説明

コンテンツ選択支援装置及びコンテンツ選択支援方法

【課題】
再生対象のコンテンツの選択に際して利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】
コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)におけるコンテンツの検索結果を収集した後に、検索結果に含まれるコンテンツごとの属性情報に基づいて、まず、判定手段720が、コンテンツ再生装置600Aによる再生可否を判定する。引き続き、評価手段730が、判定手段720により再生可と判定されたコンテンツごとに、その属性情報に基づいて、再生品質を評価する。そして、編集手段740Aが、評価手段730による評価結果に基づいた編集を行い、評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する。こうして生成されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Aの利用者に提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ選択支援装置、コンテンツ選択支援方法、コンテンツ選択支援プログラム、及び、当該コンテンツ選択支援プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータ等の通信端末装置により、ネットワークを介してコンテンツサーバからダウンロードされた映像コンテンツ等のコンテンツを再生することが広く行われている。こうしたダウンロードの実行に際しては、通信端末装置は、コンテンツ名称等のキーワードを指定した検索要求を発行することが一般的である。そして、通信端末装置は、当該検索要求に対する応答として得られた検索結果を表示して、利用者によるダウンロード対象とするコンテンツデータの選択を支援するようになっている。
【0003】
なお、通信端末装置からの検索要求の発行先は、個々のコンテンツサーバである場合もあれば、検索エンジンが実装された検索サーバである場合もある。
【0004】
こうしたコンテンツデータの選択を支援する技術の1つとして、下記の特許文献1に記載の技術が提案されている(以下、「従来例」という)。この従来例の技術では、通信端末装置(クライアント端末)からの検索要求を受けたコンテンツ配信サーバが、複数のコンテンツデータベースに関する検索結果を、コンテンツの内容的な側面に関する所定の項目について編集し、当該通信端末装置における一覧表示用に編集して返送する。こうして返送された編集済みの検索結果が、検索要求を発行した通信端末装置の表示部に表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−91990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例の技術では、複数のコンテンツデータベースに関する検索結果を、コンテンツの内容的な側面に関する所定の項目について編集されることから、編集結果に含まれるコンテンツが、検索要求を発行した通信端末装置で良好に再生できるとは限らなかった。例えば、検索要求を発行した通信端末装置の再生性能や受信性能から見て、当該通信端末装置における再生に適したコンテンツであるか否かが考慮されていない編集済みの検索結果が、当該通信端末装置の表示部に表示されるようになっていた。
【0007】
ところで、コンテンツの著作権の関係から、例えば映像コンテンツは、ストリーミング再生が行われることが多い。こうした映像コンテンツのストリーミング再生を良好に行うには、ダウンロード時のビットレートと、当該映像コンテンツにおけるフレームレートとのバランスも重要である。さらに、コンテンツの再生品質には、コンテンツデータの圧縮方式等が関連してくる。
【0008】
このため、コンテンツ再生装置である通信端末装置における再生の可能性や、再生品質の良否の観点から、検索結果を編集して利用者に提示することができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、再生対象のコンテンツの選択に際して、利用者の利便性を向上させることができるコンテンツ選択支援装置及びコンテンツ選択支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、コンテンツサーバからダウンロードされるコンテンツの選択を支援するコンテンツ選択支援装置であって、コンテンツの検索要求を送信する要求手段と;前記検索要求に対する応答として得られた検索結果におけるコンテンツごとに対応する再生に関する属性情報に基づいて、再生可否を判定する判定手段と;前記判定手段により再生可と判定されたコンテンツごとに、前記属性情報に基づいて、再生品質の評価を行う評価手段と;前記評価手段による評価結果に基づく編集を行い、前記評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する編集手段と;を備えることを特徴とするコンテンツ選択支援装置である。
【0011】
請求項13に記載の発明は、コンテンツサーバからダウンロードされるコンテンツの選択を支援する装置で使用されるコンテンツ選択支援方法あって、コンテンツの検索要求を送信する要求工程と;前記検索要求に対する応答として得られた検索結果におけるコンテンツごとに対応する再生に関する属性情報に基づいて、再生可否を判定する判定工程と;前記判定工程において再生可と判定されたコンテンツごとに、前記属性情報に基づいて、再生品質の評価を行う評価工程と;前記評価工程における評価結果に基づく編集を行い、前記評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する編集工程と;を備えることを特徴とするコンテンツ選択支援方法である。
【0012】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のコンテンツ選択支援方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするコンテンツ選択支援プログラムである。
【0013】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のコンテンツ選択支援プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】図3の記憶ユニットにおける記憶内容を説明するための図である。
【図5】図4のサーバ適正ポイントの更新処理を説明するためのシーケンス図である。
【図6】図3の装置によるコンテンツ選択支援処理を説明するためのシーケンス図である。
【図7】コンテンツサーバからの検索結果の受信後における検索結果記憶領域の内容を説明するための図である。
【図8】図7における検索結果(p,q)の内容を説明するための図である。
【図9】図6の再生可否の判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図6の再生品質の評価処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図6の評価結果の編集処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例に係る装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図13】図12の装置によるコンテンツ選択支援処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
【0017】
<構成>
図1には、第1実施形態に係るコンテンツ選択支援装置700Aの概略的な構成と、当該コンテンツ選択支援装置700Aとデータの授受を行う各種装置が示されている。この図1に示されるように、コンテンツ選択支援装置700Aは、ネットワークシステムNWSを介して、様々なコンテンツを保有しているコンテンツサーバ900j(j=1,2,…)と通信できるようになっている。
【0018】
本第1実施形態では、コンテンツ選択支援装置700Aが、コンテンツ再生装置600Aに実装されるようになっている。かかるコンテンツ再生装置600Aは、車両等の移動体に搭載される場合もあれば、家庭内に固定的に設置される場合もある。
【0019】
このコンテンツ再生装置600Aは、コンテンツ選択支援装置700A以外に、不図示のコンテンツ再生制御手段を備えており、コンテンツ選択支援装置700Aによるコンテンツ検索結果の編集結果を参照して選択されたコンテンツのダウンロード要求をコンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のいずれかに発行するとともに、当該ダウンロード要求に応答してダウンロードされたコンテンツを再生するようになっている。当該コンテンツが音声コンテンツである場合には、コンテンツの再生は、スピーカを利用して行われる。また、当該コンテンツが音声コンテンツ及び動画コンテンツを含む映像コンテンツである場合には、コンテンツの再生は、スピーカ及び表示デバイスを利用して行われる。
