説明

コンテンツロケーション解決方法及びコンテンツ配信方法

【課題】本発明は、双方向通信を実現する形でコンテンツを放送する場合に、高いセキュリティを実現しつつ、ユーザに対して適切なコンテンツを提供できるようにするとともに、コンテンツの差し替えや変更にも対処できるようにする技術の提供を目的とする。
【解決手段】双方向通信を実現する形でコンテンツを放送する場合に、ハイパーリンクを実現するにあたって、放送するコンテンツに、それからリンクするコンテンツのコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する。そして、コンテンツ参照IDを指定してコンテンツの視聴要求がある場合に、RARサーバで、そのコンテンツのロケーションの解決を行うLRサーバを特定し、その特定したLRサーバで、視聴要求で指定されたコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換して、その変換したロケーションの指すコンテンツサーバから視聴要求元装置に対してコンテンツを配信するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを放送するシステムで用いられるコンテンツのロケーション解決方法及び配信方法に関し、特に、高いセキュリティを実現しつつ、ユーザに対して時刻やユーザの位置やユーザの興味に応じた適切なコンテンツを提供できるようにするとともに、コンテンツの急な差し替えや変更にも対処できるようにするコンテンツのロケーション解決方法及び配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ARIB(社団法人電波産業会)の地上デジタル放送双方向通信の仕様においては、HTTPが採用されることになっている。それに伴い、データ放送から直接インターネット上のWEBサイトにアクセスが可能となることから、セキュリティ上に問題がでることで、番組やCMの双方向サービスの管理が不可能となる恐れがある。
【0003】
また、アクセスするためのURLも判別できてしまうので、直接そのURLを使用してアクセスしたり、悪意を持ってWEBサイトを攻撃するという事態が考えられる。特に、放送という媒体の関係上、大量なアクセスが考えられることから、WEBサイトへの攻撃を防止しなければいけないという課題が顕在する。
【0004】
以上のような観点から、番組を管理する放送局としては、インターネット、携帯網を使用した双方向サービスにおいて、ある程度のセキュリティを有し、双方向データの管理ができるコンテンツ技術の確立が課題となっている。しかも、その技術はARIBとして取り込み可能な技術である必要もある。
【0005】
一方、ARIBとして取り込み可能な技術として、TV−Anytimeで採用されているCRID(コンテンツ参照ID:Content Reference Identifier)がある。
【0006】
このCRIDの技術は蓄積型サービスのメタデータ、コンテンツ管理を目的とする技術であり、TV−Anytimeでは、メタデータを使ってコンテンツを検索することでそのコンテンツを特定するためのCRIDを取得するようにして、そのCRIDを使ってコンテンツのロケーション(コンテンツの実際の所在)を得ることで、ユーザが自分の見たいコンテンツを視聴できるようにしている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】新しいコンテンツ視聴環境を実現するTV−Anytime〔平成17年7月20日検索〕、インターネット<URL: http://www.jagat.or.jp/VEHICLE/TITLE/188kameyama.asp >
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、ARIBの地上デジタル放送双方向通信の仕様においては、HTTPが採用されることになっており、リンク先もURLを使って記述されることになる。しかしながら、リンク先がURLを使って記述されていると、そのURLの書き替えによるコンテンツの改ざんが行われたり、直接そのURLを使用してアクセスしたり、悪意を持ってWEBサイトを攻撃することが起こるという問題がある。
【0008】
しかも、リンク先がURLを使って記述されていると、そのURLの指す固定的なコンテンツしか表示できないことから、ユーザに対して時刻やユーザの位置やユーザの興味に応じた適切なコンテンツを提供できないという問題もある。
【0009】
これから、地上デジタル放送双方向通信を実用的なものとするためには、このような問題の解決を図る新たな技術を構築していく必要がある。
【0010】
一方、この新たな技術の構築にあたっては、リンク先のコンテンツの急な差し替えや変更に対処できるようにしていく必要がある。
【0011】
今後実用化されることになる携帯端末向けの地上デジタル放送双方向通信では、放送と通信の画面を携帯端末で一体的に表示したり、一方だけを表示できるようにして、例えば、放送の画面である商品のCMを流しているときに、通信の画面でその商品の説明を行うようにするというようなことが行われることになる。このとき、通信の画面に、その商品の詳細な説明の表示を要求するボタンを表示するようにして、ユーザがそのボタンを操作すると、通信の画面だけを表示するようにして、そこに、その商品の詳細な説明を表示するというような処理を行うことが考えられる。
【0012】
このような形でCMの表示を行う場合、CMの性格上、CMの内容の一部が急に変更されたり、CMの内容が全面的に急に差し替えられることがある。
【0013】
これから、上述した新たな技術の構築にあたっては、このようなことを考慮して、リンク先のコンテンツの急な差し替えや変更に対処できるようにしていく必要がある。
【0014】
さらに、CMを放送する場合、放送したCMの効果に応じた広告料を広告主から徴収することが合理的である。しかるに、リンク先がURLを使って記述されていると、ユーザがリンクするCMを直接視聴することになるので、放送者側としてはユーザがCMに関心を持ったのか否かを知ることができない。
【0015】
これから、リンク先をURLを使って記述するという従来技術に従っていると、放送したCMの効果に応じた広告料を広告主から徴収するというようなビジネスモデルを構築できないことになる。
【0016】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、デジタル放送双方向通信のような双方向通信を実現する形でコンテンツを放送する場合に、高いセキュリティを実現しつつ、ユーザに対して時刻やユーザの位置やユーザの興味に応じた適切なコンテンツを提供できるようにするとともに、コンテンツの急な差し替えや変更にも対処できるようにし、これに加えて、CMの広告効果などについても測定可能にする新たなコンテンツ技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的を達成するために、本発明では、TV−Anytimeで採用されているCRID(コンテンツ参照ID)を活用して、
(i)インターネット放送やデジタル放送などのような放送において、EPG(電子番 組案内)などのようなコンテンツの一覧を放送する場合に、そのコンテンツ一覧 に、それらのコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDを埋め込んで放送 したり、
(ii)インターネット放送やデジタル放送などのような放送において、ハイパーリンク を実現するにあたって、放送するコンテンツに、それからリンクするコンテンツ のコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する
という構成を採る。
【0018】
〔1〕上述の(i)の構成を採る場合の本発明の構成
上述の(i)の構成を採る場合には、本発明のコンテンツロケーション解決方法は、(1)コンテンツの一覧を放送する場合に、そのコンテンツ一覧に、それらのコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する過程と、(2)そのコンテンツ一覧の中から選択されたコンテンツを指定して、コンテンツのロケーションの解決要求がある場合に、その解決要求を受け付ける受付サーバで、そのコンテンツのロケーションの解決を行う解決サーバを特定する過程と、(3)その特定した解決サーバで、解決要求で指定されたコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換する過程と、(4)その変換したロケーションを解決要求元の装置に通知する過程とを備えるように構成する。
【0019】
