説明

コンバイン

【課題】 所望の出力条件に応じて収穫情報を出力でき、これにより該収穫情報を有効に活用できるコンバインを提供する。
【解決手段】 機体フレーム2と、該機体フレーム2に支持されるグレンタンク13と、該グレンタンク13の重量を測定する重量センサ32及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサ35を含むセンサ装置50と、該センサ装置50の制御を司る制御装置100とを備えたコンバイン201において、制御装置100は、予め設定された所定の出力条件に応じて重量センサ32及び/又は水分センサ35からの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインとして、機体フレームと、該機体フレームに支持されるグレンタンクと、該グレンタンクの重量を測定する重量センサ及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサを含むセンサ装置とを備え、該重量センサや水分センサからの測定値に基づく収穫情報を画像表示装置などの表示手段等に出力するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記したような従来のコンバインでは、重量センサや水分センサからの測定値に基づく収穫情報を表示手段等に出力する際に、所望の出力条件(例えば、グレンタンク内に収穫された穀粒を該グレンタンクから排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力したり、穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力したり、一筆圃場の収穫情報を出力するといった出力条件)に応じて収穫情報が出力されておらず、該収穫情報が有効に活用されていないのが実情である。
【0004】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、所望の出力条件に応じて収穫情報を出力でき、これにより該収穫情報を有効に活用できるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため、機体フレームと、該機体フレームに支持されるグレンタンクと、該グレンタンクの重量を測定する重量センサ及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサを含むセンサ装置と、該センサ装置の制御を司る制御装置とを備えたコンバインであって、前記制御装置は、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するように構成されていることを特徴とするコンバインを提供する。
【0006】
本発明に係るコンバインによれば、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するので、例えば、前記出力条件を所望の出力条件とすることで、該所望の出力条件に応じて収穫情報を出力することができ、これにより該収穫情報を有効に活用することができる。
【0007】
前記出力条件としては、前記グレンタンク内に収穫された穀粒を該グレンタンクから排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力する第1出力条件と、前記穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力する第2出力条件と、一筆圃場の収穫情報を出力する第3出力条件とを含むものを例示できる。即ち、本発明に係るコンバインは、機体フレームと、該機体フレームに支持されるグレンタンクと、該グレンタンクの重量を測定する重量センサ及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサを含むセンサ装置と、該センサ装置の制御を司る制御装置とを備えたコンバインであって、前記制御装置は、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するように構成されており、前記出力条件は、前記グレンタンク内に収穫された穀粒を該グレンタンクから排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力する第1出力条件と、前記穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力する第2出力条件と、一筆圃場の収穫情報を出力する第3出力条件とを含むものであってもよい。この場合、本発明に係るコンバインがGPS装置を備えていて、前記第3出力条件における前記一筆圃場の収穫情報が、前記GPS装置からのGPSデータによる地図情報に基づき設定されてもよい。具体的には、前記一筆圃場の収穫情報が、コンバインの収穫開始から、該コンバインが収穫した収穫面積が前記GPS装置からのGPSデータによる前記一筆圃場の面積に一致したときまでの収穫情報として設定されてもよい。いずれにしても、前記第3出力条件における前記一筆圃場の収穫情報が、作業者の手動操作によって設定されてもよい。具体的には、前記一筆圃場の収穫情報が、人為操作によるコンバインの収穫開始の指示から収穫終了の指示までの収穫情報として設定されてもよい。
【0008】
