コンピュータおよびその管理方法、コンピュータプログラム、ならびにネットワークシステム
【課題】PC教室における端末装置へのアプリケーションソフトのインストールを、費用を抑えながらも簡便に行い、かつ、ユーザによる端末装置の選択の余地を広げる。
【解決手段】端末装置2に、ユーザが実行させようとするプログラムがコンピュータにインストールされているか否かを判定するアプリケーション存否判定部202と、インストールされていないと判定された場合に、プログラムがインストールされている他のコンピュータからプログラムファイルNDを取得する必要データ受信部234と、取得されたプログラムファイルNDに基づいて、プログラムをコンピュータにインストールするインストール実行部235と、コンピュータにインストールされているプログラムを実行権限のないユーザが実行させようとした場合に、プログラムを実行させないようにする実行禁止処理を行う実行禁止処理部207と、を設ける。
【解決手段】端末装置2に、ユーザが実行させようとするプログラムがコンピュータにインストールされているか否かを判定するアプリケーション存否判定部202と、インストールされていないと判定された場合に、プログラムがインストールされている他のコンピュータからプログラムファイルNDを取得する必要データ受信部234と、取得されたプログラムファイルNDに基づいて、プログラムをコンピュータにインストールするインストール実行部235と、コンピュータにインストールされているプログラムを実行権限のないユーザが実行させようとした場合に、プログラムを実行させないようにする実行禁止処理を行う実行禁止処理部207と、を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザが共有するコンピュータなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小学校、中学校、高校、または大学などの学校に、複数台の端末装置が配置されたPC教室が設けられている。
【0003】
このようなPC教室においては、生徒および教師などが、空席を見つけて着席し、その席に置かれたパーソナルコンピュータなどの端末装置を操作して、様々なアプリケーションソフトを使用する。
【0004】
特許文献1には、上述のPC教室のような複数台のコンピュータが配置されている環境において、それらのコンピュータにソフトウェアツールをインストールするインスタレーション方法が、開示されている。このインスタレーション方法によると、はじめに、ソフトウェアツール毎に決められたコマンドをコンピュータのユーザが入力する。すると、そのソフトウェアツールがそのコンピュータに存在しない場合は、ホストコンピュータからそのソフトウェアツールがダウンロードされ、ユーザが使用するコンピュータにおいて起動される。
【特許文献1】特開平5−274123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法によると、PC教室においては、例えば、ある1つのアプリケーションソフトを使用するユーザの人数よりも端末装置の台数の方が多い場合であっても、全ての端末装置にそのアプリケーションソフトをインストールしておく必要がある。ユーザが、どの端末装置を使用する場合であっても、そのアプリケーションソフトを使用できるようにするためである。
【0006】
しかし、この方法では、1〜2人のみが使用するアプリケーションソフトを含む、各ユーザが使用する全てのアプリケーションソフトを、あらかじめ全ての端末装置にインストールしておく必要がある。端末装置が数十台〜数百台におよぶ場合は、その作業量は膨大である。
【0007】
さらに、使用に際してCPUライセンスが必要なアプリケーションソフトに関しては、そのアプリケーションソフトを使用するユーザの数が2〜3人であったとしても、インストールする端末装置の台数分のライセンスを購入しなければならない。
【0008】
特許文献1の方法によると、端末装置ごとに、インストールするアプリケーションソフトをあらかじめ決めておかなければならない。したがって、PC教室において、ユーザは、自らが使用しようとするアプリケーションソフトによって、操作できる端末装置がおのずと限定されてしまう。
【0009】
本発明は、このような点に鑑み、PC教室における端末装置へのアプリケーションソフトのインストールを、従来よりも費用を抑えながらも簡便に行い、かつ、ユーザが使用できる端末装置の選択の余地を広げることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るコンピュータは、他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータであって、前記コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールするインストール手段と、前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする削除手段と、を有する。
【0011】
好ましくは、前記インストール手段は、前記プログラムの実行権限を有するユーザが実行させようとした場合にのみ、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする。
【0012】
または、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされているか否かを判別するプログラム所有判別手段、を有し、前記削除手段は、前記プログラム所有判別手段にて、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされていると判別された場合は当該プログラムをアンインストールする処理を実行する。
【0013】
