説明

コンバイン

【課題】従来の排藁チェン伝動装置は、処理胴軸や扱胴軸の終端部に構成していたから、扱室、及び排塵処理室の終端部、及びそのすぐ外側には排藁通路を確保する必要があって、狭く、限られたスペースに排藁通路を避けながら配置しなければならず、伝動距離が短いにもかかわらず、構成が複雑化し、製作コスト高になり、清掃やメンテナンスにもきわめて不利となる課題があった。
【解決手段】この発明は、前側板2に設けた伝動ケース4から前方側に突出させて設けた扱胴入力軸5にエンジン9の動力が入力する構成とし、その入力軸5の先端部に排藁チエン伝動プーリ6を設け、この排藁チエン伝動プーリ6から伝動ベルト11、伝動プーリ12、伝動軸13を介して機体14後部に装置した排藁チエン15を伝動する構成としたコンバインとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のコンバインにおける脱穀装置の排藁チェンの伝動装置は、機体後部にあって、脱穀後の排藁を機外に搬出する排藁チェンを、扱胴軸、又は処理胴軸の後端部から取り出した動力を利用して伝動する構成が知られている。この場合、排藁チェンの伝動装置は、扱室の藁出口から送り出される排藁通路のすぐ上側に配置され、伝動ベルト(又は伝動チェン)、及び伝動軸を利用して、前記排藁通路に沿わせて配置する構成となっている。
【0003】
例えば、本件の出願前に公開され、本件出願人が特許文献1として提示した特開平5−49335号公開特許公報には、図3に示され、明細書にも具体的に記載されているように、スクリュー処理胴6の後部から動力を取り出して排ワラ搬送チェン22を伝動する構成が開示されている。
【0004】
更に、特開平10−234220号公開特許公報には、図2に示され、明細書にも具体的に記載されているように、扱胴22の後部から動力を取り出して排藁チェンを伝動する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平5−49335号公報
【特許文献2】特開平10−234220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のコンバイン用脱穀装置における排藁チェンの伝動装置は、上記した特許文献1、及び2に見られるように、処理胴軸、又は扱胴軸の終端部から取り出した回転動力を排藁チェンまで伝動して駆動する構成が取られている。この種の脱穀機は、扱室、及び排塵処理室の終端部、及びそのすぐ外側には排藁通路を確保する必要があり、後続する排藁チェン等を接続するために、狭く、限られたスペースに排藁チェンの伝動装置、すなわちプーリ、伝動ベルト、伝動方向を変えるためのギヤボックス等を、排藁通路を避けながら上側に配置するのは、伝動距離が短いにもかかわらず、構成が複雑となって製作コストが高くなる課題があった。
【0006】
更に、排藁通路の上側に設ける上記伝動装置は、排藁の搬送障害になったり、逆に、排藁から発生する藁屑等の巻き付き、絡み付きが起きて搬送障害や伝動障害となる課題があった。
【0007】
そして、従来の排藁チェンへの伝動装置は、扱胴カバーの後部に形成した延長部に覆われた構成が多く、この延長カバーは、簡単に開放することが難しく、このカバーや周囲の部材に邪魔されて清掃やメンテナンスが簡単にはできない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、扱室(1)を構成する前側板(2)に、扱胴駆動軸(3)を備えた伝動ケース(4)が固定して設けられ、該伝動ケース(4)から扱胴入力軸(5)が前方側に突出させて設けられ、該扱胴入力軸(5)には、前側の排藁チェン伝動プーリ(6)とこれよりも後側の入力プーリ(7)とが設けられ、該入力プーリ(7)に巻き掛けられた入力伝動ベルト(8)によってエンジン(9)からの回転動力が入力されると共に処理胴(10)が伝動される構成とし、前記排藁チェン伝動プーリ(6)に巻き掛けた伝動ベルト(11)を前記入力伝動ベルト(8)よりも前側外方に配置すると共に、該伝動ベルト(11)によって伝動プーリ(12)及び伝動軸(13)を介して脱穀機本体(14)後部に設けた排藁チェン(15)を伝動することができるように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0009】
このように、扱室(1)を形成する前側板(2)に設けられた伝動ケース(4)の扱胴入力軸(5)の前側に排藁チェン伝動プーリ(6)を軸着して、前記前側板(2)の前側、特に、入力伝動ベルト(8)よりも前側外方において、伝動ベルト(11)によって伝動プーリ(12)、伝動軸(13)を介して脱穀機本体(14)後部の排藁チェン(15)を伝動する構成をとっており、従来装置に比較して、簡素でコンパクトになってコストダウンが可能になった。
【0010】
しかも、請求項1の発明は、扱室(1)の前側板(2)の前側外方に伝動ベルト(11)を配置したから、排藁チェン伝動プーリ(6)、伝動ベルト(11)、伝動プーリ(12)等が搬送穀稈等の搬送障害になることはなく円滑な搬送が可能であり、適確な伝動ができるとともに、扱胴カバーの延長部で覆われることもないから、前側からの清掃やメンテナンスが容易にできる。