【0020】
コンテンツ選択支援装置700Aは、要求手段710Aと、判定手段720と、評価手段730と、編集手段740Aとを備えている。なお、本第1実施形態では、コンテンツ選択支援装置700Aは、監視手段790を更に備えるようになっている。
【0021】
上記の要求手段710Aは、コンテンツサーバ900jに対して検索要求を発行する。ここで、検索要求の発行先となるコンテンツサーバ900jは、予めコンテンツ選択支援装置700Aに登録されている。かかる検索要求の発行は、コンテンツ再生装置600Aの利用者により、コンテンツ名等の所望のコンテンツのキーワードを指定した検索指令がなされた場合に行われる。
【0022】
なお、要求手段710Aは、後述する監視手段790によりコンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバに対しては、検索要求を発行しないようになっている。
【0023】
上記の判定手段720は、要求手段710Aが発行した検索要求に対する応答として、コンテンツサーバ900jのそれぞれから送られた検索結果を受ける。こうした検索結果には、検索されたコンテンツごとのコンテンツ再生に関する属性情報が含まれている。
【0024】
かかる属性情報には、コンテンツファイル名、データ量、ダウンロード時の平均ビットレートが含まれている。また、コンテンツサーバ900jのいずれかが、当該コンテンツファイルのダウンロード時の最大ビットレートを計測している場合には、属性情報には、最新の最大ビットレートが含まれるようになっている。さらに、当該コンテンツが映像コンテンツである場合には、属性情報には、コンテンツ再生時における単位時間当たりのフレーム数(以下、「フレームレート」と呼ぶ)、1フレーム当たりの画素数(以下、「解像度」と呼ぶ)が含まれる。
【0025】
なお、コンテンツファイル名における拡張子により、コンテンツファイル中のコンテンツデータの圧縮方式が識別できるようになっている。
【0026】
検索結果を受けた判定手段720は、コンテンツごとの属性情報に基づいて、コンテンツごとに、コンテンツ再生装置600Aによる再生可否の判定を行う。こうした判定は、ダウンロード時におけるコンテンツ再生装置600Aの受信処理能力、再生能力等と、コンテンツごとの属性情報とを比較することにより行われる。
【0027】
上記の評価手段730は、判定手段720により再生可と判定されたコンテンツのそれぞれの属性情報に基づいて、再生品質の評価を行う。こうした評価は、ダウンロードされるコンテンツデータの平均ビットレート、圧縮方式等に基づいて行われる。なお、映像コンテンツの場合には、平均ビットレートとフレームレートとの関係に基づいた評価が更に行われる。
【0028】
上記の編集手段740Aは、評価手段730による評価結果及び属性情報に基づいて、コンテンツ選択用情報の生成のための編集を行う。こうした編集に際し、編集手段740Aは、評価手段730による評価結果を高い順にソートする。また、本第1実施形態では、提示コンテンツの数を抑制するために、編集手段740Aは、評価手段730による評価対象となった属性項目の内容が同一のコンテンツが複数存在する場合には、当該複数のコンテンツからデータ量が大きな順に所定最大個数を限度としてコンテンツを抽出した後、抽出されたコンテンツをデータ量の大きな順にソートするようになっている。こうして編集手段740Aにより編集された結果であるコンテンツ選択用情報が、例えば、リスト形式で表示デバイスに表示される。
【0029】
なお、「所定最大個数」は、コンテンツ選択用情報の適量化の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0030】
上記の監視手段790は、コンテンツサーバ900jのそれぞれとの通信状況を監視する。かかる通信状況を監視するに際して、監視手段790は、コンテンツサーバ900jのそれぞれに対して、周期的に、通信速度計測用のデータ取得要求を発行する。そして、当該データ取得要求に対する応答時間及びデータ取得速度を計測する。こうして計測された応答時間及びデータ取得速度に基づいて、監視手段790は、コンテンツサーバ900jのそれぞれについてのコンテンツのダウンロードに関する適正度を評価する。この評価により、コンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバがどのコンテンツサーバであるかが、要求手段710Aに報告される。また、監視手段790は、応答時間の平均値が短いほど、高い評価を行うとともに、データ取得速度の平均値が速いほど、高い評価を行う。
【0031】
<動作>
次に、上記のように構成されたコンテンツ選択支援装置700Aの動作について説明する。
【0032】
《コンテンツサーバとの通信状況の監視処理》
まず、コンテンツサーバとの通信状況の監視処理について説明する。
【0033】
この監視処理に際して、監視手段790は、周期的に、コンテンツサーバ900jのそれぞれに対して、計測用のデータ取得要求を発行し、当該データ取得要求に対する応答時間及びデータ取得速度を計測する。そして、監視手段790は、最近の所定期間における応答時間の平均値及びデータ取得速度の平均値を、コンテンツサーバ900jのそれぞれについて算出する。
【0034】
なお、「計測用のデータ取得要求を発行する周期」及び「所定期間」は、監視結果の精度の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0035】
引き続き、監視手段790は、算出された応答時間の平均値及びデータ取得速度の平均値に基づいて、コンテンツサーバ900jのそれぞれについて、コンテンツのダウンロードに適しているか否かを評価する。例えば、算出された応答時間の平均値が所定応答時間よりも長い場合、及び/又は、算出されたデータ取得速度の平均値が所定取得速度よりも遅い場合には、監視手段790は、コンテンツのダウンロードに適していないコンテンツサーバであると評価する。この評価結果は、要求手段710Aに報告される。
【0036】
なお、「所定応答時間」及び「所定取得速度」は、コンテンツサーバがコンテンツのダウンロードに適しているか否かを精度良く評価するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0037】
《コンテンツ選択用情報の作成処理》
次に、コンテンツ選択用情報の作成処理について説明する。このコンテンツ選択用情報の作成処理は、コンテンツ再生装置600Aの利用者により、コンテンツ名等の所望のコンテンツのキーワードを指定した検索指令がなされた場合に実行される。
【0038】
コンテンツ選択用情報の作成処理では、検索指令を受けた要求手段710Aが、予め登録されているコンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のうち、監視手段790によりコンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバを除く全てのコンテンツサーバに対して、当該キーワードを指定した検索要求を発行する。この検索要求を受けたコンテンツサーバのそれぞれは、自身が保有するコンテンツデータベース内を検索し、検索結果をコンテンツ選択支援装置700Aへ送る。
【0039】
そして、コンテンツ選択支援装置700Aは、判定手段720が上述したコンテンツサーバのそれぞれの検索結果を受ける。検索結果を受けた判定手段720は、検索結果に含まれるコンテンツのそれぞれの属性情報に基づいて、コンテンツ再生装置600Aによる再生可否の判定をコンテンツごとに行う。
【0040】
なお、属性情報には、上述したように、拡張子によりコンテンツデータの圧縮方式が識別可能となっているコンテンツファイル名、データ量、ダウンロード時の平均ビットレートが含まれている。また、コンテンツが映像コンテンツの場合には、フレームレート及び解像度が更に含まれている。さらに、コンテンツサーバ900jのいずれかが、過去に当該コンテンツファイルをダウンロードした時の最大ビットレートを計測している場合には、属性情報には、最新の最大ビットレートが含まれる。
【0041】
次に、判定手段720は、コンテンツごとの属性情報に基づいて、コンテンツごとに、コンテンツ再生装置600Aによる再生可否の判定を行い、判定結果を評価手段730に報告する。こうした判定は、ダウンロード時におけるコンテンツ再生装置600Aの受信処理能力、再生能力等と、コンテンツごとの属性情報とを比較することにより行われる。
【0042】
例えば、コンテンツの最大ビットレートが、コンテンツ再生装置600Aの最高受信処理能力を超える場合には、判定手段720は、当該コンテンツは再生不可と判定する。また、コンテンツの平均ビットレートが、コンテンツ再生装置600Aの平均受信処理能力を超える場合にも、判定手段720は、当該コンテンツは再生不可と判定する。さらに、当該コンテンツが映像コンテンツであり、その解像度が、コンテンツ再生装置600Aが備える表示デバイスに適合していない場合(例えば、高精細映像の再生ができない表示デバイスであるにもかかわらず、高精細映像のコンテンツであった場合)にも、判定手段720は、当該コンテンツは再生不可と判定する。
