説明

コンテンツ放送システム及びコンテンツ放送方法

【課題】番組の進行の時間軸をコンテンツ提供者側と共有することで、番組内容及び番組進行に連動した同期サービスを提供する。
【解決手段】コンテンツサーバー110は、コンテンツデータD3を配信するデータ送信部116と、コンテンツデータD3の再生時刻を示すタイムラインに対応させたイベント発生を定義する定義データD1を配信する定義データ配信部116bと、コンテンツデータを再生するメディア再生部18aを含む表示情報D2を配信するWebデータ配信部116cとを備え、ユーザー端末2b〜dは、コンテンツデータD3を再生するメディア再生部18aと、表示情報D2を表示するブラウザ部18と、コンテンツデータD3の再生に合わせてタイムラインを監視するタイムライン監視部15と、タイムラインに基づいて定義データD1を参照し、タイムラインに対応したイベントを発生させるイベント発生部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなど通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送システム及びコンテンツ放送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、各放送局が電波を通じて放送する番組に関する情報を、インターネット等の通信ネットワークを通じて配信するサービスが提供されている。このような放送番組の情報を配信する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この特許文献1に開示された技術では、個々のテレビ番組に関連したインターネットのURL情報を組み込んだテレビ番組表データを、インターネット上の情報を表示するブラウザ機能を備えたテレビ装置に向けて配信する。このテレビ装置には、ブラウザ画面を表示するウィンドウが、テレビの分割画面の一つとして表示され、このウィンドウに、現在視聴している番組に関連したホームページが自動的に表示されるようになっている。このホームページでは、例えば番組のスポンサーに関する情報や、出演者に関する情報を掲載したり、番組に関する意見や感想のアンケートなどを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−177532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、テレビ番組表に、所謂リンクが張られたURLを辿ってホームページにアクセスするものであり、その番組の進行に精密に同期したリアルタイムな情報をユーザーに対して提示したり、ユーザーの意思表示である選択操作を収集することができないという問題があった。このため、視聴者側とコンテンツ提供者側とで、番組進行の時間軸を共有することができず、番組内容及び番組進行に連動した同期サービスの提供と共に、その即時的な反映ができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、番組の進行時間を視聴者に認識させて、その時間軸をコンテンツ提供者側と共有することで、番組内容及び番組進行に連動した同期サービスの提供、及びその即時反映性を可能とするコンテンツ放送システム及びコンテンツ放送方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送システムであって、コンテンツサーバーは、コンテンツデータを配信するデータ送信部と、コンテンツデータの再生時刻を示すタイムラインに対応させたイベント発生を定義する定義データを配信する定義データ配信部と、コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信するWeb配信部とを備え、ユーザー端末は、コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信部と、コンテンツデータを再生する再生部と、再生部を含む表示情報を表示するブラウザ部と、再生部によるコンテンツデータの再生に合わせてタイムラインを監視するタイムライン監視部と、監視部が監視するタイムラインに基づいて定義データを参照し、タイムラインに対応したイベントを発生させるイベント発生部とを備える。
【0008】
また、他の発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送方法であって、
(1)コンテンツサーバーから、コンテンツデータ、コンテンツデータの再生時刻を示すタイムラインに対応させたイベント発生を定義する定義データ、及びコンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信する配信ステップ
(2)ユーザー端末において、コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信ステップ
(3)ユーザー端末において、ブラウザ部で表示情報を表示するとともに、再生部でコンテンツデータを再生する再生ステップ
(4)再生部によるコンテンツデータの再生に合わせてタイムラインを監視するタイムライン監視ステップ
(5)監視ステップで監視するタイムラインに基づいて定義データを参照し、タイムラインに対応したイベントを発生させるイベント発生ステップ
を有する。
【0009】
これらの発明によれば、テレビ放送のように所謂サイマル配信される動画などのコンテンツデータに、一定間隔で再生経過時間の指標となる情報としてタイムラインを埋め込み、ユーザー端末(視聴者)側でそのタイムラインを監視し、その再生時における進行時間のうち、特定の時間をトリガーとして、イベントを発生させる機能を実装することができる。
【0010】
そして、各ユーザー端末では、絶対時刻ではなく、コンテンツサーバー側の時刻(時間軸)と別途独立した固有の時刻(時間軸)で、コンテンツデータを再生し、その特定のシーン(時間)と同期したサービスとしてイベントを発生することができるため、例えば、コンテンツサーバーとユーザー端末との間における通信遅延によってコンテンツサーバー側におけるストリーミングの配信時刻と、ユーザー端末側における再生時刻とに時間差が生じた場合であっても、コンテンツデータの内容に適切に対応したタイミングでイベントを発生させることができる。
【0011】
なお、上記発明では、通信ネットワーク上に、絶対時刻を計時するタイムサーバーがさらに配置し、定義データの配信に際しては、定義データにおけるイベント発生を絶対時刻に基づいて定義し、ユーザー端末側において、タイムサーバーを監視してタイムサーバーによって計時された絶対時刻を取得し、コンテンツデータの試聴に際しては、定義データを参照し、タイムラインに基づくイベントであるか、絶対時刻に基づくイベントであるかを判断し、この判断結果に基づくタイミングにより、イベントを発生させることが好ましい。
【0012】
この場合には、コンテンツデータのタイムラインに基づいて、コンテンツデータの試聴開始時刻からの経過時間(相対時間)に応じてイベントを発生させるか、或いは、タイムサーバーが計時する絶対時刻に応じてイベントを発生させるか、2通りの定義を定義データに記述することができる。これにより、本発明によれば、番組内容の進行に適したタイミングでイベントを発生させたり、番組内容の進行を無視して、絶対時刻を優先させたタイミングでイベントを発生させることができ、サービスの多様化を図ることができる。
【0013】
また、他の発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送システムであって、通信ネットワーク上に配置され、絶対時刻を計時するタイムサーバーを備える。そして、コンテンツサーバーは、コンテンツデータを配信するデータ送信部と、タイムサーバーが計時する絶対時刻に対応させたイベント発生を定義する定義データを配信する定義データ配信部と、コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信するWeb配信部とを備える。ユーザー端末は、コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信部と、コンテンツデータを再生する再生部と、再生部を含む表示情報を表示するブラウザ部と、再生部によるコンテンツデータの再生に際し、タイムサーバーを監視し、タイムサーバーによって計時された絶対時刻を取得するタイムライン監視部と、タイムライン監視部が取得した絶対時刻に基づいて定義データを参照し、該絶対時刻に対応したイベントを発生させるイベント発生部とを備える。
【0014】
さらに、他の発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送方法であって、
(1)前記通信ネットワーク上に、絶対時刻を計時するタイムサーバーを配置し、
前記コンテンツサーバーから、前記コンテンツデータ、前記タイムサーバーが計時する絶対時刻に対応させたイベント発生を定義する定義データ、及び該コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信する配信ステップと、
(2)前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信ステップと、
(3)前記ユーザー端末において、ブラウザ部で前記表示情報を表示するとともに、再生部で前記コンテンツデータを再生する再生ステップと、
(4)前記再生部によるコンテンツデータの再生に際し、前記タイムサーバーを監視し、該タイムサーバーによって計時された前記絶対時刻を取得するタイムライン監視ステップと、
(5)前記監視ステップで取得した絶対時刻に基づいて前記定義データを参照し、該絶対時刻に対応したイベントを発生させるイベント発生ステップと
を有する。
【0015】
これらの発明によれば、インターネットなどの通信ネットワークを通じて、配信される動画などのコンテンツデータを試聴する際に、タイムサーバーから提供される絶対時刻を取得し、コンテンツデータ再生時の進行の如何に関わらず、絶対時刻をトリガーとして、イベントを発生させることができる。
【0016】
上記発明において、ユーザー端末は、イベントとしてユーザーによる選択操作を受け付ける選択部をブラウザ部に表示させるGUI制御部と、選択部を通じてユーザーによる選択操作を取得するユーザー操作取得部と、ユーザー操作取得部によって取得されたユーザー操作をコンテンツサーバーに送信する送信部とをさらに備え、コンテンツサーバーは、送信部から送信されたユーザー操作を受信し、蓄積するユーザーデータ蓄積部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この場合、上記方法の発明において、イベント発生ステップでは、ユーザー端末において、イベントとしてユーザーによる選択操作を受け付ける選択部をブラウザ部に表示させ、選択部を通じてユーザーによる選択操作を取得するとともに、取得されたユーザー操作をコンテンツサーバーに送信し、コンテンツサーバーは、送信部から送信されたユーザー操作を受信し、ユーザーデータ蓄積部に蓄積する。
【0018】
これらの発明によれば、事前に設定したタイミングで、アンケートや投票のための選択部がGUIとして表示させ、この選択部に対するユーザーの選択操作を収集することによって、番組内容に即した適正なタイミングで、リアルタイム性のあるユーザーの声を集めることができる。
【0019】
上記発明において、ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成する集計コンテンツ生成部をさらに備え、データ送信部は、集計コンテンツをコンテンツデータとして配信することが好ましい。
