端子10の第1の導体部12と接触する支持部121よりも小さい略U字状の接触部122とを有する。
【0028】
第1のクランプアーム130aは、図2及び図3に示すように、ベース部110の基端部の幅方向の一端部から第2のクランプアーム130bに向けて傾斜するように折り曲げられた略U字状の板バネである。この第1のクランプアーム130aは、2つの直線状の先端部131aと、この2つの先端部131aに連続する部位であり且つ第2のクランプアーム130bから離れる方向に湾曲した2つの第1の湾曲部132aと、この2つの第1の湾曲部132aに連続する部位であり且つ第2のクランプアーム130bに近づく方向に湾曲した2つの第2の湾曲部133aとを有している。
【0029】
第2のクランプアーム130bは、図2及び図3に示すように、ベース部110の基端部の幅方向の他端部から第1のクランプアーム130aに向けて傾斜するように折り曲げられ、第1のクランプアーム130aの間に入り込む略矩形状の板バネである。第2のクランプアーム130bは、直線状の先端部131bと、この先端部131bに連続する部位であり且つ第1のクランプアーム130aから離れる方向に湾曲した第1の湾曲部132bと、この第1の湾曲部132bに連続する部位であり且つ第1のクランプアーム130aに近づく方向に湾曲した第2の湾曲部133bとを有している。
【0030】
先端部131bには、幅方向の両端部に2つの係止片131b1( 係止手段) が設けられている。この2つの係止片131b1が、2つの先端部131aに当接し係止されることにより、2つの先端部131aと先端部131bとが互いに予圧( プリロード) を与え合い、X字状に交差した状態で維持される。この2つの先端部131aと先端部131bとの交差した間の上側空間が第2のリード端子20の第2の導体部22が押し込まれる導入部となる。このように先端部131a、131bが交差した状態で、図3( a) 及び( b) に示すように、第2の湾曲部133aと第2の湾曲部133bとが互いに交差する。
【0031】
即ち、図7( a) に示すように、2つの先端部131aと先端部131bとの交差した間の上側空間から第2のリード端子20の第2の導体部22が押し込まれると、図7( b) に示すように、第1の湾曲部132a、132bが外側に押される。その後、第2のリード端子20の第2の導体部22が、第1の湾曲部132a、132bを乗り越えると、図7( c) に示すように、一対の第2の湾曲部133a、133bが第2のリード端子20の第2の導体部22を挟持すると共に、第1の湾曲部132a、132bが交差し、当該第2のリード端子20の第2の導体部22の脱方向の部位に当接する。
【0032】
ボディ200は、樹脂製の成形品であって、図1及び図4に示すように、直方体状の台部210と、この台部210上に設けられた台部210よりも大きい略直方体状のボディ本体220とを有する。
【0033】
ボディ本体220の長さ方向の両端部の図4の図示左側部分には、2つの収容部221と、カバー300の回動軸をなす突起部222とが設けられている。
【0034】
収容部221は、コンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bを収容する略矩形状の凹部と、この凹部の下端に連通しており且つコンタクト100のベース部110が嵌まり込むスリット部とが一体的に形成されたものである。この収容部221のスリット部には、コンタクト100のベース部110の2つの片部材111を係止する2つの係止凹部221aが設けられている。突起部222は、円柱状の部材であって、先端部の上側部がカットされ、テーパ面222aとなっている。このテーパ面222aにより、カバー300の長さ方向の両壁部を変形させ、突起部222をカバー300の長さ方向の両壁部の溝部340に嵌め込み易くしている。
【0035】
また、ボディ本体220の図4の図示右側の角部には、2つの収容部221と連通する2つの矩形状の凹部223が設けられている。この凹部223は、収容部221のスリット部と連通しており、収容部221に収容されたコンタクト100の接続部120を収容する。即ち、図2に示すように、コンタクト100の接続部120が凹部223から外部に露出する。
【0036】
また、ボディ本体220の上面には、収容部221の上方に位置する2つの略H字状の挿入穴部224と、この2つの挿入穴部224の間に位置するH字状の溝部225とが設けられている。この溝部225にはカバー300の凸部330が嵌まり込むようになっている。
【0037】
