説明

コンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法

【課題】コンテナ1内に収容されている収容物の情報を電子的に保持可能であって、明細書や納品書などの書類を別途に必要とせずに、コンテナ1の収容物の確認が可能なコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法の提供。
【解決手段】無線的に電子データを書込みおよび読取り可能なICチップ17およびアンテナ18を有するRFIDタグ15をコンテナラベル11に組込むことに着目したもので、コンテナラベル基材13と、コンテナラベル粘着剤層14と、を有し、コンテナラベル粘着剤層14によりコンテナ1の所定の面に貼付け可能として、コンテナ1ないしその収容物の情報を表示する情報ラベル12をコンテナラベル基材13の表面に貼着可能なコンテナラベル11であり、コンテナラベル基材13に、コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグ15を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法にかかるもので、とくにコンテナの任意の面に貼り付けて情報ラベルをその上面に貼り付け可能とするコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンテナラベルについて、図4にもとづき概説する。
図4は、工場や小売店などで所定の収容物Mを収容し搬送するためのコンテナ1の斜視図であって、その任意の面(たとえばいずれかの側面)に、コンテナラベル2を貼り付けておき、このコンテナラベル2の上面に情報ラベル3を貼り付けるようにしている。
【0003】
情報ラベル3は、コンテナ1ないしその収容物M(部品や商品その他の物品)に関する情報(コンテナ情報)をプリンターその他の手段により、バーコードやその他の文字を用いて表示するが、上記収容物Mに応じてその表示内容が変更されるため、その都度コンテナラベル2から古い情報ラベル3をはがして破棄するとともに、新たな情報を表示した情報ラベル3を貼り付ける。
情報ラベル3に印字表示されるコンテナ情報としては、バーコードなどによる収容物Mの識別情報、注文番号などの注文情報、納品先情報、納品日などの日付け情報などがある。
【0004】
コンテナラベル2は、この情報ラベル3の貼付けおよび剥離用の貼付け台部分となるもので、情報ラベル3の貼付け位置を明確にし、常時同じ部位にコンテナ情報を表示することができるようにして、機械読取り操作あるいは人為的な読取り操作の便に供するとともに、情報ラベル3によるコンテナ1の汚れを防止している。
【0005】
当該コンテナラベル2は、これをコンテナ1に貼り付けておくだけで、その表面に情報ラベル3を貼り付けるとともに容易に剥離することができるようなラベル貼着部として機能するものではあるが、コンテナ1内の収容物Mの具体的数量その他の詳細については、別途の明細書や納品書などの書類Dに表示されている一覧リストなどを用いて、これら一覧リストなどによる情報と、コンテナ1内の実際の収容物Mと、を照合し確認する必要があるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平9−114383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、明細書や納品書などの書類を別途に必要とせずに、コンテナの収容物の確認を行うことができるコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法を提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、コンテナ内に収容されている収容物に関する情報(コンテナ情報)を電子的に保持可能なコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、内部に保持している、ないしは保持する予定の収容物の各種情報を電子的に簡単に読み取り、かつ書き込むことができるようにしたコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、無線的に電子データを書き込みおよび読み取り可能なICチップおよびアンテナを有するRFIDタグをコンテナラベルに組み込むことに着目したもので、第一の発明は、シート状のコンテナラベル基材と、このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能として、このコンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルを上記コンテナラベル基材の表面に貼り付けるためのコンテナラベルであって、上記コンテナラベル基材に、上記コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグを設けたことを特徴とするコンテナラベルである。
【0011】
第二の発明は、シート状のコンテナラベル基材と、このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能なコンテナラベルと、上記コンテナラベル基材の表面に貼り付け可能および取り除き可能としてあるとともに、上記コンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルと、を有する情報ラベル付きコンテナラベルであって、上記コンテナラベル基材に、上記コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグを設けるとともに、上記情報ラベルには、このRFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を設けたことを特徴とする情報ラベル付きコンテナラベルである。
【0012】
