説明

コンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体

【課題】受信した放送番組および蓄積された蓄積番組に応じて適切なタイミングで最適な再生番組を選択し、ユーザのニーズの多様性に対応する。
【解決手段】放送波を介して受信した放送番組、または、番組データ記録部41に蓄積された蓄積番組を再生する携帯電話100において、受信した放送番組を識別するための放送番組IDと、蓄積番組を識別するための蓄積番組IDとを取得する番組ID抽出部22と、取得された放送番組IDおよび蓄積番組IDに基づいて、放送番組および蓄積番組の少なくとも1つを、再生するための再生番組として選択する番組再生制御部23とを備えているので、一斉配信される放送番組を受信する場合であっても、適切な再生番組を選択して再生することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送−通信連携型の双方向コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の発達により、インターネットに接続される端末数は大幅に増加した。これに伴い、従来の放送サービスとネットワークを利用した通信サービスとを連携させる新たなサービスが興りつつある。放送サービスの利点は、1対多のサービスを実現でき、一度に複数のユーザがサービスを享受できることにある。
【0003】
近年この放送サービスに、ネットワークを利用したサービスを付加することができるようになってきており、放送と通信とを連携させた双方向サービスの利用が一般的になると考えられる。
【0004】
具体的には、例えば、放送−通信連携型の双方向サービスでは、コンテンツは放送波にて広く配信され、数多くのユーザの受信端末(コンテンツ再生装置)にてコンテンツが受信される。コンテンツを受信した数多くのコンテンツ再生装置では、通信サービスを利用して、当該コンテンツへの応答が可能になる。例えば、配信コンテンツに含まれる、サーバなどへのアクセス先情報を元にネットワークを経由して関連情報サービスへのアクセスを行う。
【0005】
このような双方向サービスにおいて、コンテンツを配信するサービス提供者側には、ユーザのニーズの多様性に対応し、きめ細かいサービスを提供することが求められる。
【0006】
ユーザのニーズの多様性に対応し、きめ細かいサービスを提供するための技術としては、例えば、特許文献1に、ユーザを特定するためのユーザ識別子に基づき、ユーザ固有の情報を抽出した上で共通のサービス情報に加えてユーザ固有のサービスを付加する(例えば、ユーザに適した個人向けコンテンツを配信するなど)技術が開示されている。
【特許文献1】特開平8−115361号(1996年5月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の技術では、一斉にコンテンツを配信する放送などのPUSH型のサービス形態においては、ユーザの多様なニーズに対応したきめ細かいサービスを提供することはできないという問題がある。
【0008】
さらに、1のコンテンツ再生装置においても、その利用状況の変化(どのコンテンツを受信(再生)したか)に対応して、再生すべき最適なコンテンツは変化する。上記特許文献1の技術では、この変化に対応することができないという問題がある。
【0009】
つまり、ユーザのニーズの多様性に対応してきめ細かいサービスを提供するためには、コンテンツ再生装置の各々が、自装置の利用状況に応じて、配信されたコンテンツに変更を加え、最適なコンテンツを適切なタイミングで再生する必要が生じる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、同じ内容のコンテンツを一斉配信する、放送−通信連携型の双方向コンテンツ放送システムにおいて、適切なタイミングで最適なコンテンツをユーザに提示することにより、ユーザのニーズの多様性に対応するコンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記課題を解決するために、放送波を介して受信した放送コンテンツと、コンテンツ記録部に蓄積された蓄積コンテンツとを再生するコンテンツ再生装置において、受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得手段と、上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得手段と、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係るコンテンツ再生装置の制御方法は、上記課題を解決するために、放送波を介して受信した放送コンテンツと、コンテンツ記録部に蓄積された蓄積コンテンツとを再生するコンテンツ再生装置の制御方法であって、受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得ステップと、上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得ステップと、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、放送コンテンツが受信されると、放送コンテンツ識別情報取得手段が、当該放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得し、また、蓄積コンテンツ識別情報取得手段が、蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する。再生制御手段は、上記各識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを再生するための再生コンテンツを選択する。
【0014】
これにより、放送コンテンツ受信時に、受信された放送コンテンツと、蓄積されている蓄積コンテンツとの組合せに応じて、再生コンテンツを選択するので、どの放送コンテンツが受信されたか、および、どのコンテンツが蓄積されているのかに応じて、当該タイミングで再生すべき最適なコンテンツを適宜選択することができる。
【0015】
したがって、コンテンツ再生装置が放送コンテンツを次々に受信し、受信した放送コンテンツが蓄積コンテンツとして、当該コンテンツ再生装置に蓄積されることによって、ユーザの所望のコンテンツ(あるいは、ユーザに視聴してほしいコンテンツ)が刻々と変化するような状況においても、どのコンテンツが蓄積されているか(受信されたか)を考慮し、再生すべき最適なコンテンツを選ぶことが可能となる。
【0016】
結果として、一斉配信される放送コンテンツを受信する場合であっても、適切なタイミングで最適なコンテンツをユーザごとに提示することが可能となり、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0017】
さらに、上記コンテンツ再生装置は、自装置が放送コンテンツを受信したことを検知する放送受信検知手段を備え、上記放送受信検知手段が、自装置が放送コンテンツを受信したことを検知した時に、上記再生制御手段が、再生コンテンツを選択するようにしてもよい。
【0018】
上記構成によれば、上記再生制御手段は、識別番号に基づく再生コンテンツの選択を、放送コンテンツの受信と同時に実行する。
【0019】
これにより、放送コンテンツ受信時に、そのときに再生される最適なコンテンツを、当該放送コンテンツおよび蓄積コンテンツの組合せに応じて適宜選択することが可能となる。したがって、放送コンテンツ受信の度に、最適なコンテンツを選択し、ユーザに提示することができるので、ユーザのニーズの多様性に対応することが可能となる。
【0020】
なお、上記コンテンツ記録部には、蓄積コンテンツ識別情報ごとに、当該蓄積コンテンツが再生された回数を示す情報が対応付けて記録されており、上記再生制御手段は、蓄積コンテンツの再生回数に基づいて再生コンテンツを選択することが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、上記各コンテンツの識別情報の組合せに加えて、蓄積コンテンツの再生回数を考慮して、再生制御手段は、再生コンテンツを選択する。
