説明

コンパクトな被覆システム及び方法

コンパクトな被覆システムは、UV阻害被覆組成物、ベースコート組成物、クリアコート組成物及びモノコートトップコート組成物を含むコンパクトな被覆システムを含み、(a)UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物、及びモノコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダー質量に対して、第一のバインダー樹脂の約0.1〜約70%を含み、かつ(b)モノコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダー質量に対して、第二のバインダー樹脂の約0.1〜約50%を含む。自動車の車体を被覆する方法は、UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物を第一の車体又は部品に塗装場で適用すること、及びUV阻害被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物を第二の車体又は部品に塗装場で適用することを含み、その際モノコートのトップコート被覆組成物は、噴霧ブースで適用され、そこで少なくともクリアコート被覆組成物も適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、装飾被覆及び保護被覆を適用することによる被覆方法に関する。本発明は、特に、工業被覆及び自動車被覆を適用するためのかかる方法に関する。
【0002】
背景技術
この節における説明は、単に、この開示に関連した背景の情報を提供するにすぎず、かつ先行技術を構成するものではない。
【0003】
典型的な被覆方法において、自動車に適用される被覆の多くの層がある。それぞれの被覆層は、ある特性を被覆システムに付与するために設計される。基材は、最初に電着(ED)塗装で被覆される。ED塗装は、腐食制御のために使用される。プライマー/サーフェーサー被覆層は、通常、少なくとも部分的に、ED層に達した太陽光中の紫外(UV)線を阻害するためにED塗装層上に適用される。プライマー層の上に、1つ以上のベースコート層が適用される。ベースコートは、所望の色を基材に提供する。ベースコート層の上に、1つ以上のクリアコート層が適用される。クリアコートは、ベースコートに対する、耐引掻性、表面損傷抵抗、環境保護、光沢、及び画像の明瞭さ(DOI)を提供する。
【0004】
Menovcik et al.の米国特許文献2006/0121205 Aは、UV阻害組成物を組み込むことによってED層を介するUV光透過を阻害する、最初に薄い(0.6mil、15.2ミクロンまで)ベースコート層で置き換えられた、プライマー/サーフェーサー層が除去されている自動車の被覆方法を記載している。UV阻害組成物は、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン及びアルミニウム顔料から選択される2つの顔料を含む。
【0005】
発明の要約
コンパクトな被覆システムは、UV阻害被覆組成物、ベースコート組成物、クリアコート組成物、及びモノコートのトップコート組成物を含む。UV阻害被覆組成物は、電着プライマー又は他のプライマー層とトップコート層との間の層において適用されるために適応される。ベースコート及びクリアコート被覆組成物は、ベースコート被覆組成物の層からの色及び光沢並びにクリアコート被覆組成物の層からの保護を有する複合材トップコートを共に形成するために適用される。モノコート被覆組成物は、色及び光沢及び保護の特徴を提供する1層のトップコートとして適用される。コンパクトな被覆システム層は、該システムの被覆組成物中での相互関係のためにより少ないブース及びより少ない適用で適用されうる。それぞれのUV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物は、総バインダー質量に対して約0.1〜約70質量%の第一のバインダー樹脂を含み、かつそれぞれのモノコートのトップコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物は、総バインダーに対して、約0.1〜約50質量%の第二のバインダー樹脂を含む。"バインダー"は、被覆組成物の膜形成成分を言う。"バインダー樹脂"は、被覆の硬化中にバインダーの架橋剤と反応する架橋可能な基を有する膜形成樹脂を言う。共用の樹脂は、同様の噴霧ブースにおけるコンパクトな被覆システムの多数の被覆組成物の噴霧適用に必須の相容性、並びに優れたウェット−オン−ウェットの中間層の適用特性及びコンパクトな被覆システムの被覆組成物から形成された硬化被覆層間の付着を提供する。
【0006】
コンパクトな被覆システムの種々の実施態様において、第一のバインダー樹脂は、総バインダー質量に対して、約1〜約60質量%であってよく、かつ/又は第二のバインダー樹脂は、総バインダー質量の約10〜約50質量%であってよい。
【0007】
コンパクトな被覆システムのそれぞれの実施態様において、第一のバインダー樹脂と第二のバインダー樹脂とのあらゆる記載された量での組合せにおいて、第一のバインダー樹脂と第二のバインダー樹脂のどちらか又は双方は、アクリルポリマーであってよく、あらゆるこれらの種々の実施態様において、第一のバインダー樹脂がアクリルポリマーである場合に、
【化1】

[式中、それぞれのnは、独立して1、2、3、4又は5である]の基を有してよく、第二のバインダー樹脂がアクリルポリマーである場合に、カルバメート基を有してよい。
【0008】
コンパクトな被覆システムは、車両又は車両部品の外装仕上げとしてOEM自動車両製造プラントの塗装場において適用される。従来は、塗装場の範囲は、(電着範囲に続いて)噴霧適用されたプライマー表面被覆のためのプライマーブース、適用されたプライマー表面被覆を硬化するための炉、乾燥トンネルに続くベースコート噴霧域、並びにクリアコート噴霧域及び適用されたベースコート及びクリアコート層を硬化するための炉を要求し、広範囲にわたっていた。モノコートのトップコートは、さらに他の噴霧ブース中で適用される必要がある。コンパクトな被覆システムは、車両を被覆層で仕上げするための減らした範囲を可能にし、代わりにベースコート/クリアコート構成材料トップコート又はモノコートのトップコートを含んでよいコンパクトな被覆システムは、予想外に、プライマー研磨デックの除去も可能にする。
【0009】
塗装場においてコンパクトな被覆システムの被覆組成物を適用する方法において、最初に車両は、UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物で被覆され、そして第二に車両は、UV被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物で被覆される。種々の被覆組成物は、不相容性によってへこみ又は他の欠陥なしに同様の噴霧ブースにおいて適用されてよく、又はUV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物、及びモノコート組成物の全てもしくはいずれか2つが、第二の噴霧ブースにおいて適用されてよい。コンパクトな被覆システムは、その被覆組成物から形成された膜間の優れた被膜間密着を提供し、かつ従って、インライン修復のためのより良好な可撓性を可能にする。コンパクトな被覆システムを使用するインライン修復のために、ベースコート被覆組成物の層が、直接あらゆる他のベースコート層、モノコート層又はクリアコート層上に適用されてよく、かつクリアコート被覆組成物の層は、モノコート層又はクリアコート層上に適用されてよい。
【0010】