【0043】
次に、評価手段730は、判定手段720による判定結果を受け、再生可と判定されたコンテンツのそれぞれの属性情報に基づき、再生品質の評価を行い、評価結果を編集手段740Aに報告する。かかる評価に際して、評価手段730は、属性情報における平均ビットレートが高いほど、再生品質が高いと評価する。これは、平均ビットレートが高いほど、ストリーミング再生時における途切れが発生する可能性が低いためである。
【0044】
また、評価手段730は、属性情報におけるファイル名から識別されるデータ圧縮方式の圧縮効率、信頼性等に基づいて、再生品質の評価を行う。ここで、評価手段730は、圧縮効率が高いほど、また、広く利用され信頼性が高いほど、再生品質が高いと評価する。例えば、圧縮効率が高いほど、ダウンロード効率が良いこと等による。
【0045】
なお、コンテンツが映像コンテンツである場合には、評価手段730は、平均ビットレートと、フレームレートとの関係に基づいた評価を更に行う。そして、当該関係が予め定められた許容範囲の関係にない場合には、評価手段730は、当該コンテンツを再生に値しないと評価する。
【0046】
次に、編集手段740Aは、評価手段730による評価結果を受け、評価結果及びコンテンツのそれぞれの属性情報に基づいて、コンテンツ選択用情報の生成のための編集を行う。こうした編集に際し、編集手段740Aは、評価手段730による評価対象となった属性項目の内容が同一のコンテンツが複数存在する場合には、データ量が大きな順に所定最大個数を限度としてコンテンツを抽出した後、抽出されたコンテンツをデータ量の大きな順にソートする。引き続き、編集手段740Aは、評価手段730による評価結果を高い順にソートして、コンテンツ選択用情報を生成する。
【0047】
編集手段740Aにより作成されたコンテンツ選択用情報は、編集手段740Aからコンテンツ再生装置600Aが備える表示デバイス等を含む提示手段へ送られ、例えばリスト形式で、利用者に提示される。この結果、再生に好ましい順にコンテンツが並べられ、情報量が適正化されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Aの利用者に提示される。
【0048】
こうして提示されたコンテンツ選択用情報を参照して、コンテンツ再生装置600Aの利用者が再生対象コンテンツを選択すると、コンテンツ再生装置600Aは、当該再生対象コンテンツのダウンロード要求を、当該再生対象コンテンツを保有するコンテンツサーバへ送る。そして、コンテンツ再生装置600Aは、ダウンロード要求に対する応答として送られてきたコンテンツデータに基づいて、コンテンツ再生を行う。
【0049】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)におけるコンテンツの検索結果を収集した後に、検索結果に含まれるコンテンツごとの属性情報に基づいて、まず、判定手段720がコンテンツ再生装置600Aによる再生可否を判定する。引き続き、評価手段730が、判定手段720により再生可と判定されたコンテンツごとに、その属性情報に基づいて、再生品質を評価する。そして、編集手段740Aが、評価手段730による評価結果に基づいた編集を行い、評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する。こうして生成されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Aの利用者に提示される。
【0050】
したがって、本第1実施形態によれば、コンテンツ再生装置600Aの固有の事情を考慮したコンテンツ選択用情報が提示されるので、再生対象のコンテンツの選択に際してコンテンツ再生装置600Aの利用者の利便性を向上させることができる。
【0051】
また、本第1実施形態では、監視手段790が、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)との間の通信状況を監視し、監視結果に基づいて、コンテンツサーバ900jのそれぞれがコンテンツのダウンロードに適しているか否かの評価を行う。そして、コンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバに対しては、要求手段710Aは、検索要求を発行しないようにしている。このため、ダウンロードに適していないコンテンツサーバが保有しているコンテンツ情報を、コンテンツ選択用情報から除外することができる。
【0052】
なお、上記の第1実施形態では、監視手段790が、コンテンツサーバ900jのそれぞれがコンテンツのダウンロードに適しているか否かの評価を行うようにした。これに対し、コンテンツのダウンロードに適していると評価されるコンテンツサーバについても、監視手段790が、応答時間の平均値が短いほど高く、データ取得速度の平均値が速いほど高い評価を行うようにするとともに、評価手段730が、監視手段790によるコンテンツサーバごとの評価結果を更に考慮した評価を行うようにしてもよい。これによれば、ストリーミング再生時における途切れが発生する可能性を更に精度良く評価することができる。
【0053】
また、判定手段720は、監視手段790による計測結果と、コンテンツのそれぞれに対応する属性情報との整合性を更に考慮して、再生可否の判定を行うようにしてもよい。例えば、当該コンテンツを保有しているコンテンツサーバの平均データ取得速度が、コンテンツの最大ビットレートよりも所定値以上低い場合には、判定手段720は、当該コンテンツの再生が不可であると判定するようにし、評価手段730による評価対象コンテンツを更に絞り込むようにすることができる。なお、「所定値」は、ストリーミング再生時の再生品質の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
【0055】
<構成>
図2には、第2実施形態に係るコンテンツ選択支援装置700Bの概略的な構成と、当該コンテンツ選択支援装置700Bとデータの授受を行う各種装置が示されている。
【0056】
図2に示されるように、コンテンツ選択支援装置700Bは、上述した第1実施形態のコンテンツ選択支援装置700Aと比べて、独立した装置としてネットワークシステムNWSに接続されている点が異なっている。そして、コンテンツ選択支援装置700Bは、コンテンツ再生装置600B1,600B2,…と通信を行うことができるとともに、コンテンツ選択支援装置700Aと同様に、ネットワークシステムNWSを介して、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)とも通信を行うことができるようになっている。
【0057】
なお、コンテンツ再生装置600B1,600B2,…のそれぞれは、上述したコンテンツ再生装置600Aのようにコンテンツ選択支援装置700Aを備えておらず、いずれも不図示の(i)利用者によるコンテンツ名等の所望のコンテンツのキーワードを指定した検索指令がなされた場合に検索要求をコンテンツ選択支援装置700Bに対して発行する検索要求発行手段、(ii)コンテンツ選択支援装置700Bから送られた編集結果を受けて利用者に対して提示する編集結果提示手段、及び、(iii)編集結果提示手段により提示されたコンテンツ検索結果の編集結果を参照して選択されたコンテンツのダウンロード要求をコンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のいずれかに発行するとともに、当該ダウンロード要求に応答してダウンロードされたコンテンツの再生を制御するコンテンツ再生制御手段を備えるようになっている。すなわち、コンテンツ選択支援装置700Bは、コンテンツ再生装置600B1,600B2,…にとってのコンテンツ検索サーバとして機能するようになっている。
【0058】
コンテンツ選択支援装置700Bは、上述したコンテンツ選択支援装置700Aと比べて、要求手段710Aに代えて要求手段710Bを備える点、及び、編集手段740Aに代えて編集手段740Bを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0059】
上記の要求手段710Bは、コンテンツ再生装置600Bk(k=1,2,…)のいずれかが発行した検索要求を受ける。そして、検索要求を受けた後は、上述した要求手段710Aと同様に、コンテンツサーバ900jに対して検索要求を発行する。なお、要求手段710Bも、要求手段710Aと同様に、監視手段790によりコンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバに対しては、検索要求を発行しないようになっている。
【0060】
