説明

コンバイン

【課題】再処理装置内に二番物が大量に投入された場合や、投入された二番物が湿気を多く含んでいる場合であっても、再処理装置内に二番物が滞留し難くしたコンバインを提供する。
【解決手段】脱穀選別後の二番物を脱穀装置に戻す二番還元装置58,160の送り終端側に二番物を再処理するための再処理装置59を有する。再処理装置59には二番還元装置58,160に連通する上部移送口222と脱穀装置に連通する下部移送口223とを形成する。再処理装置59の内面側のうち上部移送口222と下部移送口223との間には、複数の受け歯227を備える一方、再処理装置59内に設けられた再処理胴161には、各受け歯227の間に位置する処理歯225を備える。再処理装置内59では二番物が上部移送口222から下部移送口223に向けて移動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、刈り取られた穀稈を脱穀して、脱穀物から精粒を選別・収集するコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインは、エンジンが搭載された走行機体と、前記走行機体を支持する左右の走行部としての走行クローラ等と、操縦ハンドル及び運転座席を有する運転部と、圃場の未刈り穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置とを備えており、圃場の未刈り穀稈を連続的に刈り取って脱穀し、穀粒を収集するように構成されている。
【0003】
前記従来のコンバインにおいては、揺動選別盤から二番コンベヤにて取り出された二番物(枝梗付き穀粒や穂切れ粒等)を、還元筒を経由して揺動選別盤に還元する(戻す)ように構成されている。また、還元筒の送り終端側に再処理装置を配置し、再処理装置にて二番物を再処理してから、揺動選別盤に二番物を戻す構成もよく知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
前記特許文献1の構成では、脱穀装置の側方に、揺動選別盤下方の一番コンベヤから一番物(脱穀後の精粒)を取り出す揚穀筒が立設されている。また、揺動選別盤の後部下方側で一番コンベヤより後方に配置された二番コンベヤの送り終端側に、還元筒が接続されている。還元筒は、揚穀筒が配置される側の脱穀装置の側方で揚穀筒の後方から前方上向きに延びるように配置されている。従って、揚穀筒と還元筒とは側面視で互いに交差している。再処理装置は左右幅方向に延びていて、再処理装置内には、再処理胴が左右長手の軸線回りに回動可能に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−111057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1の構成では、再処理装置から戻される二番物の送り及び分散は、主に揺動選別盤の揺動運動にて行われる。再処理装置の開口方向と再処理胴の回転方向との関係上、再処理胴の回転は二番物を揺動選別盤上に分散させるのに余り寄与していない。このため、再処理装置内に二番物が大量に投入された場合や、投入された二番物が湿気を多く含んでいる場合は、再処理装置内に二番物が滞留して詰り気味になり易く、二番物の再処理能力が低下するという問題があった。二番物が再処理装置内に詰まってしまえば除去せざるを得ないので、収穫作業性が悪化する(作業中断のために時間を浪費する)という問題も招来するおそれがあった。
【0007】
そこで、本願発明は、上記のような現状を改善したコンバインを提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、脱穀選別後の二番物を脱穀装置に戻す二番還元装置の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置を有しているコンバインであって、前記再処理装置には、前記二番還元装置に連通する上部移送口と前記脱穀装置に連通する下部移送口とが形成されており、前記再処理装置の内面側のうち前記上部移送口と前記下部移送口との間には、複数の受け歯を備える一方、前記再処理装置内に設けられた再処理胴には、前記各受け歯の間に位置する処理歯を備えており、前記再処理装置内では、前記二番物が前記上部移送口から前記下部移送口に向けて移動するように構成されているというものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載したコンバインにおいて、前記上部移送口の上下長さと、前記下部移送口の上下長さと、前記両移送口の間の上下長さとがほぼ等しい寸法に設定されているというものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載したコンバインにおいて、前記各受け歯は前記再処理装置の外面側にまで突出していて、前記再処理装置の強度メンバーを構成しているというものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によると、脱穀選別後の二番物を脱穀装置に戻す二番還元装置の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置を有しているコンバインであって、前記再処理装置には、前記二番還元装置に連通する上部移送口と前記脱穀装置に連通する下部移送口とが形成されており、前記再処理装置の内面側のうち前記上部移送口と前記下部移送口との間には、複数の受け歯を備える一方、前記再処理装置内に設けられた再処理胴には、前記各受け歯の間に位置する処理歯を備えており、前記再処理装置内では、前記二番物が前記上部移送口から前記下部移送口に向けて移動するように構成されているから、前記二番還元装置から受け継がれた二番物は、前記再処理装置内を自重にて落下し得ることになる。このため、前記各処理歯及び前記各受け歯には、刺さり粒の脱粒や藁塊の揉み解しといった機能を備えるだけでよくて二番物の搬送機能が不要になる。従って、再処理(再脱穀)能力を低下させることなく、前記各処理歯及び前記各受け歯を簡素な構造にできるという効果を奏する。
【0012】
請求項2の発明によると、請求項1に記載したコンバインにおいて、前記上部移送口の上下長さと、前記下部移送口の上下長さと、前記両移送口の間の上下長さとがほぼ等しい寸法に設定されているから、前記再処理装置がほぼ三等分されることになり、前記再処理装置において再処理(再脱穀)能力を維持しつつも、前記各処理歯及び前記各受け歯が二番物を前記再処理装置内に長期に滞留させるおそれを少なくできる。従って、前記再処理装置内の詰りを抑制して、処理済の二番物をスムーズに前記脱穀装置側に戻せるという効果を奏する。
【0013】
請求項3の発明によると、請求項1又は2に記載したコンバインにおいて、前記各受け歯は前記再処理装置の外面側にまで突出していて、前記再処理装置の強度メンバーを構成しているから、前記各受け歯自体が前記再処理装置に対する補強部材の役割も果たすことになる。このため、前記再処理装置の剛性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】4条刈り用のコンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの右側面図である。
【図3】コンバインの平面図である。
【図4】コンバインの正面図である。
【図5】コンバインの動力伝達系統図である。
【図6】脱穀装置の左側面断面図である。