挿入穴部224は、収容部221の上壁部に設けられており且つボディ本体220の幅方向に延びる貫通穴である第1の穴部224aと、収容部221の両側に位置する有底の穴でって、第1の穴部224aの長さ方向の両端に直交し且つ連通するように設けられた2つの第2の穴部224bと、2つの第2の穴部224bに連通する2つの第3の穴部224cとを有する。
【0038】
第1の穴部224aは、収容部221に収容されたコンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131a、131bを露出させる穴である。即ち、第1の穴部224aから第2のリード端子20の第2の導体部22を挿入し、第1、第2のクランプアーム130a、130bに挟持させる。
【0039】
第2の穴部224b及び第3の穴部224cは、第1の穴部224aに挿入される第2のリード端子20の第2の導体部22の前後部分が挿入される穴である。第2の穴部224bの深さ寸法は、図2に示すように、その底面が収容部221に収容されたコンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bの第2の湾曲部133a、133bよりも下側に位置する深さに設定されている。この第2の穴部224bには、第2の導体部22の前後部分を押下するカバー300の押圧部材310が挿入される。一方、一方の第3の穴部224c( 図示左側の第3の穴部224c) の深さ寸法は、図2に示すように、第2の穴部224bの深さ寸法と同じに設定されている。他方の第3の穴部224c( 図示右側の第3の穴部224c) の深さ寸法は第2の穴部224bの深さよりも深く設定されている。
【0040】
また、ボディ本体220の幅方向の一端部の両端部には、挿入穴部224の一方の第3の穴部224cと連通する凹状の支持部226が設けられている。支持部226は、第1の穴部224aに第2のリード端子20の第2の導体部22が挿入された状態で、当該第2のリード端子20の第2の本体部21を支持する。
【0041】
更に、ボディ本体220の幅方向の両端面の中央部には、カバー300の2つの係止凸部350が係止される2つの係止凹部227と、この係止凹部227の上方位置に位置する案内溝228とが設けられている。この案内溝228には、下方に且つ外側に向けて傾斜したテーパ面228aが設けられている。このテーパ面228aにより カバー300の係止凸部350が案内溝228を容易に乗り越え、係止凹部227に嵌まり込み易くしている。
【0042】
カバー300は、図1、図5及び図6に示すように、ボディ200のボディ本体220に被せられる下面開放の矩形状の箱状体である。このカバー300の天井面( 挿入穴部対向面) の長さ方向の両端部には、図5( c)に示すように、ボディ200のボディ本体220の挿入穴部224の2つの第2の穴部224bに対応した位置に矩形状の突起である2つの押圧部材310が、ボディ200のボディ本体220の挿入穴部224の第1の穴部224a及び第3の穴部224cに対応する位置に2つの押圧部材310に直交するように突脈320が各々設けられている。また、カバー300の天井面の中央部には、ボディ200のボディ本体220のの溝部225に対応する位置にH字状の凸部330が設けられている。
【0043】
押圧部材310は、ボディ200のボディ本体220の挿入穴部224の2つの第2の穴部224bに嵌まり込み、当該第2の穴部224bに挿入された第2のリード端子20の第2の導体部22の前後部分を押し下げ、当該第2の導体部22の前後部分の間の部分をコンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bに挟持させるための矩形状の凸部である。この押圧部材310の高さ寸法は、第2の穴部224bの深さ寸法よりも若干低く設定されている。突脈320は、挿入穴部224の第1の穴部224a及び2つの第3の穴部224cに嵌まり込み、当該第1の穴部224a及び2つの第3の穴部224cを塞ぐための部位である。この突脈320は、第1の穴部224aに嵌まり込んだ際に、コンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131a、131bに接触しない高さ寸法に設定されている。凸部330は、ボディ200のボディ本体220の溝部225に嵌まり込み、当該カバー300の閉状態でのガタツキを防止する。
【0044】
