コンテナ及び在庫をモニタする方法とシステム
【課題】コンテナ及び在庫をモニタする方法及びシステムは、コンテナと、輸送用ラックと、常駐及び輸送中の在庫とに関する詳細な論理計算制御を提供する。
【解決手段】この方法及びシステムは、位置D1,D2、移動及び積み荷状態、工場、組み立てプラント、倉庫、輸送用ヤード及び運送貨物切り替え施設に関する正確でリアルタイムなレコードを作成し管理する。コンテナの移し替えと、荷下ろし及び積み込み活動とに関する詳細なデータが記録されアーカイブされる。顧客の注文発行から、供給業者による運送及びラック返却までを追跡することにより仮想在庫の計算を提供する。
【解決手段】この方法及びシステムは、位置D1,D2、移動及び積み荷状態、工場、組み立てプラント、倉庫、輸送用ヤード及び運送貨物切り替え施設に関する正確でリアルタイムなレコードを作成し管理する。コンテナの移し替えと、荷下ろし及び積み込み活動とに関する詳細なデータが記録されアーカイブされる。顧客の注文発行から、供給業者による運送及びラック返却までを追跡することにより仮想在庫の計算を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、コンテナ、積み出しラック、及び在庫を追跡し制御するための物流方法及びシステムに関する。より詳細には、この発明は、コンテナ、ラック、及び在庫の境界内での、そして工場、組み立てプラント、倉庫、積み出しヤード、及び貨物積み替え施設といったサイト間における位置及び移動に関する正確な記録を生成し保守する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この特許出願は、1995年8月28日に出願され、アメリカ特許第5,712,789号として発行されたアメリカ特許出願第08/519,888号に関連する。
【0003】
関連出願には、生産、積み出し、あるいは倉庫設備の境界内におけるコンテナの位置及び積載状態をモニタする方法及びシステムが記載されている。この発明は、拡大しつつある積み出しコンテナ受け入れヤード内でのコンテナ配置に要するコストを実質的に削減し、コンテナをただちに指定のドックに運んで降ろすことができるようにする。この出願は、移動中やヤード、あるいは自動車工場のような生産設備内におけるコンテナの移動とその積載状況についてよりいっそう焦点を絞っており、コンテナ、積み出しラック、及び移動する在庫の位置と状態に関するより正確で詳細な情報を可能とするコンテナモニタ方法及びシステムについて自明でない拡張と付加を示すものである。その記載されている拡張は、供給業者(例えば部品の生産者)、運輸業者(トラック輸送、船積み輸送、あるいは貨物運送会社)、倉庫、及び部品を組み立てて完成品を生産する末端顧客から、一般的な運送プロセスにおける無駄と非効率を低減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,712,789号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動中のコンテナ追跡は、十分に開発されており、衛星や他の電子技術の利用を含み、移動中の位置に関するリアルタイムのデータを得る。在庫の計算及び管理もまた、十分に開発された分野であり、非常に大規模な倉庫の内容がいつの時点でも高いレベルで詳細に確認することができる。商品とその商品の移動に要する運送についての状態及び計算全般に渡るコントロールが欠如している領域は、一つの施設、及び複数の施設においてコンテナが受領されるヤードである。一つの施設におけるコンテナの位置と積載状態に関する情報、あるいは施設内における多数の部品(特に小物部品)の集計がないために、生産者、供給業者、あるいは運送業者は、資産に関する最新かつリアルタイムの集計を計算することができない。
【0006】
例えば、一般的な商品の販売及び運搬契約においては、運送業者は衛星追跡システムによってコンテナが工場に到着したことを知ることができるが、そのコンテナが空であったか、一部空であったか、または再積み込みされたか、あるいはラック等その再積み込みの内容はわからない。運搬契約における運送業者の「資産」は、運搬が完了したときに工場に提示する貨物引換証(bill of lading)である。しかし、この貨物引換証は、運搬が完了するまで支払いを受けることができない。したがって、運送業者は、その工場におけるコンテナの積載状態に関する情報を持っていなければならない。供給業者の資産は、工場に配送された商品についての売掛金である。供給業者のインボイスに対する支払いは、商品の配送ではなく、完成製品へのその商品の実際の組み込みを条件とすることができ、「生産時支払い(paid-on-production)」として知られている。供給業者の資産にはまた、引き続いて商品を発送できるように、供給業者に返却されるべきいかなるラックをも含めて考えることができる。実際、供給業者がラックを所有しており、そのためにラックを返却させることにいっそう関心が高いこともある。供給業者が運送業者が供給業者の施設に着くまでラックが誤って返却のために発送されたことがわからないとすれば、供給業者は(たぶん顧客も)損失を被る。顧客の資産は、もちろん部品等の発注した商品である。組み立て前に部品を保有しておくコストを低減しあるいはカットするために、顧客は理想的には、組み立てで必要になったときに初めて商品を受け取ることを希望する。この欲求を調整するために、顧客は運送業者による工場への商品運搬について情報を持たなければならない。部品をジャストインタイムに配送することはよいアイデアであり、ある生産業務には適用することができるが、あらゆる生産について実際的であるわけではない。したがって、顧客は結局構内にある種の部品を保管せざるを得なくなり、事実上、倉庫として機能する。このような保管や倉庫での管理のコストを最小とするため、顧客はどの商品がどのコンテナで着くか、コンテナはどこにあるのかを把握しなければならない。
【0007】
大方の物流システムでまったく対応がされていない他の重大なエリアは、コンテナ内で製品を支持するラックである。これらのラック、その位置、返却されるまでの予定時間、及び状態は、ラックが搬送する製品と同じくらい重要で貴重である。ラックがなければ、多くの製品は発送することができないからである。したがって、発送するラックの追跡、とりわけ供給業者への返却途上での追跡を、製品運搬と同程度に細かくする必要がある。
【0008】
また従来技術は、締結具や電子部品といった比較的小さな部品の物流管理を見逃している。小物部品は一般に、パレットからカートン、そしてボックスと、次第により小さなコンテナで配送されている。大量の小物部品を保有していることは、ただちに組み立て設備内における損失につながる。そこで、小物部品コンテナの配送を追跡し、完了した生産に対比した保管している在庫をモニタするシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、発送するコンテナの追跡、積み替えのモニタ、積載状態、リアルタイムの全在庫計算について改良された物流コントロールする方法及びシステムを提供する。本発明の基本的な態様によれば、コンテナモニタリングシステムが設けられて、発送するコンテナに関する情報を、その位置及び積載状態を含めて蓄積し格納する。このシステムは、システムによってコンテナがモニタされるべき定められた境界内にあって、そのシステムによってモニタされるコンテナを受け入れる受け入れエリアと、その境界にあってコンテナがその場所で記録されているあらかじめ存在する識別コードによって識別されるコンテナエントリポイントと、施設から受け取る指示にしたがって受け入れエリアへ及びそのエリアから、また一つの施設へ及びその施設からコンテナを移動する積み替え車両と、前記定められた境界内におけるコンテナの位置、積載状態に関する情報を、受け入れエリアIDについての情報、及びある受け入れエリア内の指定されたスロットにおけるコンテナのIDを含めて記録する手段を有する。
【0010】
本発明はさらに、ある施設へのコンテナの到着、受け入れエリア内での積み替え車両によるコンテナ移動回数、及び施設のドックにおけるコンテナの位置と荷下ろし作業についてレポートを生成するコンピュータ手段を提供する。
【0011】
本発明はまた、コンテナ積み出しターミナルと目的地の施設とのモニタされるネットワーク内でコンテナをモニタし探索するシステムを提供する。このシステムは、運送業者が、特定のコンテナが位置しているネットワーク内において、ターミナル又は施設を識別し、ターミナル又は施設のどこにコンテナが位置しているかを把握し、施設のターミナル内でコンテナの積載状態を把握することを可能とする。
【0012】
本発明はまた、運搬中に、施設で、及び施設内でのコンテナ内における製品発送についてリアルタイムデータを生成する仮想の在庫追跡システムを提供する。
【0013】
本発明はまた、供給業者へのラック返却を完了するためにコンテナ内にラックを再積み込みすることから発送ラックの返却作業に関する電子的及び紙の記録を生成する方法及びシステムを提供する。
【0014】
そして、本発明はまた、生産主導の運搬及び小さなサイズの在庫をコントロールするために調整された倉庫保管及び配送システムを提供する。
【0015】
これらの、そして本発明の他の態様は、添付図面を参照して特に詳細に記載され、その図面はこの発明の原理とコンセプトとを実現しうる種々の方法をその一部であるが表しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明のコンテナモニタ・制御システム(CMCS)の一実施例における基本的な動作要素の概略図である。
【図2】図2は、関連するデータベース、管理情報システム、及び入力・通信装置を含む、本発明のコンテナモニタ・制御システム(CMCS)の基本的なハードウェア要素を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明のコンテナモニタ及び制御システムによって生成されたコンテナ状態レポートの一例である。
【図5】図5は、本発明のコンテナモニタ及び制御システムによる一定の処理ステップを示す流れ図である。
【図6A−6C】図6Aから6Cは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成した代表的な画面表示である。
【図7A−7D】図7Aから7Dは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したドック業務の画面表示及びレポート例である。
【図8A−8B】図8Aから8Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ到着に関する簡易レポートとその画面表示例である。
【図9A−9B】図9Aから9Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ積み替え業務に関する簡易レポート及びその画面表示例である。
【図10A−10B】図10Aから10Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ荷下ろし業務に関するlive荷下ろし除外レポート及びその画面表示例である。
【図11A−11F】図11Aから11Fは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したコンテナ受け入れヤード内駐車スロット内におけるコンテナ位置、素性、及び積載状況に関する簡易レポート及びその画面表示例である。
【図12A−12D】図12Aから12Dは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成した施設又はターミナルのモニタされているネットワーク内におけるターミナルでのコンテナ位置に関するレポート及びその画面表示例である。
【図13A−13D】図13Aから13Dは、本発明の仮想在庫追跡プロセスを示す流れ図である。
【図14A−14C】図14Aから14Cは、本発明にしたがって、発送ラックの返却輸送について、電子的及び紙のレコードを記録し、照合し、作成するプロセスを示す流れ図である。
【図15】図15は、本発明にしたがって調整された倉庫保管及び部品配送プロセス及びシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明のコンテナ及び在庫モニタシステムの基本的な側面での一の適用を概略的に示しており、施設境界Bの領域内である。施設Fは、工場、倉庫、補助組み立て(sub-assembly)プラント、貨物積み替えステーション、配送センター、あるいは配送コンテナが積み込み又は荷下ろしされる他のいかなる場所であってもよい。施設境界Bは施設Fを取り囲むか、あるいはそれと関連を持った領域である。ここで使用されている「システム」の用語は、ここに記載されているコンテナ及び在庫をモニタする方法を実行するのに用いられる記載の施設、ハードウェア、及びソフトウェアを示しており、また、そのシステムを作用させるのに用いられる装置及び機器を示していて、コンピュータハードウェア及びソフトウェア、周辺データ入力機器、モニタ、通信装置、輸送車両、配送コンテナ及び配送ラックを含む。図1に示されている基本システムでは、システムはコンテナCについての情報を、施設境界Bに対するコンテナの位置に関して蓄積し、格納し、拡散する。施設境界Bへの進入及びそこからの進出は、ゲートGを通じて行われ、これによって制御される。以下に記載するように、このシステムが利用するコンテナ及びコンテナ貨物についての時間に影響されやすい重要なデータは、ゲートGなどの施設境界Bへの進入ポイントで収集される。
【0018】
さらに図1に図示されるように、各受け入れエリアYは、Y1、Y2などといった固有の指定符号が割り当てられている。各ドックは、D1、D2等というふうに固有に指定されている。配送コンテナの移動者、及び各配送コンテナも、コード又は番号によって固有に識別されている。例えば、トラック輸送業界では、コンテナを運搬する運送業者又は配送会社の車両は、各々例えば配送会社の名前に対応させることができるアルファ「SCAT」コードによって独自に識別されている。各コンテナには、SCATコードと組み合わされる独立したコード(通常は数字)が割り当てられ、それぞれ運送業者とコンテナとの組合せを識別する。このコードの組合せは、コンテナを追跡し、運送業者の能力をモニタするのに利用される。このシステムは、船舶・鉄道・トラックの協同一貫輸送用コンテナ、航空貨物コンテナ、タンカー、塵芥運送業者、あるいは他のいかなる形式の配送コンテナ等、他の配送様式にもただちに適用可能である。すべての運送業者及びコンテナのコード化されたID、施設境界を越えてのコントロール、及び施設境界内におけるコンテナの状態及び位置を記録する手段を備えたことで、このシステムは、物流を最適化するために設備、供給業者、及び運送業者が利用することができる配送プロセスについて詳細なデータを編集するための基本的な枠組みを有する。
【0019】
このシステムは、施設境界B内でのコンテナの移動と位置をすべてモニタし記録する。例えば、コンテナCがゲートGを通って施設に運送車両Vによって配送されると、その到着日付と時刻がシステムに読込まれ、コンテナは運搬手段Sによって受け入れエリア、すなわちヤードY内に配置される。ヤードY内でのコンテナの位置もまた記録されるが、施設境界Bに到着してからのコンテナが移動された回数もまた同様である。このデータは、さらに以下説明するように、施設のコンピュータシステムに転送されるか、又はそれにより利用可能とされる。施設境界B又はヤードY内でのコンテナの移動は、ここでは「スイッチ」と称する。それはまた、一般に運送業界で「スポット」又は「ドロップ」と呼ばれている。
【0020】
図2は、コンテナ及び在庫モニタシステムのコンピュータシステムが施設Fのコンピュータシステムと組み合わされている統合システムを概略的に示している。コンテナモニタ・制御システム(CMCS)10は、コンテナに関連するデータを受領して処理する中央処理ユニット11、コンテナモニタシステムデータベース12、仮想在庫データベース13、CMCS10に対して局所的に又は遠隔的に配置することができる一以上のコンテナデータ入力端末器14、CMCSモニタ15、遠隔地にあるコンピュータシステム及び/又は、EDI、ファクシミリ、電子メール、あるいはインターネット接続等のデータ受信モジュールへの通信リンク16、遠隔コンテナデータ送受信器18、及びCMCS10によって取得され処理されるコンテナデータのハードコピーレポートを作成する一以上のプリンタ20を有している。システム10の一つの可能なハードウェア構成にあっては、一以上のコンテナデータ入力端末器14とモニタ15とを一又は二以上のゲートGに配置して、入ってくるコンテナと出ていくコンテナから取得されるデータをCMCS10に入力することができる。本システムに関し、運送業者及びコンテナについてのデータを入力するために、多くの異なったタイプのデータ入力機器を利用することができる。ゲートGに配置されているオペレータの人は、運送業者とコンテナが到着すると、そのデータを入力することができる。他の入力方法及び装置は、オペレータにデータを転送するためにスイッチ車両Sの運転手が操作する携帯無線器、RFIDタグ及びリーダ技術、超音波検出器、光学スキャナ又はテキサスインスツルメンツ社やテクロジクス(Teklogix)社が製造しているようなRFデータ通信装置、あるいはTelxon PTC921及びPTC912DS等のバーコードリーダを含む。スイッチ車両Sには、好ましくは遠隔端末受信表示装置が設備され、データ入力、データ受信及びコンテナ位置とスイッチ又は移動指示についてのリアルタイムの表示を可能とする。
【0021】
CMCS10は、例えばコンテナが配送される設備の管理情報システム(MIS)(ここでは、「第1顧客MIS30」又は「顧客MIS」という。)、及び/又は末端又は中間顧客(ここでは「第2顧客MIS60」)、及び/又はコンテナ運送業者のMIS(ここでは、「運送業者MIS40」)等の他のコンピュータシステムと相互運用可能である。ここで使われているように、「顧客」という用語は運送業者によって配送される商品を供給業者から受け取る者をいう。顧客は、倉庫、貨物運送業者、下位部品組み立て業者(subassembler)、最終組み立て業者、あるいは配送された商品の販売者であってよい。
【0022】
さらに図2に示されるように、この発明の好適な実施例では、CMCS10は通常プラント、又は顧客MIS30及びコンテナ運送業者MIS40にリンクされて、コンテナ及び在庫データを相互に交換している。もちろん、接続は他のMIS及び/又はデータベースにもすることができ、CMCS10によって編集されるコンテナデータの利用しやすさ(accessibility)はいっそう拡大される。いる。MISは、一般に、ビジネスの意思決定プロセスを支援する一セットのコンピュータ化されたデータ収集、分析、及び報告ツールを含み、情報提供レポートを作成するためのデータ分析及び報告ソフトウェアがプログラムされたコンピュータによってアクセス可能なデータベースを含んでいる。