この構成を採るときにあって、解決サーバが上位サーバと複数の下位サーバとで階層的に構成されることがあり、この場合には、変換する過程では、上位サーバで、解決要求で指定されたコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDに基づいて、どの下位サーバを用いるのかを特定して、その特定した下位サーバで、そのコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換するように処理することになる。
【0020】
また、受付サーバで受け付けたコンテンツ参照IDのログデータを集計分析したり、解決サーバで変換したコンテンツ参照IDのログデータを集計分析する過程を備えることがある。
【0021】
〔2〕上述の(ii)の構成を採る場合の本発明の構成
上述の(ii)の構成を採る場合には、本発明のコンテンツ配信方法は、(1)放送するコンテンツに、それからリンクするコンテンツのコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する過程と、(2)コンテンツ参照IDを指定して、コンテンツの視聴要求がある場合に、その視聴要求を受け付ける受付サーバで、そのコンテンツのロケーションの解決を行う解決サーバを特定する過程と、(3)その特定した解決サーバで、視聴要求で指定されたコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換する過程と、(4)その変換したロケーションの指すコンテンツサーバから、視聴要求元の装置に対してコンテンツを配信する過程とを備えるように構成する。
【0022】
この構成を採るときにあって、解決サーバが上位サーバと複数の下位サーバとで階層的に構成されることがあり、この場合には、変換する過程では、上位サーバで、視聴要求で指定されたコンテンツ参照IDに基づいて、どの下位サーバを用いるのかを特定して、その特定した下位サーバで、そのコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換するように処理することになる。
【0023】
また、放送する過程では、少なくとも放送局のIDと送出時刻とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送したり、少なくとも放送局のIDと送出時刻の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送したり、少なくとも放送局のIDと視聴要求元装置の位置情報(経緯度情報など)の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送したり、少なくとも放送局のIDと視聴要求元装置のユーザ情報(年齢や性別などのユーザの属性情報や、視聴要求元装置で行ったユーザの行動履歴の情報など)の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送することがある。
【0024】
ここで、コンテンツ参照IDに位置情報やユーザ情報の取得指示が記述されている場合には、視聴要求元装置は、コンテンツ参照IDを指定してコンテンツの視聴要求を発行する際などに、その取得指示に従って、搭載するGPSなどにより検出される位置情報やメモリに記録されるユーザ情報に従って該当する情報を取得して、それをコンテンツ参照IDに記入するように処理することになる。なお、ユーザ情報については、受付サーバで取得して、受付サーバがそれをコンテンツ参照IDに記入するように処理してもよい。
【0025】
また、コンテンツ参照IDに送出時刻の取得指示が記述されている場合には、視聴要求元装置は、コンテンツの放送を受信する際などに、その取得指示に従って、時計により検出される送出時刻情報を取得して、それをコンテンツ参照IDに記入するように処理することになる。
【0026】
さらに、受付サーバで受け付けたコンテンツ参照IDのログデータを集計分析したり、解決サーバで変換したコンテンツ参照IDのログデータを集計分析する過程を備えることがある。
【0027】
〔3〕本発明の構成の特徴とそれにより実現される特有の効果
このように、本発明では、デジタル放送双方向通信のような双方向通信を実現する形でコンテンツを放送する場合に、URLを使ってリンク先を記述するのではなくて、
CRID://<authority>/<data>
ただし、<authority>は、<DNS name>;<path>
という記述形式のコンテンツ参照IDを使って、リンク先を記述するということを基本的な構成とする。
【0028】
すなわち、これまでコンテンツ参照IDは蓄積型サービスのメタデータ、コンテンツ管理を目的とする技術で用いられていたのに対して、本発明では、コンテンツ参照IDを双方向通信に応用していることに大きな特徴がある。
【0029】
このように、コンテンツ参照IDを使ってリンク先を記述するという構成を採ると、ユーザに対して実コンテンツの存在するコンテンツサーバのURLを隠蔽することができることになり、しかも、コンテンツ参照IDが放送局IDや送出時刻などのような直接コンテンツサーバに関わらないデータから生成できるという性質があることから、高いセキュリティを実現できるようになる。
【0030】
そして、コンテンツ参照IDに時刻情報や位置情報やユーザ情報を記述し、その記述内容に応じて配信するコンテンツを切り替えるようにするという構成を採ることが可能になるので、ユーザに対して時刻やユーザの位置やユーザの興味に応じた適切なコンテンツを提供できるようになる。
【0031】
そして、コンテンツ参照IDを使うことにより、リンク先としてのコンテンツという概念とその物理的所在とを明確に区別することができることで、リンク先のコンテンツを書き替えたり差し替えることができるようになるので、コンテンツの急な差し替えや変更にも簡単に対処できるようになる。
【0032】
そして、コンテンツ参照IDからそのコンテンツ参照IDの指すコンテンツのロケーションを解決する機構を備えるという構成を採ることが可能になるので、コンテンツの視聴記録のログデータを収集できるようになり、これにより、例えば、放送したCMの効果に応じた広告料を広告主から徴収するというような新たなビジネスモデルを構築できるようになる。
【発明の効果】
【0033】
以上に説明したように、本発明によれば、デジタル放送双方向通信のような双方向通信を実現する形でコンテンツを放送する場合に、高いセキュリティを実現しつつ、ユーザに対して時刻やユーザの位置やユーザの興味に応じた適切なコンテンツを提供できるようになるとともに、コンテンツの急な差し替えや変更にも対処できるようになり、これに加えて、CMの広告効果などについても測定することができるようになる。
【0034】
しかも、本発明によれば、ARIBとして取り込み可能な技術を使って、これを実現できるようになる。
【0035】
これから、本発明によれば、デジタル放送双方向通信のような双方向通信を実現する形でコンテンツを放送するシステムの実用性を高めることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、デジタル放送双方向通信システムに適用した実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
【0037】
図1に、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムのシステム構成を図示する。
【0038】
この図に示すように、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムは、放送局1と、携帯端末2と、コンテンツサーバ3と、LRシステム(Location Resolutionシステム) 4と、RARシステム(Resolving Authority Recordシステム)5と、インターネット6とを備える。
【0039】
この放送局1は、(1)放送局ID(コンテンツ参照IDの持つ“authority ”のDNSネーム部分となるもの)、送出時刻、番組ID、CMIDなどからコンテンツ参照IDを生成して、それを番組やCMなどのコンテンツに埋め込むという処理を行うCRID生成システム10と、(2)カルーセル、PESによるデータ放送伝送方式により、コンテンツ参照IDの埋め込まれた番組やCMなどのコンテンツをデジタル放送するという処理を行う送出システム11とを備えることで、コンテンツ参照IDの埋め込まれたコンテンツをデジタル放送する。
【0040】
携帯端末2は、携帯網を介して放送されてくる放送局1のデジタル放送を受信して、それを視聴する。
【0041】
コンテンツサーバ3は、実コンテンツを蓄積するコンテンツデータベース30を備えて、ユーザの要求するコンテンツを携帯端末2に配信する。
【0042】