【0020】
この場合、上記方法の発明では、配信ステップに先行させて、コンテンツサーバーにおいて、ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成し、配信ステップでは、コンテンツサーバーから、集計コンテンツをコンテンツデータとして配信する。
【0021】
このような発明によれば、ユーザーの意思を反映させた選択操作のログを収集し、その収集結果を応用することによって、ユーザーの趣味嗜好に即した新たなコンテンツ開発を行うことが可能となる。
【0022】
上記発明において、ユーザー操作には、通信ネットワーク上におけるユーザー端末の位置を特定するアドレス情報が含まれ、定義データ配信部は、アドレス情報に対応した定義データを配信することが好ましい。
【0023】
この場合、上記方法の発明において、ユーザー操作には、通信ネットワーク上におけるユーザー端末の位置を特定するアドレス情報が含まれ、配信ステップに先行させて、アドレス情報を取得し、配信ステップでは、アドレス情報に対応した定義データを配信する。
【0024】
このような発明によれば、地域毎のユーザーの意思表示を収集することができ、地域性を反映させたサービスの展開が可能となる。
【0025】
上記発明において、コンテンツサーバーにおいて、データ送信部は、イベントとして表示されるイベントコンテンツを配信し、イベント発生部は、イベントとしてイベントコンテンツをブラウザ部に表示させることが好ましい。
【0026】
この場合、上記方法の発明では、配信ステップにおいて、コンテンツサーバーから、イベントとして表示されるイベントコンテンツを配信し、イベント発生ステップでは、イベントとしてイベントコンテンツをブラウザ部に表示させる。
【0027】
これらの発明によれば、例えば、コマーシャルなどの動画をイベントコンテンツとして、番組内の特定のシーン(時間)と同期して表示させることができ、番組内容との相乗効果を利用した、有効な宣伝・広告サービスを提供することができる。
【0028】
なお、ここでのイベントコンテンツとしては、上述したコマーシャルなどの動画の他、Webのバナーや静止画のようなデータや、音声・音楽配信などの音響のみを出力するデータ、画面に表示されている出演者の衣装やアイテム購入ページへの誘導などが挙げられる。
【0029】
上記発明において、ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成する集計コンテンツ生成部をさらに備え、イベント発生部は、イベントとして、集計コンテンツをブラウザ部に表示させることが好ましい。
【0030】
この場合、上記方法の発明では、配信ステップに先行させて、コンテンツサーバーにおいて、ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成し、イベント発生ステップでは、イベントとして、集計コンテンツをブラウザ部に表示させる。
【0031】
これらの発明によれば、ユーザーの意思を反映させた選択操作のログを収集し、その収集結果を応用することによって、ユーザーの趣味嗜好に合致させて開発された新たなコンテンツを、さらにイベントコンテンツとして利用することができ、番組内容との相乗効果を利用してより充実したサービスを提供することができる。
【0032】
上記発明において、コンテンツデータと同一内容の放送データを、電波を介して送出する電波放送部をさらに備え、データ送信部は、電波放送部による放送データの送出に同期させてコンテンツデータを配信することが好ましい。
【0033】
この場合、上記方法の発明において、コンテンツサーバーは、コンテンツデータと同一内容の放送データを、電波を介して送出する電波放送部と接続されており、配信ステップでは、電波放送部による放送データの送出に同期させてコンテンツデータを配信する。
【0034】
これらの発明によれば、電波を介して一方向に放送されるコンテンツを、双方向通信によるメリットを享受できるインターネット等の通信ネットワークを通じてのコンテンツ配信と同期させることによって、電波放送による特性と、通信ネットワークを通じての双方向通信による特性とを併せ持ったサービスを展開させることができる。
【0035】
上記発明において、Web配信部において表示情報は複数配信され、複数の表示情報は、それぞれ異なる通信ネットワーク上における位置を特定するアドレス情報を有し、これら異なるアドレス情報には、電波放送経由で取得されたアドレス情報であることを示す取得経路情報が付加されたものが含まれ、電波放送部により送出される放送データには、取得経路情報が含まれたアドレス情報が提示されることが好ましい。
【0036】
この場合、上記方法の発明では、配信ステップにおいて、表示情報は複数配信され、複数の表示情報は、それぞれ異なる通信ネットワーク上における位置を特定するアドレス情報を有し、これら異なるアドレス情報には、電波放送経由で取得されたアドレス情報であることを示す取得経路情報が付加されたものが含まれ、電波放送部により送出される放送データには、取得経路情報が含まれたアドレス情報が提示される。
【0037】
これらの発明によれば、電波放送に、通信ネットワーク上のコンテンツデータ配信元のアドレス情報を提示し、この提示されたアドレス情報に基づいて、ユーザーを当該コンテンツデータの配信サービスを行っているコンテンツサーバー側へのアクセスを誘引することができる。このとき、電波放送経由で取得されたアクセスを特定できるように、コンテンツデータをストリーミング配信している通常のアドレスとは、区別するための取得経路情報を付加することにより、テレビ放送を見てインターネットのWebサイトへアクセスしてきたユーザーを判別することができ、サービスに対するアクセス経路の相違に応じたサービスを展開することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上述べたように、本発明によれば、インターネット等の通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを番組として放送する際、番組の進行時間を視聴者に認識させて、その時間軸をコンテンツ提供者側と共有することで、番組内容及び番組進行に連動した同期サービスが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1実施形態に係るコンテンツ放送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るコンテンツ放送方法の概要を示す説明図である。
【図3】第1実施形態に係るコンテンツ放送システムを構成する放送局、コンテンツサーバー、及びユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るコンテンツ放送システムの動作を示すフローチャート図である。
【図5】第1実施形態に係るコンテンツ放送システムにおけるイベント発生時の動作を示すフローチャート図である。
【図6】第1実施形態に係るコンテンツ放送システムにおけるタイムライン監視時の動作を示す説明図である。
【図7】第1実施形態に係る選択ウィンドウの画面構成を示す説明図である。
【図8】第1実施形態の変更例に係るコンテンツ放送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係るコンテンツ放送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態に係るコンテンツ放送方法の概要を示す説明図である。
【図11】第2実施形態に係るコンテンツ放送システムを構成するユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態に係るコンテンツ放送システムの動作を示すフローチャート図である。
【図13】第2実施形態に係るコンテンツ放送システムにおける絶対時刻取得時の動作を示す説明図である。
【図14】第2実施形態の変更例に係るコンテンツ放送システムを構成するユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態の変更例に係るコンテンツ放送システムのユーザー端末の動作を示すフローチャート図である。
【図16】第2実施形態の変更例に係るコンテンツ放送システムにおけるタイムライン監視時と絶対時刻取得時の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[第1実施形態]
(コンテンツ放送システム及びコンテンツ放送方法の概要)
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明を適用したコンテンツ放送システムの概略構成を示すブロック図である。
【0041】
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ放送システムは、放送局100から視聴者であるユーザー1a〜1dに対して放送番組であるコンテンツを放送又は配信するシステムであり、ユーザー1aのテレビ受像器2aに対しては、放送局100から通信衛星4及びパラボラアンテナ3を介し、電波を通じて放送データを放送し、ユーザー1b〜dの情報端末2b〜dに対しては、コンテンツサーバー110からインターネット5を通じて、放送局100で放送されている番組と同一内容のコンテンツデータを、放送局100における放送データの送出に同期させて配信する。
【0042】
本実施形態において、インターネット5は、通信ネットワークの一形態であり、例えば、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網である。このインターネット5には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0043】
テレビ受像器2aは、アナログ放送やデジタル放送を受信して映像及び音声を出力するユーザー端末であり、映像や音声の他、文字放送などのデータ放送も受信し出力することができる。
【0044】
情報端末2b〜2dは、CPUによる演算処理機能、及び通信インターフェースによる通信処理機能を備えたユーザー端末であり、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機が含まれる。また、この情報端末2b〜2dは、インターネット5にアクセスして、データの送受信を行うブラウザ機能も備えている。このブラウザ機能は、Webページを閲覧するためのアプリケーションソフトであり、インターネットからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(Javaは登録商標)やFlash、及びJavaなどで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能である。
【0045】
コンテンツサーバー110は、コンテンツサーバーは、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTMLファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネット5などのIP網を通じて、これらの情報を送信する。なお、本実施形態において、コンテンツサーバー110は、各機能を分散させるために、図2に示すように、API提供サーバー110a、Webサーバー110b、及びブロードキャストサーバー110c等の複数のサーバー装置により構成されている。