コンパクトな被覆システムで自動車体を被覆する方法は、ベースコート/クリアコート複合材被覆を第一の車体に塗装場で適用すること、及びモノコートのトップコート被覆を第二の車体に同様の塗装場で適用することを含む。クリアコートとモノコートのトップコート被覆組成物との双方は、同様の噴霧ブースで適用される。種々の実施態様において、前記方法は、最初に第一の車両に電着(ED)被覆層を適用し、ED層上に少なくとも1つの最初に着色された、約30ミクロンまでの膜形成を有し、かつ電着塗装層を通過する約0.5%以下の紫外線を可能にするUV阻害被覆組成物を適用してUV阻害層を形成し、UV阻害層上に少なくとも1つのベースコート被覆組成物を適用してUV阻害層上にベースコート層を形成し、かつ少なくとも1つのクリアコート被覆組成物をベースコート上に適用してベースコート層上にクリアコート層を形成し;そして第二の車体に電着(ED)被覆層を適用し、そしてED層上に少なくとも1つの最初に着色された約30ミクロンまでの膜形成を有し、かつ電着塗装層を通過する約0.5%以下の紫外線を可能にするUV阻害被覆組成物を適用してUV阻害層を形成し、1つの着色されたモノコート被覆組成物を最初に着色されたUV阻害層上でモノコート層を形成するために適用することによって、多層被覆システムを2つの自動車体に適用する。種々の実施態様において、電着塗装組成物は、ライトグレー、白、黒又は他の色であってよく、それぞれの種々の実施態様において、電着塗装組成物は、エポキシ樹脂及びアクリルポリマーから選択される電着可能な樹脂を含んでよい。第一の方法の種々の実施態様において、最初の着色された層及びベースコート層は、塗装ラインの第一の噴霧ブース中で適用され、かつモノコート層は、塗装場の第二の噴霧ブース中で適用される。ベースコート被覆組成物は、ベースコートバインダー樹脂及びベースコート架橋剤を含み、UV阻害被覆組成物は、ベースコートバインダー樹脂、ベースコート架橋剤、及び1つ以上のUV阻害顔料を含有する。
【0011】
自動車体を被覆する方法は、1つ、2つ又は3つの分かれた噴霧ブースを使用してよい。第一の方法において、4つの噴霧適用領域を有する1つの噴霧ブースを使用する。4つの領域は、連続して、UV阻害被覆組成物を適用するための第一領域、ベースコート被覆組成物を適用するための第二領域、モノコートのトップコート被覆組成物を適用するための第三領域、及びクリアコート被覆組成物を適用するための第四領域である。車両は、UV阻害被覆組成物及びモノコート被覆組成物の層を適用するために第一及び第三の領域を使用することによって被覆されてよく、又はUV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物を適用するために第一、第二及び第四の領域を使用することによって被覆されてよい。
【0012】
第二の方法において、それぞれ2つの噴霧適用領域を有する2つの噴霧ブースを、直列で使用する。第二の方法において、第一の噴霧ブースは、連続して、UV阻害被覆組成物のための、及びベースコート被覆組成物のための適応領域を有する。第二の噴霧ブースは、クリアコート被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物のための噴霧適用領域を有し、これらの領域のどちらかが、最初に噴霧ブース中で順序正しくあってよい。この方法において、第一の車両は、車両に、UV阻害被覆組成物の層を第一の噴霧ブース中で、モノコートのトップコート被覆組成物の層を第二の噴霧ブース中で適用することによって被覆され、第二の車両は、車両に、UV阻害被覆組成物の層及びベースコート被覆組成物の層を第一の噴霧ブース中で、並びにクリアコート被覆組成物の層を第二の噴霧ブース中で適用することによって被覆される。
【0013】
第三の方法において、3つの噴霧ブース、1つの噴霧領域を有する第一のブース、及び2つの噴霧領域をそれぞれ有する互いに並行して2つの連続するブースを使用する。UV阻害被覆組成物は、第一の噴霧ブースの噴霧領域で適用される。第二の噴霧ブースは、一方はモノコート被覆組成物を適用し、一方はベースコート被覆組成物を適用する、2つの噴霧領域を有する。それぞれの噴霧領域は最初であってよい。第三の噴霧ブースは、一方はモノコート被覆組成物を適用し、一方はクリアコート被覆組成物を適用する、2つの噴霧領域を有する。それぞれの噴霧領域は最初であってよい。第一の車両は、第一の噴霧ブース中でUV阻害被覆組成物の層で、及び第二又は第三の噴霧ブースのどちらか1つの中でモノコートのトップコート被覆組成物の層で被覆され、第二の車両は、車両に、第一の噴霧ブース中でUV阻害被覆組成物の層を、第二の噴霧ブース中でベースコート被覆組成物の層を、及び第三の噴霧ブース中でクリアコート被覆組成物の層を適用することによって被覆される。ベースコート被覆組成物の層で被覆された車両が、第二の噴霧ブースから第三のブースに送られてクリアコート被覆組成物の層を受ける場合に、第一のブースを出たあらゆる車両は、第二のブースに入って、ベースコートの層又はモノコート被覆組成物の層のいずれかを受ける。
【0014】
インライン修復の方法がさらにコンパクトな被覆システムともに提供される。インライン(又は"高焼付け")の方法において、部分的に被覆された車体は、噴霧ブースの前に塗装場のラインに置かれる。修復塗装は、(a)モノコートのトップコート被覆組成物の層のみ、又は(b)UV阻害被覆組成物の層及びモノコートのトップコート組成物の層の双方、又は(c)ベースコート組成物の層及びクリアコート組成物の層、又は(d)UV阻害被覆組成物の層、ベースコート組成物の層及びクリアコート組成物の層であってよい。
【0015】
"単数形"、"定冠詞"、"少なくとも1つ"及び"1つ以上"は、少なくとも1つの項目が存在することを示すために区別なく使用され、複数のかかる項目が存在してもよい。実施例において詳細な説明の終わりで提供する他に、特許請求の範囲を含む本明細書における(例えば量又は状態の)パラメータの全ての数値は、"約"が実際に数値の前にあるかどうか、"約"の用語によって全ての場合において改質されると理解されるべきである。"約"は、挙げられた数値を、いくらかわずかに不明確(値における正確度に対するいくつかのアプローチで;値にほぼ又は適度に近い;ほとんど)にすることを示す。"約"によって提供された不明確さが、この通常の意味で当業者に理解されない場合には、その時本明細書において使用されているような"約"は、少なくとも、かかるパラメータの測定及び使用の通常の方法から生じてよい変動値を示す。さらに、範囲の開示は、全ての値の開示を含み、かつさらに、全体の範囲内で範囲を分ける。
【0016】
適用範囲のさらなる範囲は、本明細書において提供された記載から明らかになる。明細書及び特定の実施例は、説明の目的のみを意図し、かつ開示内容の範囲を制限することを意図しないことを理解するべきである。
【0017】
開示された方法は、以下の詳細な説明及び附属の図面から、より完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の方法を実施するための塗装場の構成を説明する図。
【図2】図1の塗装場の構成を、車両の被覆においてどのように使用するかを説明する方法の流れ図。
【図3】本発明の方法を実施するための他の塗装場の形態を説明する図。
【図4】図3の塗装場の構成を、車両の被覆においてどのように使用するかを説明する方法の流れ図。
【図5】本発明の方法を実施するための他の塗装場の形態を説明する図。
【図6】図5の塗装場の構成を、車両の被覆においてどのように使用するかを説明する方法の流れ図。
【0019】
発明の詳細な説明
次の説明は、コンパクトな被覆システム及びその使用のための方法を制限する例を提供する。
【0020】
最初に、同様の項目は、種々の図にわたっていくつかの参照番号を有する図に関して、図1は、コンパクトな被覆システムでの被覆方法を実施するための塗装ラインを図示する。電着塗装層を、エリア2の電着塗装において適用する。被覆されるべき物品、例えば自動車体を、最初に、電着塗装エリアに達するために、他の方法で、例えば洗浄及びリン酸処理によって処理してよい。典型的に、電着下塗方法は、金属車体を、水性電着塗装液を含有するタンク中に浸漬し、陽極と車体間を、被覆組成物を介して電流を通して(電流を電気セルの陰極に通過して)、車体上に未硬化の電着塗装層を堆積し、そして脱イオン水で電着塗装層を洗浄することを含む。そして、車体は、電着塗装エリアを出て、未硬化の電着塗装層を硬化する矢印4での炉を通過し、そして矢印4で冷却域も通過し、噴霧ブース6中に入る。
