説明

コンテンツ管理機能を有する電子装置およびコンテンツ管理機能を提供するプログラム

コンテンツを格納するメモリ(18)を有する無線通信機能付き携帯電子装置(10)においてコンテンツを管理する方法およびプログラムが開示される。コンテンツ管理はコンテンツを受信する工程およびコンテンツをメモリに格納する工程を含む。コンテンツは、特定の場所(52)に関係してもよく、またその場所またはその近くに携帯電子装置が位置付けられた時に受信/送信されてよい。そのようなコンテンツは、携帯電子装置のその場所からの退去に関係する寿命を有してもよい。さらに、コンテンツは時間ベースの寿命―場所ベースの寿命とは無関係でよい―を有してもよい。コンテンツは場所ベースの寿命または時間ベースの寿命が終了した時に消去されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に音声通信を行う電子装置に関し、より詳細にはメモリ資源を節約するコンテンツ管理機能を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声通信を提供する電子装置はますます人気を博しつつある。加えて、電子装置に付随する機能はますます多様になりつつある。幾つかの例を上げると、多くの電子装置が、カメラ、インターネット閲覧機能、音声再生機能、オーディオ再生機能、映像表示機能およびハンドフリーのヘッドセット・インタフェースを備える。
【0003】
それら電子装置は、データ、住所録または連絡先情報、呼び出し音、ビデオクリップ、映像ファイル等々の格納に使用されるメモリを備えてもよい。メモリに格納されるこれらアイテムおよびその他いずれのタイプのアイテムも、通常、ファイル中に配置され、ここでは、コンテンツと呼ぶものとする。メモリは、通常、容量に制限がある。メモリが容量一杯になると、追加コンテンツの電子装置による格納はできない。さらに、上記のコンテンツは、一旦格納されると、ユーザがそのコンテンツをメモリから消去するまでメモリ中に保持される。
【0004】
幾つかの通信ネットワークまたはシステムでは、コンテンツをサーバまたはその他の装置から電子装置に送信してメモリに格納してよい。コンテンツの配信は、電子装置のユーザによる、コンテンツをダウンロードし、転送しまたはコンテンツを受領する行動を含んでよい。あるいは、コンテンツを、ユーザによる行動なしでまたは最小限のユーザ行動で、電子装置にプッシュ(push)するかまたは電子装置によりプル(pull)されてよい。コンテンツはまた、文字列メッセージ、電子メール・メッセージ、音声メッセージまたは電子装置が受信したその他の伝送情報を、添付またはその他のやり方で含んでもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当然のことながら、電子装置のメモリは、格納されたコンテンツにより費やされることにもなろう。このような場合、救済措置を講じなければ、電子装置の性能が低下するだろうし、また、ユーザは追加のコンテンツを格納する能力を失うことにもなろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
メモリ容量問題を免れないという既存の電子装置に付き物の前述の欠点に照らして、そのような欠点に煩わされない電子装置への技術的要求が存在する。より詳細には、コンテンツ管理機能を備えた電子装置への技術的要求が存在する。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、コンテンツを格納するメモリを有する無線通信機能付き携帯電子装置におけるコンテンツを管理する方法は、携帯電子装置を特定の場所またはその付近に位置決めしたときに、その場所についての移動無線端末の位置の関数として場所関連コンテンツを送信するように構成された送信元から、その特定の場所に関する場所関連コンテンツを受信する工程と、場所関連コンテンツをメモリに格納する工程とを含む。
【0008】
好ましい実施形態では、その方法は、携帯電子装置がその場所から退去した時に、その場所関連コンテンツを消去する工程をさらに含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、コンテンツを格納するメモリ(18)を有する無線通信機能付き携帯電子装置のためのコンテンツを管理する方法は、携帯電子装置が特定の場所またはその近くに存在することを検出する工程と、検出した時に、特定の場所に関する場所関連コンテンツを携帯電子装置に送信する工程とを含む。
【0010】
好ましい実施形態では、その方法は、その携帯電子装置が場所関連コンテンツの受信契約者であるかまたは場所関連コンテンツを受けるように構成されているかを、送信に先立って判定する工程を含む。
【0011】
本発明の別の態様によれば、コンテンツを格納するメモリを有する無線通信機能付き携帯電子装置におけるコンテンツを管理する方法は、時間ベースの寿命を有するコンテンツを受信する工程と、コンテンツをメモリに格納する工程と、時間ベースの寿命の終了時にコンテンツを消去する工程とを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、マシーン・ユーザブル媒体(machine usable medium)に格納されたプログラム、コンテンツを格納するメモリを有する無線通信機能付き携帯電子装置のためのコンテンツ管理機能を含むプログラムおよび実行可能論理は、携帯電子装置を特定の場所またはその近くに位置決めしたときに、その場所との関係での移動無線端末の位置の関数として場所関連コンテンツを送信するように構成された送信元から、その特定の場所に関する場所関連コンテンツを受信し、そしてその場所関連コンテンツをメモリに格納する。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、マシーン・ユーザブル媒体に格納されたプログラム、コンテンツを格納するメモリを有する無線通信機能付き携帯電子装置のためのコンテンツ管理機能を含むプログラムおよび実行可能論理は、携帯電子装置が特定の場所またはその近くに存在することを検出し、そして検出時にその特定の場所関連コンテンツを携帯電子装置に送信する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、マシーン・ユーザブル媒体に格納されたプログラム、コンテンツを格納するメモリを有する無線通信機能付き携帯電子装置のためのコンテンツ管理機能を含むプログラムおよび実行可能論理は、時間ベースの寿命を有するコンテンツを受信し、そのコンテンツを前記メモリに格納し、そして時間ベースの寿命が終了した時にそのコンテンツを消去する。
