説明

コンテンツサーバ装置及びコンテンツ配信システム

【課題】著作権管理方式に違反しないコンテンツを配信することができるとともに、優先度が高い著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信することができるようにする。
【解決手段】ユーザが配信を希望しているコンテンツの著作権管理方式を確認し、コンテンツ取得端末との間の通信状況に基づいて、その著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定し、配信が可能な状況にあるコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する。また、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ取得端末から要求されたコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置及びコンテンツ配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1には、コンテンツの再生を行う車載プレイヤ装置(コンテンツ取得端末)から所望のコンテンツの配信要求を受信すると、LAN(Local Area Network)、インターネット又は携帯電話回線のいずれかの通信路を利用して、所望のコンテンツを車載プレイヤ装置に配信するコンテンツサーバ装置が開示されている。
このコンテンツサーバ装置では、車載プレイヤ装置からコンテンツの配信要求を受信したときに、迅速に所望のコンテンツを配信することができるようにするために、予め、車載プレイヤ装置と共有している固有情報を用いて、配信する可能性があるコンテンツを暗号化しており、車載プレイヤ装置からコンテンツの配信要求を受信したとき、コンテンツの配信に利用する通信路を区別せずに、迅速に暗号化済みコンテンツを配信するようにしている。
【0003】
しかし、例えば、DTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)仕様にしたがって、ネットワーク配信を行う地上デジタル放送の録画コンテンツなどでは、著作権の管理方式において、LAN経由での配信は認められているが、インターネットや携帯電話回線経由での配信は認められていない。
このため、コンテンツサーバ装置がコンテンツの配信に利用する通信路を区別せずに、コンテンツを配信すると、インターネットや携帯電話回線経由での配信が行われて、著作権の管理方式に違反する事態を招くことがある。
【0004】
また、車載プレイヤ装置は、自動車などの移動体に搭載されて移動するため、コンテンツサーバ装置との間の通信状況が時々刻々と変化する。
このため、ある時間帯では、例えば、著作権管理方式A,B,Cのコンテンツの配信が可能な通信状況であっても、ある時間帯では、著作権管理方式Aのコンテンツの配信は可能であるが、著作権管理方式B,Cのコンテンツの配信は不可能な通信状況になることがある。
しかし、このコンテンツサーバ装置では、通信状況に応じて配信可能なコンテンツの著作権管理方式を確認することはないため、著作権管理方式に違反して、コンテンツを配信してしまうことがある。
【0005】
また、このコンテンツサーバ装置では、車載プレイヤ装置から複数のコンテンツの配信要求を受信すると、複数の暗号化済みコンテンツを配信するようにしている。
このとき、複数のコンテンツの著作権管理方式が異なる場合があるが、特に著作権管理方式の優先度については設定されていないため、著作権管理方式の優先度と無関係に複数の暗号化済みコンテンツを順次配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−58810号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のコンテンツサーバ装置は以上のように構成されているので、コンテンツの配信に利用する通信路を区別せずに、コンテンツを配信している。また、車載プレイヤ装置との間の通信状況を確認せずに、コンテンツを配信している。このため、コンテンツの配信に利用する通信路あるいは車載プレイヤ装置との間の通信状況によっては、著作権管理方式に違反して、コンテンツを配信してしまうことがある課題があった。
また、著作権管理方式が異なる複数のコンテンツを配信する際、著作権管理方式の優先度と無関係に複数のコンテンツを順次配信するようにしている。このため、例えば、利用機会が少ない著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信するなどの便宜を図って、そのようなコンテンツの視聴機会を増やすことができない課題があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、著作権管理方式に違反しないようにコンテンツを配信することができるとともに、優先度が高い著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信することができるコンテンツサーバ装置及びコンテンツ配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るコンテンツサーバ装置は、メタデータ管理手段により管理されているメタデータを参照して、識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツの著作権管理方式を確認し、コンテンツ取得端末との間の通信状況に基づいて、その著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定する状況判定手段と、識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツのうち、状況判定手段により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する配信対象決定手段と、優先度管理手段により管理されている優先度を参照して、配信対象決定手段により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する配信順序決定手段とを設け、コンテンツ配信手段がコンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの中から、配信順序決定手段により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、そのコンテンツをコンテンツ取得端末に配信するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、メタデータ管理手段により管理されているメタデータを参照して、識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツの著作権管理方式を確認し、コンテンツ取得端末との間の通信状況に基づいて、その著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