説明

コンデンサマイクロホンユニット及びコンデンサマイクロホンの振動板組立体の製造方法

【課題】成極電圧を高くしても、振動板が固定極に吸着しない振動板組立体を有するコンデンサマイクロホンユニットを提供する。
【解決手段】振動板支持体10に振動板12を張設した振動板組立体1と、スペーサを介して振動板組立体1と相対向して配置された固定極20とを有するコンデンサマイクロホンユニットであって、振動板支持体10には、振動板12を振動可能に張設する開口部10aが形成され、振動板12は、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で振動板支持体10に張設されていると共に、その凹曲面が固定極20と相対向して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサマイクロホンユニット及びコンデンサマイクロホンの振動板組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているコンデンサマイクロホンは、図7に示すように、金属製の振動板支持体13Aに振動板12を所定の張力をもって張設してなる振動板組立体100と、固定極(固定電極)20と、スペーサリング(スペーサ)30とを有するコンデンサマイクロホンユニットを備えている。
また、前記コンデンサマイクロホンユニットでは、振動板組立体10の振動板12と、固定極20とがスペーサリング30を介して相対向して配置されている。
【0003】
また、上記の振動板支持体13Aには、環状に形成された支持リングが用いられ、振動板12は所定のテンションがかけられた状態でその周縁部分が接着材により前記支持リングに貼り付けられている。
そして、上記のように振動板支持体13Aに貼り付けられた振動板12は、振動板支持体13Aの内側の領域が有効振動部分(固定極20との間では有効静電容量部分)として動作するようになっている。
【0004】
ところで、上記のコンデンサマイクロホンは、振動板12と固定極20との間の成極電圧を大きく(高く)することにより、高い感度が得られる構造になっている。
しかしながら、振動板12には固定極20との間で静電吸引力(成極電圧の大きさに応じて大きくなる静電吸引力)が作用する。そのため、振動板12と固定極20との間に所定以上の成極電圧がかかると、図8に示すように、静電吸引力により振動板12が固定極20側に吸い寄せられて接触し、コンデンサマイクロホンが動作しなくなるという課題を有している。特に、張力が弱い振動板12の中央部が固定極20側に吸い寄せられて接触していた。なお、図8では、説明の便宜上、スペーサリング30を省略している。
【0005】
そして、上記の課題を解決するコンデンサマイクロホンユニットの構成が、特許文献1に提案されている。
具体的には、特許文献1のコンデンサマイクロホンユニットは、図9に示すように、振動板12を張設する振動板支持体13Bを複数の開口部13B1を備えた構成になすことにより、振動板12の振動張力を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−60370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1のように、振動板支持体13Bに複数の開口部13B1を設けて振動板12の振動張力を高めても、高い感度を必要とする狭指向性のコンデンサマイクロホンで発生する静電吸引力に十分に対抗できず、振動板12が固定極20に吸い寄せられて接触することがあった(図10参照)。
なお、音響管を用いる狭指向性のコンデンサマイクロホンでは、成極電圧が600V程度であるため、上記の静電吸引力は大きなものになっていた。
すなわち、特許文献1に記載されたコンデンサマイクロホンユニットは、成極電圧が高い狭指向性のコンデンサマイクロホンに用いられた場合に、静電吸引力により、振動板12の中央部(張力が小さい中央部)が固定極20側に吸い寄せられ接触(吸着)することがあるという技術的課題を有している。
【0008】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、成極電圧を高くしても、振動板が固定極に吸着しない振動板組立体を有するコンデンサマイクロホンユニットを提供することにある。
また、本発明の目的は、成極電圧を高くしても、振動板が固定極に吸着しない振動板組立体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明は、振動板支持体に振動板を張設した振動板組立体と、スペーサを介して該振動板組立体に相対向して配置された固定極とを備えたコンデンサマイクロホンユニットであって、前記振動板支持体には、前記振動板を振動可能に張設する開口部が形成され、前記振動板は、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で前記振動板支持体に張設されていると共に、該凹曲面が前記固定極に相対向して配置されていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成により、振動板の中央部を固定極から離すことができる(振動板の中央部と固定極との間隔を大きくなすことができる)。