【0011】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記前側板(2)には、右側から切欠状に開口して形成された穀稈供給口(16)の上側部位に、補強用の支持プレート(17)を挟んで前記伝動ケース(4)が共締めして固着され、前記前側板(2)の左側部分には、箱型補強フレーム(18)が上下方向に沿わせて固着して設けられ、該箱型補強フレーム(18)には、前記処理胴(10)の伝動軸(19)と前記排藁チェン(15)の伝動軸(13)とを支持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0012】
このように、扱室(1)を構成する前側板(2)は、穀稈を扱室(1)に供給するために、上下の中間部分に右側から切欠状の穀稈供給口(16)が形成されており、上側部位がオーバーハング状になって、全体として強度不足になっている。
【0013】
そこで、請求項2の発明は、伝動ケースを取り付ける部分には補強用の支持プレート(17)を重ねて強度アップを図り、右側の処理胴(10)の伝動軸(19)や排藁チェン(15)側へ伝動する伝動軸(13)を軸受け支持する部分に箱型補強フレーム(18)を上下に沿わせて固着して補強する構成とした。このように、前側板(2)は、支持プレート(17)や箱型補強フレーム(18)によって補強して各伝動ベルトの張力に対して充分な強度を確保し、脱穀作用時に発生する負荷に対抗して耐久性に富む装置となった。
【0014】
つぎに、請求項3に記載した発明は、前記前側板(2)の前方には、前記扱胴入力軸(5)に軸着された入力プーリ(7)及び排藁チェン伝動プーリ(6)と、該排藁チェン伝動プーリ(6)に伝動可能に巻き掛けた前記伝動ベルト(11)及び伝動プーリ(12)との、少なくとも上方と前方とを覆う安全カバー(20)を、前記前側板(2)の取付枠(21)に着脱自由に取り付けて設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0015】
しかして、従来の排藁チェンの伝動装置のように、脱穀機体の後部にあって扱胴カバーの延長部分で覆われていた構成に比較すると、上記安全カバー(20)は、簡単に取り外しができるから、伝動ベルト(11)の交換等のメンテナンスが楽にできるものとなっている。
【0016】
しかも、上記安全カバー(20)は、前側板(2)に装置した各プーリやベルトを安全に被覆して作業中の安全性の確保と、併せて、飛散する藁屑等が回転部分に巻き付くことを未然に防止できる利点がある。
【0017】
つぎに、請求項4に記載した発明は、前記入力プーリ(7)に動力を伝動する前記入力伝動ベルト(8)と、前記排藁チェン伝動プーリ(6)から伝動プーリ(12)に巻き掛けた伝動ベルト(11)とにそれぞれテンション調節装置(22,23)が設けられ、該2つのテンション調節装置(22,23)に接続する張圧力調節具(22a,23a)は、前記前側板(2)に設けた支持部材(24)上に取り付けて設けられ、該張圧力調節具(22a,23a)を、前記安全カバー(20)に覆われる範囲内に配置して構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0018】
従って、入力伝動ベルト(8)と伝動ベルト(11)とのテンション調節装置(22,23)の構成が簡単で、2つのテンション調節が同じ場所で、自由に、しかも簡単にできる利点がある。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載した発明によると、従来装置に比較して、構成が簡素でコンパクトになり、製造コストを低減して安価に提供することができる。そして、請求項1の発明は、扱室(1)の前側板(2)の前側外方に伝動ベルト(11)を配置したから、排藁チエン伝動プーリ(6)、伝動ベルト(11)、伝動プーリ(12)等が搬送穀稈から離れており、搬送障害になることはなく、穀稈の円滑な搬送が可能でありながら、排藁チエン(15)を適確に伝動できるとともに、従来の如く、上記の伝動装置が扱胴カバーの延長部で覆われることもないから、前側からの清掃やメンテナンスが楽にできる効果がある。
【0020】
そして、請求項2に記載した発明は、一般的に、扱室(1)を構成する前側板(2)は、穀稈を扱室(1)に供給するために、上下の中間部分に右側から切欠状の穀稈供給口(16)を形成して、上側部位がオーバーハング状になって、全体として強度不足になる傾向があるが、請求項2の発明は、伝動ケース(4)を取り付ける部分には補強用の支持プレート(17)を重ねて強度アップを図り、更に、左側の処理胴(10)の伝動軸(19)や排藁チェン(15)側へ伝動する伝動軸(13)を軸受け支持する部分には箱型補強フレーム(18)を上下に沿わせて固着して補強する構成とした。このように、前側板(2)は、支持プレート(17)や箱型補強フレーム(18)によって補強して各伝動ベルトの張力に対して充分な強度を確保し、脱穀作用時に発生する負荷に対抗して耐久性に富む装置とした優れた特徴がある。
