説明

コンバイン

【課題】再選別機構上における排塵選別を有効に行うことができるとともに、揺動選別機構から落下する一番物に対して行う風選別の選別能力をより向上させることができるコンバインを提供する。
【解決手段】一番流穀板420は、機体後方側への仮想延長線XLが再選別機構240の機体前後方向中央部より機体後方側において再選別機構240に交差するように、傾斜角が設定されている。このため、唐箕ファン310からの選別風が一番流穀板420に沿って吹き上げられ、再選別機構240の下方から上方へと吹き抜けることにより、再選別機構240上において脱穀物が二番物と排藁等の不要物とに選別され、不要物が機外へ排出される排塵選別が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀部によって脱穀された脱穀物に対して風選別を行う風選別機構を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送される穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部と、前記脱穀部によって脱穀された脱穀物のうち一番物及び二番物をそれぞれ集約するように機体前後方向に沿って配置された一番樋及び二番樋と、機体前後方向に一体的に揺動するチャフシーブ機構及びストローラック機構等の再選別機構を備えた揺動選別機構と、前記揺動選別機構の前方且つ下方に配置された唐箕ファンを有する風選別機構とを備えたコンバインは従来から公知である(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、前記チャフシーブ機構は、前記フィードパンから送られてくる脱穀物を一番物として選別して前記一番樋へ漏下させるように構成されている。また、前記再選別機構は、前記チャフシーブ機構の穀稈搬送方向下流側に配置されており、前記チャフシーブ機構から送られてくる脱穀物を二番物及び不要物に選別し、二番物を前記二番樋に漏下させるとともに、排藁等の不要物を唐蓑ファンを有する風選別機構を用いて機外に排出するように構成されている。
【0003】
ここで、一番樋は、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された一番前方側傾斜板及び前記一番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された一番後方側傾斜板を有する一番樋本体と、前記一番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が前記一番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる一番流穀板であって、前記一番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構に支持された一番流穀板とを有し得る。
そして、唐箕ファンからの選別風によりチャフシーブ機構から漏下してきた被処理物のうち、穀粒とともに落下してきた籾殻等の不純物を一番流穀板に沿って吹き飛ばして、より高純度な穀粒を一番物として一番樋に集約させている。
一方、ストローラック機構から二番樋へ漏下する二番物に対しては、前記一番後方側傾斜板及び前記二番樋の間に配置されたセカンドファンを用いて風選別を行う構成も公知となっている。
【0004】
しかしながら、従来のコンバインにおいては、再選別機構上に有効な選別風が届かず、風選別による十分な排塵選別を行うことができなかったり、再選別機構上に残った排藁等の不要物を唐箕ファンにより十分に吹き飛ばすことができない問題がある。
具体的には、従来のコンバインにおいては、一番流穀板の傾斜角度として一番流穀板上を一番物が自然流下する角度とされ、且つ、一番流穀板の機体後方側への仮想延長線が前記再選別機構の機体前後方向前端部近傍で交差するように構成されており、唐箕ファンからの選別風が一番流穀板に沿って上昇しても再選別機構上へは選別風が到達しない。
また、前記セカンドファンの主選別風は、二番樋の後方に配設された二番流穀板に向けられており、しかも、一番樋と二番樋との間にセカンドファンを配置する都合上、大きい回転径を有するファンは配置できないため、再選別機構上において風選別する程の風力が得られない。
このような上記問題に加えて、揺動選別機構から落下する一番物に対して行う風選別の選別能力をより向上させたい要請もある。
【特許文献1】特開2006−166926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、再選別機構上における排塵選別を有効に行うことができるとともに、揺動選別機構から落下する一番物に対して行う風選別の選別能力をより向上させることができるコンバインの提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインは、前記目的を達成するためになされたものであり、脱穀部によって脱穀された脱穀物のうち一番物及び二番物をそれぞれ集約するように機体前後方向に並列配置された一番樋及び二番樋と、上下方向に関し前記脱穀部と前記一番樋及び前記二番樋との間に配置され且つ機体前後方向に一体的に揺動されるチャフシーブ機構及び再選別機構を含む揺動選別機構と、前記揺動選別機構の前方且つ下方に配置された唐箕ファンを有する風選別機構とを備え、前記一番樋が、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された一番前方側傾斜板及び前記一番