そして、上記のように、振動板の中央部と、固定極との間隔を大きくなす構成を採用したのは以下の理由による。
すなわち、本願発明者が、「吸着に対する安定度(振動板がどの程度固定極に吸着されずに所定性能(感度)で動作するかを示す値)が上記間隔の3乗に比例し、成極電圧の2乗に反比例する点」に着目し、上記間隔を大きくすることが、固定極に振動板が吸着することの防止に効果的であることを見出したためである。
なお、安定度の値が所定範囲より大きいとマイクロホンの性能(感度)が低下し、当該所定範囲より小さいと固定極に振動板が吸着するようになっている。
そのため、本発明のコンデンサマイクロホンユニットによれば、振動板と固定極との間に高い成極電圧が印加された場合においても、固定極に振動板が吸着することを防止することができる。
そのため、本発明のコンデンサマイクロホンユニットを搭載することにより、高い感度が要求されるコンデンサマイクロホンの故障を防止することができる。
【0011】
また、前記振動板支持体は、その中央部が凹んだ板状に形成され、前記開口部は、前記板状の表裏面を貫通する複数の貫通孔により構成されていることが望ましい。
また、前記複数の貫通孔のうちの一の貫通孔が、前記振動板支持体の中央に配置され、残りの貫通孔が該中央の貫通孔の外周囲に配置されていることが望ましい。
【0012】
上記のように、前記振動板支持体の中央部が凹んだ構成を採用することにより、振動板の中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で、該振動板を張設することができる。
また、複数の貫通孔により構成された開口部を設けることにより、振動板を部分的に振動可能に張設できるようになり、その結果、振動板の振動張力を高めることができる。
【0013】
また、上記課題を解決するためになされた本発明は、コンデンサマイクロホンに用いられる振動板組立体の製造方法であって、定盤の上に、厚さ寸法が均一な板状に形成され且つその表裏面を貫通した開口部を有する振動板支持体をセットし、当該振動板支持体の中央部に応力を加えながら研磨して、該振動板支持体の中央部を凹ませる第1工程と、治具の上に、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムにより形成された振動板を載置すると共に、前記第1工程により得られた中央部が凹んだ振動板支持体の一方面に接着剤を塗布して該振動板に当該接着剤が塗布された一方面を当接させると共に、該振動板支持体の他方面から、該振動板支持体及び振動板の中央部に荷重を加えて所定時間経過するまで押さえる第2工程と、前記所定時間経過後に、前記振動板支持体の外径からはみ出した振動板を切断し、前記振動板支持体に前記振動板が張設された振動板組立体を取り出す第3工程とを有することを特徴としている。
【0014】
上記の振動板組立体の製造方法によれば、振動板が、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で振動板支持体に張設された振動板組立体を製造することがきる。
すなわち、本発明の製造方法によれば、固定極に高い成極電圧が印加された場合においても、固定極に振動板が吸着することが防止される振動板組立体を製造することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、成極電圧を高くしても、振動板が固定極に吸着しない振動板組立体を有するコンデンサマイクロホンユニットを提供することができる。
また、本発明によれば、成極電圧を高くしても、振動板が固定極に吸着しない振動板組立体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態のコンデンサマイクロホンユニットの模式図である。
【図2】本発明の実施形態の振動板組立体の正面図である。
【図3】本発明の実施形態の振動板組立体の断面を示した模式図である。
【図4】本発明の実施形態の振動板組立体の振動板が固定極側に吸引されている状態を示した模式図である。
【図5】本発明の実施形態の振動板組立体の製造工程を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態の振動板組立体を構成する振動板支持体の変形例を示した模式図である。
【図7】コンデンサマイクロホンユニットの基本的な構成を示す断面図である。