第三の発明は、シート状のコンテナラベル基材と、このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能なコンテナラベルと、上記コンテナラベル基材の表面に貼り付け可能および取り除き可能としてあるとともに、上記コンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルと、を有する情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法であって、上記コンテナラベル基材にRFIDタグを設けて、このRFIDタグに上記コンテナ情報を電子的に書き込んであるとともに、上記情報ラベルには、このRFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を設け、上記情報ラベルを上記コンテナラベルから取り除いたのちに、このRFIDタグの上記コンテナ情報を読み取ることを特徴とする情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法である。
【0013】
上記RFIDタグは、無線によりコンテナ情報を電子的に書き込み可能および読み取り可能であれば、コンテナへの収容物に応じて任意のタイプのものを採用可能であり、その使用電波の周波数も任意にこれを選択可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法においては、無線的に電子データを書き込みおよび読み取り可能なRFIDタグをコンテナラベルの内部に組み込んでいるので、その表面に情報ラベルを貼り付け可能および剥離可能であるとともに、コンテナラベル内に収容する各種の収容物についての情報をRFIDタグ内に電子データとして書き込んで記憶保持し、また搬送先での電子的な読取り操作により、電子的に情報を読み取り、明細書や納品書などの書類を別途に必要とせずに、実際に収容されている収容物との照合および確認を行うことができる。
【0015】
とくに第一の発明によれば、コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグをコンテナラベル基材に設けたので、このRFIDタグのコンテナ情報を読み取ることにより、明細書や納品書などの書類なしに収容物の照合を簡単に行うことができる。
【0016】
とくに第二の発明によれば、RFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を情報ラベルに設けたので、情報ラベルをコンテナラベルに貼り付けた状態では、RFIDタグのコンテナ情報を読み取ることはできず、情報ラベルによりコンテナ情報を表示しつつ、コンテナ搬送中のデータ読取りを行うことができないようにして情報の保安を確保可能である。
【0017】
とくに第三の発明によれば、RFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を情報ラベルに設けて、この情報ラベルをコンテナラベルから取り除いたのちに、このRFIDタグのコンテナ情報を読み取るようにしたので、コンテナの受取り場所において、不用意なデータ読取りミスなどを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、ICチップおよびアンテナを有するRFIDタグをコンテナラベル基材に組み込む構成としたので、このRFIDタグに収容物に関する各種の情報(コンテナ情報)を電子的に書き込みおよび読み取り可能であり、すなわち、コンテナラベルが有する下地ラベル機能と、コンテナ情報を記憶したデータ保持機能と、をともに持たせることができるもので、明細書や納品書などの書類などを必要とせずに、収容物の照合および確認を行うことができるコンテナラベル、情報ラベル付きコンテナラベル、および情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法を実現した。
【実施例】
【0019】
つぎに本発明の実施例によるコンテナラベル11、同、情報ラベル付きコンテナラベル10、および情報ラベル付きコンテナラベル10のコンテナ情報読取り方法を図1ないし図3にもとづき説明する。ただし、図4と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、情報ラベル付きコンテナラベル10の平面図、図2は、図1のII−II線断面図であって、情報ラベル付きコンテナラベル10は、コンテナラベル11と、情報ラベル12と、を有する多層ラベル構造を呈している。
【0020】
コンテナラベル11は、合成樹脂製フィルム材料その他の材料による耐久性のあるシート状のコンテナラベル基材13と、コンテナラベル基材13の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層14と、コンテナラベル基材13の裏面側(コンテナラベル基材13とコンテナラベル粘着剤層14との境界層部分)に設けたRFIDタグ15と、コンテナラベル基材13の表面側の情報ラベル貼付け面16と、を有するとともに、コンテナラベル粘着剤層14により前記コンテナ1の所定の面に貼り付け可能である。
【0021】
RFIDタグ15は、図2に拡大して概略的に示すように、ICチップ17およびアンテナ18を有しており、コンテナ1ないしその収容物に関するコンテナ情報をICチップ17に電子的に記憶可能であって、アンテナ18を介して無線によりコンテナ情報を書き込み可能および読み取り可能である。
RFIDタグ15に電子的に書き込まれるコンテナ情報としては、収容物Mの識別情報、注文番号などの注文情報、納品先情報、納品日などの日付け情報などのほかに、コンテナ1内の収容物Mの一覧リストであって、その物品名や数量などの情報がある。
【0022】
情報ラベル貼付け面16は、これに剥離塗工を施すか、あるいは凹凸形状のディンプル層を形成して貼付け面積を減少させて、剥離抵抗を低下させてあり、情報ラベル12をコンテナラベル基材13の表面に貼り付け可能および取り除き可能としてある。
【0023】
情報ラベル12は、一般的な紙材料による、望ましくは廉価なシート状の情報ラベル基材19と、この情報ラベル基材19の裏面に形成した電磁波遮断層20と、この電磁波遮断層20の裏面に形成した情報ラベル粘着剤層21と、を有する。
【0024】
情報ラベル基材19の表面には、コンテナ情報をプリンターその他の手段により、バーコードやその他の文字を用いて印字内容22として表示する。
