説明

コントローラ、ネットワークシステム、および情報処理方法

【課題】消費電力に基づき電気機器を運転制御するコントローラを提供する。
【解決手段】ホームコントローラ100は、電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイス1031,1041と、情報を出力するための出力インターフェイス1021と、電気機器による消費電力の目標および当該目標よりも大きい許容値とを用いて、電気機器を制御するCPU110と、を備える。CPU10は、入力インターフェイスが受付けた操作に従って運転を制御した場合の電気機器の消費電力を見積もり、見積もった消費電力が、目標よりも大きいと判定すると出力インターフェイスを介して警告を出力し、許容値よりも大きいと判定すると受付けた操作に従う電気機器の運転を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅などに配置されて当該住宅内の電気機器に接続されるコントローラの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、環境保護の観点から、家電機器を使用するユーザの省エネ(省エネルギーの略)意識をより有効に高めることが要求されている。省エネは、エネルギーを効率的に使用したり、余分なエネルギーの消費を抑えることによって、エネルギーの消費量を削減しようというものである。
【0003】
このような省エネの観点で、電気機器の自動制御実行中に手動操作がされると、一定時間、手動制御内容を実行し、その後、自動制御に復帰する制御装置が、特許文献1(特開昭63−208907号公報)に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−208907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、ユーザ操作が行われると自動制御から手動制御に切替わる場合には、手動制御が消費電力について省エネ効果を奏するか否かにかかわらず、切替えがなされることから、上述した省エネの要求に応えることは困難であった。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、消費電力に基づき電気機器を運転制御するコントローラ、ネットワークシステム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面に従うコントローラは、電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、情報を出力するための出力インターフェイスと、電気機器による消費電力の目標および当該目標よりも大きい許容値とを用いて、電気機器を制御するプロセッサと、を備える。
【0008】
プロセッサは、入力インターフェイスが受付けた操作に従って運転を制御した場合の電気機器の消費電力を見積もり、見積もった消費電力が、目標よりも大きいと判定すると出力インターフェイスを介して警告を出力し、許容値よりも大きいと判定すると受付けた操作に従う電気機器の運転を制限する。
【0009】
好ましくは、コントローラは、電気機器と通信するための通信インターフェイスを、さらに備える。プロセッサは、見積もった消費電力が許容値以下であると判定すると、受付けた操作に従う運転制御指令を通信インターフェイスを介して送信し、許容値よりも大きいと判定すると、受付けた操作に従う運転制御指令の送信を制限する。
【0010】
好ましくは、プロセッサは、見積もった消費電力が許容値よりも大きいと判定すると、消費電力が許容値以下となるように運転制御するための指令を通信インターフェイスを介して送信する。
【0011】
好ましくは、警告を出力後において入力インターフェイスが受付けた操作である警告後操作に従って運転を制御した場合の電気機器の消費電力である警告後消費電力を見積もり、見積もった警告後消費電力が許容値以下であると判定すると、受付けた警告後操作に従う運転制御指令を通信インターフェイスを介して送信する。
【0012】
好ましくは、コントローラは、許容値を可変に変更する。
好ましくは、許容値は、電気機器の消費電力の上限値を用いて算出する。
【0013】
好ましくは、電気機器は、電力供給源から電力が供給されることによって動作し、プロセッサは電力供給源による供給電力量を取得し、取得する供給電力量に基づき許容値を決定する。
【0014】
好ましくは、電力供給源は、太陽光発電装置であり、プロセッサは、太陽光発電装置による発電電力量を取得し、取得する発電電力量に基づき許容値を決定する。
【0015】
好ましくは、電力供給源は、蓄電池であり、プロセッサは、蓄電池の電力量を取得し、取得する電力量に基づき許容値を決定する。
【0016】
この発明の他の局面に従う、電気機器とコントローラとを備えるネットワークシステムでは、コントローラは、電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、情報を出力するための出力インターフェイスと、電気機器による消費電力の目標および当該目標よりも大きい許容値とを用いて、電気機器を制御するプロセッサと、を備える。
【0017】
プロセッサは、入力インターフェイスが受付けた操作に従って運転を制御した場合の電気機器の消費電力を見積もり、見積もった消費電力が、目標よりも大きいと判定すると出力インターフェイスを介して警告を出力し、許容値よりも大きいと判定すると受付けた操作に従う電気機器の運転を制限する。
