説明

コンテキスト情報収集ネットワーク、コンテキスト情報サーバ及びコンテキスト情報収集方法

【課題】設備やコストを増やさずに、ユーザの多様なコンテキストを取得することが可能なコンテキスト情報収集ネットワーク、コンテキスト情報サーバ及びコンテキスト情報収集方法を提供する。
【解決手段】通信部によって受信されたコンテキスト情報をユーザ毎に格納するコンテキスト情報データベース20を備えたコンテキスト情報サーバ12と、コンテキスト情報12サーバから受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報を検索し、検索した2次的コンテキスト情報をコンテキスト情報サーバ12に送信する2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bと、コンテンツ情報を格納するコンテンツ情報配信サーバ16と、を備えたコンテキスト情報収集ネットワーク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを特徴付ける為に使われる情報であるコンテキスト情報を収集するコンテキスト情報収集ネットワーク、コンテキスト情報サーバ及びコンテキスト情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いつでも、どこでも、どんなものからでもネットワークにつながるユビキタス環境の実現が現実味を帯びてきたが、そのような環境においては必要な情報だけを必要な時に必要な端末だけに配信されるサービスが求められてくる。また個人の嗜好は多様化し、ユーザのニーズは場所や時間や状況などのコンテキストによって変化している。コンテキストとは、ユーザを特徴付ける為に使われる情報のことであり、例えば性別、血液型、生年月日といった静的な情報から位置情報、速度、体温、感情などの動的な情報、さらに気温、天気など環境情報等様々な情報を含んでいる。
【0003】
コンテキストを収集する手段には、RFIDタグを利用したもの(非特許文献1)や、PHSの位置情報サービスを利用したもの(非特許文献2)など様々なものが提案されている。これらのコンテキストを活用したサービスはコンテキストアウェアサービスと呼ばれ、様々な業界で開発が進んでいる。例えば、鉄道の分野でも、交通システム上の動的な人の位置や状態などの把握から、鉄道を知能化する高度なアプリケーションの構築を目指した新しい鉄道システムのコンセプトが積極的に提案されている。
【0004】
【非特許文献1】森川他、「コンテキストを活用したサービスプラットフォームの検討」、DICOMO2003シンポジウムNo.071,2003年6月
【非特許文献2】中西他、「Context Aware Messaging Service:位置情報とスケジュール情報を用いたコミュニケーションシステムの構築および運用実験」、情報処理学会論文誌 Vol.42No.7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、多様化するユーザのニーズに対応するためには、ユーザの様々なコンテキストを取得する必要があり、ユーザのコンテキストは様々な手段で取得できるが、手段が増えれば設備やコストも増えるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、設備やコストを増やさずに、ユーザの多様なコンテキストを取得することが可能なコンテキスト情報収集ネットワーク、コンテキスト情報サーバ及びコンテキスト情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明は、通信部及び該通信部によって受信されたコンテキスト情報をユーザ毎に格納するコンテキスト情報データベースを備えたコンテキスト情報サーバと、前記コンテキスト情報サーバから受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報を検索し、検索した2次的コンテキスト情報を前記コンテキスト情報サーバに送信する2次的コンテキスト情報検索システムと、を備えたコンテキスト情報収集ネットワークであって、前記通信部は、ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、受信した1次的コンテキスト情報を前記2次的コンテキスト情報検索システムに送信し、前記コンテキスト情報データベースは、前記通信部が前記2次的コンテキスト情報検索システムから2次的コンテキスト情報を受信すると、受信された2次的コンテキスト情報をコンテキスト情報として格納するよう構成されていることを特徴とする。
【0008】
以上のように本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、ユーザのクライアント端末から取得する1次的コンテキスト情報に基づいて、それに関連する2次的コンテキスト情報を取得することができるので、設備やコストを増やさずに、ユーザの多様なコンテキスト情報を取得することができる。本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークにおいて、1次的コンテキスト情報とは、ユーザのクライアント端末から得ることができるコンテキスト情報のことであり、2次的コンテキスト情報とは、その1次的コンテキスト情報に関連するコンテキスト情報のことである。
【0009】