【0021】
そして、請求項3に記載した発明は、従来の排藁チェンの伝動装置のように、脱穀機体の後部にあって扱胴カバーの延長部分で覆われていた構成に比較して、安全カバー(20)は、簡単に取り外しができるから、入力伝動ベルト(8)や伝動ベルト(11)の交換等のメンテナンスが楽にできる効果がある。
【0022】
しかも、上記安全カバー(20)は、前側板(2)に装置した各プーリやベルトを被覆して作業中の安全性の確保と、併せて、飛散する藁屑等が回転部分に巻き付くことを未然に防止した特徴を有する。
【0023】
そして、請求項4に記載した発明は、入力伝動ベルト(8)と、排藁チェン(15)を伝動するための伝動ベルト(11)とのテンション調節装置(22,23)の構成が簡単で、2つのテンション調節が同じ場所で、自由に、しかも簡単に操作できる実用的効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず、請求項1に記載した発明は、脱穀機機本体14後部に装置している排藁チェン15の伝動を、扱室1の前側板2にエンジン9から入力された動力を分岐して伝動する構成として、コストダウンを図ることを目的としている。そして、請求項2に記載した発明は、一般的に強度が弱いとされている扱室1の前側板2に、伝動装置を集中的に設けて脱穀部の負荷の大部分を受け止める構成にしたから、これに充分な強度を確保できるように補強して耐久性に富む前側板2にせんとするものである。
【0025】
そして、請求項3に記載した発明は、扱室1の前側板2に装置した各伝動装置を、少なくとも前側と上側とを覆う安全カバー20を、着脱自由に取り付けた構成にしたものであって、容易な着脱によって各伝動装置のメンテナンス性の向上と、作業中の安全性の確保と、併せて、伝動各部に藁詰まり等が発生するのを未然に防止することができるものとした。
【0026】
つぎに、請求項4に記載した発明は、入力伝動ベルト8と、排藁チェン15側に動力を伝える伝動ベルト11とにそれぞれテンション調節装置22,23を設けているが、これら2つのテンション調節装置22,23のテンションの調整を容易にするものである。この発明に係る2つの張圧力調節具22a,23aは、前側板2に設けた支持部材24上に取り付けて設け、安全カバー20に覆われる範囲内に配置して構成したものである。したがって、この発明は、2つのテンション調節が同じ場所で、自由に、しかも簡単に操作できるものとなっている。
【0027】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、本願に係る脱穀機14は、図6、及び図7に示すように、前側板2と後側板26との間に扱室1が形成され、該扱室1と平行させて後ろ側に二番処理室27、及びその後方に排塵処理室28を配置して構成している。そして、扱胴29は、前記扱室1内に、二番処理胴30が上記二番処理室27に、更に、処理胴10が排塵処理室28内にそれぞれ軸架して構成されている。なお、図面から解るように、二番処理胴30と処理胴10とは、一体に構成されている。
【0028】
そして、実施例に係る処理胴10は、図面から解るように、始端部の前記扱室1の排塵口31に臨ませた部分を掻込胴10aとし、それに引き続いて傾斜状に順次後方側の外径を拡大して誘導部10bを形成して扱室1から排塵物の取り込みを促進できる形状に構成している。
【0029】
そして、フィードチェン33は、図6において、扱室1の外側に形成している扱ぎ口に沿わせて設け、穀稈の株元を挟持して先端穂部を扱室1に挿入した状態で搬送しながら扱胴29で脱穀し終端部から脱穀後の排藁を排藁チェン15に受け継がせて機外に搬送する構成としている。なお、フィードチェン33は、搬送始端部の内側に受継ぎチェン34が設けられ、図示を省略している刈取搬送装置の終端部分から刈取穀稈を、刈取搬送の速度にシンクロした速度で受け継ぎながら円滑に搬送する構成としている。
【0030】
つぎに、選別室35は、図7に示すように、上側に揺動選別棚36が設けられており、その下側に選別方向の上手側から圧風唐箕37、一番移送螺旋38、セカンドファン39、二番移送螺旋40の順にそれぞれ軸装して構成している。そして、二番揚穀装置41は、図面に示すように、下部が前記二番移送螺旋40の終端部に接続され、上部が前記二番処理室27に連通して設けられ、二番物を二番処理室27に還元する構成としている。実施例では、二番処理室27は、還元されたニ番物を前側に向けて移送しながらニ番処理をし、選別室35に落下、供給する構成としている。
【0031】
つぎに、上記脱穀機本体14の伝動機構について、図1に示す伝動機構図に基づき具体的に説明する。