上記の編集手段740Bは、上述した編集手段740Aと同様に、評価手段730による評価結果及びコンテンツの属性情報に基づいて、コンテンツ選択用情報の生成のための編集を行う。そして、編集手段740Bは、編集結果を、検索要求を発行したコンテンツ再生装置600Bkに報告する。
【0061】
<動作>
次に、上記のように構成されたコンテンツ選択支援装置700Bの動作について説明する。なお、監視手段790によるコンテンツサーバとの通信状況の監視処理は、上述した第1実施形態の場合と同様に実行される。
【0062】
《コンテンツ選択用情報の作成処理》
コンテンツ選択用情報の作成処理は、コンテンツ再生装置600Bkのいずれかが発行した検索要求をコンテンツ選択支援装置700Bが受けた場合に実行される。
【0063】
コンテンツ選択支援装置700Bでは、要求手段710Bが、コンテンツ再生装置600Bkが発行した検索要求を受ける。当該検索要求を受けた要求手段710Bは、予め登録されているコンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のうち、監視手段790によりコンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバを除く全てのコンテンツサーバに対して、検索要求を発行する。この検索要求を受けたコンテンツサーバのそれぞれは、自身が保有するコンテンツデータベース内を検索し、検索結果をコンテンツ選択支援装置700Bへ送る。
【0064】
この後、コンテンツ選択支援装置700Bでは、判定手段720による判定処理、評価手段730による評価処理が、第1実施形態の場合と同様に実行される。そして、編集手段740Bが、編集手段740Aと同様に、評価手段730による評価結果及び属性情報に基づいて、コンテンツ選択用情報の生成のための編集を行った後、編集結果を、検索要求を発行したコンテンツ再生装置600Bkに報告する。
【0065】
そして、コンテンツ選択支援装置700Bから報告された検索結果の編集結果を受けたコンテンツ再生装置600Bkでは、編集結果提示手段による当該編集結果の提示が行われる。この結果、利用者には再生に好ましい順にコンテンツが並べられ、情報量が適正化されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Bkの利用者に提示される。
【0066】
こうして提示されたコンテンツ選択用情報を参照して、コンテンツ再生装置600Bkの利用者が再生対象コンテンツを選択すると、コンテンツ再生装置600Bkは、当該再生対象コンテンツのダウンロード要求を、当該再生対象コンテンツを保有するコンテンツサーバへ送る。そして、コンテンツ再生装置600Bkは、ダウンロード要求に対する応答として送られてきたコンテンツデータに基づいて、コンテンツ再生を行う。
【0067】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)におけるコンテンツの検索結果を収集した後に、検索結果に含まれるコンテンツごとの属性情報に基づいて、まず、判定手段720が、オリジナルの検索要求を発行したコンテンツ再生装置600Bkによる再生可否を判定する。引き続き、評価手段730が、判定手段720により再生可と判定されたコンテンツごとに、その属性情報に基づいて、再生品質を評価する。そして、編集手段740Bが、評価手段730による評価結果に基づいた編集を行い、評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する。こうして生成されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Bkの利用者に提示される。
【0068】
したがって、本第2実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、コンテンツ再生装置600Bkの固有の事情を考慮したコンテンツ選択用情報が提示されるので、再生対象のコンテンツの選択に際してコンテンツ再生装置600Bkの利用者の利便性を向上させることができる。
【0069】
また、本第2実施形態では、監視手段790が、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)との間の通信状況を監視し、監視結果に基づいて、コンテンツサーバ900jのそれぞれがコンテンツのダウンロードに適しているか否かの評価を行う。そして、コンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバに対しては、要求手段710Bは、検索要求を発行しないようにしている。このため、ダウンロードに適していないコンテンツサーバが保有しているコンテンツ情報を、コンテンツ選択用情報から除外することができる。
【0070】
また、第2実施形態についても、上述した第1実施形態の場合と同様の変形が可能である。
【0071】
なお、第1及び第2実施形態のコンテンツ選択支援装置700A,700Bを、演算手段としての1又は2以上のコンピュータを備えて構成し、コンテンツ選択支援装置700A,700Bの機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにすることができる。
【実施例】
【0072】
以下、本発明の実施例を、図3〜図13を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、上述した実施形態を含めて、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0073】
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3〜図11を主に参照しつつ説明する。
【0074】
図3には、本発明の第1実施例のコンテンツ選択支援装置の機能も果たすコンテンツ再生装置100Aの概略的な構成、及び、コンテンツ再生装置100Aとデータ通信を行う各種装置が示されている。なお、コンテンツ再生装置100Aは、上述した第1実施形態のコンテンツ選択支援装置700Aを備えるコンテンツ再生装置600Aの一態様となっている。また、コンテンツ再生装置100Aが車両に搭載される場合を例示して、以下の説明を行う。
【0075】
<構成>
図3に示されるように、コンテンツ再生装置100Aは、記憶ユニット110と、音出力ユニット120と、表示ユニット130と、操作入力ユニット140と、無線通信ユニット150とを備えている。また、コンテンツ再生装置100Aは、監視手段、要求手段、判定手段、評価手段及び編集手段としての制御ユニット190を備えている。
【0076】
上記の記憶ユニット110は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成され、様々なデータを記憶する。記憶装置110には、制御ユニット190がアクセスできるようになっている。
【0077】
記憶ユニット110には、図4に示されるように、コンテンツサーバ適正テーブルCATが記憶される。また、記憶ユニット110においては、制御ユニット190の動作中における各種データを記憶するための作業用データ領域WKAが確保されている。
【0078】
上記のコンテンツサーバ適正テーブルCATは、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のそれぞれについて、平均応答時間TRj、平均データ取得速度DTRj及びサーバ適正ポイントDWPjが登録される。なお、図4には、コンテンツサーバ900Pのサーバ適正ポイントDWPPが、コンテンツのダウンロードに不適となっている例が示されている。ここで、「サーバ適正ポイント」とは、コンテンツサーバ900jのそれぞれについて、平均応答時間TRjと平均データ取得速度DTRjとに基づき、制御ユニット190によって、コンテンツのダウンロードの適正度をポイントとして算出されたものである。
【0079】
上記の作業用データ領域WKA内には、検索結果記憶領域SRAが確保されている。この検索結果記憶領域SRA内に記憶されるデータについては、後述する。
【0080】
図3に戻り、上記の音出力ユニット120は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット190から送られる音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット120は、制御ユニット190による制御のもとで、操作ガイダンス音声、音声コンテンツに対応する再生音声等を出力する。
【0081】
上記の表示ユニット130は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット190から送られる表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット130は、操作ガイダンス情報、コンテンツ選択用情報、映像コンテンツに対応する再生映像等を表示する。
【0082】