LRシステム4は、(1)コンテンツ参照IDをコンテンツのロケーションに対応付ける表であるLRテーブル40と、(2)LRテーブル40を参照することで、コンテンツ参照IDの指すコンテンツのロケーションを解決するという処理を行うLRサーバ41と、(3)LRサーバ41の処理したコンテンツ参照IDのログデータを記録するログファイル42とを備えることで、RARシステム5から解決要求のあったコンテンツのロケーションを解決して、それをRARシステム5に返信する。
【0043】
RARシステム5は、(1)コンテンツ参照IDを発行した“authority ”をLRシステム4に結び付ける表であるRARテーブル50と、(2)RARテーブル50を参照することで、携帯端末2から送られてきたコンテンツ参照IDを処理するLRシステム4を特定して、その特定したLRシステム4に対してそのコンテンツ参照IDを転送してロケーションの解決を要求するという処理を行うとともに、その解決結果に基づいて、コンテンツサーバ3に対して携帯端末2へのコンテンツの配信を要求するという処理を行うRARサーバ51と、(3)RARサーバ51の処理したコンテンツ参照IDのログデータを記録するログファイル52とを備えることで、携帯端末2から送られてきたコンテンツ参照IDを処理するLRシステム4に対して、そのコンテンツ参照IDの指すコンテンツのロケーションの解決を要求し、その解決結果に従って、コンテンツサーバ3に対して携帯端末2へのコンテンツの配信を要求する。
【0044】
このように構成される本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、放送局1は、放送局IDなどから、例えば、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDを生成して、それを番組やCMなどのコンテンツに埋め込んでデジタル放送する。
【0045】
携帯端末2は、このデジタル放送を受信しているときに、ユーザが視聴中のコンテンツの持つボタンを操作することで、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDを指定してコンテンツの視聴要求を発行すると、この“CRID:// ・・・”の記述に従ってRARシステム5に接続する。
【0046】
この接続を受けて、RARシステム5は、RARテーブル50を使って、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDの持つ“authority ”のDNSネーム部分の“tbs.co.jp ”が、例えば、
“tbs.co.jp ”=“res-service.com ”
であることで、“res-service.com ”のURLを持つLRシステム4に対して、コンテンツのロケーションの解決を要求する必要のあることが分かるので、そのLRシステム4に対して、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDの指すコンテンツのロケーションの解決を要求する。
【0047】
このロケーションの解決要求を受けて、LRシステム4は、LRテーブル40を使って、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDから、例えば、そのコンテンツのロケーションが、
drama/時代劇=http://nttdata.co.jp/archive/1234
であることを解決する。
【0048】
このロケーションの解決結果を受けて、RARシステム5は、この解決結果に基づいて、“http://nttdata.co.jp”というコンテンツサーバ3に対して、“archive/1234”という場所に格納されるコンテンツを携帯端末2へ配信することを要求し、これを受けて、そのコンテンツサーバ3は、“archive/1234”という場所に格納されるユーザの視聴要求するコンテンツを携帯端末2に配信する。
【0049】
このようにして、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムは、図2に示すようなタイムチャートに従って、ユーザの視聴要求するコンテンツを携帯端末2に配信するように処理するのである。
【0050】
すなわち、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、携帯端末2は、放送局IDや送出時刻などから生成されたコンテンツ参照IDによりRARシステム5に接続し、これを受けて、RARシステム5は、該当するLRシステム4に対して、そのコンテンツ参照IDの指すコンテンツのローケションの解決を要求し、これを受けて、LRシステム4は、そのコンテンツ参照IDよりローケションの解決を行い実際のアドレスに変換してRARシステム5に返信し、これを受けて、RARシステム5は、その変換されたアドレスに従ってコンテンツサーバ3に接続してコンテンツの配信を要求し、これを受けて、コンテンツサーバ3は、その配信要求のあるコンテンツを携帯端末2に配信することで、ユーザの視聴要求するコンテンツを携帯端末2に配信するのである。
【0051】
以上に説明したことから分かるように、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、ユーザからのコンテンツの視聴要求時に、そのコンテンツを提供するコンテンツサーバ3を隠蔽することが可能となるとともに(URLを見せないで済む)、放送局IDや送出時刻など直接コンテンツサーバ3に関わらないデータからコンテンツ参照IDを生成することから、セキュアな通信によるコンテンツ提供サービスが可能となる。
【0052】
これに加えて、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、RARシステム5、LRシステム4によりポータルサイトとしての存在が可能となることから、コンテンツ参照IDのログデータを採取することができるようになることで、どのコンテンツがどの位の回数視聴されたのかを知ることができるようになり、実際にサービスを提供する放送局1などが双方向サービスを管理することができるようになる。
【0053】
上述したように、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、放送局IDの他に、送出時刻を含める形でコンテンツ参照IDを生成することができる。
【0054】
このように送出時刻を含める形でコンテンツ参照IDを生成すると、図3に示すように、その送出時刻をもとにコンテンツのロケーションを解決することで、ユーザのアクション時の放送内容に対応したコンテンツを提供することができるようになる。例えば、あるCMの視聴要求がある場合に、朝なら朝にあったCMをユーザに提供し、夕方なら夕方にあったCMをユーザに提供するというように、ユーザに対して、その送出時刻にあったCMを提供することができるようになる。
【0055】
これ以外にも、例えば、CMの視聴要求がある場合に、ユーザの位置にあったCMを提供できるようになれば有効であるし、ユーザの興味の持つCMを提供できるようになれば有効である。すなわち、同じ番組を放送していても、放送先の地域に合ったCMを提供できるようになれば有効であるし、同じ番組を放送していても、ユーザの性別などにあったCMを提供できるようになれば有効である。
【0056】
このようなことを実現する場合には、放送局1は、ユーザの位置情報の取得指示について記述するコンテンツ参照IDを生成したり、ユーザ情報の取得指示について記述するコンテンツ参照IDを生成するようにし、これを受けて、携帯端末2は、コンテンツの視聴要求に応答してRARシステム5に対してコンテンツ参照IDを転送する際などに、搭載するGPSなどにより検出される位置情報やメモリに記録されるユーザ情報に従って該当する情報を取得して、それをコンテンツ参照IDに記入することでコンテンツ参照IDを完成させるようにする。
【0057】
これにより、ユーザの位置情報をもとにコンテンツのロケーションを解決することができるようになることで、ユーザの位置情報にあったCMを提供できるようになったり、ユーザ情報をもとにコンテンツのロケーションを解決することができるようになることで、ユーザの興味のあるCMを提供できるようになる。
【0058】
このようにして、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、図4に示すように、コンテンツ参照IDの持つあるID項目αの値がaである場合には、ロケーションaを得ることで、コンテンツサーバaに管理されるコンテンツaを配信コンテンツとして決定し、そのID項目αの値がbである場合には、ロケーションbを得ることで、コンテンツサーバbに管理されるコンテンツbを配信コンテンツとして決定するということを実現し、これにより、ユーザがアクションを起こしたタイミングの時点におけるID項目の値に応じて配信コンテンツを決定することができるようになるので、ユーザに対して適切なコンテンツを提供できるようになるのである。