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された一番後方側傾斜板を有する一番樋本体と、前記一番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が前記一番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる一番流穀板であって、前記一番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構に支持された一番流穀板とを有するコンバインであって、前記一番流穀板の機体後方側への仮想延長線が前記再選別機構の機体前後方向中央部より機体後方側において該再選別機構に交差するように、前記一番流穀板の傾斜角が設定されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成のコンバインによれば、脱穀部によって脱穀された脱穀物がチャフシーブ機構及び再選別機構を含む揺動選別機構において揺動選別され、揺動選別機構から漏下した一番物及び二番物が一番樋及び二番樋に集約される。
一番樋に集約される一番物は、揺動選別機構から漏下した際、風選別機構の唐箕ファンからの選別風により風選別される。そして、一番樋本体の一番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が一番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる一番流穀板上に落下した一番物は、揺動選別機構の揺動による一番流穀板の揺動により、一番樋本体最下部に集約される。
ここで、一番流穀板は、機体後方側への仮想延長線が再選別機構の機体前後方向中央部より機体後方側において再選別機構に交差するように、傾斜角が設定されている。このため、唐箕ファンからの選別風が一番流穀板に沿って吹き上げられ、再選別機構の下方から上方へと吹き抜けることにより、再選別機構上において脱穀物が二番物と排藁等の不要物とに選別され、不要物が機外へ排出される排塵選別が行われる。
【0008】
このように、唐箕ファンからの選別風を再選別機構のより広い範囲に向けて吹き付けることにより、再選別機構上における排塵選別を前記選別風を用いた風選別により促進させることができる。また、従来に比べて一番流穀板の傾斜角が緩くなることにより、同じスペースでチャフシーブ機構との距離(落差)をより広げることができ、被処理物の落下時間を長くすることができるため、風選能力を向上させることができる。逆に、チャフシーブ機構との距離を同じに保ったまま、風選別機構の上下幅をより小さくすることができるため、風選能力を保持しつつコンバインを小型化することもできる。
【0009】
好ましくは、前記二番樋は、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された二番前方側傾斜板及び前記二番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された二番後方側傾斜板を有する二番樋本体と、前記二番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が前記二番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる二番流穀板であって、前記二番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構に支持された二番流穀板とを有し、前記風選別機構は、前記一番後方側傾斜板及び前記二番前方側傾斜板の間に配置されたセカンドファンをさらに備え、前記セカンドファンからの主選別風が、前記二番流穀板と共に前記再選別機構の機体後方側へ当たるように、前記セカンドファン、前記再選別機構、前記二番後方側傾斜板及び前記二番流穀板が配置されている。
【0010】
この場合、二番樋に集約される二番物は、揺動選別機構から漏下した際、一番樋と二番樋との間に配置された風選別機構のセカンドファンからの選別風により風選別される。そして、二番樋本体の二番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が二番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる二番流穀板上に落下した二番物は、揺動選別機構の揺動による二番流穀板の揺動により、二番樋本体最下部に集約される。
このように、再選別機構から落下した二番物に対して、セカンドファンからの送風により二番流穀板上で二次選別を行うことにより、二番樋を介して再び揺動選別機構に還元される二番物の量を減らし、精選率を高めることができる。
【0011】
好ましくは、前記一番流穀板の上面には、前記一番後方側傾斜板に沿って前下方へ行くに従って前記一番後方側傾斜板から離間し、且つ、機体水平面より下方に延びるように傾斜された傾斜部が前記一番後方側傾斜板に沿って複数設けられている。
【0012】
この場合、一番流穀板の上面に落下した一番物が一番流穀板の揺動によってより前下方へ移動した際、一番流穀板の上面に複数設けられた傾斜部が一番後方側傾斜板に沿って前下方へ行くに従って一番後方側傾斜板から離間し、且つ、機体水平面より下方に延びるように傾斜されているため、一番物を傾斜面を越えて容易に前下方に移動させる一方で、当該傾斜部により、一番物が後上方へ戻ることを防止する。