【0018】
この発明のさらに他の局面では、電気機器を制御するためのプロセッサを含むコントローラにおける情報処理方法が提供される。
【0019】
コントローラは、電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、情報を出力するための出力インターフェイスと、をさらに含む。
【0020】
情報処理方法は、プロセッサが、入力インターフェイスを介して受付けた操作に従って運転を制御した場合の電気機器の消費電力を見積もるステップと、見積もった消費電力が、電気機器による消費電力の目標よりも大きいか否かを判定するステップと、目標よりも大きいと判定したときは、出力インターフェイスを介して警告を出力するステップと、見積もった消費電力が、目標より多い許容値よりも大きいか否かを判定するステップと、許容値よりも大きい判定したときは、受付けた操作に従う電気機器の運転を制限するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電気機器は、その消費電力に基づき運転が制御される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係るホームコントローラのハードウェア構成図である。
【図3】本実施の形態に係るテーブルを説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係る電気機器のハードウェア構成図である。
【図5】本実施の形態に係る禁止条件と省エネ条件の関係を説明する図である。
【図6】本実施の形態に係る処理フローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る処理フローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る他のネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
本実施の形態では、家電機器(以下、家電と略す)とは、家屋で使用される電気機器であり、外部から供給される電力によって駆動される電気機器を指す。家屋は、たとえば、住宅、オフィスなどを指す。
【0025】
<ネットワークシステムの全体構成>
図1を参照して、本実施の形態に係るネットワークシステム1は、たとえば、住宅やオフィスなどに設置される。ネットワークシステム1は、屋内に設置されるエアコン(空気調和機)200A、テレビ200B、カーテン開閉装置200C、冷蔵庫200D、およびライト200Eなどの家電を含む。図示される家電は一例であり、これらに限定されるものではない。
【0026】
ネットワークシステム1は、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Zを含む。なお、蓄電池200Yは、住宅などに設置されるものであってもよいし、自動車用の蓄電池を住宅用の蓄電池として兼用するものであってもよい。
【0027】
ネットワークシステム1は、家電200A〜200E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Z、などを制御するためのホームコントローラ100を含む。ホームコントローラ100は、有線あるいは無線のネットワーク401を介して、家電200A〜200E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Z、などとデータ通信が可能である。ホームコントローラ100は、ネットワーク401として、たとえば、無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLC(Power Line Communications)などを利用する。ホームコントローラ100は、持ち運び可能であってもよいし、テーブル上に載置されたベースに着脱自在であってもよいし、部屋の壁に固設されるものであってもよい。
【0028】
本実施の形態に係るネットワークシステム1においては、パワーコンディショナ200Zが、電力線402を介して、蓄電池200Yと系統と家電200A〜200Eとに電力を供給する。そして、パワーコンディショナ200Zは、電力線402を介して、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、および系統(電力会社が提供する電力系統など)から電力を取得する。
【0029】
<ホームコントローラ100のハードウェア構成>
図2を参照して、ホームコントローラ100は、メモリ101、ディスプレイ102、タブレット103、ボタン104、通信インターフェイス105、スピーカ107、時計108、およびCPU(Central Processing Unit)110を含む。タブレット103およびボタン104のユーザ操作を受付けるための入力インターフェイス1031と1041と、ディスプレイ102に情報を出力するために出力インターフェイス1021をさらに備える。ユーザに対して情報を出力するデバイスは画像表示によるディスプレイ102と、音声出力によるスピーカ107とを用いることができる。
【0030】
メモリ101は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ101は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0031】
メモリ101は、CPU110によって実行される制御プログラム、消費電力条件テーブル305Aおよび条件決定テーブル305Bを記憶する。テーブルの詳細は、後述する。
