コンテンツ販売システム及びプログラム
【課題】 メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末内に無くてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末で決済情報を入力・送信せず、配信サーバで個人情報を管理しないコンテンツ販売システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 モバイル機器10が決済情報を配信サーバ30に送信して暗号化コンテンツ鍵の取得権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20内になくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20で決済情報を入力・送信しなくて済む。配信サーバ30は購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバで個人情報を管理する必要がない。DVDレコーダ20は、モバイル機器10による購入IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディア固有情報を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30に送信できる。
【解決手段】 モバイル機器10が決済情報を配信サーバ30に送信して暗号化コンテンツ鍵の取得権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20内になくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20で決済情報を入力・送信しなくて済む。配信サーバ30は購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバで個人情報を管理する必要がない。DVDレコーダ20は、モバイル機器10による購入IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディア固有情報を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30に送信できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツをネットワーク経由でダウンロード端末が取得する形態のコンテンツ販売システム及びプログラムに係り、特に、モバイル担体、ダウンロード端末及び配信サーバからなるコンテンツ販売システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やインターネットといった通信技術の発展に伴い、コンテンツをネットワーク経由でダウンロード端末に販売する形態のコンテンツ販売システムが用いられてきている。以下、本明細書中では、映画等のDVDパッケージメディアを販売する形態ではなく、DVDレコーダ等を用いて記録型DVDメディア等にダウンロードする販売方式を対象とする。ダウンロードする販売方式では、すでに普及しているDVDパッケージメディアを応用しているため、既存のインフラを利用しやすい、コンテンツの提供者からみて、DVDメディアのコンテンツ保護技術を利用できるなどの利点がある。
【0003】
この種のコンテンツ販売システムを更に改良する場合、本発明者の考察によれば、例えば「コンテンツの著作権保護技術」、「コンテンツ販売」、「DVD/HDDレコーダの遠隔制御」、「携帯電話等を使ったサービス」といった幾つかの関連技術を検討する必要がある。以下、順に説明する。
【0004】
(コンテンツの著作権保護技術)
一般に、著作権保護及び販売に関しては、幾つかの規格や技術がある(例えば非特許文献1参照)。特に、コンテンツのネットワーク販売においては、複数のコンテンツ保護の技術が提案されている。これらの共通点は、コンテンツを暗号化し、コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を販売することである。ここで、コンテンツ鍵は、不正なコピーを防ぐため、購入者側の特定の機器またはメディアでしか利用できない形で販売される。このため、コンテンツ鍵は、購入者側の機器またはメディアの固有識別情報に基づいて、販売者側の配信サーバ等で暗号化されて販売される。
【0005】
(コンテンツ販売)
以上のようなコンテンツ保護の技術では、コンテンツ購入時に機器またはメディアの固有情報をコンテンツ鍵を販売する配信サーバに送信し、配信サーバ上でコンテンツ鍵を暗号化してもらう必要がある。
【0006】
(DVD/HDDレコーダの遠隔制御)
DVD/HDDレコーダなどでは、宅外から携帯電話などを用いてDVD/HDDレコーダにアクセスし、番組の録画予約などを行う機能がある。例えば特許文献1には、携帯電話が番組情報メールを送信し、サービスサーバ、録画予約情報のログを記録した後、録画予約操作情報を送信し、VTR装置が番組録画予約を行なう機能が開示されている。特許文献2,3には、通信端末にバーコードやGコードを入力し、録画再生機器操作装置をコントロールする機能が開示されている。
【0007】
このように携帯電話などから番組の録画予約をする機能を応用することで、DVDレコーダを制御してコンテンツを予めHDDにダウンロードさせておくことは可能である。
【0008】
しかしながら、コンテンツ鍵を取得するには、録画予約機能とは異なり、メディア固有情報を販売サーバに送信する必要があるが、DVDメディアが常にDVDレコーダに挿入されているとは限らない。DVDメディアが挿入されていない場合、メディア固有情報を送信できないため、宅外からの携帯電話による予約販売が不可能となる。
【0009】
(携帯電話等を使ったサービス)
携帯電話等で、クーポンを利用したサービスが知られている。例えば特許文献4には、店舗がクーポンデータを携帯端末に送信し、利用者が携帯端末を店舗に持参してPOSレジスタあるいはクーポン発行機にクーポンデータを無線で送信し、クーポンのサービスを受ける技術が開示されている。特許文献5には、チケットを購入する手段、チケットを識別する識別コードを携帯端末に送信するチケットセンタと、識別コードを表示手段に表示する携帯端末とからなる技術が開示されている。特許文献6には、公開鍵暗号を用いてチケット情報を保護する技術が開示されている。
【0010】
しかしながら、DVDメディアを利用したコンテンツ販売では、DVDメディアの固有情報が必要であるので、上述したクーポンの関連技術をそのままでは利用できない。
【非特許文献1】UDAC−MB(Universal Distribution with Access Control-Media Base)(http://www.keitaide-music.org)
【特許文献1】特開2003−179907号公報
【特許文献2】特開2003−115139号公報
【特許文献3】特開2003−125469号公報
【特許文献4】特開2002−207907号公報
【特許文献5】特開2003−242287号公報
【特許文献6】特開2003−66836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来のコンテンツ販売システムでは、利用者がDVDレコーダにDVDメディアを挿入し、コンテンツを販売する配信サーバにアクセスして、DVDレコーダの操作画面上で操作してコンテンツを購入することが前提となる。
【0012】
本発明者の検討によれば、仮に携帯電話等からコンテンツの権利だけを購入し、後でDVDレコーダにDVDメディアを挿入してコンテンツのダウンロードとコンテンツ鍵の取得を行おうとした場合、以下の問題(1)〜(4)が発生すると考えられる。
【0013】
(1)コンテンツを購入する際、著作権保護の仕組み上、メディア固有情報を配信サーバに送信する必要があり、携帯電話上ではDVDメディアの情報を取得できない。メディア固有情報を配信サーバに送信するのは、コンテンツの再生を特定のDVDメディアのみに許可するため、必要である。既存の著作権保護の仕組みでは、コンテンツは特定のDVDメディアに依存して暗号化されるため、他のDVDメディアにコピーしても再生できないようになっている。
【0014】
(2)DVDメディアの情報を取得するには、利用者がDVDメディアをDVDレコーダに挿入する作業が必要である。仮に、携帯電話からDVDレコーダを遠隔制御し、DVDレコーダ上でコンテンツを購入しようとしても、DVDメディアがDVDレコーダに挿入されているとは限らないため、コンテンツ鍵を取得できるとは限らない。
【0015】
(3)仮に、携帯電話上ではコンテンツの予約のみとし、後でDVDレコーダ上でコンテンツを正式に購入する方式をとると、ユーザからみた場合、通常のDVDレコーダ上でコンテンツを購入する方法と何ら変わりがなく、メリットがない。特に、DVDレコーダは一般にGUIが貧弱であること、家族など複数人が使用することを考えると、DVDレコーダ上で決済情報を入力・送信することは好ましくない。
【0016】
(4)仮に、携帯電話上ではコンテンツの予約のみとし、後でDVDレコーダ上でコンテンツ鍵を取得する方式をとると、コンテンツを販売する事業主からみた場合、誰がどのコンテンツを購入したかという個人情報を配信サーバ上で管理することになり、好ましくない。
【0017】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がないコンテンツ販売システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の発明は、暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、前記配信サーバとしては、前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段と、前記購入IDが前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けて記憶される購入情報記憶手段と、前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記購入情報記憶手段を参照して購入IDを確認する購入ID確認手段と、確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段とを備え、前記ダウンロード端末としては、前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段とを備えたコンテンツ販売システムである。
【0019】
第2の発明は、暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、前記配信サーバとしては、前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、が関連付けて記憶される購入履歴記憶手段と、前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段と、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段と、前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段とを備え、前記ダウンロード端末としては、前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段とを備えたコンテンツ販売システムである。
【0020】
ここで、モバイル担体と、モバイル担体の保持装置とは、一体的な単一装置であってもよく、別々の装置であってもよい。単一装置の場合、モバイル担体の保持装置は、例えば携帯電話であり、モバイル担体は携帯電話内のメモリである。別々の装置の場合、モバイル担体の保持装置は、例えば自宅外に設けられた通信端末であり、モバイル担体は通信端末に着脱可能なメモリ装置である。
【0021】
(作用)
第1の発明は、モバイル担体の保持装置が決済情報を配信サーバに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバは購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。また、ダウンロード端末は、モバイル担体による購入IDの取得後、メディアを保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバに送信できる。
【0022】
第2の発明は、第1の発明と同様に、モバイル担体の保持装置が決済情報を配信サーバに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバは利用者ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報(氏名、住所等)を管理する必要がない。また、ダウンロード端末は、モバイル担体による利用者IDの取得後、メディアを保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバに送信できる。
【0023】
すなわち、第1及び第2の発明は、両者とも、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がないコンテンツ販売システム及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明するが、その前に各実施形態の概要を述べる。各実施形態では、コンテンツ鍵の購入を、権利の取得と、特定のメディアにバインドされたコンテンツ鍵の取得の2段階に分けている。権利の取得と課金はモバイル機器上で行い、例えば購入IDを取得する。後に、DVDレコーダ(ダウンロード端末)では、メディアが挿入されると、購入IDとメディアの固有情報を配信サーバに送信し、バインドされたコンテンツ鍵を取得する。配信サーバは、購入IDが正当で、且つどのメディアにもバインドされていない場合に限り、メディアにバインドされたコンテンツ鍵を生成し、ダウンロード端末に返信する。
【0026】
ここで、第1の実施形態は、購入IDを携帯電話等のモバイル機器に表示させ、DVDレコーダに手入力する。購入IDはメディアにバインドされた時点で消滅する使い捨てのIDでよく、10桁程度の乱数でよい。
【0027】
第2の実施形態は、購入IDの推測を防ぐため、購入IDをパスワードで暗号化する。DVDレコーダに入力する際は、パスワードを手入力する。暗号化された購入IDは、ビット長が長くなる。そこで、入力の手間を省くため、モバイル機器とDVDレコーダで近距離通信を行い、モバイル機器からDVDレコーダに暗号化購入IDを転送する。
【0028】
第3の実施形態は、ポータルにより、購入したコンテンツを選択する。利用者はポータル上でコンテンツを購入し、DVDレコーダからポータルにアクセスして、GUIで購入済みコンテンツを選択する。
【0029】
第4の実施形態は、ポータルを利用する際の、DVDレコーダのユーザ登録に関する。モバイル機器上で、ポータルのユーザ登録をする。次に、DVDレコーダからポータルにアクセスし、DVDレコーダを登録する。この際、モバイル機器とDVDレコーダで近距離通信を行い、モバイル機器の識別情報を送信する。ポータル側でDVDレコーダの機器情報とモバイル機器の識別情報のマッピングを管理する。
【0030】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、外出先等で、携帯電話などのモバイル機器上でコンテンツを購入し、購入IDを取得する。自宅のDVDレコーダ上で購入IDを入力することで、コンテンツ鍵の取得とコンテンツのダウンロード、再生を行う。
【0031】
図1は本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。このシステムは、モバイル機器10、DVDレコーダ20、配信サーバ30から構成される。
