説明

コンテナを吊り上げ、取り扱い及び輸送する装置

トラックなどの輸送車両78のプラットフォームへ、及びそこからコンテナ34を吊り上げ、取り扱い、輸送するために、可動キャリア枠24が使用される。キャリア枠24を、縦列駐車空間などの窮屈な空間に入るようさらに簡単に操縦できるように、駆動輪62及びキャスタ輪62が配置される。キャリア枠は、遠隔制御装置によって遠隔操作することができる。キャリア枠の後端にある横要素は、特に係合位置にある場合に、キャリア枠に追加の構造的支持を提供するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2005年4月18日出願の米国仮特許出願第60/672,622号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は概ね保存コンテナ輸送及び移動サービス及び製品の分野に関し、特に保存コンテナを吊り上げて取り扱い、それを路上走行車に積載し、所定の位置まで輸送して、車両からコンテナを荷下ろしする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
貨物の国際輸送及び保存は、積み重ねに適した大型の六面体形状の金属コンテナを使用することによって一変した。このようなコンテナは取り扱い、積み重ね及び保存を容易にするために規格サイズで、特定の規格に合わせて構築される。さらに、コンテナは船舶の開放甲板、路上走行車、鉄道車両、補給基地などで容易に輸送され、その間で移送される。
【0004】
効率化には、取り扱いの費用を最低限に抑えるために、好ましくは単一の供給業者からの貨物で規格コンテナを充填する必要があるが、コンテナの空間を複数の当事者間で共用することができる。コンテナの空間を複数の当事者間で共用する場合、同じコンテナを、コンテナを使用する各当事者が輸送するか、他の何らかの方法で取り扱うべきことがある。
【0005】
この追加の取り扱いを軽減しようとして、小さい貨物の積荷用に規格コンテナより小さい「小型」コンテナも考案されている。小型コンテナの輸送及び/又は積み重ねを補助するために、幾つかの小型コンテナを相互にロックして、単一の規格コンテナを形成し、次に別個の容器へと転送するために混載解除基地で分離される。
【0006】
産業には往々にしてコンテナを吊り上げ、輸送するという要件がある。多くの貨物操車場及び海上輸送用ドックは、大部分のコンテナに見られる隅部ブラケットに取り付けた吊りケーブルを有する様々なタイプのクレーンを使用する。コンテナを吊り上げ、輸送する方法及び装置が知られており、これまで様々な方法で構成されてきた。先行技術のコンテナ取り扱いシステムの幾つかの例について、以下で見てみる。
【0007】
Doussetの米国特許第3,541,598号は、門形と呼ばれる2つの端部を当て嵌めた構造を示し、これはホイール付きで、油圧ジャッキを有する。これはコンテナの上下隅にて取り付けられる。縦方向の骨組要素はなく、横方向の骨組要素だけである。したがって、コンテナは構造骨組として働き、通常は最大で6.8t(15,000ポンド)の貨物を支持するのに十分な強度でなければならない。門形を車両からコンテナへと移動させて位置決めし、戻すための方法又は装置はない。これは明らかに手作業で実行される。コンテナの有無にかかわらず、輸送するために車両に門形を迅速且つ安全にロックする構造もない。
【0008】
Fossingの米国特許第5,006,031号も2つの構造を使用するが、これは吊り上げ後、相互に接続される。油圧ジャッキを有する2ホイールの区間を、コンテナの端部ではなく縦方向の側部に取り付ける。コンテナの下に横木が接続される。取り付けブラケットはH字形を有する。
【0009】
Buryの米国特許第3,881,689号は、キャンパ本体を吊り上げる4辺の骨組を開示している。これは、本体の周囲に取り付けるためにU字形であり、開放端に取り付けた横木を有する。ジャッキは機械的であり、骨組に対してコンテナを引き上げる。車両から本体に骨組を移動させて位置決めし、戻すための方法又は装置はない。キャンパ本体を地面に下げることができない。骨組は、手作業で取り外され、保存されるか、車両へと搬送される。
【0010】
Dafnisの米国特許第2,197,375号は、鉄道車両用のホイール付きリフタ及び運搬装置を示している。骨組をコンテナの頂部に配置する。油圧ジャッキが車両上に突出したブラケットの下に当て嵌まり、骨組に対して車両を上昇させる。輸送車両はない。