上記の操作入力ユニット140は、コンテンツ再生装置100Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット130の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0083】
この操作入力ユニット140を利用者が操作することにより、コンテンツ再生装置100Aの動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、キーワードを指定した検索指令や、コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)を指定したダウンロード指令等を、利用者が操作入力ユニット140を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データとして、操作入力ユニット140から制御ユニット190へ向けて送られる。
【0084】
上記の無線通信ユニット150は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信ユニット150は、当該アンテナにより受信したネットワークシステムNWS(より詳しくは、基地局)からの受信信号を処理して、制御ユニット190で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信ユニット150は、制御ユニット190から送られる送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステムNWS(より詳しくは、基地局)へ送る。
【0085】
上記の制御ユニット190は、コンテンツ再生装置100Aの全体を統括制御する。この制御ユニット190は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット190が様々なプログラムを実行することにより、各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中に、上述した第1実施形態におけるコンテンツ選択支援装置700Aとしての機能も含まれている。かかるコンテンツ選択支援装置700Aとしての機能の対応する処理については、後述する。
【0086】
また、制御ユニット190は、操作入力ユニット140にダウンロード指令が入力されると、当該ダウンロード指令に含まれるURLを指定したダウンロード要求を、無線通信ユニット150を介して、当該URLに対応するコンテンツサーバへ向けて送信する。そして、制御ユニット190は、当該ダウンロード要求に対する応答としてダウンロードされたコンテンツデータを、無線通信ユニット150を介して受けると、コンテンツ再生処理を行う。当該コンテンツが音声コンテンツである場合には、コンテンツ再生装置100Aは、ダウンロードされたコンテンツデータに基づいて音声データを生成し、音出力ユニット120へ送る。また、当該コンテンツが、音声コンテンツ及び動画コンテンツを含む映像コンテンツである場合には、コンテンツ再生装置100Aは、ダウンロードされたコンテンツデータに基づいて、音声データを生成して音出力ユニット120へ送るとともに、表示データを生成して表示ユニット130へ送る。
【0087】
<動作>
次に、上記のように構成されたコンテンツ再生装置100Aの動作について、コンテンツ選択支援装置700Aとしての機能を実現するための処理に主に着目して説明する。なお、ダウンロード対象となるコンテンツが、音声コンテンツ及び動画コンテンツを含む映像コンテンツである場合を例示して、以下の説明を行うものとする。
【0088】
《コンテンツサーバとの通信状況の監視処理》
まず、コンテンツサーバとの通信状況の監視処理について説明する。
【0089】
この監視処理に際して、図5に示されるように、ステップS11において、制御ユニット190が、コンテンツサーバ900jのそれぞれに対して、計測用のデータ取得要求を順次発行し、通信状況の情報として、当該データ取得要求に対する応答時間及びデータ取得速度を計測する。引き続き、制御ユニット190は、最近の所定期間におけるコンテンツサーバ900jのそれぞれに対しての応答時間の平均値及びデータ取得速度の平均値を算出する。そして、算出された応答時間の平均値及びデータ取得速度の平均値を、新たな平均応答時間TRj及び平均データ取得速度DTRjとして、記憶ユニット110内のコンテンツサーバ適正テーブルCATに登録することにより、コンテンツサーバ適正テーブルCATにおける平均応答時間TRj及び平均データ取得速度DTRjを更新する。
【0090】
次に、ステップS12において、制御ユニット190が、コンテンツサーバ適正テーブルCATにおける平均応答時間TRj及び平均データ取得速度DTRjに基づいて、コンテンツサーバ900jのそれぞれについて、コンテンツのダウンロードの適正ポイントを算出する。そして、制御ユニット190は、算出された適正ポイントを、新たなサーバ適正ポイントDWPjとして、記憶ユニット110内のコンテンツサーバ適正テーブルCATに登録することにより、コンテンツサーバ適正テーブルCATにおけるサーバ適正ポイントDWPjを更新する。
【0091】
ここで、新たなサーバ適正ポイントDWPjの算出に際して、制御ユニット190は、平均応答時間TRjが所定応答時間よりも長い場合、及び/又は、平均データ取得速度DTRjが所定取得速度よりも遅い場合には、コンテンツのダウンロードに適していないと評価し、「不適」を示すサーバ適正ポイントを算出する。また、制御ユニット190は、コンテンツのダウンロードに適しているコンテンツサーバについても、平均応答時間が短いほど高い評価を行うとともに、平均データ取得速度が速いほど高い評価を行う態様で、サーバ適正ポイントを算出する。
【0092】
次いで、制御ユニット190は、ステップS13において、所定時間の待機を行う。そして、所定時間が経過すると、再び、ステップS11〜S13の処理が繰り返される。こうして、所定時間が経過するたびに、周期的に、コンテンツサーバ適正テーブルCATの内容が更新される。
【0093】
《コンテンツ選択用情報の作成処理》
次に、コンテンツ選択用情報の作成処理について説明する。このコンテンツ選択用情報の作成処理は、コンテンツ再生装置100Aの利用者により、操作入力ユニット140に、コンテンツ名等の所望のコンテンツのキーワードを指定した検索指令がなされた場合に実行される。
【0094】
なお、以下の説明においては、コンテンツサーバ9001,9002のサーバ適正ポイントDPW1,DPW2は、「不適」となっていないものとする。
【0095】
コンテンツ選択用情報の作成処理では、図6に示されるように、ステップS21Aにおいて、検索指令を受けた制御ユニット190が、コンテンツサーバ適正テーブルCATにおいてサーバ適正ポイントが「不適」となっていない全てのコンテンツサーバに対して、当該キーワードを指定した検索要求を発行する。この検索要求を受けたコンテンツサーバのそれぞれは、自身が保有するコンテンツデータベース内を検索し、検索結果をコンテンツ再生装置100Aへ送る。
【0096】
次に、コンテンツ再生装置100Aでは、無線通信ユニット150を介して、制御ユニット190が、それぞれのコンテンツサーバから検索結果を受ける。検索結果を受けた制御ユニット190は、受けた検索結果におけるコンテンツごとの属性情報を、当該コンテンツの評価ポイントと関連付けて、記憶ユニット110内の検索結果記憶領域SRAに格納する。この格納結果の例が、図7に示されている。図7では、検索結果であるそれぞれのコンテンツに対応する属性情報及び評価ポイントについては、説明の便宜のため、座標形式の表記(p,q)(p=1,2,…;q=1,…)を付して記載している。ここで、値「p」は、取得元のコンテンツサーバの種別を示しており、上述の「コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)」との表記における値「j」に対応している。なお、この時点では、制御ユニット190は、評価ポイント(p,q)(p=1,2,…;q=1,…)を、コンテンツサーバ900pに関するサーバ適正ポイントDWPpに設定するようになっている。
【0097】
また、本第1実施例では、属性情報(p,q)には、図8に示されるように、コンテンツデータが収納されたファイル名(XXXX.YYY)、コンテンツデータのデータ量、コンテンツサーバ900pで計測された当該コンテンツデータの過去のダウンロード時における最大ビットレートが含まれている。さらに、属性情報(p,q)には、コンテンツデータのダウンロード時における平均ビットレート、当該コンテンツのフレームレート、当該コンテンツの解像度が含まれている。ここで、ファイル名の拡張子「YYY」により、コンテンツデータの圧縮方式を特定できるようになっている。
【0098】
なお、この時点では、属性情報(p,q)のそれぞれに対応するコンテンツの全てが、ダウンロード候補となっている。
【0099】