また、カバー300の長さ方向の両壁部には、図1及び図5( d)に示すように、略L字状の溝部340が設けられている。この溝部340は、ボディ200の突起部222が嵌まり込む溝であって、第1の溝341と、この第1の溝341に直交する第2の溝342と、この第1、第2の溝341、342の間に位置する角部343とを有する。
【0045】
突起部222が第1の溝341内に位置したときには、図1に示すように、カバー300を開け、ボディ200のボディ本体220の上面を開放することができる( 以下、この状態を開状態と称する。) 。突起部222が角部343に位置したときには、図6( a) に示すように、押圧部材310がボディ本体220に当たらないようにカバー300を回動させ、図6( b) に示すように、当該カバー300をボディ200のボディ本体220の上方位置に位置させることができる。突起部222が第2の溝342内に位置したときには、カバー300を下方に移動させ、図6( c)に示すように、カバー300をボディ200のボディ本体220に被せると共に、当該カバー300の押圧部材310を挿入穴部224の2つの第2の穴部224bに、突脈320を挿入穴部224の第1の穴部224a及び2つの第3の穴部224cに、凸部330をボディ200のボディ本体220の溝部225に嵌まり込ませることができる( 以下、この状態を閉状態と称する。) 。
【0046】
カバー300の幅方向の両壁部の内面には、2つの係止凸部350が設けられている。この係止凸部350は、図6( b) に示すように、突起部222が第2の溝342内に位置し、カバー300が下方に垂直移動する過程において、ボディ200のボディ本体220の2つの案内溝228に案内され、その後、図6( c) に示すように、カバー300が閉状態となると、ボディ200のボディ本体220の2つの係止凹部227に係止される。
【0047】
また、カバー300の幅方向の一方の壁部には、閉状態で、ボディ200内のコンタクト100に接続された第1、第2のリード端子10、20との干渉を避けるための2つの開口部360が設けられている。
【0048】
以下、このような構成の接続装置の組み立て手順を説明する。まず、コンタクト100の接続部120の支持部121に第1のリード端子10の第1の本体部11を載置すると共に、当該接続部120の接触部122上に当該第1のリード端子10の第1の導体部12を位置させる。そして、支持部121をペンチ等の工具を用いて内側に湾曲させ、第1の本体部11を当該支持部121に圧着させる。その後、接触部122をペンチ等の工具を用いて内側に湾曲させ、第1のリード端子10の第1の導体部12を挟ませる。これにより両者が接触し、電気接続される。このコンタクト100のベース部110及び第1、第2のクランプアーム130a、130bをボディ200のボディ本体220の収容部221に収容させると共に、当該コンタクト100の接続部120をボディ本体220の凹部223に収容させる。
【0049】
その後、カバー300の長さ方向の両壁部の溝部340を、ボディ200のボディ本体220の突起部222の上方位置に位置させるように位置合わせをし、この状態でカバー300を下方に移動させる。すると、カバー300の長さ方向の両壁部が突起部222のテーパ面222aに当たり、外側に広がる。その後、カバー300を更に下方に移動させると、突起部222が溝部340に嵌まり込む。これにより、カバー300がボディ200に回動自在に取り付けられる。
【0050】
このようにして組み立てられた接続装置には、以下のように第2のリード端子20が挿脱される。まず、カバー300を開状態にしておく。この状態で、第2のリード端子20の第2の導体部22をボディ200のボディ本体220の挿入穴部224に挿入し、図7( a)に示すように、第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131aと先端部131bとの交差した部分上に載置する。
【0051】
その後、カバー300を上方に持ち上げる。すると、ボディ200の突起部222がカバー300の溝部340の第1の溝341内を下方向に移動する。そして、突起部222がカバー300の溝部340の角部343に位置すると、図6( a) に示すように、カバー300を回動させる。
【0052】
その後、図6( b) に示すように、カバー300がボディ200のボディ本体220の上方位置に位置すると、カバー300の係止凸部350が、ボディ200のボディ本体220の2つの案内溝228に案内される。当該カバー300を下方向に移動させる。すると、突起部222がカバー300の溝部340の第2の溝342内を上方に移動し、図6( c)に示すように、カバー300がボディ200のボディ本体220に被さる。