【0022】
例えば、再生回数が一定回数を上回る蓄積コンテンツを再生コンテンツの候補からはずすこともできる。これにより、同じ放送コンテンツが受信される場合でも、際限なく同じ蓄積コンテンツが再生されるということがなくなり、ユーザを飽きさせないようにすることができる。
【0023】
さらに、上記再生制御手段は、複数の再生コンテンツを選択し、その再生順序および表示画面における表示位置を決定してもよい。
【0024】
上記再生制御手段は、選択した複数の再生コンテンツについて、それらの再生順序を決定し、それらを表示する表示位置を再生コンテンツごとに決定する。
【0025】
これにより、選択した再生コンテンツの再生方法に変更を加えることが可能となり、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0026】
例えば、再生コンテンツの再生順序や表示位置を規定する制御情報が、再生コンテンツの組合せに対応付けてあらかじめ記録部に格納されているとすると、上記再生制御手段は、選択した再生コンテンツの再生コンテンツ識別情報に基づいて上記制御情報を取得する。例えば、上記制御情報に、受信された放送コンテンツがコンテンツ再生装置の表示部のメイン画面にて再生され、蓄積コンテンツA〜Cが、上記放送コンテンツに同期して、表示部のサブ画面にて順に再生することが記述されているとすると、その記述どおりに各コンテンツが再生されるよう、コンテンツ再生装置を制御することが可能となる。
【0027】
さらに、上記再生制御手段が上記組合せに基づいて再生コンテンツを選択するための規則を放送コンテンツ識別情報に対応付けて記述したテンプレートが、テンプレート記録部に記録されており、上記再生制御手段は、上記テンプレートに記述された、上記取得された放送コンテンツ識別情報に対応付けられた規則に従って、再生コンテンツを選択してもよい。
【0028】
上記構成によれば、上記再生制御手段は、上記テンプレートに記述された規則にしたがって、受信した放送コンテンツと蓄積された蓄積コンテンツとがどのコンテンツであるかに応じて、再生する再生コンテンツを選択する。
【0029】
つまり、テンプレートには、放送コンテンツと蓄積コンテンツとの組合せに応じて適切な再生コンテンツが選択されるように規則が記述されているので、上記再生制御手段はそれにしたがって、適切なタイミングで適切な再生コンテンツを選択することができる。
【0030】
例えば、上記テンプレートと、本放送の放送コンテンツに関連するサービスコンテンツを、コンテンツ再生装置があらかじめ受け取って記録しておく(=蓄積コンテンツ)。これによれば、放送コンテンツ配信元からは、1種類の放送コンテンツが繰り返し一斉配信されるだけでも、コンテンツ再生装置の側で、都度、最適な再生コンテンツを選択することが可能となる。
【0031】
以上のことから、放送コンテンツ配信元は、ユーザに応じて複数種類のコンテンツを用意する必要がなくなるので、放送コンテンツ配信元の負担を軽減することが可能となる。さらに、放送コンテンツ配信元は、常に1種類のコンテンツを一斉配信するだけで、ユーザのニーズの多様性に対応することが可能となるので、多種類のコンテンツを用意することによるチャンネル数の枯渇を回避することが可能となる。
【0032】
結果として、一斉配信される放送コンテンツを受信する場合であっても、適切なタイミングで最適なコンテンツを選択し、再生させることが可能となる。したがって、放送による膨大な種類のコンテンツを用意することなく、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0033】
さらに、上記テンプレートには、上記再生制御手段が参照するテンプレートを変更するタイミングを指定したタイミング情報が記述されており、上記再生制御手段は、上記タイミング情報にしたがって、参照するテンプレートを変更することが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、上記再生制御手段は、上記タイミング情報にしたがって、参照するテンプレートを変更すべきと判断した場合には、参照先テンプレートを変更する。
【0035】
これにより、所定の条件で、上記再生制御手段が再生コンテンツを選択するための規則が変更され、新しい規則にしたがって、上記再生制御手段は再生コンテンツを選択する。
【0036】
以上のことから、コンテンツ再生状況に応じてより最適な再生コンテンツを選択し、ユーザのニーズの多様性に対応することが可能となる。
【0037】
上記テンプレートには、上記タイミング情報として、放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づく規則が記述されており、上記再生制御手段は、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報が上記組合せに基づく規則を満たしたとき、参照するテンプレートを変更することが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、上記再生制御手段は、新たに蓄積コンテンツが蓄積されたり、蓄積コンテンツが削除されたりすることにより、上記各識別情報の組合せに変更が起こった場合に、従前と異なる規則・条件にしたがって、再生コンテンツを選択する。
【0039】
結果として、利用状況の変化に応じて、そのときに最適な再生コンテンツを選択することができる。
【0040】
さらに、上記再生制御手段は、外部の装置から所定の制御信号を受信した時、参照するテンプレートを変更してもよい。
【0041】
例えば、通信販売にてある商品の購入を呼びかける通販番組がコンテンツ再生装置に配信されるとする。再生コンテンツで販売される商品の購入がユーザにより決定され、それに応答する販売元のサーバが購入処理完了の制御信号(上記所定の制御信号に相当)をコンテンツ再生装置に返信するとする。
【0042】
このとき、上記再生制御手段は、上記購入処理完了の制御信号を受信したのに応じて参照するテンプレートを変更する。具体的には、例えば、上記購入処理を実行したコンテンツ再生装置のユーザだけが特別に視聴できる特典コンテンツが再生コンテンツとして選択されるよう記述されたテンプレートへと変更する。
【0043】
これにより、上記再生制御手段は新しいテンプレートにしたがって、各コンテンツの識別情報の所定の組合せによって、新たに上記特典コンテンツを再生コンテンツとして選択することが可能となる。
【0044】
以上のことから、外部の装置から所定の制御信号を受信したコンテンツ再生装置だけが、特定コンテンツを再生することができ、結果として、利用状況の変化に応じて、そのときに最適な再生コンテンツを選択し、ユーザのニーズの多様性に対応することが可能となる。
【0045】
なお、上記コンテンツ再生装置は、上記再生制御手段が新たに参照すべきテンプレートを上記タイミング情報にしたがって外部の装置から取得し、上記テンプレート記録部に記録するテンプレート取得手段を備えていてもよい。
【0046】
上記構成によれば、上記テンプレート取得手段は、上記タイミング情報にしたがって、所定の新たなテンプレートを取得する。取得したテンプレートを再生制御手段が参照することによって、上記再生制御手段は、別の異なる規則にて再生コンテンツの選択を行うことができる。
【0047】
したがって、コンテンツ再生装置が放送コンテンツを次々に受信し、さまざまなコンテンツを再生したことにより、再生すべき最適なコンテンツが変化した場合、上記再生制御手段は、どのコンテンツが蓄積されているか、あるいは、それらは何回再生されたかを考慮することによって、再生すべき最適なコンテンツを選ぶことができる。
【0048】
結果として、一斉配信される放送コンテンツを受信する場合であっても、コンテンツ再生装置の利用状況に応じて適切なタイミングで最適なコンテンツを再生することが可能となり、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0049】