図6に戻り、ステップS21Aの処理が終了すると、処理はステップS22へ進む。このステップS22では、各コンテンツのコンテンツ再生装置100Aよる再生可否の判定処理が行われる。かかる再生可否の判定処理に際しては、図9に示されるように、まず、ステップS31において、制御ユニット190が、最初のダウンロード候補(例えば、属性情報(1,1)に対応するコンテンツ)を選択する。
【0100】
引き続き、ステップS32において、選択されているダウンロード候補のコンテンツの属性情報における最大ビットレートが、コンテンツ再生装置100Aの最高受信処理能力を超えずに、許容できる値となっているか否かを、制御ユニット190が判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS32:Y)には、処理はステップS33へ進む。
【0101】
ステップS33では、当該属性情報における平均ビットレートが、コンテンツ再生装置100Aの平均受信処理能力を超えずに、許容できる値となっているか否かを、制御ユニット190が判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS33:Y)には、処理はステップS34へ進む。
【0102】
ステップS34では、当該属性情報における解像度が、表示ユニット130に適合しているか否かを、制御ユニット190が判定する。なお、本第1実施例では、コンテンツ再生装置100Aが車両に搭載されていることから、表示ユニット130に適合している条件として、解像度が高精細(HD)ではないことが含まれるようになっている。ステップS34における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS34:Y)には、処理はステップS35へ進む。
【0103】
ステップS35では、上述したコンテンツサーバ900jのそれぞれの通信状況の監視結果と、属性情報(p(=j),q)とが整合しているか否かを、制御ユニット190が判定する。本第1実施例では、両者が整合している条件として、平均データ取得速度DTRjから導出されるビットレートが当該コンテンツの最大ビットレートより小さいこと、及び、平均データ取得速度DTRjから導出されるビットレートが当該コンテンツの平均ビットレートからかけ離れていないことが含まれるようになっている。ステップS35における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS35:Y)には、処理は、後述するステップS37へ進む。
【0104】
上記のステップS32〜S35のいずれかにおける判定の結果が否定的であった場合(ステップS32:N,ステップS33:N,ステップS34:N,ステップS35:N)には、選択されているダウンロード候補のコンテンツは再生不可であると判断され、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、制御ユニット190が、選択されているダウンロード候補のコンテンツを、ダウンロード候補から削除し、その結果を検索結果記憶領域SRAの内容に反映する。そして、処理はステップS37へ進む。
【0105】
ステップS37では、制御ユニット190が、全てのダウンロード候補のコンテンツについて、再生可否の判定を行ったか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS37:N)には、処理はステップS38へ進む。
【0106】
ステップS38では、制御ユニット190が、次のダウンロード候補を選択する。そして、処理はステップS32へ戻る。
【0107】
以後、ステップS37における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS32〜S38の処理が繰り返される。そして、全てのダウンロード候補のコンテンツについて、再生可否の判定が終了し、ステップS37における判定の結果が肯定的となると(ステップS37:Y)、ステップS22の処理が終了し、処理は、図6のステップS23へ進む。
【0108】
ステップS23では、ステップS22において再生可と判定されたコンテンツ(以下、「再生可コンテンツ」呼ぶ)、すなわち、ダウンロード候補として残ったコンテンツのそれぞれの再生品質の評価処理が行われる。かかる評価処理に際しては、図10に示されるように、まず、ステップS41において、制御ユニット190が、最初の再生可コンテンツを選択する。
【0109】
次に、ステップS42において、制御ユニット190が、選択されている再生可コンテンツの属性情報における平均ビットレートとフレームレートとの関係(以下、「ビットレート間関係」とも呼ぶ)が適切か否かを判定する。ここで、制御ユニット190は、平均ビットレートが、フレームレートに対して大きすぎたり、小さすぎたりしないか否かを判定することにより、平均ビットレートとフレームレートとの関係が適切か否かを判定するようになっている。例えば、本第1実施例においては、平均ビットレートが512kbps以上の場合には、フレームレートが30fps程度であることが適切であり、平均ビットレートが512kbps未満の場合には、フレームレートが15fps程度であることが適切であると判断するようにしている。このため、平均ビットレートが1Mbpsなのに対し、フレームレートが15fpsである場合、平均ビットレートが192kbpsなのに対し、フレームレートが30fpsであるような場合等を適切ではないと判定するようになっている。
【0110】
なお、平均ビットレートに対する適切なフレームレートの範囲は、良質な映像再生の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づき、予め定められる。
【0111】
ステップS42における判定の結果が否定的であった場合(ステップS42:N)には、処理はステップS43へ進む。このステップS43では、制御ユニット190が、選択されている再生可コンテンツを、ダウンロード候補から削除し、その結果を検索結果記憶領域SRAの内容に反映する。
【0112】
ステップS43の処理が終了すると、処理はステップS44へ進む。また、ステップS42における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS42:Y)にも、処理はステップS44へ進む。
【0113】
ステップS44では、制御ユニット190が、全ての再生可コンテンツのビットレート間関係を評価したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS44:N)には、処理はステップS45へ進む。このステップS45では、制御ユニット190が、次の再生可コンテンツを選択する。そして、処理はステップS42へ戻る。
【0114】
以後、ステップS44における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS42〜S45の処理が繰り返される。そして、全ての再生可コンテンツのビットレート間関係の評価が終了し、ステップS44における判定の結果が肯定的となると(ステップS44:Y)、処理はステップS46へ進む。
【0115】
ステップS46では、この段階で残っている再生可コンテンツの属性情報における平均ビットレートに基づいて、制御ユニット190が、再生品質の評価を行う。ここで、平均ビットレートが高いほど、映像コンテンツのストリーミング再生時における途切れる可能性が低いことから、制御ユニット190は、平均ビットレートが高いほど、評価結果が高くなる評価を行う。
【0116】
引き続き、制御ユニット190は、平均ビットレートに基づく評価結果に対応する評価ポイントを、この段階で検索結果記憶領域SRA内において当該属性情報と関連付けられている評価ポイントに加算する。そして、制御ユニット190は、加算結果を、新たな評価ポイントとして、検索結果記憶領域SRA内に登録する。
【0117】
次に、ステップS47において、この段階で残っている再生可コンテンツの属性情報におけるファイル名の拡張子により特定される圧縮方式に基づいて、制御ユニット190が、再生品質の評価を行う。ここで、制御ユニット190は、ダウンロード効率の観点から、特定された圧縮方式の圧縮効率や信頼性が高いほど、評価結果が高くなる評価を行う。
【0118】
引き続き、制御ユニット190は、圧縮方式に基づく評価結果に対応する評価ポイントを、この段階で検索結果記憶領域SRA内において当該属性情報と関連付けられている評価ポイントに加算する。そして、制御ユニット190は、加算結果を、新たな評価ポイントとして、検索結果記憶領域SRA内に登録する。
【0119】
こうしてステップS47の処理が終了すると、ステップS23の処理が終了する。そして、処理は、図6のステップS24Aへ進む。
【0120】
ステップS24Aでは、ステップS23における評価結果及び属性情報に基づく編集処理が行われ、コンテンツ選択用情報が生成される。かかる編集処理に際しては、図11に示されるように、まず、ステップS51において、制御ユニット190が、この段階で残っている再生可コンテンツ中に、平均ビットレート及び圧縮方式が同一のコンテンツが複数あるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)には、処理は、後述するステップS53へ進む。