本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、通信部及びコンテンツ情報を格納するコンテンツ情報データベースを備えたコンテンツ情報サーバをさらに備え、前記コンテキスト情報サーバは、前記通信部が前記コンテンツ情報サーバからコンテンツ情報を受信すると、受信したコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを前記コンテキスト情報データベースに基づいて検索する検索手段をさらに備え、前記コンテキストサーバの通信部は、前記検索手段によって検索されたユーザのクライアント端末に前記コンテンツ情報を送信するよう構成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークにおいて、前記コンテキスト情報サーバは、受信した1次的コンテキスト情報を送信する2次的コンテキスト情報検索システムを予め登録していることが好ましい。
【0011】
さらに、受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報検索システムを検索するシステム検索システムをさらに備え、前記コンテキスト情報サーバは、前記通信部がユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、受信された1次的コンテキスト情報を通信部よって前記システム検索システムに送信し、前記システム検索システムは、受信した1次的コンテキスト情報に基づいて2次的コンテキスト情報検索システムを検索し、検索した2次的コンテキスト情報検索システムに関する情報を前記コンテキスト情報サーバに送信し、前記コンテキスト情報サーバは、前記通信部が前記システム検索システムから2次的コンテキスト情報検索システムに関する情報を受信すると、受信された情報に関する2次的コンテキスト情報検索システムに前記1次的コンテキスト情報を送信するよう構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、通信部及び該通信部によって受信されたコンテキスト情報をユーザ毎に格納するコンテキスト情報データベースを備えたコンテキスト情報サーバにおいて、前記通信部は、ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、前記コンテキスト情報サーバから受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報を検索し、検索した2次的コンテキスト情報を前記コンテキスト情報サーバに送信する2次的コンテキスト情報検索システムに、受信した1次的コンテキスト情報を送信し、前記コンテキストデータベースは、前記通信部が前記2次的コンテキスト情報検索システムから2次的コンテキスト情報を受信すると、受信された2次的コンテキスト情報をコンテキスト情報として格納するよう構成されていることを特徴とする。本発明に係るコンテキスト情報サーバにおいて、前記通信部が、コンテンツ情報を格納するコンテンツ情報データベースを備えたコンテンツ情報サーバからコンテンツ情報を受信すると、前記コンテキスト情報データベースに格納されているコンテキスト情報に基づいて、受信したコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを検索する検索手段をさらに備え、前記通信部は、前記検索手段によって検索されたユーザのクライアント端末に前記コンテンツ情報を送信するよう構成されていることが好ましい。
【0013】
さらに、上記目的を達成するため、本発明は、ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信する1次的コンテキスト受信工程と、受信された1次的コンテキスト情報に基づいて2次的コンテキスト情報を検索する2次的コンテキスト検索工程と、該2次的コンテキスト検索工程によって検索された2次的コンテキスト情報を前記受信工程で受信された1次的コンテキスト情報とともにコンテキスト情報としてユーザ毎に格納するコンテキスト情報格納工程と、を備えたことを特徴とするコンテキスト情報収集方法である。本発明に係るコンテキスト情報収集方法は、新しいコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを前記コンテキスト情報格納工程で格納されたコンテキスト情報に基づいて検索するユーザ検索工程と、該ユーザ検索工程によって検索されたユーザに前記新しいコンテンツ情報を配信するコンテンツ情報配信工程と、をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、設備やコストを増やさずに、ユーザの多様なコンテキストを取得することが可能なコンテキスト情報収集ネットワーク、コンテキスト情報サーバ及びコンテキスト情報収集方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークの第1実施例について図面に基づいて説明する。第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、コンテンツ情報として鉄道の人身事故情報をユーザのコンテキスト情報に応じて配信するものである。図1は、第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークの概略図である。第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、ユーザのクライアント端末である移動体電話10から1次的コンテキスト情報を収集するコンテキスト情報サーバ12と、コンテキスト情報サーバ12が収集した1次的コンテキスト情報に基づいて2次的コンテキスト情報を検索する2次的コンテキスト情報検索システム14A及び14Bと、コンテンツ情報を格納するコンテンツ情報配信サーバ16と、を備えており、これらは、例えばインターネットなど広域ネットワークを介して接続されている。