【0011】
Lionの米国特許第2,937,879号は、各隅部にホイールがある内蔵油圧ジャッキがあるコンテナを示している。コンテナ構造が骨組として働く。輸送車両はない。
【0012】
Fulmerの米国特許第3,243,193号は、コンテナの端部に当て嵌めるべき取り付け可能な駆動装置を開示している。これは1対のブラケット及びホイールで構成される。ブラケットはコンテナの端部に取り付けられ、次に下で相互に接続される。油圧ジャッキがコンテナを上昇させる。
【0013】
Conchaの米国特許第4,297,068も、コンテナの端部に当て嵌めるべき取り付け可能な駆動装置を開示している。これは油圧ジャッキがある1対のブラケットとホイールで構成される。
【0014】
Grossの米国特許第4,712,966号は、積み重ね式貨物の吊り上げ可能且つ輸送可能なラックを示している。油圧ジャッキがある1対のホイール付きブラケットがラックの端部に当て嵌まる。
【0015】
Riedlの米国特許第4,765,594号は、コンテナの隅部に取り付けられる4つの別個のホイールとジャッキのアセンブリを示している。ジャッキはラック・ピニオン・タイプである。アセンブリは相互接続されない。
【0016】
Fulmer、Concha、Riedl及びFossingは輸送車両を示していない。コンテナに装着されるホイールがトレーラを形成する。
【0017】
Riechelの米国特許第3,744,652号は、車両を推進する油圧モータ手段、及び前後の巻き上げ装置を有するガントリ車両の油圧巻き上げ装置を開示している。Rieschelは輸送車両を示していない。
【0018】
独国実用新案第29505618U号は、輸送車両に荷積み及び荷下ろしできる自走式コンテナ・リフト・トラックを開示している。コンテナ・リフト・トラックは、コンテナを1つの位置から別の位置へと移動させるために使用される。「輸送架台」が、コンテナ・リフト・トラックを輸送車両、例えばトラックの台に取り付けるために使用される。しかし、コンテナ・リフト・トラックとコンテナとは、一緒に輸送車両の台に荷積みすることができない。
【0019】
Warhurstの米国特許第6,071,062号及び第6,155,770号は両方とも、参照により本明細書に組み込まれ、概ねコンテナをトラックの台に荷積みし、荷下ろしする可動キャリア枠について開示している。
【0020】
フロリダ州ハドソンのPorta Stor, Inc.のコンテナ輸送装置は、基本的にWarhurstの米国特許第6,071,062号に記載されたコンテナ取り扱いシステムと同じ方法で動作するが、Porta Storのキャリア枠の横方向要素の一方は反対端へと移動して、枠の一方端が開放状態になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
先行技術の装置は、縦列駐車空間又は同様の窮屈な位置のように窮屈な空間からコンテナを拾い上げ、降ろすために簡単に操縦可能なコンテナ取り扱い装置は開示していない。したがって、可動キャリア枠を操縦して縦列駐車空間又は同様の窮屈な空間に入れることができるコンテナ取り扱いシステムが必要とされている。遠隔制御によって操作できるようなシステムも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、トラックなどの輸送車両のプラットフォームへ、及びプラットフォームからコンテナを吊り上げ、取り扱い、輸送するために使用可能な可動キャリア枠である。本発明のキャリア枠は、開示が参照により本明細書に組み込まれているWarhurstの米国特許第6,071,062号に記載された枠と概ね同様の方法で動作する。しかし、縦列駐車空間のような窮屈な空間に入れるよう枠の操縦性を改善するために、様々な構造的変更がなされている。また、枠の特定の実施例には、追加の構造的支持要素が追加されている。
【0023】
前後端及び左右側を有する可動キャリア枠は、2つ以上の縦方向要素、及び縦方向要素のうち2つの間に接続された少なくとも1つの横方向要素を備える。キャリア枠はさらに、キャリア枠の右前隅の下側で、その近傍にある右前輪アセンブリ、キャリア枠の左前隅の下側で、その近傍にある左前輪アセンブリ、キャリア枠の右後隅の下側で、その近傍にある右後輪アセンブリ、及びキャリア枠の左後隅の下側で、その近傍にある左後輪アセンブリを含む。
【0024】