【図7】脱穀装置下部の拡大左側面断面図である。
【図8】脱穀装置の正面断面図である。
【図9】脱穀装置と再処理装置との関係を示す拡大正面断面図である。
【図10】脱穀装置と再処理装置との関係を示す拡大左側面断面図である。
【図11】脱穀装置の拡大右側面図である。
【図12】脱穀装置と再処理装置との関係を示す拡大平面断面図である。
【図13】(a)は揺動選別盤の駆動構造を示す一部切り欠き拡大底面図、(b)は(a)のb−b視側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0016】
(1).コンバインの全体構造
まず、主に図1〜図4を参照しながら、コンバインの全体構造について説明する。図1乃至図4に示す如く、実施形態のコンバインは、左右一対の走行クローラ2(走行部)にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈取る4条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7とが横並び状に搭載されている。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク7が走行機体1の前進方向に向かって右側に配置されている(図3参照)。
【0017】
グレンタンク7の後方から上方にかけてグレンタンク7内の穀粒を機体外部に排出する排出オーガ8が配設されている。排出オーガ8の縦オーガ8aを中心として、グレンタンク7の前部を機体側方へ回動できるように構成されている。グレンタンク7の前方で走行機体1の右側前部には、運転部10が設けられている。運転部10には、オペレータが搭乗するステップ10a、運転座席10b、操向ハンドル10cや各種の操作レバーやスイッチ等を備えた操作装置を配置している。走行機体1における運転座席10bの下方の箇所には、動力源としてのエンジン20が配置されている。エンジン20の前方で且つ両走行クローラ2の間には、エンジン20からの動力を適宜変速して両走行クローラ2に伝達するためのミッションケース19が配置されている。
【0018】
図1及び図2に示すように、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン20の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24とが設けられている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持している。
【0019】
図1乃至図3に示す如く、刈取装置3には、圃場の未刈り穀稈を引起す4条分の穀稈引起装置31と、圃場の未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置32と、穀稈引起装置31からフィードチェン6の前端部(送り始端側)に刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置33とを備えている。エンジン20にて走行クローラ2を駆動して圃場内を移動しながら、刈取装置3を駆動して圃場の未刈り穀稈を連続的に刈り取る。この場合、穀稈引起装置31によって圃場の未刈り穀稈が引き起こされ、刈刃装置32によって未刈り穀稈の株元が切断され、穀稈引起装置31によってフィードチェン6の前端部に刈取り穀稈が搬送される。なお、穀稈引起装置31の下部前方には、圃場の未刈り穀稈を分草する4条分の分草体38aが突設されている。
【0020】
脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴51と、扱胴51の下方に落下する脱穀物を選別する揺動選別盤52と、揺動選別盤52に選別風を供給する唐箕ファン53と、揺動選別盤52の後部の排塵を機外に排出する排塵ファン61とを備えている。扱胴51の下方には、扱胴51と揺動選別盤52とを区画するクリンプ網60が張設されている。刈取装置3から穀稈搬送装置33によって搬送された穀稈の株元側はフィードチェン6に受け継がれて挟持搬送される。そして、穀稈の穂先側が脱穀装置5の扱室173(図6及び図7等参照)内に搬入されて扱胴51にて脱穀される。なお、扱胴51を回転させる扱胴回転軸158(図5参照)は、フィードチェン6による穀稈の搬送方向(換言すると走行機体1の進行方向)に沿って延びている。また、扱胴51は、図8及び図9において扱胴回転軸158回りの時計方向に回転駆動するように構成されている。
【0021】
図1及び図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン62が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン62に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後方側に設けた排藁カッタ63にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出される。
【0022】
揺動選別盤52の下方側には、揺動選別盤52にて選別された穀粒(一番物)を取り出す一番コンベヤ55と、穀粒、藁屑及び枝梗付き穀粒等が混在した二番物を取り出す二番コンベヤ56とが設けられている。なお、走行機体1の前進方向前側から一番コンベヤ55、二番コンベヤ56の順で、側面視において走行機体1の上面側のうち走行クローラ2の後部上方に横設されている。
【0023】
揺動選別盤52は、扱胴51の下方に落下した脱穀物を、揺動選別(比重選別)するように構成している。揺動選別盤52から落下した穀粒(一番物)は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン53からの選別風によって除去され、一番コンベヤ55に落下する。一番コンベヤ55のうち脱穀装置5におけるグレンタンク7寄りの右側壁180a(図8及び図9参照)から外向きに突出した終端部には、上下方向に延びる揚穀筒57が連通接続されている。一番コンベヤ55から取り出された穀粒は、揚穀筒57内の揚穀コンベヤ159(図5参照)にてグレンタンク7に搬入され、グレンタンク7の内部に収集される。揚穀筒57及び揚穀コンベヤ159が、脱穀選別後の一番物をグレンタンク7に搬送する揚穀装置を構成している。
【0024】
揺動選別盤52は、揺動選別(比重選別)によって、枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ56に落下させるように構成されている。二番コンベヤ56によって取り出された二番物は、還元筒58内の還元コンベヤ160(図5参照)及び再処理装置59を介して、揺動選別盤52の上面側に戻されて再選別される。また、扱胴51からの脱穀物中の藁屑及び粉塵等は、唐箕ファン53からの選別風と排塵ファン61の吸排塵作用とにより、走行機体1の後部から圃場に向けて排出される。還元筒58及び還元コンベヤ160は、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻す二番還元装置を構成している。
【0025】
(2).コンバインの動力伝達系