【0059】
さらに、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、同じコンテンツ参照IDで複数のCMが指定可能となる場合には、どのCMを放送するのかを示す情報(例えば、“広告会社の識別フラグ+CMID”で構成される情報)を含める形でコンテンツ参照IDを生成することができるし、同じコンテンツ参照IDで複数の番組が指定可能となる場合には、どの番組を放送するのかを示す情報(例えば、番組IDで構成される情報)を含める形でコンテンツ参照IDを生成することができる。
【0060】
CMを扱う場合、通常の場合、広告会社が複数となることが多い。そこで、このような場合には、図5に示すように、LRシステムを、上位LRシステム4aと広告会社に対応付ける形で用意される下位LRシステム4bというように階層的に構成して、上位LRシステム4aで、コンテンツ参照IDに基づいて、どの下位LRシステム4bを用いるのかを特定して、その特定した下位LRシステム4bで、そのコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換するという方法を用いるようにしてもよい。
【0061】
このような階層的な構成を採ると、広告会社に対応付ける形で下位LRシステム4bを用意することから、各広告会社の責任の下にロケーションの解決を行うことができるようになる。
【0062】
以上に説明した実施の形態では、放送局1から放送されてくる番組やCMに埋め込まれたコンテンツ参照IDを指定してコンテンツの視聴要求が発行されることを想定したが、本発明はインターネット放送などのような有線サービス放送のEPG(電子番組案内)に対しても適用可能である。
【0063】
インターネット放送などのような有線サービス放送のEPGについては、図1に示した放送局1から放送されてくる場合もあるし、インターネットを介して放送されてくる場合もあるが、ここでは、説明の便宜上、図1に示した放送局1から放送されてくることを想定する。
【0064】
従来技術では、インターネット放送などのような有線サービス放送のEPGについては、番組の提供元のURLを使って記述するようにしているが、本発明では、コンテンツ参照IDを使って記述するという構成を採る。
【0065】
このように構成されるEPGの放送を受けて、携帯端末2は、ユーザがEPGに記載される番組を選択することで、例えば、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDを指定して番組の録画の予約要求を発行すると、この“CRID:// ・・・”の記述に従ってRARシステム5に接続する。
【0066】
この接続を受けて、RARシステム5は、RARテーブル50を使って、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDの持つ“authority ”のDNSネーム部分の“tbs.co.jp ”が、例えば、
“tbs.co.jp ”=“res-service.com ”
であることで、“res-service.com ”のURLを持つLRシステム4に対して、コンテンツのロケーションの解決を要求する必要のあることが分かるので、そのLRシステム4に対して、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDの指すコンテンツのロケーションの解決を要求する。
【0067】
このロケーションの解決要求を受けて、LRシステム4は、LRテーブル40を使って、“CRID://tbs.co.jp;drama/ 時代劇”と記述されるコンテンツ参照IDから、例えば、そのコンテンツのロケーションが、
drama/時代劇=arib:channel6@8.00
であることを解決する。
【0068】
このロケーションの解決結果を受けて、RARシステム5は、携帯端末2に対して“arib:channel6@8.00”を返信することで、ユーザの録画要求する番組が“arib:channel6 ”の8時から放送されることになるということを返信し、これを受けて、携帯端末2は、その送られてきた“arib:channel6@8.00”を使って番組の録画を予約する。
【0069】
このようにして、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、コンテンツ参照IDを使って有線サービス放送のEPGを記載するようにして、そのEPGの中から番組を選択して番組の録画の予約が発行されると、図6に示すようなタイムチャートに従って、その録画要求の番組を提供するロケーションを解決して、それに従って番組の録画を予約するように処理するのである。
【0070】
このようなEPGに対して本発明を適用する場合にも、コンテンツを提供するコンテンツサーバ3を隠蔽することが可能となるとともに(URLを見せないで済む)、直接コンテンツサーバ3に関わらないデータからコンテンツ参照IDを生成することから、セキュアな通信によるコンテンツ提供サービスが可能となる。
【0071】
そして、RARシステム5、LRシステム4によりポータルサイトとしての存在が可能となることから、コンテンツ参照IDのログデータを採取することができるようになることで、放送者側で、どの番組がどの位の回数視聴されたのかを知ることができるようになる。
【実施例】
【0072】
次に、実施例に従って、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムについて詳細に説明する。
【0073】
本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムでは、放送局(図1に示す放送局1に相当するもの)は、例えば、図7に示すように、所定のタイムスケジュールに従って、映像とコンテンツ一覧とを多重化して放送し、これを受けて、視聴端末(図1に示す携帯端末2に相当するもの)は、この放送を受信すると、表示画面に、これらの映像とコンテンツとを表示するように動作する。
【0074】
このとき視聴端末が受信するコンテンツ一覧はBML(Broadcast Markup Language)などのマークアップ言語によって記述され、コンテンツへの各リンクはCRID(コンテンツ参照ID)によって記述されている。
【0075】
CRIDは、“CRID://<authority>/<data> ”という形で記述される。ここで、<authority> はコンテンツの参照先を示し、<authority> と対応する各コンテンツを実際に管理するLRサーバ(図1に示すLRサーバ41)のアドレスに変換して、コンテンツのロケーションの問い合わせが行われることになる。また、<data>には、リンクの表示要求を行った送出時間や、コンテンツ一覧の中で表示される複数のリンクを識別するためのスレッドIDが記述される。
【0076】
図7では、「10:00 〜10:15 」という時間帯に番組Aとともに放送されるコンテンツに対して、“CRID://tbs.co.jp//1 ”というCRIDと、“CRID://tbs.co.jp//2 ”というCRIDと、“CRID://tbs.co.jp//3 ”というCRIDとが埋め込まれ、「10:15 〜10:17 」という時間帯にCMとともに放送されるコンテンツに対して、“CRID://tbs.co.jp//1 ”というCRIDが埋め込まれるという例を示してある。
【0077】
この例では、CRIDのデータ記述として、“ CRID://<authority>/< 送出時刻>/< スレッドID> ”というものを想定しているが、“送出時刻”については視聴端末の側で挿入することから、放送局から配信される段階では空白になっている。
【0078】
なお、実施の形態で説明したように、“送出時刻”については放送局の側で挿入するという構成を採ることも可能である。
【0079】
図8に、本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの一実施例を図示する。
【0080】
図中、100は視聴端末であって、図1に示す携帯端末2に相当するもの、200はRARサーバであって、図1に示すRARサーバ51に相当するもの、300は複数備えられるLRサーバであって、図1に示すLRサーバ41に相当するもの、400は通信ネットワークであって、図1に示すインターネット6に相当するものである。
【0081】
視聴端末100は、放送局からの放送を受信する放送受信手段101と、放送受信手段101の受信した放送情報を表示画面に表示する表示手段102と、RARサーバ200やLRサーバ300との間の通信処理を司る通信手段103と、ユーザからの指示を受け取る指示手段104と、規定の制御処理を実行する制御手段105とを備える。
【0082】