【図8】従来技術のコンデンサマイクロホンユニットの振動板が固定極に吸引されて接触した状態を示した模式図である。
【図9】従来技術のコンデンサマイクロホンユニットの振動板支持体の正面図である。
【図10】従来技術のコンデンサマイクロホンユニットの振動板が固定極に吸引されて接触した状態を示した模式図である。
【0017】
以下、本発明の実施形態のコンデンサマイクロホンユニットを図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態においても、コンデンサマイクロホンユニットの基本的な構成、すなわち振動板組立体と固定極とをスペーサリングを介して対向的に配置する点については、上述した図7と同じである。また、本実施形態のコンデンサマイクロホンユニットは、振動板組立体1以外の構成は図7のものと同じである。
そのため、本実施形態の説明では、図7に示したコンデンサマイクロホンユニットと同じ構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0018】
先ず、本実施形態のコンデンサマイクロホンユニットの構成について図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態のコンデンサマイクロホンユニットの模式図である。また、図2は、本発明の実施形態の振動板組立体の正面図である。また、図3は、本発明の実施形態の振動板組立体の断面を示した模式図である。また、図4は、本発明の実施形態の振動板組立体の振動板が固定極側に吸引されている状態を示した模式図である。
なお、図1及び図4では、説明の便宜上、スペーサリング30を省略している。
【0019】
図1に示すように、マイクロホンユニットは、金属製の振動板支持体10に振動板12を張設してなる振動板組立体1と、固定極20と、スペーサリング30(図1では省略)とを有し、振動板組立体1と、固定極20とがスペーサリング30を介して相対向して配置されている。
また、振動板12は、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で振動板支持体10に張設されていると共に、その凹曲面が固定極20に相対向して配置されるようになっている。
【0020】
また、図2及び図3に示すように、振動板支持体10は、円板状に形成されていると共に、その表裏面を貫通する開口部10aが形成され、その一方面に振動板12が接着されることにより、振動板12を振動可能に張設できるようになっている。
また、図3に示すように、振動板支持体10は、その中央部が凹んだ凹状に形成されている(円弧凹状に形成されている)。この構成により、振動板支持体10は、振動板12を中央部が凹んだ凹曲面を形成させた状態で張設できるようになっている。
【0021】
また、振動板支持体10の開口部10aの構成(形状及び数)は、特に限定されるものではないが、振動板支持体10の限られた面積内で振動板12の有効振動面積をできるだけ大きくするような構成が採用されることが望ましい。
本実施形態では、前記開口部10aが、複数の貫通孔10a1、10a2、10a3、10a4、10a5、10a6、10a7により構成され、振動板支持体10が振動板12を部分的に振動可能に張設できるようにしている。
なお、本実施形態では、振動板支持体10の中央に六角形の貫通孔10a1が配置され、上記六角形の貫通孔10a1の各辺の外周囲に、貫通孔10a2、10a3、10a4、10a5、10a6、10a7が配置されている。
また、貫通孔10a2、10a3、10a4、10a5、10a6、10a7は、いずれも、台形の下底を円弧に形成した形状になっており、上底が、六角形の貫通孔10a1に隣接するように中央側に配置されている。
【0022】
また、振動板支持体10は、例えば、真鍮(黄銅)やアルミニウムなどの金属により形成されている。
また、振動板支持体10の大きさ寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、小型ユニットの場合、直径16〜20mm程度に形成される。
【0023】
また、振動板12には、一方の面に金属蒸着膜を有する樹脂フィルムが用いられる。
なお、前記樹脂フィルムの具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂フィルムに、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの高分子フィルムが好ましく採用される。
また、前記金属蒸着膜は、延性(展性)を有するものであればよい(金(Au)の蒸着膜が最適である)。
また、前記樹脂フィルムの厚さ寸法は、1〜10μmの範囲内で選択されるとことが望ましい。また、前記金属蒸着膜の厚さは、数十オングストローム以上で1000オングストローム以下になされていることが好ましい。また、蒸着法は、真空蒸着が一般的であるが、これ以外の蒸着法によってもよい。