【0032】
モバイル機器10は、携帯電話等の、ブラウザ/メール機能11を持つ通常の機器である。コンテンツの権利を購入した際、配信サーバから送信される購入IDを表示する機能12が必要であるが、これはブラウザ/メール機能を用いて実現してもよい。購入ID表示用のアプリケーションであってもよい。
【0033】
DVDレコーダ20は、購入ID入力機能21、暗号化コンテンツ鍵要求機能22、DVDドライブ機能23からなる。実際には、これら機能のほかに、コンテンツをダウンロードする機能、DVDコンテンツを再生する機能が必要となるが、本発明の範囲外であり、説明の簡略化のため、記載を省略する。
【0034】
購入ID入力機能21は、利用者が購入IDを入力する機能である。購入IDは例えば10桁程度の乱数コードなどがありえる。入力方法はリモコンで入力するなどの既存の方法が利用できる。利用者が購入IDを入力すると、本機能21は暗号化コンテンツ鍵要求機能22に対し、購入IDを渡して暗号化コンテンツ鍵の要求命令を出す。
【0035】
暗号化コンテンツ鍵要求機能22は、DVDドライブ機能23を用いてDVDメディア40からメディア固有情報を取得し、購入IDと共に配信サーバ30に暗号化コンテンツ鍵要求を出す。暗号化コンテンツ鍵要求には、少なくとも購入IDとメディア固有情報が含まれる。メディア固有情報は、DVDメディア40の仕様で決められており、例えばDVD−RAMなどのメディアではメディアID、MKBと呼ばれる鍵束情報が相当する。なお、暗号化コンテンツ鍵要求機能22は、暗号化コンテンツ鍵を要求する際に、その他の通信を行う場合がある。例えばDVDドライブ機能23と配信サーバ間での認証用の通信などである。これら機能は、各DVDメディア40の仕様で決められており、既存技術の範疇なので、ここでは詳細を省く。
【0036】
DVDドライブ機能23は、DVDメディア40にアクセスし、必要な情報の読出/書込機能をもつ。
【0037】
配信サーバ30は、携帯向けコンテンツ販売機能31、コンテンツ鍵送信機能32、暗号化コンテンツ鍵生成機能33、購入情報DB34、チケット情報DB35、コンテンツ鍵DB36からなる。
【0038】
携帯向けコンテンツ販売機能31は、モバイル機器10からのアクセスに対し、購入可能なコンテンツの一覧表示やコンテンツの購入、課金・決済機能を持つ。これら機能は既存ECサイトと同様の機能である。携帯向けコンテンツ販売機能31は、通常のECサイトの処理に類似してコンテンツの選択と課金・決済などを済ますと、購入IDを発行し、購入情報DB34に記録する。購入情報DB34は、図2に示すように、購入ID毎にコンテンツID及び購入条件が記述されたテーブルを記憶したメモリであり、購入IDはDB中で一意でなければならない。なお、購入情報DB34は、メモリに限らず、その他の記憶装置でもよく、また、例えば専用線を介して接続されたハードディスクといったように配信サーバ30の外部にあってもよい。このように任意の記憶装置でよく、また配信サーバの外部に配置されてもよい旨は、後述する他のDB35,36,38でも同様である。
【0039】
携帯向けコンテンツ販売機能31は、購入IDを発行すると、モバイル機器10に返信する。返信の仕方は、(a)HTMLの画面として表示する、(b)モバイル機器10上で起動されているアプリケーションに返信し、アプリケーションが画面に表示する、(c)メールとして返信する等、既存の携帯向けサイトで利用されている実現方法でよい。なお、購入情報DB34には購入条件などの情報を記録してもよい。例えば販売なのかレンタルなのか、レンタルであれば何日間視聴可能であるかなどの情報を記録してよい。
【0040】
コンテンツ鍵送信機能32は、DVDレコーダ20から暗号化コンテンツ鍵要求を受け付け、暗号化コンテンツ鍵を返信する。コンテンツ鍵送信機能32はDVDレコーダ20から購入IDを受け取ると、購入情報DB34を検索し、購入IDのエントリが存在することを確認する。エントリが存在しない場合にはエラーを返信する。エントリが存在する場合には、エントリのコンテンツIDを取得し、DVDレコーダ20から受信したメディア固有情報と合わせて暗号化コンテンツ鍵生成機能33に渡し、暗号化されたコンテンツ鍵を受け取る。
【0041】
次にコンテンツ鍵送信機能32は、購入情報DB34の購入IDのエントリを削除し、代わりにチケットを生成してチケット情報DB35にエントリを追加する。チケット情報DB35は、図3に示すように、チケットID毎に、メディアID、コンテンツID、暗号化コンテンツ鍵及び購入条件が記述されたテーブルが記憶されるメモリであるが、これに限らず、少なくともメディアID(メディア固有情報)及びコンテンツIDからなるデータが記憶されればよい。なお、チケットIDと暗号化コンテンツ鍵の列を用いた場合、DVDレコーダ20が暗号化コンテンツ鍵を取得した後、誤って暗号化コンテンツ鍵を削除してしまった際に、DVDレコーダ20はチケットIDを提示することで、発行済みの暗号化コンテンツ鍵を再取得可能となる。
【0042】
コンテンツ鍵送信機能32は、チケット情報を生成すると、チケット情報と暗号化コンテンツ鍵をDVDレコーダ20に返信する。
【0043】
暗号化コンテンツ鍵生成機能33は、コンテンツID、メディア固有情報を受け取り、暗号化したコンテンツ鍵を出力する。コンテンツ鍵の暗号化方法は、DVDメディア40の仕様で決められている。例えば、DVD−RAMなどでは、コンテンツ鍵を暗号化する暗号化鍵を生成する際、メディアIDが利用される。暗号化コンテンツ鍵生成機能33は、コンテンツ鍵DB36から、コンテンツIDをキーとしてコンテンツ鍵を読み出し、所定の暗号化処理を加えて暗号化コンテンツ鍵として出力する。コンテンツ鍵DB36は、図4に示すように、コンテンツID毎にコンテンツ鍵が記述されたテーブルが記憶されるメモリである。
【0044】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
利用者は、外出先で、携帯電話等のモバイル機器10でコンテンツの配信サーバ30のサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する(ST1)。購入の際、配信サーバ30上で課金・決済が完了する(ST2)。
【0046】
配信サーバ30では、購入IDを発行し(ST3)、モバイル機器10上でIDが表示される。購入IDは購入してから暗号化コンテンツ鍵を生成するまでの短時間だけ利用され、不要になると再利用してよい。購入IDは他の者に推測されないだけの長さがあればよく、ユーザ数と購入の頻度によっては、10桁程度の乱数でもよい。IDの表示はHTMLの形でブラウザで表示されてもよいし、専用のアプリケーション上で表示されてもよい。あるいは、配信サーバ30は、課金完了後、購入IDが書かれたメールをモバイル機器10宛に送信してもよい。購入IDの表示は既存のECサイトで行われている方法でよい。
【0047】
利用者は購入IDを取得後(ST4)、自宅に戻り、DVDレコーダ20にDVDメディア40を挿入した後、購入IDを入力する(ST5)。購入IDの入力はDVDレコーダ20のリモコンなどを使用してよく、既存のDVDレコーダ40の入力手段が利用できる。DVDレコーダ20は購入IDを入力されると、DVDメディア40からメディア固有情報を読み込み、購入IDと合わせて配信サーバ30に送信する(ST6)。
【0048】
配信サーバ30では、購入IDの妥当性をチェックした後(ST7)、チケット情報を作成する(ST8)。チケットはメディア固有情報とコンテンツIDのセットの情報である。同時にメディア固有情報を用いてコンテンツ鍵を暗号化し(ST9)、チケット情報と一緒にDVDレコーダ20に返信する。
【0049】
DVDレコーダ20は暗号化コンテンツ鍵を受信すると、DVDメディア40に保存する(ST10)。チケット情報はDVDレコーダ20側で保持しておき、暗号化コンテンツ鍵を誤って削除した場合に再取得するために利用できる。
【0050】
DVDレコーダ20は暗号化コンテンツ鍵をDVDメディア40に保存の後、暗号化コンテンツのダウンロードを開始する(ST11)。ダウンロードと同時に、ダウンロード済みのコンテンツの断片を用いて再生を開始してもよい。この場合、利用者は購入IDを入力後、配信サーバ30との通信時間程度の待ち時間ですぐにコンテンツを再生することができる(ST12)。
【0051】
なお、暗号化コンテンツ鍵を取得した後は、同一購入IDを用いて別のDVDメディア用のコンテンツ鍵を取得することはできない。これは、配信サーバ側でDVDレコーダ20からの購入IDを受け付け、チケット情報を生成すると同時に購入IDのデータを削除することで実現する。
【0052】
上述したように本実施形態によれば、モバイル機器10が決済情報を配信サーバ30に送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバ30は購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。また、DVDレコーダ20は、モバイル機器10による購入IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30に送信できる。
【0053】
すなわち、本実施形態によれば、メディア固有情報を配信サーバ30に送信でき、DVDメディア40がDVDレコーダ20に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ30上で個人情報を管理する必要がない。
【0054】
また、購入者からみた場合、モバイル機器10上で購入を済ませることができるので、欲しいと思ったときにコンテンツ販売サイトにアクセスしてコンテンツを購入することができる。購入IDは10桁程度の乱数であり、DVDレコーダ20上で簡単に入力することができる。
【0055】
コンテンツ販売側からみると、所持している時間が多いモバイル機器10等でコンテンツ購入可能とすることで、販売の機会を増やすことができる。この際、コンテンツ販売のサイトでは、通常のECサイトの機能に加えて10桁程度の購入IDを返信するだけでよいので、既存のECサイトの機能を大幅に変更する必要がない。
【0056】
DVDレコーダ20の開発者にとっては、コンテンツの購入や決済などがモバイル機器10上で行われるため、これらを実現するGUI機能をDVDレコーダ20上に組み込む必要がなく、10桁程度の購入IDを入力するGUIがあれば十分である。例えば、既存のリモコンなどを利用することができ、DVDレコーダ20の開発が容易になる。
【0057】
DVDレコーダ20は、チケット情報を配信サーバ30に提示することで、暗号化コンテンツ鍵を何度でも再取得要求することができる。例えば、DVD−RAMでは、コンテンツ鍵はDVDメディア40の利用者が自由にアクセスできる領域に記録されるため、利用者が誤って削除してしまうことが多いにありうる。ただし、再取得する場合には、最初に暗号化コンテンツ鍵を発行したときに使用したDVDメディア40と同一メディアでなければならない。これは再取得によるDVDコンテンツの不正がコピーを防ぐための条件である。
【0058】
DVDレコーダ20にDVDメディア40を挿入後、すぐにコンテンツを鑑賞できる。権利購入と同時に、DVDレコーダ40を遠隔制御し、コンテンツのダウンロードを開始させることができる。自宅に戻った時点でダウンロードを済ませておけば、暗号化コンテンツ鍵を取得するだけで、すぐにコンテンツを再生することができる。
【0059】
または、DVDメディア40を挿入したのち、暗号化コンテンツのダウンロードと同時に暗号化コンテンツの復号及び再生を開始してもよい。ストリーミングと異なり、ダウンロードしたコンテンツはDVDメディア40に記録されるため、DVDメディア40さえあれば、後で何回でも鑑賞することができる。
【0060】
配信サーバ30は、コンテンツの権利購入時に決済をすませ、購入IDのみを管理するため、個人情報の管理が不要となる。すなわち、メディアにバインドした後は、メディアとコンテンツの関連情報のみで、個人を特定する情報は必要ない。また、機器にバインドする方式と異なり、機器固有の情報も不要である。機器情報は個人を特定できる可能性があり長期にわたって管理するのは好ましくない。
【0061】
DVDレコーダ20としては、課金処理をモバイル機器10の決済機能で実現することで、課金のための仕組みを持つ必要がなくなる。特に、DVDレコーダ20は、ユーザインターフェースが限られていること、利用者が一人でなく、家族全員が利用すること等から、決済を行うのは困難な場合が多い。このため、決済を個人のモバイル機器10で済ませられるのは消費者にとって利点がある。
【0062】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、購入IDが仮に他者に推測された場合、他者に先に暗号化コンテンツ鍵を取得されてしまう可能性がある。暗号化コンテンツ鍵は特定の1枚のメディアにのみ発行可能なため、他者に先に取得されると、自分は取得できなくなってしまう。
【0063】
第2の実施形態は、このような状況を考慮し、購入IDをより安全に交換する方法を述べる。通常、購入IDを推測しにくくする方法としては、IDのデータ長を長くする方式が考えられる。しかし、長いデータ長の購入IDは、DVDレコーダ20のリモコン等で入力する操作が困難になる。そこで、第2の実施形態では、購入IDをパスワードで暗号化し、さらに、暗号化された購入IDをモバイル機器・DVDレコーダ間で近距離通信により転送する。
【0064】
図6は本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは、異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
【0065】
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、購入IDをパスワードで保護する構成である。
【0066】
これに伴い、モバイル機器10cは、前述した購入ID表示機能12に代えて、購入IDの発行を受けるためのパスワードを配信サーバに送信する購入ID送信機能13を備えている。
【0067】
配信サーバ30cは、前述した形態向けコンテンツ販売機能31において、発行した購入IDをパスワードにより暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル機器10cに送信する機能を備えている。
【0068】
DVDレコーダ20cは、前述した購入ID入力機能21に代えて、パスワード入力機能24及び購入ID受信機能25を備えている。
【0069】
パスワード入力機能24は、利用者により手入力されたパスワードを購入ID受信機能に送出するものである。
【0070】
購入ID受信機能25は、モバイル機器10cから暗号化購入IDを受信する機能と、、パスワード入力機能24を介して入力されたパスワードに基づいて、暗号化購入IDを復号する機能と、復号により得られた購入IDを暗号化コンテンツ鍵要求機能22に送出する機能とをもっている。
【0071】
次に、以上のように構成されたコンテンツ販売システムの動作を図7のフローチャートを用いて述べる。
【0072】
利用者は外出先で、携帯電話等のモバイル機器10aでコンテンツの配信サーバ30aのサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する。購入の際、利用者が任意に選んだパスワードをモバイル機器10aで入力し(ST1a)、配信サーバ30aに送信する。購入の際、配信サーバ30a上で課金・決済が完了する(ST2)。配信サーバ30aでは購入情報を購入情報DB34に記録する。購入IDはパスワードを用いて暗号化し、モバイル機器10aに返信する(ST3a)。暗号化の方式は任意の方法でよい。例えば、パスワードのハッシュ値を求め、これを暗号化鍵として購入IDを暗号化し、暗号化購入IDを得る。暗号化購入IDは、暗号化アルゴリズムに対応した長さのブロック長をもつ。購入IDが容易に他者に推測されないようにするには、ブロック長を十分長くすればよい。暗号化購入IDはモバイル機器10aに返信され、モバイル機器10aに保存される(ST4a)。