なお、上記コンテンツ再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記コンテンツ再生装置をコンピュータにて実現させるコンテンツ再生装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0050】
本発明のコンテンツ再生装置は、受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得手段と、上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得手段と、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御手段とを備えている。したがって、一斉配信される放送コンテンツを受信する場合であっても、適切なタイミングで最適な再生コンテンツを選択して再生することが可能となる。
【0051】
上記コンテンツ再生装置の制御方法は、受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得ステップと、上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得ステップと、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御ステップとを含んでいる。したがって、一斉配信される放送コンテンツを受信する場合であっても、適切なタイミングで最適な再生コンテンツを選択して再生することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、一例として、テレビ放送を受信し、番組を再生することが可能な、TV機能付き携帯電話(以下、単に携帯電話と称する)に本発明のコンテンツ再生装置を適用した場合について説明する。
【0053】
なお、以下説明に用いる図面では、同一の部材に同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0054】
(放送サービス提供システムの概略)
図2は、本発明に係る放送サービス提供システム60の概略構成を示す図である。
【0055】
図2に示すとおり、放送サービス提供システム60は、インターネット62を介して互いに通信可能な複数の装置を含む。より具体的には、放送サービス提供システム60は、放送番組を受信して再生する携帯電話100と、放送番組を供給する放送サーバ200と、携帯電話100における番組再生の制御に関する情報を含んだテンプレート52を提供するテンプレート提供サーバ300とを含む。
【0056】
放送サーバ200は、放送波61を介して放送番組を携帯電話100に供給するものである。より具体的には、放送サーバ200は、携帯電話100が再生する放送番組および当該番組ついてのメタ情報(例えば、番組を個々に識別するための放送番組IDなど)を含む放送番組データ51を生成し放送する。なお、放送番組の番組情報を提供するEPG(電子番組表)53を、放送番組データ51とともに放送波61にのせて、携帯電話100に供給してもよい。
【0057】
テンプレート提供サーバ300は、テンプレートを携帯電話100に提供するものである。テンプレートとは、携帯電話100における番組再生処理の制御情報である。携帯電話100にこのテンプレート52を提供することにより、携帯電話100のユーザにサービスを提供する。本実施形態では、サービスの内容は、上記テンプレートの供給である。携帯電話100は、上記テンプレートを利用して、放送番組に関連する別の番組を再生することが可能となる。ここで、上記別の番組は、上記テンプレートを入手した携帯電話100でしか再生できない特別なコンテンツとなる。テンプレート提供サーバ300は、あらかじめ放送番組の供給元である放送サーバ200の認可を受け、放送サーバ200で放送される放送番組に関して提供するテンプレート52を生成し、携帯電話100に提供する。
【0058】
さらに、テンプレート提供サーバ300は、放送サーバ200から放送された放送番組に関連する番組をインターネット62を介して携帯電話100に供給することが可能である。
【0059】
携帯電話100は、放送サーバ200が放送する放送番組データ51を受信して、そこに含まれる放送番組を再生するものである。また、本実施形態では、携帯電話100は、受信した放送番組(放送コンテンツ)を記録部(例えば、携帯電話100が内蔵する記録部)に蓄積する。以下では、記録部に蓄積された番組を蓄積番組(蓄積コンテンツ)と称する。
【0060】
また、携帯電話100は、テンプレート提供サーバ300が提供するテンプレート52を、インターネット62を介して受信し、受信したテンプレート52にしたがって、放送番組および/または蓄積番組を再生する。以下では、携帯電話100が再生する番組を再生番組(再生コンテンツ)と称する。このテンプレート52は、テンプレート提供サーバ300が所定のタイミングで携帯電話100に配信するものであっても構わないし、携帯電話100が、テンプレート提供サーバ300にテンプレート要求メッセージ54をインターネット62を介して送信し、テンプレート提供サーバ300から取得するものであっても構わない。
【0061】
さらに、携帯電話100は、再生番組に対して、所定の処理を行うことができる。所定の処理としては、具体的には、再生番組が、通信販売の番組である場合に、再生番組で提示された販売元の宛先情報(URL(uniform resource locator)など)を識別して販売元のサーバにアクセスし、商品を購入する処理を行うことなどが想定される。
【0062】
なお、本実施形態では、本発明のコンテンツ再生装置として、放送番組を受信し再生する携帯電話100を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、ネットワークを介して外部の装置と通信するための通信部と、放送サーバ200から供給される放送番組を受信し再生することが可能な情報処理装置であれば何でもよい。例えば、TV受像機、パーソナルコンピュータ、PDA(personal digital assistant)などが想定される。
【0063】
また、本実施形態では、放送サーバ200により放送される放送番組は、映像データが想定されているが、これに限定されない。放送サーバ200により供給されるデータは、その形式を問わず、映像データ、画像データ、音声データ、文字データなどどのような形式のデータであってもよい。
【0064】
なお、放送サービス提供システム60において、放送サーバ200が提供する情報の一部はスクランブルされていてもよい。放送サーバ200が配信するスクランブルされた情報を携帯電話100が利用する場合には、鍵情報が必要となる。例えば、秘匿すべき情報は公開鍵を用いた暗号化方式により暗号化される。また、各ユーザの携帯電話100から放送サーバ200宛てに送信される鍵情報の要求に対しては、改ざんの検知および要求発行者の妥当性の証明を目的として、電子署名を用いる。
【0065】
(携帯電話の構成)
(1)概要
図1は、本実施形態に係る携帯電話100の構成を示すブロック図である。携帯電話(コンテンツ再生装置)100は、図1に示すとおり、制御部1、放送受信部2、通信部3、操作部4、表示部5、音声出力部6、および、記録部40を備えた構成となっている。
【0066】
記録部40は、制御部1が実行するプログラムや、制御部1が放送(蓄積)番組データやテンプレートの管理および再生制御を行う際に読み出す種々のデータを記録するものである。制御部1および記録部40の詳細は後述する。
【0067】
操作部4は、ユーザが携帯電話100を動作させるための信号を入力する信号入力手段である。本実施形態では、例えば、携帯電話100自体に設けられた操作ボタン(十字キーやテンキーなど)で構成されている。操作部4の各キー操作による指示信号は、制御部1に送られる。
【0068】
ユーザにより操作部4を用いて入力される再生番組に対して行われる指示としては、再生番組内に含まれるURLなどの情報に対してアクセスするアクセス指示が想定される。より具体的には、再生番組にて紹介されている商品の購入指示を入力するものであってもよい。また、蓄積番組の早送り、巻戻しまたは停止などの指示を入力するものであっても構わない。