【0032】
ディスプレイ102は、CPU110によって制御されることによって、家電200A〜200Eやパワーコンディショナ200Zの状態を表示する。タブレット103は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、タッチ座標などをCPU110に入力する。
【0033】
本実施の形態においては、ディスプレイ102の表面にタブレット103が敷設されている。すなわち、本実施の形態においては、ディスプレイ102とタブレット103とがタッチパネル106を構成する。ただし、ホームコントローラ100は、タブレット103を有していなくともよい。
【0034】
ボタン104は、ホームコントローラ100の表面に配置される。ボタン104は、決定ボタン、戻りボタン、方向ボタン、テンキーなどの複数のボタン,キーを有する。
【0035】
CPU110は、タブレット103またはボタン104を介したユーザ操作を受付けて、受付けた操作を解析する。受付けた操作が家電の運転制御に関する操作である場合には、解析結果に基づき当該操作に従う運転制御指令を生成する。生成された運転制御指令は通信インターフェイス105によって対象の家電宛てに送信される。
【0036】
通信インターフェイス105は、CPU110によって制御されることによって、ネットワーク401を介して、家電200A〜200Eとデータを送受信する。上述したように、通信インターフェイス105は、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLCなどを利用することによって、家電200A〜200Eとデータを送受信する。
【0037】
スピーカ107は、CPU110からの命令に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU110は、音声データに基づいて、スピーカ107に音声を出力させる。
【0038】
時計108は、CPU110からの命令に基づいて、現在の日付や時刻をCPU110に入力する。
【0039】
CPU110は、メモリ101に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理を実行する。換言すれば、ホームコントローラ100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ101に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0040】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス105を利用することによってダウンロードされて、メモリ101に一旦格納される。CPU110は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ101に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0041】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0042】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0043】
<ネットワークシステムの動作概要>
次に、本実施の形態に係るネットワークシステム1の動作概要について説明する。
【0044】
ホームコントローラ100は、ネットワーク401を介して、住宅に設置される複数の家電200A〜200Eのそれぞれから、家電200A〜200Eの消費電力のデータを受信する。各家電200A〜200Eは、ホームコントローラ100と通信するための通信部および当該家電の瞬間消費電力量(単位:kW)を測定するための電力センサを内蔵する。
【0045】
ホームコントローラ100は、受信した家電200A〜200Eの消費電力のデータを蓄積することによって、家電200A〜200Eの消費電力量を所定期間にわたって累積加算し、累積加算した消費電力量を所定記憶領域に格納し、必要に応じて外部に出力(表示)し、または外部の情報処理装置に送信する。
【0046】
パワーコンディショナ200Zは、図示のない電力センサを用いて太陽光発電装置200Xの発電電力量および蓄電池200Yの残量電荷による電力量である蓄電量を検出し、検出した電力量をホームコントローラ100に送信する。
【0047】
ホームコントローラ100は、系統からの供給電力、太陽光発電装置200Xの発電電力量、および蓄電池200Yの蓄電量のうちの1種以上の供給電力を用いて各家電を運転制御する。この場合において、少なくとも供給電力量を超えない範囲の消費電力となるような省エネ条件の下で各家電の運転を制御する。このような制御を、省エネ制御という。
【0048】
ホームコントローラ100は、通常は、省エネ制御により各家電の運転を制御する。省エネ制御の下で、各家電の運転制御のためにユーザが操作部(タッチパネル106またはボタン104)を操作した場合には、ホームコントローラ100は、該当する家電に運転制御指令を送信する前に、受付けた操作に従って運転制御した場合の当該家電の消費電力を見積もる。そして、見積もった消費電力が当該家電の目標(たとえば、家電の消費電力の上限値の80%)を超えると判定したときは、出力インターフェイス1021を介してディスプレイ102に警告を出力する。また、目標より大きい許容値(たとえば、消費電力の上限値)を超えるときは家電の運転を制限する。ここで、制限とは、家電が受付けた操作に従って運転されるのを制限することを指す。つまり、ユーザ操作に基づく制御指令を送信することなく、現在の制御(省エネ制御を含む)を継続することを指す。