【0021】
噴霧ブース6は、4つの被覆噴霧適用域を有する。コンパクトな被覆システムの被覆組成物の異なる1つの層を、それぞれ領域で適用する。それぞれの領域において、単一の適用層("ワンパス")で適用されてよく、又は被覆層を共に形成する2つの副層("ツーパス")で適用されてよい。このことについては、図の略図が、互いに関連する種々の被覆領域の長さを示すことを意味しない。第一の噴霧適用領域8において、UV阻害被覆組成物を、車体に適用する。第二の噴霧適用領域10において、ベースコート被覆組成物を、車体に適用する。第三の噴霧適用領域18において、モノコートのトップコート被覆組成物を、車体に適用する。第四の噴霧適用領域16において、クリアコート被覆組成物を、車体に適用する。UV阻害被覆組成物を適用するための噴霧適用領域が常に第一であり、かつベースコート被覆組成物を適用するための噴霧適用領域が常に、クリアコート被覆組成物を適用するための噴霧適用領域に先行する場合に、モノコート被覆組成物を適用するための噴霧適用領域は、図1において示されているようなベースコート被覆組成物とクリアコート被覆組成物とを適用するための噴霧適用領域の間にベースコート被覆組成物を適用するための噴霧適用領域の前、又はクリアコート被覆組成物を適用するための噴霧適用領域の後であってよい。噴霧領域は、被覆適用間の十分なフラッシュ(キャリヤー液体、例えば有機液体又は水の蒸発)させるために置かれてよい。それぞれの場合において、フラッシュは、周囲条件であってよく、又は例えば1つ以上の赤外ランプの設置によって熱補助してよい。一般に、短い周囲フラッシュが十分であり、フラッシュ時間は、一般的に約1分〜約15分であってよい。矢印20で、車体は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体22を製造する場合に、炉を通過する。
【0022】
図2は、並んで、ベースコート層及びトップコート層を有する複合材被覆を有する車体1を被覆するために製造した第一の被覆において使用された図1の塗装ラインの一部(図2の左側)、及びモノコートのトップコート層を有する複合材被覆を有する車体2を塗装するために製造した第二の被覆において使用される塗装ラインの一部を示す。前記方法において、車体1は、電着塗装組成物が車体2上に電着する電着塗装エリア2を出て、矢印4で硬化した電着塗装層を形成する。硬化した電着塗装層を有する車体1は、冷却され、そして噴霧ブース6に入り、領域8でUV被覆組成物を硬化した電着塗装層上に適用して、未硬化のUV阻害被覆層が形成され、そして所望された、任意のフラッシュの後に、ベースコート組成物が、領域10で未硬化のUV阻害被覆層上に適用されて、未硬化のベースコート被覆層が形成される。次に、所望の、任意のフラッシュ後に、クリアコート被覆組成物が、クリアコート被覆領域16で未硬化のベースコート層上に適用されて、未硬化のクリアコート層が形成される。(図1において示されているモノコート被覆領域18は適用されない)そして車体1は、噴霧ブース6を通過する。矢印20で、車体1は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体122を製造する場合に、炉を通過する。
【0023】
車体1が被覆されて、被覆された車両122を製造する前又はその後に、車体2は、図1の同様の塗装ラインで被覆される。車体2は、電着塗装組成物を電着して、電着塗装層を形成する電着塗装エリア2を出て、矢印4で硬化される。硬化した電着塗装層を有する車体2は、冷却され、そして噴霧ブース6に入り、領域8でUV被覆組成物を硬化した電着塗装層上に適用して、未硬化のUV阻害被覆層を形成する。所望された、任意のフラッシュの後に、モノコート組成物が、モノコート被覆領域18で未硬化のUV阻害被覆層上に適用されて、未硬化のモノコート層を形成する。(図1において示されているベースコート被覆領域10及びクリアコート被覆領域16は適用されない)そして車体2は、噴霧ブース6を通過する。矢印20で、車体2は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体222を製造する場合に、炉を通過する。
【0024】
図3は、コンパクトな被覆システムで被覆方法を実施するための塗装ラインの他の実施態様を示す。第一の実施態様におけるように、電着塗装層は、電着塗装エリア2で車体に適用され、それ自体、処理、例えば洗浄及びリン酸処理を受けてよい。電着下塗り方法を、被覆堆積、洗浄及び矢印4での炉の通過を含む図1のために説明されたように実施してよく、未硬化の電着塗装層を硬化し、そして冷却する。次に、車体又は部品は、第一の噴霧ブース6に入る。
【0025】
第一の実施態様におけるように、コンパクトな被覆システムの被覆組成物を適用するためのそれぞれの領域において、単一の適用層("ワンパス")で適用されてよく、又は被覆層を共に形成する2つの副層("ツーパス")で適用されてよい。第一の噴霧ブース6は、2つの被覆適用領域を有する。第一の噴霧ブース6は、第一の方法において第一の被覆形式で、及び第二の方法において第二の被覆形式で使用される。第一の被覆形式において、UV阻害被覆組成物を、被覆領域8において車体に適用して、未硬化のUV阻害被覆組成物を硬化した電着プライマー層上に形成し、そして続く噴霧領域10において、ベースコート被覆組成物を適用して、未硬化のベースコート層を、未硬化のUV阻害被覆層上に形成する。噴霧領域8及び噴霧領域10を、互いに噴霧ブース6から所望された距離で配置し、UV阻害被覆組成物の適用及びベースコート被覆組成物の適用間の所望のフラッシュを可能にする。既に記載された方法におけるように、フラッシュは、周囲条件であってよく、又は例えば1つ以上の赤外ランプの設置によって熱補助してよい(ここでは、領域8及び10の範囲内)。既に記載された方法におけるように、一般に、短い周囲フラッシュが十分であり、フラッシュ時間は、一般的に約1分〜約15分であってよい。第二の被覆形式において、UV阻害被覆組成物を、車体上の硬化した電着プライマー層上に被覆領域8で適用して、未硬化のUV阻害被覆層を硬化した電着プライマー層上に形成し、かつ続いて噴霧領域10における適用はない。未硬化のUV阻害被覆層及び未硬化のベースコート層の双方を第一の被覆形態において有し、又は未硬化のUV阻害被覆層のみを第二の被覆形式において有する車体は、第一の噴霧ブース6を通過し、第二の噴霧ブース14に近づく。2つの噴霧ブース間の矢印12で、車体は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよいフラッシュ領域を通過し、場合により、続いて冷却域を通過する。そして、車体は、第二の噴霧ブース14を通過する。
【0026】
第二の噴霧ブース14も、2つの被覆領域を有する。第二の噴霧ブース14は、第一の方法において第一の被覆形式で、及び第二の方法において第二の被覆形式で使用される。第一の被覆形式において、クリアコート被覆組成物を、車体に被覆領域16で適用して、未硬化のクリアコート被覆層を未硬化のベースコート被覆層上に形成する。第二の被覆形式において、モノコート被覆組成物を、車体に被覆領域18で適用して、未硬化のモノコート被覆層を硬化したUV阻害被覆層上に形成する。図3は、塗装ラインにおけるモノコート被覆領域18の前にクリアコート被覆領域16を示すが、しかし順序は、逆であってよく、モノコート被覆領域18は、クリアコート被覆領域16に先行してよい。第一の被覆形式において未硬化のクリアコート被覆層を有するか、又は第二の被覆形式において未硬化のモノコート被覆層を有する車体は、第二の噴霧ブース14を通過する。矢印20で、車体は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよいフラッシュ領域を通過し、そして炉を通過して、適用した被覆層を硬化して、硬化した車両22を製造する。第一の被覆形式において、硬化した車体22は、電着塗装層、UV阻害被覆層、ベースコート被覆層、及びクリアコート被覆層を有する。第二の塗装形式において、硬化した車両22は、電着塗装層、UV阻害被覆層、及びモノコート被覆層を有する。