【0073】
利用者は暗号化購入IDを取得後、自宅に戻り、DVDレコーダ20aとモバイル機器10aとの間で近距離通信を行う。モバイル機器10aの購入ID送信機能13は、DVDレコーダ20aの購入ID受信機能25に対し、暗号化購入IDを送信する。近距離通信は、赤外線通信やブルートゥース、無線LANなどでよい。
【0074】
購入ID受信機能25は、モバイル機器10aから暗号化購入IDを受信すると(ST5a−1)、パスワード入力機能24を用いて利用者にパスワードの入力を求める。パスワード入力機能24は、DVDレコーダ20aの制御画面にパスワードの入力を促すメッセージを表示する。利用者はリモコンなどを用いてパスワードを入力すると(ST5a−2)、パスワード入力機能24は、入力されたパスワードを購入ID受信機能25に返す。
【0075】
購入ID受信機能25は、配信サーバ30a側の暗号化処理と同様に、パスワードから暗号化鍵を生成し、暗号化購入IDを復号し(ST5a−3)、購入IDを得る。
【0076】
以下、第1の実施形態と同様に、購入IDとメディア固有情報を配信サーバ30aに送信し(ST6)、暗号化されたコンテンツ鍵を取得する。
【0077】
上述したように本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、購入IDは暗号化され、暗号アルゴリズムで決まる十分な長さのブロック長のデータとなるため、容易に推測することはできない。また、暗号化された購入IDに加え、パスワードを知らないと正しい購入IDを取得できないため、他者に購入IDを推測または知られる可能性が低い。
【0078】
購入IDはモバイル機器10a・DVDレコーダ20a間の近距離通信で行い、手入力されたパスワードにより復号される。パスワードは例えば4桁程度の乱数であれば、入力の手間を大幅に低減することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
外出先等で、携帯電話などのモバイル機器上でコンテンツを購入すると、個人のポータルサイトに購入したコンテンツの一覧が表示される。自宅のDVDレコーダ上からポータルにアクセスし、再生するコンテンツを選択することで、コンテンツ鍵の取得とコンテンツのダウンロード、再生を行う。
【0080】
図8は本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、モバイル機器10bから電子商取引サイトにアクセスしてコンテンツを購入する形態である。
【0081】
モバイル機器10bは、携帯電話等の、ブラウザ/メール機能11を持つ通常の機器である。通常のECサイトと同様に、配信サーバ30bのコンテンツ販売ポータルサイトにアクセスし、コンテンツの権利の購入、購入済みコンテンツの確認、決済などを行う。
【0082】
DVDレコーダ20bは、購入コンテンツ選択機能26、DVDドライブ機能23からなる。
【0083】
購入コンテンツ選択機能26は、ブラウザと同等の機能をもち、配信サーバ30bのDVDレコーダ向けポータルサイトにアクセスする。アクセスの際、認証を行い、個人向けにカスタマイズされたポータル画面を表示する。認証は、利用者IDで行う。認証の仕組みは、画面上で利用者がID/パスワードを入力してもよいし、DVDレコーダ20bがID/パスワードを記憶していてもよい。既存のネットワーク接続型のDVDレコーダ/HDDレコーダで採用されている方式でよい。画面の表示はDVDレコーダ20bに接続されたTV画面やPCなどでよい。画面表示と入力機能は、DVDレコーダ/HDDレコーダなどですでに採用されている方式でよい。ポータル画面には過去に購入したコンテンツの一覧が表示される。利用者がコンテンツを選択すると、購入コンテンツ選択機能26はDVDドライブ機能23を用いてDVDメディア40からメディア固有情報を取得し、選択したコンテンツのIDと共に配信サーバ30bに暗号化コンテンツ鍵要求を出す。暗号化コンテンツ鍵要求には、ユーザID、コンテンツIDとメディア固有情報が含まれる。
【0084】
DVDドライブ機能23は、DVDメディア40にアクセスし、必要な情報を読み込む/書き込む機能をもつ。
【0085】
配信サーバ30bは、前述した機能31,32及びDB34に代えて、携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37、購入履歴DB38、DVDレコーダ向けコンテンツポータル機能39を有している。
【0086】
携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37は、モバイル機器10bからのアクセスに対し、購入可能なコンテンツの一覧表示やコンテンツの購入、課金・決済機能を持つ。また、購入したコンテンツの一覧を確認できるようにしてよい。モバイル機器10bからポータルにアクセスする際には、個人のID/パスワードを入力して、個人を特定する。なお、個人の認証はモバイル機器10bの携帯電話会社が提供する認証機能を利用してもよく、この場合は、利用者はモバイル機器10b上でID/パスワードを入力する手間を省ける。携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37は、利用者が購入したコンテンツのIDを購入履歴DB38に記録する。
【0087】
購入履歴DB38は、図9に示すように、利用者ID、コンテンツID、状態、チケットIDが記述されたテーブルが記憶されるメモリである。この他に購入条件などの情報を記録してもよい。例えば販売なのかレンタルなのか、レンタルであれば何日間視聴可能であるかなどの情報を記録してよい。状態は、購入時点では“購入済み(暗号化コンテンツ鍵は未発行)”となっており、チケットIDはブランクである。
【0088】
DVDレコーダ向けポータル機能39は、DVDレコーダ20bからのブラウザアクセスに対し、コンテンツ一覧画面を送信し、利用者に再生するコンテンツの選択を促す。このとき、DVDレコーダ向けポータル機能39は、利用者の認証を行う。認証の仕方は通常のECサイトやDVDレコーダ/HDDレコーダ向けサイトと同様の方式が採用できる。DVDレコーダ向けポータル機能39は、認証結果として利用者IDを取得すると、購入履歴DB38を検索し、利用者IDに関連付けられた購入履歴の一覧を取得し、図10に示すコンテンツ選択画面gをDVDレコーダ20bに送信して表示させる。利用者がコンテンツを選択し、メディア固有情報と一緒に選択したコンテンツのIDが送信されると、利用者IDとコンテンツIDをキーとして購入履歴DB38を検索し、状態とチケットIDを調べる。状態が“購入済み”の場合、チケット情報を生成すると同時に、DBの状態を“鍵発行済み”に、チケットIDを生成したチケット情報のIDに書き換え、チケット情報をチケット情報DB35に記録する。
【0089】
次に、暗号化コンテンツ鍵生成機能33が生成した暗号化コンテンツ鍵をDVDレコーダ20bに返信する。状態が“鍵発行済み”の場合は、チケットIDをキーにしてチケット情報DB35を検索し、生成済みのチケット情報を取得する。チケット情報のメディアIDとDVDレコーダ20bから送信されたメディアIDが同一であることを確認した後、チケット情報DB35にキャッシュされている暗号化コンテンツ鍵を返信する。
【0090】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
利用者は外出先で、携帯電話等のモバイル機器10bでコンテンツの配信サーバ30bのサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する(ST21)。購入の際、配信サーバ30b上で課金・決済が完了する(ST22)。配信サーバ30bでは、購入履歴を購入履歴DB38に記録する(ST23)。この際、モバイル機器10b上で購入済みコンテンツの確認をしてもよい。購入済みコンテンツの一覧には新たに購入したコンテンツがリストアップされる。この時点では、コンテンツは“購入済み“の状態となっている。
【0092】
利用者はコンテンツの権利の購入後、自宅に戻り、DVDレコーダ20bにDVDメディア40を挿入した後、DVDレコーダ20bにより、配信サーバ24の個人向けポータルにアクセスする(ST24)。
【0093】
ポータルサイトにはその個人が購入したコンテンツの一覧がリストアップされる。コンテンツによって、“購入済み”の場合と、“鍵発行済み”のどちらかの状態をとる。“鍵発行済み”はすでに特定のDVDメディア用にコンテンツ鍵が発行されている状態で、例えば誤ってコンテンツ鍵を削除してしまった場合に、同一DVDメディアを挿入してこのコンテンツを選択する。“購入済み”の場合は、新しいDVDメディア40を挿入してコンテンツを選択する(ST25)。
【0094】
DVDプレーヤ20bは、DVDメディア40からメディア固有情報を取得し、選択したコンテンツのIDと共に配信サーバに送信する(ST26)。
【0095】
配信サーバ30bでは、選択されたコンテンツについて、“購入済み”であるか、“鍵発行済み”であるかを調べる(ST27)。購入済みの場合は、メディア固有情報を元にチケット情報を生成後(ST28)、購入情報DB34の情報を“鍵発行済み”にする。チケット情報は第1の実施形態と同様にメディア固有情報とコンテンツIDのセットの情報である。配信サーバ30bは、メディア固有情報を用いてコンテンツ鍵を暗号化し(ST29)、チケット情報と一緒にDVDレコーダ20bに返信する。このとき、暗号化コンテンツ鍵は、後の再発行のために、キャッシュしておいてよい。
【0096】
DVDレコーダ20bが暗号化コンテンツ鍵を受信した後のステップST30〜ST32は、第1の実施形態のST10〜ST12と同じである。
【0097】
一方、ステップST27において、“発行済み”の場合は、すでに発行済みのチケット情報を調べ、DVDレコーダ20bから送られたメディア固有情報がチケット情報に記載されたメディア固有情報と一致するかをチェックする(ST33)。一致しない場合には、同一DVDコンテンツを複数のDVDメディアにコピーしてしまうことになるので要求を破棄する。一致する場合には、すでにキャッシュしてある暗号化コンテンツ鍵を返信する(ST34)。
以下、DVDレコーダ20bは、前述同様にステップST30〜ST32を実行する。
【0098】
上述したように本実施形態によれば、モバイル機器10bが決済情報を配信サーバ30bに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20bに保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20b上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバ30bは利用者ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ30b上で氏名、住所、決済情報等を管理する必要がない。また、DVDレコーダ20bは、モバイル機器10bによる利用者IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30bに送信できる。
【0099】
購入者からみた場合、過去に購入したコンテンツの一覧から自由にコンテンツを選んで再生することができる。さらに、一枚のDVDメディア40を上書きして複数のコンテンツをダウンロードし、再生することができる。DVDコンテンツのコピーを記録型DVDメディアにダウンロードするタイプのコンテンツ販売では、利用者はコンテンツの代金のほかにDVDメディア代が別途かかるため、一枚のメディアで複数のコンテンツをダウンロード再生できることはコストメリットがある。
【0100】
なお、本実施形態においては、配信サーバ30b上で利用者IDとコンテンツIDの情報を管理することになる。この場合、利用者IDを特定の個人と結びつかない匿名のIDとしておき、決済で必要な個人情報と直接には結びつかないようにしておけば、配信サーバ側で個人情報を管理するというリスクを回避できる。
【0101】
(第4の実施形態)
第3の実施形態ではモバイル機器からポータルにアクセスする際、およびDVDレコーダからポータルにアクセスする際、利用者の認証が必要である。一般には、モバイル機器でのアクセスは、ID・パスワードをモバイル機器の画面上で入力する仕方の他、モバイル機器の機器識別情報(例えば電話番号など)から、利用者IDにマッピングする方法が取られる。一方、DVDレコーダ側での利用者認証では、利用者のID・パスワードの入力の手間を省くため、同じくDVDレコーダ固有の機器情報(例えばMACアドレスなど)から、利用者IDにマッピングする方法がある。しかし、この場合、利用者は特定のDVDレコーダでしかポータルにアクセスすることができない。例えばモバイル機器でコンテンツを購入した後、友人の自宅のDVDレコーダでダウンロードして一緒に見るということは、この方法では困難である。そこで、第4の実施形態では、DVDレコーダからポータルにアクセスする際、モバイル機器を用いて利用者の認証を行う方法を述べる。
【0102】
図12は本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。図示するように、モバイル機器10cの機器情報送信機能14、DVDレコーダ20cの機器情報受信機能27、およびゲートウェイ50が追加されている。ゲートウェイ50はモバイル機器10c等の通信キャリアの設備で、モバイル機器10cとインターネットを中継するサーバシステムである。ゲートウェイ50は、認証機能51、利用者DB52及び利用者問合せ機能53を備えている。
【0103】
認証機能51は、モバイル機器10cから受けた機器情報(機器ID)を利用者DB52と照合し、利用者IDを取得する機能と、利用者IDを提示して配信サーバ30cへアクセスする機能とをもっている。
【0104】
利用者DB52は、図13に示すように、モバイル機器10cの機器情報と利用者IDとが関連付けて記憶されるメモリである。
【0105】
利用者問合せ機能53は、配信サーバ30cから機器情報を含む利用者問合せを受けると、利用者DB52を参照し、機器情報に関連する利用者IDを配信サーバに返信する機能を持っている。
【0106】
次に、以上のように構成されたコンテンツ販売システムの動作を図14のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
モバイル機器10cからのアクセスは、認証機能51を中継して携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37cに接続される。このとき、ブラウザ/メール機能11は、機器情報送信機能14からモバイル機器10cの機器IDを取得し、ゲートウェイ50の認証機能51に送信する(ST21c−1)。
【0108】
認証機能51は、機器IDを図13に示す如き利用者DB52と照合し、利用者IDを取得する(ST21c−2)。配信サーバ30cへのアクセスは、機器情報ではなく、利用者IDを提示してアクセスする(ST21c−3)。
【0109】
DVDレコーダ20cから配信サーバ30cにアクセスする際には、モバイル機器10cの機器情報送信機能14と、DVDレコーダ20cの機器情報受信機能27の間で近距離通信を行い、機器情報を交換する(ST24c−1)。近距離通信は第2の実施形態に示したいくつかの方法のどれかでよい。機器情報受信機能27は、機器情報を受け取ると(ST24c−2)、購入コンテンツ選択機能26cを用いて、DVDレコーダ向けポータル機能39cにアクセスする。この際、機器情報を提示する(ST24c−4)。
【0110】
DVDレコーダ向けポータル機能39cは、ゲートウェイ50の利用者問合せ機能53に機器情報を送信し(ST24c−4)、利用者IDを受取る(ST24c−5〜6)。
