説明

コンテンツ表示制御装置

【課題】 コンテンツの表示を容易な操作で変更でき、かつ、第三者が変更を解除できないコンテンツ表示制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 選択検知部107は、端末装置101との接触により、表示部103に表示されたコンテンツが選択されたことを検知する。通信部106は、端末装置101から、識別情報を受信し、判定部111は、コンテンツの表示が変更されているかどうかを判定する。変更されていないと判定された場合、表示制御部109は、コンテンツの表示を変更し、さらに、保持部110は、受信した識別情報をコンテンツに対応つけて保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツの表示方法を変更するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話をディスプレイ上に接触させることにより、カメラ、携帯電話内にあるコンテンツをディスプレイ上に貼り付け表示させる技術が存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−316925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスプレイ上に貼り付けを行っている人物が、一旦席を離れる場合には、貼り付けてあるコンテンツを他人に見られてしまうことがないようにコンテンツをディスプレイ上から消去することは困難であった。
そこで、本発明では、コンテンツの表示を容易な操作で変更でき、かつ、第三者が変更を解除できないコンテンツ表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、端末装置との接触により、表示手段に表示されたコンテンツが選択されたことを検知する検知手段と、前記端末装置から、識別情報を受信する受信手段と、前記コンテンツの表示が変更されているかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツの表示を変更する表示制御手段と、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記受信した識別情報を前記コンテンツに対応つけて保持する保持手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コンテンツの表示を容易な操作で変更でき、かつ、第三者が変更を解除できないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明におけるシステム構成を表すブロック図
【図2】コンテンツ表示制御装置のフローチャートを示す図
【図3】変更方法1、3、4を説明する図
【図4】変更方法2を説明する図
【図5】変更方法2において、人物が移動した場合を説明する図
【図6】テーブルを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態によるシステム構成を表すブロック図である。101は、識別情報を有する端末装置であり、例えば携帯端末やIDカードである。102は、コンテンツ表示制御装置であり、例えば大型テレビのディスプレイなどである。103は、コンテンツ表示部である。104は、端末装置101の識別情報(例えば個人の氏名や会員番号、端末を特定できる情報など)を保持する識別情報保持部である。105は、端末装置101とコンテンツ表示制御装置102との通信を行う端末装置101内部の通信部である。106は、端末装置101とコンテンツ表示制御装置102との通信を行うコンテンツ表示制御装置102内部の通信部である。107は、コンテンツが端末装置101によって選択されたことを検知する選択検知部である。108は、端末装置101と選択されたコンテンツの認証を行う認証部である。109は、コンテンツの表示を制御するコンテンツ表示制御部である。110は、表示部103に表示されているコンテンツのコンテンツ情報と、コンテンツの表示位置を示す位置情報と、図6で示すテーブルを保持する保持部である。111は、表示されているコンテンツが、表示が変更されているかどうかを判定する判定部である。
【0009】
図6は、保持部110で保持するテーブルである。テーブルには、表示されているコンテンツごとに、表示が変更されているかを示す変更フラグ、表示を変更した端末装置から受信した識別情報が含まれる。図6(a)は、コンテンツA、Bともに、表示が変更されていない状態のテーブルの例、図6(b)は、コンテンツAのみ、表示が変更されている状態のテーブルの例である。ここでは、コンテンツAとコンテンツBが表示部103に表示されている。変更フラグは、表示が変更されている場合は、1とし、変更されていない場合に、0とする。識別情報は、表示が変更されていない場合は、ブランクとし、表示が変更されている場合は、変更した端末装置の識別情報が保持される。