本発明に係るコンバインにおいて、前記収穫情報を表示出力する表示手段を備えている場合、該表示手段の表示サイズは通常限られるため、表示内容が制限され、該表示手段に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報は視認することができない。また、前記収穫情報を前記表示手段に表示出力するだけでは、該表示手段を視認できる人以外の人に対して該収穫情報を報知することができない。そこで、本発明に係るコンバインにおいて、前記表示手段に加え、さらに前記収穫情報を印刷出力する印刷手段を備え、前記制御装置が、前記収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力する際に、前記表示手段に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報を該表示収穫情報の全部又は一部と共に前記印刷手段に印刷出力するように構成されていることが好ましい。こうすることで、前記表示手段に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報を視認することができると共に、前記表示手段を視認できる人以外の人に対しても該収穫情報を報知することができる。例えば、農家が収穫作業を受託者に依頼する場合において、該受託者が農家へ印刷出力された印刷収穫情報を提出することで、該印刷出力された印刷収穫情報を収穫作業の実績の証明として利用することができる。また、コンバインを整備する際には、印刷出力された印刷収穫情報を該収穫情報に基づく整備用データ(例えば、作業時のコンバインへの負荷や油温等の状況を把握するためのデータ)として整備工場において利用することもできる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明に係るコンバインによると、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するので、例えば、前記出力条件を所望の出力条件とすることで、該所望の出力条件に応じて収穫情報を出力することができ、これにより該収穫情報を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1から図4はそれぞれ本発明の一実施形態であるコンバインの左側面図、平面図、右側面図及び正面図である。また、図5は図1から図4に示すコンバイン201におけるグレンタンク13及び排出オーガ15の右側面図である。
【0011】
まず、図1から図5を用いてコンバイン201の全体構成について説明する。このコンバイン201では、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前方に引起こし・刈取部3が昇降可能に配設されており、該引起こし・刈取部3において、穀稈は前方に突出した分草板4により分草されて、該分草板4の後方に立設された引起こしケース5から突出されたタイン6により引き起こされ、該引起こしケース5の後方に配設された刈刃7にて株元側から刈り取られる。
【0012】
引起こし・刈取部3の後方には扱胴や処理胴を備える脱穀部12が配置され、該引起こし・刈取部3と脱穀部12との間に穀稈の搬送装置8が配設されている。さらに、該搬送装置8の後方であって、脱穀部12の側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記引起こし・刈取部3で刈り取られた穀稈は搬送装置からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穀稈の穂先側が脱穀部12内に搬送されて、該脱穀部12にて穀稈の脱穀が行われる。
【0013】
そして、前記フィードチェーン9後端に排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベアなどを備えた排藁処理部19が配設されている。前記脱穀部12で脱穀された後の穀稈(排藁)は、フィードチェーン9から排藁チェーン18に搬送されて、そのまま圃場に放出、あるいは排藁処理部19にて藁片に切断された後に拡散されながら放出される。
【0014】
また、前記脱穀部12下方には選別部17が配設され、該選別部17にて脱穀部12から流下した穀粒や藁屑などから穀粒が選別される。そして、穀粒や藁屑などのうち、選別後の穀粒が、機体フレーム2上に配置されるグレンタンク13であって、該機体フレーム2に支持されるグレンタンク13に搬送され、藁屑などが機外に排出される。なお、グレンタンク13には、穀粒供給口13aが形成され、該穀粒供給口13aと前記した選別部17との間には揚穀筒80が介設されて、該揚穀筒80を通して選別部17において選別された精粒が穀粒供給口13aからグレンタンク13内に供給されて貯留されるようになっている。
【0015】
前記グレンタンク13は脱穀部12の側方に配設されており、該グレンタンク13の前方に運転室14が配設される一方、グレンタンク13後方及び上方に穀物排出装置15が配設されている。穀物排出装置15は縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとを備えており、該縦排出オーガ15aがグレンタンク13後方で機体フレーム2上に立設されている。そして、グレンタンク13は縦排出オーガ15aを中心にして側方へ回動可能に構成されるとともに、その後部上に備えられた回動支点により横排出オーガ15bが上下方向に回動可能に構成されている。
【0016】
グレンタンク13の内側下部には、スクリュー式の排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16の一端が穀物排出装置15に連設されている。こうして、グレンタンク13内の穀物排出コンベア16によりグレンタンク13から穀物排出装置15に搬送された後、縦排出オーガ15aを経て横排出オーガ15bの先端部から外部に排出されるようになっている。
【0017】
穀物排出装置15において、横排出オーガ15bの根元側は縦排出オーガ15aの上端に上下回動可能に枢着されている。コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧制御バルブの切換により伸縮されるように構成されており、一端が縦排出オーガ15a側面より突設されたブラケット131に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ15b側面より突設されたブラケット132に回動可能に枢着されている。こうして、オーガ昇降シリンダ130を伸縮させることによって、横排出オーガ15bが上下方向に回動されるようになっている。なお、コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧式のシリンダであるが、その他の電気式または油圧式のモータでも良く、限定されない。
【0018】