そして、本実施形態でのコンテンツサーバー110から放送されるコンテンツデータは、図2に示す手順により、ユーザー1b〜dに提供される。
【0046】
先ず、コンテンツ提供者100aが作成若しくは入手したコンテンツデータD3を、回線・設備の提供者20が運用するブロードキャストサーバー110cに入稿する。ここでは、コンテンツ提供者100aは、例えば放送局100であり、コンテンツデータD3は、放送局100で放送される放送データと同一内容となっている。なお、このコンテンツデータD3としては、例えば、野球中継や、ニュース番組などライブ放送型のコンテンツの他、クイズ番組、音楽番組など予め製作された収録放送型のコンテンツが含まれる。
【0047】
また、コンテンツ提供者100aは、API提供サーバー110aに対しては、定義データD1を入稿する。この定義データD1は、コンテンツデータの再生時刻を示すコンテンツタイムラインに対応させたイベント発生を定義するプログラムが記述されたスクリプトファイルであり、基礎情報として、対応するタイムライン、イベントの際に質問文や選択肢としての回答文、これらの種別が含まれ、メタデータとして、イベント発生の際に表示するポップアップの表示時刻、表示位置、表示色、トランジション等がメタデータとして含まれている。
【0048】
さらに、Webサーバー110bには、コンテンツデータD3を再生する再生部が貼り付けられる先となるWebページである表示情報D2が入稿されている。この表示情報D2は、HTMLで構成されており、ブラウザソフトなどで閲覧可能となっている。
【0049】
そして、視聴者1がWebページにアクセスすると、各サーバー110a〜cによって配信されるコンテンツデータD3、定義データD1、及び表示情報D2がユーザー端末2b〜dで受信され、ブラウザ部18に表示され、視聴が可能となる。この際、ブラウザ部18では、表示情報D2がWebページとして表示され、このWebページに埋め込まれるようにしてメディア再生部18aが表示され、このメディア再生部18aにコンテンツデータD3がストリーミング配信により受信され、再生される。
【0050】
(コンテンツ放送システムの構成)
次いで、コンテンツ放送システムの内部構造について説明する。図3は、コンテンツ放送システムを構成する放送局100、コンテンツサーバー110、及びユーザー端末2の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0051】
コンテンツサーバーは、通信系のモジュールとして、データ送信部116と、データ受信部115と、同期処理部117とを備え、各データを格納するモジュールとして、Webデータ蓄積部111と、定義データ蓄積部112と、コンテンツデータ蓄積部113と、ユーザーデータ蓄積部114とを備えている。
【0052】
データ送信部116は、インターネット5を通じてデータを送信するモジュールであり、各データをパケット化して送信する。このデータ送信部116は、ストリーミング配信部116aと、定義データ配信部116bと、Webデータ配信部116cとを有する。
【0053】
ストリーミング配信部116aは、コンテンツデータをストリーミング配信するモジュールであり、所定の放送スケジュールに従って、コンテンツデータ蓄積部113に蓄積されたコンテンツデータを読み出して、インターネット5に送出する。また、同期処理部117による制御に基づいて、放送局における放送データの送出に同期させて、コンテンツデータの配信を実行する。
【0054】
定義データ配信部116bは、定義データを配信するモジュールであり、コンテンツデータの配信に先行させて、或いは同時に、ストリーミング配信されているコンテンツデータに関連づけられた定義データをユーザー端末2に配信する。
【0055】
Webデータ配信部116cは、Webデータ蓄積部111に蓄積された表示情報(Webデータ)を配信するWebサーバーである。なお、本実施形態において、ユーザー端末2から取得されるユーザー操作には、インターネット5上における各ユーザー端末の位置を特定するアドレス情報(IPアドレス)が含まれており、このIPアドレスにより、ユーザー端末2の所在地をある程度特定できるようになっている。
【0056】
この定義データ配信部116bは、このIPアドレスに対応した定義データを、定義データ蓄積部112から選択して抽出することが可能となっており、地域に対応したイベントをプログラムした定義データを配信できるようになっている。また、本実施形態では、衛星放送との同期も可能なことから、衛星放送が届かない国や地域を、IPアドレスによって分別し、衛星放送の受信の可否に応じた定義データやコンテンツデータを選択して配信するようにしてもよい。
【0057】
さらに、Webデータ配信部116cでは、同一内容のWebページが複数配信され、これら複数のWebページは、インターネット5上における位置を特定するアドレス情報として異なるURLをそれぞれ有している。これら異なるURLの一つには、ミラーリングページのURLが含まれており、このミラーリングページのURLには、電波放送経由で取得されたURLであることを示す取得経路情報が付加されている。このため、電波放送で視聴された画面上に表示されたURLを使用してアクセスする場合には、ミラーリングページにアクセスすることとなり、通常(例えば、Webサイトのトップページからのドリルダウン)のアクセスするWebページとは異なるページとなる。これにより、アクセスしたWebページのURLを解析することで、電波放送経由で当該Webサイトへアクセスしたことを判別できるようになっている。なお、この取得経路情報としては、URLのドメイン部分の下位に付加されるパラメーターや、サブフォルダのアドレス等で表記することができる。
【0058】
データ受信部115は、ユーザー端末2のデータ送信部10から送信されたユーザー操作を受信するモジュールであり、受信したユーザー操作を、その送信元であるユーザー端末を識別する端末識別子とともに、ログデータとして、ユーザーデータ蓄積部114に蓄積する。
【0059】
同期処理部117は、放送局100側の電波放送部102における放送データの送出タイミングと、コンテンツサーバー110側のデータ送信部116によるコンテンツの配信タイミングとを同期させるモジュールである。また、この同期処理部117は、付加情報管理部117aが備えられており、この付加情報管理部117aは、現在放送中のコンテンツが閲覧できるWebページのミラーリングページのURL(取得経路情報が含まれたアドレス情報)を付加情報放送部102aに通知するモジュールである。この付加情報管理部117aにより通知されるミラーリングページのURLは、放送局100側の付加情報放送部102aにおいて、送出される放送データの映像内にミラーリングページのURLを重畳させ、電波を通じて視聴中の、ユーザー端末2a側の表示画面内に表示させる。
【0060】
Webデータ蓄積部111は、再生部を含む表示情報であるWebデータを蓄積する記憶装置である。このWebデータ蓄積部111には、サブフォルダが含まれており、フォルダ毎にインターネット5上のURLが相違する。これにより、異なるURLを複数作り出すことができ、例えば、上述した取得経路情報が含まれたアドレス情報であるミラーリングページのURLを、サブフォルダ名を利用することによって設定することができる。
【0061】
定義データ蓄積部112は、上記定義データを蓄積する記憶装置である。この定義データは、コンテンツデータを識別するコンテンツIDと関連づけられてコンテンツIDから検索が可能となっており、コンテンツデータの配信と連携させて、関連する定義データを検索し、配信することができるようになっている。また、この定義データは、地域や、ユーザー層などにより異なる内容の複数のものを、一つのコンテンツIDに関連づけることができ、同一のコンテンツIDに対して、地域やユーザー層に応じた適した定義データを選択して、配信することができるようになっている。
【0062】
コンテンツデータ蓄積部113は、コンテンツ提供者100aから入稿されたコンテンツデータを保存しておく記憶装置であり、このコンテンツデータは、放送局100で放送される放送データと同一内容となっている。また、このコンテンツデータ蓄積部113に蓄積されるコンテンツには、ユーザー端末側でイベントとして表示されるイベントコンテンツが含まれている。このイベントコンテンツは、例えば、コマーシャルなどの映像や、ログデータを集計して得られるプロファイルなどの集計コンテンツ等が含まれる。
【0063】
ユーザーデータ蓄積部114は、ユーザーを特定するユーザーIDと紐付けて、ユーザーが操作した操作履歴をログデータとして蓄積する記憶装置である。このユーザーデータ蓄積部114に蓄積されたログデータは、ログ集計部119により抽出され、集計可能となっている。
さらに、コンテンツサーバーは、ログ管理系のモジュールとして、ログ集計部119と、コンテンツ生成部118とを備えている。
【0064】
ログ集計部119は、ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計するモジュールである。コンテンツ生成部118は、ログ集計部119による集計結果をコンテンツデータ又はイベントコンテンツとして生成するモジュールである。イベント発生部12は、イベントとして、集計コンテンツをブラウザ部18に表示させることができる。
【0065】
一方、ユーザー端末2は、通信系のモジュールとしてデータ受信部17と、データ送信部10とを備え、また、Webを閲覧するためのモジュールとして、ブラウザ部18と、メディア再生部18aと、GUI制御部18bと、ユーザー操作取得部11とを備えている。
【0066】
データ受信部17は、コンテンツデータ、定義データ及び表示情報等の各種データを受信する通信インターフェースである。受信された表示情報及び定義データは、ブラウザ部18に入力され、受信されたコンテンツデータは、メディア再生部18aに入力される。データ送信部10は、各種データを送信する通信インターフェースである。
【0067】
ブラウザ部18は、メディア再生部18aを含む表示情報を表示するソフトウェアであり、出力インターフェース16bにより、映像や音声を出力することができるとともに、入力インターフェース16aにより、マウスやキーボードなどの操作デバイスからの操作信号が、ユーザー操作として入力される。そして、このブラウザ部18によって、Webページを表示するとともに、Webページ上におけるクリックや文字入力などのユーザー操作が可能となる。メディア再生部18aは、コンテンツデータを再生する再生ソフトウェアであり、ブラウザ部18内に再生画面を埋め込むようにして表示することができる。
【0068】
GUI制御部18bは、ユーザーとの間で対話形式により、ユーザー操作を促すモジュールであり、ユーザーに対する画面表示と、その画面上におけるクリック操作や文字入力などを受け付ける。特に、このGUI制御部18bは、イベント発生部12がイベントとしてユーザーによる選択操作を受け付ける選択ウィンドウ41をブラウザ部18にポップアップ表示させる機能を有している。このGUI制御部18bで受け付けられたユーザー操作は、ユーザー操作取得部11に送出される。
【0069】
ユーザー操作取得部11は、選択部を通じてユーザーによる選択操作を取得するモジュールであり、データ送信部10は、このユーザー操作取得部11によって取得されたユーザー操作をコンテンツサーバー110に送信する。なお、本実施形態では、このユーザー操作には、インターネット5上における各ユーザー端末の位置を特定するアドレス情報(IPアドレス)が含まれ、定義データ配信部116bは、アドレス情報に対応した定義データを配信することができるようになっている。