定する状況判定手段と、識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツのうち、状況判定手段により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する配信対象決定手段と、優先度管理手段により管理されている優先度を参照して、配信対象決定手段により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する配信順序決定手段とを設け、コンテンツ配信手段がコンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの中から、配信順序決定手段により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、そのコンテンツをコンテンツ取得端末に配信するように構成したので、著作権管理方式に違反しないコンテンツを配信することができるとともに、優先度が高い著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置を適用するコンテンツ配信システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置における各処理部の間のやり取りを示すシーケンス図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置のコンテンツ配信予定リスト生成部17の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】コンテンツ取得要求リストの一例を示す説明図である。
【図6】コンテンツ配信予定リストの一例を示す説明図である。
【図7】著作権管理方式優先度プロファイルの一例を示す説明図である。
【図8】配信順序決定部21による配信順序整列後のコンテンツ配信予定リストの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置を適用するコンテンツ配信システムを示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置を示す構成図である。
図1及び図2において、コンテンツ取得端末1は例えば車載プレイヤ装置や携帯情報端末(例えば、携帯電話、モバイルPC)などが該当し、所望のコンテンツの配信要求をコンテンツサーバ装置2に送信して、コンテンツサーバ装置2から所望のコンテンツを受信し、そのコンテンツの再生を行う装置である。
【0013】
コンテンツサーバ装置2は例えば宅内に設置されており、コンテンツ取得端末1からコンテンツの配信要求を受信すると、そのコンテンツをコンテンツ取得端末1に配信する装置である。
ただし、コンテンツサーバ装置2はコンテンツをコンテンツ取得端末1に配信する際、そのコンテンツ取得端末1が無線ルータ3の通信可能な範囲内に存在している場合(コンテンツ取得端末1がコンテンツサーバ装置2と同一のネットワークセグメントに存在している場合)、無線ルータ3を用いて、直接、コンテンツをコンテンツ取得端末1に配信する。
一方、そのコンテンツ取得端末1が無線ルータ3の通信可能な範囲内に存在していない場合、インターネット4及び無線アクセスポイント5経由で、コンテンツをコンテンツ取得端末1に配信する。
【0014】
コンテンツサーバ装置2の通信インタフェース部11は無線ルータ3に対するインタフェース機器であり、コンテンツ取得端末1から送信された各種の取得要求を受信し、また、コンテンツメタデータ、コンテンツ配信予定リストやコンテンツなどを送信する処理を実施する。
コンテンツ蓄積部12は多くのコンテンツを蓄積している例えばハードディスクなどの記録媒体である。なお、コンテンツ蓄積部12はコンテンツ蓄積手段を構成している。
【0015】
メタデータ管理部13はコンテンツ蓄積部12により蓄積されているコンテンツのメタデータが記録されているメタデータ記憶メモリ13aを内蔵し、そのコンテンツのメタデータを管理している。
コンテンツのメタデータの一例
(1)コンテンツのタイトル
(2)コンテンツのフォーマット(例えば、MPEG−2PS、MPEG−2TS MP
3、JPEGなど)
(3)コンテンツのメタデータを識別するオブジェクトID
(4)コンテンツ蓄積部12におけるコンテンツの記録先を示すURI(Uniform
Resource Identifier)
(5)コンテンツの著作権管理方式
(6)コンテンツの属性(コンテンツがディレクトリ又はファイルのいずれに含まれてい
るかを示す情報)
なお、メタデータ管理部13はメタデータ管理手段を構成している。
【0016】
著作権管理方式優先度管理部14は著作権管理方式優先度プロファイル(コンテンツ蓄積部12により蓄積されているコンテンツを配信する際の著作権管理方式の優先度)が記録されている優先度記憶メモリ14aを内蔵し、その著作権管理方式の優先度を管理している。なお、著作権管理方式優先度管理部14は優先度管理手段を構成している。
【0017】
要求受信部15は通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1から送信された要求(例えば、コンテンツメタデータ取得要求、コンテンツ配信予定リスト生成要求(配信を希望するコンテンツを識別する識別情報を含んでいる)、認証・鍵交換要求、コンテンツ配信開始要求)を受信する処理を実施する。なお、要求受信部15は識別情報受信手段を構成している。
メタデータ配信部16は要求受信部15がコンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツメタデータ取得要求を受信すると、通信インタフェース部11を介して、メタデータ管理部13により管理されているコンテンツのメタデータをコンテンツ取得端末1に配信する処理を実施する。
【0018】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は要求受信部15がコンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツ配信予定リスト生成要求を受信すると、そのコンテンツ配信予定リスト生成要求に含まれている配信希望のN(N=1,2,3・・・)個のコンテンツを配信予定のコンテンツとしてリストアップし、配信予定のコンテンツを列挙しているコンテンツ配信予定リストを生成する処理を実施する。
このとき、コンテンツ配信予定リストには、配信予定のコンテンツを識別する配信リストID(識別情報)、配信予定のコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットが記述される。
【0019】
通信状況確認部18は状況判定部19の指示の下、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1との間の通信状況を確認する処理を実施する。