【0053】
このカバー300を下方向の移動過程において、カバー300の押圧部材310がボディ200の挿入穴部224の2つの第2の穴部224bに嵌まり込み、第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131aと先端部131bとの交差した部分上に載置された第2のリード端子20の第2の導体部22の前後部分を押下する。すると、第2のリード端子20の第2の導体部22が先端部131aと先端部131bとの間から押し込まれる。すると、図7( b) に示すように、第2の導体部22により第1の湾曲部132a、132bが外側に押される。その後、第2の導体部22が第1の湾曲部132a、132bを乗り越えると、図7( c) に示すように、一対の第2の湾曲部133a、133bが第2のリード端子20の第2の導体部22を挟持すると共に、第1の湾曲部132a、132bが交差し、当該第2のリード端子20の第2の導体部22の脱方向の部位に当接する。
【0054】
これと共に、突脈320が挿入穴部224の第1の穴部224a及び2つの第3の穴部224cに、凸部330がボディ200のボディ本体220の溝部225に嵌まり込む。このとき、カバー300の2つの係止凸部350が、2つの案内溝228を乗り越え、ボディ200のボディ本体220の2つの係止凹部227に係止される。このようにしてカバー300が閉状態となる。
【0055】
その後、第2のリード端子20を取り外すときには、カバー300を閉状態から開状態に移動させる。そして、ボディ200のボディ本体220の収容部221から図示しない治具を挿入し、第2のリード端子20の第2の導体部22を第1、第2のクランプアーム130a、130bの付勢力に抗して持ち上げる。すると、図7( b)に示すように、第2のリード端子20の第2の導体部22により、第1、第2のクランプアーム130a、130bの第1の湾曲部132a、132bが外側に押される。その後、第2のリード端子20の第2の導体部22が第1の湾曲部132a、132bを乗り越えると、当該第2の導体部22を第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131aと先端部131bとの間から取り出すことができる。或いは、第2のリード端子20をその長さ方向に引き抜く。
【0056】
このような接続装置による場合、第1のリード端子10の第1の導体部12がコンタクト100の接続部120に接続される一方、第2のリード端子20の第2の導体部22がコンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bに挟持されるようになっている。このため、半田接続を行うことなく、第1、第2のリード端子10、20を接続することができる。しかも、第2のリード端子20の第2の導体部22をコンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bに挟持させるだけで当該第2のリード端子20の接続を行うことができることから、接続時に第2のリード端子20の冷陰極蛍光ランプを落とし、破損させる等の可能性を低減することができる。
【0057】
また、コンタクト100の第1、第2のクランプアーム130a、130bが、互いに交差する先端部131a、131bと、この先端部131a、131bに連続する部位であり且つ互いに離れる方向に湾曲した第1の湾曲部132a、132bと、この第1の湾曲部132a、132bに連続する部位であり且つ近づく方向に湾曲した第2の湾曲部133a、133bとを有した形状となっている。このため、第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131a、131bの間から第2のリード端子20の第2の導体部22が押し込まれ、第1の湾曲部132a、132bを乗り越えると、当該第2の導体部22が第2の湾曲部133a、133bに挟持されると共に、当該第2の導体部22の脱方向の部位が互いに交差した第2の湾曲部133a、133bに当接し、脱方向の空間が塞がれる。よって、不用意に第2のリード端子20に脱方向( 上方向) の力が掛かっても、第1、第2のクランプアーム130a、130bの間から脱落するのを防止することができ、当該第2のリード端子20とコンタクト100との安定した電気接続を図ることができる。
【0058】