次に、図5を参照しながら、コンバインの動力伝達系について説明する。エンジン20からの動力の一方は、走行クローラ2(刈取装置3)と脱穀装置5との2方向に分岐して伝達される。エンジン20からの他の動力は排出オーガ8に向けて伝達される。エンジン20から走行クローラ2に向かう分岐動力は一旦、プーリ・ベルト伝動系を介して、ミッションケース19に伝達される。この場合、エンジン20からの分岐動力は、ミッションケース19等にて適宜変速され、ミッションケース19から左右外向きに突出した駆動出力軸151を介して左右の駆動スプロケット22に出力される。ミッションケース19には、駆動出力軸151とは別に刈取PTO軸152が突設されている。ミッションケース19から刈取PTO軸152に伝達された変速動力は、刈取クラッチ153の入り作動にて、横長の刈取回動支点軸4a(図1参照)内にある刈取入力軸154を介して、刈取装置3の各装置31〜33に伝達される。この場合、刈取装置3の各装置31〜33は、走行機体1の走行速度(車速)と同調した速度で駆動することになる。
【0026】
エンジン20からの動力のうち脱穀装置5に向かう分岐動力は、脱穀クラッチ155を介して、唐箕ファン53を回転駆動させるための唐箕ファン軸156に伝達される。唐箕ファン軸156に伝達された動力の一部は、プーリ・ベルト伝動系を介して、扱胴入力軸157に伝達され、扱胴入力軸157から、扱胴回転軸158と排藁チェン62とに伝達される。
【0027】
また、唐箕ファン軸156からは、プーリ・ベルト伝動系を介して、一番コンベヤ55と揚穀コンベヤ159、二番コンベヤ56と還元コンベヤ160と再処理胴161、揺動選別盤52の揺動軸162、排塵ファン61の排塵軸163、並びに排藁カッタ63にも動力伝達される。排塵軸163を経由した分岐動力は、フィードチェン軸164を介してフィードチェン6に伝達される。
【0028】
なお、扱胴入力軸157からの動力は、刈取装置3に一定回転力を伝達する流し込みクラッチ165を介して刈取入力軸154に伝達可能である。すなわち、ミッションケース19を経由せずに、エンジン20からの動力を刈取装置3に直接伝達することによって、車速の速い遅いに拘らず、一定の高速回転数にて刈取装置3を強制駆動させることが可能になっている。
【0029】
エンジン20から排出オーガ8に向かう動力は、グレン入力ギヤ機構166及び動力継断用のオーガクラッチ167を介して、グレンタンク7内の底コンベヤ168及び排出オーガ8における縦オーガ8a内の縦コンベヤ169に動力伝達され、次いで、受継スクリュー170を介して、排出オーガ8における横オーガ内の排出コンベヤ171に動力伝達される。
【0030】
(3).脱穀装置の詳細構造
次に、図6〜図9を参照しながら、脱穀装置5の詳細構造について説明する。前述の通り、脱穀装置5には、扱胴51と揺動選別盤52と唐箕ファン53と排塵ファン61とを備えている。脱穀装置5における揺動選別盤52の上方に、前仕切壁174と後仕切壁175とで前後を区画された扱室173が設けられている。扱胴51は前後仕切壁174,175間に位置しており、当該両仕切壁174,175に扱胴回転軸158が回転可能に軸支されている。前仕切壁174の下方に、フィードチェン6にて刈取穀稈の穂先側が搬入される供給口176が設けられている一方、後仕切壁175の下方には、フィードチェン6にて刈取穀稈(排藁)の穂先側が搬出される排藁口177が設けられている。
【0031】
扱室173内のうちフィードチェン6から遠い側(グレンタンク7側)には、扱胴51の略下半部を囲う支持枠178が取り付けられていて、当該支持枠178にクリンプ網60が張設されている。支持枠178の前後長さは、扱室173の前後長さ、すなわち前後仕切壁174,175の配置間隔より短く設定されている。実施形態の支持枠178は、前部を前仕切壁174側に寄せ、後部を後仕切壁175側から離した状態で扱室173内に配置されている。このため、支持枠178と後仕切壁175との間には、後ろ及び下向きに開口した開口スペースが形成されていて、当該開口スペースが扱室173後部の排藁口177になっている。
【0032】
この場合、フィードチェン6にて挟持搬送される刈取穀稈の穂先側は、前仕切壁174の下方に位置する供給口176から扱室173内に入り、扱胴51とクリンプ網60との間を通過して、後仕切壁175の下方に位置する排藁口177から排藁チェン62へ向けて送り出されることになる。
【0033】
クリンプ網60の下方に位置する揺動選別盤52は、脱穀装置5の外形を構成する脱穀機筐180に、揺動軸162及び前後一対のガイドレール181,182を介して、前方斜め下向きと後方斜め上向きとに往復移動可能に配置されている。エンジン20からの動力による揺動軸162の回動作用によって、揺動選別盤52は前方斜め下向き乃至後方斜め上向きに往復移動する。
【0034】
揺動選別盤52には、クリンプ網60の下方に位置するフィードパン183、フィードパン183の後方に位置するチャフシーブ184、チャフシーブ184と一番コンベヤ55との間に位置するグレンシーブ185、チャフシーブ184の後方に位置するストローラック186を備えている。チャフシーブ184の上面側のうち排藁口177の下方には、排藁板187が設けられている。排藁板187の後部側には、脱穀物を後方且つ機体中央側へ案内するための複数の篩線188が取り付けられている。
【0035】
扱胴51にて脱穀されクリンプ網60から漏れ落ちた脱穀物は、往復移動する揺動選別盤52のフィードパン183上に落下して揺動選別(比重選別)をされながら、後方のチャフシーブ184に送られる。チャフシーブ184上の脱穀物は、当該チャフシーブ184自体にて揺動選別をされると共に、唐箕ファン53から後ろ向きに流れる選別風を受ける。このような揺動選別及び風選別の相互作用により、脱穀物は穀粒と藁屑とに分離される。
【0036】
なお、実施形態のフィードパン183は、前部右側(穀粒タンク7寄りの前部)から後部左側(フィードチェン6寄りの後部)に向けて後方斜め下向きに傾斜した板状のものである。当該傾斜面によって、扱胴51にて脱穀された脱穀物はフィードパン183上をフィードチェン6に向かって転がる(拡散する)ことになる。
【0037】
チャフシーブ184及びグレンシーブ185から落下した一番物は、その中の粉塵を唐箕ファン53からの選別風にて除去しながら一番コンベヤ55の箇所に集められる。チャフシーブ184及びグレンシーブ185を通過できなかった二番物は、ストローラック186等から落下して、一番コンベヤ55の後方にある二番コンベヤ56の箇所に集められる。なお、チャフシーブ184上の比較的軽い藁屑は、排塵ファン61に吸い込まれて、その後方に形成された吸引排出口189から機外に排出される。また、チャフシーブ184上の比較的重い藁屑は、ストローラック186上を経て、揺動選別盤52の後方に形成された揺動排出口190(いわゆる三番口)から機外へ排出される。
【0038】
(4).選別風の風路構造
次に、図7を参照しながら、唐箕ファン53からチャフシーブ184に供給する選別風の風路構造について説明する。ここで、実施形態の唐箕ファン53は、図7において反時計方向に回転駆動するように構成されている。唐箕ファン53のファンケース200には、グレンシーブ185と一番コンベヤ55とに唐箕ファン53の選別風を供給する主選別風路201と、フィードパン183の後端側とチャフシーブ184の前端側との間からチャフシーブ184の上面側に唐箕ファン53の選別風を供給する第1プレ風路202と、揺動選別盤52の底側にあるグレンパン191とチャフシーブ184の前端側との間からチャフシーブ184の下面側に唐箕ファン53の選別風を供給する第2プレ風路203とが形成されている。
【0039】