好ましい実施例では、キャリア枠を縦列駐車空間のような窮屈な空間に入れるよう、さらに簡単に操縦するために、右前輪アセンブリと左前輪アセンブリの一方が駆動機構を備え、右後輪アセンブリと左後輪アセンブリの一方も駆動機構を備える。この実施例の典型的な構成は、右前輪アセンブリ及び右後輪アセンブリが個々の駆動機構を有する構成と、左前輪アセンブリ及び左後輪アセンブリが個々の駆動機構を有する構成とを含む。駆動機構を有する車輪アセンブリは、非旋回接続部を含むことが好ましく、駆動機構を有さない車輪アセンブリは、旋回接続部を含むことが好ましい。車輪アセンブリは1つ又は複数の車輪を備えることができる。好ましい実施例では、車輪アセンブリは2つの車輪を備える。
【0025】
可動キャリア枠は遠隔操作することができる。好ましい実施例では、キャリア枠の動作を制御する制御部を有するキャリア枠は、キャリア枠の制御部と通信する遠隔制御盤を含む。無線遠隔制御装置が、キャリア枠の遠隔操作用の遠隔制御盤と通信する。遠隔制御したキャリア枠の利点は、オペレータがキャリア枠を操縦して、例えば縦列駐車空間のような窮屈な空間に入れる間に、可動キャリア枠の周囲を歩きながら、障害物を調べることができることである。
【0026】
代替実施例では、キャリア枠を遠隔操作するために、遠隔制御装置を、キャリア枠の制御部に直接(例えばケーブルを介して)接続することができる。しかし、無線遠隔制御装置によって、長いケーブルの必要性がなくなる。
【0027】
別の代替実施例では、遠隔制御部は、キャリア枠の周囲に配置された複数の制御ボタンによって増強するか、置換することさえでき、したがってオペレータはキャリア枠の周囲の様々な位置からケーブル付き遠隔制御装置を介してキャリア枠を操作することができる。
【0028】
別の実施例では、キャリア枠はさらに、キャリア枠の後端にある少なくとも2つの直立部材、及び2つの直立部材の間に接続された可動横要素を備える。横要素は、特に係合位置にある場合に、キャリア枠に追加の構造的支持を提供するように設計される。このような横要素の構成は、荷積み中にコンテナの頂部上で回転可能な横要素、及び係合解除位置から係合位置へと回転して、枠に追加の構造的支持を提供することができる1つ又は複数の部品を備える横要素を含むことができる。
【0029】
添付図面で図示された本発明の好ましい実施例に関する以下の詳細な説明から、本発明がさらに十分に理解され、さらなる特徴及び利点が明白になる。
【実施例】
【0030】
図は全体的に、特に図1、図2、図4、図5、図7及び図10は、それぞれ右側及び左側30及び32、及びそれぞれ前端及び後端31及び33を有するコンテナ34を吊り上げ、輸送する装置20を示す。装置20は、コンテナ34のそれぞれ右側30及び左側32と並置された右26及び左28の縦要素を有するキャリア枠24を含む。右縦要素26は対向する第1端36と第2端38の間に延在する。左縦要素28は、対向する第1端40と第2端42の間に延在する。
【0031】
キャリア枠24は、コンテナ34のそれぞれ前端31及び後端33に並置された前部44及び後部46の横要素を有する。前横要素44は、対向する右端48と左端50の間に延在する。後横要素46は、対向する右端52と左端54の間に延在する。前横要素44の左端50は、左縦要素28の第1端40に隣接する。前横要素44の右端48は、右縦要素26の第1端36に隣接する。
【0032】
特別に改造したトラックなどの輸送車両78(図1から図4に図示)が提供され、コンテナ34及びキャリア枠24を同時に輸送するのに適切なプラットフォーム80を有する。
【0033】
図6、図8、図9及び図11で示すように、キャリア枠24は、キャリア枠24に取り付けられて4つの全体的に直立部材56を含み、各直立部材56は対向する上端58と下端60の間に延在する。地面110が支承し、直立部材56が地面110に対して相対運動をするために、車輪62が各直立部材の下端60に取り付けられる。直立部材56はそれぞれ、キャリア枠24に取り付けられた管状固定要素64及び固定要素64内で滑動運動するよう装着された管状滑動要素66を備える。
【0034】
本発明の代替実施例は、縦又は横要素のうち1つ又は複数に取り付けられる車輪アセンブリなどの地面支承手段を有することができる。これは、直立部材に取り付けられた地面支承手段に追加する(又はそれに代わる)ことができる。好ましい実施例は、直立部材に取り付けられた地面支承手段を含み、1つ又は複数のアクチュエータとの組合せで入れ子構造の直立部材を実現することを利用することにより、アクチュエータが地面に対して装置のクリアランスを変化させるという利点を有する。
