説明

コンバイン

【課題】 メインスイッチを入り作動させることなく、電動アクチュエータを作動させることができ、煩わしい作業形態となることを回避できるコンバインを提供する。
【解決手段】 扱胴を備えた扱胴カバーをその扱胴と一体で開閉駆動する電動モータ24を設け、メインスイッチ25を迂回する迂回用駆動回路28に迂回用操作スイッチ41を設ける。迂回用操作スイッチ41が、電動モータ24に電力を供給する入切スイッチ部41aと、扱胴カバーを上昇作動させる状態と下降作動させる状態とに設定する動作設定スイッチ部41bとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種作業装置を駆動する為の電動アクチュエータを備えているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインでは、扱胴を備えた扱胴カバーをその扱胴と一体で開閉駆動する駆動モータを備え、その駆動モータを制御機構で駆動制御すべく構成したものがある。この場合、制御機構には扱胴カバーを上昇駆動する指令を発する上昇スイッチと下降指令を発する下降スイッチとを接続してあり、上昇または下降スイッチへの操作によって扱胴カバーを昇降作動させていた。つまり、電動アクチュエータとしての駆動モータに駆動用の電力を供給するのに、電源に接続されて作動する制御機構を駆動回路を介して接続するとともに図示されてはいないが駆動回路にメインスイッチを備えて、メインスイッチの入り作動で電力供給を行うようし、制御機構で駆動モータを作動制御していた(特許文献1参照)。
【0003】
また、穀粒搬出装置における横スクリューコンベアを縦スクリューコンベアに対して旋回作動させる電動アクチュエータとしての旋回モータを駆動するのに、電源からリレー回路を介して駆動モータに駆動電力を供給するようにしたものがある(特許文献2参照)。
このように、特許文献1,2ではメインスイッチを入り作動させなければ、電動アクチュエータを作動させることはできなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平2001−190136号公報(段落番号〔0031〕〔0032〕、図9)
【特許文献2】特開平2000−270671号公報(段落番号〔0026〕、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、メインスイッチを入り作動させなければ、電動アクチュエータを作動させることはできないので、例えば、作業中の詰まり発生によってメインテナンス作業を必要とする為に、メインスイッチを切操作して降車し扱胴オープン部位に出向いた場合に、扱胴カバーを上昇作動させたり、横スクリューコンベアを旋回作動させるには、再度、運転操縦部に戻ってメインスイッチを入り作動させる必要があり、煩わしさを感じるものになっていた。
【0006】
本発明の目的は、メインスイッチを入り作動させることなく、電動アクチュエータを作動させることができ、煩わしい作業形態となることを回避できるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、電源と電動アクチュエータとを駆動回路を介して接続するとともに、前記駆動回路にメインスイッチを設けて前記電動アクチュエータに駆動電力を供給可能に構成するとともに、前記電源と前記電動アクチュエータとを迂回用駆動回路で接続し、前記迂回用駆動回路に迂回用操作スイッチを設けて前記電動アクチュエータを入切操作可能に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
〔作用〕
つまり、メインスイッチへの操作を行わずとも、単独で電動アクチュエータを駆動させることのできるメインスイッチを迂回する迂回用駆動回路を設け、迂回用駆動回路に迂回用操作スイッチを設ける。これによって、メインスイッチへの操作の有無に関係なく、電動アクチュエータを任意に作動させることができる。
【0009】
〔発明の効果〕
したがって、降車後に電動アクチュエータを作動させるために、運転操縦部に戻ってメインスイッチを操作する、というような煩わし作業形態となることを未然に回避でき、点検整備作業の利便性を向上させた。
【0010】
〔構成〕
本発明のうちの請求項2記載の発明では、前記電動アクチュエータが、扱胴を備えた扱胴カバーをその扱胴と一体で開閉駆動する電動モータである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
扱胴カバーを開閉駆動する電動モータを迂回用操作スイッチで入り作動できることになったので、メインスイッチを切りにして降車し、メインテナンス部位に出向いても、メインスイッチを入り作動させるべく、運転操縦部まで戻る必要はなく、作業性が向上する。