【0111】
この結果、ポータル機能39cは、その利用者IDの購入済みコンテンツの表示画面gをDVDレコーダ20cに送信する(ST24c−7)。後のステップST25〜ST34は、第3の実施形態と同じである。
【0112】
上述したように本実施形態によれば、第3の実施形態の効果に加え、DVDレコーダ20cから配信サーバ30cにアクセスする際に、配信サーバ30cがゲートウェイ50に利用者問合せを行なうので、DVDレコーダ20c側で利用者認証を行なう手間を省略することができる。
【0113】
例えば利用者はDVDレコーダ20cからポータルにアクセスする際、モバイル機器10cを近づけるだけでよく、利用者認証のための操作を必要としない。また、特定のDVDレコーダ20cに限定されず、他の者の同等の機能をもつDVDレコーダ20cからでも個人のポータルにアクセスすることができる。
【0114】
なお、上記各実施形態は、携帯電話等のモバイル機器を用いた場合を説明したが、これに限らず、モバイル機器に代えて、携帯可能なメモリ装置(例、SDカード等)と、メモリ装置を着脱自在に保持する通信端末とからなる構成としてもよい。具体的には、駅などに通信端末を設け、メモリ装置を通信端末に保持させた状態で、利用者が通信端末の操作により配信サーバ30,30a〜30cにアクセスして決済処理を実行するように変形しても良い。決済処理の後、利用者はメモリ装置を自宅に持ち帰り、メモリ装置内の購入IDなどをDVDプレーヤ20,30a〜30cに入力すれば良い。 また、上記各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0115】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0116】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0117】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0118】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0119】
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0120】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0121】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態における購入情報DBの構成を示す模式図である。
【図3】同実施形態におけるチケット情報DBの構成を示す模式図である。
【図4】同実施形態におけるコンテンツ鍵DBの構成を示す模式図である。
【図5】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図7】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図9】同実施形態における購入履歴DBの構成を示す模式図である。
【図10】同実施形態におけるコンテンツ選択画面の構成を示す模式図である。
【図11】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図13】同実施形態における利用者DBの構成を示す模式図である。
【図14】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
10,10a〜10c…モバイル機器、11…ブラウザ/メール機能、12…購入ID表示機能、13…購入ID送信機能、14…機器情報送信機能、20,20a〜20c…DVDレコーダ、21…購入ID入力機能、22…暗号化コンテンツ鍵要求機能、23…DVDドライブ機能、24…パスワード入力機能、25…購入ID受信機能、26…購入コンテンツ選択機能、27…機器情報受信機能、30,30a〜30c…配信サーバ、31,31a…携帯向けコンテンツ販売機能、32…コンテンツ鍵送信機能、33…暗号化コンテンツ鍵生成機能、34…購入情報DB、35…チケット情報DB、36…コンテンツ鍵DB、37,37c…携帯向けコンテンツ販売ポータル機能、38…購入履歴DB、39,39c…DVDレコーダ向けポータル機能、40…DVDメディア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツをネットワーク経由でダウンロード端末が取得する形態のコンテンツ販売システム及びプログラムに係り、特に、モバイル担体、ダウンロード端末及び配信サーバからなるコンテンツ販売システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やインターネットといった通信技術の発展に伴い、コンテンツをネットワーク経由でダウンロード端末に販売する形態のコンテンツ販売システムが用いられてきている。以下、本明細書中では、映画等のDVDパッケージメディアを販売する形態ではなく、DVDレコーダ等を用いて記録型DVDメディア等にダウンロードする販売方式を対象とする。ダウンロードする販売方式では、すでに普及しているDVDパッケージメディアを応用しているため、既存のインフラを利用しやすい、コンテンツの提供者からみて、DVDメディアのコンテンツ保護技術を利用できるなどの利点がある。
【0003】
この種のコンテンツ販売システムを更に改良する場合、本発明者の考察によれば、例えば「コンテンツの著作権保護技術」、「コンテンツ販売」、「DVD/HDDレコーダの遠隔制御」、「携帯電話等を使ったサービス」といった幾つかの関連技術を検討する必要がある。以下、順に説明する。
【0004】
(コンテンツの著作権保護技術)
一般に、著作権保護及び販売に関しては、幾つかの規格や技術がある(例えば非特許文献1参照)。特に、コンテンツのネットワーク販売においては、複数のコンテンツ保護の技術が提案されている。これらの共通点は、コンテンツを暗号化し、コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を販売することである。ここで、コンテンツ鍵は、不正なコピーを防ぐため、購入者側の特定の機器またはメディアでしか利用できない形で販売される。このため、コンテンツ鍵は、購入者側の機器またはメディアの固有識別情報に基づいて、販売者側の配信サーバ等で暗号化されて販売される。
【0005】
(コンテンツ販売)
以上のようなコンテンツ保護の技術では、コンテンツ購入時に機器またはメディアの固有情報をコンテンツ鍵を販売する配信サーバに送信し、配信サーバ上でコンテンツ鍵を暗号化してもらう必要がある。
【0006】
(DVD/HDDレコーダの遠隔制御)
DVD/HDDレコーダなどでは、宅外から携帯電話などを用いてDVD/HDDレコーダにアクセスし、番組の録画予約などを行う機能がある。例えば特許文献1には、携帯電話が番組情報メールを送信し、サービスサーバ、録画予約情報のログを記録した後、録画予約操作情報を送信し、VTR装置が番組録画予約を行なう機能が開示されている。特許文献2,3には、通信端末にバーコードやGコードを入力し、録画再生機器操作装置をコントロールする機能が開示されている。
【0007】
このように携帯電話などから番組の録画予約をする機能を応用することで、DVDレコーダを制御してコンテンツを予めHDDにダウンロードさせておくことは可能である。
【0008】
しかしながら、コンテンツ鍵を取得するには、録画予約機能とは異なり、メディア固有情報を販売サーバに送信する必要があるが、DVDメディアが常にDVDレコーダに挿入されているとは限らない。DVDメディアが挿入されていない場合、メディア固有情報を送信できないため、宅外からの携帯電話による予約販売が不可能となる。
【0009】
(携帯電話等を使ったサービス)
携帯電話等で、クーポンを利用したサービスが知られている。例えば特許文献4には、店舗がクーポンデータを携帯端末に送信し、利用者が携帯端末を店舗に持参してPOSレジスタあるいはクーポン発行機にクーポンデータを無線で送信し、クーポンのサービスを受ける技術が開示されている。特許文献5には、チケットを購入する手段、チケットを識別する識別コードを携帯端末に送信するチケットセンタと、識別コードを表示手段に表示する携帯端末とからなる技術が開示されている。特許文献6には、公開鍵暗号を用いてチケット情報を保護する技術が開示されている。
【0010】
しかしながら、DVDメディアを利用したコンテンツ販売では、DVDメディアの固有情報が必要であるので、上述したクーポンの関連技術をそのままでは利用できない。
【非特許文献1】UDAC−MB(Universal Distribution with Access Control-Media Base)(http://www.keitaide-music.org)
【特許文献1】特開2003−179907号公報
【特許文献2】特開2003−115139号公報
【特許文献3】特開2003−125469号公報
【特許文献4】特開2002−207907号公報
【特許文献5】特開2003−242287号公報
【特許文献6】特開2003−66836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来のコンテンツ販売システムでは、利用者がDVDレコーダにDVDメディアを挿入し、コンテンツを販売する配信サーバにアクセスして、DVDレコーダの操作画面上で操作してコンテンツを購入することが前提となる。
【0012】
本発明者の検討によれば、仮に携帯電話等からコンテンツの権利だけを購入し、後でDVDレコーダにDVDメディアを挿入してコンテンツのダウンロードとコンテンツ鍵の取得を行おうとした場合、以下の問題(1)〜(4)が発生すると考えられる。
【0013】
(1)コンテンツを購入する際、著作権保護の仕組み上、メディア固有情報を配信サーバに送信する必要があり、携帯電話上ではDVDメディアの情報を取得できない。メディア固有情報を配信サーバに送信するのは、コンテンツの再生を特定のDVDメディアのみに許可するため、必要である。既存の著作権保護の仕組みでは、コンテンツは特定のDVDメディアに依存して暗号化されるため、他のDVDメディアにコピーしても再生できないようになっている。
【0014】
(2)DVDメディアの情報を取得するには、利用者がDVDメディアをDVDレコーダに挿入する作業が必要である。仮に、携帯電話からDVDレコーダを遠隔制御し、DVDレコーダ上でコンテンツを購入しようとしても、DVDメディアがDVDレコーダに挿入されているとは限らないため、コンテンツ鍵を取得できるとは限らない。
【0015】
(3)仮に、携帯電話上ではコンテンツの予約のみとし、後でDVDレコーダ上でコンテンツを正式に購入する方式をとると、ユーザからみた場合、通常のDVDレコーダ上でコンテンツを購入する方法と何ら変わりがなく、メリットがない。特に、DVDレコーダは一般にGUIが貧弱であること、家族など複数人が使用することを考えると、DVDレコーダ上で決済情報を入力・送信することは好ましくない。
【0016】
(4)仮に、携帯電話上ではコンテンツの予約のみとし、後でDVDレコーダ上でコンテンツ鍵を取得する方式をとると、コンテンツを販売する事業主からみた場合、誰がどのコンテンツを購入したかという個人情報を配信サーバ上で管理することになり、好ましくない。
【0017】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がないコンテンツ販売システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の発明は、暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、前記配信サーバとしては、前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段と、前記購入IDが前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けて記憶される購入情報記憶手段と、前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記購入情報記憶手段を参照して購入IDを確認する購入ID確認手段と、確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段とを備え、前記ダウンロード端末としては、前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段とを備えたコンテンツ販売システムである。
【0019】
第2の発明は、暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、前記配信サーバとしては、前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、が関連付けて記憶される購入履歴記憶手段と、前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段と、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段と、前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段とを備え、前記ダウンロード端末としては、前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段とを備えたコンテンツ販売システムである。
【0020】
ここで、モバイル担体と、モバイル担体の保持装置とは、一体的な単一装置であってもよく、別々の装置であってもよい。単一装置の場合、モバイル担体の保持装置は、例えば携帯電話であり、モバイル担体は携帯電話内のメモリである。別々の装置の場合、モバイル担体の保持装置は、例えば自宅外に設けられた通信端末であり、モバイル担体は通信端末に着脱可能なメモリ装置である。
【0021】
(作用)
第1の発明は、モバイル担体の保持装置が決済情報を配信サーバに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバは購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。また、ダウンロード端末は、モバイル担体による購入IDの取得後、メディアを保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバに送信できる。
【0022】
第2の発明は、第1の発明と同様に、モバイル担体の保持装置が決済情報を配信サーバに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバは利用者ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報(氏名、住所等)を管理する必要がない。また、ダウンロード端末は、モバイル担体による利用者IDの取得後、メディアを保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバに送信できる。
【0023】
すなわち、第1及び第2の発明は、両者とも、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、メディア固有情報を配信サーバに送信でき、メディアがダウンロード端末に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、ダウンロード端末上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がないコンテンツ販売システム及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明するが、その前に各実施形態の概要を述べる。各実施形態では、コンテンツ鍵の購入を、権利の取得と、特定のメディアにバインドされたコンテンツ鍵の取得の2段階に分けている。権利の取得と課金はモバイル機器上で行い、例えば購入IDを取得する。後に、DVDレコーダ(ダウンロード端末)では、メディアが挿入されると、購入IDとメディアの固有情報を配信サーバに送信し、バインドされたコンテンツ鍵を取得する。配信サーバは、購入IDが正当で、且つどのメディアにもバインドされていない場合に限り、メディアにバインドされたコンテンツ鍵を生成し、ダウンロード端末に返信する。