RARサーバ200は、RARテーブル201を記憶するRARテーブル記憶手段202と、視聴端末100やLRサーバ300との間の通信処理を司る通信手段203と、規定の制御処理を実行する制御手段204とを備える。
【0083】
LRサーバ300は、LRテーブル301を記憶するLRテーブル記憶手段302と、受信したロケーション解決要求で指定されるCRIDとその受信時刻の情報とを記録するログ記憶手段303(図1に示すログファイル42に相当するもの)と、視聴端末100やRARサーバ200との間の通信処理を司る通信手段304と、規定の制御処理を実行する制御手段305とを備える。
【0084】
ここで、LRサーバ300がログ記憶手段303を備えることで、どの放送局の放送したどのコンテンツがどの位閲覧されるのかを把握することが可能になる。
【0085】
図9に、RARテーブル201(図1に示すRARテーブル50に相当するもの)のデータ構造の一例を図示し、図10及び図11に、LRテーブル301(図1に示すLRテーブル40に相当するもの)のデータ構造の一例を図示する。
【0086】
RARテーブル201は、CRIDを発行したauthorityをLRサーバ300に結び付けるデータを管理するものであって、図9に示すように、authorityとLRサーバアドレス(LRサーバ300のアドレス)との対応関係について記述するデータを管理する。
【0087】
LRテーブル301は、CRIDをコンテンツのロケーションに対応付けるデータを管理するものであって、図10に示すように、各時間帯に放送する各コンテンツ(スレッドIDで識別される)に対応付けて、そのコンテンツのアドレス情報について記述するデータを管理する。
【0088】
ここで、1つのLRサーバ300が複数のauthorityのコンテンツロケーションを管理する場合には、そのLRサーバ300の備えるLRテーブル301は、図11に示すように、各authority毎に、各時間帯に放送する各コンテンツに対応付けて、そのコンテンツのアドレス情報について記述するデータを管理するという構成を採ることになる。
【0089】
また、LRテーブル301は、図10及び図11に示すように、各時間帯に放送する各コンテンツに対応付けて、そのコンテンツのアドレス情報を管理することに加えて、そのコンテンツに割り当てられたロケータフラグを管理するという構成を採っている。
【0090】
このロケータフラグに0が立っている場合には、LRテーブル301に記憶されるアドレス情報がそのままコンテンツのロケーションを示していることを意味するのに対して、このロケータフラグに1が立っている場合には、別のLRサーバ300がコンテンツのロケーションを管理することを意味しており、この場合には、RARサーバ200からコンテンツロケーションの解決要求を受け取ったLRサーバ300は、LRテーブル301に記憶されるアドレス情報に従ってCRIDのauthority情報を書き換えて、RARサーバ200に対して、そのアドレス情報の指す別のLRサーバ300に対して、コンテンツロケーションの解決要求を依頼するように動作する。
【0091】
次に、図12に示すタイムチャートに従って、このように構成される本実施例の処理について説明する。
【0092】
図12中の(1)で示すように、視聴端末100が放送コンテンツを取得し、視聴端末100を操作するユーザがその放送コンテンツ内のボタンを押すと、視聴端末100は、図12中の(2)で示すように、放送局RARシステムのRARサーバ200に対して、CRIDパラメータ情報を渡してCRIDの解決を要求する。
【0093】
このCRID解決要求を受けて、RARサーバ200は、CRIDパラメータ情報からauthorityの情報を抽出して、RARテーブル201に対して、抽出したauthorityの解決を要求する。
【0094】
このauthority解決要求を受けて、RARテーブル201は、そのauthorityの指すLRサーバ300がどこにあるのかについて示す情報(図9に示すLRサーバアドレス)を検索してRARサーバ200に返し、これを受けて、RARサーバ200は、図12中の(4)で示すように、CRIDに記述されるauthorityの指すLRサーバ300の存在場所を示すLRサーバアドレスを取得する。
【0095】
このLRサーバアドレスを取得すると、RARサーバ200は、図12中の(5)で示すように、そのLRサーバアドレスの指すLRサーバ300を備える放送局LRシステムに対して、コンテンツロケーションの解決を要求する。
【0096】
このコンテンツロケーション解決要求を受けて、放送局LRシステムのLRサーバ300は、図10や図11に示すようなデータ構造を持つLRテーブル301を検索することで、コンテンツのアドレス情報を取得して、その取得したアドレス情報(コンテンツロケーション情報)を視聴端末100に返すことになるが、このとき、検索したアドレス情報に対応付けて管理されるロケータフラグが1を示している場合には、その取得したアドレス情報に従ってCRIDのauthority情報を書き換えることでコンテンツロケーション解決要求の再依頼情報を生成して、その生成した再依頼情報をRARサーバ200に返すことになる。
【0097】
ここで、この図12に示すタイムチャートでは、ロケータフラグが1を示している場合を想定しており、これから、LRサーバ300からRARサーバ200に対して、authorityの変換情報が通知され、これを受けて、RARサーバ200は、図12中の(6)で示すように、このauthorityの変換情報を取得することで、実際にコンテンツロケーションの解決を要求しなければならないLRサーバ300がどれであるのかを知ることになる。
【0098】
これから、RARサーバ200は、authority変換情報が通知される場合には、先に発行したコンテンツロケーションの解決要求ではコンテンツロケーションを解決できなかったことを判断して、図12中の(7)で示すように、通知されたauthority変換情報から特定されることになるLRサーバ300に対して、コンテンツロケーションの解決を要求する。
【0099】
ここで、このタイムチャートでは、ユーザの視聴要求したコンテンツが広告に関するものであり、広告については広告共通のLRシステムが用意されていることを想定しているので、RARサーバ200は、図12中の(7)で示すように、広告共通LRシステムのLRサーバ300に対して、コンテンツロケーションの解決を要求することになる。
【0100】
このコンテンツロケーション解決要求を受けて、広告共通LRシステムのLRサーバ300は、図10や図11に示すようなデータ構造を持つLRテーブル301を検索することで、コンテンツのアドレス情報を取得して、それを視聴端末100を返し、これを受けて、視聴端末100は、図12中の(8)で示すように、実際のコンテンツロケーション情報を取得する。
【0101】
このコンテンツロケーション情報を取得すると、視聴端末100は、図12中の(9)で示すように、その取得したコンテンツロケーション情報の指すコンテンツサーバ(図1に示すコンテンツサーバ3に相当するもの)に対してコンテンツを要求し、これを受けて、コンテンツサーバが要求されたコンテンツを視聴端末100に送信してくるので、視聴端末100は、図12中の(10)で示すように、その送信されてくる視聴要求のコンテンツを受信して表示画面に表示する。
【0102】
次に、図13ないし図16に示す処理フローに従って、図12のタイムチャートで実行する各処理の詳細について説明する。
【0103】
先ず最初に、図13の処理フローに従って、図12のタイムチャートの(1)(2)における処理(図中に示す処理A)の詳細について説明する。
【0104】
視聴端末100は、図12のタイムチャートにおける処理Aを実行する場合には、図13の処理フローに示すように、ステップS10で、映像データとBMLなどで記述されたコンテンツ一覧データとが多重化された放送を受信すると、続くステップS11で、その受信した映像とコンテンツ一覧とを表示画面に表示する。
【0105】
この表示画面に表示するコンテンツ一覧を見て、ユーザが指示手段104を操作してコンテンツのリンクを選択してくるので、続いて、ステップS12で、ユーザからの選択指示に従って、ユーザが視聴要求するコンテンツのリンクを選択する。
【0106】
続いて、ステップS13で、選択したリンクに埋め込まれたCRIDを抽出し、続くステップS14で、時計を参照することで現在時刻を取得する。
【0107】
続いて、ステップS15で、抽出したCRIDに、取得した現在時刻を送出時刻として挿入することで新たなCRIDを生成する。例えば、“CRID://tbs.co.jp//1 ”というCRIDを抽出するとともに、“20050907&20:15”という現在時刻を取得した場合の例で説明するならば、“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1 ”という新たなCRIDを生成するのである。