【0023】
ここで、一般的なコンテナモニタシーケンスを、図1の物理的な構成と図2に関して説明したモニタハードウェア及びソフトウェアとを参照して説明する。(運送業者の車両Vが牽引している)コンテナCが施設FのゲートGに近づくと、車両に示されている運送業者及びコンテナ識別標章(例えばSCATコード)がコンテナの外面に表示されている対応するコンテナ番号とともに、到着時刻を伴ってCMCSに入力される。記録されたコンテナの到着時刻は、停留時間クロックを始動させ、施設F等の目的施設の構内にコンテナが停留していたトータル時間を正確に測定する。この情報は、運送業者にとっても顧客にとっても重要である。システムに記録されたコンテナ停留時間は、余分な時間保管された運送業者のコンテナを明確に識別する。顧客、すなわちコンテナ貨物の最終受け取り者は、コンテナの余分な停留時間について運送業者に料金を払わなければならないが、システムが提供するこの情報を利用して、余分な停留について独自に運送業者からの請求を照合することができる。
【0024】
この発明の好適な方法では、運送業者とコンテナの組合せのデータが、到着するコンテナごとに、運送業者MIS40、供給業者MIS50、顧客MIS30の間で、コンテナの到着に先立って出荷予告通知(ASN)の形態で送信され、施設Fに到着して運送業者及びコンテナが識別されCMCSに入力されると、この情報はCMCSから顧客MIS又は運送業者MISに送信されるので、システムは、特定のコンテナが実際に目的地に到着したことの確認を連絡する機能を実行する。いったんこのような確認が発せられれば、システムは引き続き施設Fのまわり及び構内のコンテナをモニタする。
【0025】
貨物引換証情報も、各コンテナについて運送業者MISから顧客MISへ送信することができ、(運送業者とコンテナ番号のみによって識別される)コンテナの到着確認により、顧客MISが例えば部品が構内に到着して組み立てに使用可能となっていることを特定して判別することができるには十分である。(同送されている貨物引換証に示されているので)コンテナモニタシステムがいずれか特定のコンテナの中身を把握することは必要ではないが、これは、(運送業者MIS、顧客MISにより、あるいはCMCS入力端末器14を通じて)CMCSにただちに入力することができる情報であり、積載物が識別された特定のコンテナ配達されたことの確認を可能にする。言い換えると、いかなるコンテナの積載物のデータも、顧客又は供給業者MISのデータ内容の代わりに又はそれに加えて、運送業者・コンテナIDと関連づけてCMCS内で格納することができる。
【0026】
貨物引換証に関連する運送料金及び累積料金もCMCSに入力することができる。このデータは、(例えば顧客MISに常駐している)独立した会計支払いプログラムと関連づけることができ、それによりCMCSからのデータによって顧客から運送業者への支払いを許可することができる。この方法によると、運送業者への支払いは、実際に顧客の構内で受領されたか取り降ろされたコンテナあるいは商品についてのみなされることになる。同様に、運送業者はシステムが提供する配送確認データを利用して、特定の配送が完了したという実際の確認を伴って顧客に対する請求書を作成することができる。
【0027】
(本発明によって予期されるところであるが)コンテナの特定の積み荷の位置及び状態をモニタする代わりに、本発明の一の方法は、「満載(full)」、「最低重量(truck load)」、「一部積載(partial load)」、あるいは「空(empty)」といった区分を用いることによって、いずれかの所定のコンテナの積載状態をモニタする。積載区分規則は、コンテナの積み荷を取り降ろす責任がある顧客からの指示に基づいて、(実際に満載であるかどうかに関わらず)入ってくる全部のコンテナにCMCS内で「満載」とラベルを付け、すべての出ていくコンテナに「空」と付けるように利用することができる。「一部積載」はまた、一部の積み荷が取り降ろされた特定のコンテナがドックから移動され後刻戻されねばならないという顧客からの情報に基づいて識別される。このような「一部積載」というコンテナの指定がなければ、顧客は残りの部品が必要になったらコンテナを再配置する、あるいはコンテナ内にまだ部品があれば、空になるまで構内から出ることを許可してはならないとのモニタをする効率的な方法はなかったであろう。このようなすべての積載状態データは、送信について説明した態様でCMCSに入力され、ファクシミリ、電子メールにより、又はインターネットやワールドワイドウェブを通じて、顧客MIS及び運送業者MISに入力される。したがって、コンテナが空状態となってピックアップできるようになると、運送業者にただちに通知される。
【0028】
このシステムはまた、特定の構内あるいは施設についてすべての出入りしたコンテナに関する累積積載データをモニタする。コンテナの積み荷の全数を表計することによって、システムは構内にある配送量につき現状の数字を保持することができる。このデータは、それから既知の容量値と比較され、施設利用の評価及び/又は予測が行われる。本発明のこの態様の一適用例は、ゴミ埋立て施設であり、コンテナの積み荷がモニタされ、ゴミ埋め立て地の残り容量が継続して計算される。
【0029】
積載状態及びコンテナの積み荷と関連しているのは、コンテナ内部に嵌め込まれている部品運搬ラックについてのデータである。システムの一定の応用にあっては、ラックのモニタは、特定の部品は特別に用意されたラックがなければコンテナで運搬することができないとの理由で、コンテナのモニタと同程度に、あるいはそれ以上に重要である。例えば、自動車エンジンのような部品は、自動車組み立てプラントからエンジンプラントへ空のラックが返却されなければ発送することができない。したがって、このようなラックを保持するコンテナは、CMCS内で特別に識別されることで、このようなコンテナは完全に積み荷が降ろされて空のラックがコンテナ内に戻され、例えばそのコンテナは特に「ラック積み出し(racks outbound)」と識別されるようになっている。
【0030】
コンテナ車両V又はスイッチャーSは、施設境界Bの外部又は内部にある受け入れエリアYでコンテナCを降ろす。初期の取り降ろし地点の位置は、CMCSにただちに入力するため、入れ換え車両運転手等、施設構内の係員が操作する遠隔コンテナデータ送受信器18からの通信によって確認される。これにより、CMCSによる顧客MISへの継続的かつ迅速なコンテナ位置及び状態のアップデートパターンが開始され、顧客MISはいかなる探索や遅延も要することなく積み荷を配置することができる。顧客は、どのコンテナがどのドックに必要であるかの指示、つまりスイッチ指示を与える。スイッチ指示は顧客MISで生成し、スイッチャーSの係員に届けるか、遠隔データ送受信器18を介してスイッチャーSに通信するため、CMCSに送信することができる。スイッチ指示は、スイッチャーSの操作員によって実行され、例えばトラック運送業務の場合には、トレーラー等のコンテナをフックで連結し、受け入れエリアから特定のドックに移動する。ここでは、「コンテナ」という用語と「トレーラー」の語とは同義に使用している。新しいコンテナの位置は、CMCSデータベースにあるコンテナのデータを更新するために、ドック又はゲート番号の形態で再びCMCSに報知される。コンテナがドックに留まっていた時間は、稼働している停留時間クロックでカウントされる。
【0031】
施設から受信される後続のコンテナスイッチ指示は、例えばドックからコンテナを退かせてヤードに戻すために、同じように搬送されてスイッチャーSによって実行され、CMCSデータベースを更新するために報告される。そのデータはもちろんコンテナの位置を含んでいる。コンテナの積載状態もまた、顧客によって与えられる情報にしたがって更新される。例えば、一部の積み荷が降ろされて、その後受け入れあるいは待機(holding)エリアに戻されるように指示されているコンテナは、システム内で「一部積載」と注記される。したがって、このコンテナは、元に戻して荷下ろしを続けるよう指示されればただちに識別可能である。一つのコンテナが、構内を出る前に複数回ヤードとドックとの間、あるいはドック間をスイッチされた場合には、システムが各スイッチ動作を記録する。この情報は、顧客にとって、生産あるいは流通プロセスが非効率的であることを示す余分なスイッチを見極めるのに有用である。システムは常時構内におけるすべてのコンテナの位置及び状態を継続して追跡しているので、計算により追加のコンテナを受け入れる利用可能な容量を求めることができる。これは、ゴミの埋立てのような一回限りの運搬についての計算を含む。
【0032】
いったんコンテナが完全に空となってヤードに戻されると、そのことはCMCSデータベースに記録され、空となって構内から出発できる状態になっていると運送業者に報告する。到着及び停留時間と積載状態を含めて、コンテナの位置及び状態に対してCMCSが取得したすべてのデータを連絡するために、システムは、すべての顧客と顧客にコンテナを配送するすべての運送業者との利益のため、あらゆる所望のフォーマットでコンテナ作業のレポートを作成することができる。
例えば、図3に示されているように、「ディテールオンハンド(Detail on Hand)」レポート100を、到着日付及び時刻、ヤードの位置、積載状態等の状態データを伴って運送業者及びコンテナがリストされるような列及び行といったいかなる特定のフォーマットでも、CMCSによって生成することができる。一列目には、トラックのSCATコード等、運送業者識別符号がリストされている。二列目は、各運送業者をフルネーム又は略称で示している。三列目は各コンテナの到着日付をリストし、四列目には到着時刻がリストされている。五列目にはコンテナが最後に荷下ろしする、あるいはした一又は複数のドックがリストされる。六列目には、各コンテナの最新のヤード位置がリストされている。七列目には、コンテナ積載状況が示されており、「ラック積み出し(racks outbound)」といった空ラックの注記を含めてもよい。八列目は運送業者に対応するコンテナ番号を列記する。九列目は、積み荷のIDや数量、及びマスターパッキングリストなどに含ませることができるような他のどのような積み荷データでも、積み荷に特有のデータをエントリするために設けられている。
積み荷固有データは、供給業者が完成品に部品が組み込まれたときに初めて支払いを受ける、「生産時払い」システムで供給業者に支払いをする顧客にとって重要である。特定の部品の配送が実際にプラントに到着したこと、及びコンテナが空状態でプラントを離れたことを把握することによって、システムは顧客に供給業者への支払いに対する許可について、別個の確認を与えることができる。この積み荷特定データは、さらに、コンテナ内のラックに関するデータを含んでもよい。ラックの積み荷には、ラックの番号、タイプ及び目的地を示す貨物証券(freight bill)が付されているので、この情報はすべてCMCSにただちに入力することができ、前記レポートの九列目に示すように、空のラックが部品生産施設へ返却されるのを促進する。
【0033】
図3のレポートは、ある期間の暦日に渡って、運送業者によって整理されている。このシステムが生成しうる他のレポート様式としては、特定のヤード又は受け入れエリア、到着時刻、荷下ろしドック、特定の運送業者のコンテナ番号、又は積載状態にしたがったものがあり得る。例えば、図4に示されているレポート120は、完全に空状態であって、構内からいつでも出発できるトレーラーコンテナだけを列記する、「空トレーラーレポート(Empty Trailer Report)」として編集されている。このタイプのレポートは、顧客の構内からできるだけ速やかにコンテナを回収したいと考えている運送業者にとってもっとも有益である。このレポートはまた、運送業者から請求される超過停留料金をチェックするために、顧客にとっても有用である。このフォーマットでは、運送業者及びコンテナが一列目に、荷下ろしドックが二列目に、現在のヤード位置が三列目に、初期の積載タイプが四列目に示されている。五列目の「パッキングリスト」は、前記したように、コンテナの積み荷に関する特定のデータをエントリするために設けられている。六列目の数字は、到着時刻からレポート生成時刻まで、コンテナが構内に留まっていた総時間を表している。そして、七列目は、六列目の測定時間に対するフラグフィールドとして設けられており、ピックアップについて「期限超過(past due)」のコンテナを示している。
【0034】
図5は、本発明にしたがってコンテナをモニタするための一つの処理フローを概略的に示しており、そのステップは、CMCS等の適宜にプログラムされたコンピュータによって実行するのに好適であろう。このコンピュータプログラムは、システムの操作員に接続されたモニタに表示するための画面表示を生成する。この画面表示は、コンテナデータを入力及びチェックするための図表又はスプレッドシート形式のフォーマットと、システム内のコンテナに関する異なったタイプの情報にアクセスするための制御メニューとを提供する。
【0035】
プロセスはステップ0で始まり、ステップ100まで進んでコンテナの到着を判定する。ステップ200は、到着する各コンテナがシステムによって個々に識別されていることを確認する。図6Aから6Cには、CMCSモニタでコンテナ情報を入力及び表示するために、CMCSコンピュータプログラムによって生成される画面表示のタイプが示されている。
【0036】
例えば、図6Aのような画面表示は、ステップ300で生成されるコンテナ識別ヘッダのフォーマットを提供する。このヘッダは、仮想データエンベロープとして利用され、それにより、あるいはそれを介して、識別されたコンテナに関連するすべてのデータがアクセス可能、転送可能、操作可能となる。到着記録はステップ400で生成される。ステップ500は、例えば「ホット(hot)」な積み荷を表す顧客MISから受信した情報に基づいて、ただちに「スポット(spot)」しなければならない、あるいはヤード又はドックへ移動しなければならないコンテナに対応するために設けられている。ただちにスポットする代わりに、到着するコンテナはステップ600でヤードにスポットされ、ステップ700でヤード位置に関してヘッダレコードが更新され、またヤード内における駐車スポットの下位の指定を含むことがある。
【0037】
図6Bは、トレーラースポットの更新入力画面表示である。ステップ1000において、積み荷が積まれたコンテナは、顧客から受信される指示に基づいて、受け入れドックに呼び出される。その呼び出されたコンテナに関するヘッダレコードは、図6Cの入力画面表示を介してコンテナIDを入力したりすることによって、ステップ1100で探索されて、中間的なエラー訂正ステップ1200及び1300を有し、コンテナスポット又は移転が行われてステップ600及びステップ700で同様にシステムが更新される。構内から出発しようとするコンテナは、ステップ1400でモニタされ、図6Cの画面表示を介してステップ1500で再び対応するヘッダレコードの探索を要求する。ステップ1600及び1700ではマッチするデータがないときにエラー訂正が行われ、ステップ1800及び1900ではシステムにコンテナの出発が入力され更新される。このシーケンスを通じて使用者に追従しかつ促すようにプログラムされているCMCSに関連してこれらのステップを実行し、プラントのエントリ地点と構内とを制御することによって、システムは構内にあるすべてのコンテナの識別標識、位置、積載状態、及びコンテナが構内に留まっていた時間に関する正確なレコードを維持する。
【0038】
本発明はさらに、ドックの利用状況及び所定の施設についての利用可能性に関する詳細な情報を提供する。この情報は、ドック利用状況の分析が可能となるため、入ってくる積み荷、特に、ジャストインタイム配送を目的としてゲートからドックへ直接進入する「ホットな(hot)」積み荷や「ライブな(live)」荷下ろし(unloads)を計画するため、あるいは配達が予定された時間枠内に到着するように調整するために、その施設の管理者にとって非常に有用である。ドック利用状況は、直接施設内の生産あるいは倉庫保管業務に関係するが、それは、各ドックが施設内で指定されたタスクにもっとも近い位置にあるからである。特定のドックがコンテナによって占有されていると、次に近い利用可能なドックはどれかが非常に重要である。
図7Aに示されているように、システムはリアルタイムのドック利用可能性レポート(Dock Availability Report)701を生成するが、これは列702に施設内の各ドックを数値でリストし、続いて列703は運送業者及びコンテナ識別コードである。レポート701は、ドックにドロップしたコンテナについて運転手又はスイッチ車両Sから受信されるデータより作成される。このレポート701は、スイッチ車両内で、無線周波数で動作する携帯装置又は車載コンピュータのディスプレイに表示することができる。
【0039】
それぞれのコンテナの各ドックでのドロップ又は移動を記録することによって、システムはさらに、図7B、7Cに示されるように、種々のドック作業レポート(Dock Activity Report)を生成する。図7Bは運送業者別ドック作業レポート(Carrier Dock Activity Report)であって、所定の運送業者(フィールド711の「LEHM」等)に関し、所定の日(フィールド712の「12/04/97」等)について、フィールド713にドックに入ってきたコンテナの総数とともにそれらがどこから来たのか(例として、ヤードから、他のドックから、直接到着等)を示し、フィールド714にはドックから移動されたもしくはドックに残されたコンテナの総数が、フィールド715にはドックから移動されたコンテナの積載状態が示される。積載状態は、部分的(partial)、空(empty)、空ラック(empty racks)、あるいは「ライブ・アンロード(live unload)」等、他のものとしてもよい。異なるタイプのコンテナ、又はコンテナのスイッチ又は移動のその日の総数は、フィールド716に記録される。
【0040】
図7Cに示すように、このシステムはさらに、特定のドック及び特定の運送業者について、特定ドック作業レポート(specific dock activity report)720を生成する。その特定ドックは、フィールド721に表されている。「ドック入場時刻(In Dock Time)」フィールド722は、そのドックにコンテナが到着した日付と時刻とを記録する。「ドック出場時刻(Exit Dock Time)」フィールド723は、そのドックからコンテナが出発した日付と時刻とを記録する。「停留時間(Dwell Time)」フィールド724は、そのドックにコンテナが留まっていた総時間を分単位で記録する。「トレーラー(Trailer)」フィールド725は、コンテナの識別番号を記録し、この例ではコンテナはトレーラーである。そして、「運送業者(Carrier)」フィールド726は、運送業者を識別する。フィールド727は、到着(inbound)及び出発(outbound)の積載状態を記録する。フィールド728は、起点及び終点のヤードを識別して記録する。