【0016】
第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークに使用される移動体電話10には、位置情報などユーザのコンテキスト情報を所定時間毎又はユーザの動作によってコンテキスト情報サーバ12に配信し、またコンテキスト情報サーバ12から配信されたコンテンツ情報をディスプレイに表示するJavaアプリケーションが搭載されている。すなわち、第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、1次的コンテキストとしてユーザの位置情報を取得する。このJavaアプリケーションは、ユーザのコンテキスト情報として位置情報を取得することができる。移動体電話10とコンテキスト情報サーバ12のプロトコルは、SOAP(Simple Object Access Protocol)メッセージングを用いており、このSOAPメッセージングは、移動体電話などな携帯端末向けに定義されたJava実行環境の仕様であり、携帯端末用のユーザインターフェースやクラスライブラリなどを含んでいるMIDP(Mobile Information Device Profile)1.0の標準クラスと本願出願人らが作成したクラスを組み合わせて実現している。この移動体電話10は、基地局11に無線で接続しており、基地局は、例えばインターネットなど広域ネットワークを介して、第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークに接続されている。なお、ユーザのクライアント端末としては、移動体電話10の他、PDA、ノートパソコンなどの情報機器を用いても良く、また位置情報は、GPSやRFID(Radio Frequency Identification)を利用したり、クライアント端末が東日本旅客鉄道株式会社のSUICA(登録商標)のようなICカード機能を保持した際の特定箇所(例えば駅改札口等)の通過情報を利用しても良い。なお、コンテンツ情報の移動体電話10のディスプレイへの表示は、Javaアプリケーションによる必要はなく、例えばコンテンツ情報をテキスト形式でE−mailによって受信した場合は、このコンテンツ情報は、メーラーによってディスプレイに表示することが可能である。また、移動体電話10とコンテキスト情報サーバ12のプロトコルは、SOAPメッセージングに限定されず、他のプロトコルを用いても良い。
【0017】
コンテキスト情報サーバ12は、主としてコンテキスト情報サーバ本体18と、ユーザ毎のコンテキスト情報を格納するコンテキスト情報データベース20と、ユーザの基本的な情報、例えばユーザの住所、名前及び自宅の最寄駅などに関する情報を格納するユーザ情報データベース22と、を備えている。
【0018】
コンテキスト情報サーバ本体18は、図2に示すように、通信部24と、情報等を一時的に記憶するメモリ26と、プログラムを格納するプログラム格納部28と、プログラム格納部28に格納されたプログラムなどに基づいて情報の抽出や通信部24などの制御を行う制御部30と、を備えている。コンテキスト情報サーバ12と2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bのプロトコルは、SOAP RPC(Remote Procedure Call)を用いるが、これに限定されず、他のプロトコルを用いても良い。
【0019】
プログラム格納部28は、コンテキスト情報の収集を行うコンテキスト情報収集プログラム28Aと、コンテンツ情報の配信を行うコンテンツ情報配信プログラム28Bと、を備えている。コンテキスト情報収集プログラム28Aには、予め1次的コンテキスト情報を送信する2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bが登録されている。
【0020】
コンテキスト情報データベース20は、ユーザの位置情報などのコンテキスト情報をユーザ毎に格納しており、移動体電話10や2次的コンテキスト情報検索システム14から新しいコンテキスト情報が通信部24によって受信されると、その受信された新しいコンテキスト情報に更新するように構成されている。また、更新前の過去のコンテキスト情報は、直ぐに消去せず、ある程度の期間、ユーザ毎格納し、これらはコンテキスト情報として利用しても良い。コンテキスト情報サーバ12は、このようにコンテキスト情報データベース20とユーザ情報データベース22を分けて、Microsoftパスポートやリバティアライアンスなど外部ユーザ認証機関のユーザデータベースと連携できるように設計している。また、XMLで記述したユーザ情報データ及びコンテキスト情報データのスキーマは、拡張性を持たせる必要があるため、データベースには、ネイティブXMLデータベース(NXDB:XMLツリー構造をそのままの形式で格納可能なデータベース)を利用している。このようにNXDBを用いた結果、コンテキスト情報をツリー状態で格納でき、XPATH式を利用する条件マッチング検索なども容易に行うことができる。その他、情報の取り出しもXMLドキュメント形式で取り出せるため、スタイルシート別のフォーマットで表示することなども可能である。なお、コンテキスト情報データベース20は、ユーザの移動体電話10のe−mailアドレスに関する情報も格納している。
