コンテンツ記録装置
【構成】 ビデオレコーダ12aは、LAN14を介してビデオレコーダ12bおよび12cと接続され、内蔵ハードディスクに加えてビデオレコーダ12bおよび12cの各々のハードディスクを外部ハードディスクとして利用することができる。ビデオレコーダ12aは、内蔵ハードディスクが満杯となって以降に入力される超過コンテンツを最も空き容量が多い外部ハードディスクに記録する。そして後に、内蔵ハードディスクに記録されたコンテンツの一部が削除されることによって超過コンテンツのサイズ以上の空き容量が内蔵ハードディスクに確保されたとき、超過コンテンツを外部ハードディスクから内蔵ハードディスクに転送する。
【効果】 入力されるコンテンツを洩れなく記録でき、かつ他のビデオレコーダに与える影響を抑えることができる。
【効果】 入力されるコンテンツを洩れなく記録でき、かつ他のビデオレコーダに与える影響を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ記録装置に関し、特にたとえば、1つのコンテンツを複数の記録媒体に分散して記録する、コンテンツ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。この従来の記録装置は、入力されるコンテンツを内蔵ハードディスクに記録し、内蔵ハードディスクでオーバーフローが生じたときには、溢れたコンテンツをネットワーク経由で外部サーバに転送する。外部サーバには、こうして記録装置から転送されてくる溢れコンテンツが蓄積される。これにより、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。
【特許文献1】特開2003−153164号公報〔H04N 5/765,G06F 12/00,G11B 20/10,27/00,H04N 7/173〕
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、最近では、多くの家庭にハードディスク内蔵型のビデオレコーダが普及している。1つの家庭内に複数台のレコーダが設置されることもまれではない。一方、パソコン,周辺機器,情報家電などを互いに接続して家庭内LANを構成することも広く行われるようになっている。
【0004】
そこで、家庭内の複数台のレコーダをLANで接続し、そのうち1台、または複数台のレコーダの各々で従来技術のような記録制御を行うことが考えられる。具体的には、あるレコーダは、入力されるコンテンツを記録しているとき、内蔵ハードディスクが満杯になると、それ以降に入力される溢れコンテンツをLAN経由で別のレコーダに転送する。このように、別のレコーダを外部サーバとして利用することによって、途中で内蔵ハードディスクが満杯となっても、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。
【0005】
しかし、この場合、どのレコーダも、専用のサーバのような大容量のハードディスクを備えているわけではなく、本来の用途に従えば自らがコンテンツを記録しなければならない。このため、特定のレコーダが他のレコーダの空き領域を多く占有すれば、他のレコーダが要求されたコンテンツを記録できない事態が起こる。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる、かつ外部に与える影響を抑えることができる、コンテンツ記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に従うコンテンツ記録装置は、コンテンツを入力する入力手段、記録指示を受け付けたとき入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録手段、内部記録媒体の空き容量があるか否かを第1記録手段による記録と並行して繰り返し判別する第1判別手段、第1判別手段の判別結果が否定的となった後に入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録手段、削除指示を受け付けたとき内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除手段、削除手段の削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別手段、および第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する転送手段を備える。
【0008】
第1記録手段は、記録指示を受け付けたとき、入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する。第1判別手段は、この第1記録手段による記録と並行して、第1記録手段の空き容量があるか否かを繰り返し判別する。第2記録手段は、この第1判別手段の判別結果が否定的となった後に入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する。
【0009】
削除手段は、削除指示を受け付けたとき、内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する。第2判別手段は、この削除手段の削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する。転送手段は、この第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき、超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する。
【0010】
つまり、内部記録媒体が満杯となって以降に入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録し、後に、内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部が削除されることによって超過コンテンツのサイズ以上の空き容量が内部記録媒体に確保されたとき、超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する。
【0011】
請求項2の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項1に従属し、外部記録媒体は複数あり、複数ある外部記録媒体のいずれか1つを第2記録手段の記録先として選択する選択手段をさらに備える。
【0012】
複数ある外部記録媒体のいずれか1つを選択手段が選択し、第2記録手段は、選択手段によって選択された外部記録媒体に超過コンテンツを記録する。
【0013】
請求項3の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項2に従属し、選択手段は複数ある外部記録媒体のうち最も空き容量が多いものを選択する。
【0014】
最も空き容量が多い外部記録媒体に超過コンテンツを記憶するので、外部記録媒体が満杯になる可能性を低減できる。
【0015】
請求項4の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項2または3に従属し、選択手段は第1判別手段の判別結果が否定的となったとき選択を行う。このため、内部記録媒体が満杯となる直前に外部記録媒体への記録を開始することができる。
【0016】
請求項5の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項1ないし4のいずれかに従属し、第1判別手段は内部記録媒体の空き容量が第1閾値を上回るとき肯定的な判別結果を示し、第2記録手段は内部記録媒体の空き容量が第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ったとき外部記録媒体への記録を開始する。
【0017】
請求項6の発明に従うプログラムは、コンテンツ記録装置のプロセサによって実行される記録制御プログラムであって、コンテンツを入力する入力ステップ、記録指示を受け付けたとき入力ステップによって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録ステップ、内部記録媒体の空き容量があるか否かを第1記録ステップによる記録と並行して繰り返し判別する第1判別ステップ、第1判別ステップの判別結果が否定的となった後に入力ステップによって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録ステップ、削除指示を受け付けたとき内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除ステップ、削除ステップの削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別ステップ、および第2判別ステップの判別結果が肯定的であるとき超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する転送ステップを備える。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、内部記録媒体が満杯となった後に入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録するので、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。また、必要な空き容量が確保され次第、外部記録媒体に記録された超過コンテンツを内部記録媒体に転送するので、外部に与える影響を抑えることができる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照して、この発明のコンテンツ記録システム10は、3台のビデオレコーダ12a,12bおよび12cを含む。ビデオレコーダ12a,12bおよび12cは、リビング,寝室および子供部屋にそれぞれ設置され、かつLAN14を介して互いに接続される。
【0021】
ビデオレコーダ12a,12bおよび12cには、識別情報として名称“リビング”,“寝室”および“子供部屋”がそれぞれ付与され、かつIPアドレス“192.168.1.9”,“192.168.1.10”,“192.168.1.11”がそれぞれ割り当てられている。