このように、一番流穀板が揺動することにより、一番物が一番樋本体の最下部へ向けて半強制的に搬送されるため、一番樋における一番物の集約を迅速に行うことができ、選別能力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るコンバインによれば、唐箕ファンからの選別風を再選別機構のより広い範囲に向けて吹き付けることにより、再選別機構上における排塵選別を前記選別風を用いた風選別により促進させることができる。また、従来に比べて一番流穀板の傾斜角が緩くなることにより、同じスペースでチャフシーブ機構との距離(落差)をより広げることができ、被処理物の落下時間を長くすることができるため、風選能力を向上させることができる。逆に、チャフシーブ機構との距離を同じに保ったまま、風選別機構の上下幅をより小さくすることができるため、風選能力を保持しつつコンバインを小型化することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係るコンバインの好ましい一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本発明の一実施形態におけるコンバイン1の右側面図、左側面図及び正面図を示す。また、図4に、前記コンバイン1の伝動模式図を示す。
【0015】
前記コンバイン1は、図1〜図4に示すように、本機フレーム2と、前記本機フレーム2に支持された駆動源9と、前記本機フレーム2に連結された左右一対のクローラ式走行装置10と、前記駆動源9からの回転動力を変速して前記一対のクローラ式走行装置10へ出力するトランスミッション3と、前記本機フレーム2の前方において該本機フレーム2に昇降可能に支持された刈取・搬送装置30と、前記刈取・搬送装置30によって刈り取られた穀稈を前記本機フレーム2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置20と、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行い、且つ、脱穀された脱穀物から穀粒を選別する脱穀選別装置100と、前記本機フレーム2の右前方部分に配設された運転席5と、前記脱穀選別装置100によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク6と、前記フィードチェーン装置20から脱穀後の排藁を受け継ぎ、該排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置40と、前記排藁搬送装置40によって機体後方側へ搬送された排藁を切断する排藁切断装置50とを備えている。
【0016】
前記刈取・搬送装置30は、穀稈を刈り取る刈取部31と、該刈取部31によって刈り取られた穀稈を前記フィードチェーン装置20へ搬送する搬送部36とを備えている。
前記刈取部31は、引起ケース及び引起タインを含む引起機構32と、前記引起ケースの下方部から前方へ突出された分草板33と、前記引起ケースの後方に配設された刈刃34とを有している。
前記搬送部36は、上部搬送機構及び縦搬送機構を含み、刈り取られた穀稈の株元を前記フィードチェーン装置20へ受け継ぐように構成されている。
【0017】
図5に、図1に示すコンバイン1の左側板を取り外した状態における側面図を示す。
前記脱穀選別装置100は、図5に示すように、前記フィードチェーン装置20によって後方へ搬送される穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部110と、該脱穀部110の下方に配設され、該脱穀部110によって脱穀され且つ流下する脱穀物から穀粒を選別する選別部200とを備えている。
【0018】
前記脱穀部110は、図4及び図5に示すように、脱穀機枠によって画される扱室120と、該扱室120内において機体前後方向に沿った回転軸回りに回転駆動される扱胴130と、該扱胴130の下方に配設された扱胴受網(図示せず)とを備えている。
【0019】
前記フィードチェーン装置20は、穀稈の穂先が前記扱胴130によって脱穀処理される状態で、該穀稈を後方へ搬送するように構成されている。
前記グレンタンク6は、前記脱穀装置100によって選別され且つ下記一番樋400に集約された一番物を貯留するように構成されている。
詳しくは、前記一番樋400に集約された一番穀粒は、一番搬送コンベア11及び揚穀コンベア12(図4参照)を介して、前記グレンタンク6内に搬入される。
なお、該グレンタンク6内に貯留された穀粒は、図1〜図4に示すように、該グレンタンク6の底部に設けられた下部コンベア6aと、該下部コンベア6aから穀粒を受け継いで上方へ搬送するように縦排出オーガ7内に内挿された縦コンベア6bと、前記縦コンベア6bから穀粒を受け継ぐように横排出オーガ8に内挿された排出コンベア6cとを介して、外部に排出されるようになっている。
【0020】
前記排藁搬送装置40は、図4に示すように、前記扱胴130を駆動する扱胴駆動軸131を介して伝達される動力によって駆動され、前記フィードチェーン装置20から排藁の株元を受け継ぐ株元搬送チェーン機構41と、前記株元搬送チェーン機構41より機体前方側において該株元搬送チェーン機構41と略平行に配設され、該株元搬送チェーン機構41と同期駆動された状態で排藁の穂先側を搬送する補助搬送機構42とを有している。
【0021】