【0021】
本実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークにおいて、2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bとしては、コンテキスト情報サーバ12から受信した移動体電話10の位置情報(緯度、経度)に基づいて最寄の駅を検索する最寄駅検索システム14A及びその最寄駅などに基づいて路線を検索する路線検索システム14Bが利用されている。すなわち、本実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、2次的コンテキスト情報として最寄駅に関する情報と路線に関する情報を取得する。最寄駅検索システム14A及び14Bは、プログラム格納部に格納されているプログラム以外同様の構成からなり、図3に示すように通信部34A(34B)と、プログラムを格納するプログラム格納部36A(36B)と、プログラム格納部36A(36B)に格納されたプログラムなどに基づいて情報の検索や通信部34A(34B)などの制御を行う制御部38A(38B)と、を備えている。
【0022】
本実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークにおいて、コンテンツ情報配信サーバ16は、コンテンツとして鉄道の事故情報をコンテキスト情報サーバ12に配信するよう構成されており、主としてコンテンツ情報配信サーバ本体40と、事故情報を格納する事故情報データベース42と、を備えている。コンテンツ情報サーバ本体40は、図4に示すように通信部44と、事故情報を入力する入力部46と、これら通信部44と入力部46を制御する制御部48と、を備えている。このコンテンツ情報サーバ16は、入力部46によって事故情報が入力されると、事故情報データベース42にその事故情報が格納され、その事故情報は、通信部44によってSOAPメッセージングでコンテキスト情報サーバ12に配信されるよう構成されている。なお、事故情報データベース42とコンテキスト情報サーバ12のプロトコルは、SOAPメッセージングに限定されず、他のプロトコルを用いても良い。
【0023】
次に、本実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークの動作をについて説明する。最初に、コンテキスト情報収集プログラム28Aに基づく動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。先ず、移動体電話10は、それに搭載されたJavaアプリケーションによって、所定時間毎、例えば1時間毎に移動体電話10の位置情報(緯度、経度)をコンテキスト情報サーバ12に送信する(S100)。コンテキスト情報サーバ12は、移動体電話10から位置情報を受信すると、その位置情報をメモリ22に記憶させるとともに、通信部1824によって最寄駅検索システム14Aに送信する(S102)。最寄駅検索システム14Aは、コンテキスト情報サーバ12から位置情報を受信すると、その位置情報の最寄の駅を1以上検索し(S104)、その検索された最寄駅に関する情報を通信部34によってコンテキスト情報サーバ12に送信する(S106)。コンテキスト情報サーバ12は、最寄駅検索システム14Aから最寄駅に関する情報を受信すると、その最寄駅の情報をメモリ22に記憶させるとともに、ユーザ情報データベース28からそのユーザの自宅駅に関する情報を取得して、メモリ22に記憶させる(S108)。次に、コンテキスト情報サーバ12は、メモリ22に記憶されている最寄駅に関する情報と自宅駅に関する情報を通信部1824によって路線検索システム14Bに送信する(S110)。路線検索システム14Bは、コンテキスト情報サーバ12から最寄駅の情報及び自宅駅に関する情報を受信すると、これら情報に基づいてその最寄駅と自宅駅を結ぶ1以上の路線情報を検索し(S112)、その検索された路線情報を通信部34によってコンテキスト情報サーバ12に送信する(S114)。コンテキスト情報サーバ12は、2次的コンテキスト情報検索システム14から路線情報を受信すると、この路線情報をメモリ22に記憶されている位置情報及び最寄駅情報とともにコンテキスト情報データベース20に格納する(S116)。
【0024】
次に、コンテンツ情報配信プログラム28Bに基づく動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。先ず、コンテンツ情報配信サーバ16は、人身事故が発生した際に、入力部46によって事故情報が入力されると(S118)、事故情報データベース42にその事故情報(事故内容、不通路線名)が格納され(S120)、通信部44によってその事故情報をコンテキスト情報サーバ12に配信する(S122)。コンテキスト情報サーバ12は、コンテンツ情報配信サーバ16から事故情報を受信すると、先ず、その事故情報をメモリ26に記憶し、その事故情報に含まれる不通路線名と同一の路線名をコンテキスト情報として有するユーザをコンテキスト情報データベース20から検索し(S124)、そのユーザの移動体電話10のe−mailアドレスにメモリ26に記憶されている事故情報を配信する(S126)。これにより、ユーザは、自らが利用する予定の路線の事故情報を知ることができる。
【0025】