【0022】
ビデオレコーダ12aは、図2に示すように構成される。なお、ビデオレコーダ12bおよび12cもまた、図2に示すように構成される。図2を参照して、ビデオレコーダ12aは、デコーダ20aを含む。図示しないアンテナで受信された放送信号は、デコーダ20aによってビデオ信号にデコードされる。このビデオ信号は、RAM28aを通してMPEGコーデック22aに与えられ、MPEG圧縮処理を施される。MPEGコーデック22aから出力された圧縮ビデオ信号は、ハードディスクドライブ(HDD)34aによってハードディスク36aに記録され、その後、同じHDD34aによってハードディスク36aから読み出される。
【0023】
ハードディスク36aから読み出された圧縮ビデオ信号は、MPEGコーデック22aに与えられ、MPEG伸長処理を施される。MPEGコーデック22aから出力されたビデオ信号は、エンコーダ24aによってコンポジットビデオ信号にエンコードされる。エンコーダ24aから出力されたコンポジットビデオ信号は、図示しないテレビモニタに入力される。
【0024】
なお、ここでは一例として、アナログ方式に従う放送信号を受信し、受信された放送信号をハードディスク36a(36b,36c)に記録する場合を示している。この発明は、信号形式や記録方式に何ら依存するものではないので、適用対象が図1および図2に示した構成に限定されるわけではない。例えば、デコーダ20a(20b,20c)に入力される放送信号はディジタル方式に従うものであってもよく、エンコーダから24a(24b,24c)から出力されるビデオ信号はRGB形式の信号であってもよい。また、信号を記録する媒体は、半導体メモリであってもよい。
【0025】
これにより、番組の圧縮ビデオ信号がハードディスク36aに記録され、また、同じ番組の映像がモニタ画面に表示される。以下では、1番組分のビデオ信号を”コンテンツ”と呼ぶ。
【0026】
CPU30aは、ハードディスク36a内のコンテンツを図3に示すディレクトリツリーに基づいて管理する。図3を参照して、ディレクトリツリーは、ルートディレクトリを含む。ルートディレクトリの下位には、2つのディレクトリ“home”および“mnt”があり、“home”の下位に“data”がある。さらに“data”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられる。ハードディスク34d内のコンテンツは“mpeg”内に置かれ、“contents”には、この“mpeg”内のコンテンツに関する情報(以下“コンテンツ情報”)が書き込まれる。コンテンツ情報には、コンテンツ識別子,再生順位,パス,容量などが含まれる。
【0027】
ビデオレコーダ12aはまた、ネットワークコントローラ26aを含む。ネットワークコントローラ26aは、LAN14を介してビデオレコーダ12bのネットワークコントローラ26bおよびビデオレコーダ12cのネットワークコントローラ26cの各々と接続される。このときCPU30aは、ハードディスク36bおよび36cつまり外部HD内のコンテンツを管理するためのディレクトリツリー(以下“サブツリー”)を図3のディレクトリツリー(以下“メインツリー”)内にマウントする。
【0028】
具体的には、図4に示されるように、まずハードディスク36c内のコンテンツを管理するためのサブツリーがメインツリー内の“mnt”の下位にマウントされる。このサブツリーは“192.168.1.10”を含み、“192.168.1.10”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられている。ハードディスク36b内のコンテンツは“192.168.1.10”下の“mpeg”に置かれ、“contents”にそのコンテンツ情報が書き込まれる。
【0029】
次いで、図5に示されるように、ハードディスク36c内のコンテンツを管理するためのサブツリーが“mnt”の下位にさらにマウントされる。このサブツリーは“192.168.1.11”を含み、“192.168.1.11”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられている。ハードディスク36c内のコンテンツは“192.168.1.11”下の“mpeg”に置かれ、“contents”にそのコンテンツ情報が書き込まれる。
【0030】
このようなマウント処理によって、CPU30aは、内蔵HDであるハードディスク36aに加え、ハードディスク36bおよび36cを外部HDとして利用できるようになる。ビデオレコーダ12bおよび12cにおいても同様のマウント処理が行われ、その結果、CPU30bおよび30cの各々もまた、3つのハードディスク36a,26bおよび36cの利用が可能となる。
【0031】
CPU30aはまた、ハードディスク36aの残量に関する2つの閾値K1およびK2(ただしK1>K2>0;図6参照)を保持している。CPU30aは、ハードディスク36aつまり内蔵HDにコンテンツを記録中、内蔵HDの残量が閾値K1を下回ると、外部HDを選択する。外部HD選択では、ハードディスク36bおよび36cつまり外部HDの各々の残量を検知し、その時点で最も残量の大きいものを”間借り先”として選択する。そして、内蔵HDの残量が閾値K2を下回ったとき、コンテンツの記録先を“間借り外部HD”に切り換える。さらに、“間借り外部HD”の残量が閾値K1を下回ると再び外部HD選択を行い、その時点で最も残量の大きい外部HDを次の”間借り先”として選択する。そして、現在の“間借り外部HD”の残量が閾値K2を下回ったとき、コンテンツの記録先を新しい”間借り外部HD”に切り換える。この結果、1つのコンテンツが内蔵HDと1以上の外部HDとに分散して記録されることとなる。
【0032】
このように、内蔵HDの残量が少なくなると記録先を外部HDに切り換え、この外部HDの残量も少なくなると記録先を別の外部HDに切り換えるので、全HDが満杯とならない限り、入力されるコンテンツを最後まで記録することができる。記録先の切り換えに当たっては、現在の記録先の残量が閾値K1を下回った時点で次の記録先を選択し、残量が閾値K2を下回ったとき切り換えを実行するので、入力されるコンテンツを途切れないように記録することができる。記録先の選択に当たっては、その時点で最も残量の多い外部HDを選択するので、外部HDが満杯となる可能性を低減することができ、ひいては記録先の切り換え回数を極力少なくすることができる。
【0033】
CPU30aはさらに、内蔵HDから不要なコンテンツが削除されるなどして内蔵HDに空き領域が生じたとき、内蔵HDから溢れた超過部分が外部HDに記録されたコンテンツ(以下“間借りコンテンツ”)がもしあれば、超過部分を外部HDから回収する処理を行う。具体的には、内蔵HDに対する削除処理が実行されたとき、内蔵HDの残量を検出すると共に、“間借りコンテンツ”の超過部分の容量を算出する。そして、算出容量が検出残量を上回っていなければ、その超過部分を外部HDから内蔵HDに移動する。
【0034】
このように、“間借りコンテンツ”がある場合には、内蔵HDに空き領域が確保され次第、外部HDから超過部分を回収するので、他のビデオレコーダの記録処理に支障が出る事態を回避することができる。
【0035】
以下、1つのコンテンツを内部HDと1以上の外部HDとに分散記録する処理、および外部HDに記録された超過部分を内部HDに移動する処理を、図7〜図13により具体的に説明する。図7には、ビデオレコーダ12aで3つのコンテンツつまり“ドラマ1”,“映画1”および“映画2”を録画する際、内部HDであるハードディスク36aつまり“リビング”と、外部HDであるハードディスク36bおよび36cつまり“寝室”および“子供部屋”とをどのように利用するかが示されている。
【0036】
図7を参照して、最初の“ドラマ1”は、サイズが“リビング”の残量を下回るので、最後まで“リビング”に録画される。“ドラマ1”の録画が完了した時点で、“リビング”にはまだ若干の空き領域がある。
【0037】
次の“映画1”は、サイズが“リビング”の残量を上回るので、途中まで“リビング”に記録され、後は2つの外部HDのうち残量の多い方つまり“子供部屋”に記録される。これにより“映画1”は、“映画1−1”および“映画1−2”に分割される。“映画1”の録画が完了した時点で、“子供部屋”の残量はまだ“寝室”のそれを上回っている。
【0038】
その次の“映画2”は、“リビング”が満杯なので、2つの外部HDのうち残量の多い方つまり“子供部屋”に記録される。ただし“映画2”は、サイズが“子供部屋”の残量を上回るので、途中まで“子供部屋”に記録され、後は“寝室”に記録される。これにより“映画2”は、“映画2−1”および“映画2−2”に分割される。
【0039】
こうして3つのコンテンツの記録が完了した時点で、図5のディレクトリツリー内のコンテンツ情報40,42および44は、図8(A),図8(B)および図8(C)のようなものとなる。図8(A),図8(B)および図8(C)を参照して、コンテンツ情報は、“コンテンツ識別子”,“再生順位”,“パス”および“サイズ”を含む。“コンテンツ識別子”は、録画元のビデオレコーダ名とコンテンツ名とで構成される。“再生順位”は、1つのコンテンツを複数の部分コンテンツに分割した場合に、複数の部分コンテンツの各々に付与される。“パス”には、コンテンツの実データの格納場所が図5のディレクトリツリーに沿って記述される。“パス”の末尾部分はファイル名を示す。“サイズ”には、1つ1つのファイルのサイズが記述される。
【0040】
この後、図9に示すように、“リビング”から“ドラマ1”が削除されたとする。これにより“リビング”には、“子供部屋”に間借りしている“映画1−2”の容量に相当する空き領域が生じる。そこで、図10のような画面を表示して、“映画1−2”の回収を行うかどうかの確認を行う。ここで“はい”が選択されると、“映画1−1”を“リビング”内の空き領域へと移動する。この結果、“リビング”は再び満杯となり、“子供部屋”には2.7GB分の空き領域が生じる。
【0041】
“映画1−2”の移動が完了した時点で、コンテンツ情報40および44は、図11(A)および図11(C)のように更新される。すなわち、コンテンツ情報44から“映画1”に関する情報が削除され、これと同じ情報がコンテンツ情報40に追加される。