【0027】
この実施態様のために、図4は、並列して、図3の配置を使用した、ベースコート/クリアコート複合トップコートを有する車体1を被覆するための第一の被覆形式において使用される塗装ラインの一部(図4の左側)、及びモノコートのトップコートを有する車体2を被覆するための第二の被覆形式において使用される塗装ラインの一部(図4の右側)を示す。前記方法において、車体1は、電着塗装組成物が車体2上に電着する電着塗装エリア2を出て、矢印4で硬化した電着塗装層を形成する。硬化した電着塗装層を有する車体1は、冷却され、そして噴霧ブース6に入り、領域8でUV被覆組成物を硬化した電着塗装層上に適用して、未硬化のUV阻害被覆層が形成され、そして所望された、任意のフラッシュの後に、ベースコート組成物が、領域10で未硬化のUV阻害被覆層上に適用されて、未硬化のベースコート被覆層が形成される。これらの未硬化の被覆層を、矢印12で車体1のようにフラッシュさせ、噴霧ブース6から噴霧ブース14に通過させる。噴霧ブース14において、クリアコート被覆組成物を、未硬化のベースコート層上にクリアコート被覆領域16で適用して、未硬化のクリアコート層を形成する。(図2であるように、未硬化の被覆領域は示されておらず、図3において示されているようなモノコート被覆領域18は、車体1を被覆するために使用されず、かつ示されていない。)そして車体1は、第二の噴霧ブース14を通過する。矢印20で、車体1は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体122を製造する場合に、炉を通過する。
【0028】
車体1が被覆されて、被覆された車両122を製造する前又はその後に、車体2は、図3の同様の塗装ラインで被覆される。車体2は、電着塗装組成物を電着して、電着塗装層を形成する電着塗装エリア2を出て、矢印4で硬化される。硬化した電着塗装層を有する車体2を冷却し、そして噴霧ブース6に入り、UV阻害被覆組成物を、硬化した電着塗装層上に領域8で適用して、未硬化のUV阻害被覆層を形成する。これらの未硬化の被覆層を、矢印12で車体2のようにフラッシュさせ、噴霧ブース6から噴霧ブース14に通過させる。噴霧ブース14において、モノコート被覆組成物を、未硬化のUV阻害被覆層上にモノコート被覆領域18で適用して、未硬化のモノコート層を形成する。そして車体2は、第二の噴霧ブース14を通過する。矢印20で、車体2は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体222を製造する場合に、炉を通過する。
【0029】
図5は、電着塗装のための通常のライン及びUV阻害被覆組成物での被覆を共有する噴霧塗装操作のための2つの部分的な塗装ラインを形成する1つのトップコート噴霧ブースを有するコンパクトな被覆システムでの被覆方法を実施するための他の実施態様を示す。第一の2つの実施態様におけるように、電着塗装層は、電着塗装エリア2で適用され、それ自体、処理、例えば洗浄及びリン酸処理を受けてよい。電着下塗り方法を、被覆堆積、洗浄及び矢印4での炉の通過を含む図1のために説明されたように実施してよく、未硬化の電着塗装層を硬化し、そして冷却する。次に、車体又は部品は、第一の噴霧ブース6に入る。
【0030】
第一の2つの実施態様におけるように、コンパクトな被覆システムの被覆組成物を適用するためのそれぞれの領域において、単一の適用層("ワンパス")で適用されてよく、又は被覆層を共に形成する2つの副層("ツーパス")で適用されてよい。第一の噴霧ブース6は、UV阻害被覆組成物を適用するための1つの被覆適用領域を有する。第一の噴霧ブース6を、車体又は部品それぞれに、UV阻害被覆組成物を適用するために使用する。UV阻害被覆組成物を、車体又は部品に被覆領域8で適用して、未硬化のUV阻害被覆層を硬化した電着プライマー層上に形成する。そして未硬化のUV阻害被覆層を有する車体又は部品は、第一の噴霧ブース6を通過して、第二の噴霧ブース14a又は第三の噴霧ブース14bに近づく。2つの噴霧ブース間の矢印12で、車体は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよいフラッシュ領域を通過し、場合により続いて冷却領域を通過する。車体又は部品は、噴霧ブース14a又は14bの1つを通過する。
【0031】
車体又は部品が噴霧ブース14a又は14bを通過したかどうかの選択は、適用されるべきトップコートに依存する。ベースコート−クリアコート複合トップコートが適用されるべきである場合に、車体又は部品は、最初に、噴霧ブース14aに入って、ベースコート層を受け、そして噴霧ブース14bに入る経路で、クリアコート層を受ける。モノコートのトップコートが適用されるべきである場合に、車両又は車体は、噴霧ブース14a又は噴霧ブース14bに入ってよく、14a又は14bの1つは、要因、例えば効率に依存して選択されてよく、例えば他のブースは、既に他の車体又は部品を塗装するために使用され、又はそれぞれのブースは、ある色のためのみに使用される。
【0032】
噴霧ブース14aは、ベースコート被覆組成物を適用して、未硬化のベースコート層を未硬化のUV阻害被覆層上に形成するベースコート被覆領域10、及びモノコート被覆組成物を適用して、未硬化のモノコートのトップコート層を硬化したUV阻害被覆層上に形成するモノコート被覆領域18aの、2つの噴霧領域を有する。図5は、モノコート被覆領域の前のベースコート被覆領域を示すが、それぞれの領域は、整列して第一及び他の第二であってよい。未硬化のUV阻害被覆層及び未硬化のベースコート層を第一の被覆形式において有し、又は未硬化のUV阻害被覆層及び未硬化のモノコート層を第二の被覆形式において有する車体は、第二の噴霧ブース14aを通過する。第二の被覆形式において、車体又は部品が未硬化のモノコート被覆層を有する場合に、矢印20を通過する。
【0033】
第一の被覆形式において、車体が未硬化のUV阻害被覆層及び未硬化のベースコート層の双方を有する場合に、車体は、12aにそって送られて、第三の噴霧ブース14bに入る。経路12aは、場合により加熱したフラッシュ領域であってよいフラッシュ領域を含んでよく、場合により続いて冷却領域を含む。第三の噴霧ブース14bも、2つの被覆領域を有する。第三噴霧ブース14bを、第一の被覆形式において使用して、クリアコート被覆組成物を、車体にクリアコート被覆領域16で適用して、未硬化のクリアコート被覆層を未硬化のベースコート被覆層上に形成する。車両は、矢印20を通過する。
【0034】
代わりの第二の被覆形式において、未硬化のUV阻害被覆層を有する車体又は部品が、噴霧ブース8を去った後に噴霧ブース14に入り、モノコート被覆組成物を車体にモノコート被覆領域18bで適用して、未硬化のモノコート被覆層を硬化したUV阻害被覆層上に形成する。図5は、モノコート被覆領域18bの前の噴霧ブース14bにおけるクリアコート被覆領域16を示すが、順序は逆であってよく、かつモノコート被覆領域18bは、クリコート被覆領域16に先行してよい。未硬化のモノコート被覆層を有する車体は、矢印20を通過する。
【0035】
矢印20で、車体は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよいフラッシュ領域を通過し、そして炉を通過して、適用した被覆層を硬化して、被覆された車両22を製造する。第一の被覆形式において、被覆された車体22は、電着塗装層、UV阻害被覆層、ベースコート被覆層、及びクリアコート被覆層を有する。他の第二の塗装形式のいずれかにおいて、硬化した車両22は、電着塗装層、UV阻害被覆層、及びモノコート被覆層を有する。他の第二の塗装形式のいずれかにおいて、硬化した車両22は、電着塗装層、UV阻害被覆層、及びモノコート被覆層を有する。