印字内容22は、 上記コンテナ情報のうち、収容物Mの識別情報、注文番号などの注文情報、納品先情報、納品日などの日付け情報などがある。
【0025】
電磁波遮断層20は、RFIDタグ15の使用電波をその周波数に応じて吸収することによりRFIDタグ15を外部からの電波から遮断可能であって、コンテナラベル11が有するRFIDタグ15のコンテナ情報を保護するためのものである。
すなわち、コンテナ1およびその収容物Mを運搬中に、RFIDタグ15が周辺の電波の影響を受けてコンテナ情報が書き換わってしまうことを防止可能であって、RFIDタグ15のコンテナ情報を読み取ることなく、届け先までコンテナ1を運搬するようにしている。
【0026】
こうした構成の情報ラベル付きコンテナラベル10およびコンテナラベル11において、コンテナ1の届け先では、情報ラベル12に表示されているコンテナ情報たとえば注文情報や納品情報などを見て確認したのち、情報ラベル12をコンテナラベル11から取り除いた状態で、RFIDタグ15のコンテナ情報を読み取るものである。
すなわち、図3は、コンテナラベル11から情報ラベル12を取り除いた状態のコンテナラベル11の断面図であって、情報ラベル12がコンテナラベル11の表面から取り除かれることにより、電磁波遮断層20もコンテナラベル11の表面からなくなるので、リーダーライター23によりRFIDタグ15のコンテナ情報を読み取ることが可能となり、別途の前記明細書や納品書などの書類Dなどを必要とせず、RFIDタグ15の識別情報と情報ラベル12の識別情報とを照合し、コンテナ1内の現物としての収容物Mと商品やその数量などのコンテナ情報との照合確認を容易に行うことができる。
【0027】
かくして、RFIDタグ15からのコンテナ情報を確認することにより、どこから何の物品ないし商品(収容物M)がどのくらいの数量だけ届けられたかを受け入れ検査において簡単に照合確認することができるとともに、不良品や不足品がある場合には、出荷先に要請ないし問い合わせの情報を直ちに送信することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例によるコンテナラベル11および情報ラベル付きコンテナラベル10の平面図である。
【図2】同、図1のII−II線断面図である。
【図3】同、コンテナラベル11から情報ラベル12を取り除いた状態のコンテナラベル11の断面図である。
【図4】従来からの、工場や小売店などで所定の収容物Mを収容し搬送するためのコンテナ1の斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 コンテナ(図4)
2 コンテナラベル(従来)
3 情報ラベル
10 情報ラベル付きコンテナラベル(実施例、図1、図2)
11 コンテナラベル(実施例、図1、図2、図3)
12 情報ラベル
13 コンテナラベル基材
14 コンテナラベル粘着剤層
15 RFIDタグ
16 情報ラベル貼付け面
17 ICチップ
18 アンテナ
19 情報ラベル基材
20 電磁波遮断層
21 情報ラベル粘着剤層
22 印字内容
23 リーダーライター
M コンテナ1内への収容物(図4)
D 明細書や納品書などの書類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のコンテナラベル基材と、
このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能として、
このコンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルを前記コンテナラベル基材の表面に貼り付けるためのコンテナラベルであって、
前記コンテナラベル基材に、前記コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグを設けたことを特徴とするコンテナラベル。
【請求項2】
シート状のコンテナラベル基材と、このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能なコンテナラベルと、
前記コンテナラベル基材の表面に貼り付け可能および取り除き可能としてあるとともに、前記コンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルと、を有する情報ラベル付きコンテナラベルであって、
前記コンテナラベル基材に、前記コンテナ情報を電子的に記憶可能なRFIDタグを設けるとともに、
前記情報ラベルには、このRFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を設けたことを特徴とする情報ラベル付きコンテナラベル。
【請求項3】
シート状のコンテナラベル基材と、このコンテナラベル基材の裏面に形成したコンテナラベル粘着剤層と、を有するとともに、このコンテナラベル粘着剤層によりコンテナの所定の面に貼り付け可能なコンテナラベルと、
前記コンテナラベル基材の表面に貼り付け可能および取り除き可能としてあるとともに、前記コンテナないしその収容物に関するコンテナ情報を表示する情報ラベルと、を有する情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法であって、
前記コンテナラベル基材にRFIDタグを設けて、このRFIDタグに前記コンテナ情報を電子的に書き込んであるとともに、
前記情報ラベルには、このRFIDタグの使用電波を遮断可能な電磁波遮断層を設け、
前記情報ラベルを前記コンテナラベルから取り除いたのちに、このRFIDタグの前記コンテナ情報を読み取ることを特徴とする情報ラベル付きコンテナラベルのコンテナ情報読取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−184806(P2009−184806A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28687(P2008−28687)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】