【0042】
この後さらに、図12に示すように、“リビング”から“番組X”が削除されたとする。これにより“リビング”には、“子供部屋”および“寝室”に間借りしている“映画2−1”および“映画2−2”の合計容量を超える空き領域が生じる。そこで、図13のような画面を表示して、“映画2”の回収を行うかどうかの確認を行う。ここで“はい”が選択されると、“映画2−1”および“映画2−2”を“リビング”内の空き領域へと移動する。この結果、“リビング”は残量が0.3GBとなり、一方、“子供部屋”には2.1GB分の空き領域が新たに生じ、“寝室”には1.2GB分の空き領域が新たに生じる。
【0043】
“映画2−1”および“映画2−2”の移動が完了した時点で、コンテンツ情報40および44は、図14(A),図14(B)および図14(C)のように更新される。すなわち、コンテンツ情報42および44から“映画2”に関する情報がそれぞれ削除され、これらと同じ情報がコンテンツ情報40に追加される。
【0044】
CPU30aは、図15〜図20に示すフロー図を処理する。なお、これらのフロー図に対応するプログラムは、図示しないフラッシュメモリに格納されている。まず図15を参照して、起動後、ステップS1でマウント処理を行う。マウント処理では、RAM28a内に生成されたハードディスク36a用のメインリツリー(図3参照)に対し、最初ハードディスク36b用のサブツリーをマウントし(図4参照)、続いてハードディスク36c用のサブツリーをさらにマウントする(図5参照)。
【0045】
その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に入る。操作パネル32a上の録画開始キーが押されると、ステップS3でYESと判別され、ステップS9に進む。ステップS9では、内蔵HDつまりハードディスク36aの残量を検出する。ステップS11では、検出残量が閾値K1を上回るか否かを判別し、この判別結果が否定的であれば、ステップS13に移って、外部HDの選択(後述)を行う。ステップS15では、ステップS13で選択された外部HDをターゲットに設定し、その後、ステップS19に進む。
【0046】
ステップS11の判定結果が肯定的であれば、ステップS17に移って内蔵HDつまりハードディスク36aをターゲットに設定し、その後、ステップS19に進む。
【0047】
ステップS19では、ターゲットへの記録処理を開始する。次のステップS21では、コンテンツ情報を更新する。この更新処理では、ターゲットに対応するコンテンツ情報にコンテンツ識別子およびパスを追加する。例えばハードディスク36aに対して“ドラマ1”の記録を開始したのであれば、“リビング_ドラマ1”および“/home/data/mpeg/リビング_ドラマ1.mpg”がコンテンツ情報40に追加される(図8(A)参照)。
【0048】
その後、ステップS23およびS25のループに入る。ステップS23では録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS25ではターゲット残量が閾値K1を下回ったか否かが判別される。
【0049】
操作パネル32a上の録画停止キーが押されると、ステップS23でYESと判別され、ステップS27に移ってターゲットへの記録処理を停止する。そして、ステップS29でコンテンツ情報を更新する。この更新処理では、ターゲットに記録したファイルのサイズをターゲットに対応するコンテンツ情報に追加する。例えば、ハードディスク36aにサイズが2.7MBの“リビング_ドラマ1.mpg”を記録し終えたのであれば、“2.7”がコンテンツ情報40に追加される(図8(A)参照)。その後、ステップS3に戻る。
【0050】
ターゲットの残量が閾値K1を下回ると、ステップS25でYESと判別され、ステップS31に移って外部HDの選択(後述)を行う。その後、ステップS33およびS35のループに入る。ステップS33では録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS35ではターゲット残量が閾値K2を下回ったか否かが判別される。
【0051】
録画停止キーが押されると、ステップS33でYESと判別され、ステップS27に戻る。ターゲットの残量が閾値K2を下回ると、ステップS35でYESと判別され、ステップS37に移る。
【0052】
図16を参照して、ステップS37では、ターゲットをステップS31で選択された外部HDに切り換える。そして、ステップS39でコンテンツ情報を更新する。この更新処理では、前ターゲットに記録したファイルのサイズを前ターゲットに対応するコンテンツ情報に追加し、かつコンテンツ識別子およびパスを現ターゲットに対応するコンテンツ情報に追加する。
【0053】
例えば、サイズが1.5MBの“リビング_映画1−1.mpg”が前ターゲットであるハードディスク34aに記録されたのであれば“1.5”がハードディスク34aに対応するコンテンツ情報40に追加され(図8(A)参照)、かつ“リビング_映画1”および“/home/data/mpeg/リビング_映画1−2.mpg”が新ターゲットであるハードディスク34bに対応するコンテンツ情報42に追加される(図8(B)参照)。
【0054】
その後、ステップS41およびS43のループに入る。ステップS41では、録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS43では、ターゲット残量が閾値K1を下回ったか否かが判別される。ターゲットの残量が閾値K1を下回ると、ステップS43でYESと判別され、ステップS31に戻る。録画停止キーが押されると、ステップS41でYESと判別され、ステップS45に移ってターゲットへの記録処理を停止する。そして、ステップS47でコンテンツ情報を更新する。その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0055】
削除キー(図示せず)が押されると、ステップS5でYESと判別され、ステップS49に移って削除処理を実行する。次に、ステップS51で外部HDを間借りしているかどうかを判別し、間借り中でなければステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。間借り中であれば、ステップS53でコンテンツ移動(後述)を行い、その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0056】
他のキーが押されると、ステップS7でYESと判別され、ステップS55に移って該当処理を実行する。その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0057】
上記ステップS13およびS31の外部HD選択は、図17のサブルーチンに従って実行される。図17を参照して、最初ステップS61で、複数の外部HDの各々の残量を検出し、次にステップS63で、複数の外部HDのうち残量が最大である外部HDを選択する。そしてステップS65で、選択された外部HDの残量が閾値K1を超えているか否かを判別する。
【0058】
ステップS65の判別結果が否定的であれば、ステップS67でエラーを通知し、その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。ステップS65の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0059】
上記ステップS53のコンテンツ移動は、図18のサブルーチンに従って実行される。図18を参照して、最初ステップS81で、“間借りコンテンツ”、すなわち、超過部分が外部HDに記録されたコンテンツをレジスタ(図示せず)に登録する。次にステップS83で、内蔵HDの残量を検出する。ステップS85では、レジスタから1つの“間借りコンテンツ”を選択し、ステップS87では、選択された“間借りコンテンツ”の記録先が複数の外部HDに分散しているか否かを判別する。ステップS87の判別結果が否定的であればステップS89〜S105を実行し、肯定的であればステップS107〜S121を実行する。
【0060】
まず、ステップS89〜S105について説明する。ステップS89では、外部HDに記録された“間借りファイル”のサイズを検出する。ここで“間借りファイル”とは、“間借りコンテンツ”の超過部分を格納したファイルをいう。図7の例では、“寝室”に記録された“映画2−2”と、“子供部屋”に記録された“映画1−2”および“映画2−1”とが“間借りファイル”に該当する。
【0061】
図19に移って、ステップS91では、ステップS89で検出されたサイズが内蔵HDの残量を超えているか否かを判別する。この判別結果が肯定的であれば、ステップS105に進む。
【0062】
ステップS91の判別結果が否定的であればステップS93に移って、図10のような確認画面を表示する。確認画面には、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”の回収を実行するか否かの問いかけが含まれる。そしてステップS95およびS97のループに入り、“はい”および“いいえ”のどちらかが選択されるのを待つ。
【0063】
“はい”が選択されるとステップS99に移り、外部HDに記録された“間借りファイル”を内蔵HDに転送する。そして、ステップS101でコンテンツ情報を更新し、その後、ステップS105に進む。“いいえ”が選択されるとステップS103に移り、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”をレジスタから削除する。そして、ステップS105に進む。
【0064】
ステップS105では、未選択の“間借りコンテンツ”がまだレジスタに残っているか否かを判別し、判別結果が肯定的であればステップS83に戻る。ステップS105の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0065】
次に、S107〜S121について説明する。ステップS107では、外部HDに記録された“間借りファイル”のサイズをそれぞれ検出する。図20に移って、ステップS109では、検出総サイズ、つまりステップS107で検出された複数のサイズの総計が内蔵HDの残量を超えているか否かを判別する。この判別結果が肯定的であれば、ステップS123に進む。