【0036】
この実施態様に関して、図6は、並列して、図5の実施態様を使用する、車体1をベースコート/クリアコートトップコートで被覆するための第一の被覆形式において使用される塗装ラインの一部(左側)、及び車体2をモノコートトップコートで被覆するための第二の被覆形式において使用される塗装ラインの一部(右側)を示す。前記方法において、第一の被覆形式において被覆される車体1は、電着塗装エリア2に入り、電着塗装層組成物を、車体2上に電着して、電着塗装層を形成し、矢印4で硬化する。これらの方法を、前記のように実施する。硬化した電着塗装層を有する車体1を冷却し、そして噴霧ブース6に入り、UV阻害被覆組成物を、硬化した電着塗装層上にUV阻害被覆領域8で適用して、未硬化のUV阻害被覆層を形成する。そして車体1は、所望の、矢印12での任意のフラッシュ後に、噴霧ブース14aを通過し、ベースコート被覆組成物を、未硬化のUV阻害被覆層上にベースコート被覆領域10で適用して、未硬化のベースコート被覆層を形成する。未硬化のベースコート被覆層を、矢印12でフラッシュさせて、その結果車体1が噴霧ブース14aから噴霧ブース14bへ通過する。噴霧ブース14bにおいて、クリアコート被覆組成物が、クリアコート被覆領域16で未硬化のベースコート層上に適用されて、未硬化のクリアコート層が形成される。そして車体1は、噴霧ブース14bを通過する。矢印20で、車体1は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体122を製造する場合に、炉を通過する。
【0037】
車両1を、被覆した車両122を製造するために被覆する前又はその後に、車両2を、第二の被覆形式で、図5の同様の実施態様を使用して被覆する。車体2は、電着塗装領域2に入り、電着塗装組成物を電着して、電着塗装層を形成し、矢印4で硬化される。これらの方法を、前記のように実施する。硬化した電着塗装層を有する車体2を冷却し、そして噴霧ブース6に入り、UV阻害被覆組成物を、硬化した電着塗装層上にUV阻害被覆領域8で適用して、未硬化のUV阻害被覆層を形成する。未硬化の被覆層を、矢印12でフラッシュさせて、その結果車体2が、噴霧ブース6から噴霧ブース14a(変法1)へ、又は代わりに噴霧ブース14b(変法2)へ通過する。どちらの噴霧ブースにおいても、車体又は部品は、噴霧ブース14a又は噴霧ブース14bに入り、モノコート被覆組成物を、未硬化のUV阻害被覆層上に適用する。車体又は部品が噴霧ブース14aに入る場合に、モノコート被覆組成物を、未硬化のUV阻害被覆層上にモノコート被覆領域18aで適用し、又は車体又は部品が噴霧ブース14bに入る場合に、モノコート被覆組成物を、未硬化のUV阻害被覆層上にモノコート被覆領域18bで適用し、それぞれの場合において未硬化のモノコート層を形成する。そして車体2は、噴霧ブースを通過する。矢印20で、車体2は、場合により加熱したフラッシュ領域であってよい、フラッシュ領域を通過し、そして適用した被覆層を硬化して、被覆した車体222を製造する場合に、炉を通過する。
【0038】
電着組成物は、自動車両の被覆操作において使用されるあらゆる電着組成物であってよい。種々の実施態様のそれぞれにおいて、電着塗装組成物は、エポキシ樹脂及びアクリルポリマーから選択される電着可能な樹脂を含んでよい。電着組成物の制限されない例は、BASF Corporationによって販売されているCATHOGUARD(登録商標)電着組成物、例えばCATHOGUARD(登録商標)500を含む。電着塗装浴は、通常、水又は水と有機共溶媒の混合物中でイオン安定剤(例えば塩アミン群)を有するエポキシ樹脂及びアクリルポリマーから選択される主な膜形成を含む。主な膜形成樹脂での乳化は、主な樹脂上で適した条件下で、例えば熱の適用で、官能基と反応し、被覆を硬化する架橋剤である。架橋剤の適した例は、制限されることなく、ブロックトポリイソシアネートを含む。電着塗装組成物は、通常、1つ以上の顔料、触媒、可塑剤、融合助剤、商法剤、流量調整剤、湿潤剤、界面活性剤、UV吸収材、HALS化合物、抗酸化剤、及び他の添加剤を含む。電着塗装組成物は、ライトグレー、白、黒、又は他の色であってよい。
【0039】
電着塗装組成物は、有利には、乾燥膜厚10〜35μmまで適用される。適用後に、被覆した車体を、浴から取り出し、そして脱イオン水で洗浄する。被覆を、適した条件下で、例えば約275°F〜約375°F(約135℃〜約190℃)で、約15〜約60分間焼き付けることによって硬化してよい。
【0040】
UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物、及びモノコートのトップコート被覆組成物のそれぞれは、総バインダーに対して、第一のバインダー樹脂の約0.1〜約70%を含み、かつモノコートのトップコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物のそれぞれは、総バインダーに対して、第二のバインダー樹脂の約0.1〜約50%を含む。種々の実施態様において、UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物のそれぞれは、総バインダーに対して、第一のバインダー樹脂の約1〜約60%を含む。それぞれの実施態様において、第一のバインダー樹脂は、アクリルポリマーであってよく、かつそれぞれの実施態様において、アクリルポリマーは、構造
【化2】

[式中、それぞれのnは、独立して、1、2、3、4又は5であり、特にそれぞれのnは、独立して、1、2又は3であり、かつ殊にそれぞれのnは、独立して1又は2である]を有する基を有するヒドロキシル官能アクリルポリマーであってよい。種々の実施態様において、モノコートのトップコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物の双方は、総バインダーに対して、第二のバインダー樹脂の約10〜約50%を有する。それぞれの実施態様において、第二の樹脂は、アクリルポリマーであってよく、かつそれぞれの実施態様において、アクリルポリマーは、カルバメート官能アクリルポリマーであってよい。カルバメート基は、構造
【化3】

[式中、RはH又はアルキル、有利には炭素原子1〜4個のアルキルである]によって示されてよい。遊離には、Rは、H又はメチル、及びより有利にはRはHである。種々の実施態様において、アクリルポリマーは、ヒドロキシ官能(メタ)アクリレートと、アルキル(メタ)アクリレートから選択されるコモノマーとの、及びスチレンを含む他のビニルモノマーと、メチルカルバメートと反応してカルバメート基を提供するアクリルポリマーのヒドロキシル基との共重合によって製造されてよい。"(メタ)アクリレート"は、アクリレート及び/又はメタクリレートを示すために使用される。
【0041】
一般に、ベースコート被覆組成物は、ベースコートバインダー樹脂、ベースコート架橋剤、有機又は水性液体("溶剤"又は"溶剤系")、及び1つ以上の顔料を含む。ベースコートバインダー樹脂は、架橋可能な基を有し、かつベースコート架橋剤は、矢印20での炉中で架橋可能な基と反応する多数の官能基を有する。ベースコート被覆組成物は、架橋可能な樹脂の混合物を含んでよいが、しかしベースコート被覆組成物は、少なくともUV阻害被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物中にもある第一のバインダー樹脂を含む。
【0042】