前記選別部200は、図5に示すように、揺動軸201(図4参照)の回転に伴って揺動することで、前記脱穀部110によって脱穀された脱穀部に対して比重選別を行う揺動選別機構210と、前記揺動選別機構210の前方且つ下方に配置された唐箕ファン310を有し、前記揺動選別機構210に対して選別風を送出する風選別機構300と、前記脱穀部110によって脱穀された脱穀物のうち一番物及び二番物をそれぞれ集約するように機体前後方向に並列配置された一番樋400及び二番樋450とを有している。前記一番樋400は、前記揺動選別機構210の下方に配設され、前記二番樋450は、前記揺動選別機構210の下方で且つ前記一番樋400の後方に配設されている。
【0022】
前記揺動選別機構210は、左右一対の揺動側板211と、前記脱穀部110から流下される脱穀物を受け止めるように前記一対の揺動側板211の間に配設されたフィードパン220と、前記脱穀部110から流下する脱穀物及び前記フィードパン220から送られてくる脱穀物を受け、該脱穀物から穀粒を揺動選別するように前記一対の揺動側板211の間に配設されたチャフシーブ機構230と、前記チャフシーブ機構230の後方に直列配置するように前記一対の揺動側板211の間に配設された再選別機構240とを有しており、上下方向に関し前記脱穀部110と前記一番樋400及び二番樋450との間に配置され且つ機体前後方向に一体的に揺動される。
なお、図5においては、前記揺動選別機構210の内部構造を明らかにするために、左側の揺動側壁211を削除している。
【0023】
前記フィードパン220は、前記脱穀部110から流下される脱穀物を機体幅方向に拡散させつつ、前記チャフシーブ機構230へ向けて機体後方側へ搬送するように構成されている。
具体的には、該フィードパン220は上面が波状に形成された板体とされている。
【0024】
図5に示すように、前記チャフシーブ機構230は、前記脱穀部110から流下する脱穀物及び前記フィードパン220から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、該脱穀物の一部を下方に位置する前記一番樋400に一番物として流下させるように構成されている。
【0025】
前記チャフシーブ機構230は、前記一対の揺動側板211の間において機体幅方向に延びる複数のフィン231であって、間隔を存しつつ機体前後方向に並設された複数のフィン231を有しており、比重選別される穀粒が前記間隔を通って、下方に配置される前記一番樋400へ落下するようになっている。
なお、前記複数のフィン231は、下端部が上端部よりも機体前方側に位置する後傾斜状態で、それぞれ機体幅方向に沿った枢支軸回りに一体的に揺動可能とされており、駆動機構(図示せず)によって傾斜角を変更することで、前記間隔の開口幅が調整可能とされている。
【0026】
前記再選別機構240は、前記チャフシーブ機構230から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、該脱穀物の一部を下方に位置する前記二番樋450に二番物として流下させるとともに、該脱穀物のうち排藁等の大きな不要物を機外に搬送するように構成されている。
本実施の形態においては、該再選別機構240として、ストローラック機構が用いられている。
【0027】
前記ストローラック機構240は、板面が略垂直に沿った状態で機体前後方向に延びる複数の板状部材241であって、間隔を存しつつ機体幅方向に並設された複数の板状部材241を有しており、前記間隔を介して、前記脱穀物のうち枝梗付き穀粒や穂切れ粒等の小さな脱穀物を二番物として前記二番樋450へ落下させるようになっている。
なお、前記複数の板状部材241は、それぞれ、上面が波状に形成されており、これにより、排藁等の大きな不要物の後方への搬送を促進させている。
【0028】
なお、本実施形態においては、前記揺動選別機構210は、上下方向に関し前記チャフシーブ機構230と前記一番樋400との間にグレンシーブ機構250を有している。該グレンシーブ機構250は、前記チャフシーブ機構230から流下する選別物をさらに精選するものであり、例えば、網状体によって形成される。
【0029】
前記一番樋400は、前記選別部200によって選別処理された一番物を集約し得るように前記揺動選別機構210の下方に配設された側面視凹状とされている。
詳しくは、図4及び図5に示すように、前記一番樋400は、一番樋本体410と、該一番樋本体410とは別体とされた一番流穀板420とを備えている。
【0030】
前記一番樋本体410は、一体形成されている。
具体的には、該一番樋本体410は、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された一番前方側傾斜板411と、前記一番前方側傾斜板411より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された一番後方側傾斜板412とを一体的に有しており、前記一番前方側傾斜板411及び前記一番後方側傾斜板412によって画される側面視凹状の一番集約空間400Sに一番物を集約させ得るように構成されている。
なお、該一番集約空間400Sには、機体幅方向に沿って前記一番コンベア11(図4参照)が配設される。
【0031】
前記一番流穀板420は、前端側が前記一番後方側傾斜板412の上面に載置され且つ後端側が前記一番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延び、前記一番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構210に脱着可能に支持されている。
詳しくは、該一番流穀板420は、図5に示すように、前記一番流穀板420の機体後方側への仮想延長線XLが前記再選別機構(ストローラック機構)240の機体前後方向中央部より機体後方側において該再選別機構240に交差するように、傾斜角が設定されている。