【0015】
本発明のこれら及びさらなる特徴については、以下の説明および添付の図面を参照することにより明らかとなろう。説明および図面では、本発明の原理を使用してよい幾つかのやり方を示すよう、本発明の特定の実施形態が詳細に開示されるが、当然のことながら、本発明はそれらに対応する範囲に限定されるものではない。正しくは、本発明は、本明細書に添付の特許の請求範囲の精神と条項に含まれる全ての変形、改良および等価物を包含するものである。
【0016】
1つの実施形態に関して説明または提示された特徴は、1つ以上の他の実施形態においても、同じやり方または類似のやり方で使用されてよく、または他の実施形態の特徴と組み合わせてまたは他の実施形態の特徴に代わって使用されてよい。
【0017】
「含む/備える」という用語は、本明細書での使用では、陳述された特徴、整数値、工程または要素の存在を明言すると理解するべきであり、その他の特徴、整数値、工程、要素またはそれらの集まりの存在または追加を排除するものでないことに、重々留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明についてこれから図面を参照して説明しよう。同じ参照番号は、全体を通して同じ要素の参照に使用される。
【0019】
用語「電子装置(electronic equipment)」は携帯無線通信装置を包含する。用語「携帯無線通信装置(portable radio communication equipment)」(以後、「移動無線端末(mobile radio terminal)」と呼ぶ)は、携帯電話機、ポケットベル、コミュニケータ(すなわち、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、多機能電話機、携帯通信装置または同種のもの)のような全ての装置を包含する。
【0020】
本出願では、主に携帯電話機に即して本発明を説明する。しかし、当然のことながら、本発明は携帯電話機への限定を意図するものではなく、どのようなタイプの電子装置であってもよい。
【0021】
初めに図1を参照すると、本発明による電子装置10が示される。その電子装置は、所定の事象が生じた時に電子装置10のメモリからコンテンツを消去するように構成されたコンテンツ管理機能を備える。所定の事象は、例えば、特定の場所からの電子装置10の移動またはコンテンツの寿命の終了及びその両方を含んでよい。
【0022】
ここで説明する事例的な実施形態では、電子装置は携帯電話機であり、携帯電話機10と呼ばれる。携帯電話機10は「煉瓦」または「ブロック」型の筐体12を有するように示されるが、言うまでもなく、二つ折り(clamshell)型の筐体またはスライド式の筐体など別タイプの筐体が使用されてもよく、それでも本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0023】
携帯電話機10はディスプレイ14およびキーパッド16を備える。従来と同様に、ディスプレイ14は、動作状態、時間、電話番号、連絡先情報、多様なナビゲーション・メニューなどの情報をユーザに表示し、それらにより、ユーザは携帯電話機10の多様な機能を利用できる。ディスプレイ14は、携帯電話機10が受信した、または携帯電話機10のメモリ18(図2)から読み出したコンテンツを視覚表示するのに使用されてよい。
【0024】
キーパッド16も同じく、多様なユーザ入力動作を可能にする点で、従来同様であってよい。例えば、キーパッド16は、通常、電話番号、電話リスト、連絡先情報、メモなどの英数字情報を入力できる英数字キー20を備える。さらに、キーパッド16は、通常、電話を始めるまたは電話に応えるための「電話送信」キー、および電話を終えるまたは「電話を切る」ための「電話終了」キーなど、特殊機能キーを含む。特殊機能キーはまた、従来同様に、メニュー・ナビゲーション・キーを備えてもよく、それにより、例えば、ディスプレイ14に表示されたメニューをナビゲートして、様々な電話機機能、プロフィール、設定などを選択できる。携帯電話機に付随するその他のキーには、音量キー、無音化キー、電源オン/オフ・キー、ウェブブラウザ開始キー、カメラ・キーなどが含まれてもよい。キーまたはキー類似の機能が、ディスプレイ14に付随するタッチ・スクリーンで具体化されてもよい。
【0025】
以下の説明を考慮すればより明らかになるように、携帯電話機10は既存の電子装置に付き物の先述の欠点を克服する。特に、携帯電話機10は、携帯電話機10が着呼/発呼装置(通常は他の携帯電話機または地上回線による電話機)と通話を確立し、また信号を交換できるようにする従来型の通話回路を含む。また一方、着呼/発呼装置はこれもまた電話機である必要はなく、インターネット・ウェブ・サーバ、コンテンツ提供サーバなど、その他の装置であってもよい。
【0026】
図2は、携帯電話機10の機能ブロック図を示す。本発明によるコンテンツ管理機能22(これは、好ましくは、携帯電話機10内のアプリケーション・ソフトウェアまたはコードの形式の実行可能論理で実現される)の例外はあるが、それ以外は携帯電話機10の構造は概ね従来型のものである。携帯電話機10は、携帯電話機10の機能および動作の全体的な制御を実行するように構成された主制御回路24を備える。制御回路24は、CPU、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどの処理装置26を備えてもよい。処理装置26は、携帯電話機10の従来からの動作を実行するために、制御回路24内蔵のメモリ(図示されない)またはメモリ18など外付けメモリまたはその両方に格納されたコードを実行する。メモリ18は、例えば、フラッシュ・メモリや、ハード・ディスク駆動装置、取り外し可能媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリの少なくともいずれかであってよい。さらに、処理装置26は、コンテンツ管理機能22を実行するために本発明に従うコードを実行する。
【0027】
コンピュータ・プログラム技術、そして特に携帯電話機のアプリケーション・プログラムについての普通の技術者には、ここで説明される機能を動作させそして実行するために、携帯電話機10をどのようにプログラムするかは明らかであろう。従って、特定のプログラミング・コードについての詳細は、簡潔化のために割愛する。また、コンテンツ管理機能22は本発明の好ましい実施形態に従う処理装置26によって実行されるが、その機能は、専用のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせによって実行することもでき、そうしても本発明の範囲から逸脱するものではない。さらに、携帯電話機10と情報をやり取りするサーバまたは近接検出器またはその両方は、それらの装置のメモリが格納したり、またはそれらの装置のプロセッサが実行する実行可能論理として具体化したりできる。