【0069】
放送受信部2は、放送サーバ200から放送波により伝送される放送番組データ51を受信するものである。この場合、放送受信部2は、チューナ、復調部、および、TS(トランスポートストリーム)デコーダなどで構成される。復調され、デコードされた放送番組データ51は、記録部40に記録され、再生するときに制御部1により読み出される。
【0070】
通信部3は、インターネット、携帯電話網、または、LAN(local area network)などで実現される通信網を介して外部の装置と双方向通信を行うものである。具体的には、テンプレート要求メッセージ54をテンプレート提供サーバ300に送信したり、テンプレート提供サーバ300からテンプレート52を受信したりする。取得されたテンプレート52は、記録部40に記録される。
【0071】
表示部5は、再生番組に含まれる映像(動画・画像)データを出力するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。音声出力部6は、再生番組に含まれる音声データを出力するスピーカとして実現される。
【0072】
制御部1は、携帯電話100を統括制御するものである。制御部1は、記録部40に記録されている各種プログラムを読み出して、本発明のコンテンツ再生装置としての機能を果たす各部を制御し、番組データ・テンプレートの管理・再生制御などの処理を行う。制御部1は、内部に入出力制御部10と番組処理部20とを有している。
【0073】
制御部1の入出力制御部10は、携帯電話100の各部(上述の放送受信部2、通信部3、操作部4、表示部5、および、音声出力部6)と、制御部1内部の番組処理部20との間で行われる情報の入出力を制御するものである。入出力制御部10は、入力制御部11、通信制御部12、操作受付部13、および、出力制御部14を含んでいる。
【0074】
操作受付部13は、ユーザが操作部4を介して入力した、再生番組に対するユーザの指示信号を受け付けて、番組処理部20に供給するものである。これにより、携帯電話100は、ユーザの操作に応じて、指定された処理を実行することができる。
【0075】
入力制御部11は、放送受信部2が受信した放送番組データ51を受け付けて、記録部40に記録するものである。
【0076】
出力制御部14は、記録部40に記録されている蓄積番組が番組処理部20によって再生されるときに、該再生番組の映像データを表示部5に、および/または音声データを音声出力部6に出力するものである。これにより、ユーザは、表示部5に表示された映像や、音声出力部6に出力された音楽を楽しむことができる。
【0077】
通信制御部12は、携帯電話100と外部の装置との通信を制御するものである。より具体的には、通信部3を制御して、テンプレート要求メッセージ54を送信し、テンプレート52を受信する。
【0078】
次に、番組処理部20内の各部および記録部40についてより詳細に説明する。
【0079】
(2)詳細
図1に示すとおり、番組処理部20は、放送受信検知部21、番組ID抽出部(放送コンテンツ識別情報取得手段/蓄積コンテンツ識別情報取得手段)22、番組再生制御部(再生制御手段)23、番組データ管理部24、テンプレート管理部(テンプレート取得手段)25、および、番組再生部26を有している。記録部40は、受信された放送番組データを蓄積する番組データ記録部(コンテンツ記録部)41および取得されたテンプレートを記録するテンプレート記録部42を含んでいる。
【0080】
放送受信検知部21は、放送受信部2が受信した放送番組データ51を入力制御部11が受け付けたことにより、放送番組を受信したことを検知するものである。
【0081】
番組ID抽出部22は、放送(蓄積)番組を識別するための番組IDを取得するものである。番組ID抽出部22が抽出する番組IDは2種類ある。1つ目は、放送受信検知部21が検知した放送番組を識別するための放送番組ID(放送コンテンツ識別情報)である。番組ID抽出部22は、受信された放送番組データ51から放送番組IDを抽出する。2つ目は、番組データ記録部41に記録されている蓄積番組を識別するための蓄積番組ID(蓄積コンテンツ識別情報)である。番組ID抽出部22は、番組データ記録部41から、蓄積コンテンツに対応付けて記録されている蓄積番組IDを抽出する。
【0082】
番組再生制御部23は、放送受信検知部21が放送番組を受信したことを検知したときに、再生すべき再生番組を決定するものである。番組再生制御部23は、番組ID抽出部22が抽出した放送番組IDおよび蓄積番組IDに基づいて、受信された放送番組および番組データ記録部41に蓄積された蓄積番組の少なくとも1つを、再生番組として選択する。番組再生制御部23における再生番組の選択方法の詳細は後述する。
【0083】
番組再生部26は、番組再生制御部23が再生番組として選択した番組を再生し、出力制御部14に供給する。
【0084】
上記構成によれば、放送番組が受信されると、番組ID抽出部22が、当該放送番組と、番組データ記録部41に記録された蓄積番組とを識別するための番組IDをそれぞれ抽出し、その抽出された番組IDに基づいて、番組再生制御部23が再生番組を選択する。これにより、どの番組が放送されているか、および、どの番組が蓄積されているのかに応じて、再生すべき番組を適宜選択することができる。
【0085】
したがって、携帯電話100が、放送される番組を次々に受信し、受信した放送コンテンツが蓄積コンテンツとして、当該コンテンツ再生装置に蓄積されることによって、ユーザの所望のコンテンツ(あるいは、ユーザに視聴してほしいコンテンツ)が刻々と変化するような状況においても、受信済みの番組が記録されている番組データ記録部41がどの番組を蓄積しているかを考慮することによって、適切なタイミングで再生すべき最適な番組を選ぶことができる。
【0086】
結果として、一斉配信される放送番組を受信する場合であっても、再生する番組に変化を持たせて携帯電話100ごとに再生させることが可能となり、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0087】
なお、番組再生制御部23は、番組ID抽出部22が抽出した番組IDの組合せに応じて、複数の再生番組を選択し、その再生順序および表示画面における表示位置を決定することができる。具体的には、例えば、受信された放送番組が表示部5のメイン画面にて再生され、蓄積番組A〜Cが、上記放送番組に同期して、表示部5のサブ画面にて順に再生されるよう番組再生部26を制御することができる。
【0088】
次に、番組データ管理部24および番組データ記録部41について説明する。
【0089】
番組データ管理部24は、放送番組データ51が入力制御部11を介して受信されたときに、放送番組データ51を番組データ記録部41に格納するものである。
【0090】
図3は、番組データ記録部41に記録される番組データの例を示す図である。
【0091】
図3に示すとおり、番組データテーブルは、4つのカラムからなる。
【0092】
具体的には、カラムC1は、番組を一意に識別するための番組IDを示す。放送番組データ51に含まれる放送番組IDが格納される。番組ID抽出部22は、蓄積番組の蓄積番組IDを抽出するときに、このカラムC1を参照する。カラムC2は、放送番組データ51が受信された日時を示す。カラムC3は、放送番組データ51に含まれる放送番組が格納される領域を示す。番組再生部26が当該番組を再生するときに参照する。カラムC4は、当該番組が再生された回数を示す。図3に示す例では、番組ID「100000121117866」の番組は、携帯電話100においてすでに3回再生されていることが分かる。
【0093】
本実施形態では、番組を上記番組IDによって識別しており、1番組につき1レコードが追加される。したがって、再放送によって、すでに番組データ記録部41に蓄積されている蓄積番組Aと同一の番組IDを有する放送番組Aが受信された場合には、番組データテーブルに新たなレコードを追加することはしない。この場合は、該当する蓄積番組Aのレコードの受信日時を上記放送番組Aの受信日時に更新し、再生回数を1加算する。