【0070】
さらに、ユーザー端末は、イベント処理に関するモジュールとして、タイムライン監視部15と、スクリプト抽出部14と、スクリプトコマンド実行部13と、イベント発生部12とを備えている。
【0071】
タイムライン監視部15は、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に合わせてタイムフレームを検出するとともに、タイムラインを監視するモジュールである。具体的にタイムライン監視部15は、図6に示すように、先ず、ユーザー端末2b〜d側でコンテンツデータの視聴が開始されると(図中1.)、ユーザー端末2b〜dでは、コンテンツデータに埋め込まれたタイムフレームを検出し、再生中のコンテンツの時刻(番組時刻)を特定する(図中2.)ことにより、より詳細化されたコンテンツタイムラインを作成する。コンテンツデータ内に埋め込まれたタイムフレームは、コンテンツを送出する際に、サーバー側でコンテンツ内に記録される時間軸データである。
【0072】
ここで、コンテンツタイムラインとは、ユーザー端末上に仮想的に定義される時間軸データであり、コンテンツデータの再生処理に同期させて進行される番組時刻を示す。すなわち、このコンテンツタイムラインは、クライアント側の情報端末におけるシステム時刻の設定に関係なく進行される実再生進行時間であり、本実施形態では、コンテンツデータの再生に伴って、コンテンツデータから読み出されるタイムフレームに記述された時刻に同期するように時刻調整される。
【0073】
具体的に、本実施形態においてコンテンツタイムラインは、コンテンツデータの再生により1分毎に読み出されるタイムフレームに記述された時刻となるように、コンテンツタイムラインも1分毎に調整され、コンテンツデータの再生により視聴される番組の番組時刻と同期される。さらに、このコンテンツタイムラインは、1分毎にタイムフレームに同期されると、次のタイムフレームが読み出されるまでの1分間は、1秒毎に定義データを照合することにより詳細化される。この詳細化されたコンテンツタイムラインの時間進行は、ユーザー端末のシステム時間との差分を利用して計時される。すなわち、タイムフレームを読み出して同期された後、次のタイムフレームを読み出すまでの間は、システム時間のクロック周波数に基づく時間経過を、タイムフレームとの差分として加算し、その差分が1分になった時点で、定期的にコンテンツデータ内のタイムフレームに基づいて同期処理を行うことにより、データ処理による遅延の発生を防止する。
【0074】
なお、本実施形態では、タイムライン監視部15は、メディア再生部18aにおけるコンテンツ再生のフレームレートを検出する機能が設けられており、一つのタイムフレームを読み出してから、次のタイムフレームが読み出されるまでの間に、コンテンツ再生処理の遅延が生じた場合に、タイムライン監視部15により検出されたフレームレートに合わせて、コンテンツタイムラインの進行を遅らせ、コンテンツデータの再生速度にコンテンツタイムラインの進行が合致するように調整する。
【0075】
そして、コンテンツタイムラインを監視し、そのコンテンツタイムラインを時間軸とする時刻に関連づけられたスクリプトコマンドが定義されていないか定義データD1を照合する(図中3.)。該当するスクリプトコマンドが定義されていれば、そのコマンドに従ったイベントを発生させる(図中4.)。
【0076】
スクリプト抽出部14は、ブラウザ部18で表示されたWebデータ、及びこのWebデータに関連づけられた定義データに含まれるスクリプトを抽出して、解析するモジュールであり、抽出されたスクリプトは、イベント発生を記述したスクリプトを抽出し、タイムライン上における時刻の定義とともに、スクリプトコマンドとしてスクリプトコマンド実行部13に送出される。
【0077】
スクリプトコマンド実行部13は、スクリプト抽出部14が抽出したスクリプトコマンドを取得し、所定の時刻にイベント発生部12に実行させるモジュールである。イベント発生部12は、このスクリプトコマンドの実行により、イベント発生の待機状態となる。
【0078】
イベント発生部12は、タイムライン監視部15が監視するコンテンツタイムラインに基づいて定義データを参照し、コンテンツタイムラインに対応したイベントを発生させるモジュールである。具体的には、タイムライン監視部15は、所定の周期でコンテンツタイムラインを読み出し、イベント発生部12に送出する。イベント発生部12は、スクリプト抽出部14が定義データから抽出したスクリプトコマンドの待機状態となっており、所定の時刻が到来することにより、スクリプトコマンドの実行により待機されていたイベントを発生させる。
【0079】
ここでは、イベントとして、図7に示すように、ユーザーによる選択操作を受け付ける選択ウィンドウ41を、GUI制御部18bによって、ブラウザ部18内に表示させる。この選択ウィンドウ41には、例えば、アンケートやクイズなどの質問文と、その質問に対する回答文が選択可能に表示され、ユーザーは、この回答文を選択することによって、質問に回答することができる。この選択ウィンドウ41を通じて、ユーザーによる選択操作がユーザー操作取得部11に入力され、ユーザー操作取得部によって取得されたユーザー操作は、データ送信部10を通じて、コンテンツサーバー110に送信される。
【0080】
他方、放送局100は、地上アナログ放送、地上デジタル放送、BSデジタル放送、又はCSデジタル放送など各種の電波放送を行う施設であり、本実施形態では、複数のチャンネルや放送方式で、同じ時間に同じ番組を放送するサイマル放送に対応しており、複数の衛星プラットフォームにチャンネルを有し、時間帯によっては同一内容の番組を複数のチャンネルで共有することも可能となっている。なお、本実施形態では、二つの放送局で、共通のインフラを利用可能なように、放送データ蓄積部101を放送局毎に区分し、異なるアドレス空間としてもよい。
【0081】
この放送局100で放送される放送データは、放送データ蓄積部101に蓄積され、電波放送部102によって、電波を通じて送出される。なお、この電波放送部102は、同期処理部117と接続可能となっており、コンテンツサーバー110のデータ送信部116は、電波放送部102による放送データの送出に同期させてコンテンツデータを配信することができるようになっている。
【0082】
また、電波放送部102は、付加情報放送部102aを備えており、この付加情報放送部102aでは、送出される放送データの映像内に、取得経路情報が含まれたアドレス情報を重畳させ、ユーザー端末2a側の表示画面内に取得経路情報を提示させることができるようになっている。
【0083】
(コンテンツ放送方法)
以上の構成を有するコンテンツ放送システムを動作させることによって、本発明のコンテンツ放送方法を実施することができる。図4は、本実施形態に係るコンテンツ放送システムの動作を示すフローチャート図である。
【0084】
先ず、放送局100において、放送データの電波放送が開始される(S101)。この電波放送との同期処理がコンテンツサーバー110の同期処理部117において実行される(S210)。次いで、ユーザー端末2bからWeb当該放送番組のWebサイトへアクセスがあったものとする(S301)。このアクセスに際しては、ユーザーIDやパスワードの入力を受け付けて、ユーザー認証を行うようにしてもよい。また、このアクセスに際し、ユーザー端末のIPアドレスを取得したり、当該コンテンツへのアクセスが、トップページからのドリルダウンなのか、テレビ放送で流されたURL経由なのかを判別するようにしてもよい。
【0085】
このアクセスに応じて、コンテンツサーバー110は、表示情報D2及び定義データD1をユーザー端末2bに送信する(S202)。ユーザー端末2b側では、受信したWebデータ・定義データをブラウザ部18に表示させ(S302)、コンテンツデータD3のストリーミング配信の受信及び再生を開始する(S203及びS303)。すなわち、これらのコンテンツデータD3、定義データD1、及び表示情報D2がユーザー端末2b〜dで受信され、ブラウザ部18において、表示情報D2がWebページとして表示され、このWebページに埋め込まれるようにしてメディア再生部18aが表示され、このメディア再生部18aにコンテンツデータD3が表示される。
【0086】
このコンテンツデータが再生されている間、タイムライン監視部15により、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に合わせてタイムラインを監視する(S304)。このタイムラインの監視は、具体的に、図6にも示すように、先ず、ユーザー端末2b〜d側でコンテンツデータの視聴が開始されると(図6中1.)、ユーザー端末2b〜dでは、コンテンツデータに埋め込まれたタイムフレームを検出し、再生中のコンテンツの時刻(番組時刻)を特定し、さらに1秒毎に更新することにより、詳細化されたコンテンツタイムラインを作成する(図6中2.)。そして、作成したコンテンツタイムラインを監視する。
【0087】
次いで、詳細化されたコンテンツタイムラインにおいて、1秒毎に、そのタイムフレームに関連づけられたスクリプトコマンドが定義されていないか定義データD1を照合する(S305:図6中3.)。該当するスクリプトコマンドが定義されていなければ(S305における“N”)、ループ処理によりコンテンツタイムラインの監視を続行し、該当するスクリプトコマンドが定義されていれば(S305における“Y”)、定義されたイベントを発生させる(S306:図6中4.)。
【0088】
本実施形態におけるイベントは、図5に示すように、選択ウィンドウ41をポップアップさせてアンケート調査を行う。具体的には、イベント発生に際し、スクリプトコマンドを解析し(S501)、定義データに含まれている「質問文」及び「回答文」を読み出し、図7に示すように、定義データにより設定された位置や色の選択ウィンドウ41をポップアップさせる(S502)。この定義データによる設定としては、映像の特定位置、特定のスタイルでの表示、番組の視聴を阻害しない大きさ、色などが挙げられる。
【0089】
そして、ユーザーは、この選択ウィンドウ41の回答文を選択することによって、質問に回答する(S503)。この選択ウィンドウ41を通じて、ユーザーによる選択操作が、コンテンツサーバー110側に送信される(S504及びS401)。この受信したユーザー操作は、その送信元であるユーザー端末を識別する端末識別子や位置情報(IPアドレス)とともに、ログデータとして、ユーザーデータ蓄積部114に蓄積される(S402及びS403)。
【0090】
このユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作は、ログ集計部119で集計される(S404)。この集計結果は、コンテンツ生成部118によって、コンテンツデータ又はイベントコンテンツとして生成し、イベント発生部12でのイベントとして、これらの集計コンテンツをブラウザ部18に表示させることができる。
このようなイベントが終了した後、コンテンツデータの再生が終了するまで、上記タイムラインの監視(S304)を継続する(S307における“N”)。
【0091】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、コンテンツサーバー110から配信される放送データに、一定間隔で再生経過時間の指標となるタイムフレームを埋め込み、視聴者(ユーザー端末2b〜d)側で、コンテンツデータに埋め込まれたタイムフレームを検出するとともに、コンテンツタイムラインを監視し、その再生時の進行時間のうちの特定の時間をトリガーとして、イベントを発生させる機能を実装することができる。