【0049】
ここでは、説明を簡単にするために、各家電の運転を制御するためのユーザ操作は、操作部(タッチパネル106またはボタン104)を介して入力インターフェィス1031により受付けると想定しているが、各家電が固有に有する操作部から受付けるとしてもよい。
【0050】
<消費電力条件テーブル305Aの内容>
図3の(A)には、消費電力条件テーブル305Aの一例が示される。消費電力条件テーブル305Aを参照して、消費電力条件テーブル305Aには、家電200A〜200Eのうちの1つ以上の家電のそれぞれについて、当該家電を識別するための機器名と、上限ワット数CD1(単位:kW)、上限ワット数CD1よりも少ないワット数を指す省エネ条件CD2(単位:kW)および現運転状態の情報が対応付けて予め格納される。上限ワット数CD1は、後述する禁止条件に相当する。
【0051】
現運転状態は、現在の家電の運転状態を示す。たとえば、エアコン200Aの場合には、運転モード(冷房・暖房などの別)および目標温度を含む。現運転状態は、CPU110が、操作部を介して受付けた操作に従う運転制御指令を送信する毎に、当該運転制御指令を用いて更新する(書換える)。本実施の形態では、通常は、省エネ制御により各家電が運転されることから、現運転状態の初期値は、省エネ制御の値を指す。その後、運転制御指令が送信される毎に、当該運転制御指令を用いて値が更新される。
【0052】
CPU110は、上限ワット数CD1を、当該家電に固有に規定される消費電力の上限値に基づき決定する。より好ましくは、同時に迂運転される他の家電の運転能力を保証するような所定値に決定する。また、省エネ条件CD2は、対応の上限ワット数CD1よりも小さいワット数を指し、ここでは上限ワット数CD1の80%の値として決定する。
【0053】
ここでは、上限ワット数CD1および省エネ条件CD2は、固定値としてもよいが、可変に変更するようにしてもよい。たとえば、ユーザ操作により可変に変更してもよく、またエアコン200A、冷蔵庫などは周囲温度など気候・季節に応じて変更するようにしてもよく、また各家電に対する電力供給源である太陽光発電装置200Xまたは蓄電池200Yの発電電力量または蓄電量に基づき、可変に決定するようにしてもよい。
【0054】
上限ワット数CD1および省エネ条件CD2を、発電電力量または蓄電量に基づき決定するために、たとえば図3の(B)の条件決定テーブル305Bが用いられる。
【0055】
条件決定テーブル305Bには、電力供給源である太陽光発電装置200Xまたは蓄電池200Yの積算した発電電力量または蓄電量毎に、各家電に対応して、上限ワット数CD1および省エネ条件CD2が格納される。CPU110は、太陽光発電装置200Xまたは蓄電池200Yの積算(積算期間は、当日の朝からの現時点までの期間)した発電電力量または蓄電量を取得し、取得した発電量または蓄電量に基づき条件決定テーブル305Bを検索することにより、各家電に対応した上限ワット数CD1および省エネ条件CD2を決定することができる。
【0056】
<エアコン200Aのハードウェア構成>
家電の一例として、エアコン200Aの構成を説明する。図4を参照して、エアコン200Aは、運転に関するデータ・プログラムを記憶するためのメモリ201、ユーザによる運転制御のための操作を受付けるためのボタン204、通信インターフェイス205、図示しない熱交換サイクルを駆動するためのモータなどを含む空調部207、温度・湿度のセンサなどの各種のセンサ209、およびCPU210を含む。
【0057】
メモリ201は、ホームコントローラ100のメモリ101と同様に実現され得る。メモリ201は、CPU210によって実行される制御プログラム、エアコン200Aの消費電力、エアコン200Aに入力された命令、エアコン200Aの動作状態などを記憶する。
【0058】
通信インターフェイス205は、CPU210によって制御されることによって、ネットワーク401を介して、ホームコントローラ100とデータを送受信する。上述したように、通信インターフェイス205は、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN(Local Area Network)、またはPLC(Power Line Communications)などを利用することによって、ホームコントローラ100とデータを送受信する。
【0059】
センサ209は、電力センサを含む。電力センサはエアコン200Aの消費電力を測定する。測定された消費電力は、通信インターフェイス205によりCPU210に送信され、またメモリ201に格納される。
【0060】
本実施の形態では、ホームコントローラ100側で、各家電について消費電力量(単位:kWh)が算出されるが、この算出は各家電側で行うようにしてもよい。つまり、各家電が電力センサで測定した消費電力をメモリ201を用いて累積加算し、累積加算結果を消費電力量としてホームコントローラ100に送信する構成であってもよい。
【0061】
<消費電力量の取得と見積もり>
ここでは、家電のうち、とりわけ運転時の消費電力量が多いエアコン200Aについて省エネ制御を実行する場合を想定し、エアコン200Aの消費電力の取得と、消費電力の見積もりについて説明する。なお、他の種類の家電であっても同様に適用することができる。