主選別風路201は、唐箕ファン53からの選別風が、グレンシーブ185の前方下側から後方上側に向けて、主風向体204の上面側を経由して移動するように形成されている。また、上述の主選別風路201は、唐箕ファン53からの選別風が、一番コンベヤ231の上方で前方から後方に向けて、主風向体204の下面側を経由して移動するように形成されている。すなわち、唐箕ファン53からの選別風によって、グレンシーブ185から一番コンベヤ55に落下する穀粒及び塵が風選される。
【0040】
第1プレ風路202は、唐箕ファン53からの選別風が、チャフシーブ184の上側で前方から後方に向けて、揺動選別盤52に設けられたプレ風向体205の上面側を経由して移動するように形成されている。すなわち、扱胴51からクリンプ網60を介してフィードパン183の上面に落下した脱穀物が、フィードパン183の後端側からチャフシーブ184の前端側に落下するときに、唐箕ファン53からの選別風にて風選されることになる。
【0041】
第2プレ風路203は、唐箕ファン53からの選別風が、グレンパン191の上側で前方から後方に向けて、プレ風向体205の下面側を経由して移動するように形成されている。換言すると、チャフシーブ184の前方下側からチャフシーブ184の後方上側に向けて、唐箕ファン53からの選別風が移動するように、第2プレ風路203が形成されている。すなわち、唐箕ファン53からの選別風によって、チャフシーブ184からグレンパン191及びグレンシーブ185に落下する穀粒及び塵が風選される。
【0042】
この場合、チャフシーブ184の上面に移動した脱穀物のうち、チャフシーブ184の上面に近い脱穀物の下層側の藁屑(軽量物)が、選別風によって上層側に送られ、チャフシーブ184から落下する藁屑量が低減されることになる。また、チャフシーブ184の比重選別作用と、唐箕ファン53からの選別風の風選とにより、脱穀物の上層側の穀粒(重量物)が下層側に移動して、チャフシーブ184から早期に漏下する。チャフシーブ184の比重選別作用は、唐箕ファン53からの選別風にて助長され、その選別処理能力(選別精度)を向上させている。
【0043】
なお、主選別風路201と第1プレ風路202と第2プレ風路203とから供給された唐箕ファン53からの選別風は、上述した排塵ファン61に吸い込まれて吸引排出口189から排出されたり、揺動排出口190から排出されたりする。その結果、脱穀物中の藁屑及び粉塵等は脱穀機筐180の後部から機外へ排出されることになる。
【0044】
(5).二番還元装置及び再処理装置の詳細構造
次に、図6乃至図12を参照しながら、二番還元装置及び再処理装置59の詳細構造について説明する。還元筒58及び還元コンベヤ160とからなる二番還元装置は、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻すためのものである。二番還元装置(還元筒58)の送り終端側には、二番物を再処理する再処理装置59が設けられている。還元筒58は、若干前向きに傾斜した縦長の姿勢で、脱穀機筐180の一側壁(実施形態では右側壁180a)の外面に沿わせて支持されている。還元コンベヤ160は還元筒58内に回転可能に配置されている。二番コンベヤ56のうち脱穀機筺180の右側壁180aから外向きに突出した送り終端部に、還元コンベヤ160の送り始端側(下端側)が動力伝達可能に接続されている。
【0045】
図6〜図11に示すように、脱穀機筐180における右側壁180aの外面には、受継ケース210が配置されている。受継ケース210の上向き開口側に、還元筒58の下端側が連結されている。還元筒58と揚穀筒57とは、脱穀装置5とグレンタンク7との間において、前後平行状に並んで縦向きに延びるように配置されている。この場合、走行機体1の前進方向前側から揚穀筒57、還元筒58の順で、互いに平行に延びる姿勢で並べられている。
【0046】
二番コンベヤ56における二番軸211の右側端側と、還元コンベヤ160における還元軸212の下端側とは、軸受ベアリング(図示省略)を介して受継ケース210にそれぞれ回転可能に軸支されている。二番軸211の右側端側と還元軸212の下端側とは傘歯車機構213を介して連結されている。還元軸212の送り終端側(上端側)は、還元筒58の送り終端面(上端面)を覆う駆動ケース230のケース本体231に回転可能に軸支されている。ストローラック186から二番コンベヤ56に漏下した二番物は、二番コンベヤ56から還元コンベヤ160に受け継がれる。還元コンベヤ160に受け継がれた二番物は、還元軸212の送り終端側に設けられた掻き出し羽根214にて、還元コンベヤ160から再処理装置59の再処理胴161に受け継がれることになる。なお、実施形態の還元コンベヤ160は、図12において還元軸212回りの反時計方向に回転駆動するように構成されている。
【0047】
還元筒58の送り終端側と脱穀機筺180の右側壁180aとは、再処理装置59及び二番物放出部215を介して連通している。再処理装置59は、還元筒58の送り終端側に取り付けられ、且つ、揚穀筒57と還元筒58との間において、側面視で脱穀装置5の扱室173の領域に重なるように配置されている。再処理装置59は、その外形を構成する再処理ケース216と、当該再処理ケース216内に縦向きの軸線回りに回転可能に配置された再処理胴161とを備えている。図10及び図11に示すように、再処理胴161の回転軸である再処理軸217と、還元コンベヤ160の回転軸である還元軸212とは、平行状に延びている。なお、実施形態の再処理胴161は、駆動ケース230内のプーリ・ベルト伝動機構233を介して、図12で再処理軸217回りの反時計方向(還元コンベヤ160と同じ回転方向)に回転駆動するように構成されている。
【0048】
再処理ケース216の前部下側には、再処理ケース216から脱穀装置5内に処理済の二番物を案内するための二番物放出部215が連結されている。図9、図10及び図12に詳細に示すように、脱穀機筐180の右側壁180aには、扱胴回転軸158より下側で且つ支持枠178の後部フレーム218より前方の箇所に、側面視で扱胴51の下面に対して上下に跨って開口する連通穴219が形成されている。二番物放出部215は、右側壁180aの連通穴219を外側から覆うように、右側壁180aの外面(グレンタンク7側の側面)に連結されている。
【0049】
つまり、再処理ケース216の前部下側に連通する二番物放出部215の後部上側が処理済の二番物の取り入れ口215aになっている。そして、二番物放出部215の放出口215bは、右側壁180aのうち扱胴回転軸158より下側で且つ支持枠178の後部フレーム218より前方にある連通穴219を介して、クリンプ網60の裏面側及びフィードパン183の上面側(脱穀装置5内の前部側)に臨んでいる。従って、側面視において、二番物放出部215における放出口215bの前端側はフィードパン183上に位置している。また、側面視において、二番物放出部215における放出口215bの後端側はチャフシーブ184上に位置している。図6〜図11から明らかなように、二番物放出部215自体も、扱胴回転軸158より下側で且つ支持枠178の後部フレーム218より前方に位置することになる。
【0050】
図8〜図12に示すように、二番物放出部215の外形形状は、前方斜め下向きに広がる漏斗状に形成されていて、前方及び下方に行くに従って脱穀機筐180の右側壁180aに近付くように傾斜している。そして、二番物放出部215は、側面視で揚穀筒57の長手中途部と一部重なる(ラップする)ように配置されている。すなわち、二番物放出部215は、脱穀機筐180の右側壁180aと揚穀筒57の長手中途部との間に位置している。