状況判定部19はメタデータ管理部13により管理されているメタデータを参照して、コンテンツ配信予定リスト生成部17により生成されたコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個のコンテンツの著作権管理方式を確認し、通信状況確認部18により確認されたコンテンツ取得端末1との間の通信状況に基づいて、その著作権管理方式に対応しているN個のコンテンツの配信が、それぞれ可能な状況にあるか否かを判定する処理を実施する。
なお、通信状況確認部18及び状況判定部19から状況判定手段が構成されている。
【0020】
配信対象決定部20はコンテンツ配信予定リスト生成部17により生成されたコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個のコンテンツのうち、状況判定部19により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する処理を実施する。
なお、コンテンツ配信予定リスト生成部17及び配信対象決定部20から配信対象決定手段が構成されている。
【0021】
配信順序決定部21はコンテンツ配信予定リスト生成部17により生成されたコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個のコンテンツのうち、配信対象決定部20により配信対象に決定されたコンテンツ以外のコンテンツ(非配信対象のコンテンツ)をコンテンツ配信予定リストから外すフィルタリング処理を実施する。
また、配信順序決定部21は著作権管理方式優先度管理部14により管理されている優先度を参照して、配信対象決定部20により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、コンテンツ配信予定リストにリストアップされているコンテンツの配信順序を決定して、コンテンツ配信予定リスト中のコンテンツを配信順序通りにソートを行う。
なお、配信順序決定部21は配信順序決定手段を構成している。
【0022】
コンテンツ配信予定リスト配信部22は通信インタフェース部11を介して、配信順序決定部21による処理後のコンテンツ配信予定リストをコンテンツ取得端末1に配信する処理を実施する。
認証・鍵交換部23は要求受信部15がコンテンツ取得端末1から送信された認証・鍵交換要求を受信すると、コンテンツ配信予定リストにリストアップされているコンテンツの著作権管理方式に対応するコンテンツ取得端末1の認証処理を実施し、通信インタフェース部11を介して、その認証結果をコンテンツ取得端末1に送信する処理を実施する。
また、認証・鍵交換部23はコンテンツ取得端末1の認証が得られれば、そのコンテンツの著作権管理方式に対応する暗号鍵をコンテンツ配信部24に出力するとともに、通信インタフェース部11を介して、その暗号鍵をコンテンツ取得端末1に送信する処理を実施する。
【0023】
コンテンツ配信部24は要求受信部15がコンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツ配信開始要求を受信すると、コンテンツ蓄積部12により蓄積されているコンテンツの中から、配信順序決定部21により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、認証・鍵交換部23から出力された暗号鍵を用いて、そのコンテンツを暗号化し、通信インタフェース部11を介して、暗号化後のコンテンツをコンテンツ取得端末1に順番に配信する処理を実施する。
なお、認証・鍵交換部23及びコンテンツ配信部24からコンテンツ配信手段が構成されている。
【0024】
図1の著作権管理方式利用可能判定部31は通信状況確認部18及び状況判定部19から構成されており、コンテンツ配信制御部32は、メタデータ管理部13、要求受信部15、配信対象決定部20、配信順序決定部21、コンテンツ配信予定リスト配信部22及びコンテンツ配信部24から構成されている。
【0025】
図1の例では、コンテンツサーバ装置の構成要素である通信インタフェース部11、メタデータ管理部13、著作権管理方式優先度管理部14、要求受信部15、メタデータ配信部16、コンテンツ配信予定リスト生成部17、通信状況確認部18、状況判定部19、配信対象決定部20、配信順序決定部21、コンテンツ配信予定リスト配信部22、認証・鍵交換部23及びコンテンツ配信部24のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、コンテンツサーバ装置2がコンピュータで構成される場合、通信インタフェース部11、メタデータ管理部13、著作権管理方式優先度管理部14、要求受信部15、メタデータ配信部16、コンテンツ配信予定リスト生成部17、通信状況確認部18、状況判定部19、配信対象決定部20、配信順序決定部21、コンテンツ配信予定リスト配信部22、認証・鍵交換部23及びコンテンツ配信部24の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0026】
図3はこの発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置における各処理部の間のやり取りを示すシーケンス図である。
また、図4はこの発明の実施の形態1によるコンテンツサーバ装置のコンテンツ配信予定リスト生成部17の処理内容を示すフローチャートである。
【0027】
次に動作について説明する。
コンテンツサーバ装置2のメタデータ配信部16は、例えば、UPnP(Universal Plug and Play)などが定める形式にしたがって、コンテンツサーバ装置2のメタデータ(コンテンツサーバ装置2の属性を判別することが可能な情報)を、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1に配信する。
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2のメタデータを受信すると、そのメタデータを参照して、そのコンテンツサーバ装置2と通信を確立する。
【0028】
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2と通信を確立すると、どのようなコンテンツがコンテンツサーバ装置2に蓄積されているかを確認するため、例えば、SOAP(Simple Object Access Protocol)などによって記述されているコンテンツメタデータ取得要求をコンテンツサーバ装置2に送信する(ステップST1)。
コンテンツサーバ装置2におけるコンテンツ配信制御部32の要求受信部15は、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツメタデータ取得要求を受信すると、そのコンテンツメタデータ取得要求をメタデータ配信部16に出力する(ステップST2)。
【0029】
メタデータ配信部16は、要求受信部15からコンテンツメタデータ取得要求を受けると、コンテンツ配信制御部32のメタデータ管理部13からコンテンツのメタデータを取得するために、そのコンテンツメタデータ取得要求をメタデータ管理部13に転送する(ステップST2)。