【0066】
ステップS109の判別結果が否定的であれば、ステップS111に移って、図13のような確認画面を表示する。確認画面には、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”の削除を実行するか否かの問いかけが含まれる。そして、ステップS113およびS115のループに入り、“はい”および“いいえ”のどちらかが選択されるのを待つ。
【0067】
“はい”が選択されるとステップS113からステップS117に移り、外部HDに記録された“間借りファイル”を内蔵HDにそれぞれ転送する。次に、ステップS119でコンテンツ情報を更新し、その後、ステップS123に進む。“いいえ”が選択されると、ステップS115からステップS121に移って、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”をレジスタから削除する。そして、ステップS123に進む。
【0068】
ステップS123では、未選択の“間借りコンテンツ”がまだレジスタに残っているか否かを判別し、判別結果が肯定的であればステップS83に戻る。ステップS105の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0069】
以上から明らかなように、この実施例では、ビデオレコーダ12aは、LAN14を介してビデオレコーダ12bおよび12cと接続される。ビデオレコーダ12aは、マウント処理を行うことによって、内蔵HDであるハードディスク36aに加え、ビデオレコーダ12bのハードディスク36bおよびビデオレコーダ12bのハードディスク36cの各々を外部HDとして利用することが可能となる。
【0070】
ビデオレコーダ12aは、内蔵HDつまりハードディスク36aが満杯となって以降に入力される超過コンテンツを、最も空き容量の大きい外部HD、ここでは2つの外部HDつまりハードディスク36bおよび36cのうち空き容量の多い方に記録する。そして、後に、内蔵HDに記録されたコンテンツの一部が削除されることによって超過コンテンツのサイズ以上の空き容量が内蔵HDに確保されたとき、超過コンテンツを外部HDから内蔵HDに転送する。
【0071】
これにより、ビデオレコーダ12aは、入力されるコンテンツを洩れなく記録でき、かつビデオレコーダ12bおよび12cに与える影響を極力抑えることができる。
【0072】
なお、この実施例では、超過コンテンツの記録先として最も空き容量の多い外部HDを選択したが、予め外部HDに優先順位を付与しておき、最も優先順位の高い外部HDを選択してもよい。
【0073】
また、この実施例では、1つの“間借りコンテンツ”の記録先が複数の外部HDに分散している場合には、内蔵HDの残量が複数の外部HDに記録された複数の“間借りファイル”の合計サイズを上回っていなければ、その“間借りコンテンツ”の回収を行わなかった(ステップS91を参照)、つまり“間借りコンテンツ”単位で回収を行っているが、代わりに、“間借りファイル”単位で回収を行ってもよい。
【0074】
具体的には、例えばハードディスク36bおよび36cに図8(B)および図8(C)に示されるような“間借りファイル”がそれぞれ記録されている状態で、ハードディスク36aに2GBの空き領域が発生したとする。このような場合、前述の実施例に従えば、“間借りコンテンツ”の回収は実行されない。これに対し、“間借りファイル”単位で回収を行うようにすれば、ハードディスク36bに記録された“リビング_映画2−2.mpg”がハードディスク36aに転送されることとなる。
【0075】
なお、以上では、3台のビデオレコーダ12a,12bおよび12cを備えるコンテンツ記録システム10について説明したが、少なくとも2台のビデオレコーダがあれば、この発明を適用できる。また、ビデオレコーダに限らず、音声専用のレコーダ,汎用的なパソコンなど、様々なコンテンツ記録装置を用いたシステムに適用できる。
【0076】
また、各々が固定式HDDを内蔵した複数のビデオレコーダをネットワークで接続したシステムに限らず、例えば固定式HDDとリムーバブルHDDとを備えたビデオレコーダ、固定式HDDと書換え可能なDVDとを備えたビデオレコーダ、固定式HDDとメモリカードとを備えたビデオレコーダといった、1つのビデオレコーダに2つ以上の記憶媒体を備えたビデオレコーダにも、この発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施例であるビデオレコーダを用いたコンテンツ記録システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例であるビデオレコーダの構成を示すブロック図である。
【図3】ディレクトリツリーの一例を示す図解図である。
【図4】ディレクトリツリーの他の一例を示す図解図である。
【図5】ディレクトリツリーのその他の一例を示す図解図である。
【図6】ハードディスクの残量に関する2つの閾値を示す図解図である。
【図7】記録処理の一例を示す図解図である。
【図8】(A)はコンテンツ情報の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図である。
【図9】削除・移動処理の一例を示す図解図である。
【図10】確認画面の一例を示す図解図である。
【図11】(A)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図12】削除・移動処理の他の一例を示す図解図である。
【図13】確認画面の他の一例を示す図解図である。
【図14】(A)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図15】ビデオレコーダのCPU動作の一部を示すフロー図である。
【図16】ビデオレコーダのCPU動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】ビデオレコーダのCPU動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】ビデオレコーダのCPU動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】ビデオレコーダのCPU動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】ビデオレコーダのCPU動作のその他の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0078】
10…コンテンツ記録システム
12a,12b,12c…ビデオレコーダ
14…LAN
30a,30b,30c…CPU
36a,36b,36c…ハードディスク
40,42,44…コンテンツ情報
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ記録装置に関し、特にたとえば、1つのコンテンツを複数の記録媒体に分散して記録する、コンテンツ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。この従来の記録装置は、入力されるコンテンツを内蔵ハードディスクに記録し、内蔵ハードディスクでオーバーフローが生じたときには、溢れたコンテンツをネットワーク経由で外部サーバに転送する。外部サーバには、こうして記録装置から転送されてくる溢れコンテンツが蓄積される。これにより、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。
【特許文献1】特開2003−153164号公報〔H04N 5/765,G06F 12/00,G11B 20/10,27/00,H04N 7/173〕
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、最近では、多くの家庭にハードディスク内蔵型のビデオレコーダが普及している。1つの家庭内に複数台のレコーダが設置されることもまれではない。一方、パソコン,周辺機器,情報家電などを互いに接続して家庭内LANを構成することも広く行われるようになっている。
【0004】
そこで、家庭内の複数台のレコーダをLANで接続し、そのうち1台、または複数台のレコーダの各々で従来技術のような記録制御を行うことが考えられる。具体的には、あるレコーダは、入力されるコンテンツを記録しているとき、内蔵ハードディスクが満杯になると、それ以降に入力される溢れコンテンツをLAN経由で別のレコーダに転送する。このように、別のレコーダを外部サーバとして利用することによって、途中で内蔵ハードディスクが満杯となっても、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。
【0005】
しかし、この場合、どのレコーダも、専用のサーバのような大容量のハードディスクを備えているわけではなく、本来の用途に従えば自らがコンテンツを記録しなければならない。このため、特定のレコーダが他のレコーダの空き領域を多く占有すれば、他のレコーダが要求されたコンテンツを記録できない事態が起こる。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる、かつ外部に与える影響を抑えることができる、コンテンツ記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に従うコンテンツ記録装置は、コンテンツを入力する入力手段、記録指示を受け付けたとき入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録手段、内部記録媒体の空き容量があるか否かを第1記録手段による記録と並行して繰り返し判別する第1判別手段、第1判別手段の判別結果が否定的となった後に入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録手段、削除指示を受け付けたとき内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除手段、削除手段の削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別手段、および第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する転送手段を備える。