更に、カバー300の天井面に押圧部材310が設けられていることから、当該カバー300を回動させ、ボディ200のボディ本体220に被せることにより、当該押圧部材310が当該ボディ本体220の挿入穴部224の2つの第2の穴部224bに嵌まり込み、第1、第2のクランプアーム130a、130bの先端部131aと先端部131bとの交差した部分上に載置された第2のリード端子20の第2の導体部22を押下するようになっている。即ち、カバー300をボディ本体220に被せるだけで、第2のリード端子20の第2の導体部22を第1、第2のクランプアーム130a、130bに挟持させることができることから、部品点数を低減できると共に、当該第2のリード端子20の取付作業の簡単化を図ることができ、その結果、低コスト化を図ることができる。
【0059】
なお、コンタクトについては、第1、第2のリード端子を電気接続するためのコンタクトであって、第1のリード端子が接続される接続部と、弾性変形可能な端子であって、第2のリード端子を当該第2のリード端子の長さ方向に対して直交する方向に挿脱可能に挟持する一対のクランプアームとを有する限り、どのように設計変更を行ってもかまわない。
【0060】
接続部120については、第1のリード端子10を電気的に接続し得るものであれば、どのようなものを用いてもかまわない。例えば、接続部120を、第1のリード端子10の第1の導体部12を把持するクランプアームとすることもできるし、ベース部110に設けた切欠き部に第1のリード端子10の第1の導体部12を挿入保持させるような形態を取ることもできる。
【0061】
第1のクランプアーム130aについては、略U字状であるとしたが、これに限定されるものではない。即ち、第2のクランプアーム130bと同様に矩形状の板体とすることも可能である。なお、第1、第2のクランプアーム130a、130bは板バネであるとしたが、これに限定されるものではなく、第2の導体部22を挟持し得るものであればどのようなものを用いてもかまわない。
【0062】
第1の湾曲部132a、132bは、互いに離れる方向に湾曲した形状であれば良く、第2の湾曲部133a、133bが第2のリード端子20の第2の導体部22を把持した際に、互いに交差しなくても良い。
【0063】
第2の湾曲部133a、133bは、第2のリード端子20の第2の導体部22を挟持できる形状であれば良い。
【0064】
先端部131a、131bは、直線状である必要はなく、第2のリード端子20の第2の導体部22が押し込み可能な程度に交差していれば良い。また、先端部131a、131bは、先端部131bの係止片131b1が先端部131aに当接し係止されることにより、X字状に交差した状態で維持されるとしたが、先端部131aに係止片を設け、先端部131bに当接することにより、交差状態で維持されるようにしても良いし、先端部131a、131bが交差するように第1、第2のクランプアーム130a、130bの一部を湾曲させるようにしても良い。
【0065】
ボディ200については、コンタクトが内蔵可能であって、コンタクトの接続部を露出させ、第1のリード端子と接続させるための凹部と、コンタクトの一対のクランプアームの一対の先端部を露出させ、第2のリード端子を挿脱可能にするための挿入穴部とが設けられたものであれば良い。従って、台部210を設けることは任意である。
【0066】
挿入穴部224は、第1の穴部224aと、第2の穴部224bと、第3の穴部224cとを有するとしたが、少なくとも第1の穴部224aを有していれば良い。なお、第2の穴部224bは第1の穴部224aに連続するように設けられていれば良く、いずれか一方のみであっても良い。
【0067】
カバー300については、設けるか否かは任意である。また、カバー300は、ボディ本体220に回動自在に取り付けられるとしたが、ボディ本体220に上方から被せるられるものであれば良い。更に、カバー300の天井面には、押圧部材310が設けられているとしたが、当該押圧部材310を別体とすることができる。また、挿入穴部224に第2の穴部224bが設けられていない場合には、押圧部材310を設ける必要はない。
【0068】
なお、上記接続装置は、冷陰極蛍光ランプのソケットであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、第1、第2のリード端子を電気接続するコネクタ等のその他の接続装置として適応果能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る接続装置のカバー開状態を示す斜視図である。
【図2】同装置のカバーを取り外し且つボディの内部を透過させた状態のボディの模式的部分斜視図である。