【0028】
続けて図1および図2を参照すると、携帯電話機10は、無線回路30と接続されたアンテナ28を備える。無線回路30は、従来と同様に、アンテナ28を介して信号を送信し受信するための無線周波の送信機および受信機を備える。携帯電話機10は、無線回路28によって送信または受信されたオーディオ信号を処理するための音声信号処理回路32をさらに備える。音声信号処理回路32にはスピーカ34およびマイクロホン36が接続されており、従来と同様に、ユーザが携帯電話機10を介して聴いたり話したりできるようにする。無線回路30と音声信号処理回路32は、各々、制御回路24に接続され、総合的に動作を実行する。
【0029】
携帯電話機10はまた、制御回路24に接続された先述のディスプレイ14およびキーパッド16を備える。携帯電話機10は、入出力(I/O)インタフェース38をさらに備える。I/Oインタフェース38は、携帯電話機10の底部にある多素子コネクタのような、通常の携帯電話機のI/Oインタフェースの形式であってよい。よくあるように、I/Oインタフェース38は、携帯電話機10に内蔵の電源供給ユニット40を充電するため、携帯電話機10を電池充電器に接続するのに使用されてよい。以上に加えて、または別案として、I/Oインタフェース38は、有線のパーソナル・ハンドフリー・アダプタ(図示されない)または局所的な無線インタフェース(例えば、ブルートゥースによるハンドフリー・アダプタを使用するためのブルートゥース・アダプタ(図示されない))に携帯電話機10を接続する用に供されてもよい。さらに、I/Oインタフェース38は、パソコンまたはその他の装置にデータ・ケーブル等を介して携帯電話機10を接続する用に供されてもよい。
【0030】
I/Oインタフェース38は、本発明の基本的な態様には必須ではない。また、I/Oインタフェース38の特定の機能は、必ずしも本発明に密接に関係しない。その一方で、本発明のある特定の態様によれば、制御回路24は、有線または無線(例えば、ブルートゥース)の装置が携帯電話機10と通信している時、そのことを自動的に検出するように構成される。これは、機械接点、装置ID検出、等を介してもよい。そのような機能は携帯電話機では既知である。その一方、以下にさらに詳しく説明するように、本発明はそのような機能をコンテンツ管理機能と併せて利用してよい。
【0031】
携帯電話機10はまた、時間計測機能を実行するタイマ41を備えてもよい。そのような機能は通話時間の時間計測等を含んでよい。さらに、以下でさらに詳しく説明するように、タイマ41は、メモリ18が格納したコンテンツの寿命の終了などの事項の検出の用に供されてよい。
【0032】
携帯電話機10は、場所検知装置42を含んでよい。ある事例的な実施形態では、場所検知装置42は、全地球測位衛星(global positioning satellite、GPS)からの位置データを受信するように構成されたGPS受信機であり、制御回路24に位置データ(例えば、経度および緯度の)を渡す。この情報から、特定の場所(例えば、建物、街区、スタジアム、小売店など)に相対的な携帯電話機10の位置を判定できる。別の事例的な実施形態では、場所検知装置42は、RFID(radio frequency identification、無線識別)のタグまたは応答装置であってよい。この実施形態では、RFID読取り器(図示されない)の動作可能範囲内に携帯電話機10が立ち入った場合、場所検知装置42が放散する応答信号に基づいて、携帯電話機10の存在または不在を判定できる。応答信号の受信は、その特定の場所に対する携帯電話機10の相対位置を示すものとして使用することができる。さらに別の事例的な実施形態では、場所検知装置42はブルートゥース・アダプタなどの局所的な無線アダプタであってもよく、別個の構成要素ではなく、I/Oインタフェース38に物理的に付随してもよい。この実施形態では、対応する無線アダプタの動作可能範囲内に携帯電話機10が立ち入った場合、携帯電話機10の無線アダプタと対応する無線アダプタとによって確立されたインタフェースに基づいて、携帯電話機10の存在または不在を判定できる。そのインタフェースの確立は、その特定の場所に対する携帯電話機10の相対位置を示すものとして使用することができる。
【0033】
さらに図3を参照すると、携帯電話機10が動作できる事例的な通信システム44が示される。システム44はサーバ46を備えてよい。ある実施形態では、サーバ46は、携帯電話機10の相対的位置を追跡し、携帯電話機10にコンテンツを送信し、また、携帯電話機10のコンテンツ管理機能22を補完する機能を遂行する論理を実行するプロセッサを備えてよい。サーバ46の機能は携帯電話機10へのコンテンツの送信であるので、それは、複数の携帯電話機10、特定タイプのコンテンツを携帯電話機10に送信する専用装置、別の装置(例えば、別の携帯電話機10)またはその他任意の適当な装置、にサービスするコンピュータ装置であってよい。
【0034】
掲示の実施形態では、サーバ46は通信網48および伝送媒体50を介して携帯電話機10と通信する。伝送媒体50は、任意の適当な装置または、例えば、通信塔、他の携帯電話機、無線アクセス・ポイント、衛星などを含む集合体であってよい。通信網48は部分的に無線伝送経路を含んでもよい。
【0035】
言うまでもないが、携帯電話機10は携帯可能であり、特定の場所52へ持ち込んだりまたはそこから持ち出すことができる。本出願の目的では、場所52は任意の地点、場所または区域であり、場所52からの退去は、場所52に付随する有効期限を有するコンテンツをメモリ18から消去する契機をコンテンツ管理機能22に与える。場所52は、例を上げれば、建物、街区、スポーツのスタジアムまたは競技場、催し物会場、小売店、ショッピング・モール、仕事場、空港、公園、または任意のその他の場所であってよい。場所52へのまたはそこからの携帯電話機10の移動が矢印54で示される。
【0036】
場所52に付随して、携帯電話機10が場所52またはその近くにいつ存在するかを判定できるように戦略的に配置できる、1つ以上の近接検出器56が存在してよい。ある実施形態では、近接検出器56は、携帯電話機52のRFID応答器を検出するためのRFID読取り器である。別の実施形態では、近接検出器56は、携帯電話機10に適合したアダプタとのインタフェースを確立する無線アダプタ(例えば、ブルートゥース・アダプタ)である。その他の実施形態では、近接検出器56はシステム44に無くてもよい。例えば、携帯電話機10の位置は、GPS信号の使用または伝送媒体50とのインタフェースによって、サーバおよび/または携帯電話機10によって監視できよう。