【0094】
なお、本実施形態では、番組データ記録部41に記録される番組データを、番組の番組IDに対応付けて1つのテーブル(以下、番組データテーブルと称する)として示したが、番組データのデータ構造は、これに限定されない。番組ごとに、上述したカラムC1〜C4までの属性情報が対応付けて記録されていればどのようなデータ構造でもよい。
【0095】
また、上記番組データテーブルを構成するカラムは上述した4つのカラムに限定されず、例えば、EPG53(図2)から取得した番組ごとの番組情報(番組タイトル、ジャンルなど)を格納するためのカラムを設けてもよい。
【0096】
あるいは、蓄積番組の再生可能期間(有効期限)の情報を格納するためのカラムを設けてもよい。番組データ管理部24は、有効期限のカラムを参照し、番組データ記録部41に蓄積されている蓄積番組の有効期限が切れたことを検知して、当該蓄積番組データを削除することができる。
【0097】
なお、番組再生制御部23は、再生番組を選択する際、上述した図3の番組データテーブルを参照してもよい。これにより、番組再生制御部23は、受信された放送番組IDと同一の蓄積番組IDに対応する蓄積番組の再生回数を考慮して、再生番組を選択することが可能となる。
【0098】
例えば、放送番組Aが受信され、番組データ記録部41に格納されるとき、すでに、放送番組Aと同一の番組IDを有する蓄積番組Aが番組データ記録部41に蓄積されているとする。このとき、番組再生制御部23は、蓄積番組Aの再生回数が所定回数(例えば、3回)以上と判断した場合には、放送番組Aおよび蓄積番組Aとは異なる蓄積番組Bを再生番組として選択することができる。
【0099】
これにより、一定回数以上同じ番組が受信されたら、所定の異なる番組が再生されるように、携帯電話100を制御することが可能となる。
【0100】
さらに、番組再生制御部23は、テンプレート記録部42に記録されているテンプレートにしたがって、再生番組を選択することもできる。テンプレートとは、上述したとおり、携帯電話100における番組再生処理の制御情報である。より具体的には、テンプレートは、番組再生制御部23が再生番組を選択するための規則を放送番組IDに対応付けて記述したものである。テンプレートの記述形式としては、例えば、XML(extensible markup language)などが想定される。しかし、記述形式はこれには限定されない。携帯電話100上で動作するものであれば何でもよく、好ましくは、放送サービス提供システム60内の各装置で統一された形式であればどのようなものでもよい。
【0101】
以下、上記テンプレートを管理するテンプレート管理部25および上記テンプレートを記録するテンプレート記録部42について説明する。
【0102】
テンプレート管理部25は、通信制御部12を介して、通信部3がテンプレート提供サーバ300から取得したテンプレートをテンプレート記録部42に格納するものである。
【0103】
図4は、テンプレート記録部42に記録される、テンプレート管理部25がテンプレート提供サーバ300から取得したテンプレートの例を示す図である。
【0104】
1つのテンプレートには、1または複数の再生番組を選択するための規則が記述されている。例えば、図4に示すテンプレート1(TEMP1)には、規則が1から5まで記述されている(RULE1−5)。
【0105】
各テンプレートの再生番組選択規則には、放送番組IDおよび蓄積番組IDの組合せに基づく規則が記述されている(CO3およびCO4の列)。また、番組の再生回数や、再生可能な番組の制約などの再生条件が記述されている(CO5の列)。番組再生制御部23は、上記組合せに基づく規則や再生条件にしたがって、再生番組を選択する。具体的には、CO6の列に、CO3〜CO5の規則を満たした場合に再生番組として選択すべき番組の再生番組IDが記述されており、それにしたがって再生番組を選択する。
【0106】
なお、番組再生制御部23は、CO3およびCO4の番組IDの組合せに基づく規則、および/または、CO5の再生条件を、テンプレートを変更するタイミングを指定するタイミング情報として参照してもよい。番組再生制御部23は、放送番組が受信されたときに、番組ID抽出部22が取得した番組IDおよび/または番組データ記録部41の情報を参照する。そして、それらが上記タイミング情報が示す規則や条件を満たしたと判定した場合に、それまで参照していたテンプレートを変更する。
【0107】
これにより、番組再生制御部23は、従前と異なる規則・条件にしたがって、再生番組を選択することが可能となる。結果として、携帯電話100の利用状況の変化に応じて、再生番組を選択することができる。
【0108】
さらに、番組再生制御部23は、外部の装置から所定の制御信号を受信した時、参照するテンプレートを変更することも可能である。
【0109】
例えば、放送サーバ200やテンプレート提供サーバ300などから提供された番組が通信販売にてある商品の購入を呼びかける通販番組であるとする。再生番組で販売される商品の購入が携帯電話100のユーザにより決定され、それに応答する販売元のサーバが購入処理完了の制御信号(所定の制御信号)を携帯電話100に返信する。ただし、制御信号として完了画面の表示指示等を検出すれば、サーバが特別な制御信号を送信する必要はない。
【0110】
図4のCO8の列には、上記購入処理完了信号を受信したときに、参照先をどのテンプレートに変更するかが記述されている。
【0111】
RULE1および2に示す例では、再生番組CM1が再生されているときに、商品が購入され処理が完了すると、番組再生制御部23が参照するテンプレートをテンプレート1からテンプレート2へと変更することが記述されている。
【0112】
なお、図4に示す例では、上記タイミング情報や購入完了信号の有無にしたがって、番組再生制御部23が参照先のテンプレートを変更することを記述したが、このような例に限定されない。例えば、上記タイミング情報や購入完了信号の有無にしたがって、テンプレート管理部25が、番組再生制御部23が新たに参照すべきテンプレートを外部の装置(例えば、テンプレート提供サーバ300)から取得し、上記テンプレート記録部42に記録してもよい。
【0113】
上述したテンプレートを番組再生制御部23またはテンプレート管理部25が参照することによって、どのような番組が蓄積され、再生されているのかに応じて、再生すべき番組を携帯電話100ごとに変えることができる。
【0114】
したがって、携帯電話100が、放送される番組を次々に受信し、ユーザがさまざまな番組を視聴したことにより、再生すべき最適な番組が変化したとしても、受信済みの番組が記録されている番組データ記録部41がどの番組を蓄積しているか、あるいは、何回再生されたかを考慮することによって、再生すべき最適な番組を選ぶことができる。
【0115】
結果として、一斉配信される放送番組を受信する場合であっても、携帯電話100の利用状況に応じて再生する番組に変化を持たせて携帯電話100ごとに再生させることが可能となり、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0116】
なお、番組再生制御部23は、受信済みの蓄積番組と同じ放送番組を再受信した場合(すなわち再放送番組の受信)に、当該受信した放送番組に加えて、番組IDの異なる別の蓄積番組を再生番組として選択してもよい。
【0117】
まず、番組再生制御部23は、番組ID抽出部22が抽出した放送番組IDが、番組データ記録部41に蓄積されている蓄積番組IDのいずれかと一致すると判定する。この場合は、番組再生制御部23は、受信した放送番組、および、蓄積番組のうち、上記放送番組IDと異なる蓄積番組IDを有する蓄積番組の少なくとも1つを、同時または連続して再生するよう選択する。
【0118】
これにより、すでに受信済みの蓄積番組と全く同じ内容の放送番組を再生する代わりに、基本の放送番組に別の蓄積番組を併せて再生することができる。これにより、放送サーバ200からは、常に同一の番組が放送されていながら、受信側の携帯電話100では、受信の度に、変化が加わった番組を再生させることが可能となる。
【0119】