【0051】
再処理胴161に受け継がれた二番物は、再処理胴161の回転駆動にて再処理(再脱穀)され、二番物放出部215を介して、クリンプ網60の裏面側及びフィードパン183の上面側(脱穀装置5内の前部側)に向けて放出される。特に実施形態では、二番物放出部215の外形形状が前方斜め下向きに広がる漏斗状に形成され、前方及び下方に行くに従って脱穀機筐180の右側壁180aに近付くように傾斜していることと、再処理胴161が図12において再処理軸217回りの反時計方向に回転駆動することとによって、処理済の二番物が、二番物放出部215における揚穀筒57寄りの傾斜内面に沿って、脱穀機筐180前部側にあるフィードパン183の上面右側から上面左側に向かうように放出される(図12参照)。これに対して、図8及び図9において時計方向に回転する扱胴51の下側で脱穀された脱穀物は、フィードパン183の上面左側から上面右側に向けて飛散する。
【0052】
つまり、扱胴51からの脱穀物の飛散方向(フィードチェン6側からグレンタンク7側に向かう方向)と、二番物放出部215からの二番物の飛散方向(グレンタンク7側からフィードチェン6側に向かう方向)とは、フィードパン183の左右中央部付近で交差することになる。従って、フィードパン183の左右中央部付近で脱穀物と二番物とを衝突させて、これらを分散させることが可能であり、フィードパン183の右側(二番物放出部215の直下付近)に脱穀物及び二番物が集中して堆積するのを防止できる。そして、フィードパン183からチャフシーブ184に揺動移動する脱穀物及び二番物をチャフシーブ184の左右幅方向に拡散(分散)でき、選別能率を向上できる。
【0053】
図10〜図12に示すように、再処理装置59を構成する再処理ケース216は、脱穀機筺180の右側壁180aに外側からのボルト等にて締結された上向き開口筒(箱)状のものである。再処理ケース216の上向き開口側は、還元コンベヤ160の回転動力を中継する駆動ケース230にて覆われている。再処理ケース216の前部下側には、右側壁180aの連通穴219を外側から覆う二番物放出部215が溶接等にて固着されている。再処理ケース216の後部上側は、還元軸212の送り終端側にある掻き出し羽根214の外周側を囲うU字カバー220の開口端側に、ボルト及びナットにて締結されている。U字カバー220の下端側には、還元軸212を貫通させた筒フランジ221が溶接等にて固着されている。筒フランジ221のうち下向きに突出するリング部が、還元筒58の送り終端側に嵌め込まれている。U字カバー220の上端側及び再処理ケース216の上端側に、駆動ケース230のケース本体231がボルト締結されている。ケース本体231のうちU字カバー220側の部位には、還元軸212の送り終端部が回転可能に軸支されている。
【0054】
図10及び図12に示すように、還元筒58の送り終端側にあるU字カバー220の開口端側と再処理ケース216の後部上側とが連通している。換言すると、U字カバー220の開口端側と再処理ケース216の後部上側とは、上部移送口222を介してつながっている。還元コンベヤ160に受け継がれた二番物は、上部移送口222を経由して、側面視で逆Uターン状に再処理ケース216内に移送される。図12に示すように、上部移送口222の周壁216a,220a、すなわち、再処理ケース216及びU字カバー220においてグレンタンク7側で相対向する周壁216a,220a(二番物の流れ方向に沿う部分)は、再処理ケース216及びU字カバー220の内周にまたがる共通接線TLに沿って同一平面をなすように、平面視で直線状に突き合わされている。かかる構成と、再処理胴161が図12において反時計方向に回転駆動することとの組合せによって、還元コンベヤ58に受け継がれた二番物は、掻き出し羽根214による搬送力を余り低減させることなく、上部移送口222の周壁216a,220aに沿って、再処理ケース216側にスムーズに移送されることになる。
【0055】
図9、図10及び図12に示すように、再処理ケース216における脱穀装置5寄りの内面には、再処理胴161の回転方向上流側から下流側に行くに連れて斜め下向きに傾斜した案内プレート241が溶接等にて固定されている。また、上部移送口222のうち脱穀装置5寄りの部位(実施形態ではU字カバー220における脱穀装置5寄りの内面)には、当該部位を塞ぐ遮蔽板242が設けられている(図12参照)。再処理ケース216の上側に送り込まれた二番物は、再処理胴161の周囲を図12の反時計方向に回り込みながら落下していくが、再処理ケース216における脱穀装置5寄りの内面側に回り込んだ二番物は、上部移送口222まで戻らずに、案内プレート241の下面側に当たって再処理ケース216の下側に案内される。その上、仮に二番物が案内プレート241の箇所を通過したとしても、上部移送口222における遮蔽板242の存在が二番物の還元筒58(U字カバー222)側への戻りを遮断する。従って、案内プレート241及び遮蔽板242の存在が相互補完的に機能し合って、一旦還元筒58(U字カバー222)から再処理ケース216側に放出された二番物を還元筒58側に戻すことなく、再処理ケース216の上側から下側にスムーズ且つ的確に落下案内できることになる。
【0056】
図6〜図12に示すように、二番物を再処理(再脱穀)するための再処理胴161は還元軸212と平行状に延びる縦向きの再処理軸217を備えている。再処理軸217の下端側は、再処理ケース216の底板に回転可能に軸支されている。再処理軸217の上端側は、駆動ケース230のケース本体231のうち再処理ケース216側の部位に回転可能に軸支されている。再処理軸217の少なくとも上部には、二番物(藁屑等)が再処理軸217に巻き付くのを防止するためのスクレーパ板224を備えている。実施形態のスクレーパ板224は、再処理ケース216の上部内面から下部内面にわたって延びていて、再処理軸217に一体回転するように被嵌されている。図12から明らかなように、スクレーパ板224の半径方向の長さR(再処理軸217の中心からスクレーパ板224の半径外側の側端部までの長さ)は、再処理ケース216の平面視での半径の半分程度に設定されている。
【0057】
上記の構成により、上部移送口222を介して再処理ケース216側に二番物を送り込む際は、上部移送口222の周壁216a,220aと、スクレーパ板224の半径外側の側端部との間の隙間に向けて、二番物が案内・投入されることになり、スクレーパ板224の回転が二番物の受け継ぎの妨げになるのを確実に回避できる。従って、再処理ケース216内に二番物を極めてスムーズに受け継ぎできる。その上、スクレーパ板224の存在と二番物の案内・投入方向との関係から、再処理胴161上部(再処理軸217上部)への藁屑の巻き付きや脱ぷも抑制できることになる。
【0058】