【0008】
第1記録手段は、記録指示を受け付けたとき、入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する。第1判別手段は、この第1記録手段による記録と並行して、第1記録手段の空き容量があるか否かを繰り返し判別する。第2記録手段は、この第1判別手段の判別結果が否定的となった後に入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する。
【0009】
削除手段は、削除指示を受け付けたとき、内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する。第2判別手段は、この削除手段の削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する。転送手段は、この第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき、超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する。
【0010】
つまり、内部記録媒体が満杯となって以降に入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録し、後に、内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部が削除されることによって超過コンテンツのサイズ以上の空き容量が内部記録媒体に確保されたとき、超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する。
【0011】
請求項2の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項1に従属し、外部記録媒体は複数あり、複数ある外部記録媒体のいずれか1つを第2記録手段の記録先として選択する選択手段をさらに備える。
【0012】
複数ある外部記録媒体のいずれか1つを選択手段が選択し、第2記録手段は、選択手段によって選択された外部記録媒体に超過コンテンツを記録する。
【0013】
請求項3の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項2に従属し、選択手段は複数ある外部記録媒体のうち最も空き容量が多いものを選択する。
【0014】
最も空き容量が多い外部記録媒体に超過コンテンツを記憶するので、外部記録媒体が満杯になる可能性を低減できる。
【0015】
請求項4の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項2または3に従属し、選択手段は第1判別手段の判別結果が否定的となったとき選択を行う。このため、内部記録媒体が満杯となる直前に外部記録媒体への記録を開始することができる。
【0016】
請求項5の発明に従うコンテンツ記録装置は、請求項1ないし4のいずれかに従属し、第1判別手段は内部記録媒体の空き容量が第1閾値を上回るとき肯定的な判別結果を示し、第2記録手段は内部記録媒体の空き容量が第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ったとき外部記録媒体への記録を開始する。
【0017】
請求項6の発明に従うプログラムは、コンテンツ記録装置のプロセサによって実行される記録制御プログラムであって、コンテンツを入力する入力ステップ、記録指示を受け付けたとき入力ステップによって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録ステップ、内部記録媒体の空き容量があるか否かを第1記録ステップによる記録と並行して繰り返し判別する第1判別ステップ、第1判別ステップの判別結果が否定的となった後に入力ステップによって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録ステップ、削除指示を受け付けたとき内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除ステップ、削除ステップの削除によって内部記録媒体に確保された空き容量が超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別ステップ、および第2判別ステップの判別結果が肯定的であるとき超過コンテンツを外部記録媒体から内部記録媒体に転送する転送ステップを備える。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、内部記録媒体が満杯となった後に入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録するので、入力されるコンテンツを洩れなく記録することができる。また、必要な空き容量が確保され次第、外部記録媒体に記録された超過コンテンツを内部記録媒体に転送するので、外部に与える影響を抑えることができる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照して、この発明のコンテンツ記録システム10は、3台のビデオレコーダ12a,12bおよび12cを含む。ビデオレコーダ12a,12bおよび12cは、リビング,寝室および子供部屋にそれぞれ設置され、かつLAN14を介して互いに接続される。
【0021】
ビデオレコーダ12a,12bおよび12cには、識別情報として名称“リビング”,“寝室”および“子供部屋”がそれぞれ付与され、かつIPアドレス“192.168.1.9”,“192.168.1.10”,“192.168.1.11”がそれぞれ割り当てられている。
【0022】
ビデオレコーダ12aは、図2に示すように構成される。なお、ビデオレコーダ12bおよび12cもまた、図2に示すように構成される。図2を参照して、ビデオレコーダ12aは、デコーダ20aを含む。図示しないアンテナで受信された放送信号は、デコーダ20aによってビデオ信号にデコードされる。このビデオ信号は、RAM28aを通してMPEGコーデック22aに与えられ、MPEG圧縮処理を施される。MPEGコーデック22aから出力された圧縮ビデオ信号は、ハードディスクドライブ(HDD)34aによってハードディスク36aに記録され、その後、同じHDD34aによってハードディスク36aから読み出される。
【0023】
ハードディスク36aから読み出された圧縮ビデオ信号は、MPEGコーデック22aに与えられ、MPEG伸長処理を施される。MPEGコーデック22aから出力されたビデオ信号は、エンコーダ24aによってコンポジットビデオ信号にエンコードされる。エンコーダ24aから出力されたコンポジットビデオ信号は、図示しないテレビモニタに入力される。
【0024】
なお、ここでは一例として、アナログ方式に従う放送信号を受信し、受信された放送信号をハードディスク36a(36b,36c)に記録する場合を示している。この発明は、信号形式や記録方式に何ら依存するものではないので、適用対象が図1および図2に示した構成に限定されるわけではない。例えば、デコーダ20a(20b,20c)に入力される放送信号はディジタル方式に従うものであってもよく、エンコーダから24a(24b,24c)から出力されるビデオ信号はRGB形式の信号であってもよい。また、信号を記録する媒体は、半導体メモリであってもよい。
【0025】
これにより、番組の圧縮ビデオ信号がハードディスク36aに記録され、また、同じ番組の映像がモニタ画面に表示される。以下では、1番組分のビデオ信号を”コンテンツ”と呼ぶ。
【0026】
CPU30aは、ハードディスク36a内のコンテンツを図3に示すディレクトリツリーに基づいて管理する。図3を参照して、ディレクトリツリーは、ルートディレクトリを含む。ルートディレクトリの下位には、2つのディレクトリ“home”および“mnt”があり、“home”の下位に“data”がある。さらに“data”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられる。ハードディスク34d内のコンテンツは“mpeg”内に置かれ、“contents”には、この“mpeg”内のコンテンツに関する情報(以下“コンテンツ情報”)が書き込まれる。コンテンツ情報には、コンテンツ識別子,再生順位,パス,容量などが含まれる。
【0027】
ビデオレコーダ12aはまた、ネットワークコントローラ26aを含む。ネットワークコントローラ26aは、LAN14を介してビデオレコーダ12bのネットワークコントローラ26bおよびビデオレコーダ12cのネットワークコントローラ26cの各々と接続される。このときCPU30aは、ハードディスク36bおよび36cつまり外部HD内のコンテンツを管理するためのディレクトリツリー(以下“サブツリー”)を図3のディレクトリツリー(以下“メインツリー”)内にマウントする。
【0028】
具体的には、図4に示されるように、まずハードディスク36c内のコンテンツを管理するためのサブツリーがメインツリー内の“mnt”の下位にマウントされる。このサブツリーは“192.168.1.10”を含み、“192.168.1.10”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられている。ハードディスク36b内のコンテンツは“192.168.1.10”下の“mpeg”に置かれ、“contents”にそのコンテンツ情報が書き込まれる。
【0029】
次いで、図5に示されるように、ハードディスク36c内のコンテンツを管理するためのサブツリーが“mnt”の下位にさらにマウントされる。このサブツリーは“192.168.1.11”を含み、“192.168.1.11”の下位に“mpeg”および“contents”が設けられている。ハードディスク36c内のコンテンツは“192.168.1.11”下の“mpeg”に置かれ、“contents”にそのコンテンツ情報が書き込まれる。
【0030】