次に、本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークの第2実施例について図面に基づいて説明する。図7は、第2実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークの概略図である。第2実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークは、第1実施例に係る情報収集配信システムと異なり、コンテキスト情報収集プログラム28Aに予め登録されている2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bだけでなく、UDDI(Universal Description, Discovery, and Integration)に問い合わせて得られた2次的コンテキスト情報検索システム14C、14D・・・からも2次的コンテキスト情報を取得するよう構成されている。
【0026】
すなわち、第2実施例に係るコンテキスト情報収集システムが含まれた情報収集配信ネットワークには、UDDI50が含まれており、このUDDI50は、コンテキスト情報サーバ12から1次的コンテキスト情報を受信すると、その1次的コンテキスト情報に関連する2次的コンテキスト情報検索システム14C、14D・・・を検索して、その情報をコンテキスト情報サーバ12に配信するように構成されている。
【0027】
次に、第2実施例に係るコンテキスト情報収集システムのコンテキスト情報収集プログラム28Aに基づく動作について説明する。先ず、コンテキスト情報サーバ12は、移動体電話10から1次的コンテキスト情報を受信すると(S200)、先ず、1次的コンテキスト情報をメモリ26に記憶させるとともに、UDDI52にその1次的コンテキスト情報を送信する(S202)。UDDI52は、1次的コンテキスト情報を受信すると、その1次的コンテキスト情報に関連する2次的コンテキスト情報検索システム14C、14D・・・を検索し(S204)、検索した2次的コンテキスト情報システム14C、14D・・・の情報をコンテキスト情報サーバ12に送信する(S206)。コンテキスト情報サーバ12は、UDDI52から2次的コンテキスト検索システム14C、14D・・・に関する情報を受信すると、受信した2次的コンテキスト検索システム14C、14D・・・に関する情報に係る2次的コンテキスト情報システム14C、14D・・・と予めコンテキスト情報収集プログラム28Aに登録されている2次的コンテキスト情報検索システム14A、14Bに移動体電話10から受信した1次的コンテキスト情報を送信する(S208)。これら2次的コンテキスト情報検索システム14A、14B、14C、14D・・・は、コンテキスト情報サーバ12から1次的コンテキスト情報を受信すると、これら情報に関連する2次的コンテキスト情報を検索し(S210)、その検索された2次的コンテキスト情報を通信部34によってコンテキスト情報サーバ12に送信する(S212)。コンテキスト情報サーバ12は、2次的コンテキスト情報検索システム14A、14B、14C、14D・・・から2次的コンテキスト情報を受信すると、2次的コンテキスト情報をメモリ22に記憶されている1次的コンテキスト情報とともにコンテキスト情報データベース20に格納する(S214)。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークの第1実施例の概略図である。
【図2】第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークのコンテキスト情報サーバ本体のブロック図である。
【図3】第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークの2次的コンテキスト検索システムのブロック図である。
【図4】第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークのコンテンツ情報サーバのブロック図である。
【図5】第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークのコンテキスト情報収集プログラムに基づく動作を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例に係るコンテキスト情報収集ネットワークのコンテンツ情報配信プログラムに基づく動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るコンテキスト情報収集ネットワークの第2実施例の概略図である。
【符号の説明】
【0029】
10 移動体電話
12 コンテキスト情報サーバ
14A、14B 2次的コンテキスト情報検索システム
16 コンテンツ情報配信サーバ
20 コンテキスト情報データベース
24 通信部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部及び該通信部によって受信されたコンテキスト情報をユーザ毎に格納するコンテキスト情報データベースを備えたコンテキスト情報サーバと、
前記コンテキスト情報サーバから受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報を検索し、検索した2次的コンテキスト情報を前記コンテキスト情報サーバに送信する2次的コンテキスト情報検索システムと、を備えたコンテキスト情報収集ネットワークであって、
前記通信部は、ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、受信した1次的コンテキスト情報を前記2次的コンテキスト情報検索システムに送信し、