【0108】
続いて、ステップS16で、新たに生成したCRIDと視聴端末識別子(IPアドレスやポート情報などの返信に必要となる宛て先情報となるもの)とを含むCRID解決要求情報をRARサーバ200に送信することで、図12のタイムチャートにおける処理Aを終了する。
【0109】
次に、図14の処理フローに従って、視聴端末100からCRID解決要求を受信したときにRARサーバ200が実行する処理(図12中に示す処理B)の詳細について説明する。
【0110】
RARサーバ200は、図12のタイムチャートにおける処理Aに従って、視聴端末100からCRID解決要求を受信すると、図14の処理フローに示すように、先ず最初に、ステップS20で、視聴端末100から送られてきたCRID解決要求情報からCRIDを抽出し、続くステップS21で、その抽出したCRIDに記述されるauthority情報を抽出する。
【0111】
例えば、視聴端末100から“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1 ”というCRIDが送られてきた場合には、“tbs.co.jp ”というauthority情報を抽出するのである。
【0112】
続いて、ステップS22で、抽出したauthority情報をキーにして、図9に示すようなデータ構造を持つRARテーブル201を参照することで、ユーザが視聴要求するコンテンツのロケーションを把握するLRサーバ300のアドレスを特定する。
【0113】
続いて、特定したアドレスのLRサーバ300に対して、抽出したCRIDとCRIDの解決要求を行った視聴端末識別子とを含むコンテンツロケーション解決要求情報を送信することで、図12のタイムチャートにおける処理Bを終了する。
【0114】
次に、図15の処理フローに従って、RARサーバ200からコンテンツロケーション解決要求を受信したときにLRサーバ300が実行する処理(図12中に示す処理C)の詳細について説明する。
【0115】
LRサーバ300は、図12のタイムチャートにおける処理Bに従って、RARサーバ200からコンテンツロケーション解決要求を受信すると、図15の処理フローに示すように、先ず最初に、ステップS30で、RARサーバ200から送られてきたコンテンツロケーション解決要求情報からCRIDを抽出し、続くステップS31で、その抽出したCRIDに記述される送出時刻とスレッドIDとを抽出する。
【0116】
続いて、ステップS32で、抽出した送出時刻・スレッドIDをキーにして、図10に示すようなデータ構造を持つLRテーブル301を参照することで、抽出した送出時刻・スレッドIDに対応付けられるロケータフラグ情報とアドレス情報とを特定する。
【0117】
このとき、LRテーブル301が図11に示すように各authority毎にデータを管理する構成を採るときには、CRIDに記述されるauthority情報に従って、どのLRテーブル301を参照するのかを決定することになる。
【0118】
続いて、ステップS33で、特定したロケータフラグ情報からロケータフラグが0を示しているのか否かを判断して、ロケータフラグが0を示していることを判断するときには、ステップS34に進んで、特定したアドレス情報が自LRサーバ300の管理下にあるコンテンツのURLであると判断して、視聴端末100に対して、そのURLを含むコンテンツロケーション情報を視聴端末識別子とともに送信して、図12のタイムチャートにおける処理Cを終了する。
【0119】
一方、ステップS33の判断処理に従って、ロケータフラグが0を示していないことを判断するとき、すなわち、ロケータフラグが1を示していることを判断するときには、ステップS35に進んで、別のLRサーバ300(LRテーブル301から特定したアドレス情報の指すLRサーバ300)がコンテンツロケーションを管理していることを判断して、特定したアドレス情報と自authority情報とに従ってCRIDを書き換えて、RARサーバ200に対して、その書き換えたCRIDを含むコンテンツロケーション解決要求の再依頼情報を送信して、図12のタイムチャートにおける処理Cを終了する。
【0120】
例えば、RARサーバ200から“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1 ”というCRIDが送られてきた場合にあって、LRテーブル301から特定したアドレス情報が“advertising.co.jp ”で、自authority情報が“tbs.co.jp ”であるという場合には、“advertising.co.jp ”がコンテンツロケーション再要求先のauthority情報であると判断して、この“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1 ”を、“CRID://advertising.co.jp/20050907&20:15/1/tbs.co.jp ”と書き換えて、RARサーバ200に対して、その書き換えたCRIDを含むコンテンツロケーション解決要求の再依頼情報を送信して、図12のタイムチャートにおける処理Cを終了するのである。
【0121】
次に、LRサーバ300からコンテンツロケーション解決要求の再依頼を受信したときにRARサーバ200が実行する処理(図12中に示す処理D)について説明する。
【0122】
このときRARサーバ200が実行する処理は、基本的には、図14の処理フローで実行する処理と同一である。
【0123】
すなわち、RARサーバ200は、LRサーバ300からコンテンツロケーション解決要求の再依頼を受信すると、先ず最初に、LRサーバ300から送られてきた再依頼情報からCRIDを抽出して、その抽出したCRIDに記述されるauthority情報を抽出する。そして、その抽出したauthority情報をキーにして、図9に示すようなデータ構造を持つRARテーブル201を参照することで、ユーザが視聴要求するコンテンツのロケーションを把握する新たなLRサーバ300のアドレスを特定する。そして、その特定した新たなLRサーバ300に対して、抽出したCRIDと視聴端末識別子とを含むコンテンツロケーション解決要求情報を送信するのである。
【0124】
このコンテンツロケーション解決要求を受信したときに新たなLRサーバ300が実行する処理(図12中に示す処理E)は、基本的には、図15の処理フローで実行する処理と同一である。
【0125】
すなわち、その新たなLRサーバ300では、RARサーバ200から送られてきたコンテンツロケーション解決要求情報からCRIDを抽出し、その抽出したCRIDに記述されるauthority情報、送出時刻、スレッドIDを抽出する。そして、そのauthority情報の指すLRテーブル301を参照することで、その抽出した送出時刻・スレッドIDに対応付けられるロケータフラグ情報とアドレス情報とを特定して、それに基づいて、視聴端末100に対してコンテンツロケーション情報を送信したり、RARサーバ200に対して、その書き換えたCRIDを含むコンテンツロケーション解決要求の再依頼情報を送信するのである。
【0126】
次に、LRサーバ300からコンテンツロケーション情報を受信したときに視聴端末100が実行する処理(図12中に示す処理F)について説明する。
【0127】
視聴端末100は、図12のタイムチャートにおける処理Eに従って、LRサーバ300からコンテンツロケーション情報を受信すると、図16の処理フローに示すように、先ず最初に、ステップS40で、受信したコンテンツロケーション情報に含まれるURLを抽出する。
【0128】
続いて、ステップS41で、その抽出したURLの指すコンテンツサーバ(図1に示すコンテンツサーバ3に相当するもの)からコンテンツを取得し、続くステップS42で、その取得したコンテンツを表示画面に表示して、図12のタイムチャートにおける処理Fを終了する。
【0129】
このようにして、図8のように構成される本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムによれば、コンテンツへのリンクをCRIDによって記述して、映像とコンテンツ一覧とを多重化して放送し、これを受けて、視聴端末が表示画面に映像とコンテンツとを表示するように動作するときに、送出時刻を含める形でCRIDを生成して、その送出時刻をもとにコンテンツのロケーションを解決するようにすることで、ユーザのアクション時の放送内容に対応したコンテンツの提供を実現することができるようになる。
【0130】
(1)その他の実施例1
以上に説明した実施例では、CRIDに記述された送出時刻、スレッドIDを元に、LRサーバ300からユーザの所望するコンテンツのURLを取得するようにしたが、その他の方法として、送出時刻、スレッドIDの他にユーザの個人情報を含めるようにしてもよい。
【0131】