【0092】
そして、各ユーザー端末2b〜dでは、絶対時刻ではなく、コンテンツサーバー110側の時刻(時間軸)と別途独立した固有の時刻(時間軸)で、コンテンツデータを再生し、その特定のシーン(時間)と同期したサービスとしてイベントを発生することができるため、例えば、コンテンツサーバー110とユーザー端末2b〜dとの間における通信遅延によってコンテンツサーバー110側におけるストリーミングの配信時刻と、ユーザー端末2b〜d側における再生時刻とに時間差が生じた場合であっても、コンテンツデータの内容に適切に対応したタイミングでイベントを発生させることができる。
【0093】
本実施形態では、イベントとして、事前に設定したタイミングで、アンケートや投票のための選択ウィンドウ41をポップアップ表示させ、この選択ウィンドウ41に対するユーザーの選択操作を収集することによって、番組内容に即した適正なタイミングで、リアルタイム性のあるユーザーの声を集めることができる。また、このログデータの収集結果を応用することによって、ユーザーの趣味嗜好に即した新たなコンテンツ開発を行うことが可能となる。
【0094】
また、本実施形態では、放送局100から、電波を介して一方向に放送されるコンテンツ(放送番組)を、双方向通信によるメリットを享受できるインターネット5を通じてのコンテンツ配信と同期させることによって、電波放送による特性と、通信ネットワークを通じての双方向通信による特性とを併せ持ったサービスを展開させることができる。
【0095】
また、イベントとして、例えば、コマーシャルなどの動画をイベントコンテンツとして、番組内の特定のシーン(時間)と同期して表示させれば、番組内容との相乗効果を利用した、有効な宣伝・広告サービスを提供することができる。
【0096】
さらに、電波放送で流れるテレビ番組の映像内に、ミラーリングのURLを表示させることによって、電波を通じてのみの視聴者を、インターネット5を通じたアクセスを誘引することができる。このとき、電波放送経由で取得されたミラーリングページへのアクセスを特定できるように、ミラーリングページのURLに、通常のアドレスから区別するための取得経路情報を付加しておくことによって、テレビ放送を視てインターネットのWebサイトへアクセスしてきたユーザーを判別することができ、サービスに対するアクセス経路の相違に応じたサービスを展開することができる。
【0097】
(変更例)
なお、本実施形態では、ユーザーが使用する情報端末2b〜2dを、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、情報端末2をモバイルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機等の移動端末としてもよい。さらにネットワークシステムに、所謂OLM方式(ピア・ツー・ピア)のネットワークシステム形態を追加し、コンテンツサーバー110又は他の情報端末2e〜2gからコンテンツデータを受信する構成としてもよい。以下に、情報端末2に移動端末を追加した構成、及びネットワークシステムにOLM方式のネットワークシステムを追加した構成について説明する。
【0098】
すなわち、図8に示すように、本実施形態では、第1のIP網としてインターネット5Aが構築され、このインターネット5Aに第2のIP網であるインターネット5Bが接続されている。インターネット5A及びインターネット5Bは、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0099】
本変更例において、インターネット5Aには、無線基地局6が接続されており、コンテンツサーバー110は、無線基地局6を介して移動端末2h,2iに対して、放送局100で放送されている番組と同一内容のコンテンツデータを放送局100における放送データの送出に同期させて配信する。
【0100】
また、本変更例において、移動端末2h,2iは、無線通信を利用した携帯可能な移動端末機であり、インターネット5Aと無線基地局6を介して接続され、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。
【0101】
具体的に、移動端末2h,2iは、無線通信系のモジュールとして無線インターフェース(図示せず)と、接続処理部(図示せず)とを備えている。無線インターフェースとしては、通話を行うための移動通信用のプロトコルによる無線通信と、例えば無線LAN等のデータ通信用のプロトコルによる無線通信とを実行する機能を備えたものであってもよい。この場合、データ通信用の無線インターフェースとしては、例えば、無線LAN接続を行うためにIEEE 802.11bに準拠した送受信装置とすることができる。なお、この無線インターフェースは、モバイルコンピューターやPDAにおいては、無線LANアダプタ等により実現することができる。
【0102】
また、移動端末2h,2iの接続処理部は、無線基地局6と無線通信を介して、通信接続を確立するためのモジュールであり、自機を特定するための識別子(電話番号や、IPアドレス、ユーザーID)を接続対象となる無線基地局6に送信し、認証を行う。なお、接続処理部は、無線基地局6との間で無線LAN接続を行う場合には、データの送受信を行うためのリンクを張るために、無線信号を監視し、無線基地局6を識別するESSIDを検出するようにしてもよい。
【0103】
一方、本変更例における情報端末2e〜2gは、コンテンツサーバー110によるストリーミングの視聴に際し、所謂OLM方式(ピア・ツー・ピア)のネットワークシステム形態により、コンテンツサーバー110が配信するコンテンツデータの一部又は全部を、コンテンツサーバー110又は他の情報端末2e〜2gから受信する。
【0104】
ここで、情報端末2e〜2gは、CPUによる演算処理機能、及び通信インターフェースによる通信処理機能を備えたユーザー端末であり、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置であり、上述したOLM方式により取得したコンテンツデータを視聴するための、情報端末2b〜2dと同様の各機能を備えている。
【0105】
他方、無線基地局6は、ゲートウェイ装置(図示せず)を通じてインターネット5Aに接続され、移動端末2h,2iと、無線基地局6との間で無線通信接続を確立し、移動端末2h,2iによる通話やデータ通信を提供する装置である。なお、この無線基地局6としては、所謂femto方式に対応した無線基地局とすることができ、この場合、無線基地局6は、フェムトセルと呼ばれる小規模な無線通信エリアを形成し、そのエリア内に在圏する端末と、通話と同一のプロトコルにより、通話とともにデータ通信等を可能にする通信網を構築する。
【0106】
(作用・効果)
このような変更例によれば、移動端末2h,2iによるコンテンツデータの視聴においても、絶対時刻ではなく、コンテンツサーバー110側の時刻(時間軸)と別途独立した固有の時刻(時間軸)で、コンテンツデータを再生し、その特定のシーン(時間)と同期したサービスとしてイベントを発生することができるため、例えば、コンテンツサーバー110と移動端末2h,2iとの間における通信遅延によってコンテンツサーバー110側におけるストリーミングの配信時刻と、移動端末2h,2i側における再生時刻とに時間差が生じた場合であっても、コンテンツデータの内容に適切に対応したタイミングでイベントを発生させることができる。
【0107】
また、このような変更例によれば、所謂OLM(OverLay Multicast)方式のピア・ツー・ピアのネットワークシステムにより、いずれかの情報端末2eがダウンロードしたコンテンツデータを他の情報端末2f,2gと共有し、分散されたユーザー端末間でコンテンツデータの配信を相互に行うことによって、コンテンツサーバーに対する負担を軽減することができるとともに、通信が集中するのを回避することができるので、通信負荷を軽減することができる。
【0108】
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、情報端末2b〜2iにおいてコンテンツ内のタイムラインを監視し、コンテンツデータの視聴開始時刻からの相対時間である番組時刻の特定時間を契機にイベントを発生させる例を説明したが、本実施形態では、情報端末2b〜2iが外部のタイムサーバーにより計時される絶対時刻を監視し、この絶対時刻に基づいてイベントを発生させる例を説明する。図9は、第2実施形態に係るコンテンツ放送システムの概略構成を示すブロック図であり、図10は、第2実施形態に係るコンテンツ放送方法の概要を示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0109】
本実施形態では、タイムサーバー120は、図9に示すように、インターネット上に配置され、現在の正確な時刻である絶対時刻を計時するとともに、その絶対時刻をデータとして配信するモジュールである。そして、ユーザー端末2は、タイムサーバー120にアクセスすることで、タイムサーバー120と同期し、絶対時刻データを取得して、この絶対時刻データを用いて、ユーザー端末2内部の時刻情報を絶対時刻に同期させることができる。
【0110】
また、本実施形態でのコンテンツ放送システムは、図10に示すように、各サーバー110a〜cによって、定義データD1、表示情報D2、コンテンツデータD3が入稿され、コンテンツの視聴が開始されるとともに、タイムサーバー120によってユーザー端末2に対して、絶対時刻データD4が送信される。これにより、本実施形態におけるユーザー1b〜1iに対するコンテンツの進行時間である相対時刻に応じたイベント発生と、タイムサーバー120による絶対時刻に応じたイベント発生を提供することができる。
【0111】
ここで、本実施形態において、定義データD1は、絶対時刻に対応させたイベント発生を定義するプログラムが記述されたスクリプトファイルである。具体的に、本実施形態に係る定義データD1には、番組情報として番組IDが含まれ、イベント情報として、ディレイバッファや、イベントを発生させる絶対時刻情報、コンテンツ時刻及びプレイヤーイベント情報等が含まれ、コンテンツ情報として、コンテンツのURLや、コンテンツデータが含まれ、メタデータとして、イベント発生の際に表示するポップアップの表示時刻、表示位置、表示色、透過情報、スタイル種別、トランジション等が含まれている。
【0112】
(コンテンツ放送システムの構成)
次いで、コンテンツ放送システムの内部構造について説明する。図11は、第2実施形態に係るコンテンツ放送システムを構成するユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。図11に示すように、ユーザー端末2には、計時系のモジュールとして、システム計時部21とタイムライン監視部15とを備えている。
【0113】
本実施形態におけるタイムライン監視部15は、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に際し、時刻タイムラインを監視するモジュールである。ここで、時刻タイムラインとは、ユーザー端末上に仮想的に定義される時間軸データであり、タイムサーバー120により提供される絶対時刻に同期させて進行される時間軸データである。すなわち、この時刻タイムラインは、クライアント側の情報端末におけるシステム時刻の設定に関係なく進行され、本実施形態では、コンテンツデータの再生に伴って、タイムフレームを読み出すタイミングで、タイムサーバー120により提供される絶対時刻に同期するように時刻調整される。