【0012】
〔構成〕
本発明のうちの請求項3記載の発明では、前記迂回用操作スイッチが、前記電動モータに電力を供給する入切スイッチ部と、前記扱胴カバーを上昇作動させる状態と下降作動させる状態とに設定する動作設定スイッチ部とからなり、前記入切スイッチ部を入り状態に維持した状態で前記動作設定スイッチ部を上昇か下降かいずれかの操作位置に設定することによって前記扱胴カバーを作動可能に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
迂回用操作スイッチが、入切スイッチと動作設定スイッチとからなっているので、入切スイッチを操作しない場合には、迂回用駆動回路を介して電動アクチュエータに電力が供給されることがない。したがって、電動アクチュエータが誤作動することが少ない。
しかも、電動アクチュエータを作動させる場合には、入切スイッチと動作設定スイッチとを同時に操作しなければならないので、誤ってスイッチに触れた場合にも誤動作することなく、作業者が電動アクチュエータを、意志を持って作動させる場合だけ、電動アクチュエータを作動させることができるのである。
【0014】
〔構成〕
本発明のうちの請求項4記載の発明では、前記電動アクチュエータが、機外に穀粒を搬出する穀粒搬出装置を運転作動させるためのものである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0015】
〔作用効果〕
メインスイッチを迂回する迂回用駆動回路を、穀粒搬出装置の電動アクチュエータに対して適用したので、メインテナンスの為に穀粒排出口部位に出向いても、運転操縦部に戻ることなく、迂回用操作スイッチで電動アクチュエータを操作できる。
【0016】
〔構成〕
本発明のうちの請求項5記載の発明では、前記電動アクチュエータが、扱深さ制御の為に縦搬送装置を上下動させるものである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0017】
〔作用効果〕
メインスイッチを迂回する迂回用駆動回路を、扱深さ用の電動アクチュエータに対して適用したので、メインテナンスの為に縦搬送装置部位に出向いても、運転操縦部に戻ることなく、迂回用操作スイッチで電動アクチュエータを操作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔第1実施の形態〕
図1、図2、図7に示すように、クローラ式走行装置1、運転座席2を有する運転操縦部、運転座席2の下方に位置するエンジン3を備える走行機体19の前部に、刈取り部Aをシリンダ5によって昇降操作するように連結し、稲、麦などの植立穀稈を引き起こし装置8によって引き起こし処理するとともに刈り取り装置4によって刈り取り、刈取り穀稈を縦搬送装置9によって機体後方に搬送し、走行機体において、前記縦搬送装置9からの刈取り穀稈を脱穀装置10の脱穀フィードチェーン11に受け入れて脱穀処理し、脱穀装置10からの脱穀粒を穀粒タンク6に搬送して貯溜するように、かつ、穀粒タンク6の後部に下端側が接続している縦スクリューコンベア7aと、この縦スクリューコンベア7aの上端部に基端側が接続している横スクリューコンベア7bとで成る穀粒搬出装置7によって穀粒タンク6から脱穀粒を搬出するように、コンバインを構成してある。
【0019】
扱胴カバーとしての上部構造体10aの開閉構造について説明する。
図4に示すように、脱穀装置10の扱室12や扱胴13を備える脱穀部を構成する構造体は、上部構造体10aと、主構造体10bとを、上部構造体10aの前側板部および後側板部15aの扱き口側とは反対側の角部から延出するアーム形の連結部材16と、主構造体10bの前側板部と後側板部15bとによって扱胴支軸13aに平行な状態で支持されているとともに前記両連結部材16が回動自在に連結している支軸17とによって連結することによって作成してある。すなわち、扱室12の上部を形成するとともに扱胴13を回動自在に支持する扱胴カバーとして上部構造体10aを、前記支軸17の軸芯であって、扱胴13の回動軸芯に平行な軸芯17aのまわりで主構造体10bに対して上下に揺動させることによって扱室12を開けたり閉じたりできる開閉自在な構造体に作成してある。
【0020】
上部構造体10aと主構造体10bの前側板部どうしに亘って、かつ、上部構造体10aと主構造体10bの後側板部15a,15bどうしにわたってそれぞれガススプリング18を取り付け、主構造体10bの後側板部15bの外面側に油圧シリンダ21を備える駆動機構20を取り付けてある。