【0062】
ホームコントローラ100のCPU110は、エアコン200Aから電力センサにより測定された消費電力を定期的に受信することによって当該家電の消費電力(瞬間消費電力(単位:kW))を取得する。そして、取得した消費電力を所定時間単位で積算することにより当該家電の消費電力量(単位:kWh)を算出する。
【0063】
また、CPU110は、タブレット103またはボタン104を介して受付けたユーザ操作を解析し、解析結果に基づき、当該ユーザ操作に基づく運転制御指令に従ってエアコン200Aが運転がされた場合の消費電力を見積もる。たとえば、ユーザ操作がエアコン200Aの目標温度を下降/上昇させるように変更した場合には、消費電力条件テーブル305Aの現運転状態の値と、目標温度の変動量と、目標温度を単位量だけ変更する場合の消費電力の変動量とを用いて、ユーザ操作に従って目標温度で運転された場合のエアコン200Aによる消費電力を見積もる(算出する)。
【0064】
なお、目標温度を単位量だけ変更する場合のエアコン200Aの消費電力の変動量は、予め実験などにより取得されて、メモリ101に格納されていると想定する。
【0065】
<省エネ条件と禁止条件>
図5を参照して、省エネ条件と禁止条件について説明する。ホームコントローラ100は、エアコン200Aの運転を、消費電力と閾値を参照して制御する。閾値として、エアコン200Aの消費電力条件テーブル305Aの省エネ条件CD2および上限ワット数CD1に相当する禁止条件の2つの閾値が設定される。
【0066】
本実施の形態では、ホームコントローラ100は、通常、エアコン200Aを省エネ制御で運転する。省エネ制御では、省エネ条件CD2以下の消費電力となるように運転が制御される。
【0067】
省エネ制御において、ユーザ操作がされた場合に、CPU110は、上述の手順で見積もられた消費電力が、省エネ条件CD2以下であると判定すると、ユーザ操作を受容れる。すなわち、当該操作に基づく運転制御指令を生成しエアコン200A宛てに送信されて、エアコン200Aは、省エネ制御の運転からユーザ操作による手動モードの運転に遷移する。
【0068】
一方、見積もられた消費電力が、省エネ条件CD2より大きく禁止条件(上限ワット数CD1)以下であると判定すると、出力インターフェイス1021によりディスプレイ102に警告(“省エネ条件を超えていますが操作を受付けます”)を表示しユーザ操作を受容れる。これにより、当該操作に基づく運転制御指令がエアコン200A宛てに送信される。これにより、エアコン200Aは、省エネ制御の運転からユーザ操作による手動モードの運転に遷移する。
【0069】
また、見積もられた消費電力が、禁止条件(上限ワット数CD1)よりも大きいと判定すると、出力インターフェイス1021によりディスプレイ102に警告(“省エネ条件を超えており、動作を保証できませんので、操作を受付けることはできません”)を表示し、ユーザ操作を受容れない。つまり、当該操作に基づく運転制御指令の送信が制限される(送信されない)。したがって、ホームコントローラ100は、エアコン200Aの制御を変更することなく、省エネ制御を継続する。
【0070】
このように、省エネ条件CD2〜上限ワット数CD1の範囲は、省エネ制御から手動操作による制御への遷移を許可する場合における消費電力の許容範囲を指す。
【0071】
本実施の形態では、見積もった消費電力が、目標である省エネ条件CD2を超えるときは出力インターフェイス1021を介して警告を出力し、許容範囲を超えて禁止条件(上限ワット数CD1)よりも大きくなるときは、ユーザの手動操作による運転を制限する。これにより、消費電力の許容範囲を超えてエアコン200Aが運転されることによって他の家電の運転に影響が及ぶのを防止できる。
【0072】
<制御の切替処理>
図6と図7のフローチャートを参照して、ホームコントローラ100によるエアコン200Aの省エネ制御とユーザ操作による手動制御の切替処理について説明する。当該フローチャートに従うプログラムは予めメモリ101に格納されて、CPU110がそのプログラムを読出し実行することにより機能が実現される。ここでは、CPU110は、エアコン200Aを、省エネ制御で運転していると想定する。
【0073】
まず、CPU110は、入力インターフェイス1031の出力に基づき、エアコン200Aに対するユーザ操作を受付けたか否かを判定する(ステップS3)。受付けないと判定すると(ステップS3でNO)、S3の処理を繰返すが、受付けたと判定すると(ステップS3でYES)、CPU110は、受付けた操作に基づき、エアコン200Aについて上述の消費電力の見積もり処理を行う(ステップS5)。
【0074】
CPU110は、見積もった消費電力と禁止条件(すなわち、消費電力条件テーブル305Aのエアコン200Aに対応の上限ワット数CD1)とを比較する。比較結果に基づき(見積もった消費電力>上限ワット数CD1)の条件が成立すると判定すると(ステップS7でYES)、処理は、禁止条件をオーバした場合の処理(ステップS13)に移行する。ステップS13の処理については後述する。
【0075】
一方、上記の条件は成立しないと判定すると(ステップS7でNO)、次に、見積もった消費電力と省エネ条件CD2(すなわち、消費電力条件テーブル305Aのエアコン200Aに対応の省エネ条件CD2)とを比較する。比較結果に基づき(見積もった消費電力>省エネ条件CD2)の条件は成立しないと判定すると(ステップS9でNO)、CPU110はユーザ操作を受容れる(ステップS11)。ステップS11では、ユーザ操作に基づく運転制御の指令が生成されて、エアコン200A宛てに送信される。エアコン200Aでは、受信した運転制御指令に基づき、空調部207のモータなどが制御される。