メタデータ管理部13は、メタデータ配信部16からコンテンツメタデータ取得要求を受けると、メタデータ記憶メモリ13aからコンテンツのメタデータを読み出し、コンテンツのメタデータをメタデータ配信部16に出力する(ステップST3)。
【0030】
メタデータ配信部16は、メタデータ管理部13からコンテンツのメタデータを受けると、コンテンツ取得端末1が解釈可能な例えばSOAPなどの形式で、そのコンテンツのメタデータをコンテンツ取得端末1に配信する(ステップST4)。
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2から配信されたコンテンツのメタデータを受信すると、そのメタデータを図示せぬディスプレイに表示することにより、配信希望のコンテンツの選択を受け付ける処理を行う。
即ち、コンテンツのメタデータは、上述したように、コンテンツのタイトル、コンテンツのフォーマット、コンテンツのメタデータを識別するオブジェクトID、コンテンツの記録先を示すURI、コンテンツの著作権管理方式、コンテンツの属性などが含まれているので、ユーザが、そのメタデータを参照して、配信を希望するコンテンツを選択し、そのコンテンツを指定するようにする。
なお、ステップST1〜ST4の処理は、ユーザがコンテンツの選択を終了するまで、任意の回数繰り返される。
【0031】
コンテンツ取得端末1は、ユーザが配信を希望するN(N=1,2,3・・・)個のコンテンツを選択すると、N個のコンテンツを識別する識別情報(要求ID、オブジェクトID、属性)などが記述されているコンテンツ取得要求リストを生成し、そのコンテンツ取得要求リストを含むコンテンツ配信予定リスト生成要求をコンテンツサーバ装置2に送信する。
ここで、図5はコンテンツ取得要求リストの一例を示す説明図である。
図5において、「要求ID」はユーザがコンテンツ群(ディレクトリに含まれている全てのコンテンツ)又は個々のコンテンツ(個々のファイルに含まれているコンテンツ)の配信を要求する際、その要求を識別するIDである。
また、「オブジェクトID」はユーザが配信を希望するコンテンツ群を含んでいるディレクトリ又はユーザが配信を希望する個々のコンテンツを含んでいるファイルを識別するIDである。
「属性」はコンテンツがディレクトリ又はファイルのいずれに含まれているか否かを示す情報であり、「フォーマット」はユーザが配信を希望するコンテンツのフォーマットである。
【0032】
なお、コンテンツ取得要求リストは、ユーザがコンテンツ取得端末1のディスプレイに表示されているコンテンツのメタデータを見ながら、コンテンツ取得端末1のユーザインタフェース(例えば、キーボード、マウス、操作専用キーなど)を操作することで生成されるものである。
また、ユーザがディレクトリに含まれている全てのコンテンツの配信を希望する際にはディレクトリ単位で指定し、個々のファイルに含まれているコンテンツの配信を希望する際にはファイル単位で指定することが可能なものである。
【0033】
コンテンツサーバ装置2におけるコンテンツ配信制御部32の要求受信部15は、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツ配信予定リスト生成要求を受信すると(ステップST5)、そのコンテンツ配信予定リスト生成要求をコンテンツ配信予定リスト生成部17に出力する(ステップST6)。
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求受信部15からコンテンツ配信予定リスト生成要求を受けると、そのコンテンツ配信予定リスト生成要求に含まれている図5のコンテンツ取得要求リストを参照して、ユーザが配信を希望しているN個のコンテンツを認識し、そのコンテンツを配信予定のコンテンツとしてリストアップする。
【0034】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、配信予定のコンテンツをリストアップすると、メタデータ管理部13のメタデータ記憶メモリ13aに記録されているコンテンツのメタデータを参照して、配信予定のコンテンツを識別する配信リストID、配信予定のコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを記述しているコンテンツ配信予定リストを生成し(ステップST7)、そのコンテンツ配信予定リストをコンテンツ配信制御部32の配信対象決定部20及び配信順序決定部21に出力する(ステップST8)。
【0035】
図6はコンテンツ配信予定リストの一例を示す説明図である。
図6の例では、8個のコンテンツを配信予定のコンテンツとしてリストアップしており、8個のコンテンツを識別する配信リストID、8個のコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを記述している。
以下、図4のフローチャートを参照しながら、コンテンツ配信予定リスト生成部17によるコンテンツ配信予定リストの生成処理を具体的に説明する。
ただし、ここでは、説明の便宜上、図5のコンテンツ取得要求リストを参照して、コンテンツ配信予定リストを生成する例を説明する。
【0036】
図5のコンテンツ取得要求リストには4個の要求IDが含まれているので、最初に、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求ID“1”に対応するオブジェクトID“001”、コンテンツの属性“ディレクトリ”、コンテンツのフォーマット“MPEG−2PS”の読み出しを行う(ステップST41)。
次に、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求ID“1”に対応するコンテンツの属性が“ディレクトリ”であるため(ステップST42)、メタデータ管理部13のメタデータ記憶メモリ13aから、オブジェクトID“001”に対応するディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得する(ステップST43)。
【0037】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得すると、そのメタデータを参照して、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを確認し、全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットをコンテンツ配信予定リストに記述する(ステップST44)。
図6では、オブジェクトID“001”に対応するディレクトリには2個のコンテンツが含まれている例を示しており、2個のコンテンツには、配信リストIDとして“1”,“2”、タイトルとして“家族旅行/沖縄”,“家族旅行/長野”、著作権管理方式として“なし”,“なし”、フォーマットとして“MPEG−2PS”,“MPEG−2PS”が、コンテンツ配信予定リストにそれぞれ記述されている。