【0026】
ここで、第1の実施形態は、購入IDを携帯電話等のモバイル機器に表示させ、DVDレコーダに手入力する。購入IDはメディアにバインドされた時点で消滅する使い捨てのIDでよく、10桁程度の乱数でよい。
【0027】
第2の実施形態は、購入IDの推測を防ぐため、購入IDをパスワードで暗号化する。DVDレコーダに入力する際は、パスワードを手入力する。暗号化された購入IDは、ビット長が長くなる。そこで、入力の手間を省くため、モバイル機器とDVDレコーダで近距離通信を行い、モバイル機器からDVDレコーダに暗号化購入IDを転送する。
【0028】
第3の実施形態は、ポータルにより、購入したコンテンツを選択する。利用者はポータル上でコンテンツを購入し、DVDレコーダからポータルにアクセスして、GUIで購入済みコンテンツを選択する。
【0029】
第4の実施形態は、ポータルを利用する際の、DVDレコーダのユーザ登録に関する。モバイル機器上で、ポータルのユーザ登録をする。次に、DVDレコーダからポータルにアクセスし、DVDレコーダを登録する。この際、モバイル機器とDVDレコーダで近距離通信を行い、モバイル機器の識別情報を送信する。ポータル側でDVDレコーダの機器情報とモバイル機器の識別情報のマッピングを管理する。
【0030】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、外出先等で、携帯電話などのモバイル機器上でコンテンツを購入し、購入IDを取得する。自宅のDVDレコーダ上で購入IDを入力することで、コンテンツ鍵の取得とコンテンツのダウンロード、再生を行う。
【0031】
図1は本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。このシステムは、モバイル機器10、DVDレコーダ20、配信サーバ30から構成される。
【0032】
モバイル機器10は、携帯電話等の、ブラウザ/メール機能11を持つ通常の機器である。コンテンツの権利を購入した際、配信サーバから送信される購入IDを表示する機能12が必要であるが、これはブラウザ/メール機能を用いて実現してもよい。購入ID表示用のアプリケーションであってもよい。
【0033】
DVDレコーダ20は、購入ID入力機能21、暗号化コンテンツ鍵要求機能22、DVDドライブ機能23からなる。実際には、これら機能のほかに、コンテンツをダウンロードする機能、DVDコンテンツを再生する機能が必要となるが、本発明の範囲外であり、説明の簡略化のため、記載を省略する。
【0034】
購入ID入力機能21は、利用者が購入IDを入力する機能である。購入IDは例えば10桁程度の乱数コードなどがありえる。入力方法はリモコンで入力するなどの既存の方法が利用できる。利用者が購入IDを入力すると、本機能21は暗号化コンテンツ鍵要求機能22に対し、購入IDを渡して暗号化コンテンツ鍵の要求命令を出す。
【0035】
暗号化コンテンツ鍵要求機能22は、DVDドライブ機能23を用いてDVDメディア40からメディア固有情報を取得し、購入IDと共に配信サーバ30に暗号化コンテンツ鍵要求を出す。暗号化コンテンツ鍵要求には、少なくとも購入IDとメディア固有情報が含まれる。メディア固有情報は、DVDメディア40の仕様で決められており、例えばDVD−RAMなどのメディアではメディアID、MKBと呼ばれる鍵束情報が相当する。なお、暗号化コンテンツ鍵要求機能22は、暗号化コンテンツ鍵を要求する際に、その他の通信を行う場合がある。例えばDVDドライブ機能23と配信サーバ間での認証用の通信などである。これら機能は、各DVDメディア40の仕様で決められており、既存技術の範疇なので、ここでは詳細を省く。
【0036】
DVDドライブ機能23は、DVDメディア40にアクセスし、必要な情報の読出/書込機能をもつ。
【0037】
配信サーバ30は、携帯向けコンテンツ販売機能31、コンテンツ鍵送信機能32、暗号化コンテンツ鍵生成機能33、購入情報DB34、チケット情報DB35、コンテンツ鍵DB36からなる。
【0038】
携帯向けコンテンツ販売機能31は、モバイル機器10からのアクセスに対し、購入可能なコンテンツの一覧表示やコンテンツの購入、課金・決済機能を持つ。これら機能は既存ECサイトと同様の機能である。携帯向けコンテンツ販売機能31は、通常のECサイトの処理に類似してコンテンツの選択と課金・決済などを済ますと、購入IDを発行し、購入情報DB34に記録する。購入情報DB34は、図2に示すように、購入ID毎にコンテンツID及び購入条件が記述されたテーブルを記憶したメモリであり、購入IDはDB中で一意でなければならない。なお、購入情報DB34は、メモリに限らず、その他の記憶装置でもよく、また、例えば専用線を介して接続されたハードディスクといったように配信サーバ30の外部にあってもよい。このように任意の記憶装置でよく、また配信サーバの外部に配置されてもよい旨は、後述する他のDB35,36,38でも同様である。
【0039】
携帯向けコンテンツ販売機能31は、購入IDを発行すると、モバイル機器10に返信する。返信の仕方は、(a)HTMLの画面として表示する、(b)モバイル機器10上で起動されているアプリケーションに返信し、アプリケーションが画面に表示する、(c)メールとして返信する等、既存の携帯向けサイトで利用されている実現方法でよい。なお、購入情報DB34には購入条件などの情報を記録してもよい。例えば販売なのかレンタルなのか、レンタルであれば何日間視聴可能であるかなどの情報を記録してよい。
【0040】
コンテンツ鍵送信機能32は、DVDレコーダ20から暗号化コンテンツ鍵要求を受け付け、暗号化コンテンツ鍵を返信する。コンテンツ鍵送信機能32はDVDレコーダ20から購入IDを受け取ると、購入情報DB34を検索し、購入IDのエントリが存在することを確認する。エントリが存在しない場合にはエラーを返信する。エントリが存在する場合には、エントリのコンテンツIDを取得し、DVDレコーダ20から受信したメディア固有情報と合わせて暗号化コンテンツ鍵生成機能33に渡し、暗号化されたコンテンツ鍵を受け取る。
【0041】
次にコンテンツ鍵送信機能32は、購入情報DB34の購入IDのエントリを削除し、代わりにチケットを生成してチケット情報DB35にエントリを追加する。チケット情報DB35は、図3に示すように、チケットID毎に、メディアID、コンテンツID、暗号化コンテンツ鍵及び購入条件が記述されたテーブルが記憶されるメモリであるが、これに限らず、少なくともメディアID(メディア固有情報)及びコンテンツIDからなるデータが記憶されればよい。なお、チケットIDと暗号化コンテンツ鍵の列を用いた場合、DVDレコーダ20が暗号化コンテンツ鍵を取得した後、誤って暗号化コンテンツ鍵を削除してしまった際に、DVDレコーダ20はチケットIDを提示することで、発行済みの暗号化コンテンツ鍵を再取得可能となる。
【0042】
コンテンツ鍵送信機能32は、チケット情報を生成すると、チケット情報と暗号化コンテンツ鍵をDVDレコーダ20に返信する。
【0043】
暗号化コンテンツ鍵生成機能33は、コンテンツID、メディア固有情報を受け取り、暗号化したコンテンツ鍵を出力する。コンテンツ鍵の暗号化方法は、DVDメディア40の仕様で決められている。例えば、DVD−RAMなどでは、コンテンツ鍵を暗号化する暗号化鍵を生成する際、メディアIDが利用される。暗号化コンテンツ鍵生成機能33は、コンテンツ鍵DB36から、コンテンツIDをキーとしてコンテンツ鍵を読み出し、所定の暗号化処理を加えて暗号化コンテンツ鍵として出力する。コンテンツ鍵DB36は、図4に示すように、コンテンツID毎にコンテンツ鍵が記述されたテーブルが記憶されるメモリである。
【0044】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
利用者は、外出先で、携帯電話等のモバイル機器10でコンテンツの配信サーバ30のサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する(ST1)。購入の際、配信サーバ30上で課金・決済が完了する(ST2)。
【0046】
配信サーバ30では、購入IDを発行し(ST3)、モバイル機器10上でIDが表示される。購入IDは購入してから暗号化コンテンツ鍵を生成するまでの短時間だけ利用され、不要になると再利用してよい。購入IDは他の者に推測されないだけの長さがあればよく、ユーザ数と購入の頻度によっては、10桁程度の乱数でもよい。IDの表示はHTMLの形でブラウザで表示されてもよいし、専用のアプリケーション上で表示されてもよい。あるいは、配信サーバ30は、課金完了後、購入IDが書かれたメールをモバイル機器10宛に送信してもよい。購入IDの表示は既存のECサイトで行われている方法でよい。
【0047】
利用者は購入IDを取得後(ST4)、自宅に戻り、DVDレコーダ20にDVDメディア40を挿入した後、購入IDを入力する(ST5)。購入IDの入力はDVDレコーダ20のリモコンなどを使用してよく、既存のDVDレコーダ40の入力手段が利用できる。DVDレコーダ20は購入IDを入力されると、DVDメディア40からメディア固有情報を読み込み、購入IDと合わせて配信サーバ30に送信する(ST6)。
【0048】
配信サーバ30では、購入IDの妥当性をチェックした後(ST7)、チケット情報を作成する(ST8)。チケットはメディア固有情報とコンテンツIDのセットの情報である。同時にメディア固有情報を用いてコンテンツ鍵を暗号化し(ST9)、チケット情報と一緒にDVDレコーダ20に返信する。
【0049】
DVDレコーダ20は暗号化コンテンツ鍵を受信すると、DVDメディア40に保存する(ST10)。チケット情報はDVDレコーダ20側で保持しておき、暗号化コンテンツ鍵を誤って削除した場合に再取得するために利用できる。
【0050】
DVDレコーダ20は暗号化コンテンツ鍵をDVDメディア40に保存の後、暗号化コンテンツのダウンロードを開始する(ST11)。ダウンロードと同時に、ダウンロード済みのコンテンツの断片を用いて再生を開始してもよい。この場合、利用者は購入IDを入力後、配信サーバ30との通信時間程度の待ち時間ですぐにコンテンツを再生することができる(ST12)。
【0051】
なお、暗号化コンテンツ鍵を取得した後は、同一購入IDを用いて別のDVDメディア用のコンテンツ鍵を取得することはできない。これは、配信サーバ側でDVDレコーダ20からの購入IDを受け付け、チケット情報を生成すると同時に購入IDのデータを削除することで実現する。
【0052】
上述したように本実施形態によれば、モバイル機器10が決済情報を配信サーバ30に送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバ30は購入ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ上で個人情報を管理する必要がない。また、DVDレコーダ20は、モバイル機器10による購入IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30に送信できる。
【0053】
すなわち、本実施形態によれば、メディア固有情報を配信サーバ30に送信でき、DVDメディア40がDVDレコーダ20に保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20上で決済情報を入力・送信せず、配信サーバ30上で個人情報を管理する必要がない。
【0054】
また、購入者からみた場合、モバイル機器10上で購入を済ませることができるので、欲しいと思ったときにコンテンツ販売サイトにアクセスしてコンテンツを購入することができる。購入IDは10桁程度の乱数であり、DVDレコーダ20上で簡単に入力することができる。
【0055】
コンテンツ販売側からみると、所持している時間が多いモバイル機器10等でコンテンツ購入可能とすることで、販売の機会を増やすことができる。この際、コンテンツ販売のサイトでは、通常のECサイトの機能に加えて10桁程度の購入IDを返信するだけでよいので、既存のECサイトの機能を大幅に変更する必要がない。
【0056】
DVDレコーダ20の開発者にとっては、コンテンツの購入や決済などがモバイル機器10上で行われるため、これらを実現するGUI機能をDVDレコーダ20上に組み込む必要がなく、10桁程度の購入IDを入力するGUIがあれば十分である。例えば、既存のリモコンなどを利用することができ、DVDレコーダ20の開発が容易になる。
【0057】
DVDレコーダ20は、チケット情報を配信サーバ30に提示することで、暗号化コンテンツ鍵を何度でも再取得要求することができる。例えば、DVD−RAMでは、コンテンツ鍵はDVDメディア40の利用者が自由にアクセスできる領域に記録されるため、利用者が誤って削除してしまうことが多いにありうる。ただし、再取得する場合には、最初に暗号化コンテンツ鍵を発行したときに使用したDVDメディア40と同一メディアでなければならない。これは再取得によるDVDコンテンツの不正がコピーを防ぐための条件である。
【0058】
DVDレコーダ20にDVDメディア40を挿入後、すぐにコンテンツを鑑賞できる。権利購入と同時に、DVDレコーダ40を遠隔制御し、コンテンツのダウンロードを開始させることができる。自宅に戻った時点でダウンロードを済ませておけば、暗号化コンテンツ鍵を取得するだけで、すぐにコンテンツを再生することができる。
【0059】
または、DVDメディア40を挿入したのち、暗号化コンテンツのダウンロードと同時に暗号化コンテンツの復号及び再生を開始してもよい。ストリーミングと異なり、ダウンロードしたコンテンツはDVDメディア40に記録されるため、DVDメディア40さえあれば、後で何回でも鑑賞することができる。
【0060】
配信サーバ30は、コンテンツの権利購入時に決済をすませ、購入IDのみを管理するため、個人情報の管理が不要となる。すなわち、メディアにバインドした後は、メディアとコンテンツの関連情報のみで、個人を特定する情報は必要ない。また、機器にバインドする方式と異なり、機器固有の情報も不要である。機器情報は個人を特定できる可能性があり長期にわたって管理するのは好ましくない。
【0061】
DVDレコーダ20としては、課金処理をモバイル機器10の決済機能で実現することで、課金のための仕組みを持つ必要がなくなる。特に、DVDレコーダ20は、ユーザインターフェースが限られていること、利用者が一人でなく、家族全員が利用すること等から、決済を行うのは困難な場合が多い。このため、決済を個人のモバイル機器10で済ませられるのは消費者にとって利点がある。
【0062】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、購入IDが仮に他者に推測された場合、他者に先に暗号化コンテンツ鍵を取得されてしまう可能性がある。暗号化コンテンツ鍵は特定の1枚のメディアにのみ発行可能なため、他者に先に取得されると、自分は取得できなくなってしまう。
【0063】
第2の実施形態は、このような状況を考慮し、購入IDをより安全に交換する方法を述べる。通常、購入IDを推測しにくくする方法としては、IDのデータ長を長くする方式が考えられる。しかし、長いデータ長の購入IDは、DVDレコーダ20のリモコン等で入力する操作が困難になる。そこで、第2の実施形態では、購入IDをパスワードで暗号化し、さらに、暗号化された購入IDをモバイル機器・DVDレコーダ間で近距離通信により転送する。