【0076】
一方、上記の条件が成立すると判定すると(ステップS9でYES)、CPU110は出力インターフェイス1021を介して警告(“省エネ条件を超えていますが操作を受付けます”)を出力する(ステップS15)。その後、処理はステップS11に移行し、CPU110はユーザ操作を受容れて制御指令を送信する(ステップS11)。
【0077】
ステップS11で運転制御指令が送信された後は、処理はステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が繰返される。
【0078】
(禁止条件をオーバした場合の処理)
図7には、上述のステップS13の処理が示される。
【0079】
CPU110は、見積もった消費電力が禁止条件をオーバしたと判定すると(ステップS7でYES)、処理は、図7の処理に移行する。
【0080】
まず、CPU110は、出力インターフェイス1021を介してディスプレイ102に警告(“省エネ条件を超えており、動作を保証できませんので、操作を受付けることはできません”)を表示する(ステップS21)。
【0081】
その後、入力インターフェイス1031からの出力に基づき、ユーザ操作が受付されたか否かを判定する(ステップS23)。つまり、ステップS21の警告を確認したユーザが、新たな操作をするか否かが判定される。
【0082】
ユーザ操作が受付けされないと判定すると(ステップS23でNO)、ステップS29に移行する。ステップS29では、CPU110は、エアコン200Aの運転制御を変更することなく省エネ制御を継続する。
【0083】
ユーザ操作が受付けされたと判定すると(ステップS23でYES)、CPU110は、受付けた操作に基づき上述のような手順で消費電力を見積もる(ステップS25)。見積もった消費電力が許容範囲内に該当する、すなわち(省エネ条件<見積もり消費電力<禁止条件)の関係が成立するか否かを判定する(ステップS27)。成立すると判定すると(ステップS27でYES)、ステップS11の処理に戻り、当該操作に基づく制御指令を生成しエアコン200A宛てに送信する。その後、ステップS11以降の処理を行う。
【0084】
これにより、ステップS3で受付けた操作によれば消費電力が禁止条件をオーバする場合(図5のケースST1参照)であっても、警告を出力した後にステップS23で新たに受付けたユーザ操作に基づき見積もった消費電力が許容範囲内にあると判定される場合(図5のケースST2参照)には、当該ユーザ操作が受容れられて制御指令が出力される。
【0085】
一方、上記の関係が成立しないと判定すると(ステップS27でNO)、処理はステップS29に移行し、ステップS29において、エアコン200Aの運転制御を変更することなく省エネ制御を継続する。
【0086】
なお、省エネ制御から、ユーザ操作に従う運転制御に切替えられた後に、省エネ制御に復帰させるようにしてもよい。具体的には、CPU110は、ユーザ操作に基づく制御指令を送信してから所定時間を経過したときに、エアコン200A宛てに新たな制御指令を送信し省エネ制御に復帰させるようにする。この所定時間は、固定値であってもよく、またはユーザ操作により可変に変更するようにしてもよい。
【0087】
<制御切替の変形例>
省エネ制御とユーザ操作による制御の切替は、次のようにしてもよい。
【0088】
つまり、エアコン200Aを、省エネ制御中(たとえば、目標温度28℃)に、ユーザが目標温度を25℃に変更するための操作をした場合には、CPU110は、目標温度が25℃の場合の見積もり消費電力を算出し、算出した見積もり消費電力が許容範囲を超えると判定した場合には、許容範囲に収まるような目標温度を算出して提示するようにしてもよい。
【0089】
たとえば、許容範囲に収まるような目標温度として26℃と判定した場合には、警告として「25℃にすると省エネできませんよ!26℃なら大丈夫なので26℃にしておきますね」を出力し、目標温度を26℃に変更する制御指令を生成し、エアコン200A宛てに送信するようにしてもよい。
【0090】
また、目標温度26℃で制御を開始した後に、部屋への入射光量の増加、または居室人数の増加などに伴いエアコン200Aの消費電力が増加したと想定する。その場合に、CPU110は、エアコン200Aから受信する消費電力に基づき許容範囲を超えると判定すると、「段々省エネ達成がきびしくなってきたので28℃に戻します。」とメッセージを表示し、ユーザの手動操作による制御から省エネ制御に復帰するようにしてもよい。
【0091】
<プログラムの変形例>
上述の実施の形態に係る処理は、CPU110を実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ101に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0092】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス105を利用することによってダウンロードされて、メモリ101に一旦格納される。CPU110は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ101に格納してから、当該プログラムを実行する。なお、記憶媒体およびプログラムは、ホームコントローラ100に係る記録媒体やプログラムと同様に実現され得る。