第一の樹脂であってよい又はベースコート被覆組成物中で第一の樹脂との組合せであってよいベースコートバインダー樹脂の制限されない例は、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、ポリエポキシ及びポリシロキサン、並びにそれらで改質された又はそれらの組合せである樹脂を含む。架橋可能な基の制限されない例は、ヒドロキシル基、エポキシド基、無水物基、ブロックトイソシアネート基、シラン基、及びアセトアセテート基、並びにそれらの相溶性の組合せである。適したベースコート架橋剤は、ベースコート樹脂又はポリマーに対する架橋可能な基のタイプに依存する。これらの基は、それらが非ブロック化され、かつ所望の効果条件下で、一般に高温で、架橋反応に利用できる方法で、マスクされるか、ブロックされてよい。使用されてよいベースコート架橋剤の制限されない例は、イソシアネート基が高温で非ブロック化される基でブロックされているブロックトポリイソシアネート(ヒドロキシル基と反応性)、アミノプラスト架橋剤(ヒドロキシル基、カルボキシル基及びカルバメート基と反応性)、ポリエポキシド樹脂(カルボン酸基と反応性)、ヒドロキシル(ブロックトイソシアネート及び無水物基と反応性)、及びポリカルボン酸(エポキシド基と反応性)を含む。有用なアミノプラスト架橋剤は、制限されることなく、活性メチロール基又はメチルアルコキシ基を有する材料を含む。かかる架橋剤の制限されない例は、モノマーの又はポリマーのメラミンホルムアルデヒド樹脂及び部分的に又は完全にアルキル化したメラミンホルムアルデヒド樹脂を含むメラミンホルムアルデヒド架橋剤、尿素樹脂、及びメチロール尿素、例えば尿素ホルムアルデヒド樹脂、アルコキシ尿素、例えばブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂を含む。他のかかる架橋剤の制限されない例は、ブロックト脂肪族ポリイソシアネート及びビウレアを含むブロックトイソシアネート、イソシアネート、ポリオールのイソシアネート官能反応生成物、並びに他の脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネート官能反応生成物を含む。
【0043】
ベースコート被覆組成物は、硬化反応を高めるために触媒を含んでよい。例えば、特にモノマーのメラミンが硬化剤として使用される場合に、強酸触媒が、硬化反応を高めるために使用されてよい。かかる触媒は、この分野において公知であり、かつ、制限することなしに、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスファート、モノブチルマレアート、ブチルホスファート、及びヒドロキシホスファートエステルを含む。強酸触媒は、しばしば、ブロック化、例えばアミンでブロック化されている。ポリイソシアネートと適した官能基との反応のために、適した触媒は、スズ化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ酸化物、第三級アミン、亜鉛塩及びマンガン塩を含む。エポキシド基とカルボキシル基との反応は、第三級アミン又は第四級アミン塩(例えば、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノシクロヘキサン、トリエチルアミン、N−メチルイミダゾール、テトラメチルアンモニウムブロミド、及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド)、スズ及び/又はリン錯体塩(例えば、(CH33SNI、(CH34PI、トリフェニルホスフィン、エチルトリフェニルホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウムヨウ化物)等で触媒されてよい。
【0044】
1つ又は複数の溶剤を、被覆組成物中含んでよい。一般に、溶剤は、架橋反応において干渉しないあらゆるものであってよい。好ましい一実施態様において、溶剤は、極性有機溶剤を含む。より有利には、溶剤は、極性の脂肪族溶剤又は極性の芳香族溶剤から選択された1つ以上の有機溶剤を含む。なおより有利には、溶媒は、ケトン、エステル、アセテート、又はそれらのあらゆる組合せを含む。適した溶剤は、制限されることなく、有機溶剤、例えばメチルイソブチルケトン及びメチルアミルケトンを含むケトン、芳香族溶剤、例えばトルエン、キシレン、Aromatic 100及びAromatic 150、エステル、例えばブチルアセテート、n−プロピルアセテート、ヘキシルアセテート;典型的に水性被覆組成物中で使用される有機共溶剤、例えば水溶性及び水混和性アルコール、グリコールエーテル及びグリコールエーテルエステルと組み合わされてよい水を含む。
【0045】
付加的な剤は、例えば界面活性剤、安定剤、湿潤剤、レオロジー調整剤、分散剤、付着促進剤、充填剤、UV吸収剤、立体障害アミン光安定剤等が、ベースコート被覆組成物中に組み込まれていてよい。
【0046】
ベースコート組成物は、所望の色のベースコート層を提供するための1つ以上の顔料を含む。顔料は、あらゆる有機もしくは無機化合物、又は着色した材料、金属もしくは他の有機フレーク材料、例えば真珠光沢雲母フレーク顔料、又は金属フレーク顔料、例えばアルミニウムフレーク、及びかかる被覆において通常含まれる種類の他の材料であってよい。充填剤が、場合により顔料に加えて含まれてよい。無機顔料は、金属の酸化物、クロメート、モリブデート、ホスフェート、及びシリケートを含む。適した、使用されてよい無機顔料及び充填剤の制限されない例は、二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、オーカー、シェンナ、アンバー、ヘマタイト、褐鉄鉱、赤色酸化鉄、透明赤色酸化鉄(transparent red iron oxide)、黒色酸化鉄、褐色酸化鉄、酸化クロムグリーン、クロム酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、シリカ、例えば煙霧シリカ、炭酸カルシウム、タルク、バライト、フェロシアン化第二鉄アンモニウム(プルシアンブルー)、ウルトラマリン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、及びマイカフレーク顔料である。有機顔料も使用されてよい。使用可能である有機顔料の制限されない例は、金属化及び非金属化アゾレッド、キナクリドンレッド及びバイオレット、ペリレンレッド、銅フタロシアニンブルー及びグリーン、カルバゾールバイオレット、モノアリーリド及びジアリーリドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ(tolyl orange)、ナフトールオレンジ、及びこの類似物である。顔料及び他の不溶性粒子状化合物、例えば充填剤は、通常、バインダー化合物合計の固体質量に対して、1%〜100%の量(すなわち、顔料対バインダーの比が0.1対1)で組成物中で使用される。ベースコート組成物は、硬化したベースコート層が所望の発色を呈する量で適用される。一般に、ベースコート層は、約0.3mil(約7.6ミクロメートル)〜約1.3mil(約33ミクロメートル)であってよい。
【0047】
UV阻害被覆組成物は、第一のバインダー樹脂、少なくとも1つの、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン及びアルミニウム顔料からなる群から選択されるUV阻害顔料、及びこれらの組合せ、並びに場合によりベースコート被覆組成物中に存在する架橋剤を含有する。種々の実施態様において、UV阻害被覆組成物は、総バインダーに対して、第一のバインダー樹脂の45〜60%を含有してよい。UV阻害被覆組成物は、UV阻害顔料の十分な量を有し、その結果約30ミクロンまでの膜形成を有する層が、約0.5%以下の紫外線光を、電着塗装層に通過させる(すなわち、波長400nmで約0.5%以下の透過)。UV阻害剤として使用される含量は、約0.30〜約0.50のバインダー質量に対する顔料の比で含まれてよい。不揮発性被覆成分の総質量に対する総顔料濃度は、約10質量%〜約18質量%であってよい。
【0048】