前記縦排出オーガ15aの中途部にはギア133aが外嵌固定され、該ギア133aに旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134の回転軸134aに嵌設されたギア133bが噛合されている。こうして、該オーガ旋回モータ134を作動させることにより、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとが一体的に旋回されるようになっている。なお、コンバイン201における旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134は電気式のモータであるが、油圧式のモータでも、その他の油圧シリンダでも良く、限定されない。
【0019】
このコンバイン201では、グレンタンク13が側方へ回動して機体フレーム2上のレールから離れてもグレンタンク13の前部(回動支点である縦排出オーガ15aとは反対側)が前下方へ傾くことなく、グレンタンク13を元の位置に戻すときに、前部を持ち上げながら回動しなくてもよいように構成されている。
【0020】
さらに説明すると、縦排出オーガ15aの上部とグレンタンク13の後部上には、後述する許容部59(図6参照)と回動時グレンタンク固定機構60が設けられ、グレンタンク13の外側面下部に回動時グレンタンク固定機構60を操作するための操作部70が設けられ、回動時グレンタンク固定機構60と操作部70はワイヤ等の連結部材で連結されて連動する構成としている。こうしてメンテナンス等でグレンタンク13を側方へ回動するときに許容部59の許容を解消して縦排出オーガ15aに固定するようにしている。
【0021】
即ち、回動時グレンタンク固定機構60は前記ギア133aの上部に配設されており、図6に示すように、平面視略U字状のガイド板61を水平方向に配置して、その開放側の端部を左右外方向に折り曲げて取付部としてグレンタンク13の後面に固定している。該ガイド板61の切欠の大きさは縦排出オーガ15aの外形に合わせた大きさとして形成し、該ガイド板61の開放側には略M字状の受体62が両内面に跨がって固設されている。該受体62の左右中央部も縦排出オーガ15aの外形に合わせて湾曲して構成しており、該受体62とガイド板61の奥部との間に形成される空間に縦排出オーガ15aを配置し、更に、ガイド板61の内奥部と縦排出オーガ15aの間に固定用の締付けバンド63が配置されている。
【0022】
前記締付けバンド63と受体62との空間内において縦排出オーガ15aに対してグレンタンク13がコンバイン幅方向軸線回り揺動可能に構成している。つまり、締付けバンド63と縦排出オーガ15a間、及び、受体62と縦排出オーガ15aの間に隙間を形成して許容部59としている。この許容部59により、グレンタンク13はコンバイン幅方向軸線回り揺動可能としており、後述する重量センサ32(図5及び図8参照)によりグレンタンク13内の穀粒の重量を検出するときに、このグレンタンク13が少なくとも空の状態から満タンの状態の間で前記軸線回りに揺動できるようにしている。そして、グレンタンク13と縦搬出オーガ15aとを一体的に回動させるときには、締付けバンド63を受体62側に引っ張り締め付けることにより隙間となる許容部59の許容をなくす。これにより、グレンタンク13と縦排出オーガ15aを固定することができる。
【0023】
前記締付けバンド63は、上下所定幅で縦排出オーガ15aの外周の略半分より長い長さを有し、弾性を有する板体で構成されており、該締付けバンド63の一端が前記ガイド板61の左右一側に設けた枢支軸65に枢結され、他端にはピン66を外方向に突設して、該ピン66に連結部材となるワイヤ64の一端が固定されている。更に、該ピン66の近傍にピン67が突設され、該ピン67にバネ68の一端が係止され、該バネ68の他端はワイヤ64と反対方向に延設して、ガイド板61の所定箇所に係止されている。こうして、締付けバンド63がバネ68の付勢力により縦排出オーガ15aから離す方向、つまり、緩める方向に付勢されることで、許容部59の隙間を大きくし、穀粒の重畳を計測するときに締付けバンド63が縦排出オーガ15aに当接しないようにして正確に重畳を測定できるようにしている。
【0024】
前記ワイヤ64を連結するビン66の近傍にはワイヤ受け69が配置され、該ワイヤ受け69はガイド板61の開放側端部の外側面に一体的に設けられ、該ワイヤ64におけるアウタの一端を支持すると共に、ワイヤ64による引っ張り方向が縦排出オーガ15aの外周の略接線方向となるようにガイドしている。一方、前記ワイヤ64の他端はグレンタンク13の前部の下側部に配置した操作部70に延設されている。
【0025】
操作部70は、図5に示すように、グレンタンク固定用レバー71と該グレンタンク固定用レバー71を締付け位置でロックするロックレバー72等より構成されている。この操作部70では、グレンタンク固定用レバー71を外側方へ回動することによりワイヤ64が前方へ引っ張られて、該ワイヤ64の他端に連結された締付けバンド63の一端が引っ張られて、縦排出オーガ15aの外周を前方に引きつけて受体62に当接させ、許容部59の許容する部分をなくすことで、グレンタンク13が縦排出オーガ15aに締付け固定される。この締付けた状態を維持するためにロックレバー72のフック部72bが開放レバー71に係止される。これにより、グレンタンク13が側方へ回動するときは、縦排出オーガ15aとグレンタンク13とが一体的となり、該縦排出オーガ15aが該グレンタンク13を支持することができる。
【0026】
図1から図4に示すように、横排出オーガ15bの先端に排出ケース136が設けられている。該排出ケース136内には、図示しない横送りコンベアを軸支するためにボールベアリングなどからなる軸受け部が形成されている。排出ケース136の下面は開口されており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ137が取り付けられている。スリーブ137は可撓性の樹脂などで構成され、スリーブ137の下端が穀物排出口138とされている。これにより、排出ケース136の下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀物排出口138の直下近傍に集中して排出することができる。