【0093】
[他の実施の形態]
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。上述の実施の形態に係るネットワークシステム1では、家電200A〜200Eが、消費電力を測定し、消費電力をホームコントローラ100に送信するものであった。一方、本実施の形態に係るネットワークシステム1Bでは、家電200A〜200Eの各々がホームコントローラ100に消費電力を送信しない。すなわち、家電200A〜200Eの代わりに、家電200A〜200Eに電力を供給するためのコンセントに取り付けられた通信装置が、家電200A〜200Eの各々の消費電力を測定し、消費電力をホームコントローラ100に送信するものである。
【0094】
<ネットワークシステムの全体構成>
図8を参照して、本実施の形態に係るネットワークシステム1Bは、たとえば、住宅やオフィスなどに設置される。ネットワークシステム1Bは、エアコン200A、テレビ200B、カーテン開閉装置200C、冷蔵庫200D、ライト200Eなどの家電(電気機器)を含む。
【0095】
ネットワークシステム1Bは、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Zを含む。
【0096】
本実施の形態に係るネットワークシステム1Bでは、エアコン200A用の通信装置400Aが、エアコン200Aとエアコン200Aのコンセントとの間に設置される。換言すれば、通信装置400Aがエアコン200Aのコンセントに差し込まれ、エアコン200Aのアダプタ250Aが通信装置400Aに差し込まれる。同様に、カーテン開閉装置200C用の通信装置400Cが、カーテン開閉装置200Cとカーテン開閉装置200Cのコンセントとの間に設置される。換言すれば、通信装置400Cがカーテン開閉装置200Cのコンセントに差し込まれ、カーテン開閉装置200Cのアダプタ250Cが通信装置400Cに差し込まれる。冷蔵庫200D用の通信装置400Dが、冷蔵庫200Dと冷蔵庫200Dのコンセントとの間に設置される。換言すれば、通信装置400Dが冷蔵庫200Dのコンセントに差し込まれ、冷蔵庫200Dのアダプタ250Dが通信装置400Dに差し込まれる。ライト200E用の通信装置400Eが、ライト200Eとライト200Eのコンセントとの間に設置される。換言すれば、通信装置400Eがライト200Eのコンセントに差し込まれ、ライト200Eのアダプタ250Eが通信装置400Eに差し込まれる。
【0097】
ネットワークシステム1Bは、家電200A〜200E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Z、などを制御するためのホームコントローラ100を含む。ホームコントローラ100は、有線あるいは無線のネットワーク401を介して、家電200A〜200E、太陽光発電装置200X、蓄電池200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Z、などとデータ通信が可能である。ホームコントローラ100は、ネットワーク401として、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN(Local Area Network)、またはPLC(Power Line Communications)などを利用する。ホームコントローラ100は、持ち運び可能であってもよいし、テーブル上に載置されたベースに着脱自在であってもよいし、部屋の壁に固設されるものであってもよい。
【0098】
本実施の形態に係るネットワークシステム1Bは、上述の実施の形態に係るネットワークシステム1と比較して、ホームコントローラ100が、通信装置400A〜400Eを介して、家電200A〜200Eの消費電力を取得する点において異なるものである。他の構成については、上述の実施の形態のそれらと同様であるため、説明を繰り返さない。
【0099】
[さらなる他の実施の形態]
本発明は、ホームコントローラ100や家電200A〜200Eや他の携帯電話などにプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU(Micro Processing Unit)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、上述の実施の形態で説明した効果を奏することが可能となる。
【0100】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0101】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0102】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1,1B ネットワークシステム、100 ホームコントローラ、102 ディスプレイ、103 タブレット、104 ボタン、105 通信インターフェイス、106 タッチパネル、108 時計、200A エアコン、200B テレビ、200C カーテン開閉装置、200D 冷蔵庫、200E ライト、305A 消費電力条件テーブル、305B 条件決定テーブル、400C,400D,400E 通信装置、401 ネットワーク、402 電力線、CD1 上限ワット数、CD2 省エネ条件。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、