【0041】
ドック作業レポートは、ドックに荷下ろし及び積み込み作業のための労働力を適切に配置することにより、施設管理を支援する。
【0042】
図7Dは「ライブ・アンロード」レポート730で、施設に到着してただちに荷下ろしのため直接ドックへ牽引されたすべてのトレーラーを記録する。ライブ・アンロード・ドックは、フィールド731に示される。「ドック入場時刻」はフィールド732に、「ドック出場時刻」はフィールド733に、「停留時間」はフィールド734に、「トレーラー」すなわちコンテナ識別子はフィールド735に、そして、「運送業者」識別子はフィールド736に記録される。レポート730は、運送業者及び物流業者の能力を測定することで、施設管理を支援する。「ライブ・アンロード」は、貨物が施設内に直接受け入れ可能な地点又は時間枠に定時に到着するという、もっとも効率的な配送シナリオを示しているからである。
【0043】
レポート720から、運送業者は、自分のコンテナがいつドックに着いたか、そして各コンテナが荷下ろしのためドックにどのくらい留まったか、コンテナは完全に荷下ろしされたか又は一部だけか、を正確に把握する。この情報は、荷下ろしについて割り当てられた合意された時間を超える、コンテナの超過停留について、施設所有者への請求書を編集するのに利用される。施設所有者は、このレポートを利用して、超過停留料金に対する請求書が正確であることを確認する。施設所有者はまた、このレポートを利用して、荷下ろし作業における非効率やジャストインタイム生産業務の不正確な時間調整を明確にすることができる。例えば、もし特定のドック又はドック群が他よりももっと活発であったり、他よりも長い時間占有されているとすれば、そのことは、それらのドックで荷下ろしを迅速に処理するためにより多くの作業員が必要であることを示している。日ごとに作成されるレポート710及び720は、システムによって運送業者と施設管理者との両者に自動的にファックスされ、適切な物流調整を行うことができる。その代わりに、運送業者及び施設の両者は、図2に関して説明したように、電子メール又はインターネット経由を含んで、適当な接続を用いてCMCSからレポートにアクセスすることができる。
【0044】
毎月何千ものコンテナが発着する施設の管理者にとっては、コンテナ到着に関する傾向についてのデータを持っていることが有利である。この情報は、配送枠を識別したり、配送に関する物流戦略を変更するために利用される。それは、ジャストインタイム配送の時間調整をするためには特に有用である。図8A及び8Bはともに、到着計数レポート(Arrival Count Report)801の例であり、一ヶ月の各日のコンテナ到着を、一時間ごとに示している。その月の日は、列802に列記されている。各日の時間は、列802の右側の列803にリストされている。コンテナ到着の全数は行804に記載されており、一時間あたりの平均コンテナ到着回数は、行805に示されている。図8Bにおいて、フィールド806は、特定の月について一週間の各日における全部の及び平均のコンテナ到着回数を示す。フィールド807は、特定の月の各週における、日ごと、時間ごとの全到着数を示す。そして、フィールド808は、特定の月の各週の日ごと、時間ごとの平均到着回数を簡略形式で示している。
【0045】
このシステムはまた、図9Aの「スイッチ計数レポート(Switch Count Report)」901によって示されているように、日ごと、時間ごとに全スイッチ回数を記録する。列902は特定の月の日を列記する。列903は一日の各時間についてのもので、右端の列904は合計である。システムオペレータは、この情報を利用して、スイッチ車両操作員の配置を計画し、スイッチ又はスポット作業ごとについて請求を細かく記載することができる。図9Bの「スイッチ計数簡易レポート」では、選択された月についての一週間の各日ごとのスイッチ回数総計がフィールド905に、選択された月についての一週間の各日ごとのスイッチ平均回数がフィールド906に示されている。一週間の日ごと時間ごとの全スイッチ回数がフィールド907に、そして、一週間の日ごと時間ごとの平均スイッチ回数がフィールド908に示されている。
【0046】
このシステムはまた、「ライブ・アンロード除外(Live Unload Exception)」レポート1001を、図10Aに示すように生成する。システムは出荷予告通知(ASN)によって、特定の積み荷が「ライブ・アンロード」であると指定されている、すなわち最初にヤードや保管エリアにスイッチされたり配置されることなく直接ドックへ配送されるべきコンテナであることを意味しているから、システムのスイッチャーSがそのようなコンテナにコンタクトすると、コンテナの状態は自動的に「ライブ・アンロード除外」として記録される。運送業者はフィールド1002に示される。コンテナはフィールド1003に示される。到着の日付と時刻はフィールド1004に示される。「最初の移動(First Move)」の日付と時刻、すなわちライブ・アンロード除外レポートへエントリするトリガを引いたスイッチャーSがそのコンテナにコンタクトした時刻がフィールド1005に記録される。移動回数はフィールド1006に記録される。コンテナが空となる前に、数回移動されるであろう。出発の日付及び時刻は、フィールド1007に記録される。そして、積載状態はフィールド1008に記録される。
【0047】
ライブアンロード除外レポート1001に現れるすべてのコンテナについて、図10Bに示すように、詳細ページ(Detail Page)レポート1010にアクセスすることができる。フィールド1011は、運送業者及びコンテナ識別子、積載状態、当初はライブロードとされていたが、結局ライブアンロード除外となった事実、及びヤードの位置を含む。フィールド1012は、除外されたコンテナに関する各事象の日付と時刻とを記録し、到着、最新の移動、運送業者又はコンテナ所有者へ通知するための迅速なファックス、停留又は留置処置、荷下ろし、ラックの積み込み又は一部積み込み(積み込みの開始)、再積み込み完了及び出発の日付及び時刻を含む。
【0048】
フィールド1013は、日付、時刻、ヤード、ドック、(積み荷の)タイプ、到着/出発(A/D)の記録を含むコンテナ作業の継続する履歴を与える。
【0049】
ドック利用可能性に関する情報が重要であるのと同様に、施設を取り囲む種々のヤードの利用についての情報も重要である。この目的のため、システムは図11Aから11Fに示される「スロット利用可能性(Slot Availability)」レポートを提供し、これは、モニタされる各ヤードにある各(駐車)スロット内でのコンテナIDに関するリアルタイムの情報を提供する。図11Aは、ヤードスロット利用可能性レポート1101の一のグラフィックな形態であり、左側の列1102には種々のヤードが示されており、上方のラインをまたいだ1103にヤードスロットが記載されている。これにより、例えばアスタリスク印によって示されるように、コンテナ位置をグラフィックに示すことができる一つの格子が生成される。選択されたコンテナについての対応する詳細情報は、下方の行1104に表示され、ヤード名、行及びスロットの指定、運送業者及びコンテナ識別コード、及び積載状況を含んでいる。
【0050】
代わりに、図11Bに示されるように、「ヤード選択画面(Yard Selection Screen)」1106は、列1107にヤード識別子を、列1108にヤード名をリストする。列1107からヤード識別子を選択すると、ユーザーには図11Cに示す「行選択画面(Row Selection Screen)」1110が示される。画面1110の列1111から行を選択すると、図11Dのような「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112がユーザーに示される。フレーム1113内には、選択された行の各スロット(例えば1から20)について、指定符号1114が存在する。各スロット指定符号1114の隣には、それらスロット内に存在するコンテナの運送業者/コンテナ識別子がある。
この手順は、一般的なコンテナの位置が知られている場合にもっとも有用である。コンテナの位置が全くわからない場合には、画面1106、1110、1112のそれぞれにサーチ機能が設けられる。例えば、F5を押すと、ユーザーには図11Eに示す「トレーラー番号でトレーラーを検索(Find Trailer By Trailer Number)」画面1116が提示される。トレーラー番号が入力されると、システムは図11Fに示す「トレーラークイック概要画面(Trailer Quick Summary Screen)」1118に切り換わる。画面1118のフィールド1120は、コンテナの積載状態、ヤード位置、ヤード内での行指定、行内でのスロット番号、及びその位置にコンテナを配置したスイッチ車両の運転手の識別子(例:KKS)を表示する。スイッチ車両運転手のIDは、システムのオペレータにとって特に有利であるが、それは、運転手が割り当てられたヤード又は通り(row)内にあるを回収するために、適切な運転手を派遣することができるからである。「トレーラークイック概要画面(Trailer Quick Summary Screen)」1118はまた、図11Dの「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112上でハイライトされたトレーラー/コンテナ識別子を選択することによってアクセスすることができる。ユーザーは、カーソルキー又はマウスを使用して、「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112の周辺を移動することができる。
【0051】
通常コンテナは、移動中に衛星その他の電子信号追跡装置によって追跡される。移動中を追跡する型の追跡システムは、コンテナがA地点又はB地点にあることがわかる、あるいはA地点とB地点との間の位置にあることがわかるが、A地点又はB地点の「中に」あるコンテナの位置や積載状態を知ることができないという意味では、マクロなものである。このような情報は、運送業者にとって、生産と調和するような時間配送(time deliveries)を可能とし、コンテナがただちに利用できることを把握し、「ラック積み出し(racks outbound)」等帰還するコンテナの内容を把握し、そして以下さらに説明するように、運送ビジネスにおけるリアルタイムで継続的な会計を形成するのに十分な情報を持つために、非常に重要である。
【0052】
例えば、SAMSYS,Inc.社が製造しているような無線周波数識別(RFID)タグ及びリーダを使用すると、コンテナ位置及び状態を迅速に把握してアップデートすることができる。この装置は一般に、表面に運送業者及びコンテナの識別データがエンコードされたカード又はタグを備えている。タグ又はカードリーダは、ゲートG等の施設境界、又はヤード内やドック内に配置され、コンテナを自動的に識別する。コンテナ位置データはこれによって瞬時にCMCS10に読込まれる(図2)。自動化されたコンテナデータ入力は、代わりに、磁気的にエンコードされたカードとリーダ、又はスキャン可能なバーコードタグを使用しても達成することができる。
【0053】
施設の一群のネットワークに属するタグ又はカードリーダがCMCS10とすべて電子的にリンクされると、CMCSにリンクされている運送業者MIS40は、各コンテナは自動的にシステムに読込まれ、そのリアルタイムの位置を得ることができる。例えば、運送業者又は供給業者は、CMCSに専用回線やワールドワイドウェブを通じてのような、他の接続によって接続することができる。ユーザは、システムへのアクセスを得るためにID番号を入力する。一実施形態において、システムは、運送業者のターミナルと、コンテナがモニタされる施設とを全てまたは幾つか包含する地理的な領域を表示した、図12Aに示すマッピング画面1200を生成する。画面1200のフィールド1201は、モニタされるいずれかのサイトにおいてコンテナの場所を突き止めるためのコンテナ検索入力である。コンテナ番号が一旦入力されると、システムは、例えば図12Bに示す画面1205のように、入力されたコンテナが現在位置しているサイトを表示するために進行する。また、フィールド1206には、サイトの位置の名前と、到着日時と、例えば図10Bのフィールド1013のように表示されうる履歴アーカイブファイルを閲覧するためのリクエストとが表示される。換言すると、特定のサイトにおける特定のコンテナの保存履歴(archival history)、すなわち、コンテナがいつ到着したかという点と、積み換え作業が何回行われたかという点と、いくつのドック及びどのドックにコンテナがあったかという点と、各積み換え作業時と現在の積み荷状態との間の積み荷状態とが提供される。
【0054】
システムは、選択された施設またはターミナルサイトにおけるコンテナの検査を実行するのに同様のアプローチを用いている。例えば、図12Cに示すように、サイト表示画面1208は、システムがモニタする施設および/またはターミナルサイトをそれぞれ地理的に表示し、サイトまたはターミナル検索フィールド1209を含む。サイトの名前が入力されると、システムは、図12Dに示す画面1210へ進行する。ここでフィールド1212においては、選択されたサイトに存在する全てのコンテナのリストが表示される。例えば図10Bのフィールド1013のように、ある特定のコンテナについてフォームによる詳細な保存データを得るために、フィールド1212から特定のコンテナを選択することができる。どの特定のコンテナについてもこのフィールドに含まれうる品目情報としては、コンテナについてのメンテナンス状態に関する記録またはコメントがある。コンテナの移し換え車両の運転者および積み込み者/荷下ろし者は、扱っているコンテナをそれぞれ点検するのに十分な機会を有しているので、気がついた損傷やメンテナンスの必要性についてコンテナ状態のコメントフィールドに入力することができる。これにより、ローリングメンテナンスプログラム(rolling maintenance program)が作動し、知らされた修理の必要性に基づいき、運送業者はコンテナをメンテナンス施設に配達することを計画することができる。当然、コンテナおよびサイトに関するデータを、地理的な描写を含まない異なる形式により代替的に表示することもできる。
【0055】
システムにより得られる上述したようなコンテナの位置及び積み荷状態についてのリアルタイムなデータによれば、例えば運送業者または供給業者等の利用者は、供給チェーンの各段階における仮想の在庫を得るのに十分な情報を有する。図13A−13Dを参照して説明するように、供給チェーンの論理トラッキングは、図13Aのステップ1301において、顧客または荷受人による製品/部品の注文の発行により開始する。供給業者はステップ1302において在庫の本質的なチェックをおこない、ステップ1305における供給業者在庫を確保するのに生産が必要な場合、生産ステップ1303及び1304へ進む。枠に示した「供給業者」とは、ステップ1301において発行された注文に明記された製品の製造元か、あるいは、製造者から製品を物理的に受け取ったり、販売代理人として製造者を代表して製造者のために注文を処理したりする配給者のことである。供給業者は、ステップ1306において在庫から製品を引き出し、ステップ1307において運搬手段に積む。
【0056】
この時点において、輸送用のラックに関する重要な固有のデータの一部が生成される。
【0057】
産業において知られるように、「ラック」という用語は、コンテナ内における安全な輸送のために、一つのパーツまたは複数のパーツを保持するためのいかなるタイプの梱包または支持装置をも意味する。ラックは、カートン、箱またはパレットのようにシンプルなものであっても、あるいは、エンジンまたは製品の他のサブアセンブリを支持する複合的な鉄筋構造物であってもよい。ほとんどのケースにおいては、製品は、対応する特定のラックなしには輸送することができない。
【0058】
運搬のために積まれるパーツの種類および数が、輸送用コンテナにおいて必要なラックのタイプ及び数を表すこととなる。同様に、パレット、パーツの数は、パーツのサイズ、パレットのサイズ、箱またはカートンのサイズ、及びパーツを運ぶコンテナのサイズから算出することができる。これは箱またはカートンが積み重ね可能であるか否かに関わらない。このようなデータは、全てCMCSデータベース12(図2)に常駐させうる。
【0059】
図13Bのステップ1308において、供給業者は、顧客に送り届けるためのアドバンスト輸送通知(advanced shipping notice, ASN)を作成する。ASNは、パーツ数と、供給業者コードと、発行された注文と、購入された注文数と、輸送された数と、送り先と、荷受人または顧客の施設に到着する予想時刻(ETA)とを含む。ステップ1309において、運送業者が供給業者のもとを出発したら、この輸送はステップ1310において「輸送中」として記録される。ASNは、ステップ1311において荷受人/顧客へ電子的に運ばれる。ASNは、ステップ1312において、CMCS(図2)の仮想在庫データベース13に読み込まれる。仮想在庫データベース13に常駐する付加的なデータとしては、供給業者の所在地及びその場所において算出されたETAと、提携している運送業者及びコンテナの種類またはサイズと、ラックに関する情報とが含まれうる。
このデータは、ASNによって供給されるデータに対して、余分に加えられたり、関連づけられたり、付加されたりされうる。アドバンスト輸送通知(ASN)を受け取った結果、在庫は、CMCSが物理的に到着する前に在庫になる予定であることを認知しているという意味で「仮想」のものである。ステップ1314において積み荷がサイトに物理的に到着した場合、運送業者の記録及びコンテナIDにより、ステップ1315において、「仮想の在庫」レコードが作成される。この在庫は、「仮想」である。コンテナが物理的には施設にはあるが、組み立て用または移送用サイトである建物の隣の置き場や埠頭等に置かれており、建物の中に置かれているのではなく、また、倉庫や組み立て用ラインのスポットにおいて類似のパーツをグループ化されていないから、在庫に「近い」ものである。いずれにしてもシステムにより勘定される。
【0060】
ステップ1314におけるコンテナの物理的な到着は、ステップ1316(図13C)においてCMCSに入力される。搬送到着データ(搬送手段及びコンテナID)を、運送業者から受け取ったASNデータとをマッチングすると、CMCSは、ステップ1317において、システム対システムによる検査確認を実行する。そして、ステップ1318において、顧客/荷受人に対していかなる不一致(discrepancy)を通知することができる。運送業者は、特定の積み荷についてASNデータに入ることにより、ステップ1319においてCMCS仮想在庫13に対して問い合わせしうる。これにより、ステップ1320において製品マッチングをすべく仮想在庫ASNファイルをサーチするために、また、ASN/仮想在庫データの正確なマッチングに基づいてステップ1321において運搬レポートを作成するため、システムは迅速化される。これと同時に、ステップ1322において、搬送製品の複数のマッチングは、完全な製品に変換され、これにより荷受人に対して製品の在庫過多および/または過剰輸送についての警告がなされ、したがって更なる購入注文や一括購入注文からの発行を軽減することができる。