【0027】
このコンバイン201は、前記の重量センサ32の他、水分センサ35及びオーガレストセンサ54を含むセンサ装置50をさらに備えている。
【0028】
重量センサ32は、グレンタンク13からの荷重を検出するロードセル型のものであり、該グレンタンク13の前部下方且つ機体フレーム2上に配置されていて、後述する制御装置100(図9参照)にコントローラC21を介して電気的に接続されている。これにより、重量センサ32にて検出された穀物重量に関する信号(情報)を前記制御装置100に送信することができる。なお、既述したようにグレンタンク13は、許容部59により、重量センサ32にてグレンタンク13内の穀粒の重量を検出するときに、該グレンタンク13が少なくとも空の状態から満タンの状態の間で前記軸線回りに揺動できるようになっているので、重量センサ32は、グレンタンク13内の穀物重量を測定する際に、縦排出オーガ15bが該重量測定に殆ど関与しない状態で該穀物重量を測定することができる。
【0029】
水分センサ35は、穀粒の水分量を検出するものであり、図5に示すように、グレンタンク13内の穀粒供給口13aの近傍に配置されている。この水分センサ35は、図示を省略したが互いに対向する一対の電極ローラが該ローラ間に穀粒供給口13aから供給された穀粒のうちの一部が流入するように設けられており、該一対の電極ローラを穀粒供給口13aから流入した穀粒が該ローラ間に入り込むように回転させ、該回転するローラ間で穀粒を押し潰しつつ該潰れた状態の穀粒の電気抵抗値を検出し、当該検出された電気抵抗値を穀粒の水分量に関する信号(情報)として出力するものであり、前記制御装置100にコントローラC21を介して電気的に接続されている。これにより、水分センサ35にて検出された水分量に関する信号(情報)を前記制御装置100に送信することができる。
【0030】
また、コンバイン201は、図1、図2及び図4に示すように、横排出オーガ15bを収納位置に収納するオーガレスト52を有している。このオーガレスト52は、穀物排出装置15を使用しないときに該穀物排出装置15の横排出オーガ15bを受ける受け部材52aと該受け部材52aを支持する支持部材52bとからなり、略Y字状に構成されていて、上部の載置部における凹部には横排出オーガ15bを検出するためのオーガレストセンサ54が配置されている。このセンサ54は前記制御装置100にコントローラC21を介して電気的に接続されている。これにより、該センサ54にて検出された、オーガレスト52の載置部上に横排出オーガ15bが載置されているか否かの信号(情報)を前記制御装置100に送信することができる。
【0031】
図7は運転室14における運転操作部を平面から視た図である。図7に示すように、フロントコラム30の操向ハンドル31中央部分には表示装置24が、該表示装置24の左方上側には第1設定スイッチ25が、左方下側には表示切替スイッチ26が、また該表示装置24の右方上側には第2設定スイッチ28が、右方下側にはブザー停止スイッチ29が設けられており、さらに運転席14aの背もたれ部左方には収穫情報スイッチ27が設けられており、いずれも前記制御装置100に電気的に接続されている。これにより、第1及び第2設定スイッチ25,28、表示切替スイッチ26、ブザー停止スイッチ29並びに収穫情報スイッチ27の入力信号(情報)を前記制御装置100に送ることができ、前記制御装置100から表示装置24及び印刷装置39(図8及び図9参照)に出力情報を送信することができる。なお、表示装置24及び印刷装置39はそれぞれ表示手段及び印刷手段の一例であり、第1及び第2設定スイッチ25,28、表示切替スイッチ26、ブザー停止スイッチ29並びに収穫情報スイッチ27等の各種スイッチ類20は、いずれも人為操作可能な操作手段の一例である。
【0032】
次に、本実施形態に係るコンバイン201の制御系の構成について図8及び図9を参照しながら説明する。
【0033】
図8はコンバイン201における農作業管理システムCONTの概略構成を示すシステムブロック図である。コンバイン201は、図8に示す農作業管理システムCONTを備えており、該システムCONTにおける後述する情報制御部C3に前記の制御装置CONTが設けられている。
【0034】
この農作業管理システムCONTは、作業機を制御するための作業機制御部C1、本機を制御するための本機制御部C2、各制御部C1,C2から送られてくる情報を制御するための情報制御部C3、及び該情報制御部C3で処理した情報を管理するための情報管理部C4の四つのブロックに分けられている。これら制御部C1〜C4のうち作業機制御部C1、本機制御部C2及び情報制御部C3はコンバイン201に設けられており、情報管理部C4はコンバイン201とは別の場所に設けられている。制御部C1と制御部C2及び制御部C2と制御部C3はそれぞれ情報伝達媒体10a及び10bを介して互いに情報交換可能且つ着脱可能に接続されており、制御部C3と制御部C4とは情報伝達媒体10c,10dを介して制御部C3から制御部C4へ情報伝達できるように構成されている。なお、前記情報伝達媒体としては、例えば、有線LAN等の有線通信媒体、無線LAN等の無線通信媒体、印刷物に印刷されたバーコード、ICタグやPCカード等の情報記録媒体などを挙げることができる。
【0035】
さらに説明すると、作業機制御部C1は、本機制御部C2に有線LAN10aを介して接続されたコントローラC11を有しており、本機制御部C2からの指示の下、コントローラC11を介して作業機におけるセンサ等の入力部材C12からの入力信号に基づいて駆動装置等の出力部材C13に出力信号を制御したり、該コントローラC11で処理した情報を本機制御部C2に送ることができる。
【0036】
本機制御部C2は、作業機制御部C1及び情報制御部C3にそれぞれ有線LAN10a,10bを介して接続されたコントローラC21を有しており、該コントローラC21にて本機及び作業機に対する動作を指示すると共に、本機における各種スイッチ類20やセンサ装置50等を含む入力部材C22からの入力信号に基づいて、駆動装置等の出力部材C23に出力信号を制御したり、該コントローラC21で処理した情報及び作業機制御部C1からの情報を情報制御部C3に送ることができる。また、このコンバイン201に設けられたエンジン(図示省略)は電子制御されるものであり、コントローラC21から後述する燃料噴射ポンプ45の燃料噴射量を決定する信号Rが出力される。