前記コンテキスト情報データベースは、前記通信部が前記2次的コンテキスト情報検索システムから2次的コンテキスト情報を受信すると、受信された2次的コンテキスト情報をコンテキスト情報として格納するよう構成されていることを特徴とするコンテキスト情報収集ネットワーク。
【請求項2】
通信部及びコンテンツ情報を格納するコンテンツ情報データベースを備えたコンテンツ情報サーバをさらに備え、
前記コンテキスト情報サーバは、その通信部が前記コンテンツ情報サーバからコンテンツ情報を受信すると、受信したコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを前記コンテキスト情報データベースに基づいて検索する検索手段をさらに備え、
前記コンテキストサーバの通信部は、前記検索手段によって検索されたユーザのクライアント端末に前記コンテンツ情報を送信するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のコンテキスト情報収集ネットワーク。
【請求項3】
前記コンテキスト情報サーバは、受信した1次的コンテキスト情報を送信する2次的コンテキスト情報検索システムを予め登録していることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテキスト情報収集ネットワーク。
【請求項4】
受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報検索システムを検索するシステム検索システムをさらに備え、
前記コンテキスト情報サーバは、前記通信部がユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、受信された1次的コンテキスト情報を通信部よって前記システム検索システムに送信し、
前記システム検索システムは、受信した1次的コンテキスト情報に基づいて2次的コンテキスト情報検索システムを検索し、検索した2次的コンテキスト情報検索システムに関する情報を前記コンテキスト情報サーバに送信し、
前記コンテキスト情報サーバは、前記通信部が前記システム検索システムから2次的コンテキスト情報検索システムに関する情報を受信すると、受信された情報に関する2次的コンテキスト情報検索システムに前記1次的コンテキスト情報を送信するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のコンテキスト情報収集ネットワーク。
【請求項5】
通信部及び該通信部によって受信されたコンテキスト情報をユーザ毎に格納するコンテキスト情報データベースを備えたコンテキスト情報サーバにおいて、
前記通信部は、ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信すると、前記コンテキスト情報サーバから受信した1次的コンテキスト情報に基づいてそれに関連する2次的コンテキスト情報を検索し、検索した2次的コンテキスト情報を前記コンテキスト情報サーバに送信する2次的コンテキスト情報検索システムに、受信した1次的コンテキスト情報を送信し、
前記コンテキストデータベースは、前記通信部が前記2次的コンテキスト情報検索システムから2次的コンテキスト情報を受信すると、受信された2次的コンテキスト情報をコンテキスト情報として格納するよう構成されていることを特徴とするコンテキスト情報サーバ。
【請求項6】
前記通信部が、コンテンツ情報を格納するコンテンツ情報データベースを備えたコンテンツ情報サーバからコンテンツ情報を受信すると、前記コンテキスト情報データベースに格納されているコンテキスト情報に基づいて、受信したコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを検索する検索手段をさらに備え、
前記通信部は、前記検索手段によって検索されたユーザのクライアント端末に前記コンテンツ情報を送信するよう構成されていることを特徴とする請求項5記載のコンテキスト情報サーバ。
【請求項7】
ユーザのクライアント端末から1次的コンテキスト情報を受信する1次的コンテキスト受信工程と、
受信された1次的コンテキスト情報に基づいて2次的コンテキスト情報を検索する2次的コンテキスト検索工程と、
該2次的コンテキスト検索工程によって検索された2次的コンテキスト情報を前記受信工程で受信された1次的コンテキスト情報とともにコンテキスト情報としてユーザ毎に格納するコンテキスト情報格納工程と、
を備えたことを特徴とするコンテキスト情報収集方法。
【請求項8】
新しいコンテンツ情報に関連するコンテキスト情報を有するユーザを前記コンテキスト情報格納工程で格納されたコンテキスト情報に基づいて検索するユーザ検索工程と、
該ユーザ検索工程によって検索されたユーザに前記新しいコンテンツ情報を配信するコンテンツ情報配信工程と、
を備えたことを特徴とする請求項7記載のコンテキスト情報収集方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−12076(P2006−12076A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191845(P2004−191845)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【出願人】(502306660)日本テレコム株式会社 (63)
【Fターム(参考)】