【0035】
図11に示すように、好ましい実施例の上昇手段は、地面110に対してキャリア枠24を上下させるために直立部材56内に装着された複数のアクチュエータ68である。あるいは、1つ又は複数のアクチュエータ68を入れ子状直立部材56の隣に装着することができる。各アクチュエータ68は対向する第1端70及び第2端72を有する。第1端70は、直立部材の固定要素64に取り付けられる。第2端72は直立部材の滑動要素66に取り付けられる。したがって、(図11の矢印74で示すように)拡張方向に起動されると、アクチュエータ68が、キャリア枠24を上昇させるように、滑動要素66を固定要素64内から入れ子状に滑動自在に延在させる。逆に、(図11の矢印76で示すように)後退方向に起動されると、アクチュエータ68は、キャリア枠24を下降させるように、滑動要素66を固定要素64内に入れ子状に滑動自在に後退させる。
【0036】
前後直立部材56の下端60の下にある支承手段を(図13に示すような)1輪アセンブリ62から(図15から図17及び図17Aで示すような)複輪単軸アセンブリ62Aに変更すると、装置の重量取り扱い能力が向上する。
【0037】
この実施例、さらに単一の車輪62を使用する実施例の実際の用途では、接続部が、(図4、図6、図15及び図17で示すように)前部直立部材56の下端60の下にある非旋回部130であるように、車輪62、62Aを作成することが望ましかった。しかし、後部直立部材56の下端60にある車輪62、62Aは、図16で示すように116に旋回接続部を有することになる。図17の組み合わせた旋回車輪アセンブリ120bは、駆動機構を含んでいない。図17の組み合わせた旋回車輪アセンブリ120aは、駆動機構を、例えばスプロケットとチェーン・ドライブ118(モータ114とともに図15で図示)を提供する。図17で示すように、本発明の典型的な用途は、キャリア枠24の前部に装着される油圧ポンプ及びモータ・アセンブリ128も含み、これは通常、ガソリン又はディーゼルで動作する。あるいは、油圧ポンプ及びモータ・アセンブリ128はプロパン、バイオ燃料又は内燃機関によって動作することができる。油圧制御部126は、キャリア枠24を操作してコンテナ34を取り扱い、輸送するために、オペレータが容易にアクセス可能である。
【0038】
代替実施例では、横要素46はなくてもよいか、1つ又は複数の部品と係合することによって形成され、コンテナの周囲でキャリア枠24を安定させることができる。このような横要素の構成は、図22A及び図22Bで示すように、直立部材56に構造的支持を提供しながら、コンテナ34のクリアランスを与えるのに適切な形状を含む。図22Aは、枠24に追加の構造的支持を提供するために、荷積み中にコンテナの頂部上に下方向で軸X−X’の周囲で回転可能な横要素47を示す。図22Bは、荷積み中に枠24に追加の構造的支持を提供するために係合解除位置(破線で図示)から係合位置(実線で図示)へと回転可能な横要素の部品49及び51を示す。係合又は係合解除を実行する機構は、横要素に十分な強度及び剛性を提供するために当業者に知られている任意の構成要素でよい。
【0039】
図4、図6、図8、図9、及び最も顕著には図17で示すように、装置が前部直立部材56の下で非旋回接続部で、及び後部直立部材56の下で旋回接続部で作成された場合、キャリア枠24の拡張及び収縮のために装置を横方向に操縦する追加の融通性を提供するために、固定された横方向の車輪アセンブリ124が前部横要素44付近で右の縦要素26、左の縦要素28のそれぞれから所定の距離だけ下方向に延在する。固定された横方向の車輪アセンブリ124は、配置するために、輸送車両のプラットフォーム80、コンテナ34又はその両方をクリアするよう、キャリア枠24の選択的な横方向の拡張を可能にし、輸送するために、キャリア枠24が収縮して輸送車両のプラットフォーム80、コンテナ34又はその両方と密接に並置することを可能にする。
【0040】
好ましい実施例では、縦要素26、28は、固定された横方向の車輪アセンブリ124が地面110と接触するまで下降する。車輪アセンブリ124が前部横要素44の近傍に配置されると、車輪62、62Aがもう地面110と接触しないように、前部直立部材56が上昇する。次に、キャリア枠24は必要に応じて拡張又は収縮し、コンテナ34又はプラットフォーム80をクリアするのに対応する。所望の位置に到達したら、前部アクチュエータ68が、地面110と車輪62、62Aの接触を回復するように、滑動要素66を固定要素64内から入れ子状に滑動自在に拡張させる。固定された横方向の車輪アセンブリ124は、次にさらに上昇して、コンテナ34を取り扱うためにキャリア枠24の操舵及び動作を容易にする。