【0038】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、この段階では、コンテンツ取得要求リストに含まれている4個の要求IDのうち、1個の要求IDに係る処理しかしていないため(ステップST47)、ステップST41の処理に戻り、ステップST41〜ST46の処理を実行する。
即ち、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、未処理の要求IDである要求ID“2”に対応するオブジェクトID“002”、コンテンツの属性“ディレクトリ”、コンテンツのフォーマット“MPEG−2TS”の読み出しを行う(ステップST41)。
次に、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求ID“2”に対応するコンテンツの属性が“ディレクトリ”であるため(ステップST42)、メタデータ管理部13のメタデータ記憶メモリ13aから、オブジェクトID“002”に対応するディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得する(ステップST43)。
【0039】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得すると、そのメタデータを参照して、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを確認し、全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットをコンテンツ配信予定リストに記述する(ステップST44)。
図6では、オブジェクトID“002”に対応するディレクトリには2個のコンテンツが含まれている例を示しており、2個のコンテンツには、配信リストIDとして“3”,“4”、タイトルとして“お気に入りドラマ/第1回”,“お気に入りドラマ/第2回”、著作権管理方式として“方式A”,“方式A”、フォーマットとして“MPEG−2TS”,“MPEG−2TS”が、コンテンツ配信予定リストにそれぞれ記述されている。
【0040】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、この段階では、コンテンツ取得要求リストに含まれている4個の要求IDのうち、2個の要求IDに係る処理しかしていないため(ステップST47)、ステップST41の処理に戻り、ステップST41〜ST46の処理を実行する。
即ち、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、未処理の要求IDである要求ID“3”に対応するオブジェクトID“003”、コンテンツの属性“ディレクトリ”、コンテンツのフォーマット“MPEG−2TS”の読み出しを行う(ステップST41)。
次に、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求ID“3”に対応するコンテンツの属性が“ディレクトリ”であるため(ステップST42)、メタデータ管理部13のメタデータ記憶メモリ13aから、オブジェクトID“003”に対応するディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得する(ステップST43)。
【0041】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのメタデータを取得すると、そのメタデータを参照して、ディレクトリに含まれている全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを確認し、全てのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットをコンテンツ配信予定リストに記述する(ステップST44)。
図6では、オブジェクトID“003”に対応するディレクトリには3個のコンテンツが含まれている例を示しており、3個のコンテンツには、配信リストIDとして“5”,“6”,“7”、タイトルとして“お気に入り洋楽/track1”,“お気に入り洋楽/track2”,“お気に入り洋楽/track2”、著作権管理方式として“方式B”,“方式B”,“方式B”、フォーマットとして“MP3”,“MP3”が、コンテンツ配信予定リストにそれぞれ記述されている。
【0042】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、この段階では、コンテンツ取得要求リストに含まれている4個の要求IDのうち、3個の要求IDに係る処理しかしていないため(ステップST47)、ステップST41の処理に戻り、ステップST41〜ST46の処理を実行する。
即ち、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、未処理の要求IDである要求ID“4”に対応するオブジェクトID“004”、コンテンツの属性“ファイル”、コンテンツのフォーマット“JPEG”の読み出しを行う(ステップST41)。
次に、コンテンツ配信予定リスト生成部17は、要求ID“4”に対応するコンテンツの属性が“ファイル”であるため(ステップST42)、メタデータ管理部13のメタデータ記憶メモリ13aから、オブジェクトID“004”に対応するファイルに含まれている1個のコンテンツのメタデータを取得する(ステップST45)。
【0043】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、ファイルに含まれている1個のコンテンツのメタデータを取得すると、そのメタデータを参照して、ファイルに含まれている1個のコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットを確認し、そのコンテンツのタイトル、著作権管理方式及びフォーマットをコンテンツ配信予定リストに記述する(ステップST46)。
図6では、オブジェクトID“004”に対応するファイルに含まれているコンテンツには、配信リストIDとして“8”、タイトルとして“家族写真”、著作権管理方式として“なし”、フォーマットとして“JPEG”が、コンテンツ配信予定リストにそれぞれ記述されている。
【0044】
コンテンツ配信予定リスト生成部17は、この段階で、コンテンツ取得要求リストに含まれている4個の要求IDの処理を終えているので(ステップST47)、生成したコンテンツ配信予定リストをコンテンツ配信制御部32の配信対象決定部20及び配信順序決定部21に出力する(ステップST48)。
【0045】
コンテンツ配信制御部32の配信順序決定部21は、コンテンツ配信予定リスト生成部17からコンテンツ配信予定リストを受けると、そのコンテンツ配信予定リストを含む著作権管理方式利用可能判定取得要求を著作権管理方式利用可能判定部31の状況判定部19に出力する(ステップST9)。
著作権管理方式利用可能判定部31の状況判定部19は、配信順序決定部21から著作権管理方式利用可能判定取得要求を受けると、以下に示す著作権管理方式利用可能判定処理を実施する(ステップST10)。