再処理軸217上のスクレーパ板224には、1条のらせん状に形成された送り込みオーガ体243と、還元コンベヤ160から受け継がれた二番物を撹拌する複数本の二番処理歯225と、二番物放出部215の取り入れ口215aに連通する再処理ケース216の下部移送口223から二番物を放出・飛散させるための複数枚(実施形態では2枚)の放出羽根226とを備えている。スクレーパ板224のうち上部移送口222に対峙する位置に、送り込みオーガ体243が設けられている。スクレーパ板224のうち上部移送口222より低い位置に、複数枚の二番処理歯225が放射状に配置されている。再処理ケース216の内面側には、隣接する2枚の二番処理歯225の間を通過するように受け歯227が取り付けられている。すなわち、再処理ケース216内には、再処理胴161として、スクレーパ板224と、1条の送り込みオーガ体243と、複数本の二番処理歯225と、複数本の受歯227と、2枚の放出羽根226とが収容されている。なお、1枚分の二番処理歯225は平面視十字状の形態に配置されているが、実施形態では、十字形状の二番処理歯225を半割にして、再処理軸217の長手方向に並べる前記半割4つ分を、ロストワックス法による鋳造にて一体的に形成している。そして、前記半割4つ分を、平面視で再処理軸217を挟んだ両側にそれぞれ取り付けている。二番処理歯225の製作に当たり、機械加工を最小限に抑えて低コスト化を図っている。
【0059】
図9〜図11に示す実施形態では、二番処理歯225及び受け歯227の群を、再処理ケース216内における両移送口222,223の間に位置させている。2枚の放出羽根226を、再処理ケース216の下部移送口223に臨ませている。また、上部移送口222の上下長さLuと、下部移送口223の上下長さLdと、両移送口222,223の間の上下長さLcとは、ほぼ等しい寸法に設定されている(Lu≒Ld≒Lc)。更に、各受け歯227は、再処理ケース216の外面側にまで突出するように再処理ケース216に一体的に設けられていて、再処理ケース216の強度メンバーを構成している。
【0060】
還元コンベヤ160の掻き出し羽根214にて、上部移送口222を経て再処理ケース216内に移送された二番物は、再処理ケース216の上側から下側に落下しながら、二番処理歯97と受歯100とによって再処理(刺さり粒の脱粒又は藁屑の揉み解し等)される。再処理ケース216の下側に送られた処理済の二番物は、放出羽根98にて、下部移送口223から二番物放出部215の傾斜内面に向けて放出される。
【0061】
図8〜図11に示すように、還元筒58(U字カバー220)の上端側と再処理ケース216の上向き開口側とには、駆動ケース230が取り付けられている。駆動ケース230は、板状のケース本体231と、これを着脱可能に覆うケース蓋232とにより構成されている。ケース本体231上には、還元コンベヤ160の回転動力を再処理胴161に伝達するためのプーリ・ベルト伝動機構233が配置されている。
【0062】
実施形態では、ケース本体231に軸支された還元軸212の送り終端側の突端部に駆動プーリ234が固着されている。同様に、ケース本体231に軸支された再処理軸217の送り始端側の突端部には、従動プーリ235が固着されている。これら両平ギヤ234,235には無端ベルト236が巻き掛けられている。無端ベルト236はテンションローラ237にて張力を調節するように構成されている。プーリ・ベルト伝動機構233の作用により、再処理胴161は、還元コンベヤ160の回転動力を利用して、図12において再処理軸217回りの反時計方向(還元コンベヤ160と同じ回転方向)に回転駆動する。ケース蓋232は、プーリ・ベルト伝動機構233を上方から覆った状態でケース本体231にボルト締結されている。ボルトを緩めてケース蓋232を取り外せば、ケース本体231上には、プーリ・ベルト伝動機構233が露出することになる。なお、還元コンベヤ160から再処理胴161への動力伝達機構は、前述のプーリ・ベルト伝動機構233に限らず、スプロケット・チェン式のものや、ギヤ式のものであってもよい。
【0063】
上記の構成により、刈取装置3にて圃場の未刈り穀稈が刈り取られ、刈取装置3から供給された刈取り穀稈が脱穀装置5にて脱穀された場合、脱穀装置5から落下した脱穀物が、揺動選別盤52にて選別される。揺動選別盤52にて選別された一番物としての精粒は一番コンベヤ55にてグレンタンク7に収集される。また、揺動選別盤52にて選別された二番物としての穀粒及び藁屑の混合物が二番コンベヤ56に落下した場合、当該二番物は、二番コンベヤ56から還元コンベヤ160に受け継がれ、還元コンベヤ160から再処理ケース216内に搬送される。
【0064】
掻き出し羽根214にて還元コンベヤ160の送り終端側(上端側)から再処理ケース216の内部に取り込まれた二番物は、二番処理歯225及び受け歯227にて再処理(刺さり粒の脱粒及び藁屑の分離等の処理)された後、放出羽根226にて二番物放出部215からフィードパン183の上面に排出され、揺動選別盤52にて再び選別される。従って、二番物中に残っていた穀粒は、一番コンベヤ55に落下してからグレンタンク7に搬入される。また、二番物中の藁屑は、チャフシーブ184の上面を経て、排塵ファン61の吸引排出口189又は揺動排出口190から機外に排出される。
【0065】
また、二番コンベヤ56と還元コンベヤ160と再処理胴161とは常に連動して回動するが、それぞれの回転数は異なっている。実施形態では、二番コンベヤ56より還元コンベヤ160が高速で回転し、還元コンベヤ160より再処理胴161が高速で回転するように設定されている。すなわち、二番コンベヤ56の単位時間当たりの搬送量より還元コンベヤ160の単位時間当たりの搬送量を多くし、還元コンベヤ160の単位時間当たりの搬送量よりも再処理胴161の単位時間当たりの搬送量を多くすることによって、還元コンベヤ160や再処理胴161での搬送途中で二番物が詰るのを防止している。
【0066】
(6).揺動選別盤の駆動構造
次に、図13(a)(b)を参照しながら、揺動選別盤52の駆動構造について説明する。図13(a)に示すように、揺動選別盤52の後部下面側には、左右一対の支持ボス体251が下向きに突出した姿勢でボルト締結されている。各支持ボス体251のボス部に差し込み固定された横向きのローラ軸252の一端側(左右外側)に、案内ローラ253が回転可能に設けられている。左右各案内ローラ253は、これに対応する後ガイドレール182に転動可能に支持されている。各ローラ軸252の他端側(左右内側)は、軸受部材(図示省略)を介して、揺動リンク254の前後方向の一端側に回転可能に支持されている。揺動リンク254の前後方向の他端側には、軸受部材255を介して、揺動軸162の長手中途部(後述する往復軸部162y)が回転可能に支持されている。
【0067】
揺動軸162は、自身の回転運動を揺動選別盤52の往復運動に変換するためのものであり、脱穀機筐180の左右側壁180a,180bに装架されている(両持ち梁状に支持されている)。実施形態の揺動軸162は、脱穀機筐180の左側壁180bに支持される第1回転軸部162xと、脱穀機筐180の右側壁180aに支持される第2回転軸部162zと、両回転軸部をつなぐ往復軸部162yにて構成されている。図13に示すように、両回転軸部162x,162zの軸心(回転中心)は同一軸線上に位置させている。往復軸部162yの軸心は、両回転軸部162x,162zの軸心(回転中心)に対して偏心した状態で略平行状に延出させている。なお、第1回転軸部162xにおいて脱穀機筐180から外向きに突出した突端側(後述する支軸部分162x1)には、伝動ベルト257を介して唐箕ファン軸156からの回転動力を受け取る駆動入力プーリ256が固着されている。
【0068】