【0041】
図13で示すような操舵及びモビリティ手段120又は図17の120a、120bを使用することは、好ましい実施例であるが、コンテナ34に対してキャリア枠24を移動して、位置決めし、車両78に対してキャリア枠24及びコンテナ34を一緒に移動して、位置決めするために、ウィンチ98及びケーブル100(図7、図10及び図11に図示)が、モビリティ及び操舵手段120、120a、120bの代わりに、又はそれと組み合わせて、キャリア枠24と接続することができる。この実施例では、ウィンチ98は通常、前部横要素44に装着される。ウィンチ98は通常、電動機102によって動作し、これは保存バッテリ104によって動力供給される。これらの部品の電気接続部は、図面には図示されていないが、当業者には知られている。
【0042】
図4、図6から図8、及び最も顕著には図17で示すように、支持手段82は、キャリア枠24によってコンテナ34を支持するために、キャリア枠24に、及びコンテナ34に接続される。通常、支持手段82は(図17に示すように)縦要素に固定された4本から6本の鎖である。コンテナ34の目穴(図示せず)と係合するために、各鎖82の他方端にフックが配置される。あるいは、支持手段82を直立部材56(図示せず)に固定することができる。
【0043】
好ましい実施例では、キャリア枠24は(図2、図5、図7及び図10に示すように)1対の案内輪122を含み、各輪は、概ね垂直の軸で回転するために、後部横要素46に隣接する直立部材56に装着され、案内輪122はコンテナ34に向かって内側に面する。キャリア枠24がコンテナ34の周囲の位置へ移動するにつれ、案内輪122がコンテナ34に対して回転し、それとの摩擦を減少させ、したがってコンテナ34を有するキャリア枠24の配置を容易にする。
【0044】
横要素44、46は、配置するために、車両78及びコンテナ34をクリアするよう、キャリア枠24の拡張を可能にし、輸送するために、キャリア枠24が収縮して車両78及びコンテナ34と密接に並置することを可能にするように、選択的に長さが調節可能である。
【0045】
図11に示すように、前部横要素44はさらに、管状固定要素84及び固定要素84内で滑動運動するように装着された管状滑動要素86を備える。アクチュエータ88は前部横要素44内に装着される。直立部材56と同様に、アクチュエータ88は横要素44の外側に装着することができる。アクチュエータ88は対向する第1端90及び第2端92を有し、第1端90は固定要素84に取り付けられ、第2端92は滑動要素86に取り付けられる。したがって、図11の矢印94で示すように、拡張方向に起動されると、アクチュエータ88が、滑動要素86を固定部材84内から入れ子状に拡張させる。逆に、(図11の矢印96で示すように)後退方向に起動されると、アクチュエータ88は、キャリア枠24を収縮させるように、滑動要素86を固定部材84内に入れ子状に滑動自在に後退させる。
【0046】
直立部材及び前後の横要素内の全アクチュエータは通常、油圧シリンダ・タイプのアクチュエータである。アクチュエータはガソリン・エンジン駆動の油圧ポンプ112(図12、図12A及び図14に図示)によって動力を供給されるが、代替実施例では、電気又は空気圧及び他のシステムを使用することができる。図面にはホース、弁などが図示されていないが、よく知られており、当業者によって適応させることができる。あるいは、アクチュエータはプロパン、バイオ燃料又は内燃機関によって動力を供給することができる。
【0047】
図12Aから図12B、図13、図14及び図17から図17Aに示すように、操舵及び地面支承モビリティ手段120、120a、120bが前部直立部材の下端60及び/又は前後直立部材の下端60に含まれる。これらの実施例を使用して、図12B及び図14に示すようにコンテナ34の高さをクリアするのに十分な所定の位置に、後部横要素46が図示されている。
【0048】
図3に示すように、車両プラットフォーム80は、各側に切り欠き108を含み、キャリア枠24が収縮して車両78と密接に並置すると、直立部材56を受け、着脱式に保持し、それによってキャリア枠24を車両78にロックし、安全な輸送を可能にする。しかし、大部分の場合、切り欠き108は必要ではなく、本明細書で説明するような装置は、切り欠き108の有無を問わず満足に動作する。