【0037】
システム44の実装に依っては、近接検出器56は、通信網48を介し、伝送媒体50または携帯電話機10またはその両方を介して、サーバ46と直接に通信してよいであろう。別の実施形態では、近接検出器56は、サーバ46およびコンテンツ管理機能22の機能を実行する携帯電話機10と通信する、または携帯電話機10のみと通信する。
【0038】
幾つかの実施形態では、サーバ46は、商用携帯電話サービス提供事業者が提供するような遠隔サーバであってよい。その他の実施形態では、サーバ46が場所52に付随してもよい。この場合、そして場所52が近接検出器56を備える場合、サーバ46は近接検出器56と別個のものであってもよく、近接検出器56とインタフェースを有してもよく、または近接検出器56と組み合わされてもよい。サーバ46および近接検出器56は、場所52に物理的に存在してもよく、または別の場所に存在してもよい。
【0039】
本明細書での説明により、当業者には、示されたシステム44の構成へのバリエーションは明らかであるかまたは明らかになろう。システム44の各バリエーションは、本明細書に添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0040】
図4を参照すると、携帯電話機10によって実行されるコンテンツ管理の場所ベースの方法が示されている。本方法は、例えば、コンテンツ管理機能22の形で、実行可能コードとして具体化できる。
【0041】
本方法はブロック58で始まるが、そこでは、携帯電話機10は場所52に立ち入るかまたは場所52に存在すると検出されるに十分な程度に場所52に近づく。次いで、ブロック60で、携帯電話機10は場所52に関するコンテンツを受信する。ブロック62で、受信したコンテンツをメモリ18に格納する。場所関連コンテンツは、データファイル、オーディオ・ファイル、呼び出し音、ビデオ・ファイル、映像ファイル、実行可能ファイル等の任意の適当な形式であってよい。場所関連コンテンツは、携帯電話機10にプッシュ(push)または携帯電話機10によりプル(pull)することができ、ユーザの行動によりダウンロードするかまたはその他の任意の適切な技術により受信することができる。コンテンツの送信元は任意の適当な装置であってよく、サーバ46、別品目の電子装置(例えば、別の携帯電話機)、近接検出器56などである。
【0042】
コンテンツの性質は、その場所に相応の任意のタイプのコンテンツであってよい。事例的なコンテンツのタイプは、特定の製品またはサービスの広告である。例えば、携帯電話機10が音楽を売る店に立ち入るのを検出された場合、コンテンツは新しく発売された歌のサンプルを含んでもよい。この場合、その場所は、店全体程度に大まかであってもよく、店の音楽売り場程度に限定的または音楽売り場の特定部門程度に限定的であってもよい。別の形式の広告がクーポンであってもよい。例えば、ユーザが食料品店のシリアル売り場に立ち入った場合、特定ブランドのシリアルの電子的なクーポンを受信してもよいであろう。
【0043】
もう1つの事例的なコンテンツのタイプは、場所のまたは場所を道案内する地図または間取り図である。例えば、ユーザが建物に立ち入って、案内情報が欲しいであろう場合、ユーザに役立つためのコンテンツを受信し、格納してもよい。このタイプのコンテンツは、例えば、スポーツまたは催し物の席、病院の特定の医者の診察室、モール中の特定の店、博物館の興味ある特定の展示品または区画、空港の興味ある特定の地点、等を見付けようとする時、役に立つであろう。
【0044】
場所に関する情報を組合せて受信することもできよう。例えば、スポーツの催しにおいて、コンテンツが場内売り場へユーザを案内し、その場内売り場で、そのコンテンツがそこの販売品のクーポンをユーザに提供することもできよう。
【0045】
コンテンツをメモリ18に格納した後のどこかの時点で、携帯電話機10は場所52を退去してもよく、これをブロック64に示す。携帯電話機10が場所52から退去すると、プロセスはブロック66へ進むことができ、そこでコンテンツは消去される。本明細書での使用では、消去する行動は、メモリ18を実現するハードウェアに特有のやり方でメモリ18からコンテンツを消去する工程を含んでよい。この目的のため、コンテンツに場所ベースの期限切れを示す信号(例えば、フラグまたはトリガ)を付随させてもよい。コンテンツ管理機能22は、期限切れを示す信号を認識して、携帯電話機10が場所52またはその近くに存在しなくなった時にコンテンツを消去するように構成されてもよいであろう。このようなやり方で、コンテンツは、場所52に相対的な携帯電話機10の位置に依存する寿命を有する。場所52に相対的な携帯電話機10の位置を確定するように携帯電話機10を構成できてよい多様なやり方を以下に説明する。簡単に言えば、これらの技術は、場所52からの退去の自己認識(例えば、GPS信号の利用または無線インタフェースの消失の利用により)、もしくはサーバ46または近接検出器56からの退去信号の受信を含む。
【0046】
言うまでもないが、場所関連コンテンツは、場所52またはその近くに存在する時は、携帯電話機10のユーザへの有用性を持つことができるが、場所52から退去した後では、有用性は低減するかまたは全く無くなってよい。従って、コンテンツがユーザにとって有用かもしれない時はコンテンツを保持し、そして携帯電話機10の位置の関数として有用性が減退したコンテンツを消去することにより、メモリ18の容量を節約するようにコンテンツを管理するシステムおよび方法が提供される。
【0047】
ある実施形態では、場所52からの退去を検出すると、コンテンツを自動的に消去できる。別の実施形態では、コンテンツの消去を望むかの確認をユーザに促すことができる。さらに、あるコンテンツは自動的に消去する一方、別のコンテンツは消去に先立ってユーザの確認を要求するように構成することができる。
【0048】
図5を参照すると、サーバ46および近接検出器56またはおのいずれかによって実行されるコンテンツ管理の方法が示されている。本方法は、例えば、コンテンツ管理サポート機能の形式で、実行可能コードとして具体化できる。
【0049】
本方法はブロック68で始めることができ、そこでは、場所52について携帯電話機10の存在が検出される。携帯電話機10が場所52またはその近くに存在することを検出する事例的なやり方を以下に説明するが、それらは、例えば、携帯電話機10の検知(例えば、携帯電話機10のRFID応答器からのRF信号の受信によるか、または携帯電話機10との無線インタフェースの確立による)または携帯電話機10によって供給される情報(例えば、携帯電話機10が受信してサーバ46へ中継されるGPSデータ)による検出を含む。