各回転軸部162x(162z)は、回転中心となる支軸部分162x1(162z1)と、これに一体的に連設されたボス部分162x2(162z2)とにより構成されている。各ボス部分162x2(162z2)には、往復軸部162yの左右先端側が挿入されている。第1回転軸部162xのボス部分162x2と往復軸部162yの先端側とは、キー258及びピン259にて着脱可能に連結されている。第2回転軸部162zのボス部分162z2には、当該ボス部分のボス穴に連通するスリット260(切り欠き溝)が形成されている。第2回転軸部162zと往復軸部162yとは、ボス部分162z2に往復軸部162yの先端側を挿入した状態で、スリット260を利用した溶接にて抜け不能に連結されている(図13(a)(b)では溶接部をwにて示す)。従って、実施形態の揺動軸162は、第1回転軸部162xと、往復軸部162y及び第2回転軸部162zの組とで、2つの部材に分離可能な構成になっていて、揺動軸162の分離容易性に配慮がなされている。この場合、例えば揺動軸162を軸支する軸受部材255の交換等のメンテナンス作業がし易いというメリットがある。
【0069】
唐箕ファン軸156から駆動入力プーリ256を経由した回転動力にて、両回転軸部162x,162zが同軸上で回転すると、往復軸部162yが両回転軸部162x,162zの軸心回りに円運動する。往復軸部162yの円運動は、両揺動リンク254を介して、両支持ボス体251の後ガイドレール182に沿った往復運動に変換される。その結果、揺動選別盤52が前方斜め下向き乃至後方斜め上向きに往復移動(揺動運動)することになる。
【0070】
(7).まとめ
上記の記載並びに図6及び図10〜図12から明らかなように、脱穀選別後の一番物をグレンタンク7に搬送する揚穀装置57,159と、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻す二番還元装置58,160とを備えており、前記二番還元装置58,160の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置59を有しているコンバインであって、前記脱穀装置5と前記グレンタンク7との間で、前記揚穀装置57,159と前記二番還元装置58,160とを、前記揚穀装置57,159、前記二番還元装置58,160の順に前後に並べて縦向きに延出させており、前記揚穀装置57,159と前記二番還元装置58,160との間に、側面視で前記脱穀装置5の扱室173の領域に重なるように前記再処理装置59を位置させているから、前記揚穀装置57,159、前記二番還元装置58,160及び前記再処理装置59の左右幅方向の占有スペースを小さくでき、前記脱穀装置5と前記グレンタンク7との間で、前記揚穀装置57,159、前記二番還元装置58,160及び前記再処理装置59をコンパクトに配置できる。このため、コンバインの左右幅方向を拡大せずに、前記脱穀装置5や前記グレンタンク7の左右幅方向の占有スペースを拡大できることになり、コンバインを大型化することなく、脱穀能力や穀粒貯留能力の向上を図れるという効果を奏する。
【0071】
また、前述の通り、前記揚穀装置57,159と前記二番還元装置58,160との間に、側面視で前記脱穀装置5の扱室173の領域に重なるように前記再処理装置59を位置させているから、再処理(再脱穀)された二番物を、無造作に飛散させることなくスムーズに、前記脱穀装置5の扱室173内に戻せることになる。従って、処理済の二番物が前記脱穀装置5内で選別されながら移動する距離を十分に確保することが可能になり、コンバインにおける選別処理能力の向上に寄与できるという効果を奏する。
【0072】
上記の記載並びに図6、図10及び図11から明らかなように、前記二番還元装置58,160内にある還元コンベヤ160の回転軸212と、前記再処理装置59内にある再処理胴161の回転軸217とが平行状に延びているから、前記再処理胴161の回転軸217方向の長さを、前記還元コンベヤ160に沿わせて長くすることが可能になる。従って、再処理(再脱穀)のために二番物が前記再処理装置59内を移動する距離を十分に確保でき、前記再処理胴161による二番物の再処理機能の向上を図れるという効果を奏する。
【0073】
上記の記載並びに図10及び図12から明らかなように、前記再処理装置59の下部は二番物放出部215を介して前記脱穀装置5に連通しており、前記脱穀装置5の一側壁にあるクリンプ網60支持用の支持フレーム218より前方に、前記二番物放出部215の放出口215bを開口させているから、前記二番物放出部215の前記放出口215bから前記脱穀装置5内の前部側(揺動選別盤52の前部側)に向けて、処理済の二番物を、無造作に飛散させることなくスムーズに案内・放出できる。このため、処理済の二番物が例えば前記二番物放出部215の近傍等に局所的に堆積するおそれを抑制でき、コンバインにおける選別処理能力の更なる向上に貢献するという効果を奏する。
【0074】
上記の記載並びに図6〜図11から明らかなように、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻す二番還元装置58,160の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置59を有しているコンバインであって、前記再処理装置59の下部は、前記脱穀装置5内にある扱胴51の回転軸158より下側に位置する二番物放出部215を介して前記脱穀装置5に連通しており、前記二番物放出部215の後部上側に前記再処理装置59の下部が連結されているから、再処理(再脱穀)された二番物を、前記扱胴51やクリンプ網60等に衝突し難いようにして、前記扱胴51の前記回転軸158より低い位置から、前記脱穀装置5内に送り込めることになる。前記扱胴51等との衝突による処理済の二番物の脱ぷや砕粒化を抑制できるという効果を奏する。
【0075】
上記の記載並びに図10〜図12から明らかなように、脱穀選別後の一番物をグレンタンク7に搬送する揚穀装置57,159が縦向きに延びる姿勢で前記二番還元装置58,160の前方に配置されており、前記二番物放出部215の外形形状は、前方斜め下向きに広がる漏斗状に形成されていて、前方及び下方に行くに従って脱穀装置5の一側壁180aに近付くように傾斜しており、前記二番物放出部215は、側面視で前記揚穀装置57,159の長手中途部と一部重なるように配置されているから、前方に行くほど左右幅が狭く形成される二番物放出部215は、脱穀装置5と揚穀装置57,159との間の隙間スペースを利用して前方に延出されることになる。このため、処理済の二番物を前記脱穀装置5内に広く分散させて放出できるという効果を奏する。また、前記二番物放出部215が下方に行くほど前記脱穀装置5に近付くように傾斜しているため、前記再処理装置59の下部から前記二番物放出部215を介してスムーズに処理済の二番物を落下案内できるという利点もある。
【0076】
上記の記載並びに図6、図7及び図10〜図12から明らかなように、側面視で前記二番物放出部215における放出口215bの前端側は前記脱穀装置5のフィードパン183上に位置している一方、前記放出口215bの後端側は前記脱穀装置5のチャフシーブ184上に位置しているから、前記二番物放出部215の前記放出口215bが前記脱穀装置5の一側壁180aにおいて広く開口することになると共に、前記二番物放出部215の前記放出口215bから前記フィードパン183に向けて、処理済の二番物を効率よく案内・放出できることになる。従って、処理済の二番物が前記脱穀装置5内で選別されながら移動する距離を十分に確保でき、コンバインの選別処理能力を向上できるという効果を奏する。
【0077】