【0049】
図21A及び図21Bは、3辺及び4辺の枠上で可能な駆動輪及びキャスタ輪の構成を示す。駆動輪及びキャスタ輪は両方とも、(図13に示すような)1輪アセンブリ又は(図15及び図16に示すような)複輪単軸車輪アセンブリでよい。駆動輪及びキャスタ輪はキャリア枠の隅部の真下に図示されているが、代替的にキャリア枠が安定している限り、枠の隅部の近傍に配置することができる。
【0050】
図21Bの構成は、比較的一般的な配置構成であるが、図21Aの構成の方が、縦列駐車スポットなどの窮屈な空間へと枠を操縦するのに適切である。このような構成(図21A)では、駆動輪はキャリア枠の左前部及び左後部の隅の下方に位置する。このような配置は、縦列駐車空間などの窮屈な空間における枠の操縦に役立つ。代替実施例では、駆動輪はキャリア枠の右前部及び右後部の隅の下方に位置することができる。
【0051】
図21Aの構成では、駆動輪は好ましくは旋回せず、キャスタ輪は旋回する。枠は、駆動輪の1つに動力を加え、他の駆動輪への動力は切断することによって、又は特定の場合は、駆動輪の1つを前方に駆動し、他方の駆動輪を後方に駆動することによって操舵することが好ましい。図17Aは図17と同様であるが、縦列駐車空間又は同様の窮屈な位置へと操縦可能なキャリア枠を示すように改造されている。
【0052】
可動キャリア枠は、遠隔制御装置で遠隔操作することもできる。図18Aに示すように図17及び図17Aで示した油圧制御部126は、遠隔制御盤140aを含むように改造することができ、したがってキャリア枠24を無線周波装置などの遠隔制御装置140bによって遠隔操作することができる。遠隔制御装置140bは、遠隔制御盤140aを通して油圧制御部126と通信し、通常は手動の油圧制御部126を使用して実行される多くの機能を実行するか、幾つかの好ましい機能しか実行しないように適応させることができる。遠隔制御のキャリア枠の利点は、オペレータがキャリア枠を操縦して、例えば縦列駐車スポットのような窮屈な空間に入れる間に、可動キャリア枠の周囲を歩きながら、障害物を調べることができることである。
【0053】
代替実施例では、遠隔制御装置140bは(図18Bに示すような)ケーブル140cを介して制御部126に結線接続するかケーブル接続することができる。これは好ましい実施例ではない。というのは、オペレータが比較的長いケーブル140cを引きずらなければならないからである。しかし代替実施例では、ケーブルを引きずるのではなく、1組又は複数の組の操作ボタンを、キャリア枠の1つ又は複数の位置に設けることができる。これで、オペレータはキャリア枠の周囲の様々な位置で、ケーブル接続した遠隔制御部を介して装置を操作することができる。この配置構成は、各場所で十分な機能又は全部のボタン/制御部を提供する必要がない。代わりに、適切なボタン/制御部を設ける。例えば、装置の一方側にいるオペレータが、コンテナの上下動を見て、制御することができる。同様に、オペレータは、ボタンを、例えば図22Bの直立部材に取り付けられた制御盤53のボタンを使用して、装置の動作及び操舵を制御することができる。
【0054】
図19から図20及び図23は、Hetronic USA Inc.が設計し、製造した遠隔制御の例示的遠隔制御の配線図を示す。図19Aは、本発明の好ましい実施例の遠隔制御部で使用可能な幾つかの機能、例えば「始動」、「警笛」を示す。図19Bから図19Dは、稼働キャリア枠の詳細な操作の制御を示す。図示の制御部は、左車輪アセンブリを前方に駆動する「左ドライブ前方」、さらにその逆の「左ドライブ後退」のような動作を支持する。明白なように、他の駆動可能な車輪にも同様の制御が可能である。他のこのように対になった動作は、「左前部を上へ」及び「左前部を下へ」、「左後部を上へ」及び「左後部を下へ」、及びその右側での相補的動作を含む。遠隔制御装置によって送信された適切な信号の結果、指示された動作が実行される。
【0055】