まず、エンジン9から出力される回転動力は、図1に示すように、前後両方に分岐して伝動する構成がとられ、前方側の動力が静油圧式無段変速装置(通称「HST」)45を経由して走行ミッション装置46に伝動され、後方側の動力が脱穀機14側に出力する構成としている。そして、前記受継ぎチェン34は、走行ミッション装置46から取り出された刈取伝動系を経由して、走行速度にシンクロされた回転速度で動力が伝動される構成としている。
【0032】
そして、中間ギヤボックス47は、図面に示すように、エンジン9から入力された回転動力を、刈取側と脱穀側とに分配して伝動するが、この場合、実施例では脱穀側には扱胴系統(扱胴29側)と選別系統(選別室35側)との2系統に分配して伝動する構成としている。
【0033】
そして、中間ギヤボックス47は、従来から公知の技術であるが、刈取側に伝動する経路には途中にワンウェイクラッチを設けて、前記した走行ミッション装置46側から伝動される速度より高速の場合にのみ、こちら側から送る動力で刈取各部を伝動する構成とし、例えば、作業開始時(作業初期において、走行速度が一定速度に達するまでの間)の刈取り、搬送が円滑にできるように配慮した構成としている。
【0034】
そして、扱胴系統の伝動径路は、図1の伝動機構図から解るように、扱胴29、処理胴(ニ番処理胴30)10、排藁チェン15を一連の状態で伝動する構成になっているが、これについては、詳しく後述する。そして、選別系統の伝動経路は、前記中間ギヤボックス47から出力された動力が、圧風唐箕37、一番移送螺旋(一番揚穀)38、セカンドファン39、ニ番移送螺旋(ニ番揚穀装置41)40、排塵ファン(実施例では「横断流ファン」を使用している。以下同じ)50、揺動選別棚36等に順次伝動する構成としている。
【0035】
そして、フィードチェン33は、図1に示すように、前記排塵ファン50に入力される変速ギヤボックス51を経由して高・低速度に変速された回転動力が伝動される構成を採用しているが、このフィードチェン33の変速に関しては詳細に後述する。
【0036】
つぎに、扱胴系統の伝動装置、及びそれに関連する構成について説明する。
まず、前側板2の下方に位置する駆動プーリ52は、図1、及び図2に示すように、前記中間ギヤボックス47から前後方向に出ている出力軸53に軸着され、これに巻き掛けられた入力伝動ベルト8を経由して、後述する入力プーリ7に動力が入力される構成となっている。
【0037】
そこで、扱室1を構成する前側板2は、図4に示すように、右側から切欠状に開口した穀稈供給口16を上下の中間部位に形成し、その上側部位に、補強用の支持プレート17を、後述の通り取り付けるが、実施例では、まず、前側板2の左側に、図4、及び図5に示すように、横断面を箱型に形成した箱型補強フレーム18を上下方向に沿わせて固着して補強した構成としている。そして、前記支持プレート17は、上記箱型補強フレーム18に貫通状態にして基部を固着した上下2本の支持チューブ55,55を、図4に示すように、前側板2の上側部位に向けて突出して延長し、上縁と下縁とに固着して前側板2の前板面に接合して構成する。
【0038】
つぎに、上記支持プレート17の前側に取り付ける伝動ケース4は、図8に示すように、割型の2個の半ケース4a,4bを合わせて構成するが、この場合、実施例では、一方(前側板2側)4aを軽量なアルミ素材から形成し、他方(外側)4bを強度的に強い鋳物素材で形成し、両者を合わせて1個のケースを構成している。この場合、伝動ケース4は、軽い素材の半ケース4aと強い素材の半ケース4bとを合わせて複数個の接合ボルト4cで接合して1個のケースを構成し、前記支持プレート17の外側面に合わせて複数個の取付ボルト56で前側板2に共締めにして固定している。このとき、伝動ケース4は、内装軸架している一方の扱胴駆動軸3を内側(扱室1側)に突出させて扱胴29を駆動できるようにし、他方の扱胴入力軸5を外側(前側)に突出させて、前記入力プーリ7を軸着した構成としている。そして、該扱胴入力軸5と扱胴駆動軸3とは、内部に軸架した中間ギヤで伝動可能に接続した構成としている。
【0039】
このように、伝動ケース4は、扱胴29の回転に伴って発生する負荷を強度的に強い鋳物ケース4bで受け止めながら充分に耐えることができると共に、全体の重量がアルミ素材によるダイキャストのケース4aによって大幅に軽減された特徴がある。
【0040】
そして、前記箱型補強フレーム18には、前記した上下2本の支持チューブ55,55の他に、後述する処理胴10の伝動軸19と排藁チェン15の伝動軸13とを貫通状態にして支持し、更には、2つのテンション調節装置22,23も取り付けた構成としている。
【0041】
このように、扱室1を構成している前側板2は、前記箱型補強フレーム18や支持チューブ55,55、更に、補強用の支持プレート17などによって補強されて脱穀作業中に発生する各伝動ベルトや扱胴によって発生する負荷を吸収して強度的に充分耐え得る装置となった。
【0042】