【0064】
図6は本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは、異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
【0065】
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、購入IDをパスワードで保護する構成である。
【0066】
これに伴い、モバイル機器10cは、前述した購入ID表示機能12に代えて、購入IDの発行を受けるためのパスワードを配信サーバに送信する購入ID送信機能13を備えている。
【0067】
配信サーバ30cは、前述した形態向けコンテンツ販売機能31において、発行した購入IDをパスワードにより暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル機器10cに送信する機能を備えている。
【0068】
DVDレコーダ20cは、前述した購入ID入力機能21に代えて、パスワード入力機能24及び購入ID受信機能25を備えている。
【0069】
パスワード入力機能24は、利用者により手入力されたパスワードを購入ID受信機能に送出するものである。
【0070】
購入ID受信機能25は、モバイル機器10cから暗号化購入IDを受信する機能と、、パスワード入力機能24を介して入力されたパスワードに基づいて、暗号化購入IDを復号する機能と、復号により得られた購入IDを暗号化コンテンツ鍵要求機能22に送出する機能とをもっている。
【0071】
次に、以上のように構成されたコンテンツ販売システムの動作を図7のフローチャートを用いて述べる。
【0072】
利用者は外出先で、携帯電話等のモバイル機器10aでコンテンツの配信サーバ30aのサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する。購入の際、利用者が任意に選んだパスワードをモバイル機器10aで入力し(ST1a)、配信サーバ30aに送信する。購入の際、配信サーバ30a上で課金・決済が完了する(ST2)。配信サーバ30aでは購入情報を購入情報DB34に記録する。購入IDはパスワードを用いて暗号化し、モバイル機器10aに返信する(ST3a)。暗号化の方式は任意の方法でよい。例えば、パスワードのハッシュ値を求め、これを暗号化鍵として購入IDを暗号化し、暗号化購入IDを得る。暗号化購入IDは、暗号化アルゴリズムに対応した長さのブロック長をもつ。購入IDが容易に他者に推測されないようにするには、ブロック長を十分長くすればよい。暗号化購入IDはモバイル機器10aに返信され、モバイル機器10aに保存される(ST4a)。
【0073】
利用者は暗号化購入IDを取得後、自宅に戻り、DVDレコーダ20aとモバイル機器10aとの間で近距離通信を行う。モバイル機器10aの購入ID送信機能13は、DVDレコーダ20aの購入ID受信機能25に対し、暗号化購入IDを送信する。近距離通信は、赤外線通信やブルートゥース、無線LANなどでよい。
【0074】
購入ID受信機能25は、モバイル機器10aから暗号化購入IDを受信すると(ST5a−1)、パスワード入力機能24を用いて利用者にパスワードの入力を求める。パスワード入力機能24は、DVDレコーダ20aの制御画面にパスワードの入力を促すメッセージを表示する。利用者はリモコンなどを用いてパスワードを入力すると(ST5a−2)、パスワード入力機能24は、入力されたパスワードを購入ID受信機能25に返す。
【0075】
購入ID受信機能25は、配信サーバ30a側の暗号化処理と同様に、パスワードから暗号化鍵を生成し、暗号化購入IDを復号し(ST5a−3)、購入IDを得る。
【0076】
以下、第1の実施形態と同様に、購入IDとメディア固有情報を配信サーバ30aに送信し(ST6)、暗号化されたコンテンツ鍵を取得する。
【0077】
上述したように本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、購入IDは暗号化され、暗号アルゴリズムで決まる十分な長さのブロック長のデータとなるため、容易に推測することはできない。また、暗号化された購入IDに加え、パスワードを知らないと正しい購入IDを取得できないため、他者に購入IDを推測または知られる可能性が低い。
【0078】
購入IDはモバイル機器10a・DVDレコーダ20a間の近距離通信で行い、手入力されたパスワードにより復号される。パスワードは例えば4桁程度の乱数であれば、入力の手間を大幅に低減することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
外出先等で、携帯電話などのモバイル機器上でコンテンツを購入すると、個人のポータルサイトに購入したコンテンツの一覧が表示される。自宅のDVDレコーダ上からポータルにアクセスし、再生するコンテンツを選択することで、コンテンツ鍵の取得とコンテンツのダウンロード、再生を行う。
【0080】
図8は本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、モバイル機器10bから電子商取引サイトにアクセスしてコンテンツを購入する形態である。
【0081】
モバイル機器10bは、携帯電話等の、ブラウザ/メール機能11を持つ通常の機器である。通常のECサイトと同様に、配信サーバ30bのコンテンツ販売ポータルサイトにアクセスし、コンテンツの権利の購入、購入済みコンテンツの確認、決済などを行う。
【0082】
DVDレコーダ20bは、購入コンテンツ選択機能26、DVDドライブ機能23からなる。
【0083】
購入コンテンツ選択機能26は、ブラウザと同等の機能をもち、配信サーバ30bのDVDレコーダ向けポータルサイトにアクセスする。アクセスの際、認証を行い、個人向けにカスタマイズされたポータル画面を表示する。認証は、利用者IDで行う。認証の仕組みは、画面上で利用者がID/パスワードを入力してもよいし、DVDレコーダ20bがID/パスワードを記憶していてもよい。既存のネットワーク接続型のDVDレコーダ/HDDレコーダで採用されている方式でよい。画面の表示はDVDレコーダ20bに接続されたTV画面やPCなどでよい。画面表示と入力機能は、DVDレコーダ/HDDレコーダなどですでに採用されている方式でよい。ポータル画面には過去に購入したコンテンツの一覧が表示される。利用者がコンテンツを選択すると、購入コンテンツ選択機能26はDVDドライブ機能23を用いてDVDメディア40からメディア固有情報を取得し、選択したコンテンツのIDと共に配信サーバ30bに暗号化コンテンツ鍵要求を出す。暗号化コンテンツ鍵要求には、ユーザID、コンテンツIDとメディア固有情報が含まれる。
【0084】
DVDドライブ機能23は、DVDメディア40にアクセスし、必要な情報を読み込む/書き込む機能をもつ。
【0085】
配信サーバ30bは、前述した機能31,32及びDB34に代えて、携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37、購入履歴DB38、DVDレコーダ向けコンテンツポータル機能39を有している。
【0086】
携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37は、モバイル機器10bからのアクセスに対し、購入可能なコンテンツの一覧表示やコンテンツの購入、課金・決済機能を持つ。また、購入したコンテンツの一覧を確認できるようにしてよい。モバイル機器10bからポータルにアクセスする際には、個人のID/パスワードを入力して、個人を特定する。なお、個人の認証はモバイル機器10bの携帯電話会社が提供する認証機能を利用してもよく、この場合は、利用者はモバイル機器10b上でID/パスワードを入力する手間を省ける。携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37は、利用者が購入したコンテンツのIDを購入履歴DB38に記録する。
【0087】
購入履歴DB38は、図9に示すように、利用者ID、コンテンツID、状態、チケットIDが記述されたテーブルが記憶されるメモリである。この他に購入条件などの情報を記録してもよい。例えば販売なのかレンタルなのか、レンタルであれば何日間視聴可能であるかなどの情報を記録してよい。状態は、購入時点では“購入済み(暗号化コンテンツ鍵は未発行)”となっており、チケットIDはブランクである。
【0088】
DVDレコーダ向けポータル機能39は、DVDレコーダ20bからのブラウザアクセスに対し、コンテンツ一覧画面を送信し、利用者に再生するコンテンツの選択を促す。このとき、DVDレコーダ向けポータル機能39は、利用者の認証を行う。認証の仕方は通常のECサイトやDVDレコーダ/HDDレコーダ向けサイトと同様の方式が採用できる。DVDレコーダ向けポータル機能39は、認証結果として利用者IDを取得すると、購入履歴DB38を検索し、利用者IDに関連付けられた購入履歴の一覧を取得し、図10に示すコンテンツ選択画面gをDVDレコーダ20bに送信して表示させる。利用者がコンテンツを選択し、メディア固有情報と一緒に選択したコンテンツのIDが送信されると、利用者IDとコンテンツIDをキーとして購入履歴DB38を検索し、状態とチケットIDを調べる。状態が“購入済み”の場合、チケット情報を生成すると同時に、DBの状態を“鍵発行済み”に、チケットIDを生成したチケット情報のIDに書き換え、チケット情報をチケット情報DB35に記録する。
【0089】
次に、暗号化コンテンツ鍵生成機能33が生成した暗号化コンテンツ鍵をDVDレコーダ20bに返信する。状態が“鍵発行済み”の場合は、チケットIDをキーにしてチケット情報DB35を検索し、生成済みのチケット情報を取得する。チケット情報のメディアIDとDVDレコーダ20bから送信されたメディアIDが同一であることを確認した後、チケット情報DB35にキャッシュされている暗号化コンテンツ鍵を返信する。
【0090】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
利用者は外出先で、携帯電話等のモバイル機器10bでコンテンツの配信サーバ30bのサイトにアクセスし、コンテンツの権利を購入する(ST21)。購入の際、配信サーバ30b上で課金・決済が完了する(ST22)。配信サーバ30bでは、購入履歴を購入履歴DB38に記録する(ST23)。この際、モバイル機器10b上で購入済みコンテンツの確認をしてもよい。購入済みコンテンツの一覧には新たに購入したコンテンツがリストアップされる。この時点では、コンテンツは“購入済み“の状態となっている。
【0092】
利用者はコンテンツの権利の購入後、自宅に戻り、DVDレコーダ20bにDVDメディア40を挿入した後、DVDレコーダ20bにより、配信サーバ24の個人向けポータルにアクセスする(ST24)。
【0093】
ポータルサイトにはその個人が購入したコンテンツの一覧がリストアップされる。コンテンツによって、“購入済み”の場合と、“鍵発行済み”のどちらかの状態をとる。“鍵発行済み”はすでに特定のDVDメディア用にコンテンツ鍵が発行されている状態で、例えば誤ってコンテンツ鍵を削除してしまった場合に、同一DVDメディアを挿入してこのコンテンツを選択する。“購入済み”の場合は、新しいDVDメディア40を挿入してコンテンツを選択する(ST25)。
【0094】
DVDプレーヤ20bは、DVDメディア40からメディア固有情報を取得し、選択したコンテンツのIDと共に配信サーバに送信する(ST26)。
【0095】
配信サーバ30bでは、選択されたコンテンツについて、“購入済み”であるか、“鍵発行済み”であるかを調べる(ST27)。購入済みの場合は、メディア固有情報を元にチケット情報を生成後(ST28)、購入情報DB34の情報を“鍵発行済み”にする。チケット情報は第1の実施形態と同様にメディア固有情報とコンテンツIDのセットの情報である。配信サーバ30bは、メディア固有情報を用いてコンテンツ鍵を暗号化し(ST29)、チケット情報と一緒にDVDレコーダ20bに返信する。このとき、暗号化コンテンツ鍵は、後の再発行のために、キャッシュしておいてよい。
【0096】
DVDレコーダ20bが暗号化コンテンツ鍵を受信した後のステップST30〜ST32は、第1の実施形態のST10〜ST12と同じである。
【0097】
一方、ステップST27において、“発行済み”の場合は、すでに発行済みのチケット情報を調べ、DVDレコーダ20bから送られたメディア固有情報がチケット情報に記載されたメディア固有情報と一致するかをチェックする(ST33)。一致しない場合には、同一DVDコンテンツを複数のDVDメディアにコピーしてしまうことになるので要求を破棄する。一致する場合には、すでにキャッシュしてある暗号化コンテンツ鍵を返信する(ST34)。
以下、DVDレコーダ20bは、前述同様にステップST30〜ST32を実行する。
【0098】
上述したように本実施形態によれば、モバイル機器10bが決済情報を配信サーバ30bに送信して暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を購入する構成により、DVDメディア40がDVDレコーダ20bに保持されていなくてもコンテンツを購入でき、DVDレコーダ20b上で決済情報を入力・送信しなくて済む。また、配信サーバ30bは利用者ID及びコンテンツIDを管理すればよいので、配信サーバ30b上で氏名、住所、決済情報等を管理する必要がない。また、DVDレコーダ20bは、モバイル機器10bによる利用者IDの取得後、DVDメディア40を保持してメディアID(メディア固有情報)を含むダウンロード要求を送信するので、メディア固有情報を配信サーバ30bに送信できる。
【0099】
購入者からみた場合、過去に購入したコンテンツの一覧から自由にコンテンツを選んで再生することができる。さらに、一枚のDVDメディア40を上書きして複数のコンテンツをダウンロードし、再生することができる。DVDコンテンツのコピーを記録型DVDメディアにダウンロードするタイプのコンテンツ販売では、利用者はコンテンツの代金のほかにDVDメディア代が別途かかるため、一枚のメディアで複数のコンテンツをダウンロード再生できることはコストメリットがある。
【0100】
なお、本実施形態においては、配信サーバ30b上で利用者IDとコンテンツIDの情報を管理することになる。この場合、利用者IDを特定の個人と結びつかない匿名のIDとしておき、決済で必要な個人情報と直接には結びつかないようにしておけば、配信サーバ側で個人情報を管理するというリスクを回避できる。
【0101】
(第4の実施形態)
第3の実施形態ではモバイル機器からポータルにアクセスする際、およびDVDレコーダからポータルにアクセスする際、利用者の認証が必要である。一般には、モバイル機器でのアクセスは、ID・パスワードをモバイル機器の画面上で入力する仕方の他、モバイル機器の機器識別情報(例えば電話番号など)から、利用者IDにマッピングする方法が取られる。一方、DVDレコーダ側での利用者認証では、利用者のID・パスワードの入力の手間を省くため、同じくDVDレコーダ固有の機器情報(例えばMACアドレスなど)から、利用者IDにマッピングする方法がある。しかし、この場合、利用者は特定のDVDレコーダでしかポータルにアクセスすることができない。例えばモバイル機器でコンテンツを購入した後、友人の自宅のDVDレコーダでダウンロードして一緒に見るということは、この方法では困難である。そこで、第4の実施形態では、DVDレコーダからポータルにアクセスする際、モバイル機器を用いて利用者の認証を行う方法を述べる。
【0102】
図12は本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。図示するように、モバイル機器10cの機器情報送信機能14、DVDレコーダ20cの機器情報受信機能27、およびゲートウェイ50が追加されている。ゲートウェイ50はモバイル機器10c等の通信キャリアの設備で、モバイル機器10cとインターネットを中継するサーバシステムである。ゲートウェイ50は、認証機能51、利用者DB52及び利用者問合せ機能53を備えている。