図20及び図23は、遠隔制御装置140a上のボタン126及び遠隔制御装置2200上のボタン2302から2322の例示的配置構成を示す。ボタンを押し続けると、特定の動作を実行する継続時間及び速度の両方が増加するように、遠隔制御装置のボタン又は制御部を実現すると都合がよい。これによってオペレータには細かい制御と粗い制御の両方が可能になる。したがって、コンテナを上昇させるためにボタンを押すと、ボタンを押し続けた場合、コンテナは遅い速度から漸進的に高速で上昇する。言うまでもなく、可能な最高速度を超えることはできない。さらに複数のボタンを同時に押すと、2つ以上の動作が実行される。別の関連する態様では、遠隔制御装置は追加の安全性を提供するために緊急停止ボタンを含むことが好ましい。
【0056】
遠隔制御装置は、使用を承認された使用者に制限する安全機能も含むことができる。例えば、遠隔制御装置と可動キャリア枠との間の伝達は暗号化することが好ましい。各可動キャリア枠は、意図された遠隔制御装置にのみ応答するか、応答するようにプログラムされる必要がある。安全機能は、言うまでもなく例えばキー及び/又はコードの使用などにより枠が適切に操作された場合のみ、キャリア枠が動作することを含む。
【0057】
さらに、遠隔制御装置はボタンに制限されない。ジョイスティック様レバー又はトラックボールなどの他の制御部を使用することができる。これらの中には、パラメータの絶対値ではなく特定のパラメータの変化を示す方が良いものもある。以前に言及したように、制御部は無線遠隔制御部のみである必要はなく、図22Bのキャリア枠に固定された制御ボックス53、及び他の同様の設備内で実行することができる。
【0058】
本発明の実施例に関する以上の詳細な説明は、例示によってのみ提供されていることを理解されたい。請求の範囲で述べるような本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、設計及び構造の様々な細部を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の1つの実施例により構築された保存コンテナ及びキャリア枠を輸送する輸送車両の側面図である。
【図2】図1の輸送車両、保存コンテナ及びキャリア枠の平面図である。
【図3】図1の線3−3に沿って切り取った、図1の輸送車両、保存コンテナ及びキャリア枠の断面図である。
【図4】地面まで延在する直立要素、及び輸送車両のプラットフォーム上に上昇させたキャリア枠及びコンテナを示す、輸送車両、保存コンテナ及び別の実施例のキャリア枠の側面図である。
【図5】輸送車両、保存コンテナ及びキャリア枠を示す図4の平面図である。
【図6】輸送車両のプラットフォームのレベルより上に上昇したキャリア枠及びコンテナを示す図4の保存コンテナ及びキャリア枠の側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】コンテナが地面に載った状態で下降させたキャリア枠及びコンテナを示す図4の保存コンテナ及びキャリア枠の側面図である。
【図9】コンテナが地面に載った状態で輸送車両のプラットフォームのレベルより上に上昇したキャリア枠を示す図4の保存コンテナ及びキャリア枠の側面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図8の線11−11に沿って切り取った、下降したキャリア枠を示すキャリア枠の前断面図である。
【図12】自立式のガソリン・エンジン駆動の油圧ポンプを有するキャリア枠及び後部横要素の相対的高さ位置を示すキャリア枠の側面図である。
【図12A】ガソリン・エンジン駆動の油圧ポンプを示す図12のキャリア枠の側断面図である。
【図12B】後部横要素を示す図12のキャリア枠の側断面図である。
【図13】モータ及びスプロケット・チェーン・ドライブを含む車輪アセンブリを示す操舵及びモビリティ手段の一実施例の斜視図である。
【図14】コンテナ上を通過する図1のキャリア枠の側面図である。
【図15】スプロケット・チェーン・ドライブ及び複輪単軸アセンブリとの非旋回接続を示す操舵及びモビリティ手段の一実施例の斜視図である。
【図16】旋回接続を組み込んだ複輪単軸アセンブリの図である。
【図17】コンテナがない図8のキャリア枠の代替実施例の斜視図である。
【図17A】縦列駐車空間又は同様の窮屈な位置へと操縦可能なキャリア枠を示すような変更を除き、図17と同様の図である。
【図18A】キャリア枠の操縦に使用する遠隔制御システムの実施例の略図である。
【図18B】キャリア枠の操縦に使用する遠隔制御システムの実施例の略図である。
【図19A】Hetronic USA Inc.が設計し、製造した遠隔制御部の例示的遠隔制御の回路図である。
【図19B】Hetronic USA Inc.が設計し、製造した遠隔制御部の例示的遠隔制御の回路図である。