【0121】
ステップS51における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS51:Y)には、処理はステップS52へ進む。ステップS52では、制御ユニット190が、平均ビットレート及び圧縮方式が同一の複数のコンテンツの組ごと、データ量が多い順に所定最大個数(例えば、5個)を限度としたコンテンツ抽出を行う。引き続き、制御ユニット190は、抽出されたコンテンツの組ごとについて、データ量が多い順にソートする。そして、処理はステップS53へ進む。
【0122】
ステップS53では、制御ユニット190が、この段階における再生可コンテンツのそれぞれの評価ポイントに基づいて、ステップS52によるソート結果を尊重しつつ評価ポイントが高い順にソートして、コンテンツ選択支援用情報を生成する。そして、制御ユニット190は、コンテンツ選択支援用情報をリスト形式で表示するための画像データを生成し、表示ユニット130へ送る。
【0123】
こうしてステップS53の処理が終了すると、ステップS24Aの処理が終了する。そして、処理は、図6のステップS25Aへ進む。
【0124】
ステップS25Aでは、表示ユニット130に、コンテンツ選択支援用情報がリスト形式で表示される。この結果、再生に好ましい順にコンテンツが並べられ、情報量が適正化されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置100Aの利用者に提示され、コンテンツ選択用情報の作成処理が終了する。
【0125】
こうして提示されたコンテンツ選択用情報を参照して、利用者が操作入力ユニット140を利用して再生対象コンテンツを選択すると、コンテンツ再生装置100Aは、当該再生対象コンテンツのダウンロード要求を、当該再生対象コンテンツを保有するコンテンツサーバへ送る。そして、コンテンツ再生装置100Aは、ダウンロード要求に対する応答として送られてきたコンテンツデータに基づいて、コンテンツ再生を行う。
【0126】
以上説明したように、本第1実施例によれば、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)におけるコンテンツの検索結果を収集した後に、検索結果に含まれるコンテンツごとの属性情報に基づいて、まず、コンテンツ再生装置100Aによる再生可否が判定される。引き続き、再生可と判定されたコンテンツごとに、その属性情報に基づいて、再生品質が評価される。そして、評価結果に基づいた編集が行われ、評価結果を反映したコンテンツ選択用情報が生成される。こうして生成されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置100Aの利用者に提示される。
【0127】
したがって、本第1実施例によれば、コンテンツ再生装置100Aの固有の事情を考慮したコンテンツ選択用情報が提示されるので、再生対象のコンテンツの選択に際してコンテンツ再生装置100Aの利用者の利便性を向上させることができる。
【0128】
また、本第1実施例では、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)との間の通信状況を監視し、監視結果に基づいて、コンテンツサーバ900jのそれぞれがコンテンツのダウンロードに適しているか否かの評価が行われる。そして、コンテンツのダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバに対しては、検索要求を発行しないようにしている。このため、ダウンロードに適していないコンテンツサーバが保有しているコンテンツ情報を、コンテンツ選択用情報から除外することができる。
【0129】
また、本第1実施例では、コンテンツのダウンロードに適していると評価されるとコンテンツサーバについても、平均応答時間が短いほど高く、平均データ取得速度が速いほど高い評価を行うようにするとともに、このコンテンツサーバごとの評価結果を更に考慮した再生品質の評価が行われる。このため、ストリーミング再生時における途切れが発生する可能性を更に精度良く評価することができる。
【0130】
また、本第1実施例では、コンテンツサーバ900jのそれぞれとの間の通信状況の計測と、コンテンツのそれぞれに対応する属性情報との整合性を考慮して、再生可否の判定が行われる。このため、再生品質の評価対象コンテンツを更に絞り込むようにすることができる。
【0131】
なお、上記の第1実施例では、映像コンテンツの検索の場合に本発明を適用したが、音声コンテンツのダウンロード場合にも、本発明を適用することができる。
【0132】
また、上記の第1実施例では、コンテンツ再生装置が車両に搭載される場合を説明したが、コンテンツ再生装置が、車両以外の移動体に搭載される場合や、家屋内等の固定的に設置される場合にも本発明を適用することができる。
【0133】
また、コンテンツごとに特定される圧縮方式にコンテンツ再生装置が対応できるか否かの判定を、再生可否の判定の一部として更に行うようにしてもよい。
【0134】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図12,13を主に参照して説明する。
【0135】
<構成>
図12には、第2実施例に係るコンテンツ選択支援装置200の概略的な構成と、当該コンテンツ選択支援装置200とデータの授受を行う各種装置が示されている。なお、コンテンツ選択支援装置200は、上述した第2実施形態のコンテンツ選択支援装置700Bの一態様となっている。
【0136】
図12に示されるように、コンテンツ選択支援装置200は、記憶ユニット210と、通信ユニット250とを備えている。また、コンテンツ選択支援装置200は、監視手段、要求手段、判定手段、評価手段及び編集手段としての制御ユニット290を備えている。
【0137】
上記の記憶ユニット210は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成され、様々なデータを記憶する。記憶装置210には、制御ユニット290がアクセスできるようになっている。
【0138】
記憶ユニット210は、上述した記憶ユニット110の場合と同様に、コンテンツサーバ適正テーブルCATを記憶するとともに、その内部に作業用データ領域WKAが確保されている。なお、記憶ユニット210には、コンテンツ再生装置600B1,600B2,…のそれぞれについての再生仕様情報が記憶されるようになっている。かかる再生仕様情報には、最高受信処理能力、平均受信処理能力、許容解像度等が含まれている。
【0139】
上記の通信ユニット250は、ネットワークシステムNWSからの受信信号を処理して、制御ユニット290で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、通信ユニット250は、制御ユニット290から送られる送信信号を処理し、ネットワークシステムNWSへ送る。すなわち、通信ユニット250は、上述した無線通信ユニット150が制御ユニット190に対して果たす役割と同様の役割を、制御ユニット290に対して果たすようになっている。
【0140】
上記の制御ユニット290は、コンテンツ選択支援装置200の全体を統括制御する。この制御ユニット290は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット290が様々なプログラムを実行することにより、各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中に、上述した第2実施形態におけるコンテンツ選択支援装置700Bとしての機能も含まれている。かかるコンテンツ選択支援装置700Bとしての機能の対応する処理については、後述する。
【0141】
<動作>
次に、上記のように構成されたコンテンツ選択支援装置200の動作について説明する。以下、ダウンロード対象となるコンテンツが映像コンテンツである場合を例示して、以下の説明を行うものとする。
【0142】
なお、コンテンツサーバとの間の通信状況の監視処理は、制御ユニット290による制御のもとで、上述した第1実施例の場合と同様に実行される。
【0143】
《コンテンツ選択用情報の作成処理》
コンテンツ選択用情報の作成処理は、コンテンツ再生装置600B1,600B2,…のいずれかが発行した検索要求を受けた場合に実行される。以後、当該検索要求を発行したコンテンツ再生装置を、コンテンツ再生装置600Bkと記すものとする。
【0144】
図13に示されるように、コンテンツ再生装置600Bkが発行した検索要求を、通信ユニット250を介して受けた制御ユニット290は、ステップS21Bにおいて、コンテンツサーバ900j(j=1,2,…)のうち、監視処理においてダウンロードに適していないと評価されたコンテンツサーバを除く全てのコンテンツサーバに対して、検索要求を発行する。この検索要求を受けたコンテンツサーバのそれぞれは、自身が保有するコンテンツデータベース内を検索し、検索結果をコンテンツ選択支援装置200へ送る。