本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、第一のコンピュータと第二のコンピュータとが接続されたネットワークシステムであって、前記第一のコンピュータは、前記第一のコンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該第一のコンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、前記プログラムが当該第一のコンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記第二のコンピュータから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該第一のコンピュータにインストールするインストール手段と、前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、前記プログラムをアンインストールする削除手段と、を有し、前記第二のコンピュータは、前記第一のコンピュータから前記プログラムの前記必要なデータを要求された場合に、当該必要なデータを提供する、必要データ提供手段、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、PC教室における端末装置へのアプリケーションソフトのインストールを、従来よりも費用を抑えながらも簡便に行い、かつ、ユーザが使用できる端末装置の選択の余地を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はPC教室ネットワーク1の全体的な構成の例を示す図、図2は端末装置2のハードウェア構成の例を示す図、図3は端末装置2の機能的構成の例を示す図、図4はメニュー画面の例を示す図、図5はインストール処理部203の構成の例を示す図、図6は必要データ提供部204の構成の例を示す図である。
【0016】
PC教室ネットワーク1は、図1に示すように、複数台の端末装置2a,2b,2c,…、および通信回線4などによって構成される。端末装置2a,2b,2c,…は、通信回線4を介して互いに通信を行うことができる。以下、端末装置2a,2b,2c,…を「端末装置2」と総称することがある。
【0017】
PC教室ネットワーク1は、小学校、中学校、高校、または大学などの学校のPC教室に設けられているネットワークシステムである。PC教室ネットワーク1には、ワープロソフト、表計算ソフト、描画ソフト、または音楽編集ソフトなど様々なアプリケーションソフトが用意されている。生徒および教師など(以下、「ユーザ」と記載する。)は、端末装置2を操作してこれらのアプリケーションソフトを使用することができる。各ユーザは、複数台の端末装置2のうちどれを使用するべきか特に決められておらず、毎回異なる端末装置2を使用することができる。
【0018】
PC教室ネットワーク1の管理者は、これらのアプリケーションソフトをすべての端末装置2にインストールしておく必要はない。少なくともいずれか1台の端末装置2に予めインストールしておけばよい。端末装置2は、ユーザが使用しようとしたアプリケーションソフトが自らにインストールされていない場合は、他の端末装置2からそのアプリケーションソフトを取得しインストールする。この仕組みについては、後に詳しく説明する。
【0019】
PC教室ネットワーク1が設けられている学校においては、ユーザ1人1人に対してUSBフラッシュメモリ6が1つずつ配付されている。USBフラッシュメモリ6には、そのUSBフラッシュメモリ6の所有者であるユーザがアプリケーションソフトの使用のためのライセンスを受けていることを示すデータ(以下、「ライセンスデータLD」と称する)が記憶されている。
【0020】
USBフラッシュメモリ6には、ユーザが複数のアプリケーションソフトのライセンスを受けている場合は、それら1つ1つのライセンスデータLDが記憶されている。さらに、USBフラッシュメモリ6には、これらのアプリケーションソフトをユーザに選択させるメニュー画面を端末装置2に表示するためのメニュー画面表示プログラムが記憶されている。
【0021】
ユーザは、PC教室に入室すると、誰も使用していない端末装置2を見つけ、その端末装置2にUSBフラッシュメモリ6を接続して、ライセンスを受けているアプリケーションソフトを使用する。この際、その端末装置2にそのアプリケーションソフトがインストールされていない場合は、他の端末装置2からそのアプリケーションソフトが取得され、その端末装置2にインストールされる。インストール後、ユーザはそのアプリケーションソフトを使用することができる。
【0022】
端末装置2は、図2に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、ハードディスク20d、USB(universal serial bus)インタフェース20e、液晶ディスプレイ20f、キーボード20g、ポインティングデバイス20h、およびネットワークインタフェース20iなどによって構成される。端末装置2として、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。
【0023】
USBインタフェース20eは、USBフラッシュメモリ、デジタルカメラ、およびマウスなどのUSBデバイスを端末装置2に接続するためのインタフェースである。
【0024】
ネットワークインタフェース20iは、他の端末装置2などとTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0025】
ROM20cまたはハードディスク20dには、図3に示すようなライセンス認証部201、アプリケーション存否判定部202、インストール処理部203、必要データ提供部204、アプリケーション起動部205、後処理部206、および実行禁止処理部207などを実現するためのプログラムおよびデータが記憶されている。さらに、ハードディスク20dには、上述のようなアプリケーションソフトがインストールされている場合がある。