本実施形態においては、前記仮想延長線XLは、前記再選別機構240の機体後端部と交差している。
【0032】
本実施形態においては、前記一番流穀板420は、前記一対の揺動側板211に着脱自在に連結されており、前記揺動選別機構210の機体前後方向の揺動に伴って機体前後方向に揺動されるように構成されている。
詳しくは、前記一番流穀板420は、少なくとも後端部が前記一番後方側傾斜板412より後方斜め上方へ延在した状態で該一番後方側傾斜板412と略平行となるように、取付ステーを介して前記揺動側板211に着脱自在に連結された剛性の一番流穀板本体421と、少なくとも前端側が前記一番後方側傾斜板412の内面に載置されるように前記一番流穀板本体421に連結された弾性の一番弾性部材422とを有している。前記一番弾性部材422は、合成ゴム等により形成される。
【0033】
前記二番樋450は、図5に示すように、前記選別部200によって選別処理された二番物を集約し得るように前記揺動選別機構210の下方に配設された側面視凹状とされている。
詳しくは、前記二番樋450は、二番樋本体460と、該二番樋本体460とは別体とされた二番流穀板470とを備えている。
【0034】
前記二番樋本体460は、一体形成されている。
具体的には、該二番樋本体460は、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された二番前方側傾斜板461と、前記二番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された二番後方側傾斜板462とを一体的に有しており、前記二番前方側傾斜板461及び前記二番後方側傾斜板462によって画される側面視凹状の二番集約空間450Sに二番物を集約させ得るように構成されている。
なお、前記二番集約空間450Sには、機体幅方向に沿って二番コンベア15(図4参照)が配設される。前記二番コンベア15の搬送方向下流端部には、還元筒(図示せず)に内挿された状態で作動連結された二番還元コンベア16(図4参照)が配設されており、前記二番樋460に集約された二番物を扱室120へ搬送し、再脱穀させるように構成されている。
【0035】
前記二番流穀板470は、前記二番後方側傾斜板462の上面に載置され且つ後端側が前記二番後方側傾斜板462を越えて後斜め上方へ延び、前記二番樋本体460に対してフリーな状態で前記揺動選別機構210に脱着可能に支持されており、前記揺動選別機構210の機体前後方向の揺動に伴って機体前後方向に揺動されるように構成されている。
詳しくは、前記二番流穀板470は、少なくとも後端部が前記二番後方側傾斜板462より後方斜め上方へ延在した状態で該二番後方側傾斜板462と略平行となるように、取付ステーを介して前記揺動側板211に着脱自在に連結された剛性の二番流穀板本体471と、少なくとも前端側が前記二番後方側傾斜板462の内面に載置されるように前記二番流穀板本体471に連結された弾性の二番弾性部材472とを有している。前記二番弾性部材472は、合成ゴム等により形成される。
【0036】
前記二番後方側傾斜板462は、図5に示すように、後端部が前記揺動選別機構210よりも下方位置で終焉している。詳しくは、該二番後方側傾斜板462は、後端部が前記再選別機構240よりも下方位置で終焉しており、背面視において該二番後方側傾斜板462の後端部と該再選別機構240との間にスペースが存するようになっている。
また、二番流穀板470は、後端部が前記再選別機構240の後端部と機体前後方向に関し略同一位置で終焉するように構成されている。これにより、前記再選別機構240から流下する二番物を効率よく前記二番集約空間450S内に集約させ得るようになっている。
【0037】
次に、前記風選別機構300について説明する。
前記風選別機構300は、前記揺動選別機構210に対して選別風を送出するように構成されており、選別風によって該揺動選別機構210による穀粒の選別を促進させ得るようになっている。
具体的には、前記風選別機構300は、図5に示すように、前記揺動選別機構210に対して前下方から後上方へ抜ける選別風を送出する唐箕ファン310を備えている。
【0038】
前記唐箕ファン310は、前記チャフシーブ機構230の前方且つ下方において、機体幅方向に沿った唐箕ファン用駆動軸311によって回転駆動されるように構成されている。
具体的には、前記唐箕ファン310は、脱穀機枠の両側板と、後方が開口とされた唐箕ファンケース320とによって画される空間内に配設されており、後方且つ上方へ向けて選別風を送出し得るようになっている。
より詳しくは、該唐箕ファンケース320は、図5に示すように、前記唐箕ファン310を囲繞する唐箕ファンケース本体321と、前端部が該唐箕ファンケース本体321に流体接続され且つ後端部が斜め後方へ向けて開口された中空の風路ケース322とを有している。
なお、前記脱穀機枠の側板には、前記唐箕ファン310へ吸気させる吸入口が設けられている。
【0039】
さらに、本実施の形態においては、図5に示すように、前記構成に加えて、前記揺動選別機構210より選別風の流れ方向上流側且つ前記グレンシーブ機構250より前下方の第1送風路301Pにおいて風向板330を有しており、前記唐箕ファン310からの選別風を、上方風及び下方風に分割し得るようになっている。
【0040】