【0103】
認証機能51は、モバイル機器10cから受けた機器情報(機器ID)を利用者DB52と照合し、利用者IDを取得する機能と、利用者IDを提示して配信サーバ30cへアクセスする機能とをもっている。
【0104】
利用者DB52は、図13に示すように、モバイル機器10cの機器情報と利用者IDとが関連付けて記憶されるメモリである。
【0105】
利用者問合せ機能53は、配信サーバ30cから機器情報を含む利用者問合せを受けると、利用者DB52を参照し、機器情報に関連する利用者IDを配信サーバに返信する機能を持っている。
【0106】
次に、以上のように構成されたコンテンツ販売システムの動作を図14のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
モバイル機器10cからのアクセスは、認証機能51を中継して携帯向けコンテンツ販売ポータル機能37cに接続される。このとき、ブラウザ/メール機能11は、機器情報送信機能14からモバイル機器10cの機器IDを取得し、ゲートウェイ50の認証機能51に送信する(ST21c−1)。
【0108】
認証機能51は、機器IDを図13に示す如き利用者DB52と照合し、利用者IDを取得する(ST21c−2)。配信サーバ30cへのアクセスは、機器情報ではなく、利用者IDを提示してアクセスする(ST21c−3)。
【0109】
DVDレコーダ20cから配信サーバ30cにアクセスする際には、モバイル機器10cの機器情報送信機能14と、DVDレコーダ20cの機器情報受信機能27の間で近距離通信を行い、機器情報を交換する(ST24c−1)。近距離通信は第2の実施形態に示したいくつかの方法のどれかでよい。機器情報受信機能27は、機器情報を受け取ると(ST24c−2)、購入コンテンツ選択機能26cを用いて、DVDレコーダ向けポータル機能39cにアクセスする。この際、機器情報を提示する(ST24c−4)。
【0110】
DVDレコーダ向けポータル機能39cは、ゲートウェイ50の利用者問合せ機能53に機器情報を送信し(ST24c−4)、利用者IDを受取る(ST24c−5〜6)。
【0111】
この結果、ポータル機能39cは、その利用者IDの購入済みコンテンツの表示画面gをDVDレコーダ20cに送信する(ST24c−7)。後のステップST25〜ST34は、第3の実施形態と同じである。
【0112】
上述したように本実施形態によれば、第3の実施形態の効果に加え、DVDレコーダ20cから配信サーバ30cにアクセスする際に、配信サーバ30cがゲートウェイ50に利用者問合せを行なうので、DVDレコーダ20c側で利用者認証を行なう手間を省略することができる。
【0113】
例えば利用者はDVDレコーダ20cからポータルにアクセスする際、モバイル機器10cを近づけるだけでよく、利用者認証のための操作を必要としない。また、特定のDVDレコーダ20cに限定されず、他の者の同等の機能をもつDVDレコーダ20cからでも個人のポータルにアクセスすることができる。
【0114】
なお、上記各実施形態は、携帯電話等のモバイル機器を用いた場合を説明したが、これに限らず、モバイル機器に代えて、携帯可能なメモリ装置(例、SDカード等)と、メモリ装置を着脱自在に保持する通信端末とからなる構成としてもよい。具体的には、駅などに通信端末を設け、メモリ装置を通信端末に保持させた状態で、利用者が通信端末の操作により配信サーバ30,30a〜30cにアクセスして決済処理を実行するように変形しても良い。決済処理の後、利用者はメモリ装置を自宅に持ち帰り、メモリ装置内の購入IDなどをDVDプレーヤ20,30a〜30cに入力すれば良い。 また、上記各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0115】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0116】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0117】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0118】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0119】
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0120】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0121】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態における購入情報DBの構成を示す模式図である。
【図3】同実施形態におけるチケット情報DBの構成を示す模式図である。
【図4】同実施形態におけるコンテンツ鍵DBの構成を示す模式図である。
【図5】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図7】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図9】同実施形態における購入履歴DBの構成を示す模式図である。
【図10】同実施形態におけるコンテンツ選択画面の構成を示す模式図である。
【図11】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ販売システムの構成を示す模式図である。
【図13】同実施形態における利用者DBの構成を示す模式図である。
【図14】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
10,10a〜10c…モバイル機器、11…ブラウザ/メール機能、12…購入ID表示機能、13…購入ID送信機能、14…機器情報送信機能、20,20a〜20c…DVDレコーダ、21…購入ID入力機能、22…暗号化コンテンツ鍵要求機能、23…DVDドライブ機能、24…パスワード入力機能、25…購入ID受信機能、26…購入コンテンツ選択機能、27…機器情報受信機能、30,30a〜30c…配信サーバ、31,31a…携帯向けコンテンツ販売機能、32…コンテンツ鍵送信機能、33…暗号化コンテンツ鍵生成機能、34…購入情報DB、35…チケット情報DB、36…コンテンツ鍵DB、37,37c…携帯向けコンテンツ販売ポータル機能、38…購入履歴DB、39,39c…DVDレコーダ向けポータル機能、40…DVDメディア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、
前記配信サーバは、
前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段と、
前記購入IDが前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けて記憶される購入情報記憶手段と、
前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記購入情報記憶手段を参照して購入IDを確認する購入ID確認手段と、
確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記配信サーバは、
前記購入IDを確認した後、前記コンテンツIDとメディアIDとを関連付ける一方、前記購入情報記憶手段内の前記購入IDを無効にする手段と、
前記無効にした後、同一の購入IDによるダウンロード要求を無視する手段と、
前記関連付けたコンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報をダウンロード端末に発行するチケット情報発行手段と、
前記チケット情報が記憶されるチケット情報記憶手段と、
前記ダウンロード端末からチケット情報を提示されると、このチケット情報に対応する暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に再送信する手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記チケット情報を含む暗号化コンテンツ鍵の再取得要求を前記配信サーバに送信する手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記ダウンロード要求送信手段は、
前記購入IDが入力されると、保持するメディアからメディアIDを読出す固有情報読出機能を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記モバイル担体の保持装置は、
前記購入IDの発行を受けるためのパスワードを前記配信サーバに送信する手段を備え、
前記配信サーバは、
前記発行した購入IDを前記パスワードにより暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル担体の保持装置に送信する手段を備え、
前記ダウンロード端末は、
前記モバイル担体から出力された前記暗号化購入IDを受信する手段と、
入力された前記パスワードに基づいて前記暗号化購入IDを復号し、前記購入IDを得る手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項5】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、
前記配信サーバは、
前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、が関連付けて記憶される購入履歴記憶手段と、
前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段と、
前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段と、
前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記配信サーバは、
前記ダウンロード要求を受信すると、前記購入履歴記憶手段を参照し、前記発行状態情報が発行済を示すか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、未発行を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID、メディアID及びコンテンツIDをチケット情報として記憶するチケット情報記憶手段と、
前記判定の結果、発行済を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれるメディアIDと前記チケット情報記憶手段のチケット情報とが一致する旨を確認する手段と、
前記一致を確認した後、前記ダウンロード要求に対応する暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に再送信する再送信手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項7】
請求項5に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記モバイル担体の保持装置、前記配信サーバ及び前記ダウンロード端末と通信可能なゲートウェイ装置を有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記モバイル担体の担体IDと利用者IDとを関連付けて記憶する利用者担体情報記憶手段と、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記モバイル担体から出力された担体IDを受信する手段と、
前記配信サーバにアクセスするとき、前記担体IDを提示する手段とを備え、
前記配信サーバは、
前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項8】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記配信サーバに用いられるプログラムであって、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段、
前記購入IDを前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けてメモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記メモリを参照して購入IDを確認する購入ID確認手段、
確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記購入IDを確認した後、前記コンテンツIDとメディアIDとを関連付ける一方、前記メモリ内の前記購入IDを無効にする手段、
前記無効にした後、同一の購入IDによるダウンロード要求を無視する手段、
前記関連付けたコンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報をダウンロード端末に発行するチケット情報発行手段、
前記チケット情報をメモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末からチケット情報を提示されると、このチケット情報に対応する暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に再送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体から入力されたパスワードに基づいて、前記発行した購入IDを暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル担体に送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記ダウンロード端末に用いられるプログラムであって、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段、
前記配信サーバから前記暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記配信サーバにより発行された前記コンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報に関し、このチケット情報を含む暗号化コンテンツ鍵の再取得要求を前記配信サーバに送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記ダウンロード要求送信手段は、
前記購入IDが入力されると、保持するメディアからメディアIDを読出す手順を含んでいるプログラム。
【請求項14】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記購入IDを、パスワードにより暗号化されてなる暗号化購入IDとして前記モバイル担体から受信する手段、
入力された前記パスワードに基づいて前記暗号化購入IDを復号し、前記購入IDを得る手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記配信サーバに用いられるプログラムであって、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、を関連付けて第1メモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段、
前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段、