【0024】
そして、振動板支持体10に振動板12を所定の張力をかけた状態で貼着することにより、貫通孔10a1、10a2、10a3、10a4、10a5、10a6、10a7ごとに小さな面積の共振周波数の高い振動板が作られ、これら小さな振動板は電気的に並列接続されたものと等価となる。
【0025】
そして、上記構成により、図1に示すように、固定極20に吸着しやすい振動板12の中央部と、固定極20との間隔(距離寸法L1)を大きくなすことができる。
すなわち、本実施形態では、振動板12と固定極20との間隔(距離寸法)が、振動板12の外周部から中央部に向かうにしたがい大きくなっている(L1>L2)。
【0026】
このように、振動板12の中央部と、固定極20との間隔(距離寸法L1)を大きくなす構成を採用したのは以下の理由による。
具体的には、本願の発明者が、「吸着に対する安定度(振動板がどの程度固定極に吸着されずに所定性能(感度)で動作するかを示す値)」が上記間隔(距離寸法L1)の3乗に比例し、成極電圧の2乗に反比例することに着目し、上記間隔を大きくすることが、固定極20に振動板12が吸着することの防止に効果的であることを見出したためである。
すなわち、振動板12の中央部と、固定極20との間隔(距離寸法L1)を大きくなすことにより、図4に示すように、振動板12と固定極20との間に高い成極電圧が印加された場合においても、振動板12が固定極20に吸着することを防止することができる。
なお、安定度の値が所定範囲より大きいとマイクロホンの性能(感度)が低下し、当該所定範囲より小さいと固定極に振動板が吸着するようになっている。
【0027】
つぎに、本実施形態の振動板組立体1の製造方法について図5を用いて説明する。
ここで、図5は、本発明の実施形態の振動板組立体の製造工程を説明するための模式図であり、図5(a)は、中央部が凹んでいない研磨工程がなされる前の振動板支持体Zを示した模式図であり、図5(b)は、振動板支持体Zの研磨工程を示した模式図であり、図5(c)は、研磨工程後の振動板支持体10を示した模式図であり、図5(d)及び図5(e)は、振動板支持体10に振動板12を貼り付ける接着工程を示した模式図であり、図5(f)は、振動板支持体10に振動板12が接着されて張設された状態を示した模式図である。
【0028】
まず、中央部が凹んでいない振動板支持体Zを研磨し、その中央部を凹ませる研磨工程を行う。
具体的には、図5(a)に示すように、厚さ寸法が均一な板状に形成され且つその表裏面を貫通した開口部10aを有する金属製の振動板支持体Zを準備する。
また、図5(b)に示すように、定盤41の上に振動板支持体Zを載置し、押さえ面が円弧凸状に形成された加圧保持部材42により、振動板支持体Zの中央部に応力を加えながら振動板支持体Zを研磨する。
そして、研磨工程が終了した後で、定盤42から取り出すと、図6(c)に示すように、外周部に比べて中央部側が凹んだ振動板支持体10が得られる。
【0029】
次に、振動板支持体10に振動板12を貼り付ける接着工程を行う。
具体的には、図5(d)に示すように、治具51の上に、金属蒸着膜を備えた樹脂フィルムにより形成された振動板12を載置する。また、上述した研磨工程により得られた中央部が凹んだ振動板支持体10の一方面(塗布面)10bに接着剤を塗布し、振動板12に当該接着剤の塗布面を当接させる。
なお、前記接着剤には、例えば、2液エポキシ接着剤を用いることができる。
そして、図5(e)に示すように、振動板支持体10の他方面(上記塗布面10bの反対側)から、先端部が円弧凸状に形成された錘52により振動板支持体10及び振動板12を押圧する。これにより、振動板支持体10及び振動板12は、治具51及び錘52により、中央部に大きい荷重が加えられた状態で押さえられる(挟持される)。
【0030】
次に、上述した図5(e)の状態において、例えば、70℃で2時間程度加熱して接着剤を硬化させる硬化工程を行う。
そして、前記接着剤が硬化したら、振動板支持体10の外径に沿って、当該外径からはみ出したフィルムを切断して、治具51から振動板組立体1を取り出す。
これにより、図5(f)に示すように、振動板支持体10に、振動板12が、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で張設された振動板組立体1が得られる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、高い感度が要求されるコンデンサマイクロホンに用いられても、静電吸引力により振動板12が固定極20側に吸い寄せられて吸着することが防止された振動板組立体を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0032】