このようなマウント処理によって、CPU30aは、内蔵HDであるハードディスク36aに加え、ハードディスク36bおよび36cを外部HDとして利用できるようになる。ビデオレコーダ12bおよび12cにおいても同様のマウント処理が行われ、その結果、CPU30bおよび30cの各々もまた、3つのハードディスク36a,26bおよび36cの利用が可能となる。
【0031】
CPU30aはまた、ハードディスク36aの残量に関する2つの閾値K1およびK2(ただしK1>K2>0;図6参照)を保持している。CPU30aは、ハードディスク36aつまり内蔵HDにコンテンツを記録中、内蔵HDの残量が閾値K1を下回ると、外部HDを選択する。外部HD選択では、ハードディスク36bおよび36cつまり外部HDの各々の残量を検知し、その時点で最も残量の大きいものを”間借り先”として選択する。そして、内蔵HDの残量が閾値K2を下回ったとき、コンテンツの記録先を“間借り外部HD”に切り換える。さらに、“間借り外部HD”の残量が閾値K1を下回ると再び外部HD選択を行い、その時点で最も残量の大きい外部HDを次の”間借り先”として選択する。そして、現在の“間借り外部HD”の残量が閾値K2を下回ったとき、コンテンツの記録先を新しい”間借り外部HD”に切り換える。この結果、1つのコンテンツが内蔵HDと1以上の外部HDとに分散して記録されることとなる。
【0032】
このように、内蔵HDの残量が少なくなると記録先を外部HDに切り換え、この外部HDの残量も少なくなると記録先を別の外部HDに切り換えるので、全HDが満杯とならない限り、入力されるコンテンツを最後まで記録することができる。記録先の切り換えに当たっては、現在の記録先の残量が閾値K1を下回った時点で次の記録先を選択し、残量が閾値K2を下回ったとき切り換えを実行するので、入力されるコンテンツを途切れないように記録することができる。記録先の選択に当たっては、その時点で最も残量の多い外部HDを選択するので、外部HDが満杯となる可能性を低減することができ、ひいては記録先の切り換え回数を極力少なくすることができる。
【0033】
CPU30aはさらに、内蔵HDから不要なコンテンツが削除されるなどして内蔵HDに空き領域が生じたとき、内蔵HDから溢れた超過部分が外部HDに記録されたコンテンツ(以下“間借りコンテンツ”)がもしあれば、超過部分を外部HDから回収する処理を行う。具体的には、内蔵HDに対する削除処理が実行されたとき、内蔵HDの残量を検出すると共に、“間借りコンテンツ”の超過部分の容量を算出する。そして、算出容量が検出残量を上回っていなければ、その超過部分を外部HDから内蔵HDに移動する。
【0034】
このように、“間借りコンテンツ”がある場合には、内蔵HDに空き領域が確保され次第、外部HDから超過部分を回収するので、他のビデオレコーダの記録処理に支障が出る事態を回避することができる。
【0035】
以下、1つのコンテンツを内部HDと1以上の外部HDとに分散記録する処理、および外部HDに記録された超過部分を内部HDに移動する処理を、図7〜図13により具体的に説明する。図7には、ビデオレコーダ12aで3つのコンテンツつまり“ドラマ1”,“映画1”および“映画2”を録画する際、内部HDであるハードディスク36aつまり“リビング”と、外部HDであるハードディスク36bおよび36cつまり“寝室”および“子供部屋”とをどのように利用するかが示されている。
【0036】
図7を参照して、最初の“ドラマ1”は、サイズが“リビング”の残量を下回るので、最後まで“リビング”に録画される。“ドラマ1”の録画が完了した時点で、“リビング”にはまだ若干の空き領域がある。
【0037】
次の“映画1”は、サイズが“リビング”の残量を上回るので、途中まで“リビング”に記録され、後は2つの外部HDのうち残量の多い方つまり“子供部屋”に記録される。これにより“映画1”は、“映画1−1”および“映画1−2”に分割される。“映画1”の録画が完了した時点で、“子供部屋”の残量はまだ“寝室”のそれを上回っている。
【0038】
その次の“映画2”は、“リビング”が満杯なので、2つの外部HDのうち残量の多い方つまり“子供部屋”に記録される。ただし“映画2”は、サイズが“子供部屋”の残量を上回るので、途中まで“子供部屋”に記録され、後は“寝室”に記録される。これにより“映画2”は、“映画2−1”および“映画2−2”に分割される。
【0039】
こうして3つのコンテンツの記録が完了した時点で、図5のディレクトリツリー内のコンテンツ情報40,42および44は、図8(A),図8(B)および図8(C)のようなものとなる。図8(A),図8(B)および図8(C)を参照して、コンテンツ情報は、“コンテンツ識別子”,“再生順位”,“パス”および“サイズ”を含む。“コンテンツ識別子”は、録画元のビデオレコーダ名とコンテンツ名とで構成される。“再生順位”は、1つのコンテンツを複数の部分コンテンツに分割した場合に、複数の部分コンテンツの各々に付与される。“パス”には、コンテンツの実データの格納場所が図5のディレクトリツリーに沿って記述される。“パス”の末尾部分はファイル名を示す。“サイズ”には、1つ1つのファイルのサイズが記述される。
【0040】
この後、図9に示すように、“リビング”から“ドラマ1”が削除されたとする。これにより“リビング”には、“子供部屋”に間借りしている“映画1−2”の容量に相当する空き領域が生じる。そこで、図10のような画面を表示して、“映画1−2”の回収を行うかどうかの確認を行う。ここで“はい”が選択されると、“映画1−1”を“リビング”内の空き領域へと移動する。この結果、“リビング”は再び満杯となり、“子供部屋”には2.7GB分の空き領域が生じる。
【0041】
“映画1−2”の移動が完了した時点で、コンテンツ情報40および44は、図11(A)および図11(C)のように更新される。すなわち、コンテンツ情報44から“映画1”に関する情報が削除され、これと同じ情報がコンテンツ情報40に追加される。
【0042】
この後さらに、図12に示すように、“リビング”から“番組X”が削除されたとする。これにより“リビング”には、“子供部屋”および“寝室”に間借りしている“映画2−1”および“映画2−2”の合計容量を超える空き領域が生じる。そこで、図13のような画面を表示して、“映画2”の回収を行うかどうかの確認を行う。ここで“はい”が選択されると、“映画2−1”および“映画2−2”を“リビング”内の空き領域へと移動する。この結果、“リビング”は残量が0.3GBとなり、一方、“子供部屋”には2.1GB分の空き領域が新たに生じ、“寝室”には1.2GB分の空き領域が新たに生じる。
【0043】
“映画2−1”および“映画2−2”の移動が完了した時点で、コンテンツ情報40および44は、図14(A),図14(B)および図14(C)のように更新される。すなわち、コンテンツ情報42および44から“映画2”に関する情報がそれぞれ削除され、これらと同じ情報がコンテンツ情報40に追加される。
【0044】
CPU30aは、図15〜図20に示すフロー図を処理する。なお、これらのフロー図に対応するプログラムは、図示しないフラッシュメモリに格納されている。まず図15を参照して、起動後、ステップS1でマウント処理を行う。マウント処理では、RAM28a内に生成されたハードディスク36a用のメインリツリー(図3参照)に対し、最初ハードディスク36b用のサブツリーをマウントし(図4参照)、続いてハードディスク36c用のサブツリーをさらにマウントする(図5参照)。
【0045】
その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に入る。操作パネル32a上の録画開始キーが押されると、ステップS3でYESと判別され、ステップS9に進む。ステップS9では、内蔵HDつまりハードディスク36aの残量を検出する。ステップS11では、検出残量が閾値K1を上回るか否かを判別し、この判別結果が否定的であれば、ステップS13に移って、外部HDの選択(後述)を行う。ステップS15では、ステップS13で選択された外部HDをターゲットに設定し、その後、ステップS19に進む。
【0046】
ステップS11の判定結果が肯定的であれば、ステップS17に移って内蔵HDつまりハードディスク36aをターゲットに設定し、その後、ステップS19に進む。
【0047】
ステップS19では、ターゲットへの記録処理を開始する。次のステップS21では、コンテンツ情報を更新する。この更新処理では、ターゲットに対応するコンテンツ情報にコンテンツ識別子およびパスを追加する。例えばハードディスク36aに対して“ドラマ1”の記録を開始したのであれば、“リビング_ドラマ1”および“/home/data/mpeg/リビング_ドラマ1.mpg”がコンテンツ情報40に追加される(図8(A)参照)。
【0048】
その後、ステップS23およびS25のループに入る。ステップS23では録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS25ではターゲット残量が閾値K1を下回ったか否かが判別される。
【0049】
操作パネル32a上の録画停止キーが押されると、ステップS23でYESと判別され、ステップS27に移ってターゲットへの記録処理を停止する。そして、ステップS29でコンテンツ情報を更新する。この更新処理では、ターゲットに記録したファイルのサイズをターゲットに対応するコンテンツ情報に追加する。例えば、ハードディスク36aにサイズが2.7MBの“リビング_ドラマ1.mpg”を記録し終えたのであれば、“2.7”がコンテンツ情報40に追加される(図8(A)参照)。その後、ステップS3に戻る。
【0050】
ターゲットの残量が閾値K1を下回ると、ステップS25でYESと判別され、ステップS31に移って外部HDの選択(後述)を行う。その後、ステップS33およびS35のループに入る。ステップS33では録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS35ではターゲット残量が閾値K2を下回ったか否かが判別される。
【0051】
録画停止キーが押されると、ステップS33でYESと判別され、ステップS27に戻る。ターゲットの残量が閾値K2を下回ると、ステップS35でYESと判別され、ステップS37に移る。
【0052】