そして、前記伝動ケース4の扱胴入力軸5は、図5に示す平面視の展開図に示すように、先端部位に排藁チェン伝動プーリ6が、中間部位に入力プーリ7がそれぞれ軸着して設けられ、該入力プーリ7に巻き掛けられた入力伝動ベルト8に前記したように、エンジン9からの回転動力が入力されると共に、処理胴10が伝動される構成としている。そして、前記排藁チェン伝動プーリ6は、図面に示すように、上記入力伝動ベルト8の前側外方に配置した伝動ベルト11を、左側の伝動プーリ12との間に巻き掛けて伝動軸13を伝動する構成としている。そして、脱穀機本体14後部に装置した排藁チェン15は、図1の伝動機構図に示すように、上記伝動プーリ12から入力されて回転する伝動軸13によって伝動される構成としている。
【0043】
このように、実施例は、伝動ベルト11をエンジン9側からの入力伝動ベルト8よりも前側を通して機体側部の伝動プーリ12に巻き掛けて、伝動軸13を介して排藁チェン15を伝動する構成をとっており、従来装置に比較して、構成が簡素でコンパクトになり、大幅にコストダウンが可能になった。そして、実施例の場合、扱室1の前側板2の前側外方に伝動ベルト11を配置したから、排藁チェン伝動プーリ6、伝動ベルト11、伝動プーリ12等が搬送穀稈から離れており、搬送障害になることはなく、穀稈の円滑な搬送が可能でありながら、排藁チェン15を適確に伝動できる利点がある。更に、従来の構成の如く、上記の伝動装置が扱胴カバーの延長部で覆われることもないから、前側からの清掃やメンテナンスが楽にできるものとなっている。
【0044】
つぎに、前記入力伝動ベルト8と伝動ベルト11とにそれぞれ設けたテンション調節装置22,23は、既に説明し、図4に示すように、箱型補強フレーム18に基部が取り付けられてテンションスプリングに連結され、張圧力調節具22a,23aに接続させて構成している。そして、実施例の場合、上記2つの張圧力調節具22a,23aは、図面に示すように、前記前側板2に設けた支持部材24上に取り付け、テンションの調整ができる構成としている。そして、該張圧力調節具22a,23aは、後述する安全カバー20に覆われる範囲内に配置した構成としている。
【0045】
以上のように、入力伝動ベルト8と伝動ベルト11とのテンション調節装置22,23は、構成が比較的簡単で、支持位置を箱型補強フレーム18に取り付けたからテンションが働いた状態でも充分な強度を確保できる特徴がある。更に、張圧力調節具22a,23aは、2つが近くに並んで位置するから、テンション調節が同じ場所で、自由に、しかも簡単に操作できる利点がある。
【0046】
つぎに、安全カバー20は、図2、及び図3に示すように、前側板2の前側において、前記扱胴入力軸5に軸着された入力プール7と排藁チェン伝動プーリ6、及び該排藁チェン伝動プーリ6に伝動可能に巻き掛けた伝動ベルト11と伝動プーリ12の上方と前方とを覆う形状にして前記前側板2の取付枠21に着脱自由に取り付けて構成している。この場合、取付枠21は、図面に示すように、基部を前側板2に固着して前方に延長し、上下の横支持杆21a,21b、及び左右の縦支持杆21c,21dが一連状態に連続して構成している。
【0047】
なお、左縦支持杆21cには、図2、及び図3に示すように、係止突起57,57を右向きに突出させて設けている。
一方、安全カバー20は、左側に前記係止突起57,57に係合させる係合孔を形成し、右側には、外部から握り操作ができる位置に、右縦支持杆21dに係脱自由に係合するロック装置58を設けて構成している。
【0048】
以上のように構成した安全カバー20は、前側板2に取り付ける場合には、前側板2の係止突起57,57に係止孔を挿し込みながら、右側のロック装置58を操作して右縦支持杆21dに係合ロックする。このようにして安全カバー20は、前側板2の前側に取り付けると、図2、及び図3に示すように、各プーリや伝動ベルトの上側と前側を覆うことができる。
【0049】
このように、安全カバー20は、簡単に取付や取外しができるから、エンジン9側からの入力伝動ベルト8や排藁チェン15側に動力を伝える伝動ベルト11の交換・メンテナンスがごく簡単にできると共に、前記したテンション調節も楽にできる利点がある。特に、従来型のように、脱穀機本体14の後部、扱胴後部から動力を取り出して排藁チェン15の伝動装置を構成した場合、これら伝動装置が扱胴カバーの延長部分で覆われていたから、伝動ベルトなどの交換が不便で手数がかかり、メンテナンスが迅速にできず、不十分であったが、上述した実施例の構成は、メンテナンス作業が楽にできる特徴がある。
【0050】
しかも、上記安全カバー20は、前側板2に装置した各プーリやベルトを被覆して作業中の安全性の確保と、併せて、飛散する藁屑等が回転部分に巻き付くことを未然に防止できるものとなっている。
【0051】
以上、実施例を具体的に説明したが、前記排藁チェン15は、通常脱穀機本体14の後部にあって、扱胴カバーの延長部に覆われているが、その扱胴カバーを後方にオープン回動(図6において、フィードチェン33側を上方に回動する)する時、前記伝動軸13を回動支点として、一体的に上方に持ち上げる構成にすることができる。このように構成すると、排藁チェン15は、清掃やメンテナンスを楽に行うことができる。