前記前後側の両ガススプリング18は、上部構造体10aの前側板部や後側板部15aに連結しているシリンダチューブと、主構造体10bの前側板部や後側板部15bに連結しているシリンダロッドと、このシリンダロッドをシリンダチューブから突出する側に付勢することによってガススプリング18を伸長側に付勢するようにシリダチューブに充填してあるガスとを備えており、上部構造体10aを図4に示す上昇開き位置に上昇付勢している。
また、上部構造体10aを閉塞する姿勢にロックする機構(図示せず)を設けてあり、このロック機構を人為的に操作可能に構成してある。
【0021】
図4に示すように、前記駆動機構20は、前記支軸17の連結部材16、および後側板部15bから後方側に突出する端部に取付け孔によって回動自在に外嵌する板部材で成ることによって上部構造体10aが主構造体10bに対して上下揺動する軸芯17aと同一の軸芯まわりで主構造体10bに揺動自在に支持されている開閉操作体22と、この開閉操作体22の遊端側にシリンダロッドが連結し、主構造体10bの後側板部15bにシリンダチューブが連結している前記油圧シリンダ21と、この油圧シリンダ21のシリンダチューブに連結して支持されている油圧ポンプ23や電動モータ(電動アクチュエータの一例)24、リリーフ弁などを備えている油圧ユニットとによって構成してあり、電動モータ24に電力供給されることによって作動して上部構造体10aを開閉操作する。
これによって、ロック機構を解除操作することによって、電動モータ24で上部構造体10aを開放側に上昇作動させ、電動モータ24で下降作動させた後、ロック機構を人為的に操作して、ロック状態を現出する。
【0022】
図3に示すように、駆動機構20の前記電動モータ24の駆動回路部に連係している制御手段40に、開閉スイッチ41、限界センサー42、エンジンセンサー43、穀粒搬出装置7の位置を検出する位置センサー44のそれぞれを連係させてある。
【0023】
開閉スイッチ41は、上昇操作部41aと下降操作部41bとを備えており、上昇操作部41aを押し操作すると、上部構造体10aを上昇させるべき指令としての電気信号を制御手段40に出力し、下降操作部41bを押し操作すると、上部構造体10aを下降させるべき指令としての電気信号を制御手段40に出力する。
【0024】
限界センサー42は、前記開閉操作体22が上部構造体10aに対して揺動すると、これに連動して操作部が回転するポテンショメータで成り、上部構造体10aが駆動機構20による上昇操作の限界に達したことや、駆動機構20による下降操作の限界に達したことを開閉操作体22の主構造体10bに対する揺動位置に基づいて検出し、この検出結果を電気信号にして制御手段40に出力する。
【0025】
エンジンセンサー43は、扱胴13に動力伝達する前記エンジン3が回転しているか否かをエンジン操作スイッチが駆動位置にあるか否によって、あるいは、エンジン出力軸が回動しているか否かによって検出し、この検出結果を電気信号にして制御手段40に出力する。
【0026】
位置センサー44は、穀粒搬出装置7の横スクリューコンベア7bが縦スクリューコンベア7aに対して旋回すると、これに連動して操作部が回転する旋回用のポテンショメータ44aと、横スクリューコンベア7bが縦スクリューコンベア7aに対して上下に起伏揺動すると、これに連動して操作部か回転する起伏用のポテンショメータ44bとで成り、旋回用のポテンショメータ44aによって横スクリューコンベア7bの旋回位置を検出し、起伏用のポテンショメータ44aによって横スクリューコンベア7bの起伏位置を検出し、これらの検出結果を基にして、横スクリューコンベア7bが上部構造体10aの上昇範囲に存在するか否かを判断させるべく旋回位置と起伏位置の検出結果を電気信号にして制御手段40に出力する。
【0027】
次に、メインスイッチ(キースイッチ)25を操作することなく、扱胴カバー10aを直接昇降操作することのできる構成について説明する。図3に示すように、電源26からメインスイッチ25を経て電動モータ24に至る駆動回路27のうちメインスイッチ25までの電源回路から、メインスイッチ25を迂回する迂回用駆動回路28を分岐し、迂回用駆動回路28に扱胴オープン用の電動モータ24に直接動力伝達を可能にする迂回用操作スイッチ29を設ける。このような構成を採ることによって、メインスイッチ25を入り操作することなく、電動モータ24を直接駆動できる。
【0028】
迂回用操作スイッチ29は、図4及び図5に示すように、脱穀フィードチェーン11の下方で揺動選別処理装置の側板に取付られており、電源スイッチ29Aと扱胴13を支持した上部構造体10aの上昇下降を司る上昇下降スイッチ29Bとを備えている。この迂回用操作スイッチ29を操作する場合には、電源スイッチ29Aを操作しながら同時に上昇下降スイッチ29Bを操作することによって、上部構造体10aの昇降操作を行うことができる。電源スイッチ29Aを入切スイッチ部と称し、上昇下降スイッチ29Bを動作設定スイッチ部と称する。