カーボンブラックは、被覆組成物のために使用されるあらゆるカーボンブラック顔料であってよい。カーボンブラックは、他の顔料との組合せで使用される場合に、紫外線光の透過率における所望の減少を提供するための量で、第一のベースコート被覆中に存在する。カーボンブラックは、顔料の約0.1質量%から約10質量%までの量でベースコート組成物中に存在してよい。一実施態様において、カーボンブラックは、顔料の約0.05質量%〜約1.0質量%の量で使用される。カーボンブラックは、不揮発性被覆材料の0.05質量%〜5.0質量%、又は不揮発性被覆材料の0.05質量%〜1.0質量%、又は不揮発性被覆材料の0.22質量%〜5.0質量%の量で存在してよい。
【0049】
酸化鉄は、被覆組成物のために使用されるあらゆる酸化鉄であってよい。酸化鉄の例は、制限されることなく、SICOTRANS(登録商標)RED L2818赤色酸化鉄、KROMA(登録商標)RED R03097、SICOTRANS(登録商標)yellow 1916黄色酸化鉄、MAPICO(登録商標)yellow 1050黄色酸化鉄を含む。いくつかの実施態様において、赤色酸化鉄は、黄色酸化鉄よりもよい性能である。種々の実施態様において、酸化鉄は、顔料の約5質量%〜約70質量%の量で存在してよい。被覆組成物において、酸化鉄は、不揮発性被覆成分の約0.5質量%〜約20質量%、又は不揮発性被覆成分の約5質量%〜10質量%の量で存在してよい。
【0050】
二酸化チタンは、被覆組成物のために使用されるあらゆる二酸化チタンであってよい。二酸化チタンの例は、制限されることなく、TI−Pure(登録商標)R−706二酸化チタン、及びMicro(登録商標)MT 500SA二酸化チタンを含む。二酸化チタンは、あらゆる所望の量で存在する。種々の実施態様において、二酸化チタンは、顔料固体の約5質量%〜約75質量%の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、二酸化チタンは、不揮発性被覆成分の約5〜40質量%、又は不揮発性被覆成分の約20〜30質量%の量で存在する。
【0051】
効果的なアルミニウム顔料は、UV光をブロックするものである。コーンフレーク状のアルミニウム顔料は、一般に、銀ドル状のアルミニウム顔料よりもよい性能である。適したアルミニウム顔料の制限されない例は、Eckart社製のSTAPA(登録商標)Metallic 801、TOYO(登録商標)アルミニウム8160N−AR、Eckart社製のSTAPA(登録商標)1515NL、Eckart社製のSTAPA(登録商標)Metallux 2156、SDS8−335 Aluminum、及び他のアルミニウムフレーク顔料を含む。場合により、アルミニウム顔料は被覆されうる。種々の実施態様において、アルミニウム顔料は、顔料の約1.0質量%〜約70質量%の量で存在する。被覆組成物において、アルミニウム顔料は、不揮発性被覆成分の約3.0〜約20.0質量%、又は不揮発性被覆成分の約5〜20質量%の量で存在してよい。
【0052】
第一のバインダー樹脂に加えて、UV阻害被覆組成物は、1つ以上の追加のバインダー樹脂及び架橋剤、例えばベースコート被覆組成物中にもないベースコート被覆組成物において有用であると既に挙げられたあらゆるものを含んでよく、又はUV阻害被覆組成物は、ベースコート組成物中にもあるバインダー樹脂及び架橋剤のみを含んでよい。
【0053】
UV阻害被覆組成物は、さらに、ベースコート被覆組成物に適していると挙げられたあらゆる他の材料、例えば触媒及び添加剤を含んでよい。
【0054】
UV阻害被覆組成物は、UV阻害顔料、ベースコート組成物に適していると挙げられたものの制限されない例以外の1つ又は複数の顔料を含んでよい。種々の実施態様において、UV阻害被覆組成物は、1つ又は複数の顔料を含んでよく、ベースコート被覆組成物中にも存在する。ベースコート組成物及びUV阻害被覆組成物は、異なる顔料がベースこと及びUV阻害被覆組成物中にあり、又は同様の顔料の異なる量がベースこと及びUV阻害被覆組成物にあるか、双方の理由から、異なる顔料組成物を含む。
【0055】
UV阻害層は、典型的に、硬化したUV阻害層の約30ミクロン(約1.2mil)までの膜形成を有する量で適用される。UV阻害被覆層は、電着プライマー層に達するUV光をブロックするために十分な厚さである。
【0056】
クリアコート被覆組成物は、クリアコートバインダー樹脂、クリアコート架橋剤、及び有機溶剤又は水性溶剤を含む。クリアコート組成物は、自動車被覆のために使用されるあらゆるクリアコート組成物であってよい。種々の実施態様において、クリアコートは、架橋可能な基のあらゆる種類を有する樹脂のあらゆる種類、ベースコート組成物において有用と挙げられた適した架橋剤を含む。かかるクリアコートは、架橋可能な樹脂及び架橋剤が別々のパッケージに分離し、適用前にのみ組合わされるワンパッケージシステム又はツーパッケージ(又は2K)システムとして調合されうる。種々の実施態様において、クリアコートは、溶剤媒介(すなわち有機液体媒体中で)、水媒体(水性、粉末スラリーを含む)、又は粉末クリアコートであってよい。溶剤及び他のクリアコート成分の制限されない例は、ベースコート成分に関連して既に挙げられたあらゆるものを含む。市販のクリアコート組成物の例は、全てBASF Corporation社製の、UNIGLOSS(登録商標)、DURAGLOSS(登録商標)、STARGLOSS(登録商標)、UREGLOSS(登録商標)、EVERGLOSS(登録商標)、PROGLOSS(登録商標)、TWINGLOSS(登録商標)、SLURRYGLOSS(登録商標)、及びCLEANGLOSS(登録商標)である。
【0057】
モノコート被覆組成物は、第一のバインダー樹脂及び第二のバインダー樹脂の双方を含む。種々の実施態様において、モノコート被覆組成物は、総バインダーに対して、第一のバインダー樹脂の約5〜10質量%、又は総バインダーに対して、第二のバインダー樹脂の約15〜25質量%を含んでよい。モノコート被覆組成物は、クリアコート被覆組成物中にも存在する1つ以上の樹脂を含んでよく、かつ種々の実施態様において、モノコート被覆組成物は、さらに少なくともクリアコート架橋剤を含む。さらに、モノコート被覆組成物は、有機又は水性溶剤、及び1つ以上の顔料を含む。1つ又は複数の顔料は、ベースコート被覆組成物に適した顔料として挙げられているあらゆるものから選択されてよい。種々の実施態様において、第一のバインダー樹脂又は第一のバインダー樹脂の1つは、1つ以上の顔料を分散するために使用される樹脂である。種々の実施態様において、第二のバインダー樹脂は、ヒドロキシル基、カルバメート基及びカルボキシル基から選択される架橋可能な基を有するアクリル樹脂又はポリウレタン樹脂、及びそれらの組合せを含む。
【0058】
モノコート組成物は、硬化したモノコート層が所望の発色を呈する量で適用される。一般に、モノコート層は、約25ミクロメートル(約0.8mil)〜約76ミクロメートル(約3mil)であってよい。
【0059】
被覆組成物は、噴霧被覆によって下地上に被覆されうる。静電吹付けが、好ましい方法である。前記被覆組成物は、典型的には約20〜約100ミクロンの硬化後の膜厚を提供するために、1つ以上の段階で適用されてよい。
【0060】
全ての噴霧適用した被覆層の適用後に、被覆層は、共に、有利には被覆層を十分〜完全に硬化する時間の長さで、被覆層を熱に曝すことによって硬化される。この硬化温度は通常は、約105℃から約175℃であり、この硬化期間は通常は、約15分間〜約60分間である。有利には、前記被覆を、約120℃〜約150℃、約20分間〜約30分間硬化させる。
【0061】
コンパクトな被覆システムの種々の特徴は、前記のあらゆる方法におけるあらゆる組合せで使用されうる。
【0062】
本明細書は、性質において単に例示しており、かつ従って、開示内容の趣旨から逸脱しない変法は、本発明の一部である。変法は、本発明の開示内容の趣旨及び範囲から逸脱するとみなされるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV阻害被覆組成物、ベースコート組成物、クリアコート組成物及びモノコートのトップコート組成物を含むコンパクトな被覆システムであって、