【0145】
コンテンツ選択支援装置200では、通信ユニット250を介して、制御ユニット290が検索結果を受ける。検索結果を受けた制御ユニット290は、上述した制御ユニット190と同様に、検索結果におけるコンテンツごとの属性情報を、当該コンテンツの評価ポイントと関連付けて、記憶ユニット210内の検索結果記憶領域SRAに格納する。
【0146】
次に、制御ユニット290は、コンテンツ再生装置600Bkの再生仕様情報を参照しつつ、制御ユニット190と同様に、ステップS22の再生可否の判定処理、及び、ステップS23の再生品質の評価処理を実行する。そして、処理がステップS24Bへ進む。
【0147】
ステップS24Bでは、上述したステップS24Aの場合と同様に、ステップS23における評価結果及び属性情報に基づく編集処理が行われ、コンテンツ選択用情報が生成される。そして、生成されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Bkへ送られる。こうしてステップS24Bの処理が終了する。
【0148】
コンテンツ選択用情報を受けたコンテンツ再生装置600Bkでは、ステップS25Bにおいて、例えば、表示ユニットに、コンテンツ選択支援用情報がリスト形式で表示させる等のコンテンツ選択情報の提示が行われる。この結果、再生に好ましい順にコンテンツが並べられ、情報量が適正化されたコンテンツ選択用情報が、コンテンツ再生装置600Bkの利用者に提示され、コンテンツ選択用情報の作成処理が終了する。
【0149】
こうして提示されたコンテンツ選択用情報を参照して、コンテンツ再生装置600Bkの利用者が再生対象コンテンツを選択すると、コンテンツ再生装置600Bkは、当該再生対象コンテンツのダウンロード要求を、当該再生対象コンテンツを保有するコンテンツサーバへ送る。そして、コンテンツ再生装置600Bkは、ダウンロード要求に対する応答として送られてきたコンテンツデータに基づいて、コンテンツ再生を行う。
【0150】
以上説明したように、本第2実施例によれば、第1実施例と同様に、コンテンツ再生装置600Bkの固有の事情を考慮したコンテンツ選択用情報が提示されるので、再生対象のコンテンツの選択に際してコンテンツ再生装置600Bkの利用者の利便性を向上させることができる。また、第2実施例についても、上述した第1実施例の場合と同様の変形が可能である。
【0151】
なお、上記の第1及び第2実施例では、コンピュータによるプログラムの実行により、コンテンツ選択支援装置の機能を実現するようにしたが、当該コンテンツ選択支援装置の機能の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウエアを用いて実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0152】
100A … コンテンツ再生装置(コンテンツ選択支援装置)
190 … 制御ユニット(監視手段、要求手段、判定手段、評価手段、編集手段)
200 … コンテンツ選択支援装置
290 … 制御ユニット(監視手段、要求手段、判定手段、評価手段、編集手段)
700A … コンテンツ選択支援装置
700B … コンテンツ選択支援装置
710A … 要求手段
710B … 要求手段
720 … 判定手段
730 … 評価手段
740A … 編集手段
740B … 編集手段
790 … 監視手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツサーバからダウンロードされるコンテンツの選択を支援するコンテンツ選択支援装置であって、
コンテンツの検索要求を送信する要求手段と;
前記検索要求に対する応答として得られた検索結果におけるコンテンツごとに対応する再生に関する属性情報に基づいて、再生可否を判定する判定手段と;
前記判定手段により再生可と判定されたコンテンツごとに、前記属性情報に基づいて、再生品質の評価を行う評価手段と;
前記評価手段による評価結果に基づく編集を行い、前記評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する編集手段と;
を備えることを特徴とするコンテンツ選択支援装置。
【請求項2】
前記コンテンツは映像コンテンツを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項3】
前記属性情報には、前記映像コンテンツの再生時において必要とされる解像度が含まれ、
前記判定手段は、前記解像度が所定範囲内である場合には、再生可と判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項4】
前記属性情報には、前記コンテンツを保有するコンテンツサーバにより計測された前記コンテンツのダウンロード時における最大ビットレートが含まれ、
前記判定手段は、前記最大ビットレートが所定ビットレート以下である場合には、再生可と判定する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項5】
前記属性情報には、ダウンロード時における平均ビットレート及び前記映像コンテンツのフレームレートが含まれ、
前記評価手段は、前記平均ビットレートと前記フレームレートとの関係を考慮して前記再生品質を評価する、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項6】
前記属性情報には、前記コンテンツの圧縮情報が含まれ、
前記評価手段は、前記圧縮情報を考慮して前記再生品質を評価する、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項7】
前記属性情報には、前記コンテンツのデータ量が含まれ、
前記編集手段は、前記評価手段により考慮された前記属性情報の項目の内容が同一のコンテンツが複数存在する場合に、前記データ量が大きな順に所定最大個数を限度として抽出し、前記抽出されたコンテンツに関する前記コンテンツ選択用情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項8】
前記編集手段は、前記評価手段による評価が高い順に、リスト形式で、前記コンテンツ選択用情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項9】
前記コンテンツのダウンロード元候補のコンテンツサーバとの通信状況を監視する監視手段を更に備え、
前記要求手段は、前記監視手段による監視結果に基づいて選択されたコンテンツサーバへ前記検索要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項10】
前記監視手段は、前記コンテンツサーバごとに応答時間及びデータ取得速度を監視する、ことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項11】
前記評価手段は、前記監視手段による監視結果を更に考慮して、前記再生品質の評価を行う、ことを特徴とする請求項9又は10に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前記監視手段による監視結果を更に考慮して再生可否を判定する、ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のコンテンツ選択支援装置。
【請求項13】
コンテンツサーバからダウンロードされるコンテンツの選択を支援する装置で使用されるコンテンツ選択支援方法あって、
コンテンツの検索要求を送信する要求工程と;
前記検索要求に対する応答として得られた検索結果におけるコンテンツごとに対応する再生に関する属性情報に基づいて、再生可否を判定する判定工程と;
前記判定工程において再生可と判定されたコンテンツごとに、前記属性情報に基づいて、再生品質の評価を行う評価工程と;
前記評価工程における評価結果に基づく編集を行い、前記評価結果を反映したコンテンツ選択用情報を生成する編集工程と;
を備えることを特徴とするコンテンツ選択支援方法。
【請求項14】
請求項13に記載のコンテンツ選択支援方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするコンテンツ選択支援プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンテンツ選択支援プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−43992(P2011−43992A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191764(P2009−191764)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】