【0052】
つぎに、フィードチェン33の変速装置について説明する。
まず、変速ギヤボックス51は、図1の伝動機構図に基づく説明で、選別系統の伝動機構に関して既に述べたが、以下、具体的に説明する。変速ギヤボックス51は、図9、及び図10に示すように、入力軸60、排塵ファン50の駆動軸61、カウンタ軸62、フィードチェン駆動軸63の合計4本の軸を軸架した構成としている。なお、59はフィードチェン33に係合して伝動するスプロケットである。
【0053】
そして、変速機構は、変速ギヤボックス51内において、前記カウンタ軸62上に設けているが、一側に高速側ギヤ64を、他側に低速側ギヤ65をそれぞれ内側にクラッチ爪を設けて遊嵌状態に軸装し、一方、フードチェン駆動軸63には上記高速側ギヤ64に噛合する小径ギヤ66と前記低速側ギヤ65に噛合する大径ギヤ67とをそれぞれ軸着して変速可能に構成している。そして、クラッチ爪68は、図9、及び図10に示すように、カウンタ軸62上において左右摺動自由にして左右両側に係合爪が設けられ、連結したシフターアーム69、シフター軸75に操作されながら高速側ギヤ64と、低速側ギヤ65との一方側に選択的に係合するか、或いは中間のニュートラル位置で停止するかを選択できる構成としている。
【0054】
このように、フィードチェン33の変速装置は、一本のカウンタ軸62上において、シフター軸75を回動操作してシフターアーム69を介してクラッチ爪68を左右に切替えて、高速、又は低速の変速切り替えと、中間のニュートラル位置で停止の状態を選択することができる構成としているから、従来のベルコン方式や静油圧式無段変速装置(通称「HST」)を使用した変速装置に比較して、きわめてコンパクトな設計となり、低コストで製作できる優れた特徴がある。この場合、フィードチェン33は、高低変速装置の中にニュートラル位置を構成することで別に停止装置の必要がなくなり、構成上大幅にコスト低減を可能にした。
【0055】
つぎに、変速操作機構は、制御モータ70,71による切替制御を可能とし、高・低の変速とニュートラル位置の確保とができる構成を採用しており、まず、図11に示すように、高低変速用モータ70とニュートラル用モータ71との2つの操作用の制御モータで自動変速制御を行う構成としている。そして、高低変速用モータ70は、図11において、減速機構を介して接続して半円軌跡を描いて往復回動する駆動アーム72を、ピン73と長孔74を介して作動杆77に連動可能に接続した構成としている。
【0056】
そして、作動杆77は、上記駆動アーム72の回動に起因してピン73と長孔74とを介して、図11の実線の位置(図12参照)に移動すると、低速位置(図12の低速位置参照)となり、逆に、図11の仮想線の位置(図13参照)に作動すると高速位置(図13の高速位置参照)に切り替わる構成となっている。なお、ニュートラル位置は、図14に作用図で示すように、シフターアーム69、及びクラッチ爪68が両方(高・低両ギヤ64,65)から離れた中間位置となる構成であるが、そのとき、上記作動杆77は、図14に示すように、それぞれの位置、すなわち高速位置、又は低速位置にあるが、変速トルクスプリング78の弾性変位によってそれぞれの位相差が吸収されるため、後述するニュートラル用モータ71、連動ワイヤー81の作動によってニュートラル位置が確保できる。
【0057】
つぎに、ニュートラル用モータ71は、図11に示すように、減速機構を介して円弧軌跡を作動する駆動アーム72を、高低変速用モータ70側の構成と同様にピン73と長孔74とを介して作動杆77に接続している。
【0058】
そして、連動ワイヤー81は、図11(図16も参照)に示すように、基部をニュートラルスプリング82を介して前記作動アーム79に連結し、先端部のアウター側部81aをシフター付勢アーム左83の先端部83aに連結し、インナー側部81bをシフター付勢アーム右84の先端部84aにそれぞれ連結して構成している。そして、操作板85は、図16に示すシフター軸75の端部の角軸部86に係合する角孔87を基部に開孔し、先端側に作動ピン88を突設して構成している。
【0059】
そして、上記シフター付勢アーム左83とシフター付勢アーム右84とは、基部にシフター軸75の端部丸軸部89に回動自由に嵌合する丸孔90,90を設けて重ね合わせて取付け、先端側にはそれぞれ角穴91,92を開孔して、前記操作板85の作動ピン88が、シフター付勢アーム左83側の角穴91とシフター付勢アーム右84側の角穴92とに入り込む構成としている。そして、位置決め板93は、図15に示すように、略L型形状にして一方側に位置決めピン94を裏側(組み立てた状態では前記操作板85に対向する側)に突設し、中間部位に前記シフター軸75の前記端部丸軸部89に係合する丸孔95を設け、他方側を機体に固定するねじ部96を設けた構成にしている。尚、該位置決め板93における位置決めピン94よりも先端側の位置には、前記作動ピン88の先端部が入り込むことのできる長孔fを形成している。
【0060】