(a)UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物、及びモノコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダー質量に対して、第一のバインダー樹脂の約0.1〜約70質量%を含み、かつ
(b)モノコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダー質量に対して、第二のバインダー樹脂の約0.1〜約50質量%を含む、
コンパクトな被覆システム。
【請求項2】
UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダーに対して、第一のバインダー樹脂の約1〜約60質量%を含む、請求項1に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項3】
前記第一のバインダー樹脂が、アクリルポリマーである、請求項1に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項4】
アクリルポリマーが、
【化1】

[式中、それぞれのnは独立して1、2、3、4又は5である]の基を有する、請求項3に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項5】
前記nのそれぞれが、1、2又は3である、請求項4に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項6】
モノコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物のそれぞれが、総バインダーに対して、第二のバインダー樹脂の約10〜約50質量%を含む、請求項1に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項7】
前記第二のバインダー樹脂が、アクリルポリマーである、請求項1に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項8】
前記アクリルポリマーが、カルバメート官能である、請求項7に記載のコンパクトな被覆システム。
【請求項9】
請求項1に記載のコンパクトな被覆システムで、塗装場で自動車の車体又は部品を被覆する方法において、
UV阻害被覆組成物、ベースコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物を第一の車体又は部品に塗装場で適用し、かつUV阻害被覆組成物及びモノコートのトップコート被覆組成物を第二の車体又は部品に塗装場で適用することを含み、
その際、モノコート被覆組成物及びクリアコート被覆組成物が、同様の噴霧ブースで適用される、自動車の車体又は部品を被覆する方法。
【請求項10】
請求項9に記載の自動車の車体又は部品を被覆する方法であって、
(a)第一の車体又は部品を、第一の噴霧ブースにおいて、第一の車体又は部品にUV阻害被覆組成物を適用することによって被覆し、未硬化のUV阻害被覆層を形成し、そしてベースコート被覆組成物を適用して、未硬化のUV阻害被覆層上に未硬化のベースコート層を形成し、第二の噴霧ブースにおいて、未硬化のベースコート層上にクリアコート被覆組成物を適用して、未硬化のクリアコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、未硬化のベースコート層、及び未硬化のクリアコート層を硬化して、第一の被覆した車体又は被覆を製造すること、並びに
(b)第二の車体又は部品を、第一の噴霧ブースにおいて、第二の車体又は部品にUV阻害被覆組成物を適用することによって被覆し、未硬化のUV阻害被覆層を形成し、第二の噴霧ブースにおいて、未硬化のUV阻害被覆層上にモノコートのトップコート被覆組成物を適用して、未硬化のモノコートのトップコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、及び未硬化のモノコートのトップコート層を硬化して、第二の被覆した車体又は被覆を製造すること
を含む、自動車の車体又は部品を被覆する方法。
【請求項11】
請求項9に記載の自動車の車体又は部品を被覆する方法であって、
UV阻害被覆組成物を適用するための第一の噴霧領域、ベースコート被覆組成物を適用するための第二の噴霧領域、モノコートのトップコート被覆組成物を適用するための第三の噴霧領域、及びクリアコート被覆組成物を適用するための第四の噴霧領域を有する噴霧ブースにおいて、
(a)第一の車体又は部品にUV阻害被覆組成物を適用して、未硬化のベースコート層を形成し、ベースコート被覆組成物を適用して、未硬化のUV阻害被覆層上に未硬化のベースコート層を形成し、そしてクリアコート被覆組成物を未硬化のベースコート層上に適用して、未硬化のクリアコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、未硬化のベースコート層、及び未硬化のクリアコート層を硬化して、第一の被覆した車体又は部品を製造すること、並びに
(b)第二の車体又は部品にUV阻害被覆組成物を適用することによって被覆し、未硬化のUV阻害被覆層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層上にモノコートのトップコート被覆組成物を適用して、未硬化のモノコートのトップコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、及び未硬化のモノコートのトップコート層を硬化して、第二の被覆した車体又は被覆を製造すること
を含む、自動車の車体又は部品を被覆する方法。
【請求項12】
請求項9に記載の自動車の車体又は部品を被覆する方法であって、
(a)第一の車体又は部品を、第一の噴霧ブースにおいて、第一の車体又部品にUV阻害被覆組成物を適用することによって被覆して、未硬化のUV阻害被覆層を形成し、ベースコート被覆組成物のための噴霧領域及びモノコート被覆組成物のための噴霧領域を有する第二の噴霧ブースにおいて、ベースコート被覆組成物を適用して、未硬化のベースコート層を未硬化のUV阻害被覆層上に形成し、クリアコート被覆組成物のための噴霧領域及びモノコート被覆組成物のための噴霧領域を有する第三の噴霧ブースにおいて、クリアコート被覆組成物を、未硬化のベースコート層上に適用して、未硬化のクリアコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、未硬化のベースコート層、及び未硬化のクリアコート層を硬化して、第一の被覆した車体又は被覆を製造すること、並びに
(b)第二の車体又は部品を、第一の噴霧ブースにおいて、第二の車体又は部品にUV阻害被覆組成物を適用することによって被覆して、未硬化のUV阻害被覆層を形成し、第二の噴霧ブース又は第三の噴霧ブースにおいて、未硬化のUV阻害被覆層上にモノコートのトップコート被覆組成物を適用して、未硬化のモノコートのトップコート層を形成し、そして未硬化のUV阻害被覆層、及び未硬化のモノコートのトップコート層を硬化して、第二の被覆した車体又は被覆を製造すること
を含む、自動車の車体又は部品を被覆する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−508157(P2013−508157A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536951(P2012−536951)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/054102
【国際公開番号】WO2011/056577
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】