【0037】
情報制御部C3は、本機制御部C2に有線LAN10bを介して接続されており、本機制御部C2からの情報を処理し、該処理した情報を情報管理部C4に伝達することができる。この情報制御部C3は、センサ装置50の制御を司る制御装置100、並びに該制御装置100に接続された表示装置24、GPS装置200、印刷装置39及び外部発信装置41を備えている。GPS装置200は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、収穫作業を行う圃場に関する地図情報を取得することができ、該取得した地図情報を制御装置100に送信することができる。外部発信装置41は、制御装置100で処理された情報を情報管理部C4に送信することができる。なお、制御装置100から表示装置24及び印刷装置39への出力については、のちほど詳しく説明する。
【0038】
情報管理部C4は、既述の通り、コンバイン201とは別の場所に設けられており、受信装置42、情報管理装置43及び情報記録装置44を備えている。受信装置42は、情報制御部C3から該制御部C3の外部発信装置41を介して送られてきた情報を受信し、該受信した情報を情報記録装置44に送ることができる。情報管理装置43は、後述する読取コードを読み取る情報読取装置431を備えていて、該情報読取装置431で読み取った情報を情報記録装置44に送ることができる。情報記録装置44は、ハードディスク等の比較的容量の大きい記録装置であり、受信装置42で受信した情報及び情報読取装置431で読み取った情報をデータベースとして記録することができる。このように構成された情報管理部C4において、前記情報管理装置43が情報記録装置44に記録された情報を管理することができる。なお、この情報管理装置43は、収穫の後工程作業に用いる作業機(例えば、乾燥装置等)に接続されていて、情報記録装置44におけるデータベース情報を利用して該作業機の設定(例えば、乾燥調整作業等の設定)を最適化するように該作業機を制御してもよい。
【0039】
図9は図8に示す情報制御部C3の制御装置100を中心に記載した概略構成を示すブロック図である。
【0040】
この制御装置100は、各種センサ、スイッチ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む中央処理装置101(以下、CPUという)、情報制御プログラム等を格納したり、後述する演算式に関する所定のデータ等を記憶するROM102、及びCPU101の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM103により構成される。CPU101は、ROM102に格納された情報制御プログラムを必要に応じてRAM103にロードして実行し、コンバイン201を動作させるように構成されている。なお、ROM102には、後述する予め設定された出力条件を記憶させてある。また、CPU101は時計用のタイマを内蔵している。
【0041】
前記情報制御プログラムは、CPU101を、収穫情報測定手段P1、収穫情報集計手段P2、収穫情報記憶手段P3、出力条件選択手段P4、収穫情報表示手段P5、収穫情報印刷手段P6を含む手段として機能させるものである。
【0042】
収穫情報測定手段P1では、重量センサ32及び水分センサ35から送られてくる重量及び水分量に関する情報(信号)に基づいて重量値及び水分量値をそれぞれ所定の計測区間毎に測定する。この重量値及び水分量値は、重量センサ32及び水分センサ35からの重量及び水分量に関する情報から所定の重量換算用演算式及び水分換算用演算式を用いて重量値及び水分量値にそれぞれ算出することで得ることができる。なお、この重量値及び水分量値は、穀物重量換算用演算式及び水分換算用演算式に対応するLUT(ルックアップテーブル)を用いて算出してもよい。
【0043】
また、収穫情報測定手段P1では、作業時の燃料消費量を燃料噴射量の積算に基づいて算出する。具体的には、本コンバイン201では、前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射ポンプとして、コントロールラック及びコントロールピニオン(図示省略)を備えた燃料噴射ポンプ45であって、コントロールラックを長手方向に揺動することで、これと噛み合っているコントロールピニオンの動きによって燃料の送り出し量を調節する燃料噴射ポンプ45を搭載しており、該燃料噴射ポンプ45において燃料噴射量を決定する際に時間的に変位するラック位置の時間積分値(図10(A)のハッチング部参照)と、作業時の燃料消費量とが図10(B)に示すような比例関係を示していて、該比例関係を予め設定しておく(本実施形態では、燃料消費量換算用演算式をROM102に記憶させておく)ことで、この比例関係によって燃料噴射ポンプ45のラック位置信号Rの時間積分値から燃料消費量を所定の計測区間毎に算出する。なお、この燃料消費量は、燃料消費量換算用演算式に対応するLUT(ルックアップテーブル)を用いて算出してもよい。
【0044】
収穫情報集計手段P2では、収穫情報測定手段P1で所定計測区間毎に測定された測定値について、ROM102に予め記憶しておいた次の所望の第1から第3の出力条件に応じて、穀粒の総重量(質量)、10a(アール)当たりの総収量、平均水分量、最高水分量、最低水分量、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布、作業時間、燃料消費量等を集計する。
(1)第1出力条件…グレンタンク13内に収穫された穀粒を該グレンタンク13から排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力する。
(2)第2出力条件…前記穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力する。
(3)第3出力条件…一筆圃場の収穫情報を出力する。
【0045】