【0050】
次に、ブロック70で、プロセスは、場所関連コンテンツを受信するサービスの受信契約を携帯電話機10がしているか、またはそれ以外の理由で携帯電話機10が場所関連コンテンツを受信できるようになっているかを判定できる。場所関連コンテンツを受信するように携帯電話機10が構成されているかを判定するためのチェックを行うことにより、そのようなコンテンツの受信を望まないユーザの携帯電話機10へのコンテンツの送信を低減できる。
【0051】
ブロック70で否定的な判定がされた場合、本方法はブロック72で終了する。そうでない場合、プロセスはブロック74へ進むことができ、そこでは、場所関連コンテンツがサーバ46から携帯電話機10へ送信される。ある実施形態では、携帯電話機10がコンテンツを受信することになっている場合、コンテンツを自動的にプッシュ配信でき、プルでき、読み出しができ、またはダウンロードできる。その他の実施形態では、送信に先だって、または受信に引き続いて、ユーザにコンテンツを受けるよう促すことができる。その他の実施形態では、サーバ46は、携帯電話機10がコンテンツを受信することになっているかをブロック70で判定するようには構成されず、その場合、プロセスはブロック68からブロック74へ直ちに進むことができる。
【0052】
場所関連コンテンツを携帯電話機10に送信した後のある時点で、場所52からの携帯電話機10の退去が検出されてよい。場所52に相対的な携帯電話機10の位置を突き止めるようにサーバ46を構成できるであろう多様なやり方を以下に説明する。簡単に言えば、これらの技術は、場所52からの退去の自己認識(例えば、無線インタフェースまたはRFID信号の消失)、または携帯電話機10からの場所を示す信号(例えば、GPS情報を含む信号)の受信を含む。
【0053】
携帯電話機10は、場所52についての携帯電話機10の相対的な位置を気にしなくてもよいので、プロセスはブロック78へ進むことができ、そこでは、サーバ46が場所関連コンテンツを消去するコマンドを含む信号を携帯電話機10に送信する。ある実施形態では、そのような信号を受信すると、携帯電話機10のコンテンツ管理機能22によってコンテンツを自動的に消去できる。別の実施形態では、ユーザにコンテンツの消去を望むかの確認を促すことができる。さらに、あるコンテンツは自動消去用に構成する一方、別のコンテンツは消去に先立ってユーザによる確認を要求するように構成してもよい。
【0054】
図6〜8は、システム44の多様な構成要素によって実行される、場所関連コンテンツの送信および管理のための幾つかの事例的な実行方式を示す。その他の実行方式および提示され説明された実行方式への変更も考えられるが、それらは各々、本明細書に添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0055】
図6では、携帯電話機10が場所52に立ち入るかまたは近づく時(ブロック80)、近接検出器56が携帯電話機10の到着または存在を検出する(ブロック82)。到着または存在の検出は、携帯電話機10からのRFID信号の受信、(例えば、ブルートゥースなどの局所的なアダプタ、または図3の伝送媒体50など、より広域のアダプタを使用しての)携帯電話機10との無線インタフェースの確立、携帯電話機10の位置に関するGPSデータの受信、場所52に存在する端末でのユーザ登録、場所52に存在する結合ポートへの携帯電話機10の一時的な接続、または任意のその他の適切な技術によって行ってよい。
【0056】
携帯電話機10を検出すると、近接検出器56は、携帯電話機10が場所52またはその近くに存在することを知らせる信号を、サーバ46に送信する(ブロック84)。そのような信号を受信し(ブロック86)、サーバ46と携帯電話機10との間で任意のその他の適当なデータを交換すると、サーバ46は場所関連コンテンツを携帯電話機に送信する(ブロック88)。そこで携帯電話機10は、そのコンテンツを受信し(ブロック90)、コンテンツをメモリ18に格納する(ブロック92)。コンテンツの格納は、携帯電話機10に特有のメモリ18のタイプに適合した、任意の適当なメモリ書き込み技術を含んでよい。
【0057】
一旦格納すると、ユーザはそのコンテンツと情報をやり取りしてもよく、そうしなくてもよい(ブロック94)。例えば、コンテンツが映像ファイルの場合、ユーザはその映像ファイルをディスプレイ14(図1および2)に表示してもよい。別の例として、コンテンツが呼び出し音の場合、ユーザはスピーカ34(図1および2)を通してその呼び出し音を再生してもよい。携帯電話機10によって受信および/または格納されると、コンテンツは、再生してもよく、表示してもよく、実行してもよく、またはユーザ動作を伴うまたは伴わないその他の動作が行われてもよい。
【0058】
一旦ユーザが場所から退去または不在になると(ブロック96)、近接検出器56によってその退去または不在を検出することができる(ブロック98)。退去の検出は、携帯電話機10からのRFID信号の消失、場所52の出口でのRFID信号の受信、携帯電話機10との無線インタフェースの消失、携帯電話機10についてのGPSデータの受信、場所52に存在する端末でのユーザのログオフ、場所52に存在する結合ポートからの携帯電話機10の切断、またはその他任意の適当な技術により行ってよい。
【0059】
携帯電話機10の退去を検出すると、近接検出器56は、携帯電話機10が場所52またはその近くにないことを知らせる信号を、サーバ46へ送信する(ブロック100)。そのような信号を受信し(ブロック102)、サーバ46と携帯電話機10との間で任意のその他の適当なデータを交換すると、サーバ46は、コンテンツを消去するようコンテンツ管理機能22に指示する信号を、携帯電話機10に送信する(ブロック104)。その信号を携帯電話機10が受信し(ブロック106)、その時点でコンテンツ管理機能22はコンテンツを消去する(ブロック108)。既に示したように、それが適当な場合には、ユーザの承認の後にコンテンツの消去を実行してよい。
【0060】