【0046】
まず、状況判定部19は、メタデータ管理部13により管理されているメタデータを参照して、コンテンツ配信予定リスト生成部17により生成されたコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個(図6の例では、N=8)のコンテンツの著作権管理方式を確認する。
図6の例では、配信リストID=1,2,8のコンテンツの著作権管理方式が“なし”、配信リストID=3,4のコンテンツの著作権管理方式が“方式A”、配信リストID=5,6,7のコンテンツの著作権管理方式が“方式B”である。
【0047】
例えば、著作権管理方式が“なし”のコンテンツについては、通信状況の変化に伴う配信の制限がないが、“方式A”又は“方式B”に対応するコンテンツについては、通信状況の変化に伴う配信の制限があるものとする。
この場合、状況判定部19は、現在、“方式A”又は“方式B”に対応するコンテンツ(配信リストID=3,4,5,6,7)を配信することが可能な状況であるか否かを確認するために、コンテンツ取得端末1との間の通信状況の確認依頼を通信状況確認部18に出力する。
【0048】
通信状況確認部18は、状況判定部19から通信状況の確認依頼を受けると、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1との間の通信状況を確認する。
例えば、“方式A”又は“方式B”の著作権管理方式がDTCP−IPである場合、通信状況を示す指標として、IPパケットの有効期限を示すTTL(Time To Live)と、DTCP−IPの仕様で定義されている往復遅延時間を示すRTT(Round Trip Time)とを確認する。
また、“方式A”又は“方式B”の著作権管理方式が、認証用サーバがコンテンツサーバ装置2とは別に存在する著作権管理方式の場合、コンテンツ取得端末1が認証用サーバに対してアクセスが可能な状況にあるか否かを確認する。
【0049】
状況判定部19は、通信状況確認部18がコンテンツ取得端末1との間の通信状況を確認すると、その通信状況に基づいて、“方式A”又は“方式B”の著作権管理方式に対応するコンテンツ(配信リストID=3,4,5,6,7)の配信が可能な状況にあるか否かを判定する。
例えば、“方式A”又は“方式B”の著作権管理方式がDTCP−IPである場合、TTLの値が3以下であり、かつ、RTTの値が7ms以内でなければ、コンテンツの配信が許可されないため、TTLの値が3以下であり、かつ、RTTの値が7ms以内であれば、当該著作権管理方式に対応するコンテンツは配信が可能であると判定する。
【0050】
また、“方式A”又は“方式B”の著作権管理方式が、認証用サーバがコンテンツサーバ装置2とは別に存在する著作権管理方式の場合、コンテンツ取得端末1が認証用サーバに対してアクセスが可能な状況にある場合に限り、コンテンツの配信が許可されるため、コンテンツ取得端末1が認証用サーバに対してアクセスが可能な状況であれば、当該著作権管理方式に対応するコンテンツは配信が可能であると判定する。その他、当該著作権管理方式において、固有の制限があれば、その制限の項目についても満足している場合に、当該著作権管理方式に対応するコンテンツは配信が可能であると判定する。
【0051】
状況判定部19は、コンテンツ配信予定リスト生成部17により生成されたコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個(図6の例では、N=8)のコンテンツの配信が可能な状況であるか否かを確認すると、その確認結果(著作権管理方式利用可能判定結果)をコンテンツ配信制御部32の配信対象決定部20に出力する(ステップST11)。
ここでは、説明の便宜上、著作権管理方式が“方式B”と“なし”のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)については配信が可能な状況であるが、著作権管理方式が“方式A”のコンテンツ(配信リストID=3,4)については配信が不可能な状況であるものとする。
【0052】
コンテンツ配信制御部32の配信対象決定部20は、コンテンツ配信予定リスト生成部17からコンテンツ配信予定リストを受け、状況判定部19から著作権管理方式利用可能判定結果を受けると、そのコンテンツ配信予定リストにリストアップされているN個(図6の例では、N=8)のコンテンツのうち、状況判定部19により配信が可能な状況にあると判定された6個のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)を配信対象のコンテンツに決定し、配信対象の6個のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)を配信順序決定部21に通知する。
【0053】
配信順序決定部21は、配信対象決定部20から配信対象の6個のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)の通知を受けると、著作権管理方式優先度取得要求を著作権管理方式優先度管理部14に出力して(ステップST12)、著作権管理方式優先度管理部14の優先度記憶メモリ14aに記録されている著作権管理方式優先度プロファイルを取得する(ステップST13)。
ここで、図7は著作権管理方式優先度プロファイルの一例を示す説明図である。
図7では、著作権管理方式“方式A”の優先度が最も高く、次に“方式B”の優先度が高く、“なし”が最も低い例を示している。
【0054】
次に、配信順序決定部21は、コンテンツ配信予定リストにリストアップされている8個のコンテンツのうち、配信対象の6個のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)以外のコンテンツ(配信リストID=3,4)をコンテンツ配信予定リストから外すフィルタリング処理を実施する。
これにより、コンテンツ配信予定リストにリストアップされているコンテンツの個数は、8個から6個に減少する。
【0055】
次に、配信順序決定部21は、コンテンツ配信予定リストに残っている6個のコンテンツの配信順序を決定するために、図7の著作権管理方式優先度プロファイルを参照して、“方式A”、“方式B”、“なし”の優先度を確認する。
そして、配信順序決定部21は、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、コンテンツ配信予定リストに残っている6個のコンテンツの配信順序を決定して、コンテンツ配信予定リスト中のコンテンツを配信順序通りにソートを行う(ステップST14)。
【0056】
即ち、コンテンツ配信予定リストに残っている6個のコンテンツ(配信リストID=1,2,5,6,7,8)の著作権管理方式は、“方式B”又は“なし”であり、“方式B”の優先度が“なし”の優先度より高いので、“方式B”のコンテンツから先に配信されるように、6個のコンテンツの配信順序を決定する。