なお、前記(3)の第3出力条件における一筆圃場の収穫情報は、GPS装置200からのGPSデータによる地図情報に基づき、具体的には、コンバイン201の収穫開始から、該コンバイン201が収穫した収穫面積[即ち、(引起こし・刈取部3の幅)×(走行距離)]がGPS装置200からのGPSデータによる前記一筆圃場の面積に一致したときまでの収穫情報として設定されたり、作業者の手動操作によって、例えば、人為操作によるコンバイン201の収穫開始の指示から収穫終了の指示(具体的には所定の操作スイッチのON操作からOFF操作)までの収穫情報として設定される。但し、これらに限定されるものではなく、一筆圃場を特定できるのであれば、いずれの設定手段を採用してもよい。
【0046】
収穫情報記憶手段P3では、収穫情報集計手段P2で集計された収穫情報について、前記第1から第3出力条件に応じてRAM103に記憶させる。
【0047】
出力条件選択手段P4では、前記第1から第3出力条件を選択可能に表示装置24に表示し、該選択可能に表示された前記第1から第3出力条件から人為操作に応じて選択された出力条件を設定する。
【0048】
収穫情報表示手段P5では、手段P4で設定された出力条件に応じて、収穫情報記憶手段P3で集計された収穫情報を表示装置24に表示出力する。なお、この表示装置24への表示については、該表示装置24における表示画面のサイズは限られるため、ここでは表示内容が制限されている。
【0049】
収穫情報印刷手段P6では、手段P4で設定された出力条件に応じて、収穫情報記憶手段P3で集計された収穫情報を印刷装置39で印刷出力する。このとき、印刷装置39は、表示装置24に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報を該表示収穫情報の全部又は一部と共に印刷出力する。
【0050】
また、収穫情報印刷手段P6では、印刷出力される印刷収穫情報について、前記した情報読取装置431で読取可能な読取コード10dとしてコード化(例えばバーコード化)して該印刷収穫情報と共に印刷装置39から印刷出力する。なお、情報管理装置43において情報読取装置431をICチップや磁気カードのデータを読み取り可能なものとすると共に、印刷装置39をICチップや磁気カード等に情報を書き込み可能なものとし、かかる印刷収穫情報をICチップや磁気カードに記録するようにしてもよい。
【0051】
以上説明した制御装置100では、コンバイン201の動作がなされるにあたって、前記情報制御プログラムが実行されており、CPU101が前記各手段P1〜P6として機能している。
【0052】
次に、コンバイン201の動作について、(a)収穫情報を測定する場合、(b)収穫情報を出力する場合に分けて説明する。
【0053】
(a)収穫情報の測定
収穫作業にあたり、オーガレスト52の載置部上に横排出オーガ15bが載置される。このとき、オーガレストセンサ54にてオーガレスト52の載置部上に横排出オーガ15bが載置されていることが検出され、この状態で、収穫情報スイッチ27が押下されて該スイッチ27がON状態にあると、手段P1において、重量センサ32にて穀物重量に関する情報が検出され、また水分センサ35にて穀粒水分に関する情報が検出され、これらの情報が制御装置100に送られる。
【0054】
重量センサ32及び水分センサ35から送られてきた穀物重量及び穀粒水分量に関する情報は、所定計測区間毎に前記重量換算用演算式及び前記水分換算用演算式を用いて穀物重量値及び穀粒水分量にそれぞれ換算されることで、収穫重量及び穀粒水分量がそれぞれ測定され、該測定された穀物重量及び穀粒水分量がそれぞれ各区間毎にRAM103に随時記憶されていく。また、この手段P1では、燃料噴射ポンプ45の燃料噴射量を決定する際に時間的に変位するラック位置の時間積分値が、所定計測区間毎に前記燃料消費量換算用演算式を用いて燃料消費量に換算されることで、燃料消費量が測定され、該測定された燃料消費量がRAM103に随時記憶されていく。また、その他の収穫情報についてもここで演算処理され、RAM103に記憶される。
【0055】
そして、RAM103に記憶された収穫重量及び穀粒水分量等は、手段P2において、ROM102に予め記憶しておいた前記第1から第3の出力条件下で集計される。即ち、(1)第1出力条件では、前記穀粒排出作業毎に穀粒の総重量、最高水分量、最低水分量、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布、作業時間、燃料消費量等が集計され、(2)第2出力条件では、前記穀粒排出作業毎の穀粒の総重量、平均水分量、最高水分量、最低水分量、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布、作業時間、燃料消費量等の累計が集計され、また(3)第3出力条件では、コンバイン201の収穫開始から、該コンバイン201が収穫した収穫面積がGPS装置200からのGPSデータによる前記一筆圃場の面積に一致したときまでの収穫情報として設定されたり、人為操作による所定スイッチのON操作からOFF操作までの収穫情報として設定された一筆圃場の穀粒の総重量、10a当たりの総収量、平均水分量、最高水分量、最低水分量、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布、作業時間、燃料消費量等が集計される。こうして集計された集計結果は、手段P3において、RAM103に記憶される。
【0056】
(2)収穫情報の出力
図11は収穫情報の出力条件を選択して該収穫情報を出力する際に表示装置24に表示される表示画面を示す図である。
【0057】