情報を出力するための出力インターフェイスと、
前記電気機器による消費電力の目標および当該目標よりも大きい許容値とを用いて、前記電気機器を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記入力インターフェイスが受付けた操作に従って運転を制御した場合の前記電気機器の消費電力を見積もり、見積もった前記消費電力が、前記目標よりも大きいと判定すると前記出力インターフェイスを介して警告を出力し、前記許容値よりも大きいと判定すると前記受付けた操作に従う前記電気機器の運転を制限する、コントローラ。
【請求項2】
前記電気機器と通信するための通信インターフェイスを、さらに備え、
前記プロセッサは、
見積もった前記消費電力が前記許容値以下であると判定すると、前記受付けた操作に従う運転制御指令を前記通信インターフェイスを介して送信し、前記許容値よりも大きいと判定すると、前記受付けた操作に従う運転制御指令の送信を制限する、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記見積もった消費電力が前記許容値よりも大きいと判定すると、前記消費電力が前記許容値以下となるように運転制御するための指令を前記通信インターフェイスを介して送信する、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記警告を出力後において前記入力インターフェイスが受付けた操作である警告後操作に従って運転を制御した場合の前記電気機器の消費電力である警告後消費電力を見積もり、見積もった前記警告後消費電力が前記許容値以下であると判定すると、受付けた前記警告後操作に従う運転制御指令を前記通信インターフェイスを介して送信する、請求項2または3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記許容値を、可変に変更する、請求項1から4のいずれかに記載のコントローラ。
【請求項6】
前記許容値を、前記電気機器の消費電力の上限値を用いて算出する、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記電気機器は、電力供給源から電力が供給されることによって動作し、
前記プロセッサは、
前記電力供給源による供給電力量を取得し、取得する供給電力量に基づき前記許容値を決定する、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記電力供給源は、太陽光発電装置であり、
前記プロセッサは、
前記太陽光発電装置による発電電力量を取得し、取得する発電電力量に基づき前記許容値を決定する、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記電力供給源は、蓄電池であり、
前記プロセッサは、
前記蓄電池の電力量を取得し、取得する電力量に基づき前記許容値を決定する、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記目標は、前記許容値に基づき算出する、請求項5から9のいずれかに記載のコントローラ。
【請求項11】
電気機器とコントローラとを備えるネットワークシステムであって、
前記コントローラは、
前記電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、
情報を出力するための出力インターフェイスと、
前記電気機器による消費電力の目標および当該目標よりも大きい許容値とを用いて、前記電気機器を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記入力インターフェイスが受付けた操作に従って運転を制御した場合の前記電気機器の消費電力を見積もり、見積もった前記消費電力が、前記目標よりも大きいと判定すると前記出力インターフェイスを介して警告を出力し、前記許容値よりも大きいと判定すると前記受付けた操作に従う前記電気機器の運転を制限する、ネットワークシステム。
【請求項12】
電気機器を制御するためのプロセッサを含むコントローラにおける情報処理方法であって、
前記コントローラは、
電気機器を運転制御するための操作を受付けるための入力インターフェイスと、
情報を出力するための出力インターフェイスと、をさらに含み、
前記情報処理方法は、
前記プロセッサが、前記入力インターフェイスを介して受付けた操作に従って運転を制御した場合の前記電気機器の消費電力を見積もるステップと、
前記プロセッサが、見積もった前記消費電力が、前記電気機器による消費電力の目標よりも大きいか否かを判定するステップと、
前記プロセッサが、目標よりも大きいと判定したときは、前記出力インターフェイスを介して警告を出力するステップと、
前記プロセッサが、前記見積もった消費電力が、前記目標より多い許容値よりも大きいか否かを判定するステップと、
前記プロセッサが、許容値よりも大きい判定したときは、前記受付けた操作に従う前記電気機器の運転を制限するステップと、を備える、情報処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−62672(P2013−62672A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199607(P2011−199607)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】