【0061】
ステップ1323(図13D)において、搬送手段またはコンテナが降ろされると、ステップ1324において、これは荷受人/顧客の「施設内」在庫となる。荷下ろしは、上述した積み換え作業(switching)により記録される。システムは、ステップ1325において、コンテナが(完全に)荷下ろしされた状態か、再積み荷状態としてコンテナが一旦記録されると、対応するASNをパージする。輸送の完了を受けて、システムは、ステップ1326において、運搬のライフサイクルに関するレポートを作成し、ステップ1327においてこのレポートをアーカイブに記録することができる。
【0062】
上述したシステムの仮想在庫の様態の利点は、その所在地に関わらず、すなわち、輸送中、施設において、あるいは施設内において、全ての在庫に関してリアルタイムなデータを提供することである。これが、供給業者、運送業者、ビジネス、および顧客のビジネスのトータルでリアルタイムな価値の正確な会計を管理する唯一の手法である。本発明の仮想在庫の様態は、つまり在庫管理における顧客のマネージメントを補助する方法である。顧客は、「リアルな在庫」として生産または配達に処される在庫を(物理的に在庫の有無に関わらず)全て「閲覧」することができる。顧客にとっての節約は、在庫を削減すること(すなわち、利益、保険及び税を含む搬送コストを削減すること)と、オフサイトな貯蔵施設や、余分なスペースを借りるなり建てるなりする必要性をできる限り排除することと、倉庫に必要なスペースやこれと関連するコストを可能な限り軽減することと、保険、作業者の報酬や、関連する訴訟を含む、余剰の在庫を入庫する際の安全性に関する問題を回避することとによって実現する。
【0063】
例えば自動車製造者等の顧客による通常の支払いの手続きは、受領証明がなされた上でのみ配達されたパーツについて支払いをおこなうというものである。この受領証明は、通常、積み荷に添えられた積荷証券である。積荷証券は、配送のため運送業者に与えられた商品のために、運送業者が供給業者/荷送人に与える受領書である。この積荷証券は、荷送人/供給業者と運送業者との間の契約を証明するものであるとともに、証券を保有している者に輸送される商品の所有権を発生させる権利証券として機能することもできる。積荷証券は、通常、積み荷を配達した際に運送業者により顧客に提示される。この手続きは、a)コンテナが荷下ろしされる前のある一定期間、顧客の置き場に置かれていたか、b)顧客及び供給業者が、商品についての支払いは顧客の施設内に(完全に)荷下ろしされてからでないとおこなわれないことについて同意しているか、またはc)運送業者は、顧客または供給業者の所有物であるラックをコンテナとあわせて返却しなければならないのか等の事情があり複雑である。特に重要なのは、施設からの「ラックアウトバウンド(rack outbound)」(RO)に関する情報である。なぜなら、施設へのパーツの以降の流れに直接影響するからである。
【0064】
商品の受領及び荷下ろしと、(数量及び種類が正確な)ラックを返却用コンテナに再度積み込んだことを確認するために、紙面による複雑なシステムが考案されてきた。しかし、どのコンテナについても行うべき必要な処理をそれぞれ記録するのに必要ないかなる書類の置き違いや見落としは、このシステムを信用できないものとし、最終的には、a)顧客への在庫が紛失したり、b)ラックの返却の際に起こるミスを補正するために供給業者に実質的に余計な費用がかかったりする結果となった。供給業者は正確な種類及び個数のラックの返却を望んでおり、一方、顧客は正確な種類及び個数のパーツを受け取ることを望んでいる。正しいラックがなければ、供給業者はさらにパーツを配達することはできない。
【0065】
本発明は、複数のコピーペーパーによるチェーンに完全に依存することなく、正確なラック返却を確認し記録するための改良された方法およびシステムを提供する。図14A−14Cを参照して記すように、ステップ1401において、例えばリフトの運転者等、施設での作業者は、空になったコンテナ、例えばトレーラーに返却可能なラックを再度積み込む。ステップ1402において、ラック返却・再積載シート(RRRS)に書き込む。このラック返却・再積載シートは、ステップ1403で得られるMMDT及びラックIDマトリクスと、ステップ1404で得られるドック番号、SCACコード、トレーラー番号、ラック識別子及び数量に基づく。ステップ1405において、ラック再積載シートは、施設ゲートG(図2)へFAXされ、ステップ1406においてCMCSデータベースに入力され、ステップ1407で確認される。ステップ1408において、ラック返却・再積載シートのデータは顧客MIS12へも送られ、ステップ1409において、支払いのために「記帳」される。ステップ1410において、ラック返却・再積載シートからのデータはCMCSに読み込まれる。ステップ1411において、CMCSは、データをデータベースに常駐するMMDTラックIDマトリクスデータとマッチングする。この情報がマッチする場合、システムは、電子(積荷)証券をステップ1412において作成し、対応するコンテナがゲートを通って施設の境界を離れる際にマッチングさせる。この電子積荷証券は、ステップ1413において顧客MIS30または60へ転送され、そのシステムに最新のラック返却データを提供する。運送業者の積荷証券及びラック返却情報に頼るのではなく、システムは、空のラックをコンテナに再積載した人物から受け取った情報に基づいて証券を作成したとともに、その情報をMMDT及びラックIDデータとクロスチェックした。
【0066】
図14Bを参照する。ステップ1414において、ラックを運搬しているコンテナが施設のゲートに到着すると、コンテナ番号がシステムに(マニュアルまたはオートで)入力される。ステップ1415において、システムは、運転者にそのコンテナは「ラック境界外(アウトバウンド)」であることを知らせ、アウトバウンド請求メモ(すなわち積荷証券)をプリントするかどうかを問う。ステップ1416で請求メモが要求されたら、ステップ1417においてシステムは、ラックの返却先を知った上で、走行距離と、平均速度と、DOT規制と、供給業者の営業時間とのデータを基にし、緩衝用の時間としての「X」時間を足して、推定到着時刻(ETA)を自動的に算出する。これらの情報の全ては、CMCSデータベースに常駐のデータから算出した。ステップ1415のアウトバウンド請求メモの請求により、ステップ1418においてコンテナは「出発」状態にアップデートされ、請求メモのデータは、計算されたETAと併せて、ステップ1419では運送業者に、ステップ1420では供給業者に自動的にファックスされる。ステップ1421において請求メモのハードコピーがゲートでプリントされ、ステップ1422において運搬ドライバに手渡される。ステップ1423においてコンテナは出発し、ステップ1424において顧客のラック返却のレコードは実際の出発の日時でアップデートされる。
【0067】
図14Cに示すように、ラック返却の詳細なトラッキングは供給業者にまで戻るように継続する。ステップ1425において、運搬ドライバが計算されたETAに適合したら、ステップ1428において供給業者は、電子的手段または電話にてCMCSに知らせることによりコンテナを「到着」させる。ETA以内にコンテナが供給業者のもとに到着しない場合、ステップ1426において運搬ドライバは供給業者に遅延について知らせ、ステップ1427において供給業者はCMCSのコンテナETAを調整する。コンテナが時間どおり到着した場合(ステップ1428)、ステップ1429においてCMCSに通知され、レコードがアーカイブされる。ステップ1430において、顧客のラック返却レコードはCMCSによってアップデートされる。ステップ1429におけるレコードは、供給業者の見地から配達処理の完了である。時刻どおりラックが返却されることは将来的な輸送のために絶対に必要な条件であるためである。
【0068】
到着したコンテナにおいて正しいタイプ及び数量のラックが返却されたことを確認するために、ステップ1431において、コンテナの中身が(図14Bのステップ1421で作成された)請求メモのレコードに対して物理的に照会される。不一致がある場合は、ステップ1432において供給業者は不一致のある旨をCMCSへ送る。CMCSデータベースはステップ1433において、顧客のラック返却レコードはステップ1434においてアップデートされる。コンテナの中身が請求メモと一致する場合、ラック返却処理は完了するとともに確認され、この時点で、ステップ1435においてレコード全体をCMCSからパージすることができる。
【0069】
本発明の更なる態様として、図15を参照して説明するように、製造施設へ特定の時間にシーケンシャルにパーツを配達するための方法及びシステムを提供する。たとえば自動車のような複合的な製品を大量に組みたてる場合、特定の時刻及び施設内の特定の場所において数千ものパーツが必要となる。パーツの数量およびタイミングに関する要件は、たとえば週毎のスケジュールにしたがって製造者により設定される。例えばエンジンや本体パネル等の比較的大きいパーツを、供給業者から製造施設に特定の時間に直接配達することは、ASNと、施設の受け取り置き場内でのコンテナモニタリングとを記載のように用いることで達成される。しかし、例えばファスナー等のような小さいパーツ(一般に「標準パーツ」と称する)においては、このアプローチは実用的ではない。したがって、小さなパーツは大量に輸送され、現在の製造の必要条件を超えるので、これらは製造施設内に単に保管されるだけである。これは一般に、組み立てを待つ余分な小さなパーツが事実上紛失する結果となる。ある特定の産業においては、パーツの「保管」と、これに起因する損失は、パーツの総コストを15%引き上げるものであると見積もられている。
【0070】
本発明は、計量用の倉庫を提供して現在の(日毎および週毎の)生産に対応する数量の小さいパーツをここから製造施設に分配することにより、現在の生産に関連して小さいパーツを製造施設へ非同期で配達することを排除する。図15に示すように、計量用倉庫1500は、標準パーツ製造業者1502から、運送業者1504の配達によりパーツを受け取る。本システムで使用する運送業者1504は、標準パーツの製造業者と密接な関係にあって、製造業者1502から倉庫1500までの「最も効率的なルート」を確立するのが好ましい。倉庫1500は、標準パーツを最終製品または構成部分に組み立てる製造施設1506の比較的近くにあるのが好ましい。
【0071】
倉庫1500は、製造ペース及び容量の現在の傾向に基づいて、ある特定の製品を製造するための最小数の標準パーツを保有しうる。多くの倉庫は、計画された要件に基づいて在庫を調整する在庫管理プログラムの下で操作される。このようなシステムはパーツの在荷過多を軽減する。しかし、例えば、カートンから一箱分のパーツのみをその日またはその週の生産に使用する場合にも、一カートンを最低量として施設へ配達がなされるという製造業者の問題に取り組んでいない。製造業者の損失は、カートンに残った、組み立てを待つパーツに起因するものである。
【0072】
本発明では、倉庫1500は、生産運転(production run)のために必要なパーツの正確な数値を明示した組立命令を製造施設から受け取る。「計量された」積み荷1508は倉庫で組み立てられ、計量されたパーツの運搬手段1510により施設1506へ配達される。計量された積み荷には、単一または複数シフト、一日、数日、一週間、数週間あるいはもっと長い期間の製造に必要なパーツの正確な数量が含まれうる。計量された積み荷のレコードは、作業命令とマッチングされる。製造アセンブリの中には、組み立てゾーン、すなわち、ゾーンA、ゾーンBや、ゾーンC等がある。計量された積み荷1508は、施設のゾーンに到達すべきシーケンスに従って搬送手段1510に積まれる。このシステムの態様は、異なるゾーンへのドロップオフ地点(ドック)の間に本質的に距離がありサイズが数エーカーにもなりうる製造施設と関連して、重要である。積み荷1508は、指定されたゾーンに順番に落とされる。かんばん方式の配達を達成するために、計量された積み荷を配達するタイミングを生産スケジュールに合わせることができる。配達は、例えばCMCSを介して、製造施設へ伝達される。これにより施設はパーツの運転レコードを持ち合わせる。その後各ゾーンを定期的に検査して、現在のゾーンのパーツ在庫が、完了された生産運転に対応するものであるかを確かめる。
【0073】
特定の好ましい実施形態と、これに代わる実施形態とにより本発明について説明したが、これらは、本発明の基本的なコンセプトを実施しうる様々な方法のうちの幾つかを表すものである。当業者によっておこなわれる本発明のコンセプトの実施にあたっての特定の変更や変形は、添付の請求の範囲により明確にされているように、本発明およびその均等物の範囲に含まれるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、コンテナ、積み出しラック、及び在庫を追跡し制御するための物流方法及びシステムに関する。より詳細には、この発明は、コンテナ、ラック、及び在庫の境界内での、そして工場、組み立てプラント、倉庫、積み出しヤード、及び貨物積み替え施設といったサイト間における位置及び移動に関する正確な記録を生成し保守する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この特許出願は、1995年8月28日に出願され、アメリカ特許第5,712,789号として発行されたアメリカ特許出願第08/519,888号に関連する。
【0003】
関連出願には、生産、積み出し、あるいは倉庫設備の境界内におけるコンテナの位置及び積載状態をモニタする方法及びシステムが記載されている。この発明は、拡大しつつある積み出しコンテナ受け入れヤード内でのコンテナ配置に要するコストを実質的に削減し、コンテナをただちに指定のドックに運んで降ろすことができるようにする。この出願は、移動中やヤード、あるいは自動車工場のような生産設備内におけるコンテナの移動とその積載状況についてよりいっそう焦点を絞っており、コンテナ、積み出しラック、及び移動する在庫の位置と状態に関するより正確で詳細な情報を可能とするコンテナモニタ方法及びシステムについて自明でない拡張と付加を示すものである。その記載されている拡張は、供給業者(例えば部品の生産者)、運輸業者(トラック輸送、船積み輸送、あるいは貨物運送会社)、倉庫、及び部品を組み立てて完成品を生産する末端顧客から、一般的な運送プロセスにおける無駄と非効率を低減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,712,789号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動中のコンテナ追跡は、十分に開発されており、衛星や他の電子技術の利用を含み、移動中の位置に関するリアルタイムのデータを得る。在庫の計算及び管理もまた、十分に開発された分野であり、非常に大規模な倉庫の内容がいつの時点でも高いレベルで詳細に確認することができる。商品とその商品の移動に要する運送についての状態及び計算全般に渡るコントロールが欠如している領域は、一つの施設、及び複数の施設においてコンテナが受領されるヤードである。一つの施設におけるコンテナの位置と積載状態に関する情報、あるいは施設内における多数の部品(特に小物部品)の集計がないために、生産者、供給業者、あるいは運送業者は、資産に関する最新かつリアルタイムの集計を計算することができない。
【0006】
例えば、一般的な商品の販売及び運搬契約においては、運送業者は衛星追跡システムによってコンテナが工場に到着したことを知ることができるが、そのコンテナが空であったか、一部空であったか、または再積み込みされたか、あるいはラック等その再積み込みの内容はわからない。運搬契約における運送業者の「資産」は、運搬が完了したときに工場に提示する貨物引換証(bill of lading)である。しかし、この貨物引換証は、運搬が完了するまで支払いを受けることができない。したがって、運送業者は、その工場におけるコンテナの積載状態に関する情報を持っていなければならない。供給業者の資産は、工場に配送された商品についての売掛金である。供給業者のインボイスに対する支払いは、商品の配送ではなく、完成製品へのその商品の実際の組み込みを条件とすることができ、「生産時支払い(paid-on-production)」として知られている。供給業者の資産にはまた、引き続いて商品を発送できるように、供給業者に返却されるべきいかなるラックをも含めて考えることができる。実際、供給業者がラックを所有しており、そのためにラックを返却させることにいっそう関心が高いこともある。供給業者が運送業者が供給業者の施設に着くまでラックが誤って返却のために発送されたことがわからないとすれば、供給業者は(たぶん顧客も)損失を被る。顧客の資産は、もちろん部品等の発注した商品である。組み立て前に部品を保有しておくコストを低減しあるいはカットするために、顧客は理想的には、組み立てで必要になったときに初めて商品を受け取ることを希望する。この欲求を調整するために、顧客は運送業者による工場への商品運搬について情報を持たなければならない。部品をジャストインタイムに配送することはよいアイデアであり、ある生産業務には適用することができるが、あらゆる生産について実際的であるわけではない。したがって、顧客は結局構内にある種の部品を保管せざるを得なくなり、事実上、倉庫として機能する。このような保管や倉庫での管理のコストを最小とするため、顧客はどの商品がどのコンテナで着くか、コンテナはどこにあるのかを把握しなければならない。
【0007】
大方の物流システムでまったく対応がされていない他の重大なエリアは、コンテナ内で製品を支持するラックである。これらのラック、その位置、返却されるまでの予定時間、及び状態は、ラックが搬送する製品と同じくらい重要で貴重である。ラックがなければ、多くの製品は発送することができないからである。したがって、発送するラックの追跡、とりわけ供給業者への返却途上での追跡を、製品運搬と同程度に細かくする必要がある。
【0008】