かかる風向板330を備えることにより、前記唐箕ファン310からの選別風を後述する前記再選別機構240上における風選別(排塵選別)に使用する上方風と、前記チャフシーブ機構230及びグレンシーブ機構250から落下する一番物に対する風選別に使用する下方風とに効率的に分割することができる。従って、前記上方風が前記一番物に対する風選別に影響されることなく、前記再選別機構240上における風選別を効果的に行うことができる。
【0041】
本実施形態において、前記風選別機構300は、前記唐箕ファン310からの選別風を前記グレンシーブ機構250の上側において前方から後方へ流し得る第2送風路302Pを有している。これにより、グレンシーブ機構250によって一番物から除去された二番物や他の脱穀物を機体後方へ効率よく風搬送することができる。
【0042】
本実施形態において、前記風選別機構300は、前記一番後方側傾斜板412及び前記二番前方側傾斜板461の間に配置されたセカンドファン340をさらに備え、前記セカンドファン340からの主選別風が、前記二番流穀板470とともに前記再選別機構240の機体後方側へ当たるように、前記セカンドファン340、前記再選別機構240、前記二番後方側傾斜板462及び前記二番流穀板470が配置されている。
前記セカンドファン340は、機体幅方向に沿ったセカンドファン用駆動軸341によって回転駆動されるように構成されている。
具体的には、前記セカンドファン340は、脱穀機枠の両側板と、前記一番後方側傾斜板412及び前記二番前方側傾斜板461の間が開口とされたセカンドファンケース350とによって画される空間内に配設されており、後上方へ向けて選別風を送出し得るようになっている。
なお、前記脱穀機枠の側板には、前記セカンドファン340へ吸気させる吸入口が設けられている。
【0043】
加えて、前記風選別機構300は、前記唐箕ファン310より前方且つ上下方向に関し前記フィードパン220と唐箕ファン310の間に配置されたプレヒートファン360を備えている。前記プレヒートファン360は、機体幅方向に沿ったプレヒートファン用駆動軸361によって回転駆動されるように構成されている。
具体的には、前記プレヒートファン360は、脱穀機枠の両側板と、前記フィードパン220及び前記唐箕ファンケース321の間が開口とされたプレヒートファンケース370とによって画される空間内に配設されており、後上方へ向けて選別風を送出し得るようになっている。
【0044】
本実施形態において、前記風選別機構300は、前記プレヒートファン360からの選別風を前記チャフシーブ機構230の上側において前方から後方へ流し得る第3送風路303Pを有している。これにより、チャフシーブ機構230によって一番物から除去された二番物や他の脱穀物を機体後方へ効率よく風搬送することができる。
【0045】
上記構成のコンバイン1によれば、脱穀部100によって脱穀された脱穀物がチャフシーブ機構230及び再選別機構240を含む揺動選別機構210において揺動選別され、揺動選別機構210から漏下した一番物及び二番物が一番樋400及び二番樋450に集約される。
一番樋400に集約される一番物は、揺動選別機構210から漏下した際、風選別機構300の唐箕ファン310からの選別風により風選別される。そして、一番樋本体410の一番後方側傾斜板412の上面に載置され且つ後端側が一番後方側傾斜板412を越えて後斜め上方へ延びる一番流穀板420上に落下した一番物は、揺動選別機構210の揺動による一番流穀板420の揺動により、一番樋本体410の最下部の一番集約空間400Sに集約される。
【0046】
ここで、一番流穀板420は、機体後方側への仮想延長線XLが再選別機構240の機体前後方向中央部より機体後方側において再選別機構240に交差するように、傾斜角が設定されている。このため、唐箕ファン310からの選別風が一番流穀板420に沿って吹き上げられ、再選別機構240の下方から上方へと吹き抜けることにより、再選別機構240上において脱穀物が二番物と排藁等の不要物とに選別され、不要物が機外へ排出される排塵選別が行われる。
【0047】
このように、唐箕ファン310からの選別風を再選別機構240のより広い範囲に向けて吹き付けることにより、再選別機構240上における排塵選別を前記選別風を用いた風選別により促進させることができる。
また、本実施形態の一番流穀板420によれば、一番流穀板420の傾斜角が従来に比べて緩くなる。なお、図5において、従来のコンバインにおける一番流穀板の傾斜面を破線PAとして示している。即ち、本実施形態の一番流穀板420の傾斜面(前記仮想延長線XL)と水平面との角度が前記破線PAと水平面との角度に比べて小さくなっている。
これにより、同じスペースでチャフシーブ機構230及びグレンシーブ機構250との距離(落差)をより広げることができる。例えば、図5において、機体前後方向所定位置におけるチャフシーブ機構230と一番流穀板420との距離(一番物落下距離)D1は、従来のコンバインの同位置における一番物落下距離DPより長くなっている。
従って、一番物落下距離を長くすることにより、被処理物の落下時間を長くすることができるため、揺動選別機構210から落下する一番物に対して行う風選別の風選能力を向上させることができる。逆に、チャフシーブ機構230及びグレンシーブ機構250との距離を同じに保ったまま、風選別機構300の上下幅をより小さくすることができるため、風選能力を保持しつつコンバイン1を小型化することもできる。
【0048】
本実施形態においては、前記一番流穀板420の上面には、前記一番後方側傾斜板412に沿って前下方へ行くに従って前記一番後方側傾斜板412から離間し、且つ、機体水平面より下方に延びるように傾斜された傾斜部423が前記一番後方側傾斜板412に沿って複数設けられている。また、前記傾斜部423の前端部と前記一番流穀板420の上面との間には、壁部424が形成されている。