携帯電話機10が、ブロック92と106との間で電源を切られるかまたは動作電力を喪失する場合(その場合、携帯電話機はコンテンツを消去する信号を受信しないであろう)に備えることができる。例えば、コンテンツに時間ベースの寿命(その満了後はコンテンツ管理機能がコンテンツを消去する)を付随させてもよい。あるいは、携帯電話機10が動作を回復した時、場所52に相対的な携帯電話機10の位置の再確立するために、コンテンツ管理機能22は携帯電話機10に強制して、サーバ46と情報をやり取りさせるか、または近接検出器56と情報をやり取りするよう試みさせるか、またはその両方を行うことができる。サーバ46または近接検出器56またはその両方とのそのような情報のやり取りが可能でないか、または携帯電話機10が場所52またはその近くに最早存在しないことを知らせる場合、コンテンツ管理機能22はコンテンツを消去できる。
【0061】
図6の実施形態では、携帯電話機10はコンテンツを消去する信号を受信する。図7および8の実施形態では、携帯電話機10のコンテンツ管理機能22は、いつコンテンツを消去するかの判定を行う。簡単化のために、図6におけるブロックと同じかまたはよく似ている図7および8のブロックの動作の詳細はそれ程詳細には説明せず、また、図6の対応するブロックと同じ参照番号を与えるものとする。
【0062】
図7で、携帯電話機10が場所52またはその近くに立ち入ると(ブロック80)、携帯電話機10は、近接検出器56またはサーバ46またはその両方とのインタフェースを確立する(ブロック110aおよび110b)。インタフェースは、局所的な無線インタフェース(例えば、局所的なアダプタとのブルートゥース・インタフェース)、携帯電話サービス提供業者―伝送媒体50を運用し、携帯電話機10の位置情報をサーバ46に送信する―とのインタフェース、結合ポートへの携帯電話機10の接続、またはその他任意の適当なインタフェース確立方式であってよい。
【0063】
そこで、サーバ46は、場所関連コンテンツを携帯電話機に送信する(ブロック88)。そこで、携帯電話機10はコンテンツを受信し(ブロック90)、コンテンツをメモリ18に格納する(ブロック92)。一旦格納すると、ユーザはコンテンツと情報をやり取りしてもよく、そうしなくてもよい(ブロック94)。
【0064】
一旦ユーザが場所から退去するかまたは不在となると(ブロック96)、近接検出器56またはサーバ46またはその両方とのインタフェースが失われる(ブロック112aおよび112b)。この時点で、コンテンツ管理機能22はコンテンツを消去できる(ブロック108)。先に示したように、コンテンツの消去は、それが適当な場合には、ユーザの承認の後で実行することができる。
【0065】
図8で、携帯電話機10が場所52またはその近くに立ち入ると(ブロック80)、携帯電話機10の存在は、近接検出器56またはサーバ46またはその両方により、任意の先述の技術またはその他の適当な技術によって検出される(ブロック82)が、それらの技術としては、携帯電話機10の自動検出、場所を示すデータの受信、または場所関連コンテンツへの携帯電話機10による要求が含まれる。そこで、サーバ46は、場所関連コンテンツを携帯電話機に送信する(ブロック88)。そこで、携帯電話機10はコンテンツを受信し(ブロック90)、コンテンツをメモリ18に格納する(ブロック92)。一旦格納すると、ユーザはコンテンツと情報をやり取りしてもよく、そうしなくてもよい(ブロック94)。
【0066】
一旦ユーザがその場所から退去するまたは不在となると(ブロック96)、コンテンツ管理機能22は、携帯電話機10が場所52から退去したことを検出でき(ブロック144)、コンテンツを消去する(ブロック108)。既に示したように、それが適当な場合には、コンテンツの消去をユーザの承認の後に実行できる。
【0067】
退去の検出(ブロック114)は、任意の適当なやり方で行ってよい。ある実施形態では、ユーザは、携帯電話機10と情報をやり取りして、携帯電話機10が場所52とは無関係な新しい位置を有することを知らせることができる。コンテンツの受信後に所定時間が経過しても、ユーザがそのような情報を自分で入力しない場合、コンテンツ管理機能22は、ユーザがまだ場所52に存在するかまたは退去したかを知らせるようユーザに促すことができる。ユーザの行動が、携帯電話機10が場所52を退去したことを示す場合、コンテンツ管理機能22はコンテンツを消去できる(ブロック108)。
【0068】
別の実施形態では、コンテンツ管理機能22は、場所52に相対的な携帯電話機10の位置を追跡できる。例えば、受信したコンテンツは、サーバ46からの送信時における場所52の位置データまたは携帯電話機10の位置を含むことができる。あるいは、携帯電話機10は、コンテンツを受信した時間における携帯電話機10の位置(例えば、GPSからの)の運用記録を採って(log)もよい。携帯電話機10が移動するのに伴って、携帯電話機10は、GPSデータを受信してもよく、またはその他の位置表示情報(近接検出器56、サーバ46または伝送媒体50からの)を受信してもよい。コンテンツ管理機能22は、コンテンツに付随する場所情報をその時点の位置情報と比較することができ、その2つが十分に離れている場合、コンテンツ管理機能22はコンテンツを消去できる(ブロック108)。
【0069】
携帯電話機10が認識範囲(例えば、セルラ電話の塔)を有する伝送媒体50(図3)によってサービスされるさらに別の実施形態では、携帯電話機10が、コンテンツを受信するために経由した伝送媒体50からいつサービスされなくなったかを検出するように、コンテンツ管理機能22を構成できる。例えば、コンテンツが、場所52をカバーする範囲を有する第1の伝送媒体50を経由して受信されたとしよう。携帯電話機10が第1の伝送媒体50によってサービスされる限り、携帯電話機10は場所52またはその十分近くにあって、コンテンツをメモリ18中に保持するものとしてよい。携帯電話機10が、第1の伝送媒体50の範囲外に、または第2の伝送媒体50の範囲内に移動する(例えば、第1の伝送媒体50から第2の伝送媒体50へのハンドオフを呼ぶ)と、携帯電話機10は場所52またはその十分近くには存在せず、コンテンツをメモリ18中に保持し続けることはできないとしてよい。この時点でコンテンツを消去できる。
【0070】
ここでの使用では、コンテンツの消去という用語は、コンテンツの更新および置換を陽に包含する。ある実施形態では、場所関連コンテンツは、「以前の(older)」場所関連コンテンツを更新または置換する新しいコンテンツに対して関係を持つことができる。例えば、コンテンツが百貨店の1階の間取り図であって、ユーザが百貨店の2階に移ろうとする場合、2階の間取り図が携帯電話機10にプッシュ(または携帯電話機10からプル)できてもよいであろう。2階の間取り図は、例えば、1階の間取り図を全体的にまたは部分的に消去しそして2階の間取り図を全体的にまたは部分的に格納することにより、1階の間取り図を置換できよう。あるいは、両方の階に関する情報を持つ更新された間取り図を格納できてもよい。従って、場所関連コンテンツの消去は、ある場所からの退去および別の場所への到着に基づいてもよい。