このようにして、一連のニュートラル側の操作装置が、図15、及び図16に基づいて説明した各部材を、図11に示すように、重ね合わせてシフター軸75のニュートラル操作側に取りつけて構成している。
【0061】
以上のように構成されたニュートラル側の操作装置は、ニュートラル位置への操作信号が出力されてニュートラル用モータ71が始動すると、まず、作動杆77は、図11に示すように、回動する駆動アーム72、ピン73、長孔74を介して同図の仮想線の位置に移動し、作動アーム79によってニュートラルスプリング82を介して連動ワイヤー81を引き操作する。この場合、連動ワイヤー81は、インナーが引かれることに起因して相対的にアウターが押される関係になって、先端部において、アウター側部81aのシフター付勢アーム左83と、インナー側部81bのシフター付勢アーム右84とが相互に接近して重なり合う状態になる。
【0062】
この状態は、既に説明した図14に示すように、変速位置が高速位置でも、又は低速位置でも変速トルクスプリング78の弾性変位で吸収されて位相差が吸収されている。
この場合、シフター付勢アーム左83とシフター付勢アーム右84とは、シフター軸75の端部丸軸部89に係合した丸孔90を回動支点にして相互に接近しながら角穴91にある作動ピン88を、角穴92に挿し通している位置決めピン94側に強制的に近づけて、図17に示すように、同位相の位置に移動操作する。すると、クラッチ爪68は、作動ピン88、操作板85、角孔87、角軸部86を経由する操作力が伝達され、シフター軸75を回動して、シフターアーム69を連動してニュートラル位置に移動する。このように、クラッチ爪68は、図14に示すように、高速位置にあっても、或いは低速位置からでもニュートラル位置に移動してフィードチェン駆動軸63への伝動を絶って、フィードチェン33を停止する。したがって、実施例の特性は、フィードチェン33による搬送詰まりや作業者が危険な状態になったとき等に対応して、すぐに停止することができるから、安全性の高いものとなった。
【0063】
つぎに、フィードチェン33の変速装置は、図11に示すように、ニュートラル位置から高速、又は低速に切り替えるときには、制御信号に基づいて、まず、先に、ニュートラル用モータ71が逆転駆動され、ニュートラル位置にある駆動アーム72、ピン73を逆転して長孔74を介して作動杆77を、図11の実線の位置に戻す。すると、連動ワイヤー81は、緩められ、更に、前記変速トルクスプリング78の弾性作用が働いて、ニュートラル用モータ71側に影響を与えることなく高速・低速の変速ができるものとなっている。
【0064】
なお、図18は、高速側への変速時における作動ピン88と位置決めピン94との位置関係を示しており、図19は、低速側への変速時における両ピン88,94の位置関係を示した作用図である。
【0065】
このように構成されたフィードチェン33は、通常の作業中にはほとんど高速側の回転速度で作業を行い、稲稈を搬送するが、手扱ぎ時や最初に圃場に進入したとき、その他、作業条件の極端に悪いときに限り低速で駆動するものとしている。
【0066】
そこで、実施例の1は、作業速度に対応して自動的に搬送速度を切り換える場合、図20のグラフで示すように、作業速度の最高時の二分の一よりは低速側において、フィードチェン33の速度を高速に自動変速する変速制御を行う構成にしている。
【0067】
したがって、作業中の搬送穀稈は、作業速度が低速のうち(通常の最高速度の半分より低速域の範囲内)にフィードチェン33が高速になるから、穀稈の受け継ぎ搬送が円滑となり乱れることが少なく、作業速度が高速となって多量の穀稈が搬送されているときに変速を行うのに比較して、安定した受け継ぎができる利点がある。
【0068】
つぎに、実施例の2は、実施例の1とは逆に、フィードチェン33は、作業速度が高速から順次低速側に変化するときの変速制御では、図21のグラフに示すように、上記(図20参照)より更に作業速度が低速側になったときに低速側に自動的に減速制御するように構成している。この種のコンバイン用脱穀機14は、フィードチェン33の変速頻度を少なくして作業を続ける方が安定した作業ができる利点があり、加えて、クラッチ機構の耐久性が向上する効果があるが、作業が低速に移行する過程で、減少する穀稈搬送量に比較してフィードチェン33を高速で作業を続けても支障は少なく、大きな問題が発生することはほとんどない。
【0069】
つぎに、実施例の3は、上記フィードチェン変速操作機構において、脱穀クラッチを切りにすると、自動的に高速側に切り替わる構成にしている。すなわち、実施例に係る脱穀機は、作業を終了するときに、次回の作業開始を考慮した構成であって、次回脱穀クラッチを入れたときに変速装置が高速位置からスタートできることをねらったものである。
【0070】
この種のコンバインは、次回の作業まで倉庫等に格納するが、鼠などの被害にあうことがあり、電装配線が損傷することもあり、万一作動不良になっても高速作業ができるように配慮したものである。
【0071】