【0114】
具体的に、本実施形態におけるタイムライン監視部15は、タイムサーバー120を監視し、タイムサーバー120によって計時された絶対時刻を取得するモジュールとして、絶対時刻取得部19を備えている。この絶対時刻取得部19は、タイムサーバー120にアクセスして絶対時刻データD4を要求し、これに応じてタイムサーバー120が提供する絶対時刻データD4を取得するモジュールであり、例えば、NTP(Network Time Protocol)やこれを簡略化したSNTP(Simple Network Time Protocol)などの時刻同期プロトコルによって絶対時刻を取得する機能を実行している。そして、タイムライン監視部15は、コンテンツデータが視聴されている期間は、所定の周期で同期処理を繰り返し、取得した絶対時刻データD4をスクリプト抽出部14に送信する。
【0115】
なお、本実施形態において絶対時刻取得部19は、タイムライン監視部15におけるタイムフレームの読み出しタイミングと同時に、タイムサーバー120から絶対時刻を取得するが、これに限定されることなく、コンテンツデータの再生処理や速度と関係なく、システム時間に基づく周期に従って、タイムサーバー120にアクセスするようにしてもよい。
【0116】
スクリプト抽出部14は、ブラウザ部18で表示されたWebデータ、及びこのWebデータに関連づけられた定義データに含まれるスクリプトを抽出して、解析するモジュールであり、抽出されたスクリプトは、イベント発生を記述した絶対時刻データの時刻の定義とともに、スクリプトコマンドとしてスクリプトコマンド実行部13に送出される。
【0117】
スクリプトコマンド実行部13は、スクリプト抽出部14が抽出したスクリプトコマンドを取得し、所定の絶対時刻にイベント発生部12に実行させるモジュールである。イベント発生部12は、このスクリプトコマンドの実行がなされるまではイベント発生の待機状態となる。
【0118】
イベント発生部12は、タイムライン監視部15が取得した絶対時刻に基づいて定義データを参照し、絶対時刻に対応したイベントを発生させるモジュールである。具体的には、絶対時刻取得部19は、所定の周期で取得した絶対時刻データD4を取得し、イベント発生部12に送出する。イベント発生部12は、スクリプト抽出部14が定義データから抽出したスクリプトコマンドを待機状態としており、所定の絶対時刻が入力されることにより、スクリプトコマンドの実行により待機されていたイベントを発生させる。
【0119】
また、コンテンツサーバー110側において、定義データ配信部116bは、タイムサーバー120が計時する絶対時刻に対応させたイベント発生を定義する定義データを配信するモジュールであり、この定義データは、データ送信部116によりユーザー端末2に送信される。
【0120】
ここで、イベントとして、図7に示すように、正確な時刻である時刻情報や、絶対時刻に関連した情報ウィンドウ42をGUI制御部18bによって、ブラウザ部18内に表示させる。ここで、絶対時刻に関連した情報ウィンドウ42には、例えば、正月やクリスマス等の文字、及び図形又はこれらの組み合わせた情報が表示される。
【0121】
システム計時部21は、ユーザー端末2内部の時刻情報を計時するとともに、絶対時刻取得部19から受信した絶対時刻データD4に基づいて、端末内部の時刻情報を補正するモジュールである。
【0122】
キャッシュ部22は、コンテンツサーバー110又は他のユーザー端末2e〜2gから受信され、メディア再生部18aで再生されるコンテンツデータD3を一時的に蓄積するバッファ装置であり、本実施形態では、コンテンツ再生に先行して、コンテンツを予めキャッシュ部22にダウンロードして記憶する。このキャッシュ部22に記憶されたデータは、OLM(Over Lay Multicast)方式のピア・ツー・ピアのネットワークシステムにより、他のユーザー端末2e〜2gと共有することができ、いずれかのユーザー端末2e〜2gから配信要求があった場合には、当該他のユーザー端末2e〜2gに対して送信される。
【0123】
(コンテンツ放送方法)
次いで、第2実施形態に係るコンテンツ放送方法について説明する。図12は、第2実施形態に係るコンテンツ放送システムの動作を示すフローチャート図である。
【0124】
先ず、放送局100において、放送データの電波放送が開始される(S601)。この電波放送との同期処理がコンテンツサーバー110の同期処理部117において実行される(S602)。次いで、ユーザー端末2bからWeb当該放送番組のWebサイトへアクセスがあったものとする(S603)。
【0125】
このアクセスに応じて、コンテンツサーバー110は、表示情報D2及び定義データD1をユーザー端末2bに送信する(S604)。ユーザー端末2b側では、受信したWebデータ・定義データをブラウザ部18に表示させ(S605)、コンテンツデータD3のストリーミング配信の受信及び再生を開始する(S606及びS607)。すなわち、これらのコンテンツデータD3、定義データD1、及び表示情報D2がユーザー端末2b〜2iで受信され、ブラウザ部18において、表示情報D2がWebページとして表示され、このWebページに埋め込まれるようにしてメディア再生部18aが表示され、このメディア再生部18aにコンテンツデータD3が表示される。
【0126】
このコンテンツデータが再生されている間、絶対時刻取得部19は、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に際し、タイムサーバー120を監視するためにタイムサーバー120にアクセスし(S608)、アクセスを受け付けたタイムサーバー120は、正確な現在時刻である絶対時刻データD4を送信する(S609及びS610)。そして、絶対時刻取得部19は、タイムサーバー120によって計時された絶対時刻を取得し(S611)、この絶対時刻データD4をシステム計時部21に送信するとともに、スクリプト抽出部14に送信する。
【0127】
この絶対時刻の取得は、具体的に、図13にも示すように、先ず、ユーザー端末2b〜2i側でコンテンツデータの視聴が開始されると(図13中1.)、タイムフレームを読み出すタイミングで、ユーザー端末2b〜2i側は、タイムサーバーにアクセスし、同期処理を開始し(図13中2.)、一定期間毎に同期処理を継続する。
【0128】
次いで、絶対時刻を取得する毎に、時刻タイムラインに基づいて定義データを参照し、その絶対時刻に関連づけられたスクリプトコマンドが定義されていないか定義データD1を照合する(S612:図6中3.)。該当するスクリプトコマンドが定義されていなければ(S612における“N”)、ループ処理により時刻タイムラインの監視を続行し、該当するスクリプトコマンドが定義されていれば(S612における“Y”)、絶対時刻に対応したイベントを発生させる(S613:図6中4.)。
【0129】
本実施形態におけるイベントは、メディア再生部18aに文字や図形等をポップアップさせてイベント情報表示を行う。具体的には、イベント発生に際し、スクリプトコマンドを解析し、定義データに含まれている「時刻表示」及び「イベント名」を読み出し、定義データにより設定された位置や色のイベント情報を表示させる。この定義データとは、例えば、午前0時を示す時刻情報であったり、正月、クリスマス等のイベント表示などの付加情報が上げられる。また、この定義データによる設定としては、映像の特定位置、特定のスタイルでの表示、番組の視聴を阻害しない大きさ、色などが挙げられる。
このようなイベントが終了した後、コンテンツデータの再生が終了するまで、上記時刻タイムラインの監視(S614)を継続する(S614における“N”)。
【0130】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、インターネット5などの通信ネットワークを通じて、配信される動画などのコンテンツデータを視聴する際に、タイムサーバー120から提供される絶対時刻を取得し、コンテンツデータ再生時の進行の如何に関わらず、絶対時刻をトリガーとして、イベントを発生させることができる。これにより、各情報端末2b〜2iでは、固有の時刻(時間軸)で再生しているコンテンツデータを視聴している場合であっても、メディア再生部18aに絶対時刻による表示がなされるので、ユーザーに対して、現実での時間経過に沿った情報を通知することができる。
【0131】
(変更例)
なお、本実施形態では、ユーザー端末2が外部のタイムサーバー120から絶対時刻を取得し、この絶対時刻に基づいてイベントを発生させる例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ユーザー端末2は、絶対時刻を取得するとともに、相対的な番組時刻の時間経過を監視し、絶対時刻の特定時間と番組時刻の特定時間とを契機に、それぞれイベントを発生させる構成としてもよい。以下に、ユーザー端末2において、絶対時刻及び番組時刻に基づいて、イベントを発生させる構成について説明する。図14は、本変更例に係るコンテンツ放送システムを構成するユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【0132】
本変更例に係るタイムライン監視部15は、絶対時間を取得し、絶対時間を監視する機能と、コンテンツデータ内のタイムフレームを検出し、当該コンテンツデータの再生により視聴される番組の経過時間を監視する機能を兼ね備えている。具体的に、本変更例に係るタイムライン監視部15は、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に合わせてタイムフレームを検出し、コンテンツタイムラインを監視するとともに、タイムサーバー120により提供される絶対時刻に同期された時刻タイムラインを監視するモジュールである。
【0133】
ここで、コンテンツタイムラインとは、ユーザー端末上に仮想的に定義される時間軸データであり、コンテンツデータの再生処理に同期させて進行される番組時刻を示す。すなわち、このコンテンツタイムラインは、クライアント側の情報端末におけるシステム時刻の設定に関係なく進行される実再生進行時間であり、本実施形態では、コンテンツデータの再生に伴って、コンテンツデータから読み出されるタイムフレームに記述された時刻に同期するように時刻調整される。
具体的に、本実施形態においてコンテンツタイムラインは、コンテンツデータの再生により1分毎に読み出されるタイムフレームに記述された時刻となるように、コンテンツタイムラインも1分毎に調整され、コンテンツデータの再生により視聴される番組の番組時刻と同期される。
【0134】
さらに、このコンテンツタイムラインは、1分毎にタイムフレームに同期されると、次のタイムフレームが読み出されるまでの1分間は、1秒毎に定義データを照合することにより詳細化される。この詳細化されたコンテンツタイムラインの時間進行は、ユーザー端末のシステム時間との差分を利用して計時される。すなわち、タイムフレームを読み出して同期された後、次のタイムフレームを読み出すまでの間は、システム時間のクロック周波数に基づく時間経過を、タイムフレームとの差分として加算し、その差分が1分になった時点で、定期的にコンテンツデータ内のタイムフレームに基づいて同期処理を行うことにより、データ処理による遅延の発生を防止する。
【0135】