【0010】
図2は、コンテンツ表示制御装置102のフローチャートである。
【0011】
ステップS201で、選択検知部107が、表示部103に表示されているコンテンツへの接触を検知する。端末装置101が表示部103に表示されているコンテンツに接触させると、選択検知部107は、接触があったことと、接触の位置を検知する。ステップS201でYesの場合は、ステップS202で、選択検知部107が、検知した接触の位置と保持部110に保持されている位置情報より、選択されたコンテンツを特定する。ステップS201とステップS202における選択検知は、抵抗膜式タッチパネルなどを用いて接触とその位置を検出する。
【0012】
ステップS203で、通信部106は、ステップS201で接触を検知した端末装置101に、識別情報を要求する。ステップS204で、通信部106は、端末装置101の通信部105から、識別情報を受信し、受信した識別情報は認証部108に入力される。尚、ステップS204で、識別情報が受信できない場合は、ステップS205以降の処理は行わない。ステップS203とステップS204における通信を行うための手段としてはICカードの無線通信などがある。
【0013】
ステップS205で、判定部111は、保持部110が保持するテーブルのうち、ステップS202で特定されたコンテンツの変更フラグが0かどうかを判定する。
【0014】
ステップS205でYesと判定されたとき、つまり、コンテンツの表示が変更されていない状態のとき、ステップS206で、表示制御部109がコンテンツの表示を変更する。変更方法については、後述する。ステップS207で、保持部110は、保持するテーブルに、ステップS204で受信した識別情報を記憶し、さらに、変更フラグを1にする。
【0015】
ステップS205でNoと判定されたとき、つまり、コンテンツの表示が変更されている状態のとき、ステップS208で、認証部108が識別情報の認証を行う。認証部108は、保持部110に保持されたテーブルのうち、ステップS202で特定したコンテンツに対応づけられた識別情報と、S204で受信した識別情報が一致するかを判定する。
【0016】
ステップS208でYesと判定された場合は、ステップS209で、表示制御部109は、保持部110のコンテンツ情報をもとに、元のコンテンツ(ステップS206で変更される前のコンテンツ)に戻して表示する。ステップS210で、保持部110は、保持するテーブルのうち、ステップS202で特定したコンテンツに対応づけられた識別情報を消去し、さらに、変更フラグを0にする。
以下、ステップS206で行う、コンテンツの表示を変更する方法について、4つ述べる。
【0017】
(1)変更方法1:コンテンツを非表示にする
図3(a)、(b)は、コンテンツ表示制御装置102の表示部103に表示されているコンテンツ301に端末装置101が接触し、表示が変更される場合の例を説明する図である。図3(a)は、表示されているコンテンツ301に端末装置101が接触し、その後、図3(b)は、コンテンツが非表示になり、コンテンツの位置を示す点線を表示する。点線を表示するのは、非表示となったコンテンツの表示されていた位置を特定できるようにするものであって、点線でなくても、実線でも、4隅をマークするなどでも構わない。ここでの処理は、ステップS206で、表示制御部109は、コンテンツを非表示にし、保持部110のコンテンツの表示位置を示す位置情報に基づいて、コンテンツの表示位置を表示する。
図3(c)、(d)は、非表示になっているコンテンツ302に端末装置101が接触し、表示が元に戻される場合の例を説明する図である。図3(c)は、点線でコンテンツの表示位置が表示されている領域に端末装置101が接触している例である。その後、図3(d)は、元のコンテンツが表示される。図3(d)は、図2のステップS209に相当する処理を行った後の状態である。
【0018】
(2)変更方法2:視野角を変更する
図4(a)は人物とディスプレイの関係を、正面から、図4(b)は真上から見た図である。ここでは、人物Aは変更を行った端末装置を保持しているとする。人物Aがテーブル型ディスプレイ401上のコンテンツ402を端末装置で接触することで、コンテンツの視野角が変更される。このとき、視野角は端末装置101を接触させた人物の方向のみ、つまり図4(b)に示すように403内部の人物Aがいる方向のみに変更され、人物Bからは閲覧できなくなる。ここでの処理は、ステップS206で、表示制御部109は、保持部110のコンテンツ情報から、所定の視野角のみコンテンツを閲覧できるように視野角を制御して、表示する。その結果、図4(c)のように、人物Aがコンテンツ402に端末装置101を接触させると、視野角変更後でも人物Aにはコンテンツが見えるが、人物Bは視野角変更後コンテンツを閲覧することが出来なくなる。