図8は配信順序決定部21による配信順序整列後のコンテンツ配信予定リストの一例を示す説明図である。
図8の例では、著作権管理方式が“方式B”のコンテンツ(配信リストID=5,6,7)を先に配信してから、“なし”のコンテンツ(配信リストID=1,2,8)を配信するコンテンツ配信予定リストを示している。
配信順序決定部21は、通信インタフェース部11を介して、配信順序整列後のコンテンツ配信予定リストをコンテンツ取得端末1に配信する(ステップST15)。
【0057】
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2から配信されたコンテンツ配信予定リストを受信すると、著作権管理方式に応じた機器同士の認証を得て、その著作権管理方式に応じて暗号化されたコンテンツの復号に用いる暗号鍵を取得する必要があるため、そのコンテンツ配信予定リストに含まれている配信予定のコンテンツの著作権管理方式を確認し、その著作権管理方式に係る認証・鍵交換要求をコンテンツサーバ装置2に送信する(ステップST16)。
図8の例では、著作権管理方式が“方式B”と“なし”のコンテンツがコンテンツ配信予定リストに含まれているので、著作権管理方式が“方式B”と“なし”に係る認証・鍵交換要求をコンテンツサーバ装置2に送信する。
【0058】
コンテンツサーバ装置2におけるコンテンツ配信制御部32の要求受信部15は、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1から送信された認証・鍵交換要求を受信すると、その認証・鍵交換要求を認証・鍵交換部23に出力する(ステップST16)。
【0059】
認証・鍵交換部23は、要求受信部15から認証・鍵交換要求を受けると、その認証・鍵交換要求にしたがって、コンテンツ取得端末1に対する“著作権管理方式B”に応じた認証処理を実施するとともに、コンテンツ取得端末1に対する“著作権管理方式なし”に応じた認証処理を実施する(ステップST17)。
コンテンツ取得端末1に対する認証処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0060】
認証・鍵交換部23は、認証処理を実施して、コンテンツ取得端末1の認証が得られれば、そのコンテンツの著作権管理方式に対応する暗号鍵と認証結果をコンテンツ配信制御部32のコンテンツ配信部24に出力し、コンテンツ取得端末1の認証が得られなければ、その認証結果だけをコンテンツ配信制御部32のコンテンツ配信部24に出力する(ステップST18)。
また、認証・鍵交換部23は、コンテンツ取得端末1の認証が得られれば、通信インタフェース部11を介して、そのコンテンツの著作権管理方式に対応する暗号鍵と認証結果をコンテンツ取得端末1に配信し、コンテンツ取得端末1の認証が得られなければ、通信インタフェース部11を介して、その認証結果だけをコンテンツ取得端末1に配信する(ステップST19)。
【0061】
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2から配信された認証結果を受信し、その認証結果が、コンテンツ取得端末1の認証が得られている旨を示していれば、その認証結果と一緒に配信された暗号鍵を保存し、コンテンツ配信開始要求をコンテンツサーバ装置2に送信する。
コンテンツサーバ装置2におけるコンテンツ配信制御部32の要求受信部15は、通信インタフェース部11を介して、コンテンツ取得端末1から送信されたコンテンツ配信開始要求を受信すると、そのコンテンツ配信開始要求をコンテンツ配信部24に出力する(ステップST20)。
【0062】
コンテンツ配信部24は、要求受信部15からコンテンツ配信開始要求を受けると、コンテンツ蓄積部12により蓄積されているコンテンツの中から、図8のコンテンツ配信予定リストに含まれている配信予定のコンテンツを順番に取得する(ステップST21,ST22)。
即ち、コンテンツ配信部24は、メタデータ管理部13により管理されているメタデータ(コンテンツの記録先を示すURI)を参照して、コンテンツ蓄積部12から配信予定のコンテンツを取得する。
そして、コンテンツ配信部24は、認証・鍵交換部23から出力された暗号鍵を用いて、そのコンテンツを暗号化する。
コンテンツの著作権管理方式が“方式B”であれば、“方式B”に対応する暗号鍵を用いて、そのコンテンツを暗号化し、コンテンツの著作権管理方式が“なし”であれば、“なし”に対応する暗号鍵を用いて、そのコンテンツを暗号化する。
【0063】
コンテンツ配信部24は、コンテンツの暗号化が完了すると、通信インタフェース部11を介して、暗号化後のコンテンツをコンテンツ取得端末1に順番に配信する(ステップST23)。
図8の例では、下記の順番で、暗号化後のコンテンツをコンテンツ取得端末1に配信する
コンテンツ(ID=5)→コンテンツ(ID=6)→コンテンツ(ID=7)→コンテンツ(ID=1)→コンテンツ(ID=2)→コンテンツ(ID=8)
【0064】
コンテンツ取得端末1は、コンテンツサーバ装置2から配信された暗号化後のコンテンツを順次受信し、先に保存している暗号鍵を用いて、そのコンテンツの暗号化を解除し、そのコンテンツの再生を行う。
コンテンツの著作権管理方式が“方式B”であれば、“方式B”に対応する暗号鍵を用いて、そのコンテンツの暗号化を解除し、コンテンツの著作権管理方式が“なし”であれば、“なし”に対応する暗号鍵を用いて、そのコンテンツの暗号化を解除する。
【0065】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、メタデータ管理部13により管理されているメタデータを参照して、ユーザが配信を希望しているコンテンツの著作権管理方式を確認し、コンテンツ取得端末1との間の通信状況に基づいて、その著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定する著作権管理方式利用可能判定部31と、ユーザが配信を希望しているコンテンツのうち、著作権管理方式利用可能判定部31により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する配信対象決定部20と、著作権管理方式優先度管理部14により管理されている優先度を参照して、配信対象決定部20により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する配信順序決定部21とを設け、コンテンツ配信部24がコンテンツ蓄積部12により蓄積されているコンテンツの中から、配信順序決定部21により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、そのコンテンツをコンテンツ取得端末1に配信するように構成したので、著作権管理方式に違反しないコンテンツを配信することができるとともに、優先度が高い著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信することができる。その結果、例えば、利用機会が少ない著作権管理方式のコンテンツを優先的に配信する著作権管理方式優先度プロファイルなどを定義しておけば、そのようなコンテンツの視聴機会を増やす便宜を図ることができる効果を奏する。