【図19C】Hetronic USA Inc.が設計し、製造した遠隔制御部の例示的遠隔制御の回路図である。
【図19D】Hetronic USA Inc.が設計し、製造した遠隔制御部の例示的遠隔制御の回路図である。
【図20】遠隔制御装置及び/又は直付け制御部上の制御部の実施例の配線図である。
【図21A】3又は4辺枠上で可能な駆動輪及びキャスタ輪構成を示し、図21Bより縦列駐車区域に適している図である。
【図21B】3又は4辺枠上で可能な駆動輪及びキャスタ輪構成を示し、図21Aより一般的な配置構成である図である。
【図22A】コンテナ上で回転するか、コンテナの周囲に係合することができる横要素の可能な構成を示す図である。
【図22B】コンテナ上で回転するか、コンテナの周囲に係合することができる横要素の可能な構成を示す図である。
【図23】代替的な遠隔制御装置の配置構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを取り扱うキャリア枠であって、前記キャリア枠が前後端及び左右側を有し、
2つ以上の縦要素と、
前記縦要素のうち2つの間に接続された少なくとも1つの横要素と、
前記キャリア枠の右前隅の下側で、その近傍にある右前輪アセンブリと、
前記キャリア枠の左前隅の下側で、その近傍にある左前輪アセンブリと、
前記キャリア枠の右後隅の下側で、その近傍にある右後輪アセンブリと、
前記キャリア枠の左後隅の下側で、その近傍にある左後輪アセンブリとを備え、
前記右前輪アセンブリと左前輪アセンブリの一方が駆動機構を備え、
前記右後輪アセンブリと左後輪アセンブリの一方が駆動機構を備え、したがって前記枠を窮屈な位置に入るように操縦することができるキャリア枠。
【請求項2】
駆動機構を備える各車輪アセンブリが、さらに非旋回接続部を備える、請求項1に記載のキャリア枠。
【請求項3】
駆動機構を備えない各車輪アセンブリが、旋回接続部を備える、請求項2に記載のキャリア枠。
【請求項4】
各車輪アセンブリがさらに1つ又は複数の車輪を備える、請求項3に記載のキャリア枠。
【請求項5】
少なくとも1つの車輪アセンブリがさらに、2つの車輪を備える、請求項3に記載のキャリア枠。
【請求項6】
前記右前輪アセンブリ及び右後輪アセンブリが、個々の駆動機構を有する、請求項1に記載のキャリア枠。
【請求項7】
前記左前輪アセンブリ及び左後輪アセンブリが、個々の駆動機構を有する、請求項1に記載のキャリア枠。
【請求項8】
さらに、前記キャリア枠の動作を制御する制御部を備える、請求項1に記載のキャリア枠。
【請求項9】
さらに前記キャリア枠の前記制御部と通信する遠隔制御盤を備え、無線遠隔制御装置が、前記キャリア枠の遠隔操作用の前記遠隔制御盤と通信する、請求項8に記載のキャリア枠。
【請求項10】
前記キャリア枠を遠隔操作するために、遠隔制御装置が、前記キャリア枠の前記制御部にケーブルによって接続される、請求項8に記載のキャリア枠。
【請求項11】
さらに、前記キャリア枠の前記後端に少なくとも2つの直立部材を備え、前記少なくとも1つの横要素の1つが前記2つの直立部材の間に接続される、請求項1に記載のキャリア枠。
【請求項12】
前記後部直立部材の間の前記1つの横要素が、荷積み中に前記コンテナの頂部上で回転可能である、請求項11に記載のキャリア枠。
【請求項13】
前記1つの横要素が、係合解除位置から係合位置へと回転して、前記キャリア枠に追加の構造的支持を提供することができる1つ又は複数の部品を備える、請求項11に記載のキャリア枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17A】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−536779(P2008−536779A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507803(P2008−507803)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/014545
【国際公開番号】WO2006/113701
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(507344449)ポッズ エンタープライズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】