あるいは、番組再生制御部23は、蓄積番組と異なる放送番組を受信した場合に、その放送番組と、上記蓄積番組の少なくとも1つとを、同時または連続して再生するよう選択してもよい。
【0120】
例えば、図4に示すテンプレート3の規則2には、番組データ記録部41に蓄積番組CM1〜5が蓄積されており、かつ、放送番組として、CM1〜5以外であってCM6〜12までのいずれか(CMX)が受信された場合に、再生番組としてCM4とCMXとを選択することが記述されている。ここで、さらに、CM4に続いて、CMXを再生する、であるとか、表示部5のメイン画面にCM4を、サブ画面にCMXを同時に表示させる、など、再生順序や表示位置を指定することが記述されていてもよい。
【0121】
なお、上記テンプレートには、放送番組受信時に、蓄積番組が番組データ記録部41に蓄積されていないことを番組ID抽出部22が検知した場合には、通信制御部12を介して通信部3が所定の蓄積番組を取得する命令が記述されていてもよい。
【0122】
さらに、上記テンプレートには、放送番組受信時に、テンプレート記録部42にテンプレートが記録されていない場合は、テンプレート管理部25が、必要なテンプレートを所定のテンプレート供給元から取得するか否かをユーザに決定させるためのメッセージをユーザに提示することが記述されていてもよい。
【0123】
(再生番組選択規則)
次に、図4に示すテンプレートを用いて、携帯電話100の番組再生制御部23における再生番組(および、その再生方法)の選択手順について説明する。
【0124】
本実施形態では、以下に記す通販番組(CM1〜5)の再生のシナリオを実現するものとする。
【0125】
通販番組CM1は、テンプレート提供サーバ300(図2)が放送サーバ200に配信を委託した番組である。放送サーバ200が、通販番組CM1を、各ユーザの携帯電話100に一斉配信する。また、図4に示すテンプレート1〜3が、テンプレート提供サーバ300から携帯電話100に供給されてテンプレート記録部42に記録されており、番組再生制御部23は、テンプレート1を参照しているものとする。また、通販番組(CM2〜5)が、テンプレート提供サーバ300から携帯電話100に供給されて番組データ記録部41に記録されているものとする。
【0126】
図5は、ある通信販売業者(=テンプレート提供サーバ300)が、通信販売にて商品(包丁および料理本)を販売するための一連の通販番組(CM1〜5)を配信する場合における、番組再生のシナリオを示した図である。
【0127】
通信販売業者は、包丁の販売促進の目的で以下の5つの番組を用意する。
CM1:包丁の販売促進番組
CM2:包丁の販売促進番組(+包丁購入者に料理本をおまけする告知)
CM3:料理本の販売促進番組
CM4:包丁および料理本購入者への特典番組(料理法の解説)
CM5:購入しなかったユーザへのメッセージ(問い合わせ先通知や次回予告など)
CM1は、ユーザ全員が対象で、包丁を販売する目的の番組である。CM1は、放送サーバ200が定期的に放送し、携帯電話100に供給される。ユーザが包丁の購入を決定してくれるまで、繰り返し(3回とする)同番組を再生させたい。
【0128】
CM2は、CM1を3回再生するうちに包丁を購入しなかったユーザを対象とする。購買意欲を高めるために、料理本をおまけする告知を追加する。CM1を見た段階で購入したユーザの携帯電話100では、再生されない。
【0129】
CM3は、CM1を見て包丁を購入したユーザを対象に、続いて料理本を販売する目的の番組である。料理本の購入を決定してくれるまで、3回同番組を再生させたい。
【0130】
CM4は、CM2またはCM1+CM3の番組再生によって、包丁および料理本を購入したユーザを対象とする。購入者にインセンティブを与える目的で、特典番組として、料理法の解説を行う番組である。
【0131】
CM5は、3回再生するうちに包丁または料理本を購入しなかったユーザへのメッセージとして、問い合わせ先の通知や次回予告を行う番組である。
【0132】
なお、本実施形態では、CM4またはCM5が再生された後は、CM1〜5を、携帯電話100の番組データ記録部41から消去する。
【0133】
通信販売業者は、ユーザがとる行動および携帯電話100に蓄積される蓄積番組に応じて、より宣伝効果の上がる順序・タイミングで、以上5つの通販番組を再生させたい。そこで、上記の要求仕様に基づいて作成されたのが、図4に示すテンプレート1〜3である。
【0134】
以下では、図1および図5を参照しながら、図4に示すテンプレートにしたがった、携帯電話100の処理の流れについて説明する。
【0135】
(テンプレート1−規則1:蓄積番組ではない(初めて受信する)放送番組を再生番組として選択する)
まず、放送受信検知部21は、入力制御部11を介して、放送番組CM1を受信したことを検知する。次に、番組ID抽出部22は、上記検知された放送番組CM1に関連付けられている放送番組IDを放送番組データ51(図2)から抽出する。そして、番組データ記録部41を参照し、蓄積番組に関連付けられている蓄積番組IDを抽出する。
【0136】
続いて、番組再生制御部23は、番組ID抽出部22が抽出した、放送番組ID(CM1)および蓄積番組ID(CM2〜5)に基づいて(=規則1にしたがって)、放送番組CM1を再生番組として選択する。番組再生部26は、受信した放送番組CM1を再生し、CM1のデータは、出力制御部14を介して、表示部5および/または音声出力部6へと出力される。
【0137】
さらに、番組データ管理部24は、規則1の処理(CO7の列)の記述にしたがって、再生した放送番組CM1を蓄積番組として番組IDとともに番組データ記録部41に格納する。そして、再生回数を1にする。
【0138】
なお、番組ID抽出部22の蓄積番組ID抽出方法としては、必ずしも、番組データ記録部41の全蓄積番組IDを抽出してこなくてもよい。番組ID抽出部22が、テンプレートを参照し、テンプレートにおいて放送番組IDと対応付けられている蓄積番組IDが番組データ記録部41に格納されているか否かを検索するようにしてもよい。
【0139】
また、番組データ管理部24が参照する、処理(CO7の列)には、受信した放送番組を蓄積する命令とは逆に、特定の蓄積番組を削除する命令が記述されていてもよい。これにより、番組データ管理部24が、番組データ記録部41から特定の蓄積番組を削除することによって、蓄積番組の組合せを変化させることができる。
【0140】
(テンプレート1−規則2・3:再放送を受信したら、再生回数に応じて再生番組を選択する)
次に、放送受信検知部21が、放送番組CM1を再び受信したことを検知すると、番組ID抽出部22は、同様の方法で、放送番組ID(CM1)と、蓄積番組ID(CM1〜5)とを抽出する。
【0141】
続いて、番組再生制御部23は、番組データ記録部41を参照し、放送番組CM1の再生回数が1であることを検知し、かつ、上記番組IDの組合せに基づいて(規則2にしたがって)、再び放送番組CM1を再生番組として選択する。さらに、番組データ管理部24は、規則2の処理の記述にしたがって、再生した放送番組CM1の再生回数を1加算する。
【0142】
一方、放送番組CM1の再生回数が3回になれば、規則3にしたがって、蓄積番組CM2を再生番組として選択する。
【0143】
なお、テンプレート1の規則1および2では、CM1を3回放送するまでに、ユーザが包丁を購入して、携帯電話100が購入完了信号を通信販売業者から受信すると、番組再生制御部23は、参照するテンプレートを、テンプレート1からテンプレート2へと変更する。
【0144】
(テンプレート1−規則5:再生回数が既定値以上になっても購入されなかったことを条件として再生番組を選択する)
蓄積番組CM2の再生回数が3回になっても、購入処理が実行されなかった場合に、放送受信検知部21が、放送番組CM1の受信を検知すると、番組ID抽出部22は、上述したように、各番組IDを抽出する。番組再生制御部23は、上記番組IDの組合せと、所定の蓄積番組の再生回数に基づいて(=規則5にしたがって)、再生番組として蓄積番組CM5を選択する。これにより、番組再生部26によって、次回の販売促進につながるメッセージを盛り込んだ蓄積番組CM5が、購入しなかったユーザの携帯電話100にて再生される。