尚、変更を行った端末装置を保持している人物が移動した場合でも、その移動に基づいて、表示を変更させてもよい。その場合は、端末装置101と選択したコンテンツとの相対的な位置関係を、無線通信などの相対位置検出手段を用いて検知し、人物の位置を定期的に確認する。図5は、人物Aが移動した場合の例である。図5(a)のように人物Aが移動し、人物Aとコンテンツとの相対位置が501から502に変化したとする。このとき人物Aの持つ端末装置と表示制御部109が無線通信することで相対位置の変化を検出し、視野角の方向も403から503のように同じだけ変化させる。すると、図5(b)のように人物Aは移動後も同じようにコンテンツを閲覧でき、人物Bは閲覧が出来ないままとなる。
【0019】
(3)変更方法3:コンテンツを縮小する
コンテンツを縮小する場合は、ステップS206で、表示制御部109は、保持部110のコンテンツ情報から、コンテンツを縮小し、縮小したコンテンツを表示する。図3(e)は、縮小されたコンテンツの表示例である。
【0020】
(4)変更方法4:コンテンツの解像度を低解像度にする
コンテンツの解像度を低解像度にする場合は、ステップS206で、表示制御部109は、保持部110のコンテンツ情報から、コンテンツの解像度を低解像度にし、低解像度のコンテンツを表示する。図3(f)は、低解像度のコンテンツの表示例である。
変更方法3、4は、端末装置を持たない人物も、コンテンツ自体は見ることができるが、縮小や低解像度にすることによって、コンテンツを見にくくすることができる。よって、縮小率や、解像度のレベルは、コンテンツを見にくくするレベルに設定することが望ましい。
【0021】
本実施形態では、テーブルに、変更フラグを保持しておき、変更されているかどうかを変更フラグで判定していた。しかし、テーブルに変更フラグを保持せずに、ステップS205は、テーブル内に、識別情報が記憶されているかどうかで、変更されているかどうかを判定してもよい。その場合は、保持すべきテーブルのサイズを小さくできる。また、テーブルの識別情報は、表示が変更されていない場合は、ブランクとしたが、それに限らず、0という値を入れてもよい。
【0022】
本実施形態は、コンテンツ表示制御装置102が表示部103を有するようにしていたが、表示部103は外部装置であってもよい。
【0023】
本実施形態によれば、携帯端末やIDカードといった個人や端末を特定できる端末装置を近づけることで表示部に表示されているコンテンツの表示を変更し、同時にコンテンツにセキュリティを与えることができる。また、端末装置の接触によりコンテンツの選択をしており、表示部に表示されているコンテンツの表示を直感的な操作で変更出来る。さらに変更の解除は、変更した端末装置でないと行えないため、第三者が勝手に解除出来ず、セキュリティ面も効果が得られる。
【0024】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置との接触により、表示手段に表示されたコンテンツが選択されたことを検知する検知手段と、
前記端末装置から、識別情報を受信する受信手段と、
前記コンテンツの表示が変更されているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツの表示を変更する表示制御手段と、
前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記受信した識別情報を前記コンテンツに対応つけて保持する保持手段を有することを特徴とするコンテンツ表示制御装置。
【請求項2】
前記判定手段で変更されていると判定された場合、前記表示制御手段は、前記コンテンツの表示を前記変更される前に戻し、さらに、前記保持手段は、前記コンテンツに対応する識別情報を消去することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツを非表示にし、前記コンテンツの位置を示すマークを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツの視野角を変更して表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツを縮小して表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記判定手段で変更されていないと判定された場合、前記コンテンツの解像度を低解像度にして表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項7】
コンピュータに読み込ませ実行させることで、前記コンピュータを、請求項1及至6のいずれか1項に記載のコンテンツ表示制御装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−8807(P2012−8807A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144218(P2010−144218)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】