また従来技術は、締結具や電子部品といった比較的小さな部品の物流管理を見逃している。小物部品は一般に、パレットからカートン、そしてボックスと、次第により小さなコンテナで配送されている。大量の小物部品を保有していることは、ただちに組み立て設備内における損失につながる。そこで、小物部品コンテナの配送を追跡し、完了した生産に対比した保管している在庫をモニタするシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、発送するコンテナの追跡、積み替えのモニタ、積載状態、リアルタイムの全在庫計算について改良された物流コントロールする方法及びシステムを提供する。本発明の基本的な態様によれば、コンテナモニタリングシステムが設けられて、発送するコンテナに関する情報を、その位置及び積載状態を含めて蓄積し格納する。このシステムは、システムによってコンテナがモニタされるべき定められた境界内にあって、そのシステムによってモニタされるコンテナを受け入れる受け入れエリアと、その境界にあってコンテナがその場所で記録されているあらかじめ存在する識別コードによって識別されるコンテナエントリポイントと、施設から受け取る指示にしたがって受け入れエリアへ及びそのエリアから、また一つの施設へ及びその施設からコンテナを移動する積み替え車両と、前記定められた境界内におけるコンテナの位置、積載状態に関する情報を、受け入れエリアIDについての情報、及びある受け入れエリア内の指定されたスロットにおけるコンテナのIDを含めて記録する手段を有する。
【0010】
本発明はさらに、ある施設へのコンテナの到着、受け入れエリア内での積み替え車両によるコンテナ移動回数、及び施設のドックにおけるコンテナの位置と荷下ろし作業についてレポートを生成するコンピュータ手段を提供する。
【0011】
本発明はまた、コンテナ積み出しターミナルと目的地の施設とのモニタされるネットワーク内でコンテナをモニタし探索するシステムを提供する。このシステムは、運送業者が、特定のコンテナが位置しているネットワーク内において、ターミナル又は施設を識別し、ターミナル又は施設のどこにコンテナが位置しているかを把握し、施設のターミナル内でコンテナの積載状態を把握することを可能とする。
【0012】
本発明はまた、運搬中に、施設で、及び施設内でのコンテナ内における製品発送についてリアルタイムデータを生成する仮想の在庫追跡システムを提供する。
【0013】
本発明はまた、供給業者へのラック返却を完了するためにコンテナ内にラックを再積み込みすることから発送ラックの返却作業に関する電子的及び紙の記録を生成する方法及びシステムを提供する。
【0014】
そして、本発明はまた、生産主導の運搬及び小さなサイズの在庫をコントロールするために調整された倉庫保管及び配送システムを提供する。
【0015】
これらの、そして本発明の他の態様は、添付図面を参照して特に詳細に記載され、その図面はこの発明の原理とコンセプトとを実現しうる種々の方法をその一部であるが表しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明のコンテナモニタ・制御システム(CMCS)の一実施例における基本的な動作要素の概略図である。
【図2】図2は、関連するデータベース、管理情報システム、及び入力・通信装置を含む、本発明のコンテナモニタ・制御システム(CMCS)の基本的なハードウェア要素を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明のコンテナモニタ及び制御システムによって生成されたコンテナ状態レポートの一例である。
【図5】図5は、本発明のコンテナモニタ及び制御システムによる一定の処理ステップを示す流れ図である。
【図6A−6C】図6Aから6Cは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成した代表的な画面表示である。
【図7A−7D】図7Aから7Dは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したドック業務の画面表示及びレポート例である。
【図8A−8B】図8Aから8Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ到着に関する簡易レポートとその画面表示例である。
【図9A−9B】図9Aから9Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ積み替え業務に関する簡易レポート及びその画面表示例である。
【図10A−10B】図10Aから10Bは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したある施設でのコンテナ荷下ろし業務に関するlive荷下ろし除外レポート及びその画面表示例である。
【図11A−11F】図11Aから11Fは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成したコンテナ受け入れヤード内駐車スロット内におけるコンテナ位置、素性、及び積載状況に関する簡易レポート及びその画面表示例である。
【図12A−12D】図12Aから12Dは、本発明のコンテナモニタ及び制御システムの一定の機能を実行するコンピュータプログラムが生成した施設又はターミナルのモニタされているネットワーク内におけるターミナルでのコンテナ位置に関するレポート及びその画面表示例である。
【図13A−13D】図13Aから13Dは、本発明の仮想在庫追跡プロセスを示す流れ図である。
【図14A−14C】図14Aから14Cは、本発明にしたがって、発送ラックの返却輸送について、電子的及び紙のレコードを記録し、照合し、作成するプロセスを示す流れ図である。
【図15】図15は、本発明にしたがって調整された倉庫保管及び部品配送プロセス及びシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明のコンテナ及び在庫モニタシステムの基本的な側面での一の適用を概略的に示しており、施設境界Bの領域内である。施設Fは、工場、倉庫、補助組み立て(sub-assembly)プラント、貨物積み替えステーション、配送センター、あるいは配送コンテナが積み込み又は荷下ろしされる他のいかなる場所であってもよい。施設境界Bは施設Fを取り囲むか、あるいはそれと関連を持った領域である。ここで使用されている「システム」の用語は、ここに記載されているコンテナ及び在庫をモニタする方法を実行するのに用いられる記載の施設、ハードウェア、及びソフトウェアを示しており、また、そのシステムを作用させるのに用いられる装置及び機器を示していて、コンピュータハードウェア及びソフトウェア、周辺データ入力機器、モニタ、通信装置、輸送車両、配送コンテナ及び配送ラックを含む。図1に示されている基本システムでは、システムはコンテナCについての情報を、施設境界Bに対するコンテナの位置に関して蓄積し、格納し、拡散する。施設境界Bへの進入及びそこからの進出は、ゲートGを通じて行われ、これによって制御される。以下に記載するように、このシステムが利用するコンテナ及びコンテナ貨物についての時間に影響されやすい重要なデータは、ゲートGなどの施設境界Bへの進入ポイントで収集される。
【0018】
さらに図1に図示されるように、各受け入れエリアYは、Y1、Y2などといった固有の指定符号が割り当てられている。各ドックは、D1、D2等というふうに固有に指定されている。配送コンテナの移動者、及び各配送コンテナも、コード又は番号によって固有に識別されている。例えば、トラック輸送業界では、コンテナを運搬する運送業者又は配送会社の車両は、各々例えば配送会社の名前に対応させることができるアルファ「SCAT」コードによって独自に識別されている。各コンテナには、SCATコードと組み合わされる独立したコード(通常は数字)が割り当てられ、それぞれ運送業者とコンテナとの組合せを識別する。このコードの組合せは、コンテナを追跡し、運送業者の能力をモニタするのに利用される。このシステムは、船舶・鉄道・トラックの協同一貫輸送用コンテナ、航空貨物コンテナ、タンカー、塵芥運送業者、あるいは他のいかなる形式の配送コンテナ等、他の配送様式にもただちに適用可能である。すべての運送業者及びコンテナのコード化されたID、施設境界を越えてのコントロール、及び施設境界内におけるコンテナの状態及び位置を記録する手段を備えたことで、このシステムは、物流を最適化するために設備、供給業者、及び運送業者が利用することができる配送プロセスについて詳細なデータを編集するための基本的な枠組みを有する。
【0019】
このシステムは、施設境界B内でのコンテナの移動と位置をすべてモニタし記録する。例えば、コンテナCがゲートGを通って施設に運送車両Vによって配送されると、その到着日付と時刻がシステムに読込まれ、コンテナは運搬手段Sによって受け入れエリア、すなわちヤードY内に配置される。ヤードY内でのコンテナの位置もまた記録されるが、施設境界Bに到着してからのコンテナが移動された回数もまた同様である。このデータは、さらに以下説明するように、施設のコンピュータシステムに転送されるか、又はそれにより利用可能とされる。施設境界B又はヤードY内でのコンテナの移動は、ここでは「スイッチ」と称する。それはまた、一般に運送業界で「スポット」又は「ドロップ」と呼ばれている。
【0020】
図2は、コンテナ及び在庫モニタシステムのコンピュータシステムが施設Fのコンピュータシステムと組み合わされている統合システムを概略的に示している。コンテナモニタ・制御システム(CMCS)10は、コンテナに関連するデータを受領して処理する中央処理ユニット11、コンテナモニタシステムデータベース12、仮想在庫データベース13、CMCS10に対して局所的に又は遠隔的に配置することができる一以上のコンテナデータ入力端末器14、CMCSモニタ15、遠隔地にあるコンピュータシステム及び/又は、EDI、ファクシミリ、電子メール、あるいはインターネット接続等のデータ受信モジュールへの通信リンク16、遠隔コンテナデータ送受信器18、及びCMCS10によって取得され処理されるコンテナデータのハードコピーレポートを作成する一以上のプリンタ20を有している。システム10の一つの可能なハードウェア構成にあっては、一以上のコンテナデータ入力端末器14とモニタ15とを一又は二以上のゲートGに配置して、入ってくるコンテナと出ていくコンテナから取得されるデータをCMCS10に入力することができる。本システムに関し、運送業者及びコンテナについてのデータを入力するために、多くの異なったタイプのデータ入力機器を利用することができる。ゲートGに配置されているオペレータの人は、運送業者とコンテナが到着すると、そのデータを入力することができる。他の入力方法及び装置は、オペレータにデータを転送するためにスイッチ車両Sの運転手が操作する携帯無線器、RFIDタグ及びリーダ技術、超音波検出器、光学スキャナ又はテキサスインスツルメンツ社やテクロジクス(Teklogix)社が製造しているようなRFデータ通信装置、あるいはTelxon PTC921及びPTC912DS等のバーコードリーダを含む。スイッチ車両Sには、好ましくは遠隔端末受信表示装置が設備され、データ入力、データ受信及びコンテナ位置とスイッチ又は移動指示についてのリアルタイムの表示を可能とする。
【0021】
CMCS10は、例えばコンテナが配送される設備の管理情報システム(MIS)(ここでは、「第1顧客MIS30」又は「顧客MIS」という。)、及び/又は末端又は中間顧客(ここでは「第2顧客MIS60」)、及び/又はコンテナ運送業者のMIS(ここでは、「運送業者MIS40」)等の他のコンピュータシステムと相互運用可能である。ここで使われているように、「顧客」という用語は運送業者によって配送される商品を供給業者から受け取る者をいう。顧客は、倉庫、貨物運送業者、下位部品組み立て業者(subassembler)、最終組み立て業者、あるいは配送された商品の販売者であってよい。
【0022】
さらに図2に示されるように、この発明の好適な実施例では、CMCS10は通常プラント、又は顧客MIS30及びコンテナ運送業者MIS40にリンクされて、コンテナ及び在庫データを相互に交換している。もちろん、接続は他のMIS及び/又はデータベースにもすることができ、CMCS10によって編集されるコンテナデータの利用しやすさ(accessibility)はいっそう拡大される。いる。MISは、一般に、ビジネスの意思決定プロセスを支援する一セットのコンピュータ化されたデータ収集、分析、及び報告ツールを含み、情報提供レポートを作成するためのデータ分析及び報告ソフトウェアがプログラムされたコンピュータによってアクセス可能なデータベースを含んでいる。
【0023】
ここで、一般的なコンテナモニタシーケンスを、図1の物理的な構成と図2に関して説明したモニタハードウェア及びソフトウェアとを参照して説明する。(運送業者の車両Vが牽引している)コンテナCが施設FのゲートGに近づくと、車両に示されている運送業者及びコンテナ識別標章(例えばSCATコード)がコンテナの外面に表示されている対応するコンテナ番号とともに、到着時刻を伴ってCMCSに入力される。記録されたコンテナの到着時刻は、停留時間クロックを始動させ、施設F等の目的施設の構内にコンテナが停留していたトータル時間を正確に測定する。この情報は、運送業者にとっても顧客にとっても重要である。システムに記録されたコンテナ停留時間は、余分な時間保管された運送業者のコンテナを明確に識別する。顧客、すなわちコンテナ貨物の最終受け取り者は、コンテナの余分な停留時間について運送業者に料金を払わなければならないが、システムが提供するこの情報を利用して、余分な停留について独自に運送業者からの請求を照合することができる。
【0024】
この発明の好適な方法では、運送業者とコンテナの組合せのデータが、到着するコンテナごとに、運送業者MIS40、供給業者MIS50、顧客MIS30の間で、コンテナの到着に先立って出荷予告通知(ASN)の形態で送信され、施設Fに到着して運送業者及びコンテナが識別されCMCSに入力されると、この情報はCMCSから顧客MIS又は運送業者MISに送信されるので、システムは、特定のコンテナが実際に目的地に到着したことの確認を連絡する機能を実行する。いったんこのような確認が発せられれば、システムは引き続き施設Fのまわり及び構内のコンテナをモニタする。
【0025】
貨物引換証情報も、各コンテナについて運送業者MISから顧客MISへ送信することができ、(運送業者とコンテナ番号のみによって識別される)コンテナの到着確認により、顧客MISが例えば部品が構内に到着して組み立てに使用可能となっていることを特定して判別することができるには十分である。(同送されている貨物引換証に示されているので)コンテナモニタシステムがいずれか特定のコンテナの中身を把握することは必要ではないが、これは、(運送業者MIS、顧客MISにより、あるいはCMCS入力端末器14を通じて)CMCSにただちに入力することができる情報であり、積載物が識別された特定のコンテナ配達されたことの確認を可能にする。言い換えると、いかなるコンテナの積載物のデータも、顧客又は供給業者MISのデータ内容の代わりに又はそれに加えて、運送業者・コンテナIDと関連づけてCMCS内で格納することができる。
【0026】
貨物引換証に関連する運送料金及び累積料金もCMCSに入力することができる。このデータは、(例えば顧客MISに常駐している)独立した会計支払いプログラムと関連づけることができ、それによりCMCSからのデータによって顧客から運送業者への支払いを許可することができる。この方法によると、運送業者への支払いは、実際に顧客の構内で受領されたか取り降ろされたコンテナあるいは商品についてのみなされることになる。同様に、運送業者はシステムが提供する配送確認データを利用して、特定の配送が完了したという実際の確認を伴って顧客に対する請求書を作成することができる。
【0027】
(本発明によって予期されるところであるが)コンテナの特定の積み荷の位置及び状態をモニタする代わりに、本発明の一の方法は、「満載(full)」、「最低重量(truck load)」、「一部積載(partial load)」、あるいは「空(empty)」といった区分を用いることによって、いずれかの所定のコンテナの積載状態をモニタする。積載区分規則は、コンテナの積み荷を取り降ろす責任がある顧客からの指示に基づいて、(実際に満載であるかどうかに関わらず)入ってくる全部のコンテナにCMCS内で「満載」とラベルを付け、すべての出ていくコンテナに「空」と付けるように利用することができる。「一部積載」はまた、一部の積み荷が取り降ろされた特定のコンテナがドックから移動され後刻戻されねばならないという顧客からの情報に基づいて識別される。このような「一部積載」というコンテナの指定がなければ、顧客は残りの部品が必要になったらコンテナを再配置する、あるいはコンテナ内にまだ部品があれば、空になるまで構内から出ることを許可してはならないとのモニタをする効率的な方法はなかったであろう。このようなすべての積載状態データは、送信について説明した態様でCMCSに入力され、ファクシミリ、電子メールにより、又はインターネットやワールドワイドウェブを通じて、顧客MIS及び運送業者MISに入力される。したがって、コンテナが空状態となってピックアップできるようになると、運送業者にただちに通知される。
【0028】
このシステムはまた、特定の構内あるいは施設についてすべての出入りしたコンテナに関する累積積載データをモニタする。コンテナの積み荷の全数を表計することによって、システムは構内にある配送量につき現状の数字を保持することができる。このデータは、それから既知の容量値と比較され、施設利用の評価及び/又は予測が行われる。本発明のこの態様の一適用例は、ゴミ埋立て施設であり、コンテナの積み荷がモニタされ、ゴミ埋め立て地の残り容量が継続して計算される。
【0029】
積載状態及びコンテナの積み荷と関連しているのは、コンテナ内部に嵌め込まれている部品運搬ラックについてのデータである。システムの一定の応用にあっては、ラックのモニタは、特定の部品は特別に用意されたラックがなければコンテナで運搬することができないとの理由で、コンテナのモニタと同程度に、あるいはそれ以上に重要である。例えば、自動車エンジンのような部品は、自動車組み立てプラントからエンジンプラントへ空のラックが返却されなければ発送することができない。したがって、このようなラックを保持するコンテナは、CMCS内で特別に識別されることで、このようなコンテナは完全に積み荷が降ろされて空のラックがコンテナ内に戻され、例えばそのコンテナは特に「ラック積み出し(racks outbound)」と識別されるようになっている。
【0030】