上記の記載並びに図9〜図11から明らかなように、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻す二番還元装置58,160の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置59を有しているコンバインであって、前記再処理装置59には、前記二番還元装置58,160に連通する上部移送口222と前記脱穀装置5に連通する下部移送口223とが形成されており、前記再処理装置59の内面側のうち前記上部移送口222と前記下部移送口223との間には、複数の受け歯227を備える一方、前記再処理装置59内に設けられた再処理胴161には、前記各受け歯227の間に位置する処理歯225を備えており、前記再処理装置内59では、前記二番物が前記上部移送口222から前記下部移送口223に向けて移動するように構成されているから、前記二番還元装置58,160から受け継がれた二番物は、前記再処理装置59内を自重にて落下し得ることになる。このため、前記各処理歯225及び前記各受け歯227には、刺さり粒の脱粒や藁塊の揉み解しといった機能を備えるだけでよくて二番物の搬送機能が不要になる。従って、再処理(再脱穀)能力を低下させることなく、前記各処理歯225及び前記各受け歯227を簡素な構造にできるという効果を奏する。
【0078】
上記の記載並びに図10から明らかなように、前記上部移送口222の上下長さLuと、前記下部移送口223の上下長さLdと、前記両移送口222,223の間の上下長さLcとがほぼ等しい寸法に設定されているから(Lu≒Ld≒Lc)、前記再処理装置59がほぼ三等分されることになり、前記再処理装置59において再処理(再脱穀)能力を維持しつつも、前記各処理歯225及び前記各受け歯227が二番物を前記再処理装置59内に長期に滞留させるおそれを少なくできる。従って、前記再処理装置59内の詰りを抑制して、処理済の二番物をスムーズに前記脱穀装置5側に戻せるという効果を奏する。
【0079】
上記の記載並びに図8〜図11から明らかなように、前記各受け歯227は前記再処理装置59の外面側にまで突出していて、前記再処理装置59の強度メンバーを構成しているから、前記各受け歯227自体が前記再処理装置59に対する補強部材の役割も果たすことになる。このため、前記再処理装置59(再処理ケース216)の剛性を向上できるという効果を奏する。
【0080】
上記の記載並びに図10〜図12から明らかなように、脱穀選別後の二番物を脱穀装置5に戻す二番還元装置58,160の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置59を有しているコンバインであって、前記二番還元装置58,160内にある還元コンベヤ160の回転軸212と、前記再処理装置59内にある再処理胴161の回転軸217とは平行状に延びており、前記二番還元装置58,160と前記再処理装置59とをつなぐ上部移送口222の周壁のうち、前記二番還元装置58,160から前記再処理装置59への二番物の流れ方向に沿う部分216a,220aが、前記二番還元装置58,160及び前記再処理装置59の内周にまたがる共通接線TLに沿った形状になっているから、前記還元コンベヤ160に受け継がれた二番物は、前記還元コンベヤ160の送り終端側による搬送力を余り低減させることなく、前記上部移送口222の周壁の一部分216a,220aに沿い且つ前記再処理胴161の半径外側に向けて、前記再処理装置59側に移送されることになる。従って、前記二番還元装置58,160から前記再処理装置59への二番物の受け継ぎをスムーズにでき、当該受け継ぎ時の滞留を防止して、前記二番還元装置58,160と前記再処理装置59との間での詰りを抑制できるという効果を奏する。
【0081】
上記の記載並びに図10〜図12から明らかなように、前記再処理胴161における前記回転軸212の少なくとも上部には、前記回転軸212への二番物の巻き付きを防止するためのスクレーパ板224を備えており、前記上部移送口222の前記周壁のうち前記共通接線に沿った部分216a,220aと、前記スクレーパ板224の半径外側の側端部との間の隙間に向けて、前記二番物を投入するように構成されているから、前記上部移送口222を介して前記再処理装置59側に二番物を送り込むに際して、前記スクレーパ板224の回転が二番物の受け継ぎの妨げになるのを確実に回避できる。従って、前記再処理装置59内に二番物を極めてスムーズに送り込みできるという効果を奏する。その上、前記スクレーパ板224の存在と二番物の案内・投入方向との関係から、前記再処理胴161上部への藁屑の巻き付きや脱ぷも抑制できるという利点もある。
【0082】
上記の記載並びに図9〜図11から明らかなように、前記スクレーパ板224は前記再処理装置59の上部内面から下部内面にわたって延びており、前記スクレーパ板224のうち前記上部移送口222より低い位置に複数の処理歯225が取り付けられているから、前記スクレーパ板224の存在にて、前記再処理胴161全体への藁屑の巻き付きや脱ぷを抑制しながら、前記各処理歯225を安定的に支持できるという効果を奏する。
【0083】
(8).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、本願発明は、前述のような自脱型コンバインに限らず、普通型コンバインにも適用できる。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 走行機体
5 脱穀装置
51 扱胴
52 揺動選別盤
53 唐箕ファン
55 一番コンベヤ
56 二番コンベヤ
57 揚穀筒
58 還元筒
59 再処理装置
60 クリンプ網
158 扱胴回転軸
159 揚穀コンベヤ
160 還元コンベヤ
161 再処理胴
173 扱室
180 脱穀機筐
180a 右側壁
183 フィードパン
184 チャフシーブ
212 還元軸
215 二番物放出部
215b 放出口
216 再処理ケース
216a,220a 周壁
218 後部フレーム
222 上部移送口
223 下部移送口
224 スクレーパ板
225 二番処理歯
227 受け歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀選別後の二番物を脱穀装置に戻す二番還元装置の送り終端側に前記二番物を再処理するための再処理装置を有しているコンバインであって、
前記再処理装置には、前記二番還元装置に連通する上部移送口と前記脱穀装置に連通する下部移送口とが形成されており、前記再処理装置の内面側のうち前記上部移送口と前記下部移送口との間には、複数の受け歯を備える一方、前記再処理装置内に設けられた再処理胴には、前記各受け歯の間に位置する処理歯を備えており、
前記再処理装置内では、前記二番物が前記上部移送口から前記下部移送口に向けて移動するように構成されている、
コンバイン。
【請求項2】
前記上部移送口の上下長さと、前記下部移送口の上下長さと、前記両移送口の間の上下長さとがほぼ等しい寸法に設定されている、
請求項1に記載したコンバイン。
【請求項3】
前記各受け歯は前記再処理装置の外面側にまで突出していて、前記再処理装置の強度メンバーを構成している、
請求項1又は2に記載したコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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