【0145】
次に、番組データ管理部24は、蓄積番組CM5が再生されると、番組データ記録部41に蓄積されている蓄積番組(CM1〜5)を消去する。これにより、番組データ記録部41の記録領域を節約することが可能となる。
【0146】
(テンプレート3−規則2:所定の放送番組以外の番組を受信したことに基づいて、再生番組を選択する)
CM2、または、CM1+CM3にて、包丁および料理本の購入処理が実行された場合、番組再生制御部23は、参照するテンプレートをテンプレート3に変更する。
【0147】
続いて、放送受信検知部21が、上述した通販番組CM1〜5以外の放送番組CMXを受信したことを検知すると、番組ID抽出部22は、同様に、上記放送番組CMXおよび蓄積番組の番組IDを抽出する。
【0148】
番組再生制御部23は、上記各番組IDの組合せに基づいて(=規則2にしたがって)、再生番組として、CM4およびCMXを選択する。ここで、再生番組を選択する条件として、放送番組CMXが、CM4に続く、CM6−CM12までのシリーズ番組であることを条件に加えてもよい。
【0149】
さらに、処理(図4のCO7の列)の記述の中に、CM4およびCMXの再生順序や表示位置を制御するため記述を含めてもよい。これにより、番組再生制御部23は、指定された再生順序および表示位置で、CM4およびCMXが再生されるよう、番組再生部26を制御することが可能となる。
【0150】
上記方法によれば、本発明の携帯電話100は、上述のテンプレートを参照することによって、受信した放送番組と蓄積された蓄積番組とがどの番組であるかに応じて、再生する再生番組を選択し、その再生方法を制御することが可能となる。
【0151】
つまり、上述したテンプレートと、本放送の放送番組に関連する番組を、(テンプレート提供サーバ300が)携帯電話100にあらかじめ提供しておけば、放送サーバ200からは、常に、1種類の放送番組が繰り返し一斉配信するだけで、携帯電話100側で、再生番組を、ユーザの利用状況に応じて変更することが可能となる。
【0152】
これにより、放送サーバ200にとって、ユーザに応じて複数種類の番組を用意する必要がなくなるので、放送サーバ200の負担を軽減することが可能となる。さらに、放送サーバ200は、常に1種類の番組(上述の例で言えば、通販番組CM1)を一斉配信するだけで済むので、チャンネル数の枯渇を回避することが可能となる。
【0153】
結果として、一斉配信される放送番組を受信する場合であっても、再生する番組に変化を持たせて携帯電話100ごとに再生させることが可能となり、放送による膨大な種類の番組を用意することなく、ユーザのニーズの多様性に対応することができる。
【0154】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0155】
なお、上記番組再生制御部23が参照するテンプレートには、当該テンプレートを管理するのに用いる管理情報欄が含まれていてもよい。
【0156】
例えば、上記管理情報欄に、当該テンプレートの有効期限と、有効期限後に変更される新しいテンプレートを特定する情報(例えば、テンプレートIDなど)を記述しておく。
【0157】
このようにすれば、番組再生制御部23は、参照しているテンプレートの有効期限が切れた場合に、指定された新しいテンプレートへと参照先を変更することができる。あるいは、指定された新しいテンプレートが、テンプレート記録部42に記録されていない場合は、テンプレート管理部25が、指定された新しいテンプレートを、指定されたテンプレート供給元から取得するようにしてもよい。
【0158】
あるいは、テンプレートの有効期限を管理情報欄に記述しておけば、テンプレート管理部25が、当該有効期限になったらテンプレート記録部42から当該テンプレートを削除することができる。
【0159】
例えば、商品購入者を対象として、優待番組を期限付きで見せることが可能となる。上述の例で言えば、包丁と料理本を購入したユーザの携帯電話100にて、まな板を優待価格にて販売する番組を、料理本購入後1ヶ月間に限定して再生されるように、テンプレートを携帯電話100にて管理することが可能となる。
【0160】
なお、番組データ記録部41にて蓄積番組ごとに記録される再生回数のカウントのタイミングについては、番組再生終了時とすることが好ましい。番組の最後に、ユーザが確かに視聴したか否かを確かめるアンケートなどを実施してもよい。また、再生番組再生中に、途中で再生が止められた場合には、再生回数をカウントしないことが好ましい。このようにすれば、携帯電話100上の動作としての再生回数ではなく、ユーザが実際に視聴した視聴回数を正確に記録することが可能となる。したがって、番組再生制御部23は、視聴回数に基づいて、より適切に再生番組を選択することが可能となる。
【0161】
(通信教育等への適用)
なお、上述の説明では、通販番組を配信する放送サービス提供システム60を例に挙げたが、これに限定されず、通信教育番組を配信する放送サービス提供システム60にも本発明のコンテンツ再生装置を適用することが可能である。ここで、本発明のコンテンツ再生装置を、通信機能およびTV機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)とする。
【0162】
例えば、複数の通信教育番組が章ごとにグループ化されており、各章にテンプレートを設けることとする。このとき、章ごとに有効期限を設定する。
【0163】
PCのユーザが、通信教育番組を購入時に全章(全テンプレート+全蓄積番組)をテンプレート提供サーバ300からダウンロードする場合、全テンプレートに、購入時点から算出された有効期限および次章で番組再生制御部23が参照すべきテンプレートを設定する。このようにすれば、有効期限になると、番組再生制御部23が参照するテンプレートを変更することが可能となる。
【0164】
あるいは、ユーザの学習進度に合わせて有効期限を設定する場合、章末テストの結果をサーバへ送り、その返信として、有効期限が設定された、次章で番組再生制御部23が参照すべきテンプレートを送信する。
【0165】
以上のように、PCのユーザごとに、ユーザのPCでの番組視聴状況、利用状況に応じて、適切なタイミングで最適な番組を再生することが可能なPCを実現することが可能となる。
【0166】
(応答タイミングの制御)
上述した実施形態では、再生番組の選択するための制御文、および、再生番組が複数ある場合には、その再生順序を決定するための制御文が記述されているテンプレートを、番組再生制御部23が利用して、再生番組の再生制御を行う場合について説明した。
【0167】
上記テンプレートは、図4に示す例に限定されない。例えば、テンプレートには、選択した再生番組を再生するタイミングを規定する制御文が記述されていてもよい。
【0168】
これにより、番組再生制御部23は、放送番組受信時に、該放送番組と蓄積番組とに応じて再生番組を選択したのち、選択した再生番組をいつ再生させるかを、上記タイミングを規定する制御文にしたがって決定する。
【0169】
放送−通信連携型の双方向サービスでは、上記放送番組を受信し、再生する携帯電話100は、その放送番組対する応答を、該放送番組の送信元である放送サーバ200や、テンプレート提供サーバ300などのサービス提供業者に行うことができる。
【0170】
上述のように、各携帯電話100に上記放送番組が一斉に放送され、一斉に再生されると、当該放送番組対する各携帯電話100からの応答は、一時に集中することが予想される。この場合、応答を受信する放送サーバ200やテンプレート提供サーバ300にかかる負荷が一時的に増大するという問題が生じる。
【0171】
しかし、上記構成のように、再生番組の再生タイミングを制御するテンプレートをユーザごとに提供すれば、1種類の放送番組を一斉配信した場合にでも、受信する側の携帯電話100において、その再生タイミングを制御することができる。
【0172】
したがって、一斉に配信された放送番組の再生タイミングをユーザの携帯電話100ごとにずらすことによって、各携帯電話100からの応答のタイミングがばらつくようにすることが可能となり、放送サーバ200やテンプレート提供サーバ300にかかる負荷を分散させることが可能となる。