なお、本実施形態では、タイムライン監視部15は、メディア再生部18aにおけるコンテンツ再生のフレームレートを検出する機能が設けられており、一つのタイムフレームを読み出してから、次のタイムフレームが読み出されるまでの間に、コンテンツ再生処理の遅延が生じた場合に、タイムライン監視部15により検出されたフレームレートに合わせて、コンテンツタイムラインの進行を遅らせ、コンテンツデータの再生速度にコンテンツタイムラインの進行が合致するように調整する。
【0136】
一方、時刻タイムラインとは、ユーザー端末上に仮想的に定義される時間軸データであり、タイムサーバー120により提供される絶対時刻に同期させて進行される時間軸データである。すなわち、この時刻タイムラインは、クライアント側の情報端末におけるシステム時刻の設定に関係なく進行され、本実施形態では、コンテンツデータの再生に伴って、タイムフレームを読み出すタイミングで、タイムサーバー120により提供される絶対時刻に同期するように時刻調整される。
【0137】
具体的に、本実施形態におけるタイムライン監視部15は、タイムサーバー120を監視し、タイムサーバー120によって計時された絶対時刻を取得するモジュールとして、絶対時刻取得部19を備えている。なお、本実施形態において絶対時刻取得部19は、タイムライン監視部15におけるタイムフレームの読み出しタイミングと同時に、タイムサーバー120から絶対時刻を取得するが、これに限定されることなく、コンテンツデータの再生処理や速度と関係なく、システム時間に基づく周期に従って、タイムサーバー120にアクセスするようにしてもよい。
【0138】
そして、タイムライン監視部115は、コンテンツデータが視聴されている期間は、同期処理を繰り返しつつ、コンテンツデータに埋め込まれたタイムフレームを検出して、再生中のコンテンツの番組時刻を特定し、より詳細化されたコンテンツタイムラインを作成するとともに、作成したコンテンツタイムラインを監視する。また、タイムライン監視部15は、このコンテンツタイムラインの監視と併せて、タイムサーバー120によって計時された絶対時刻を絶対時刻取得部19により取得し、時刻タイムラインを作成し、作成した時刻タイムラインを監視する。
【0139】
そして、タイムライン監視部15は、コンテンツデータが視聴されている期間は、一定期間毎に同期処理を繰り返すとともに、コンテンツタイムライン及び時刻タイムラインの監視結果(各タイムラインに基づいて計時した時刻)を、スクリプト抽出部14に送信する。これを受け、スクリプト抽出部14は、ブラウザ部18で表示されたWebデータ、及びこのWebデータに関連づけられた定義データに含まれるスクリプトを抽出して、解析する。このスクリプト抽出部14によって抽出されたスクリプトは、スクリプトコマンドとしてスクリプトコマンド実行部13に送出される。ここで、定義データに含まれるスクリプトには、番組時刻に基づくスクリプト、又は絶対時刻に基づいたスクリプトのいずれかが含まれており、スクリプト抽出部14は、抽出したスクリプトがいずれの種別のスクリプトかを解析する。
【0140】
イベント発生部12は、タイムライン監視部15が検出したタイムフレーム又は絶対時刻取得部19が検出した絶対時刻に基づいて定義データを参照し、コンテンツタイムラインに基づくイベントであるか、絶対時刻に基づくイベントであるかを判断し、この判断結果に基づくタイミングにより、イベントを発生させるモジュールである。具体的には、タイムライン監視部15は、所定の周期でタイムラインを読み出し、イベント発生部12に送出する。一方、絶対時刻取得部19も、所定の周期で絶対時刻を取得し、イベント発生部12に送出する。イベント発生部12は、スクリプト抽出部14が定義データから抽出したスクリプトコマンドを待機状態としており、所定の時刻が到来することにより、スクリプトコマンドの実行により待機されていたイベントを発生させる。
【0141】
また、コンテンツサーバー110において、定義データ配信部116bは、定義データを配信するモジュールであり、定義データにおけるイベント発生を絶対時刻に基づいて定義し、この定義データをユーザー端末2に配信する。
【0142】
(コンテンツ放送方法)
次いで、変更例に係るコンテンツ放送方法について説明する。図15は、変更例に係るコンテンツ放送システムのユーザー端末の動作を示すフローチャート図であり、図16は、変更例に係るコンテンツ放送システムのタイムライン監視時と絶対時刻取得時の動作を示す説明図である。
【0143】
ここで、本変更例においては、既に放送局100からの電波放送との同期処理がコンテンツサーバーにおいて実行されるとともに、ユーザー端末2bからWebサイトへアクセスによって、コンテンツデータD3、表示情報D2及び定義データD1がコンテンツサーバー110から受信され、メディア再生部18aにコンテンツデータが再生されているものとする。
【0144】
先ず、コンテンツデータが再生されると(S701)、タイムライン監視部15は、メディア再生部18aによるコンテンツデータの再生に合わせてタイムフレームを検出するとともに、タイムフレームに記述された番組時間に同期されたコンテンツタイムラインを監視する(S702)。また、絶対時刻取得部19は、タイムサーバー120にアクセスし(S703)、アクセスを受け付けたタイムサーバー120は、正確な現在時刻である絶対時刻データD4を送信する(S704及びS705)。そして、絶対時刻取得部19は、絶対時刻データD4を取得し(S706)、この絶対時刻データD4をシステム計時部21に送信し、絶対時刻を監視する。
【0145】
具体的に、このタイムラインの監視は、図16にも示すように、先ず、ユーザー端末2b〜2i側でコンテンツデータの視聴が開始されると(図6中1.)、タイムライン監視部15及びスクリプト抽出部14は、定義データを参照し、タイムラインに基づくイベントであるか、絶対時刻に基づくイベントであるかを判断し、この判断結果に基づくタイミングにより、該イベントを発生させる。
【0146】
具体的には、タイムライン監視部15は、コンテンツデータに埋め込まれたタイムフレームを検出し、再生中のコンテンツの時刻を特定する(図6中2−2.)ことにより、より詳細化されたコンテンツタイムラインを作成し、このコンテンツタイムラインを監視する。一方、絶対時刻の取得については、図16にも示すように、ユーザー端末2b〜2i側でコンテンツデータの視聴が開始されると(図13中1.)、絶対時刻取得部19が、タイムサーバー120にアクセスし、タイムサーバー120との同期処理を開始し(図13中2−1.)、一定期間毎に同期処理を継続して、時刻タイムラインを作成するとともに、作成された時刻タイムラインを監視する。
【0147】
次いで、コンテンツタイムライン又は時刻タイムラインに基づいて、スクリプト抽出部14コンテンツタイムライン又は時刻タイムラインに関連づけられたスクリプトコマンドが定義されていないか定義データD1を照合する(S707:図16中3.)。その該当するスクリプトコマンドが定義されていなければ(S707における“N”)、ループ処理によりコンテンツタイムライン及び時刻タイムラインの監視を続行する。
【0148】
一方、該当するスクリプトコマンドが定義されていれば(S707における“Y”)、スクリプトコマンド実行部13において、その定義データD1が番組時刻に基づく定義データか、絶対時刻に基づく定義データかを判別する(S708:図16中4.)。
【0149】
スクリプトコマンドが番組時刻に基づくコマンドであれば(S708における“番組時刻”)、番組時刻(コンテンツタイムライン)に基づくイベントを発生させ(S709:図16中5−1.)、スクリプトコマンドが絶対時刻に基づくコマンドであれば(S708における“絶対時刻”)絶対時刻(時刻タイムライン)に基づくイベントを発生させる(S710:図16中5−2.)。
【0150】
このようなイベントが終了した後、コンテンツデータの再生が終了するまで、上記各タイムラインの監視(S702)及び絶対時刻の取得(S703〜S706)を継続する(S711における“N”)。一方、コンテンツデータの再生が終了した後は、これらの動作を終了する(S711における“Y”)。
【0151】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、コンテンツデータのタイムラインに基づいて、コンテンツデータの視聴開始時刻からの経過時間(相対時間)に応じてイベントを発生させるか、或いは、タイムサーバーが計時する絶対時刻に応じてイベントを発生させるか、2通りの定義を定義データに記述することができる。これにより、本実施形態によれば、番組内容の進行に適したタイミングでイベントを発生させたり、番組内容の進行を無視して、絶対時刻を優先させたタイミングでイベントを発生させることができ、サービスの多様化を図ることができる。
【符号の説明】
【0152】
D1…定義データ
D2…表示情報
D3…コンテンツデータ
D4…絶対時刻データ
1a…ユーザー(電波放送のみの視聴者)
1b〜1i…ユーザー(インターネット放送の視聴者)
2…ユーザー端末
2a…テレビ受像器
2b〜g…情報端末
2h,2i…移動端末
3…パラボラアンテナ
4…通信衛星
5…インターネット
5A…インターネット
5B…インターネット
6…無線基地局
10…データ送信部
11…ユーザー操作取得部
12…イベント発生部
13…スクリプトコマンド実行部
14…スクリプト抽出部
15…タイムライン監視部
16a…入力インターフェース
16b…出力インターフェース
17…データ受信部
18…ブラウザ部
18a…メディア再生部
18b…GUI制御部
19…絶対時刻取得部
20…提供者
21…計時部
22…キャッシュ部
41…選択ウィンドウ
42…情報ウィンドウ
100…放送局
100a…コンテンツ提供者
101…放送データ蓄積部
102…電波放送部
102a…付加情報放送部
110…コンテンツサーバー
110a…API提供サーバー
110b…Webサーバー
110c…ブロードキャストサーバー
111…Webデータ蓄積部
112…定義データ蓄積部
113…コンテンツデータ蓄積部
114…ユーザーデータ蓄積部
115…データ受信部
116…データ送信部
116a…ストリーミング配信部
116b…定義データ配信部
116c…Webデータ配信部
117…同期処理部
117a…付加情報管理部
118…コンテンツ生成部
119…ログ集計部
120…タイムサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送システムであって、
前記コンテンツサーバーは、
前記コンテンツデータを配信するデータ送信部と、
前記コンテンツデータの再生時刻を示すタイムラインに対応させたイベント発生を定義する定義データを配信する定義データ配信部と、
前記コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信するWeb配信部と
を備え、前記ユーザー端末は、
前記コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信部と、
前記コンテンツデータを再生する再生部と、
前記再生部を含む前記表示情報を表示するブラウザ部と、
前記再生部によるコンテンツデータの再生に合わせて前記タイムラインを監視するタイムライン監視部と、
前記タイムライン監視部が検出したタイムラインに基づいて前記定義データを参照し、該タイムラインに対応したイベントを発生させるイベント発生部と
を備えることを特徴とするコンテンツ放送システム。
【請求項2】
前記通信ネットワーク上に配置され、絶対時刻を計時するタイムサーバーをさらに備え、
前記定義データ配信部は、前記定義データにおける前記イベント発生を絶対時刻に基づいて定義する機能を有し、