【0049】
図6に、図5の一番流穀板420における部分拡大図を示す。
本実施形態においては、前記傾斜部423は、合成ゴム等の弾性部材によって一番弾性部材422と一体形成されることにより、図5及び図6に示すように、一番弾性部材422の上面に設けられている。なお、前記傾斜部423は、一番弾性部材422と別体に形成されてもよい。また、一番弾性部材422に加えて又は代えて前記一番流穀板本体421の上面に設けられてもよい。
さらに、前記傾斜部423は、前記一番流穀板420の機体幅方向略全域にわたって延びているが、この限りではなく、機体幅方向に関して複数に分断されていてもよい。
【0050】
図5及び図6に示すように、前記一番流穀板420の上面に複数設けられた傾斜部423が一番後方側傾斜板に沿って前下方へ行くに従って一番後方側傾斜板から離間し、且つ、機体水平面より下方に延びるように傾斜されているため、前記一番流穀板420上に落下した一番物が一番流穀板420の機体前後方向の揺動によってより前下方へ移動すると、傾斜部423の傾斜角が機体水平面より下方に延びていることから一番物が傾斜部423を越えて容易に前下方に移動する。一方、一番流穀板420の揺動によって後上方への移動成分が生じても、当該傾斜部423の前端部と前記一番流穀板420の上面との段差(即ち、前記壁部424)により、一番物が後上方へ戻ることを有効に防止する。
なお、前記壁部424は、前端部から一番後方側傾斜板412に沿って後上方に行くに従って前記一番後方側傾斜板412から離間するような傾斜角や後端部から一番後方側傾斜板412に沿って前下方に行くに従って前記一番後方側傾斜板412から離間するような傾斜角としてもよいが、前記一番後方側傾斜板412(前記一番流穀板420)に対して略直交する角度とすることが好ましい。
【0051】
以上のように、一番流穀板420が揺動することにより、一番物が一番樋本体410の最下部の一番集約空間400Sへ向けて半強制的に搬送されるため、一番樋400における一番物の集約を迅速に行うことができ、選別能力を向上させることができる。
【0052】
また、二番樋450に集約される二番物は、揺動選別機構210から漏下した際、一番樋400と二番樋450の間に配置された風選別機構300のセカンドファン340からの選別風により風選別される。そして、二番樋本体460の二番後方側傾斜板462の上面に載置され且つ後端側が二番後方側傾斜板462を越えて後斜め上方へ延びる二番流穀板470上に落下した二番物は、揺動選別機構210の揺動による二番流穀板470の揺動により、二番樋本体460の最下部の二番集約空間450Sに集約される。
【0053】
このように、再選別機構240から落下した二番物に対して、セカンドファン340からの送風により二番流穀板470上で二次選別を行うことにより、二番樋450を介して再び揺動選別機構210に還元される二番物の量を減らし、精選率を高めることができる。
本実施の形態においては、前述の通り、前記二番流穀板470も前記揺動選別機構210に連結されている。従って、前記二番流穀板470を無理に急傾斜形状とすることなく、二番物を確実に流下させることができる。
【0054】
本実施の形態において、前記風選別機構300は、さらに、前記唐箕ファン310からの選別風を吸引して機外に排出させるように、前記揺動選別機構210より上方に配置された吸引ファン500を備えている。
【0055】
前記吸引ファン500は、機体幅方向に沿った回転軸501を有し、下方に位置する前記揺動選別機構210との間に機体前後に亘る開口空間500Sが形成されるように配設されている。
【0056】
さらに、前記風選別機構300は、前記吸引ファン500の上方及び下方をそれぞれ覆う上方ファンカバー部材510及び下方ファンカバー部材520を有している。
該上方ファンカバー部材510及び下方ファンカバー部材520は、互いに共働して、前記揺動選別機構210を向くように前記吸引ファン500の機体前方側に位置する吸引口と、機外に連通するように前記吸引ファン500の機体後方側に位置する排出口とを形成している。
即ち、前記吸引ファン500は、左右の機体側壁と前記上方ファンカバー部材510及び前記下方ファンカバー部材520とによって画されるスペース内に収容されており、前記選別風を前記吸引口を介して吸引し、前記排出口から排出するようになっている。
【0057】
前述のように、前記吸引ファン500と前記揺動選別機構210との間に前記開口空間500Sを設けることにより、前記唐箕ファン310からの選別風に乱流が発生することを有効に防止又は低減でき、前記揺動選別機構210の下方から上方へ抜けて、機外に排出される選別風流れを効果的に形成することができる。
【0058】
ところで、前記開口空間500Sを設けると、選別風の効果的な流れを形成し易い反面、前記揺動選別機構210から飛散する穀粒が該開口空間500Sを介して機外に排出され、これにより、ロスが生じ易くなる。
また、前記吸引ファン500の機体後方側に配設された前記排藁切断機構50からの切り屑が前記開口空間500Sを介して前記揺動選別機構210内に混入し、該揺動選別機構210における選別性能が低下するおそれがある。
【0059】
この点に鑑み、本実施の形態においては、前記下方ファンカバー部材520に、背面視において前記開口空間500Sの少なくとも一部を遮閉する弾性変形可能な弾性遮閉部材530と、前記弾性遮閉部材530より機体後方側に配設された剛性遮閉部材540とを備えている。
【0060】