このようにすると、例えば、未成年者に対してお酒に関連したコンテンツの提供を行わないようにしたり、女性に対して女性をターゲットにした化粧品情報を提供できるようになるといったように、ユーザに応じたコンテンツを配信することができるようになる。
【0132】
このような個人情報に合ったコンテンツの配信を実現するためには、例えば、視聴端末100が、ユーザの個人情報(性別、年齢、嗜好情報、住所など)を記憶する個人情報記憶手段を備えるようにするとともに、LRサーバ300が、時間、スレッドIDの他に、個人情報ごとに、表示させたいコンテンツのURLや表示させたいコンテンツを管理する別のLRサーバ300のauthority情報を記録するLRテーブル301を備えるようにして、上述した処理Aにおいて、視聴端末100が送出時刻について記述するCRIDを生成するかわりに、送出時刻と、性別、年齢などの個人情報とについて記述するCRIDを生成するという方法を用いることになる。
【0133】
この方法を用いることで、例えば、ユーザが21歳の男性である場合には、“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1/m/21”というようなCRIDを生成することができ、これにより、上述した実施例と同様の処理に従って、上述のようなデータを管理するLRテーブル301を参照することで、視聴端末100は、21歳の男性に合ったコンテンツを取得して表示画面に表示することができるようになる。
【0134】
また、別の方法として、視聴端末100の側では、個人情報記憶手段を備えずに、端末IDを記憶する端末ID記憶手段を備えることで端末IDのみを管理するとともに、RARサーバ200の側で、端末IDと個人情報との対応関係を記憶する記憶手段を備えることで端末IDと個人情報との対応関係を管理して、視聴端末100からRARサーバ200に対してCRID解決要求を行う際に、CRIDと端末IDとを送信するようにして、RARサーバ200の側で、端末IDに基づいてユーザの個人情報を読み出し、それをCRIDに付与するようにするという方法を用いることでも実現可能である。
【0135】
ここで、このような実施例1の構成を採る場合に、CRIDは必ずしも送出時刻について記述する必要はない。ただし、CRIDが送出時刻についても記述するという構成を採ると、送出時刻及び個人情報に合ったコンテンツをユーザに配信することができるようになる。
【0136】
(2)その他の実施例2
上述した実施例では、CRIDに記述された送出時刻、スレッドIDを元に、LRサーバ300からユーザの所望するコンテンツのURLを取得するようにしたが、その他の方法として、送出時刻、スレッドIDの他に視聴端末100の現在位置の情報を含めるようにしてもよい。
【0137】
このようにすると、例えば、ユーザが東京にいるときには、東京に関連したコンテンツを提供し、ユーザが千葉にいるときには、千葉に関連したコンテンツを提供できるようになるといったように、ユーザの現在位置に応じたコンテンツを配信することができるようになる。
【0138】
このようなユーザの現在位置に合ったコンテンツの配信を実現するためには、例えば、視聴端末100がGPSなどのような位置情報取得手段を備えるようにするとともに、上述した処理Aにおいて、視聴端末100が送出時刻と現在位置情報とについて記述するCRIDを生成するようにし、さらに、LRサーバ300にて、図17に示すような地域ごとにアクセス先の異なるURLを記憶するLRテーブル301と、図18に示すような緯度経度と地域との対応関係について記憶する地域変換テーブルとを備えるという方法を用いることになる。
【0139】
この方法を用いることで、例えば、ユーザの現在位置が緯度35.5で経度135.2 である場合には、“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1/35.5&135.2”というようなCRIDを生成することができ、これにより、上述した実施例と同様の処理に従って、上述のようなデータを管理するLRテーブル301を参照することで、視聴端末100は、ユーザが現在いる地域に合ったコンテンツを取得して表示画面に表示することができるようになる。
【0140】
ここで、このような実施例2の構成を採る場合に、CRIDは必ずしも送出時刻について記述する必要はない。ただし、CRIDが送出時刻についても記述するようにすると、送出時刻及び位置情報に合ったコンテンツをユーザに配信することができるようになる。
【0141】
(3)その他の実施例3
上述した実施例では説明しなかったが、放送時にコンテンツ一覧に記載されたCRIDに、現在視聴している番組の識別子を記述したり、CMであればそのCMの広告枠を取り扱う広告代理店の識別子を記述したり、CMの識別子を記述するようにしてもよい。
【0142】
例えば、CMIDが220021で、そのCMを取り扱う代理店の識別子がHHDである場合に、“CRID://tbs.co.jp/20050907&20:15/1/HDD&220021”というようなCRIDを生成するようにしてもよい。
【0143】
このようにすることで、ログデータを解析する際に、LRサーバ300を再度たどらなくても、どのCMやどの広告枠やどの番組に関連する情報が要求されたのかを簡単に把握することできるようになる。
【0144】
また、同じ情報をコンテンツにも含めておくことにより、視聴端末100の側でも、ロケーションの解決されたコンテンツと、ロケーションの解決要求を出したCRIDとを比較することによって、正しいコンテンツのロケーション解決が行われたのかを確認することができるようになる。
【0145】
(4)その他の実施例4
(4−1)上述した実施例では、CRIDの<data>部分に記述する情報については、その記述する情報ごとに記述位置が定められていることで説明した。同様に、その他の実施例1〜3でも、CRIDの<data>部分に記述する情報については、その記述する情報ごとに記述位置が定められていることで説明した。
【0146】
この<data>部分についての記述方法として、このような方法を用いずに、例えば、“CRID://tbs.co.jp/time:20050907&20:15/1/thread:1 ”というように、情報の種別に応じたタグとともに記述するという方法を用いることも可能である。
【0147】
この方法を用いる場合には、各処理におけるCRIDの抽出については、視聴端末100やRARサーバ200やLRサーバ300にタグの解析手段(パーサ)を備えるようにして、公知の方法を用いて、任意の情報をCRIDから抽出するようにする。
【0148】
この方法を用いるようにすれば、CRIDに記述される情報を柔軟に変更することができるようになる。
【0149】
(4−2)また、上述した実施例では、CRIDの<data>部分に記述する情報として、視聴端末100やRARサーバ200やLRサーバ300に対して情報の取得を指示する要求情報を記述するようにはしていない。
【0150】
この<data>部分についての記述方法として、例えば、“CRID://tbs.co.jp/<送出時刻要求>/1/< 年齢情報取得要求>/< 位置情報取得要求> ”というように、視聴端末100やRARサーバ200やLRサーバ300に対して情報の取得を指示する要求情報を記述するようにしてもよい。ここで、< ・・・要求> は単なるフラグであってもよく、また、上述したタグによる方法と組み合わせてもよい。
【0151】
この方法を用いる場合には、視聴端末100やRARサーバ200やLRサーバ300に情報記入確認手段を備えるようにして、CRIDを生成する際に、要求情報を確認して必要な情報を記載する処理を実行することになる。
【0152】
この方法を用いるようにすれば、例えば、ユーザの個人情報などを不用意に流出させるという恐れを軽減できるようになる。
【0153】
以上に説明した実施例では、放送局から放送されてくる番組やCMに埋め込まれたCRIDを指定してコンテンツの視聴要求が発行される場合を想定したが、インターネット放送などのような有線サービス放送のEPG(電子番組案内)に対しても同様の構成に従って実現可能であり、この場合には、LRテーブル301は、時間ではなくて、ジャンルなどとコンテンツURLなどとが対応付けられるテーブルとなる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、ARIBの提案する地上デジタル放送双方向通信に適用可能である他に、デジタル放送双方向通信のような双方向通信を実現する形でコンテンツを放送するあらゆる放送システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムのシステム構成図である。
【図2】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理のタイムチャートである。