つぎに、実施例の4は、コンバインの走行がバックに切り替えられたことを検出すると、フィードチェン33の変速を低速側に自動的に切り替える制御を供えた構成にしている。
【0072】
上記構成によれば、コンバインは、枕地での旋回の後、再度フィードチェン33を駆動するとき、常に低速から駆動を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】伝動機構図
【図2】脱穀機の正面図
【図3】脱穀機の側面図
【図4】脱穀機の正面図
【図5】伝動機構を展開して示す平面図
【図6】脱穀機の内部平面図
【図7】脱穀機の内部側面図
【図8】伝動ケースの一部断面した平面図
【図9】変速ギヤボックスの内部側面図
【図10】変速ギヤボックスの切断平面図
【図11】変速装置の操作機構の平面図
【図12】低速位置への変速時の高低変速用モータの作用図
【図13】高速位置への変速時の高低変速用モータの作用図
【図14】ニュートラル位置への切替時の高低変速用モータの作用図
【図15】位置決め板の分解斜面図
【図16】シフタ軸、操作板、シフター付勢アーム(左・右)の分解斜面図
【図17】ニュートラル操作時の作動ピンと位置決めピンとの作用図
【図18】高速時の作動ピンと位置決めピンとの作用図
【図19】低速時の作動ピンと位置決めピンとの作用図
【図20】作業速度と変速位置との関係を示すグラフ
【図21】作業速度と変速位置との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0074】
1 扱室 2 前側板
3 扱胴駆動軸 4 伝動ケース
5 扱胴入力軸 6 排藁チェン伝動プーリ
7 入力プーリ 8 入力伝動プーリ
9 エンジン 10 処理胴
11 伝動ベルト 12 伝動プーリ
13 伝動軸 14 脱穀機本体
15 排藁チェン 16 穀稈供給口
17 支持プレート 18 箱型補強フレーム
19 伝動軸 20 安全カバー
21 取付枠 22 テンション調節装置
23 テンション調節装置 22a 張圧力調節具
23a 張圧力調節具 24 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(1)を構成する前側板(2)に、扱胴駆動軸(3)を備えた伝動ケース(4)が固定して設けられ、該伝動ケース(4)から扱胴入力軸(5)が前方側に突出させて設けられ、該扱胴入力軸(5)には、前側の排藁チェン伝動プーリ(6)とこれよりも後側の入力プーリ(7)とが設けられ、該入力プーリ(7)に巻き掛けられた入力伝動ベルト(8)によってエンジン(9)からの回転動力が入力されると共に処理胴(10)が伝動される構成とし、前記排藁チェン伝動プーリ(6)に巻き掛けた伝動ベルト(11)を前記入力伝動ベルト(8)よりも前側外方に配置すると共に、該伝動ベルト(11)によって伝動プーリ(12)及び伝動軸(13)を介して脱穀機本体(14)後部に設けた排藁チェン(15)を伝動することができるように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記前側板(2)には、右側から切欠状に開口して形成された穀稈供給口(16)の上側部位に、補強用の支持プレート(17)を挟んで前記伝動ケース(4)が共締めして固着され、前記前側板(2)の左側部分には、箱型補強フレーム(18)が上下方向に沿わせて固着して設けられ、該箱型補強フレーム(18)には、前記処理胴(10)の伝動軸(19)と前記排藁チェン(15)の伝動軸(13)とを支持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記前側板(2)の前方には、前記扱胴入力軸(5)に軸着された入力プーリ(7)及び排藁チェン伝動プーリ(6)と、該排藁チェン伝動プーリ(6)に伝動可能に巻き掛けた前記伝動ベルト(11)及び伝動プーリ(12)との、少なくとも上方と前方とを覆う安全カバー(20)を、前記前側板(2)の取付枠(21)に着脱自由に取り付けて設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記入力プーリ(7)に動力を伝動する前記入力伝動ベルト(8)と、前記排藁チェン伝動プーリ(6)から伝動プーリ(12)に巻き掛けた伝動ベルト(11)とにそれぞれテンション調節装置(22,23)が設けられ、該2つのテンション調節装置(22,23)に接続する張圧力調節具(22a,23a)は、前記前側板(2)に設けた支持部材(24)上に取り付けて設けられ、該張圧力調節具(22a,23a)を、前記安全カバー(20)に覆われる範囲内に配置して構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2008−29238(P2008−29238A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204786(P2006−204786)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】