図16を参照して、ステップS37では、ターゲットをステップS31で選択された外部HDに切り換える。そして、ステップS39でコンテンツ情報を更新する。この更新処理では、前ターゲットに記録したファイルのサイズを前ターゲットに対応するコンテンツ情報に追加し、かつコンテンツ識別子およびパスを現ターゲットに対応するコンテンツ情報に追加する。
【0053】
例えば、サイズが1.5MBの“リビング_映画1−1.mpg”が前ターゲットであるハードディスク34aに記録されたのであれば“1.5”がハードディスク34aに対応するコンテンツ情報40に追加され(図8(A)参照)、かつ“リビング_映画1”および“/home/data/mpeg/リビング_映画1−2.mpg”が新ターゲットであるハードディスク34bに対応するコンテンツ情報42に追加される(図8(B)参照)。
【0054】
その後、ステップS41およびS43のループに入る。ステップS41では、録画停止キーの押下の有無が判別され、ステップS43では、ターゲット残量が閾値K1を下回ったか否かが判別される。ターゲットの残量が閾値K1を下回ると、ステップS43でYESと判別され、ステップS31に戻る。録画停止キーが押されると、ステップS41でYESと判別され、ステップS45に移ってターゲットへの記録処理を停止する。そして、ステップS47でコンテンツ情報を更新する。その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0055】
削除キー(図示せず)が押されると、ステップS5でYESと判別され、ステップS49に移って削除処理を実行する。次に、ステップS51で外部HDを間借りしているかどうかを判別し、間借り中でなければステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。間借り中であれば、ステップS53でコンテンツ移動(後述)を行い、その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0056】
他のキーが押されると、ステップS7でYESと判別され、ステップS55に移って該当処理を実行する。その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。
【0057】
上記ステップS13およびS31の外部HD選択は、図17のサブルーチンに従って実行される。図17を参照して、最初ステップS61で、複数の外部HDの各々の残量を検出し、次にステップS63で、複数の外部HDのうち残量が最大である外部HDを選択する。そしてステップS65で、選択された外部HDの残量が閾値K1を超えているか否かを判別する。
【0058】
ステップS65の判別結果が否定的であれば、ステップS67でエラーを通知し、その後、ステップS3,S5およびS7のキー操作待ち状態に戻る。ステップS65の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0059】
上記ステップS53のコンテンツ移動は、図18のサブルーチンに従って実行される。図18を参照して、最初ステップS81で、“間借りコンテンツ”、すなわち、超過部分が外部HDに記録されたコンテンツをレジスタ(図示せず)に登録する。次にステップS83で、内蔵HDの残量を検出する。ステップS85では、レジスタから1つの“間借りコンテンツ”を選択し、ステップS87では、選択された“間借りコンテンツ”の記録先が複数の外部HDに分散しているか否かを判別する。ステップS87の判別結果が否定的であればステップS89〜S105を実行し、肯定的であればステップS107〜S121を実行する。
【0060】
まず、ステップS89〜S105について説明する。ステップS89では、外部HDに記録された“間借りファイル”のサイズを検出する。ここで“間借りファイル”とは、“間借りコンテンツ”の超過部分を格納したファイルをいう。図7の例では、“寝室”に記録された“映画2−2”と、“子供部屋”に記録された“映画1−2”および“映画2−1”とが“間借りファイル”に該当する。
【0061】
図19に移って、ステップS91では、ステップS89で検出されたサイズが内蔵HDの残量を超えているか否かを判別する。この判別結果が肯定的であれば、ステップS105に進む。
【0062】
ステップS91の判別結果が否定的であればステップS93に移って、図10のような確認画面を表示する。確認画面には、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”の回収を実行するか否かの問いかけが含まれる。そしてステップS95およびS97のループに入り、“はい”および“いいえ”のどちらかが選択されるのを待つ。
【0063】
“はい”が選択されるとステップS99に移り、外部HDに記録された“間借りファイル”を内蔵HDに転送する。そして、ステップS101でコンテンツ情報を更新し、その後、ステップS105に進む。“いいえ”が選択されるとステップS103に移り、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”をレジスタから削除する。そして、ステップS105に進む。
【0064】
ステップS105では、未選択の“間借りコンテンツ”がまだレジスタに残っているか否かを判別し、判別結果が肯定的であればステップS83に戻る。ステップS105の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0065】
次に、S107〜S121について説明する。ステップS107では、外部HDに記録された“間借りファイル”のサイズをそれぞれ検出する。図20に移って、ステップS109では、検出総サイズ、つまりステップS107で検出された複数のサイズの総計が内蔵HDの残量を超えているか否かを判別する。この判別結果が肯定的であれば、ステップS123に進む。
【0066】
ステップS109の判別結果が否定的であれば、ステップS111に移って、図13のような確認画面を表示する。確認画面には、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”の削除を実行するか否かの問いかけが含まれる。そして、ステップS113およびS115のループに入り、“はい”および“いいえ”のどちらかが選択されるのを待つ。
【0067】
“はい”が選択されるとステップS113からステップS117に移り、外部HDに記録された“間借りファイル”を内蔵HDにそれぞれ転送する。次に、ステップS119でコンテンツ情報を更新し、その後、ステップS123に進む。“いいえ”が選択されると、ステップS115からステップS121に移って、ステップS85で選択された“間借りコンテンツ”をレジスタから削除する。そして、ステップS123に進む。
【0068】
ステップS123では、未選択の“間借りコンテンツ”がまだレジスタに残っているか否かを判別し、判別結果が肯定的であればステップS83に戻る。ステップS105の判別結果が肯定的であれば、上位層のルーチンに復帰する。
【0069】
以上から明らかなように、この実施例では、ビデオレコーダ12aは、LAN14を介してビデオレコーダ12bおよび12cと接続される。ビデオレコーダ12aは、マウント処理を行うことによって、内蔵HDであるハードディスク36aに加え、ビデオレコーダ12bのハードディスク36bおよびビデオレコーダ12bのハードディスク36cの各々を外部HDとして利用することが可能となる。
【0070】
ビデオレコーダ12aは、内蔵HDつまりハードディスク36aが満杯となって以降に入力される超過コンテンツを、最も空き容量の大きい外部HD、ここでは2つの外部HDつまりハードディスク36bおよび36cのうち空き容量の多い方に記録する。そして、後に、内蔵HDに記録されたコンテンツの一部が削除されることによって超過コンテンツのサイズ以上の空き容量が内蔵HDに確保されたとき、超過コンテンツを外部HDから内蔵HDに転送する。
【0071】
これにより、ビデオレコーダ12aは、入力されるコンテンツを洩れなく記録でき、かつビデオレコーダ12bおよび12cに与える影響を極力抑えることができる。
【0072】
なお、この実施例では、超過コンテンツの記録先として最も空き容量の多い外部HDを選択したが、予め外部HDに優先順位を付与しておき、最も優先順位の高い外部HDを選択してもよい。
【0073】
また、この実施例では、1つの“間借りコンテンツ”の記録先が複数の外部HDに分散している場合には、内蔵HDの残量が複数の外部HDに記録された複数の“間借りファイル”の合計サイズを上回っていなければ、その“間借りコンテンツ”の回収を行わなかった(ステップS91を参照)、つまり“間借りコンテンツ”単位で回収を行っているが、代わりに、“間借りファイル”単位で回収を行ってもよい。
【0074】
具体的には、例えばハードディスク36bおよび36cに図8(B)および図8(C)に示されるような“間借りファイル”がそれぞれ記録されている状態で、ハードディスク36aに2GBの空き領域が発生したとする。このような場合、前述の実施例に従えば、“間借りコンテンツ”の回収は実行されない。これに対し、“間借りファイル”単位で回収を行うようにすれば、ハードディスク36bに記録された“リビング_映画2−2.mpg”がハードディスク36aに転送されることとなる。
【0075】
なお、以上では、3台のビデオレコーダ12a,12bおよび12cを備えるコンテンツ記録システム10について説明したが、少なくとも2台のビデオレコーダがあれば、この発明を適用できる。また、ビデオレコーダに限らず、音声専用のレコーダ,汎用的なパソコンなど、様々なコンテンツ記録装置を用いたシステムに適用できる。
【0076】
また、各々が固定式HDDを内蔵した複数のビデオレコーダをネットワークで接続したシステムに限らず、例えば固定式HDDとリムーバブルHDDとを備えたビデオレコーダ、固定式HDDと書換え可能なDVDとを備えたビデオレコーダ、固定式HDDとメモリカードとを備えたビデオレコーダといった、1つのビデオレコーダに2つ以上の記憶媒体を備えたビデオレコーダにも、この発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施例であるビデオレコーダを用いたコンテンツ記録システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例であるビデオレコーダの構成を示すブロック図である。