例えば、上述した振動板支持体10に代えて、図6に示す振動板支持体15を用いるようにしてもよい。
図6に示す振動板支持体15は、円板状に形成されていると共に、その中心部に表裏面を貫通する円形の開口部15aが形成されている。また、振動板支持体15は、中心部に配置された円形の開口部15aの外周側に、表裏面を貫通する複数の開口部15b1、15b2、15b3、15b4、15b5、15b6、15b7、15b8が配置されている。
また、開口部15b1、15b2、15b3、15b4、15b5、15b6、15b7、15b8は、開口部15aの外周部に環状に配置されている。
【0033】
また、振動板支持体15は、振動板支持体10と同様、その中央部が凹んだ凹状に形成されている。
そして、上記構成により、振動板支持体15は、上述した振動板支持体10と同様、振動板12を中央部が凹んだ凹曲面を形成させた状態で張設できる。
そのため、上述した振動板支持体10の代わりに振動板支持体15を用いて振動板組立体1を形成しても、上述した実施形態と同様、振動板12が固定極20に吸着することを防止した振動板組立体を提供することができる。
【符号の説明】
【0034】
Z 振動板組立体
1 振動板組立体
10 振動板支持体(振動板組立体)
10a 開口部(振動板支持体(振動板組立体))
10a1、10a2、10a3 貫通孔(開口部(振動板支持体(振動板組立体)))
10a4、10a5、10a6 貫通孔(開口部(振動板支持体(振動板組立体)))
10a7 貫通孔(開口部(振動板支持体(振動板組立体)))
10b 塗布面(振動板支持体(振動板組立体))
12 振動板(振動板組立体)
15 振動板支持体
15a 開口部(振動板支持体)
15b1、15b2、15b3 開口部(振動板支持体)
15b4、15b5、15b6 開口部(振動板支持体)
15b7、15b8 開口部(振動板支持体)
20 固定極
30 スペーサリング
41 定盤
42 加圧保持部材
51 治具
52 錘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板支持体に振動板を張設した振動板組立体と、スペーサを介して該振動板組立体に相対向して配置された固定極とを備えたコンデンサマイクロホンユニットであって、
前記振動板支持体には、前記振動板を振動可能に張設する開口部が形成され、
前記振動板は、その中央部が凹んだ凹曲面をなした状態で前記振動板支持体に張設されていると共に、該凹曲面が前記固定極に相対向して配置されていることを特徴とするコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項2】
前記振動板支持体は、その中央部が凹んだ板状に形成され、
前記開口部は、前記板状の表裏面を貫通する複数の貫通孔により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項3】
前記複数の貫通孔のうちの一の貫通孔が、前記振動板支持体の中央に配置され、残りの貫通孔が該中央の貫通孔の外周囲に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンデンサマイクロホンユニット。
【請求項4】
コンデンサマイクロホンに用いられる振動板組立体の製造方法であって、
定盤の上に、厚さ寸法が均一な板状に形成され且つその表裏面を貫通した開口部を有する振動板支持体をセットし、当該振動板支持体の中央部に応力を加えながら研磨して、該振動板支持体の中央部を凹ませる第1工程と、
治具の上に、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムにより形成された振動板を載置すると共に、前記第1工程により得られた中央部が凹んだ振動板支持体の一方面に接着剤を塗布して該振動板に当該接着剤が塗布された一方面を当接させると共に、該振動板支持体の他方面から、該振動板支持体及び振動板の中央部に荷重を加えて所定時間経過するまで押さえる第2工程と、
前記所定時間経過後に、前記振動板支持体の外径からはみ出した振動板を切断し、前記振動板支持体に前記振動板が張設された振動板組立体を取り出す第3工程とを有することを特徴とする振動板組立体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−250192(P2011−250192A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121943(P2010−121943)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000128566)株式会社オーディオテクニカ (787)
【Fターム(参考)】