【0173】
あるいは、携帯電話100からの応答集中による放送サーバ200やテンプレート提供サーバ300にかかる負荷を分散させるために、上記テンプレートを提供するテンプレート提供サーバ300が、携帯電話100ごとにテンプレートを送信するタイミングをずらすことも可能である。
【0174】
(利用属性による再生番組選択)
上述した実施形態では、番組データ記録部41において蓄積番組ごとにその再生回数を管理し(図3)、当該蓄積番組の再生回数に応じて、番組再生制御部23が、再生番組の選択とその再生方法を決定する場合について説明した。
【0175】
本発明の携帯電話100の番組再生制御部23における、再生番組選択方法は、上記に限定されない。
【0176】
番組データ記録部41には、蓄積番組IDごとに、当該蓄積番組が、携帯電話100において再生されたことがあるか否かを示す利用属性情報が対応付けて記録されており、番組再生制御部23が、蓄積番組が再生されたことがあるか否かに基づいて、再生番組を選択したり、再生方法を決定したりしてもよい。
【0177】
これにより、番組データ記録部41に蓄積されている蓄積番組が、携帯電話100において、かつて再生されたことがあるか否かに基づいて、再生番組が決定される。
【0178】
例えば、番組データ記録部41に蓄積されているのみで、一度も再生されたことがない蓄積コンテンツを優先して再生番組として選択することが可能となる。
【0179】
最後に、携帯電話100の各ブロック、特に番組ID抽出部22および番組再生制御部23は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0180】
すなわち、携帯電話100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0181】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0182】
また、携帯電話100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明のコンテンツ再生装置は、同じ内容の番組を一斉配信する放送サービス提供システムにおいて、ユーザごとあるいは利用状況に応じて異なる番組を再生させることができるため、放送−通信連携型の双方向通信システムを用いた、通信販売や通信教育などのコンテンツ配信サービスに広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る放送サービス提供システムの概略構成を示す図である。
【図3】番組データ記録部に記録される番組データの例を示す図である。
【図4】テンプレート記録部に記録されるテンプレートの例を示す図である。
【図5】ある通信販売業者が、通信販売にて商品を販売するための一連の通販番組を配信する場合における、番組再生のシナリオを示した図である。
【符号の説明】
【0185】
1 制御部
2 放送受信部
3 通信部
4 操作部
5 表示部
6 音声出力部
10 入出力制御部
11 入力制御部
12 通信制御部
13 操作受付部
14 出力制御部
20 番組処理部
21 放送受信検知部(放送受信検知手段)
22 番組ID抽出部(放送コンテンツ識別情報取得手段/蓄積コンテンツ識別情報取得手段)
23 番組再生制御部(再生制御手段)
24 番組データ管理部
25 テンプレート管理部(テンプレート取得手段)
26 番組再生部
40 記録部
41 番組データ記録部(コンテンツ記録部)
42 テンプレート記録部
51 放送番組データ
52 テンプレート
60 放送サービス提供システム
100 携帯電話(コンテンツ再生装置)
200 放送サーバ(放送コンテンツ配信元)
300 テンプレート提供サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を介して受信した放送コンテンツと、コンテンツ記録部に蓄積された蓄積コンテンツとを再生するコンテンツ再生装置において、
受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得手段と、
上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得手段と、
上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
上記コンテンツ記録部には、蓄積コンテンツ識別情報ごとに、当該蓄積コンテンツが再生された回数を示す情報が対応付けて記録されており、
上記再生制御手段は、蓄積コンテンツの再生回数に基づいて再生コンテンツを選択することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
上記再生制御手段は、複数の再生コンテンツを選択し、その再生順序および表示画面における表示位置を決定することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
上記再生制御手段が上記組合せに基づいて再生コンテンツを選択するための規則を放送コンテンツ識別情報に対応付けて記述したテンプレートが、テンプレート記録部に記録されており、
上記再生制御手段は、上記テンプレートに記述された、上記取得された放送コンテンツ識別情報に対応付けられた規則に従って、再生コンテンツを選択することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
上記テンプレートには、上記再生制御手段が参照するテンプレートを変更するタイミングを指定したタイミング情報が記述されており、
上記再生制御手段は、上記タイミング情報にしたがって、参照するテンプレートを変更することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
上記テンプレートには、上記タイミング情報として、放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づく規則が記述されており、
上記再生制御手段は、上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報が上記組合せに基づく規則を満たしたとき、参照するテンプレートを変更することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
上記再生制御手段は、外部の装置から所定の制御信号を受信した時、参照するテンプレートを変更することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
上記再生制御手段が新たに参照すべきテンプレートを上記タイミング情報にしたがって外部の装置から取得し、上記テンプレート記録部に記録するテンプレート取得手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
放送波を介して受信した放送コンテンツと、コンテンツ記録部に蓄積された蓄積コンテンツとを再生するコンテンツ再生装置の制御方法であって、
受信した放送コンテンツを識別するための放送コンテンツ識別情報を取得する放送コンテンツ識別情報取得ステップと、
上記蓄積コンテンツを識別するための蓄積コンテンツ識別情報を取得する蓄積コンテンツ識別情報取得ステップと、
上記取得された放送コンテンツ識別情報および蓄積コンテンツ識別情報の組合せに基づいて、上記放送コンテンツおよび上記蓄積コンテンツの少なくとも1つを、再生するための再生コンテンツとして選択する再生制御ステップとを含むことを特徴とするコンテンツ再生装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−258991(P2007−258991A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79785(P2006−79785)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】