【0071】
別の例として、博物館では、ある展示から別の展示へとユーザが携帯電話機10を移動するに連れて、その時点の携帯電話機10の位置と関係を有する展示に関係するように、場所関連コンテンツを更新してよい。そのようなコンテンツは、音楽、テキスト、ビデオ、オーディオの説明などを含むことができよう。ユーザが博物館または展示会であちこちと移動するに連れて、場所に基づいて漸進的にコンテンツを置換することもできよう。従って、携帯電話機10に送信されるコンテンツは、博物館または展示会を巡る案内つきツアーとして機能することもできよう。
【0072】
ある実施形態では、場所に関する既存のコンテンツを更新または置換するコンテンツは、携帯電話機10が、その時格納されているコンテンツに基づいて要求してもよい。ある位置から別の位置への移動を携帯電話機10が検知した場合、またはユーザ行動に基づいて、その要求を自動的に生成してもよい。その要求への一助として、場所関連コンテンツは、その時格納されているコンテンツと携帯電話機10に利用可能な追加のコンテンツとの間に関係があることを示す表示―ユーザまたはコンテンツ管理機能22への―を含んでもよい。別の実施形態では、その時点の携帯電話機10の位置を近接検出器56またはサーバ46またはその両方によって検知することにより、更新または置換するコンテンツの送信を自動化してもよい。
【0073】
別の実施形態では、携帯電話機10は、場所関連コンテンツもしくはそれへの何らかの置換または更新が利用可能であることを、ユーザに表示してもよい。ユーザはそのコンテンツと情報をやり取りするかまたは無視するかを選択してよい。この実施形態では、そのコンテンツは、携帯電話機10によって既に受信し格納されていてもよく、または単にダウンロードまたは受信に利用可能であってよい。後者の場合、サーバ46は、場所関連コンテンツが利用可能である旨の表示を送信することができ、ユーザが望む場合、ユーザはその表示に応答して携帯電話機10を使用してコンテンツへの要求を送信することによりコンテンツを取得できる。
【0074】
図9を参照すると、携帯電話機10が実行するコンテンツ管理の時間方法、すなわち時間ベースの方法が示されている。本方法は、例えば、コンテンツ管理機能22の形で、実行可能コードとして具体化できる。
【0075】
本方法はブロック116で始まるが、そこでは、携帯電話機10が、寿命すなわち有効期限が付随するコンテンツを受信する。そのコンテンツは、以上で説明したような場所関連コンテンツであってもよく、または特定の場所に関連付けられないコンテンツであってもよい。
【0076】
ある実施形態では、寿命は年月日とタイムスタンプによって規定でき、これは、日付と時間が、年月日とタイムスタンプで示された値以後になったらコンテンツを消去すべきことを、コンテンツ管理機能22に知らせる。この実施形態では、コンテンツをいつ受信したかはそのコンテンツの寿命に無関係であってもよい。例えば、コンテンツが、呼び出し音すなわち蛍の光(auld lang syne)(それは新年が始まる午前0時きっかりにはユーザにとって有用であろう)を含むオーディオ・ファイルであってよく、年月日とタイムスタンプが1月1日午前1時に設定されてよい。その日付と時間になった時に、コンテンツ管理機能22がコンテンツを消去するのは妥当であろう。
【0077】
別の実施形態では、寿命は時間長スタンプであることができ、これは、送信元からのコンテンツの送信または携帯電話機10によるコンテンツの受信からの対応する時間長後にコンテンツを消去するべきことを、コンテンツ管理機能22に知らせる。例えば、時間長スタンプは3時間であってよい。コンテンツが受信されて3時間が経過した時に、コンテンツ管理機能22がコンテンツを消去するのは妥当であろう。
【0078】
日付とタイムスタンプまたは時間長スタンプ、もしくはその両者によって規定された寿命を持つコンテンツを消去するように、コンテンツ管理機能22を構成できる。さらに、コンテンツの消去を、それが適当な場合には、ユーザの承認後に実行することができる。寿命の終了時にコンテンツを自動的に消去するかまたはユーザの承認を得て消去するかを示すセマフォ(semaphore)をコンテンツに含めることができ、それにより、携帯電話機10に送信されているコンテンツの使用について、少なくとも部分的に制御する方途を、コンテンツの送信元、著作者または著作権者に提供できる。
【0079】
ブロック116でのコンテンツの受信後、プロセスはブロック118に進むことができ、そこで、コンテンツはメモリ18に格納される。次いで、ブロック120で、管理機能22は寿命が満了したかを判定する。ブロック120で否定的な判定がなされた場合、ブロック120は肯定的な判定がなされるまで繰り返されてよい。ブロック120で肯定的な判定がなされると、プロセスはブロック122に進むことができ、そこで、コンテンツは消去される。既に示したように、コンテンツの消去は自動的であってもよく、ユーザが承認するまで延期されてもよい。
【0080】
ある実施形態では、時間ベースの寿命を持たないコンテンツを携帯電話機10が受信した場合、コンテンツ管理機能22はそのコンテンツに寿命を割り当てることができ、その寿命の終了後、コンテンツを消去できる。寿命は、自動的かつユーザの承認を得ずにか、ユーザの承認後か、またはユーザ主導で、コンテンツに付随させることができる。
【0081】
さらに別の実施形態では、時間による寿命と場所による寿命とを組み合わせてもよい。例えば、時間ベースの消去方式および場所ベースの消去方式(本明細書で説明した時間および場所による消去方式の任意のものを含む)の両方をコンテンツに付随させることができよう。コンテンツの消去は、最初の寿命の終了時に、コンテンツ管理機能22によってなされてもよい。方式の組合せすなわち複数の寿命を一緒に使用することは、コンテンツ制作者が複数のコンテンツ制御技術を利用できるようにするであろう。
【0082】
以上によって、限られた時間だけコンテンツを保持し、コンテンツの寿命の終了後はコンテンツを消去することにより、メモリ18の容量を節約するようにコンテンツを管理するシステムおよび方法が提供される。
【0083】
その他の実施形態では、携帯電話機10のユーザは、選択されたコンテンツ品目について、選択されたコンテンツ・タイプ(例えば、オーディオ、ビデオ、データ、テキスト等)について、コンテンツが取得されるやり方(例えば、プッシュ、プル、ダウンロード等)について、および全てのコンテンツに汎用の、コンテンツ管理機能を定義する能力、またはそのいずれかを、コンテンツ管理機能22を通して持つことができよう。任意のコンテンツ管理規則(例えば、時間または場所ベースの寿命)に加えて、ユーザ特有のコンテンツ管理機能を、コンテンツ提供者によりコンテンツに付随させることができる。コンテンツ提供者により確立されたコンテンツ管理規則は、ユーザが生成したどの規則にも優先することができる。