手段P4の出力条件が選択され、手段P5で収穫情報が表示される際には、図11(A)に示すように、表示装置24の表示画面上に表示された「収穫情報出力」の選択画面において、スイッチ25(↑)又はスイッチ26(↓)の押下で反転表示が上方又は下方に移行し、「排出穀物の収穫情報」(第1出力条件)、「排出穀物の累計の収穫情報」(第2出力条件)及び「一筆圃場の収穫情報」(第3出力条件)のうちの選択すべき出力条件が反転表示された状態で、スイッチ29(決定)が押下されると、該表示された出力条件でRAM103に記憶された収穫情報の一部(本実施形態では、穀粒の総重量、10a当たりの総収量、作業時間及び燃料消費量並びに平均水分量、最高水分量及び最低水分量)が、図11(B)に示すように、表示装置24に表示出力される。なお、図11(A)に示す「収穫情報出力」の選択画面において、「一筆圃場の収穫情報」がスイッチ25(↑)又はスイッチ26(↓)の押下で選択可能に反転表示されるのは、一圃場での収穫作業が終了したと認識している状態であり、一圃場での収穫作業が終了していないと認識している状態では、「収穫情報出力」の選択画面における「一筆圃場の収穫情報」は、「薄点灯表示(例えばグレー表示)」されるだけで、スイッチ25(↑)又はスイッチ26(↓)が押下されても「一筆圃場の収穫情報」が反転表示されず、選択できないようになっている。また、この「収穫情報出力」の選択画面において、スイッチ28(戻る)が押下されると、画面は「収穫情報出力」の選択画面が表示される前の画面に戻される。
【0058】
図11(B)に示す「収穫データ」画面において、スイッチ29(切替)の押下で、「穀粒の総重量」、「10a当たりの総収量」、「作業時間」及び「燃料消費量」を表示する画面と、「平均水分量」、「最高水分量」及び「最低水分量」を表示する画面とが切り替わる。なお、この「収穫データ」画面において、スイッチ28(終了)が押下されると、画面は「収穫情報出力」の選択画面に戻される。
【0059】
手段P6で収穫情報が印刷される際には、「収穫データ」画面において、スイッチ25(印刷)が押下されることで、例えば、「収穫情報出力」の選択画面で「排出穀物の収穫情報」(第1出力条件)が選択されている場合には、図12に示すような「排出穀物の収穫情報の印刷内容」が、「排出穀物の累計の収穫情報」(第2出力条件)が選択されている場合には、図13に示すような「排出穀物の累計の収穫情報の印刷内容」が、また「一筆圃場の収穫情報」(第3出力条件)が選択されている場合には、図14に示すような「一筆圃場の収穫情報の印刷内容」が、それぞれ印刷装置39から印刷出力される。このとき、印刷装置39に印刷出力される印刷収穫情報の内容は、第1及び第2出力条件で、表示装置24に表示出力される表示収穫情報の一部(本実施形態では、穀粒の総重量、平均水分量、最高水分量及び最低水分量)に加え、該表示収穫情報以外の収穫情報(本実施形態では、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布(図示例では、含水率10%〜35%の間で1%毎の度数分布を表すヒストグラム))であり、第3出力条件で、表示装置24に表示出力される表示収穫情報の全部(本実施形態では、穀粒の総重量、10a当たりの総収量、作業時間、燃料消費量、平均水分量、最高水分量及び最低水分量)に加え、該表示収穫情報以外の収穫情報(本実施形態では、収穫面積、水分15%時推定質量、水分量の分布)である。また、この収穫情報が印刷される際には、該印刷出力される印刷収穫情報について、図14に示すように、前記情報読取装置431で読取可能な読取コード10d(例えばバーコード)が該印刷収穫情報と共に印刷出力される。こうして印刷出力された読取コード10dは、前記情報読取装置431で読みとられ、該読み取られた情報が前記情報記録装置44にデータベースとして記録される。なお、制御装置100で処理された情報は外部発信装置41及び受信装置42を介して情報記録装置44にデータベースとして記録されることもある。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るコンバイン201によれば、予め設定された所望の第1から第3出力条件に応じて重量センサ32及び水分センサ35からの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記第1から第3出力条件に応じて選択可能に出力するので、該収穫情報を有効に活用することができる。
【0061】
また、本コンバイン201において、表示装置24及び印刷装置39を備え、前記収穫情報が前記第1から第3出力条件に応じて選択可能に出力される際に、表示装置24に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報が該表示収穫情報の全部又は一部と共に印刷装置39から印刷出力されるので、表示装置24に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報を視認することができると共に、表示装置24を視認できる人以外の人に対しても該収穫情報を報知することができる。例えば、農家が収穫作業を受託者に依頼する場合において、該受託者が農家へ印刷出力された印刷収穫情報を提出することで、該印刷出力された印刷収穫情報を収穫作業の実績の証明として利用することができる。また、コンバイン201を整備する際には、印刷出力された印刷収穫情報を該収穫情報に基づく整備用データ(例えば、作業時のコンバインへの負荷や油温等の状況を把握するためのデータ)として整備工場において利用することもできる。
【0062】
また、印刷装置39で印刷出力された読取コード10dは、前記情報読取装置431で読みとられ、該読み取られた情報が前記情報記録装置44に記録されることで、例えば、前記情報管理装置43が収穫の後工程作業に用いる乾燥装置に接続されている場合には、該乾燥装置において情報記録装置44におけるデータベースの情報を利用して乾燥調整作業の設定を最適化することができる。
【0063】
なお、本コンバイン201に搭載される燃料噴射ポンプ45は、コントロールラックを長手方向に揺動することで、これと噛み合っているコントロールピニオンの動きによって燃料の送り出し量を調節するものであり、該燃料噴射ポンプ45において燃料噴射量を決定する際に時間的に変位するラック位置の時間積分値と、作業時の燃料消費量との比例関係によって該燃料噴射ポンプ45のラック位置の時間積分値から燃料消費量を算出するので、燃料消費量を検出するための新たなセンサー等の電装部品を設けることなく、燃料消費量を求めることができ、それだけ部品コストを低く抑えることができる。
【0064】