【符号の説明】
【0066】
1 コンテンツ取得端末、2 コンテンツサーバ装置、3 無線ルータ、4 インターネット、5 無線アクセスポイント、11 通信インタフェース部、12 コンテンツ蓄積部(コンテンツ蓄積手段)、13 メタデータ管理部(メタデータ管理手段)、13a メタデータ記憶メモリ、14 著作権管理方式優先度管理部(優先度管理手段)、14a 優先度記憶メモリ、15 要求受信部(識別情報受信手段)、16 メタデータ配信部、17 コンテンツ配信予定リスト生成部(配信対象決定手段)、18 通信状況確認部(状況判定手段)、19 状況判定部(状況判定手段)、20 配信対象決定部(配信対象決定手段)、21 配信順序決定部(配信順序決定手段)、22 コンテンツ配信予定リスト配信部、23 認証・鍵交換部(コンテンツ配信手段)、24 コンテンツ配信部(コンテンツ配信手段)、31 著作権管理方式利用可能判定部、32 コンテンツ配信制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを蓄積しているコンテンツ蓄積手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの識別情報及び著作権管理方式を示すメタデータを管理しているメタデータ管理手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツを配信する際の著作権管理方式の優先度を管理している優先度管理手段と、コンテンツ取得端末から配信を希望する少なくとも1以上のコンテンツの識別情報を受信する識別情報受信手段と、上記メタデータ管理手段により管理されているメタデータを参照して、上記識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツの著作権管理方式を確認し、上記コンテンツ取得端末との間の通信状況に基づいて、上記著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定する状況判定手段と、上記識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツのうち、上記状況判定手段により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する配信対象決定手段と、上記優先度管理手段により管理されている優先度を参照して、上記配信対象決定手段により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する配信順序決定手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの中から、上記配信順序決定手段により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、上記コンテンツを上記コンテンツ取得端末に配信するコンテンツ配信手段とを備えたコンテンツサーバ装置。
【請求項2】
配信対象決定手段は、識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツの属性が、上記コンテンツはディレクトリに含まれている旨を示している場合、コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツのうち、上記ディレクトリ内に含まれている全てのコンテンツを配信対象のコンテンツに決定し、上記コンテンツの属性が、上記コンテンツはファイルに含まれている旨を示している場合、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツのうち、上記ファイル内に含まれている1個のコンテンツを配信対象のコンテンツに決定することを特徴とする請求項1記載のコンテンツサーバ装置。
【請求項3】
コンテンツ配信手段は、コンテンツをコンテンツ取得端末に配信する際、上記コンテンツの著作権管理方式に対応する上記コンテンツ取得端末の認証処理を実施し、上記コンテンツ取得端末の認証が得られれば、上記コンテンツの著作権管理方式に対応する暗号鍵を用いて、上記コンテンツを暗号化し、上記暗号鍵及び暗号化後のコンテンツを上記コンテンツ取得端末に配信することを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンテンツサーバ装置。
【請求項4】
配信を希望するコンテンツを指定して、上記コンテンツの配信を受けるコンテンツ取得端末と、上記コンテンツ取得端末により指定されたコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置とを備えたコンテンツ配信システムにおいて、
上記コンテンツサーバ装置は、コンテンツを蓄積しているコンテンツ蓄積手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの識別情報及び著作権管理方式を示すメタデータを管理しているメタデータ管理手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツを配信する際の著作権管理方式の優先度を管理している優先度管理手段と、上記コンテンツ取得端末から配信を希望する少なくとも1以上のコンテンツの識別情報を受信する識別情報受信手段と、上記メタデータ管理手段により管理されているメタデータを参照して、上記識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツの著作権管理方式を確認し、上記コンテンツ取得端末との間の通信状況に基づいて、上記著作権管理方式に対応しているコンテンツの配信が可能な状況にあるか否かを判定する状況判定手段と、上記識別情報受信手段により受信された識別情報が示すコンテンツのうち、上記状況判定手段により配信が可能な状況にあると判定されたコンテンツを配信対象のコンテンツに決定する配信対象決定手段と、上記優先度管理手段により管理されている優先度を参照して、上記配信対象決定手段により配信対象に決定されたコンテンツの著作権管理方式の優先度を確認し、優先度が高い著作権管理方式に対応しているコンテンツから順番に配信されるように、配信対象に決定されたコンテンツの配信順序を決定する配信順序決定手段と、上記コンテンツ蓄積手段により蓄積されているコンテンツの中から、上記配信順序決定手段により決定された配信順序が先のコンテンツから順番に取得して、上記コンテンツを上記コンテンツ取得端末に配信するコンテンツ配信手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−215763(P2011−215763A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81858(P2010−81858)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】