コンテナ車両V又はスイッチャーSは、施設境界Bの外部又は内部にある受け入れエリアYでコンテナCを降ろす。初期の取り降ろし地点の位置は、CMCSにただちに入力するため、入れ換え車両運転手等、施設構内の係員が操作する遠隔コンテナデータ送受信器18からの通信によって確認される。これにより、CMCSによる顧客MISへの継続的かつ迅速なコンテナ位置及び状態のアップデートパターンが開始され、顧客MISはいかなる探索や遅延も要することなく積み荷を配置することができる。顧客は、どのコンテナがどのドックに必要であるかの指示、つまりスイッチ指示を与える。スイッチ指示は顧客MISで生成し、スイッチャーSの係員に届けるか、遠隔データ送受信器18を介してスイッチャーSに通信するため、CMCSに送信することができる。スイッチ指示は、スイッチャーSの操作員によって実行され、例えばトラック運送業務の場合には、トレーラー等のコンテナをフックで連結し、受け入れエリアから特定のドックに移動する。ここでは、「コンテナ」という用語と「トレーラー」の語とは同義に使用している。新しいコンテナの位置は、CMCSデータベースにあるコンテナのデータを更新するために、ドック又はゲート番号の形態で再びCMCSに報知される。コンテナがドックに留まっていた時間は、稼働している停留時間クロックでカウントされる。
【0031】
施設から受信される後続のコンテナスイッチ指示は、例えばドックからコンテナを退かせてヤードに戻すために、同じように搬送されてスイッチャーSによって実行され、CMCSデータベースを更新するために報告される。そのデータはもちろんコンテナの位置を含んでいる。コンテナの積載状態もまた、顧客によって与えられる情報にしたがって更新される。例えば、一部の積み荷が降ろされて、その後受け入れあるいは待機(holding)エリアに戻されるように指示されているコンテナは、システム内で「一部積載」と注記される。したがって、このコンテナは、元に戻して荷下ろしを続けるよう指示されればただちに識別可能である。一つのコンテナが、構内を出る前に複数回ヤードとドックとの間、あるいはドック間をスイッチされた場合には、システムが各スイッチ動作を記録する。この情報は、顧客にとって、生産あるいは流通プロセスが非効率的であることを示す余分なスイッチを見極めるのに有用である。システムは常時構内におけるすべてのコンテナの位置及び状態を継続して追跡しているので、計算により追加のコンテナを受け入れる利用可能な容量を求めることができる。これは、ゴミの埋立てのような一回限りの運搬についての計算を含む。
【0032】
いったんコンテナが完全に空となってヤードに戻されると、そのことはCMCSデータベースに記録され、空となって構内から出発できる状態になっていると運送業者に報告する。到着及び停留時間と積載状態を含めて、コンテナの位置及び状態に対してCMCSが取得したすべてのデータを連絡するために、システムは、すべての顧客と顧客にコンテナを配送するすべての運送業者との利益のため、あらゆる所望のフォーマットでコンテナ作業のレポートを作成することができる。
例えば、図3に示されているように、「ディテールオンハンド(Detail on Hand)」レポート100を、到着日付及び時刻、ヤードの位置、積載状態等の状態データを伴って運送業者及びコンテナがリストされるような列及び行といったいかなる特定のフォーマットでも、CMCSによって生成することができる。一列目には、トラックのSCATコード等、運送業者識別符号がリストされている。二列目は、各運送業者をフルネーム又は略称で示している。三列目は各コンテナの到着日付をリストし、四列目には到着時刻がリストされている。五列目にはコンテナが最後に荷下ろしする、あるいはした一又は複数のドックがリストされる。六列目には、各コンテナの最新のヤード位置がリストされている。七列目には、コンテナ積載状況が示されており、「ラック積み出し(racks outbound)」といった空ラックの注記を含めてもよい。八列目は運送業者に対応するコンテナ番号を列記する。九列目は、積み荷のIDや数量、及びマスターパッキングリストなどに含ませることができるような他のどのような積み荷データでも、積み荷に特有のデータをエントリするために設けられている。
積み荷固有データは、供給業者が完成品に部品が組み込まれたときに初めて支払いを受ける、「生産時払い」システムで供給業者に支払いをする顧客にとって重要である。特定の部品の配送が実際にプラントに到着したこと、及びコンテナが空状態でプラントを離れたことを把握することによって、システムは顧客に供給業者への支払いに対する許可について、別個の確認を与えることができる。この積み荷特定データは、さらに、コンテナ内のラックに関するデータを含んでもよい。ラックの積み荷には、ラックの番号、タイプ及び目的地を示す貨物証券(freight bill)が付されているので、この情報はすべてCMCSにただちに入力することができ、前記レポートの九列目に示すように、空のラックが部品生産施設へ返却されるのを促進する。
【0033】
図3のレポートは、ある期間の暦日に渡って、運送業者によって整理されている。このシステムが生成しうる他のレポート様式としては、特定のヤード又は受け入れエリア、到着時刻、荷下ろしドック、特定の運送業者のコンテナ番号、又は積載状態にしたがったものがあり得る。例えば、図4に示されているレポート120は、完全に空状態であって、構内からいつでも出発できるトレーラーコンテナだけを列記する、「空トレーラーレポート(Empty Trailer Report)」として編集されている。このタイプのレポートは、顧客の構内からできるだけ速やかにコンテナを回収したいと考えている運送業者にとってもっとも有益である。このレポートはまた、運送業者から請求される超過停留料金をチェックするために、顧客にとっても有用である。このフォーマットでは、運送業者及びコンテナが一列目に、荷下ろしドックが二列目に、現在のヤード位置が三列目に、初期の積載タイプが四列目に示されている。五列目の「パッキングリスト」は、前記したように、コンテナの積み荷に関する特定のデータをエントリするために設けられている。六列目の数字は、到着時刻からレポート生成時刻まで、コンテナが構内に留まっていた総時間を表している。そして、七列目は、六列目の測定時間に対するフラグフィールドとして設けられており、ピックアップについて「期限超過(past due)」のコンテナを示している。
【0034】
図5は、本発明にしたがってコンテナをモニタするための一つの処理フローを概略的に示しており、そのステップは、CMCS等の適宜にプログラムされたコンピュータによって実行するのに好適であろう。このコンピュータプログラムは、システムの操作員に接続されたモニタに表示するための画面表示を生成する。この画面表示は、コンテナデータを入力及びチェックするための図表又はスプレッドシート形式のフォーマットと、システム内のコンテナに関する異なったタイプの情報にアクセスするための制御メニューとを提供する。
【0035】
プロセスはステップ0で始まり、ステップ100まで進んでコンテナの到着を判定する。ステップ200は、到着する各コンテナがシステムによって個々に識別されていることを確認する。図6Aから6Cには、CMCSモニタでコンテナ情報を入力及び表示するために、CMCSコンピュータプログラムによって生成される画面表示のタイプが示されている。
【0036】
例えば、図6Aのような画面表示は、ステップ300で生成されるコンテナ識別ヘッダのフォーマットを提供する。このヘッダは、仮想データエンベロープとして利用され、それにより、あるいはそれを介して、識別されたコンテナに関連するすべてのデータがアクセス可能、転送可能、操作可能となる。到着記録はステップ400で生成される。ステップ500は、例えば「ホット(hot)」な積み荷を表す顧客MISから受信した情報に基づいて、ただちに「スポット(spot)」しなければならない、あるいはヤード又はドックへ移動しなければならないコンテナに対応するために設けられている。ただちにスポットする代わりに、到着するコンテナはステップ600でヤードにスポットされ、ステップ700でヤード位置に関してヘッダレコードが更新され、またヤード内における駐車スポットの下位の指定を含むことがある。
【0037】
図6Bは、トレーラースポットの更新入力画面表示である。ステップ1000において、積み荷が積まれたコンテナは、顧客から受信される指示に基づいて、受け入れドックに呼び出される。その呼び出されたコンテナに関するヘッダレコードは、図6Cの入力画面表示を介してコンテナIDを入力したりすることによって、ステップ1100で探索されて、中間的なエラー訂正ステップ1200及び1300を有し、コンテナスポット又は移転が行われてステップ600及びステップ700で同様にシステムが更新される。構内から出発しようとするコンテナは、ステップ1400でモニタされ、図6Cの画面表示を介してステップ1500で再び対応するヘッダレコードの探索を要求する。ステップ1600及び1700ではマッチするデータがないときにエラー訂正が行われ、ステップ1800及び1900ではシステムにコンテナの出発が入力され更新される。このシーケンスを通じて使用者に追従しかつ促すようにプログラムされているCMCSに関連してこれらのステップを実行し、プラントのエントリ地点と構内とを制御することによって、システムは構内にあるすべてのコンテナの識別標識、位置、積載状態、及びコンテナが構内に留まっていた時間に関する正確なレコードを維持する。
【0038】
本発明はさらに、ドックの利用状況及び所定の施設についての利用可能性に関する詳細な情報を提供する。この情報は、ドック利用状況の分析が可能となるため、入ってくる積み荷、特に、ジャストインタイム配送を目的としてゲートからドックへ直接進入する「ホットな(hot)」積み荷や「ライブな(live)」荷下ろし(unloads)を計画するため、あるいは配達が予定された時間枠内に到着するように調整するために、その施設の管理者にとって非常に有用である。ドック利用状況は、直接施設内の生産あるいは倉庫保管業務に関係するが、それは、各ドックが施設内で指定されたタスクにもっとも近い位置にあるからである。特定のドックがコンテナによって占有されていると、次に近い利用可能なドックはどれかが非常に重要である。
図7Aに示されているように、システムはリアルタイムのドック利用可能性レポート(Dock Availability Report)701を生成するが、これは列702に施設内の各ドックを数値でリストし、続いて列703は運送業者及びコンテナ識別コードである。レポート701は、ドックにドロップしたコンテナについて運転手又はスイッチ車両Sから受信されるデータより作成される。このレポート701は、スイッチ車両内で、無線周波数で動作する携帯装置又は車載コンピュータのディスプレイに表示することができる。
【0039】
それぞれのコンテナの各ドックでのドロップ又は移動を記録することによって、システムはさらに、図7B、7Cに示されるように、種々のドック作業レポート(Dock Activity Report)を生成する。図7Bは運送業者別ドック作業レポート(Carrier Dock Activity Report)であって、所定の運送業者(フィールド711の「LEHM」等)に関し、所定の日(フィールド712の「12/04/97」等)について、フィールド713にドックに入ってきたコンテナの総数とともにそれらがどこから来たのか(例として、ヤードから、他のドックから、直接到着等)を示し、フィールド714にはドックから移動されたもしくはドックに残されたコンテナの総数が、フィールド715にはドックから移動されたコンテナの積載状態が示される。積載状態は、部分的(partial)、空(empty)、空ラック(empty racks)、あるいは「ライブ・アンロード(live unload)」等、他のものとしてもよい。異なるタイプのコンテナ、又はコンテナのスイッチ又は移動のその日の総数は、フィールド716に記録される。
【0040】
図7Cに示すように、このシステムはさらに、特定のドック及び特定の運送業者について、特定ドック作業レポート(specific dock activity report)720を生成する。その特定ドックは、フィールド721に表されている。「ドック入場時刻(In Dock Time)」フィールド722は、そのドックにコンテナが到着した日付と時刻とを記録する。「ドック出場時刻(Exit Dock Time)」フィールド723は、そのドックからコンテナが出発した日付と時刻とを記録する。「停留時間(Dwell Time)」フィールド724は、そのドックにコンテナが留まっていた総時間を分単位で記録する。「トレーラー(Trailer)」フィールド725は、コンテナの識別番号を記録し、この例ではコンテナはトレーラーである。そして、「運送業者(Carrier)」フィールド726は、運送業者を識別する。フィールド727は、到着(inbound)及び出発(outbound)の積載状態を記録する。フィールド728は、起点及び終点のヤードを識別して記録する。
【0041】
ドック作業レポートは、ドックに荷下ろし及び積み込み作業のための労働力を適切に配置することにより、施設管理を支援する。
【0042】
図7Dは「ライブ・アンロード」レポート730で、施設に到着してただちに荷下ろしのため直接ドックへ牽引されたすべてのトレーラーを記録する。ライブ・アンロード・ドックは、フィールド731に示される。「ドック入場時刻」はフィールド732に、「ドック出場時刻」はフィールド733に、「停留時間」はフィールド734に、「トレーラー」すなわちコンテナ識別子はフィールド735に、そして、「運送業者」識別子はフィールド736に記録される。レポート730は、運送業者及び物流業者の能力を測定することで、施設管理を支援する。「ライブ・アンロード」は、貨物が施設内に直接受け入れ可能な地点又は時間枠に定時に到着するという、もっとも効率的な配送シナリオを示しているからである。
【0043】
レポート720から、運送業者は、自分のコンテナがいつドックに着いたか、そして各コンテナが荷下ろしのためドックにどのくらい留まったか、コンテナは完全に荷下ろしされたか又は一部だけか、を正確に把握する。この情報は、荷下ろしについて割り当てられた合意された時間を超える、コンテナの超過停留について、施設所有者への請求書を編集するのに利用される。施設所有者は、このレポートを利用して、超過停留料金に対する請求書が正確であることを確認する。施設所有者はまた、このレポートを利用して、荷下ろし作業における非効率やジャストインタイム生産業務の不正確な時間調整を明確にすることができる。例えば、もし特定のドック又はドック群が他よりももっと活発であったり、他よりも長い時間占有されているとすれば、そのことは、それらのドックで荷下ろしを迅速に処理するためにより多くの作業員が必要であることを示している。日ごとに作成されるレポート710及び720は、システムによって運送業者と施設管理者との両者に自動的にファックスされ、適切な物流調整を行うことができる。その代わりに、運送業者及び施設の両者は、図2に関して説明したように、電子メール又はインターネット経由を含んで、適当な接続を用いてCMCSからレポートにアクセスすることができる。
【0044】
毎月何千ものコンテナが発着する施設の管理者にとっては、コンテナ到着に関する傾向についてのデータを持っていることが有利である。この情報は、配送枠を識別したり、配送に関する物流戦略を変更するために利用される。それは、ジャストインタイム配送の時間調整をするためには特に有用である。図8A及び8Bはともに、到着計数レポート(Arrival Count Report)801の例であり、一ヶ月の各日のコンテナ到着を、一時間ごとに示している。その月の日は、列802に列記されている。各日の時間は、列802の右側の列803にリストされている。コンテナ到着の全数は行804に記載されており、一時間あたりの平均コンテナ到着回数は、行805に示されている。図8Bにおいて、フィールド806は、特定の月について一週間の各日における全部の及び平均のコンテナ到着回数を示す。フィールド807は、特定の月の各週における、日ごと、時間ごとの全到着数を示す。そして、フィールド808は、特定の月の各週の日ごと、時間ごとの平均到着回数を簡略形式で示している。
【0045】
このシステムはまた、図9Aの「スイッチ計数レポート(Switch Count Report)」901によって示されているように、日ごと、時間ごとに全スイッチ回数を記録する。列902は特定の月の日を列記する。列903は一日の各時間についてのもので、右端の列904は合計である。システムオペレータは、この情報を利用して、スイッチ車両操作員の配置を計画し、スイッチ又はスポット作業ごとについて請求を細かく記載することができる。図9Bの「スイッチ計数簡易レポート」では、選択された月についての一週間の各日ごとのスイッチ回数総計がフィールド905に、選択された月についての一週間の各日ごとのスイッチ平均回数がフィールド906に示されている。一週間の日ごと時間ごとの全スイッチ回数がフィールド907に、そして、一週間の日ごと時間ごとの平均スイッチ回数がフィールド908に示されている。
【0046】
このシステムはまた、「ライブ・アンロード除外(Live Unload Exception)」レポート1001を、図10Aに示すように生成する。システムは出荷予告通知(ASN)によって、特定の積み荷が「ライブ・アンロード」であると指定されている、すなわち最初にヤードや保管エリアにスイッチされたり配置されることなく直接ドックへ配送されるべきコンテナであることを意味しているから、システムのスイッチャーSがそのようなコンテナにコンタクトすると、コンテナの状態は自動的に「ライブ・アンロード除外」として記録される。運送業者はフィールド1002に示される。コンテナはフィールド1003に示される。到着の日付と時刻はフィールド1004に示される。「最初の移動(First Move)」の日付と時刻、すなわちライブ・アンロード除外レポートへエントリするトリガを引いたスイッチャーSがそのコンテナにコンタクトした時刻がフィールド1005に記録される。移動回数はフィールド1006に記録される。コンテナが空となる前に、数回移動されるであろう。出発の日付及び時刻は、フィールド1007に記録される。そして、積載状態はフィールド1008に記録される。
【0047】
ライブアンロード除外レポート1001に現れるすべてのコンテナについて、図10Bに示すように、詳細ページ(Detail Page)レポート1010にアクセスすることができる。フィールド1011は、運送業者及びコンテナ識別子、積載状態、当初はライブロードとされていたが、結局ライブアンロード除外となった事実、及びヤードの位置を含む。フィールド1012は、除外されたコンテナに関する各事象の日付と時刻とを記録し、到着、最新の移動、運送業者又はコンテナ所有者へ通知するための迅速なファックス、停留又は留置処置、荷下ろし、ラックの積み込み又は一部積み込み(積み込みの開始)、再積み込み完了及び出発の日付及び時刻を含む。
【0048】
フィールド1013は、日付、時刻、ヤード、ドック、(積み荷の)タイプ、到着/出発(A/D)の記録を含むコンテナ作業の継続する履歴を与える。
【0049】