前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記第1メモリ内の発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記ダウンロード要求を受信すると、前記第1メモリを参照し、前記発行状態情報が発行済を示すか否かを判定する手段、
前記判定の結果、未発行を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID、メディアID及びコンテンツIDをチケット情報として第2メモリに書込む手段、
前記判定の結果、発行済を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれるメディアIDと前記第2メモリ内のチケット情報とが一致する旨を確認する手段、
前記一致を確認した後、前記ダウンロード要求に対応する暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に再送信する再送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する機能を有するゲートウェイ装置を前記コンテンツ販売システムが備えた場合に関し、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記ダウンロード端末に用いられるプログラムであって、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する機能を有するゲートウェイ装置を前記コンテンツ販売システムが備え、前記配信サーバが前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する場合に関し、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記モバイル担体から担体IDを受信する手段、
前記配信サーバにアクセスするとき、前記担体IDを提示する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、
前記配信サーバは、
前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段と、
前記購入IDが前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けて記憶される購入情報記憶手段と、
前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記購入情報記憶手段を参照して購入IDを確認する購入ID確認手段と、
確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記配信サーバは、
前記購入IDを確認した後、前記コンテンツIDとメディアIDとを関連付ける一方、前記購入情報記憶手段内の前記購入IDを無効にする手段と、
前記無効にした後、同一の購入IDによるダウンロード要求を無視する手段と、
前記関連付けたコンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報をダウンロード端末に発行するチケット情報発行手段と、
前記チケット情報が記憶されるチケット情報記憶手段と、
前記ダウンロード端末からチケット情報を提示されると、このチケット情報に対応する暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に再送信する手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記チケット情報を含む暗号化コンテンツ鍵の再取得要求を前記配信サーバに送信する手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記ダウンロード要求送信手段は、
前記購入IDが入力されると、保持するメディアからメディアIDを読出す固有情報読出機能を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記モバイル担体の保持装置は、
前記購入IDの発行を受けるためのパスワードを前記配信サーバに送信する手段を備え、
前記配信サーバは、
前記発行した購入IDを前記パスワードにより暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル担体の保持装置に送信する手段を備え、
前記ダウンロード端末は、
前記モバイル担体から出力された前記暗号化購入IDを受信する手段と、
入力された前記パスワードに基づいて前記暗号化購入IDを復号し、前記購入IDを得る手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項5】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムであって、
前記配信サーバは、
前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、が関連付けて記憶される購入履歴記憶手段と、
前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段と、
前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段と、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段と、
前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記ダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段と、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記配信サーバは、
前記ダウンロード要求を受信すると、前記購入履歴記憶手段を参照し、前記発行状態情報が発行済を示すか否かを判定する手段と、
前記判定の結果、未発行を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID、メディアID及びコンテンツIDをチケット情報として記憶するチケット情報記憶手段と、
前記判定の結果、発行済を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれるメディアIDと前記チケット情報記憶手段のチケット情報とが一致する旨を確認する手段と、
前記一致を確認した後、前記ダウンロード要求に対応する暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に再送信する再送信手段と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項7】
請求項5に記載のコンテンツ販売システムにおいて、
前記モバイル担体の保持装置、前記配信サーバ及び前記ダウンロード端末と通信可能なゲートウェイ装置を有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記モバイル担体の担体IDと利用者IDとを関連付けて記憶する利用者担体情報記憶手段と、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する手段とを備え、
前記ダウンロード端末は、
前記モバイル担体から出力された担体IDを受信する手段と、
前記配信サーバにアクセスするとき、前記担体IDを提示する手段とを備え、
前記配信サーバは、
前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項8】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記配信サーバに用いられるプログラムであって、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体の保持装置から決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、この販売の完了を示す購入IDを発行し、当該購入IDを前記モバイル担体に向けて送信するコンテンツ販売手段、
前記購入IDを前記暗号化コンテンツのコンテンツIDと関連付けてメモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末から前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受けると、前記メモリを参照して購入IDを確認する購入ID確認手段、
確認された購入IDに対応するコンテンツIDの暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に返信するコンテンツ鍵送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記購入IDを確認した後、前記コンテンツIDとメディアIDとを関連付ける一方、前記メモリ内の前記購入IDを無効にする手段、
前記無効にした後、同一の購入IDによるダウンロード要求を無視する手段、
前記関連付けたコンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報をダウンロード端末に発行するチケット情報発行手段、
前記チケット情報をメモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末からチケット情報を提示されると、このチケット情報に対応する暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に再送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体から入力されたパスワードに基づいて、前記発行した購入IDを暗号化し、得られた暗号化購入IDをモバイル担体に送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体に向けて購入IDを送信し、この購入IDが入力されたダウンロード端末が当該購入ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記ダウンロード端末に用いられるプログラムであって、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記購入ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段、
前記配信サーバから前記暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記配信サーバにより発行された前記コンテンツIDとメディアIDとを含むチケット情報に関し、このチケット情報を含む暗号化コンテンツ鍵の再取得要求を前記配信サーバに送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記ダウンロード要求送信手段は、
前記購入IDが入力されると、保持するメディアからメディアIDを読出す手順を含んでいるプログラム。
【請求項14】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記購入IDを、パスワードにより暗号化されてなる暗号化購入IDとして前記モバイル担体から受信する手段、
入力された前記パスワードに基づいて前記暗号化購入IDを復号し、前記購入IDを得る手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記配信サーバに用いられるプログラムであって、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記モバイル担体の保持装置から利用者ID及び決済情報を受信して前記暗号化コンテンツ鍵を取得する権利を販売したとき、前記利用者ID、前記暗号化コンテンツのコンテンツID、前記暗号化コンテンツ鍵の未発行を示す発行状態情報、を関連付けて第1メモリに書込む手段、
前記ダウンロード端末から前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を受信する手段、
前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID及びコンテンツIDに対応する暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を、前記メディアIDに基づいて暗号化し、暗号化コンテンツ鍵を得るコンテンツ鍵暗号化手段、
得られた暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に送信するコンテンツ鍵送信手段、
前記暗号化コンテンツ鍵をダウンロード端末に送信するとき、前記第1メモリ内の発行状態情報を発行済を示すように変更する状態情報変更手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記ダウンロード要求を受信すると、前記第1メモリを参照し、前記発行状態情報が発行済を示すか否かを判定する手段、
前記判定の結果、未発行を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれる利用者ID、メディアID及びコンテンツIDをチケット情報として第2メモリに書込む手段、
前記判定の結果、発行済を示すとき、前記ダウンロード要求に含まれるメディアIDと前記第2メモリ内のチケット情報とが一致する旨を確認する手段、
前記一致を確認した後、前記ダウンロード要求に対応する暗号化コンテンツ鍵を前記ダウンロード端末に再送信する再送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する機能を有するゲートウェイ装置を前記コンテンツ販売システムが備えた場合に関し、
前記配信サーバのコンピュータを、
前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
暗号化コンテンツを配信可能な配信サーバがモバイル担体との間で決済処理を実行し、この決済処理に用いた利用者IDが入力されたダウンロード端末が当該利用者ID及びメディアIDに基づいて、前記配信サーバから前記暗号化コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵が暗号化されてなる暗号化コンテンツ鍵をダウンロードするコンテンツ販売システムに関し、前記ダウンロード端末に用いられるプログラムであって、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記利用者ID、メディアID及びコンテンツIDを含むダウンロード要求を配信サーバに送信するダウンロード要求送信手段、
前記配信サーバから暗号化コンテンツ鍵を受信する暗号化コンテンツ鍵受信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムにおいて、
前記配信サーバから担体IDを含む利用者問合せを受けると、前記担体IDに関連する利用者IDを前記配信サーバに返信する機能を有するゲートウェイ装置を前記コンテンツ販売システムが備え、前記配信サーバが前記ダウンロード端末からのアクセスに対し、提示された担体IDを前記ゲートウェイ装置に問合せし、利用者IDを取得する場合に関し、
前記ダウンロード端末のコンピュータを、
前記モバイル担体から担体IDを受信する手段、
前記配信サーバにアクセスするとき、前記担体IDを提示する手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−50017(P2006−50017A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224754(P2004−224754)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]