斯かる構成を備えることにより、以下の効果が奏される。
即ち、前記弾性遮閉部材530によって、飛散する穀粒を該前記二番樋450に流下させることができ、穀粒ロスの低減を図ることができる。さらに、前記弾性遮閉部材530は、弾性変形可能な部材によって形成されているため、前記揺動選別機構210によって機外へ搬送される排藁等の不要物量が多い場合であっても、該弾性遮閉部材530が撓むことにより、目詰まりも防止される。
なお、斯かる弾性遮閉部材530は、前記作用を奏する限り、種々の材質によって形成され得るが、例えば、ゴムが好適に使用される。
【0061】
また、本実施の形態においては、前記剛性遮閉部材540によって、機体後方側から前記揺動選別機構210内へ切り屑等の不要物が混入することを有効に防止でき、前記揺動選別機構210の選別性能を良好に維持することができる。
【0062】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、前記再選別機構240として、前記ストローラック機構に代えて篩い式選別機構を採用することも可能である。また、本願発明の構成は、プレヒートファン360及び/又はセカンドファン340を設けない構成に適用しても有効である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明の一実施形態におけるコンバインの右側面図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの左側面図である。
【図3】図3は、図1に示すコンバインの正面図である。
【図4】図4は、図1に示すコンバインの伝動模式図である。
【図5】図5は、図1に示すコンバインの左側板を取り外した状態における側面図である。
【図6】図6は、図5の一番流穀板420における部分拡大図である。
【符号の説明】
【0064】
1…コンバイン
110…脱穀部
210…揺動選別機構
230…チャフシーブ機構
240…再選別機構
300…風選別機構
310…唐箕ファン
340…セカンドファン
400…一番樋
410…一番樋本体
411…一番前方側傾斜板
412…一番後方側傾斜板
420…一番流穀板
423…傾斜部
450…二番樋
460…二番樋本体
461…二番前方側傾斜板
462…二番後方側傾斜板
470…二番流穀板
XL…仮想延長線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部によって脱穀された脱穀物のうち一番物及び二番物をそれぞれ集約するように機体前後方向に並列配置された一番樋及び二番樋と、上下方向に関し前記脱穀部と前記一番樋及び前記二番樋との間に配置され且つ機体前後方向に一体的に揺動されるチャフシーブ機構及び再選別機構を含む揺動選別機構と、前記揺動選別機構の前方且つ下方に配置された唐箕ファンを有する風選別機構とを備え、前記一番樋が、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された一番前方側傾斜板及び前記一番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された一番後方側傾斜板を有する一番樋本体と、前記一番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が前記一番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる一番流穀板であって、前記一番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構に支持された一番流穀板とを有するコンバインであって、
前記一番流穀板の機体後方側への仮想延長線が前記再選別機構の機体前後方向中央部より機体後方側において該再選別機構に交差するように、前記一番流穀板の傾斜角が設定されていることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記二番樋は、側面視において後方へ行くに従って下方に位置するように傾斜された二番前方側傾斜板及び前記二番前方側傾斜板より後方側に位置し且つ側面視において後方へ行くに従って上方に位置するように傾斜された二番後方側傾斜板を有する二番樋本体と、
前記二番後方側傾斜板の上面に載置され且つ後端側が前記二番後方側傾斜板を越えて後斜め上方へ延びる二番流穀板であって、前記二番樋本体に対してフリーな状態で前記揺動選別機構に支持された二番流穀板とを有し、
前記風選別機構は、前記一番後方側傾斜板及び前記二番前方側傾斜板の間に配置されたセカンドファンをさらに備え、
前記セカンドファンからの主選別風が、前記二番流穀板と共に前記再選別機構の機体後方側へ当たるように、前記セカンドファン、前記再選別機構、前記二番後方側傾斜板及び前記二番流穀板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記一番流穀板の上面には、前記一番後方側傾斜板に沿って前下方へ行くに従って前記一番後方側傾斜板から離間し、且つ、機体水平面より下方に延びるように傾斜された傾斜部が前記一番後方側傾斜板に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−112281(P2009−112281A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291690(P2007−291690)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】