ドック利用可能性に関する情報が重要であるのと同様に、施設を取り囲む種々のヤードの利用についての情報も重要である。この目的のため、システムは図11Aから11Fに示される「スロット利用可能性(Slot Availability)」レポートを提供し、これは、モニタされる各ヤードにある各(駐車)スロット内でのコンテナIDに関するリアルタイムの情報を提供する。図11Aは、ヤードスロット利用可能性レポート1101の一のグラフィックな形態であり、左側の列1102には種々のヤードが示されており、上方のラインをまたいだ1103にヤードスロットが記載されている。これにより、例えばアスタリスク印によって示されるように、コンテナ位置をグラフィックに示すことができる一つの格子が生成される。選択されたコンテナについての対応する詳細情報は、下方の行1104に表示され、ヤード名、行及びスロットの指定、運送業者及びコンテナ識別コード、及び積載状況を含んでいる。
【0050】
代わりに、図11Bに示されるように、「ヤード選択画面(Yard Selection Screen)」1106は、列1107にヤード識別子を、列1108にヤード名をリストする。列1107からヤード識別子を選択すると、ユーザーには図11Cに示す「行選択画面(Row Selection Screen)」1110が示される。画面1110の列1111から行を選択すると、図11Dのような「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112がユーザーに示される。フレーム1113内には、選択された行の各スロット(例えば1から20)について、指定符号1114が存在する。各スロット指定符号1114の隣には、それらスロット内に存在するコンテナの運送業者/コンテナ識別子がある。
この手順は、一般的なコンテナの位置が知られている場合にもっとも有用である。コンテナの位置が全くわからない場合には、画面1106、1110、1112のそれぞれにサーチ機能が設けられる。例えば、F5を押すと、ユーザーには図11Eに示す「トレーラー番号でトレーラーを検索(Find Trailer By Trailer Number)」画面1116が提示される。トレーラー番号が入力されると、システムは図11Fに示す「トレーラークイック概要画面(Trailer Quick Summary Screen)」1118に切り換わる。画面1118のフィールド1120は、コンテナの積載状態、ヤード位置、ヤード内での行指定、行内でのスロット番号、及びその位置にコンテナを配置したスイッチ車両の運転手の識別子(例:KKS)を表示する。スイッチ車両運転手のIDは、システムのオペレータにとって特に有利であるが、それは、運転手が割り当てられたヤード又は通り(row)内にあるを回収するために、適切な運転手を派遣することができるからである。「トレーラークイック概要画面(Trailer Quick Summary Screen)」1118はまた、図11Dの「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112上でハイライトされたトレーラー/コンテナ識別子を選択することによってアクセスすることができる。ユーザーは、カーソルキー又はマウスを使用して、「スロット詳細画面(Slot Detail Screen)」1112の周辺を移動することができる。
【0051】
通常コンテナは、移動中に衛星その他の電子信号追跡装置によって追跡される。移動中を追跡する型の追跡システムは、コンテナがA地点又はB地点にあることがわかる、あるいはA地点とB地点との間の位置にあることがわかるが、A地点又はB地点の「中に」あるコンテナの位置や積載状態を知ることができないという意味では、マクロなものである。このような情報は、運送業者にとって、生産と調和するような時間配送(time deliveries)を可能とし、コンテナがただちに利用できることを把握し、「ラック積み出し(racks outbound)」等帰還するコンテナの内容を把握し、そして以下さらに説明するように、運送ビジネスにおけるリアルタイムで継続的な会計を形成するのに十分な情報を持つために、非常に重要である。
【0052】
例えば、SAMSYS,Inc.社が製造しているような無線周波数識別(RFID)タグ及びリーダを使用すると、コンテナ位置及び状態を迅速に把握してアップデートすることができる。この装置は一般に、表面に運送業者及びコンテナの識別データがエンコードされたカード又はタグを備えている。タグ又はカードリーダは、ゲートG等の施設境界、又はヤード内やドック内に配置され、コンテナを自動的に識別する。コンテナ位置データはこれによって瞬時にCMCS10に読込まれる(図2)。自動化されたコンテナデータ入力は、代わりに、磁気的にエンコードされたカードとリーダ、又はスキャン可能なバーコードタグを使用しても達成することができる。
【0053】
施設の一群のネットワークに属するタグ又はカードリーダがCMCS10とすべて電子的にリンクされると、CMCSにリンクされている運送業者MIS40は、各コンテナは自動的にシステムに読込まれ、そのリアルタイムの位置を得ることができる。例えば、運送業者又は供給業者は、CMCSに専用回線やワールドワイドウェブを通じてのような、他の接続によって接続することができる。ユーザは、システムへのアクセスを得るためにID番号を入力する。一実施形態において、システムは、運送業者のターミナルと、コンテナがモニタされる施設とを全てまたは幾つか包含する地理的な領域を表示した、図12Aに示すマッピング画面1200を生成する。画面1200のフィールド1201は、モニタされるいずれかのサイトにおいてコンテナの場所を突き止めるためのコンテナ検索入力である。コンテナ番号が一旦入力されると、システムは、例えば図12Bに示す画面1205のように、入力されたコンテナが現在位置しているサイトを表示するために進行する。また、フィールド1206には、サイトの位置の名前と、到着日時と、例えば図10Bのフィールド1013のように表示されうる履歴アーカイブファイルを閲覧するためのリクエストとが表示される。換言すると、特定のサイトにおける特定のコンテナの保存履歴(archival history)、すなわち、コンテナがいつ到着したかという点と、積み換え作業が何回行われたかという点と、いくつのドック及びどのドックにコンテナがあったかという点と、各積み換え作業時と現在の積み荷状態との間の積み荷状態とが提供される。
【0054】
システムは、選択された施設またはターミナルサイトにおけるコンテナの検査を実行するのに同様のアプローチを用いている。例えば、図12Cに示すように、サイト表示画面1208は、システムがモニタする施設および/またはターミナルサイトをそれぞれ地理的に表示し、サイトまたはターミナル検索フィールド1209を含む。サイトの名前が入力されると、システムは、図12Dに示す画面1210へ進行する。ここでフィールド1212においては、選択されたサイトに存在する全てのコンテナのリストが表示される。例えば図10Bのフィールド1013のように、ある特定のコンテナについてフォームによる詳細な保存データを得るために、フィールド1212から特定のコンテナを選択することができる。どの特定のコンテナについてもこのフィールドに含まれうる品目情報としては、コンテナについてのメンテナンス状態に関する記録またはコメントがある。コンテナの移し換え車両の運転者および積み込み者/荷下ろし者は、扱っているコンテナをそれぞれ点検するのに十分な機会を有しているので、気がついた損傷やメンテナンスの必要性についてコンテナ状態のコメントフィールドに入力することができる。これにより、ローリングメンテナンスプログラム(rolling maintenance program)が作動し、知らされた修理の必要性に基づいき、運送業者はコンテナをメンテナンス施設に配達することを計画することができる。当然、コンテナおよびサイトに関するデータを、地理的な描写を含まない異なる形式により代替的に表示することもできる。
【0055】
システムにより得られる上述したようなコンテナの位置及び積み荷状態についてのリアルタイムなデータによれば、例えば運送業者または供給業者等の利用者は、供給チェーンの各段階における仮想の在庫を得るのに十分な情報を有する。図13A−13Dを参照して説明するように、供給チェーンの論理トラッキングは、図13Aのステップ1301において、顧客または荷受人による製品/部品の注文の発行により開始する。供給業者はステップ1302において在庫の本質的なチェックをおこない、ステップ1305における供給業者在庫を確保するのに生産が必要な場合、生産ステップ1303及び1304へ進む。枠に示した「供給業者」とは、ステップ1301において発行された注文に明記された製品の製造元か、あるいは、製造者から製品を物理的に受け取ったり、販売代理人として製造者を代表して製造者のために注文を処理したりする配給者のことである。供給業者は、ステップ1306において在庫から製品を引き出し、ステップ1307において運搬手段に積む。
【0056】
この時点において、輸送用のラックに関する重要な固有のデータの一部が生成される。
【0057】
産業において知られるように、「ラック」という用語は、コンテナ内における安全な輸送のために、一つのパーツまたは複数のパーツを保持するためのいかなるタイプの梱包または支持装置をも意味する。ラックは、カートン、箱またはパレットのようにシンプルなものであっても、あるいは、エンジンまたは製品の他のサブアセンブリを支持する複合的な鉄筋構造物であってもよい。ほとんどのケースにおいては、製品は、対応する特定のラックなしには輸送することができない。
【0058】
運搬のために積まれるパーツの種類および数が、輸送用コンテナにおいて必要なラックのタイプ及び数を表すこととなる。同様に、パレット、パーツの数は、パーツのサイズ、パレットのサイズ、箱またはカートンのサイズ、及びパーツを運ぶコンテナのサイズから算出することができる。これは箱またはカートンが積み重ね可能であるか否かに関わらない。このようなデータは、全てCMCSデータベース12(図2)に常駐させうる。
【0059】
図13Bのステップ1308において、供給業者は、顧客に送り届けるためのアドバンスト輸送通知(advanced shipping notice, ASN)を作成する。ASNは、パーツ数と、供給業者コードと、発行された注文と、購入された注文数と、輸送された数と、送り先と、荷受人または顧客の施設に到着する予想時刻(ETA)とを含む。ステップ1309において、運送業者が供給業者のもとを出発したら、この輸送はステップ1310において「輸送中」として記録される。ASNは、ステップ1311において荷受人/顧客へ電子的に運ばれる。ASNは、ステップ1312において、CMCS(図2)の仮想在庫データベース13に読み込まれる。仮想在庫データベース13に常駐する付加的なデータとしては、供給業者の所在地及びその場所において算出されたETAと、提携している運送業者及びコンテナの種類またはサイズと、ラックに関する情報とが含まれうる。
このデータは、ASNによって供給されるデータに対して、余分に加えられたり、関連づけられたり、付加されたりされうる。アドバンスト輸送通知(ASN)を受け取った結果、在庫は、CMCSが物理的に到着する前に在庫になる予定であることを認知しているという意味で「仮想」のものである。ステップ1314において積み荷がサイトに物理的に到着した場合、運送業者の記録及びコンテナIDにより、ステップ1315において、「仮想の在庫」レコードが作成される。この在庫は、「仮想」である。コンテナが物理的には施設にはあるが、組み立て用または移送用サイトである建物の隣の置き場や埠頭等に置かれており、建物の中に置かれているのではなく、また、倉庫や組み立て用ラインのスポットにおいて類似のパーツをグループ化されていないから、在庫に「近い」ものである。いずれにしてもシステムにより勘定される。
【0060】
ステップ1314におけるコンテナの物理的な到着は、ステップ1316(図13C)においてCMCSに入力される。搬送到着データ(搬送手段及びコンテナID)を、運送業者から受け取ったASNデータとをマッチングすると、CMCSは、ステップ1317において、システム対システムによる検査確認を実行する。そして、ステップ1318において、顧客/荷受人に対していかなる不一致(discrepancy)を通知することができる。運送業者は、特定の積み荷についてASNデータに入ることにより、ステップ1319においてCMCS仮想在庫13に対して問い合わせしうる。これにより、ステップ1320において製品マッチングをすべく仮想在庫ASNファイルをサーチするために、また、ASN/仮想在庫データの正確なマッチングに基づいてステップ1321において運搬レポートを作成するため、システムは迅速化される。これと同時に、ステップ1322において、搬送製品の複数のマッチングは、完全な製品に変換され、これにより荷受人に対して製品の在庫過多および/または過剰輸送についての警告がなされ、したがって更なる購入注文や一括購入注文からの発行を軽減することができる。
【0061】
ステップ1323(図13D)において、搬送手段またはコンテナが降ろされると、ステップ1324において、これは荷受人/顧客の「施設内」在庫となる。荷下ろしは、上述した積み換え作業(switching)により記録される。システムは、ステップ1325において、コンテナが(完全に)荷下ろしされた状態か、再積み荷状態としてコンテナが一旦記録されると、対応するASNをパージする。輸送の完了を受けて、システムは、ステップ1326において、運搬のライフサイクルに関するレポートを作成し、ステップ1327においてこのレポートをアーカイブに記録することができる。
【0062】
上述したシステムの仮想在庫の様態の利点は、その所在地に関わらず、すなわち、輸送中、施設において、あるいは施設内において、全ての在庫に関してリアルタイムなデータを提供することである。これが、供給業者、運送業者、ビジネス、および顧客のビジネスのトータルでリアルタイムな価値の正確な会計を管理する唯一の手法である。本発明の仮想在庫の様態は、つまり在庫管理における顧客のマネージメントを補助する方法である。顧客は、「リアルな在庫」として生産または配達に処される在庫を(物理的に在庫の有無に関わらず)全て「閲覧」することができる。顧客にとっての節約は、在庫を削減すること(すなわち、利益、保険及び税を含む搬送コストを削減すること)と、オフサイトな貯蔵施設や、余分なスペースを借りるなり建てるなりする必要性をできる限り排除することと、倉庫に必要なスペースやこれと関連するコストを可能な限り軽減することと、保険、作業者の報酬や、関連する訴訟を含む、余剰の在庫を入庫する際の安全性に関する問題を回避することとによって実現する。
【0063】
例えば自動車製造者等の顧客による通常の支払いの手続きは、受領証明がなされた上でのみ配達されたパーツについて支払いをおこなうというものである。この受領証明は、通常、積み荷に添えられた積荷証券である。積荷証券は、配送のため運送業者に与えられた商品のために、運送業者が供給業者/荷送人に与える受領書である。この積荷証券は、荷送人/供給業者と運送業者との間の契約を証明するものであるとともに、証券を保有している者に輸送される商品の所有権を発生させる権利証券として機能することもできる。積荷証券は、通常、積み荷を配達した際に運送業者により顧客に提示される。この手続きは、a)コンテナが荷下ろしされる前のある一定期間、顧客の置き場に置かれていたか、b)顧客及び供給業者が、商品についての支払いは顧客の施設内に(完全に)荷下ろしされてからでないとおこなわれないことについて同意しているか、またはc)運送業者は、顧客または供給業者の所有物であるラックをコンテナとあわせて返却しなければならないのか等の事情があり複雑である。特に重要なのは、施設からの「ラックアウトバウンド(rack outbound)」(RO)に関する情報である。なぜなら、施設へのパーツの以降の流れに直接影響するからである。
【0064】
商品の受領及び荷下ろしと、(数量及び種類が正確な)ラックを返却用コンテナに再度積み込んだことを確認するために、紙面による複雑なシステムが考案されてきた。しかし、どのコンテナについても行うべき必要な処理をそれぞれ記録するのに必要ないかなる書類の置き違いや見落としは、このシステムを信用できないものとし、最終的には、a)顧客への在庫が紛失したり、b)ラックの返却の際に起こるミスを補正するために供給業者に実質的に余計な費用がかかったりする結果となった。供給業者は正確な種類及び個数のラックの返却を望んでおり、一方、顧客は正確な種類及び個数のパーツを受け取ることを望んでいる。正しいラックがなければ、供給業者はさらにパーツを配達することはできない。
【0065】
本発明は、複数のコピーペーパーによるチェーンに完全に依存することなく、正確なラック返却を確認し記録するための改良された方法およびシステムを提供する。図14A−14Cを参照して記すように、ステップ1401において、例えばリフトの運転者等、施設での作業者は、空になったコンテナ、例えばトレーラーに返却可能なラックを再度積み込む。ステップ1402において、ラック返却・再積載シート(RRRS)に書き込む。このラック返却・再積載シートは、ステップ1403で得られるMMDT及びラックIDマトリクスと、ステップ1404で得られるドック番号、SCACコード、トレーラー番号、ラック識別子及び数量に基づく。ステップ1405において、ラック再積載シートは、施設ゲートG(図2)へFAXされ、ステップ1406においてCMCSデータベースに入力され、ステップ1407で確認される。ステップ1408において、ラック返却・再積載シートのデータは顧客MIS12へも送られ、ステップ1409において、支払いのために「記帳」される。ステップ1410において、ラック返却・再積載シートからのデータはCMCSに読み込まれる。ステップ1411において、CMCSは、データをデータベースに常駐するMMDTラックIDマトリクスデータとマッチングする。この情報がマッチする場合、システムは、電子(積荷)証券をステップ1412において作成し、対応するコンテナがゲートを通って施設の境界を離れる際にマッチングさせる。この電子積荷証券は、ステップ1413において顧客MIS30または60へ転送され、そのシステムに最新のラック返却データを提供する。運送業者の積荷証券及びラック返却情報に頼るのではなく、システムは、空のラックをコンテナに再積載した人物から受け取った情報に基づいて証券を作成したとともに、その情報をMMDT及びラックIDデータとクロスチェックした。
【0066】