【図3】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理の説明図である。
【図4】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理のタイムチャートである。
【図5】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理の説明図である。
【図6】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理のタイムチャートである。
【図7】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムで放送される放送情報の一例を示す図である。
【図8】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの一実施例である。
【図9】RARテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図10】LRテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】LRテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図12】本発明を具備するデジタル放送双方向通信システムの実行する処理のタイムチャートの一実施例である。
【図13】視聴端末の実行する処理フローである。
【図14】RARサーバの実行する処理フローである。
【図15】LRサーバの実行する処理フローである。
【図16】視聴端末の実行する処理フローである。
【図17】LRテーブルのデータ構造の他の一例を示す図である。
【図18】地域変換テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
1 放送局
2 携帯端末
3 コンテンツサーバ
4 LRシステム
5 RARシステム
6 インターネット
10 CRID生成システム
11 送出システム
30 コンテンツデータベース
40 LRテーブル
41 LRサーバ
42 ログファイル
50 RARテーブル
51 RARサーバ
52 ログファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを放送するシステムで用いられるコンテンツのロケーション解決方法であって、
コンテンツの一覧を放送する場合に、そのコンテンツ一覧に、それらのコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する過程と、
上記コンテンツ一覧の中から選択されたコンテンツを指定して、コンテンツのロケーションの解決要求がある場合に、その解決要求を受け付ける受付サーバで、そのコンテンツのロケーションの解決を行う解決サーバを特定する過程と、
上記特定した解決サーバで、上記解決要求で指定されたコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換する過程と、
上記変換したロケーションを上記解決要求元の装置に通知する過程とを備えることを、
特徴とするコンテンツロケーション解決方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツロケーション解決方法において、
上記解決サーバが上位サーバと複数の下位サーバとで階層的に構成され、
上記変換する過程では、上位サーバで、上記解決要求で指定されたコンテンツに対応付けられるコンテンツ参照IDに基づいて、どの下位サーバを用いるのかを特定して、その特定した下位サーバで、そのコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換することを、
特徴とするコンテンツロケーション解決方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツロケーション解決方法において、
上記受付サーバで受け付けたコンテンツ参照IDのログデータ、あるいは、上記解決サーバで変換したコンテンツ参照IDのログデータを集計分析する過程を備えることを、
特徴とするコンテンツロケーション解決方法。
【請求項4】
コンテンツを放送するシステムで用いられるコンテンツの配信方法であって、
放送するコンテンツに、それからリンクするコンテンツのコンテンツ参照IDを埋め込んで放送する過程と、
上記コンテンツ参照IDを指定して、コンテンツの視聴要求がある場合に、その視聴要求を受け付ける受付サーバで、そのコンテンツのロケーションの解決を行う解決サーバを特定する過程と、
上記特定した解決サーバで、上記視聴要求で指定されたコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換する過程と、
上記変換したロケーションの指すコンテンツサーバから、上記視聴要求元の装置に対してコンテンツを配信する過程とを備えることを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツ配信方法において、
上記解決サーバが上位サーバと複数の下位サーバとで階層的に構成され、
上記変換する過程では、上位サーバで、上記視聴要求で指定されたコンテンツ参照IDに基づいて、どの下位サーバを用いるのかを特定して、その特定した下位サーバで、そのコンテンツ参照IDを対応するロケーションに変換することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のコンテンツ配信方法において、
上記放送する過程では、少なくとも放送局のIDと送出時刻とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のコンテンツ配信方法において、
上記放送する過程では、少なくとも放送局のIDと送出時刻の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送し、
上記視聴要求元装置は、コンテンツ参照IDに上記取得指示が記述されている場合には、上記送出時刻を取得してコンテンツ参照IDに記入することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項8】
請求項4又は5に記載のコンテンツ配信方法において、
上記放送する過程では、少なくとも放送局のIDと上記視聴要求元装置の位置情報の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送し、
上記視聴要求元装置は、コンテンツ参照IDに上記取得指示が記述されている場合には、上記位置情報を取得してコンテンツ参照IDに記入することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項9】
請求項4又は5に記載のコンテンツ配信方法において、
上記放送する過程では、少なくとも放送局のIDと上記視聴要求元装置のユーザ情報の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送し、
上記視聴要求元装置は、コンテンツ参照IDに上記取得指示が記述されている場合には、上記ユーザ情報を取得してコンテンツ参照IDに記入することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項10】
請求項4又は5に記載のコンテンツ配信方法において、
上記放送する過程では、少なくとも放送局のIDと上記視聴要求元装置のユーザ情報の取得指示とについて記述するコンテンツ参照IDを埋め込んで放送し、
上記受付サーバは、コンテンツ参照IDに上記取得指示が記述されている場合には、上記ユーザ情報を取得してコンテンツ参照IDに記入することを、
特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項11】
請求項4ないし10のいずれか1項に記載のコンテンツ配信方法において、
上記受付サーバで受け付けたコンテンツ参照IDのログデータ、あるいは、上記解決サーバで変換したコンテンツ参照IDのログデータを集計分析する過程を備えることを、
特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−104654(P2007−104654A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242634(P2006−242634)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【出願人】(591084850)株式会社東京放送 (8)
【出願人】(504133028)株式会社博報堂DYメディアパートナーズ (3)
【Fターム(参考)】