【0084】
コンテンツの管理に関係する機能(コンテンツ管理機能22ならびにサーバ46または近接検出器56またはそのいずれかの対応する機能を含むが、これだけには限定されない)は、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路部品、コンピュータ可読媒体、マシーン・ユーザブル媒体等々を含む、任意の好適な形式で具体化できる。さらに、本明細書に添付の図面は機能の論理ブロックを特定の順序で実行するように示されるが、ブロックの実行順序は示された順序に対して変更できる。また、継続して示される2つ以上のブロックを同時的にまたは部分的に同時に実行することができる。幾つかのブロックは省いてもよい。さらに、有用性、課金、性能、測定の強化の目的で、または障害診断を可能とするため、などで、任意の数のコマンド、状態変数、信号(semaphore)、またはメッセージを論理フローに付加できる。当然のことながら、全てのそのようなバリエーションは本発明の範囲に含まれるものとする。
【0085】
本発明は特定の好ましい実施形態について示され、説明されたが、当然のことながら、当業者には、本明細書を読み理解することにより、等価物および改良を思いつくであろう。本発明はそのような等価物および改良の全てを包含するものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態による事例的な電子装置としての携帯電話機の概観である。
【図2】本発明の実施形態による、図1の携帯電話機の関連部分の概略的なブロック図である。
【図3】携帯電話機が、本発明の実施形態による事例的な通信システムとして通信することができる、システムの概略的なブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による、携帯電話機によって実行される事例的なコンテンツ管理方式のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による、通信システムのシステム構成要素によって実行される事例的なコンテンツ管理方式のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態による、通信システムのシステム構成要素によって実行される事例的なコンテンツ管理方式を示す図である。
【図7】本発明の実施形態による、通信システムのシステム構成要素によって実行される別の事例的なコンテンツ管理方式を示す図である。
【図8】本発明の実施形態による、通信システムのシステム構成要素によって実行される別の事例的なコンテンツ管理方式を示す図である。そして
【図9】本発明の実施形態による、携帯電話機によって実行される別の事例的なコンテンツ管理方式のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを格納するメモリ(18)を有する無線通信機能付き携帯電子装置(10)におけるコンテンツ管理方法であって、
前記携帯電子装置を特定の場所(52)またはその付近に位置決めしたときに、前記場所についての移動無線端末の位置の関数として場所関連コンテンツを送信するように構成された送信元(46、56)から、前記特定の場所に関する場所関連コンテンツを受信する工程と、
前記場所関連コンテンツを前記メモリに格納する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記携帯電子装置が前記場所から退去したときに、前記場所関連コンテンツを消去する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯電子装置が前記場所から退去したときに、前記コンテンツが自動的に消去される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記場所からの退去を検出する工程をさらに含む請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出する工程が、前記携帯電子装置の別の場所への移動に基づいて前記コンテンツを置換または更新する工程を含む請求項2乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記携帯電子装置を前記特定の場所またはその近くに位置決めする工程が、前記特定の場所に付随する近接検出器(56)とのインタフェースを確立する工程、または前記特定の場所に付随する近接検出器によって検出される工程の少なくとも1つを含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記携帯電子装置が携帯電話機である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
コンテンツを格納するメモリ(18)を有する無線通信機能付き携帯電子装置(10)のためのコンテンツ管理方法であって、
前記携帯電子装置が特定の場所またはその付近に存在することを検出する工程と、
前記検出時に、前記特定の場所に関する場所関連コンテンツを前記携帯電子装置に送信する工程と
を含む方法。
【請求項9】
前記携帯電子装置の前記特定の場所からの退去を検出する工程と、前記コンテンツを消去するために前記携帯電子装置に信号を送信する工程とをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
コンテンツを格納するメモリ(18)を有する無線通信機能付き携帯電子装置(10)におけるコンテンツ管理方法であって、
時間ベースの寿命を有するコンテンツを受信する工程と、
前記コンテンツを前記メモリに格納する工程と、
前記時間ベースの寿命の満了時に前記コンテンツを消去する工程と
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−518946(P2009−518946A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544318(P2008−544318)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/028261
【国際公開番号】WO2007/067219
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】