図14Bを参照する。ステップ1414において、ラックを運搬しているコンテナが施設のゲートに到着すると、コンテナ番号がシステムに(マニュアルまたはオートで)入力される。ステップ1415において、システムは、運転者にそのコンテナは「ラック境界外(アウトバウンド)」であることを知らせ、アウトバウンド請求メモ(すなわち積荷証券)をプリントするかどうかを問う。ステップ1416で請求メモが要求されたら、ステップ1417においてシステムは、ラックの返却先を知った上で、走行距離と、平均速度と、DOT規制と、供給業者の営業時間とのデータを基にし、緩衝用の時間としての「X」時間を足して、推定到着時刻(ETA)を自動的に算出する。これらの情報の全ては、CMCSデータベースに常駐のデータから算出した。ステップ1415のアウトバウンド請求メモの請求により、ステップ1418においてコンテナは「出発」状態にアップデートされ、請求メモのデータは、計算されたETAと併せて、ステップ1419では運送業者に、ステップ1420では供給業者に自動的にファックスされる。ステップ1421において請求メモのハードコピーがゲートでプリントされ、ステップ1422において運搬ドライバに手渡される。ステップ1423においてコンテナは出発し、ステップ1424において顧客のラック返却のレコードは実際の出発の日時でアップデートされる。
【0067】
図14Cに示すように、ラック返却の詳細なトラッキングは供給業者にまで戻るように継続する。ステップ1425において、運搬ドライバが計算されたETAに適合したら、ステップ1428において供給業者は、電子的手段または電話にてCMCSに知らせることによりコンテナを「到着」させる。ETA以内にコンテナが供給業者のもとに到着しない場合、ステップ1426において運搬ドライバは供給業者に遅延について知らせ、ステップ1427において供給業者はCMCSのコンテナETAを調整する。コンテナが時間どおり到着した場合(ステップ1428)、ステップ1429においてCMCSに通知され、レコードがアーカイブされる。ステップ1430において、顧客のラック返却レコードはCMCSによってアップデートされる。ステップ1429におけるレコードは、供給業者の見地から配達処理の完了である。時刻どおりラックが返却されることは将来的な輸送のために絶対に必要な条件であるためである。
【0068】
到着したコンテナにおいて正しいタイプ及び数量のラックが返却されたことを確認するために、ステップ1431において、コンテナの中身が(図14Bのステップ1421で作成された)請求メモのレコードに対して物理的に照会される。不一致がある場合は、ステップ1432において供給業者は不一致のある旨をCMCSへ送る。CMCSデータベースはステップ1433において、顧客のラック返却レコードはステップ1434においてアップデートされる。コンテナの中身が請求メモと一致する場合、ラック返却処理は完了するとともに確認され、この時点で、ステップ1435においてレコード全体をCMCSからパージすることができる。
【0069】
本発明の更なる態様として、図15を参照して説明するように、製造施設へ特定の時間にシーケンシャルにパーツを配達するための方法及びシステムを提供する。たとえば自動車のような複合的な製品を大量に組みたてる場合、特定の時刻及び施設内の特定の場所において数千ものパーツが必要となる。パーツの数量およびタイミングに関する要件は、たとえば週毎のスケジュールにしたがって製造者により設定される。例えばエンジンや本体パネル等の比較的大きいパーツを、供給業者から製造施設に特定の時間に直接配達することは、ASNと、施設の受け取り置き場内でのコンテナモニタリングとを記載のように用いることで達成される。しかし、例えばファスナー等のような小さいパーツ(一般に「標準パーツ」と称する)においては、このアプローチは実用的ではない。したがって、小さなパーツは大量に輸送され、現在の製造の必要条件を超えるので、これらは製造施設内に単に保管されるだけである。これは一般に、組み立てを待つ余分な小さなパーツが事実上紛失する結果となる。ある特定の産業においては、パーツの「保管」と、これに起因する損失は、パーツの総コストを15%引き上げるものであると見積もられている。
【0070】
本発明は、計量用の倉庫を提供して現在の(日毎および週毎の)生産に対応する数量の小さいパーツをここから製造施設に分配することにより、現在の生産に関連して小さいパーツを製造施設へ非同期で配達することを排除する。図15に示すように、計量用倉庫1500は、標準パーツ製造業者1502から、運送業者1504の配達によりパーツを受け取る。本システムで使用する運送業者1504は、標準パーツの製造業者と密接な関係にあって、製造業者1502から倉庫1500までの「最も効率的なルート」を確立するのが好ましい。倉庫1500は、標準パーツを最終製品または構成部分に組み立てる製造施設1506の比較的近くにあるのが好ましい。
【0071】
倉庫1500は、製造ペース及び容量の現在の傾向に基づいて、ある特定の製品を製造するための最小数の標準パーツを保有しうる。多くの倉庫は、計画された要件に基づいて在庫を調整する在庫管理プログラムの下で操作される。このようなシステムはパーツの在荷過多を軽減する。しかし、例えば、カートンから一箱分のパーツのみをその日またはその週の生産に使用する場合にも、一カートンを最低量として施設へ配達がなされるという製造業者の問題に取り組んでいない。製造業者の損失は、カートンに残った、組み立てを待つパーツに起因するものである。
【0072】
本発明では、倉庫1500は、生産運転(production run)のために必要なパーツの正確な数値を明示した組立命令を製造施設から受け取る。「計量された」積み荷1508は倉庫で組み立てられ、計量されたパーツの運搬手段1510により施設1506へ配達される。計量された積み荷には、単一または複数シフト、一日、数日、一週間、数週間あるいはもっと長い期間の製造に必要なパーツの正確な数量が含まれうる。計量された積み荷のレコードは、作業命令とマッチングされる。製造アセンブリの中には、組み立てゾーン、すなわち、ゾーンA、ゾーンBや、ゾーンC等がある。計量された積み荷1508は、施設のゾーンに到達すべきシーケンスに従って搬送手段1510に積まれる。このシステムの態様は、異なるゾーンへのドロップオフ地点(ドック)の間に本質的に距離がありサイズが数エーカーにもなりうる製造施設と関連して、重要である。積み荷1508は、指定されたゾーンに順番に落とされる。かんばん方式の配達を達成するために、計量された積み荷を配達するタイミングを生産スケジュールに合わせることができる。配達は、例えばCMCSを介して、製造施設へ伝達される。これにより施設はパーツの運転レコードを持ち合わせる。その後各ゾーンを定期的に検査して、現在のゾーンのパーツ在庫が、完了された生産運転に対応するものであるかを確かめる。
【0073】
特定の好ましい実施形態と、これに代わる実施形態とにより本発明について説明したが、これらは、本発明の基本的なコンセプトを実施しうる様々な方法のうちの幾つかを表すものである。当業者によっておこなわれる本発明のコンセプトの実施にあたっての特定の変更や変形は、添付の請求の範囲により明確にされているように、本発明およびその均等物の範囲に含まれるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その境界内部でコンテナがシステムによって監視されることになる境界によって定義された区画と、前記境界への制御されたエントリポイントとが付帯する施設に関連して発送コンテナの所在及び積載状態を監視すると共に記録するシステムであって、
前記境界に入るコンテナの識別コードを記録する手段と、
前記施設から受け取った指示にしたがってなされたコンテナの所在及び積載状況の変化と移動とに応じて、前記境界内におけるコンテナの移動、所在及び積載状況に関する情報を通信するとともに記録する手段と、
前記境界内にあるコンテナの所在及び積載状況に関する記録された情報のレポートを生成する手段と、
施設に付帯する指定されたドックに関連してコンテナの所在及び積載状況に関するレポートを生成する手段と
を備えた、コンテナの所在及び積載状態を監視するとともに記録するシステム。
【請求項2】
施設に付帯する指定されたドックに関連したコンテナの所在及び積載状況に関する前記レポートは、ドックの利用可能性に関するレポートであって、当該レポートは複数のドック指定と、指定されたドックに関連づけられたコンテナの識別コードを表記している請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記境界内にあるコンテナの移動は運送業者のドック作業レポートの形態で記録されており、このドック作業レポートは、指定日中における施設のドックに所在するコンテナの数と、ドックに到着するに先立ちコンテナの出発点と、ドックから退去する際の前記コンテナの積載状況と、前記指定日中におけるコンテナのスイッチ回数とを表示する請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記境界内にあるコンテナの移動はドック作業レポートの形態で記録されており、このドック作業レポートは、指定日において指定されたドックについて、前記ドックに搬入されたコンテナのIDと、前記コンテナの到着時積載状況及び出発時積載状況と、ドックへの入出場時刻と、ドックでの停留時間とを記録する請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記境界内にあるコンテナの移動はライブ・アンロードのレポートの形態で記録されており、このレポートは、前記境界のエントリポイントからドックへ移動するコンテナについて、その日付、時刻、停留時間、及びIDを記録する請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記境界内にあるコンテナの移動は到着計数レポートの形態で記録されており、このレポートは、特定の時間単位毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記到着計数レポートは一日毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記到着計数レポートは一日毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記到着計数レポートは一時間毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記到着計数レポートは一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項11】
前記到着計数レポートは、24時間周期における一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項12】
前記到着計数レポートは、一日あたりの一時間毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記到着計数レポートは、一日あたりの一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項14】
境界内にあるコンテナの移動はスイッチ計数レポートの形態で記録されており、このレポートは、特定の時間単位毎におけるコンテナスイッチの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記スイッチ計数レポートは一日毎のスイッチの総数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記スイッチ計数レポートは一日毎のスイッチの平均数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記スイッチ計数レポートは一日あたりの1時間毎のスイッチの総数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記スイッチ計数レポートは一日あたりの1時間毎のスイッチの平均数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項19】
前記境界内にあるコンテナの移動はライブ・アンロードからの除外レポートの形態で記録されており、このレポートは、コンテナID、到着の日時、最初の移動の日時、移動の回数、出発の日時、及積載状況を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記除外レポートは更に詳細ページレポートを含み、このレポートは指定されたコンテナのスイッチングと積載状況の保存履歴を含む請求項19記載のシステム。
【請求項1】
その境界内部でコンテナがシステムによって監視されることになる境界によって定義された区画と、前記境界への制御されたエントリポイントとが付帯する施設に関連して発送コンテナの所在及び積載状態を監視すると共に記録するシステムであって、
前記境界に入るコンテナの識別コードを記録する手段と、
前記施設から受け取った指示にしたがってなされたコンテナの所在及び積載状況の変化と移動とに応じて、前記境界内におけるコンテナの移動、所在及び積載状況に関する情報を通信するとともに記録する手段と、
前記境界内にあるコンテナの所在及び積載状況に関する記録された情報のレポートを生成する手段と、
施設に付帯する指定されたドックに関連してコンテナの所在及び積載状況に関するレポートを生成する手段と
を備えた、コンテナの所在及び積載状態を監視するとともに記録するシステム。
【請求項2】
施設に付帯する指定されたドックに関連したコンテナの所在及び積載状況に関する前記レポートは、ドックの利用可能性に関するレポートであって、当該レポートは複数のドック指定と、指定されたドックに関連づけられたコンテナの識別コードを表記している請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記境界内にあるコンテナの移動は運送業者のドック作業レポートの形態で記録されており、このドック作業レポートは、指定日中における施設のドックに所在するコンテナの数と、ドックに到着するに先立ちコンテナの出発点と、ドックから退去する際の前記コンテナの積載状況と、前記指定日中におけるコンテナのスイッチ回数とを表示する請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記境界内にあるコンテナの移動はドック作業レポートの形態で記録されており、このドック作業レポートは、指定日において指定されたドックについて、前記ドックに搬入されたコンテナのIDと、前記コンテナの到着時積載状況及び出発時積載状況と、ドックへの入出場時刻と、ドックでの停留時間とを記録する請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記境界内にあるコンテナの移動はライブ・アンロードのレポートの形態で記録されており、このレポートは、前記境界のエントリポイントからドックへ移動するコンテナについて、その日付、時刻、停留時間、及びIDを記録する請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記境界内にあるコンテナの移動は到着計数レポートの形態で記録されており、このレポートは、特定の時間単位毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記到着計数レポートは一日毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記到着計数レポートは一日毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記到着計数レポートは一時間毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記到着計数レポートは一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項11】
前記到着計数レポートは、24時間周期における一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項6記載のシステム。
【請求項12】
前記到着計数レポートは、一日あたりの一時間毎に施設へ到着したコンテナの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記到着計数レポートは、一日あたりの一時間毎に施設へ到着したコンテナの平均数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項14】
境界内にあるコンテナの移動はスイッチ計数レポートの形態で記録されており、このレポートは、特定の時間単位毎におけるコンテナスイッチの総数を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記スイッチ計数レポートは一日毎のスイッチの総数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記スイッチ計数レポートは一日毎のスイッチの平均数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記スイッチ計数レポートは一日あたりの1時間毎のスイッチの総数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記スイッチ計数レポートは一日あたりの1時間毎のスイッチの平均数を含む請求項14記載のシステム。
【請求項19】
前記境界内にあるコンテナの移動はライブ・アンロードからの除外レポートの形態で記録されており、このレポートは、コンテナID、到着の日時、最初の移動の日時、移動の回数、出発の日時、及積載状況を記録する請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記除外レポートは更に詳細ページレポートを含み、このレポートは指定されたコンテナのスイッチングと積載状況の保存履歴を含む請求項19記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【公開番号】特開2010−47423(P2010−47423A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−211082(P2009−211082)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【分割の表示】特願2000−528966(P2000−528966)の分割
【原出願日】平成11年1月25日(1999.1.25)
【出願人】(500349074)ケイ アンド ティー オブ ロレイン,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211082(P2009−211082)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【分割の表示】特願2000−528966(P2000−528966)の分割
【原出願日】平成11年1月25日(1999.1.25)
【出願人】(500349074)ケイ アンド ティー オブ ロレイン,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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