【図3】同装置のコンタクトを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c)が側面図、( d)が平面図である。
【図4】同装置のボディを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c) が平面図、( d)が側面図である。
【図5】同装置のカバーを示す図であって、( a) が正面図、( b)が背面図、( c) が底面図、( d)が側面図である。
【図6】同装置のカバーの開閉過程を示す斜視図であって、( a) がカバーの回動過程を示す図、( b)がカバーの下降過程を示す図、( c)カバーの閉状態を示す図である。
【図7】同装置のコンタクトの背面図であって、( a) が第2のリード端子の挿入前の状態を示す図、( b) が第2のリード端子を押し込んだ状態を示す図、( c)が第2のリード端子が挟持された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 第1のリード端子
20 第2のリード端子
100 コンタクト
120 接続部
130a 第1のクランプアーム
131a 先端部
132a 第1の湾曲部
133a 第2の湾曲部
130b 第2のクランプアーム
131b 先端部
132b 第1の湾曲部
133b 第2の湾曲部
200 ボディ
224 挿入穴部
224a 第1の穴部
224b 第2の穴部
300 カバー
310 押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2のリード端子を電気接続するためのコンタクトにおいて、第1のリード端子が接続される接続部と、弾性変形可能な端子であって、第2のリード端子を当該第2のリード端子の長さ方向に対して直交する方向に挿脱可能に挟持する一対のクランプアームとを有したことを特徴とするコンタクト。
【請求項2】
請求項1記載のコンタクトにおいて、一方のクランプアームは略U字状の板体であり、他方のクランプアームは略矩形状の板体であって、一方のクランプアームの間に入り込むようになっていることを特徴とするコンタクト。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコンタクトにおいて、一対のクランプアームは、互いに交差する一対の先端部と、この一対の先端部に連続する部位であり且つ互いに離れる方向に湾曲した一対の第1の湾曲部と、この一対の第1の湾曲部に連続する部位であり且つ互いに近づく方向に湾曲した一対の第2の湾曲部とを有しており、
一対の先端部の間から第2のリード端子が押し込まれ、一対の第1の湾曲部を乗り越えると、一対の第2の湾曲部が第2のリード端子を挟持すると共に、一対の第1の湾曲部が当該第2のリード端子の脱方向の部位に当接することを特徴とするコンタクト。
【請求項4】
請求項3記載のコンタクトにおいて、一対のクランプアームの一対の先端部には、互いに係止することにより、当該一対の先端部を交差させた状態で維持する係止手段が設けられていることを特徴とするコンタクト。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載のコンタクトと、このコンタクトが内蔵されるボディとを備えており、ボディには、コンタクトの接続部を露出させ、第1のリード端子と接続させるための凹部と、コンタクトの一対のクランプアームの一対の先端部を露出させ、第2のリード端子を挿脱可能にするための挿入穴部とが設けられていることを特徴とする接続装置。
【請求項6】
請求項5記載の接続装置において、第2のリード端子をコンタクトの一対のクランプアームに押し込むための押圧部材を備えており、挿入穴部は、一対のクランプアームの先端部を露出させるために当該一対のクランプアームの長さ方向に沿うように延びた第1の穴部と、この第1の穴部の長さ方向の端部に連続するように設けられた第2の穴部とを有し、この第2の穴部には、押圧部材が挿入されるようになっていることを特徴とする接続装置。
【請求項7】
請求項6記載の接続装置において、ボディに被せられるカバーを備えており、カバーの挿入穴部対向面には、前記押圧部材が設けられていることを特徴とする接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−280639(P2007−280639A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101967(P2006−101967)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】