【0029】
〔第2実施の形態〕
穀粒搬出装置7の運転操作について説明する。図1に示すように、横スクリューコンベア7bは縦スクリューコンベア7aに対して、両スクリューコンベア7a、7bに亘って掛け渡されている昇降シリンダ30によって横軸芯Y周りで上下揺動自在であり、かつ、両スクリューコンベア7a、7bに亘って形成されているギヤ連動機構を駆動する旋回モータ31によって縦スクリューコンベア7aの縦軸芯X周りで旋回作動可能に構成してある。
【0030】
図1及び図6に示すように、穀粒タンク6の底スクリュー6aに対するエンジン3からの伝動系にベルト伝動装置32を設けてあり、そのベルト伝動装置32を入切りするテンションクラッチ式の排出クラッチ機構33を設けてある。排出クラッチ機構33は、伝動ベルト32に押込み作用してテンション力を付与するテンションプーリ33Aを備え、そのテンションプーリ33Aを伝動ベルト32Aに押込み作用させる状態と伝動ベルト32Aから離間させる状態とに切り換え駆動するクラッチモータ34によって、クラッチ入り状態とクラッチ切状態とに切換え可能に構成してある。
【0031】
横スクリューコンベア7bの穀粒排出口7cにリモートコントロール装置35を取り付けるとともにリモートコントロール装置35から延出される制御コードを接続するコネクタ部とを備え、横スクリューコンベア7bの穀粒排出口7c近くで、穀粒搬出装置7を運転操作できるようになっている。また、このリモートコントロール装置35は運転操縦部近くに制御手段40に連係されるコネクタ部を設けて、運転操縦部近傍においても、リモートコントロール装置35を使用して、穀粒搬出装置7を運転操作できるようになっている。
【0032】
リモートコントロール装置35について説明する。図3に示すように、リモートコントロール装置35は、横スクリューコンベア7bを上昇作動させる指令を発する上昇スイッチ35A、横スクリューコンベア7bを下降作動させる指令を発する下降スイッチ35B、横スクリューコンベア7bを左旋回作動させる指令を発する左旋回スイッチ35C、横スクリューコンベア7bを右旋回作動させる指令を発する右旋回スイッチ35Dを備え、これら4つのスイッチ35A,35B,35C,35Dの間にこれらスイッチ35A,35B,35C,35Dを選択する自由揺動式の選択操作具35Eを設け、さらに、排出クラッチ機構33を入り作動させる押込み式の入り操作スイッチ35Fと、押込み式の切り操作スイッチ35Gとを並設して設け、これら二つの押込み式の操作スイッチ35F,35Gと前記した4つのスイッチ35A,35B,35C,35Dを設けてある。
【0033】
次に、メインスイッチ25を操作することなく、穀粒搬出装置7を直接操作することのできる構成について説明する。図3に示すように、電源26からメインスイッチ25を経てリレー回路から旋回モータ31、昇降シリンダ30、クラッチモータ34に至る駆動回路27のうちメインスイッチ25までの電源回路から、メインスイッチ25を迂回する迂回用駆動回路28を分岐し、迂回用駆動回路28に各旋回モータ31、昇降シリンダ30、クラッチモータ34に直接動力伝達を可能にする迂回用操作スイッチ45A、45B、45Cを設ける。このような構成を採ることによって、メインスイッチ25を入り操作することなく、旋回モータ31、昇降シリンダ30、クラッチモータ34を独立して直接駆動できる。
【0034】
〔第3実施の形態〕
扱深さ制御構造について説明する。図7に示すように、走行機体19の前端部に支持フレームを立設するとともに、支持フレーム上端に筒状の伝動ケース36を横軸芯P周りで揺動自在に取り付けて、この筒状の伝動ケース36を機体前方に向けて延出してある。筒状の伝動ケース36の上方に縦搬送装置9を設けてあり、この縦搬送装置9は、搬送穀稈の穂先部分を支持する穂先係止搬送機構9Aと搬送穀稈の株元部分を挾持する株元挾持搬送機構9Bとを上下方向に並設する状態で設けて、穂先係止搬送機構9Aと株元挾持搬送機構9Bとを一体として前記横軸芯P周りで揺動自在に構成してある。
【0035】
株元挾持搬送機構9Bと筒状の伝動ケース36とに亘って連動ロッドを備えた昇降駆動機構を設けてあり、この昇降駆動機構を扱深さモータ37で駆動して、縦搬送装置9を横軸芯P周りで揺動させて、筒状の伝動ケース36に対して上下動する構成を採っている。このような構成によって、刈取穀稈が長稈である場合には、縦搬送装置9を上昇させ、刈取穀稈が短稈である場合には、縦搬送装置9を下降させて、穂先からの一定長さの部分を縦搬送装置9で支持搬送するようになっている。このような構成によって、縦搬送装置9から脱穀フィードチェーン11に受け渡した時点で、脱穀フィードチェーン11が挾持して搬送する扱室内の脱穀穀稈の穂先部が適正な位置に保持される。このように、刈取穀稈が長短稈に拘わらず、脱穀穀稈の穂先位置を適正に維持する制御を扱き深さ制御という。