【図3】ディレクトリツリーの一例を示す図解図である。
【図4】ディレクトリツリーの他の一例を示す図解図である。
【図5】ディレクトリツリーのその他の一例を示す図解図である。
【図6】ハードディスクの残量に関する2つの閾値を示す図解図である。
【図7】記録処理の一例を示す図解図である。
【図8】(A)はコンテンツ情報の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図である。
【図9】削除・移動処理の一例を示す図解図である。
【図10】確認画面の一例を示す図解図である。
【図11】(A)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図12】削除・移動処理の他の一例を示す図解図である。
【図13】確認画面の他の一例を示す図解図である。
【図14】(A)はコンテンツ情報の他の一例を示す図解図であり、(B)はコンテンツ情報のその他の一例を示す図解図であり、(C)はコンテンツ情報のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図15】ビデオレコーダのCPU動作の一部を示すフロー図である。
【図16】ビデオレコーダのCPU動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】ビデオレコーダのCPU動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】ビデオレコーダのCPU動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】ビデオレコーダのCPU動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】ビデオレコーダのCPU動作のその他の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0078】
10…コンテンツ記録システム
12a,12b,12c…ビデオレコーダ
14…LAN
30a,30b,30c…CPU
36a,36b,36c…ハードディスク
40,42,44…コンテンツ情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを入力する入力手段、
記録指示を受け付けたとき前記入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録手段、
前記内部記録媒体の空き容量があるか否かを前記第1記録手段による記録と並行して繰り返し判別する第1判別手段、
前記第1判別手段の判別結果が否定的となった後に前記入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録手段、
削除指示を受け付けたとき前記内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除手段、
前記削除手段の削除によって前記内部記録媒体に確保された空き容量が前記超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別手段、および
前記第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき前記超過コンテンツを前記外部記録媒体から前記内部記録媒体に転送する転送手段を備える、コンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記外部記録媒体は複数あり、
複数ある前記外部記録媒体のいずれか1つを前記第2記録手段の記録先として選択する選択手段をさらに備える、請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記選択手段は複数ある前記外部記録媒体のうち最も空き容量が多いものを選択する、請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記選択手段は前記第1判別手段の判別結果が否定的となったとき選択を行う、請求項2または3記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記第1判別手段は前記内部記録媒体の空き容量が第1閾値を上回るとき肯定的な判別結果を示し、
前記第2記録手段は前記内部記録媒体の空き容量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ったとき前記外部記録媒体への記録を開始する、請求項1ないし4のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
コンテンツ記録装置のプロセサによって実行される記録制御プログラムであって、
コンテンツを入力する入力ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記入力ステップによって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記内部記録媒体の空き容量があるか否かを前記第1記録ステップによる記録と並行して繰り返し判別する第1判別ステップ、
前記第1判別ステップの判別結果が否定的となった後に前記入力ステップによって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録ステップ、
削除指示を受け付けたとき前記内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除ステップ、
前記削除ステップの削除によって前記内部記録媒体に確保された空き容量が前記超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別ステップ、および
前記第2判別ステップの判別結果が肯定的であるとき前記超過コンテンツを前記外部記録媒体から前記内部記録媒体に転送する転送ステップを備える、記録制御プログラム。
【請求項1】
コンテンツを入力する入力手段、
記録指示を受け付けたとき前記入力手段によって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録手段、
前記内部記録媒体の空き容量があるか否かを前記第1記録手段による記録と並行して繰り返し判別する第1判別手段、
前記第1判別手段の判別結果が否定的となった後に前記入力手段によって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録手段、
削除指示を受け付けたとき前記内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除手段、
前記削除手段の削除によって前記内部記録媒体に確保された空き容量が前記超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別手段、および
前記第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき前記超過コンテンツを前記外部記録媒体から前記内部記録媒体に転送する転送手段を備える、コンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記外部記録媒体は複数あり、
複数ある前記外部記録媒体のいずれか1つを前記第2記録手段の記録先として選択する選択手段をさらに備える、請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記選択手段は複数ある前記外部記録媒体のうち最も空き容量が多いものを選択する、請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記選択手段は前記第1判別手段の判別結果が否定的となったとき選択を行う、請求項2または3記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記第1判別手段は前記内部記録媒体の空き容量が第1閾値を上回るとき肯定的な判別結果を示し、
前記第2記録手段は前記内部記録媒体の空き容量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ったとき前記外部記録媒体への記録を開始する、請求項1ないし4のいずれかに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
コンテンツ記録装置のプロセサによって実行される記録制御プログラムであって、
コンテンツを入力する入力ステップ、
記録指示を受け付けたとき前記入力ステップによって入力されたコンテンツを内部記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記内部記録媒体の空き容量があるか否かを前記第1記録ステップによる記録と並行して繰り返し判別する第1判別ステップ、
前記第1判別ステップの判別結果が否定的となった後に前記入力ステップによって入力される超過コンテンツを外部記録媒体に記録する第2記録ステップ、
削除指示を受け付けたとき前記内部記録媒体に記録されたコンテンツの一部を削除する削除ステップ、
前記削除ステップの削除によって前記内部記録媒体に確保された空き容量が前記超過コンテンツのサイズ以上であるか否かを判別する第2判別ステップ、および
前記第2判別ステップの判別結果が肯定的であるとき前記超過コンテンツを前記外部記録媒体から前記内部記録媒体に転送する転送ステップを備える、記録制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−40416(P2006−40416A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219496(P2004−219496)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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