また、本コンバイン201において、農作業管理システムCONTを作業機制御部C1、本機制御部C2、情報制御部C3及び情報管理部C4の四つのブロックに分けて構成することで、多種の作業機、本機のシステムに応じた対応が可能であると共に、必要に応じて、機能の追加、削除が容易となり、ユーザーの要求に対して柔軟に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるコンバインの左側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態であるコンバインの平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態であるコンバインの右側面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態であるコンバインの正面図である。
【図5】図5は、図1から図4に示すコンバインにおけるグレンタンク及び排出オーガの右側面図である。
【図6】図6は、図1から図4に示すコンバインにおけるグレンタンクの概略構成を示す左側面図である。
【図7】図7は、運転室における運転操作部を平面から視た図である。
【図8】図8は、図1から図4に示すコンバインにおける農作業管理システムの概略構成を示すシステムブロック図を示である。
【図9】図9は、図8に示す情報制御部の制御装置を中心に記載した概略構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、作業時の燃料消費量の算出を説明するための図であって、図10(A)は、作業時間に対するラック位置の時間積分値を示すグラフであり、図10(B)は、図10(A)に示すラック位置の時間積分値と作業時の燃料消費量との関係を示すグラフである。
【図11】図11は、収穫情報の出力条件を選択して該収穫情報を出力する際に表示装置に表示される表示画面を示す図であって、図11(A)は、収穫情報の出力条件を選択する際に表示される「収穫情報出力」画面を示す図であり、図11(B)は、収穫情報を出力する際に表示される「収穫データ」画面を示す図である。
【図12】図12は、第1出力条件が選択されている場合の排出穀物の収穫情報の印刷内容を示す図である。
【図13】図13は、第2出力条件が選択されている場合の排出穀物の累計の収穫情報の印刷内容を示す図である。
【図14】図14は、第3出力条件が選択されている場合の一筆圃場の収穫情報の印刷内容を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
2…機体フレーム 13…グレンタンク 24…表示装置 32…重量センサ
35…水分センサ 39…印刷装置 50…センサ装置 100…制御装置
200…GPS装置 201…コンバイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームと、該機体フレームに支持されるグレンタンクと、該グレンタンクの重量を測定する重量センサ及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサを含むセンサ装置と、該センサ装置の制御を司る制御装置とを備えたコンバインであって、
前記制御装置は、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するように構成されていることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記出力条件は、前記グレンタンク内に収穫された穀粒を該グレンタンクから排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力する第1出力条件と、前記穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力する第2出力条件と、一筆圃場の収穫情報を出力する第3出力条件とを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
機体フレームと、該機体フレームに支持されるグレンタンクと、該グレンタンクの重量を測定する重量センサ及び/又は穀粒の水分量を測定する水分センサを含むセンサ装置と、該センサ装置の制御を司る制御装置とを備えたコンバインであって、
前記制御装置は、予め設定された所定の出力条件に応じて前記重量センサ及び/又は前記水分センサからの測定値に基づく収穫情報を記憶し、該記憶された収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力するように構成されており、
前記出力条件は、前記グレンタンク内に収穫された穀粒を該グレンタンクから排出する穀粒排出作業毎に収穫情報を出力する第1出力条件と、前記穀粒排出作業毎の収穫情報の累計を出力する第2出力条件と、一筆圃場の収穫情報を出力する第3出力条件とを含むことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
GPS装置を備え、前記第3出力条件における前記一筆圃場の収穫情報は、前記GPS装置からのGPSデータによる地図情報に基づき設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第3出力条件における前記一筆圃場の収穫情報は、作業者の手動操作によって設定されることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のコンバイン。
【請求項6】
前記収穫情報を出力する表示手段及び印刷手段を備え、前記制御装置は、前記収穫情報を前記出力条件に応じて選択可能に出力する際に、前記表示手段に表示出力される表示収穫情報以外の収穫情報を該表示収穫情報の全部又は一部と共に前記印刷手段に印刷出力するように構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−246845(P2006−246845A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71351(P2005−71351)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】