【0036】
つまり、図7に示すように、株元挾持搬送部から縦搬送装置9で送られる搬送穀稈を股越すようにアーチ状フレーム39を立上げ、このアーチ状フレーム39の上下二箇所に搬送穀稈の穂先部に接触する接触スイッチS1、S2を設けてある。この二つの接触スイッチS1、S2間に搬送穀稈の穂先部が移動するように、縦搬送装置9を上下動させる。この状態は、下側の接触スイッチS2によって搬送穀稈が接触感知され、上側の接触スイッチS1は搬送穀稈の上にあるので接触しない状態である。
【0037】
次に、メインスイッチ25を操作することなく、扱き深さ制御を行うことのできる構成について説明する。図3に示すように、電源26からメインスイッチ25を経て扱深さモータ24に至る駆動回路27のうちメインスイッチ25までの電源回路から、メインスイッチ25を迂回する迂回用駆動回路28を分岐し、迂回用駆動回路28に扱深さモータ37に直接動力伝達を可能にする迂回用操作スイッチ46を設ける。このような構成を採ることによって、メインスイッチ25を入り操作することなく、扱深さモータ37を直接駆動できる。
【0038】
〔別の実施の形態〕
(1) 電動アクチュエータとしては、電動モータとネジ軸とを組み合わせたものや、電動モータと油圧機器とを組み合わせたものを含むものとする。
(2) 横スクリューコンベア7bを上昇作動させる指令を発する上昇スイッチ35A、横スクリューコンベア7bを下降作動させる指令を発する下降スイッチ35B、横スクリューコンベア7bを左旋回作動させる指令を発する左旋回スイッチ35C、横スクリューコンベア7bを右旋回作動させる指令を発する右旋回スイッチ35Dを備え、これら4つのスイッチ35A、35B、35C、35Dを操作する十字揺動式の操作具を、前記リモートコントロール装置35とは別に、運転操縦部に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】コンバイン全体の平面図
【図3】制御構成図
【図4】扱胴カバーの開閉構造を示す後面図
【図5】扱胴カバーの開閉駆動を司る迂回用操作スイッチを示す斜視図
【図6】穀粒搬出装置の排出クラッチを示す正面図
【図7】扱深さ制御構造を示す側面図
【符号の説明】
【0040】
7 穀粒搬出装置
9 縦搬出装置
24 電動モータ
25 メインスイッチ
26 電源
27 駆動回路
28 迂回用駆動回路
29 迂回用操作スイッチ
30 昇降シリンダ
31 旋回モータ
34 クラッチモータ
37 扱深さモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と電動アクチュエータとを駆動回路を介して接続するとともに、前記駆動回路にメインスイッチを設けて前記電動アクチュエータに駆動電力を供給可能に構成するとともに、前記電源と前記電動アクチュエータとを迂回用駆動回路で接続し、前記迂回用駆動回路に迂回用操作スイッチを設けて前記電動アクチュエータを入切操作可能に構成してあるコンバイン。
【請求項2】
前記電動アクチュエータが、扱胴を備えた扱胴カバーをその扱胴と一体で開閉駆動する電動モータである請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記迂回用操作スイッチが、前記電動モータに電力を供給する入切スイッチ部と、前記扱胴カバーを上昇作動させる状態と下降作動させる状態とに設定する動作設定スイッチ部とからなり、前記入切スイッチ部を入り状態に維持した状態で前記動作設定スイッチ部を上昇か下降かいずれかの操作位置に設定することによって前記扱胴カバーを作動可能に構成してある請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記電動アクチュエータが、機外に穀粒を搬出する穀粒搬出装置を運転作動させるためのものである請求項1記載のコンバイン。
【請求項5】
前記電動アクチュエータが、扱深さ制御の為に縦搬送装置を上下動させるものである請求項1記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−109755(P2006−109755A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300335(P2004−300335)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】