前記タイムライン監視部は、前記タイムサーバーを監視し、該タイムサーバーによって計時された前記絶対時刻を取得する機能を有し、
前記イベント発生部は、前記定義データを参照し、前記タイムラインに基づくイベントであるか、前記絶対時刻に基づくイベントであるかを判断し、この判断結果に基づくタイミングにより、該イベントを発生させる
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ放送システム。
【請求項3】
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送システムであって、
前記通信ネットワーク上に配置され、絶対時刻を計時するタイムサーバーを備え、
前記コンテンツサーバーは、
前記コンテンツデータを配信するデータ送信部と、
前記タイムサーバーが計時する絶対時刻に対応させたイベント発生を定義する定義データを配信する定義データ配信部と、
前記コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信するWeb配信部と
を備え、前記ユーザー端末は、
前記コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信部と、
前記コンテンツデータを再生する再生部と、
前記再生部を含む前記表示情報を表示するブラウザ部と、
前記再生部によるコンテンツデータの再生に際し、前記タイムサーバーを監視し、該タイムサーバーによって計時された前記絶対時刻を取得するタイムライン監視部と、
前記タイムライン監視部が検出した絶対時刻に基づいて前記定義データを参照し、該絶対時刻に対応したイベントを発生させるイベント発生部と
を備えることを特徴とするコンテンツ放送システム。
【請求項4】
前記ユーザー端末は、
前記イベントとしてユーザーによる選択操作を受け付ける選択部を前記ブラウザ部に表示させるGUI制御部と、
前記選択部を通じて前記ユーザーによる選択操作を取得するユーザー操作取得部と、
前記ユーザー操作取得部によって取得されたユーザー操作を前記コンテンツサーバーに送信する送信部と
をさらに備え、
前記コンテンツサーバーは、前記送信部から送信されたユーザー操作を受信し、蓄積するユーザーデータ蓄積部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ放送システム。
【請求項5】
前記ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成する集計コンテンツ生成部をさらに備え、
前記データ送信部は、前記集計コンテンツを前記コンテンツデータとして配信する
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ放送システム。
【請求項6】
前記ユーザー操作には、前記通信ネットワーク上における前記ユーザー端末の位置を特定するアドレス情報が含まれ、
前記定義データ配信部は、前記アドレス情報に対応した前記定義データを配信する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のコンテンツ放送システム。
【請求項7】
前記コンテンツサーバーにおいて、前記データ送信部は、前記イベントとして表示されるイベントコンテンツを配信し、
前記イベント発生部は、前記イベントとして前記イベントコンテンツを前記ブラウザ部に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンテンツ放送システム。
【請求項8】
前記ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成する集計コンテンツ生成部をさらに備え、
前記イベント発生部は、前記イベントとして、前記集計コンテンツを前記ブラウザ部に表示させる
ことを特徴とする請求項7に記載のコンテンツ放送システム。
【請求項9】
前記コンテンツデータと同一内容の放送データを、電波を介して送出する電波放送部をさらに備え、
前記データ送信部は、前記電波放送部による放送データの送出に同期させて前記コンテンツデータを配信する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のコンテンツ放送システム。
【請求項10】
前記Web配信部において前記表示情報は複数配信され、該複数の表示情報は、それぞれ異なる前記通信ネットワーク上における位置を特定するアドレス情報を有し、
これら異なるアドレス情報には、電波放送経由で取得されたアドレス情報であることを示す取得経路情報が付加されたものが含まれ、
前記電波放送部により送出される前記放送データには、前記取得経路情報が含まれたアドレス情報が提示される
ことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ放送システム。
【請求項11】
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送方法であって、
前記コンテンツサーバーから、前記コンテンツデータ、該コンテンツデータの再生時刻を示すタイムラインに対応させたイベント発生を定義する定義データ、及び該コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信する配信ステップと、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信ステップと、
前記ユーザー端末において、ブラウザ部で前記表示情報を表示するとともに、再生部で前記コンテンツデータを再生する再生ステップと、
前記再生部によるコンテンツデータの再生に合わせて前記タイムラインを監視するタイムライン監視ステップと、
前記監視ステップで検出したタイムラインに基づいて前記定義データを参照し、該タイムラインに対応したイベントを発生させるイベント発生ステップと
を有することを特徴とするコンテンツ放送方法。
【請求項12】
前記通信ネットワーク上には、絶対時刻を計時するタイムサーバーがさらに配置され、
前記配信ステップでは、前記定義データにおける前記イベント発生を絶対時刻に基づいて定義し、
前記タイムライン監視ステップでは、前記タイムサーバーを監視し、該タイムサーバーによって計時された前記絶対時刻を取得し、
前記イベント発生ステップでは、前記定義データを参照し、前記タイムラインに基づくイベントであるか、前記絶対時刻に基づくイベントであるかを判断し、この判断結果に基づくタイミングにより、該イベントを発生させる
ことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ放送方法。
【請求項13】
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーからユーザー端末に対してコンテンツデータを放送するコンテンツ放送方法であって、
前記通信ネットワーク上に、絶対時刻を計時するタイムサーバーを配置し、
前記コンテンツサーバーから、前記コンテンツデータ、前記タイムサーバーが計時する絶対時刻に対応させたイベント発生を定義する定義データ、及び該コンテンツデータを再生する再生部を含む表示情報を配信する配信ステップと、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータ、定義データ及び表示情報を受信する受信ステップと、
前記ユーザー端末において、ブラウザ部で前記表示情報を表示するとともに、再生部で前記コンテンツデータを再生する再生ステップと、
前記再生部によるコンテンツデータの再生に際し、前記タイムサーバーを監視し、該タイムサーバーによって計時された前記絶対時刻を取得するタイムライン監視ステップと、
前記監視ステップで検出した絶対時刻に基づいて前記定義データを参照し、該絶対時刻に対応したイベントを発生させるイベント発生ステップと
を有することを特徴とするコンテンツ放送方法。
【請求項14】
前記イベント発生ステップでは、
ユーザー端末において、前記イベントとしてユーザーによる選択操作を受け付ける選択部を前記ブラウザ部に表示させ、前記選択部を通じて前記ユーザーによる選択操作を取得するとともに、取得された前記ユーザー操作を前記コンテンツサーバーに送信し、
前記コンテンツサーバーは、前記送信部から送信されたユーザー操作を受信し、ユーザーデータ蓄積部に蓄積する
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のコンテンツ放送方法。
【請求項15】
前記配信ステップに先行させて、前記コンテンツサーバーにおいて、前記ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成し、
前記配信ステップでは、前記コンテンツサーバーから、前記集計コンテンツを前記コンテンツデータとして配信する
ことを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ放送方法。
【請求項16】
前記ユーザー操作には、前記通信ネットワーク上における前記ユーザー端末の位置を特定するアドレス情報が含まれ、前記配信ステップに先行させて、該アドレス情報を取得し、
前記配信ステップでは、前記アドレス情報に対応した前記定義データを配信する
ことを特徴とする請求項14又は15に記載のコンテンツ放送方法。
【請求項17】
前記配信ステップにおいて、コンテンツサーバーから、前記イベントとして表示されるイベントコンテンツを配信し、
前記イベント発生ステップでは、前記イベントとして前記イベントコンテンツを前記ブラウザ部に表示させる
ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載のコンテンツ放送方法。
【請求項18】
前記配信ステップに先行させて、前記コンテンツサーバーにおいて、前記ユーザーデータ蓄積部に蓄積されたユーザー操作を集計し、この集計結果をコンテンツデータとして生成し、
前記イベント発生ステップでは、前記イベントとして、前記集計コンテンツを前記ブラウザ部に表示させる
ことを特徴とする請求項17に記載のコンテンツ放送方法。
【請求項19】
前記コンテンツサーバーは、前記コンテンツデータと同一内容の放送データを、電波を介して送出する電波放送部と接続されており、
前記配信ステップでは、前記電波放送部による放送データの送出に同期させて前記コンテンツデータを配信する
ことを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載のコンテンツ放送方法。
【請求項20】
前記配信ステップにおいて、前記表示情報は複数配信され、該複数の表示情報は、それぞれ異なる前記通信ネットワーク上における位置を特定するアドレス情報を有し、
これら異なるアドレス情報には、電波放送経由で取得されたアドレス情報であることを示す取得経路情報が付加されたものが含まれ、
前記電波放送部により送出される前記放送データには、前記取得経路情報が含まれたアドレス情報が提示される
ことを特徴とする請求項19に記載のコンテンツ放送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−154523(P2010−154523A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272934(P2009−272934)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】