【0026】
端末装置2は、これらの部位によって、他の端末装置2との間でアプリケーションソフトのやり取りの処理を行う。以下、これらの部位の処理内容を、端末装置2aが他のいずれかの端末装置2(2b,2c,…)からアプリケーションソフトを取得しインストールする場合を例に挙げて説明する。
【0027】
端末装置2aにおいて、ライセンス認証部201は、ユーザが起動させようとしたアプリケーションソフトのライセンスをそのユーザが受けていることを認証する処理を行う。この処理は、次のような手順で行われる。
【0028】
ユーザは、端末装置2aの席に着くと、自分のUSBフラッシュメモリ6を端末装置2aに接続する。すると、端末装置2aはメニュー画面表示プログラムをUSBフラッシュメモリ6からロードして起動する。起動後、端末装置2aのデスクトップには、図4のようなメニュー画面HG1が表示される。
【0029】
メニュー画面HG1には、そのUSBフラッシュメモリ6に記憶されているライセンスデータLDごとのアプリケーションソフトに対応するボタンBT(BT1、BT2、…)が配置されている。ここで、ユーザは、所望のアプリケーションソフトを、それに対応するボタンBTをクリックすることによって選択する。または、アプリケーションソフトのパスまたはプログラム名をキーボードで入力することによって選択してもよい。以下、ユーザが選択したアプリケーションソフトを「選択アプリケーションソフト」と記載する。
【0030】
すると、ライセンス認証部201は、選択アプリケーションソフトのライセンスデータLDがUSBフラッシュメモリ6に保存されているか否かをチェックし、そのライセンスデータLDが正しいものであるか否かを判定する。そして、正しいものであると判定できた場合は、そのユーザが選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていると認証する。
【0031】
アプリケーション存否判定部202は、ユーザが選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていることがライセンス認証部201によって認証されると、端末装置2a自身のハードディスク20dの中からその選択アプリケーションソフトを検索する。つまり、その選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する。
【0032】
なお、本実施形態では、説明の簡単のため、アプリケーションソフトが1つのプログラムファイル(いわゆる実行ファイルまたはEXEファイル)だけで構成されている場合を例に説明する。複数のファイルを要するアプリケーションソフトの場合の処理については、後に説明する。また、選択アプリケーションソフトを構成するプログラムファイルを「プログラムファイルND」と記載する。
【0033】
インストール処理部203は、図5に示すように、存否問合せ処理部231、存否回答受信部232、必要データ要求部233、必要データ受信部234、およびインストール実行部235によって構成される。このような構成により、インストール処理部203は、その選択アプリケーションソフトが端末装置2aにインストールされていないとアプリケーション存否判定部202によって判定された場合に、他の端末装置2(2b、2c、…)のいずれかからその選択アプリケーションソフトを取得し端末装置2a自身にインストールする処理を行う。
【0034】
一方、端末装置2b、2c、…の必要データ提供部204は、図6に示すように、存否問合せ受信部241、アプリケーション存否判定部242、存否回答部243、必要データ要求受信部244、および必要データ送信部245によって構成される。必要データ提供部204は、このような構成により、他の端末装置(本例は、端末装置2a)からの要求に基づいて、自らが有するアプリケーションソフトを当該他の端末装置に提供するための処理を行う。
【0035】
図7はアプリケーションソフトを取得してインストールするための処理の流れの例を説明するフローチャート、図8はアプリケーションソフトを他の端末装置に提供するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0036】
ここで、端末装置2aのインストール処理部203を構成する各部および端末装置2b、2c、…の必要データ提供部204を構成する各部の処理を、図7および図8のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
端末装置2aの存否問合せ処理部231は、選択アプリケーションソフトが端末装置2a自身にインストールされていないとアプリケーション存否判定部202によって判定されると、選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを問い合わせるための信号である存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、端末装置2b、2c、…に送信する(図7の#201)。
【0038】
すると、端末装置2b、2c、…のそれぞれにおいて、存否問合せ受信部241は、端末装置2aから存否問合せ信号TSを受信する(図8の#501)。プログラム存否判定部242は、自らのハードディスク20dの中からその選択アプリケーションソフトを検索する(#502)。つまり、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する。
【0039】
存否回答送信部243は(#503でYes)、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされているとアプリケーション存否判定部242によって判定されると、インストールされている旨を示す信号である回答信号KSを問合せ元つまり端末装置2aに送信する(#504)。ここでは、端末装置2bの存否回答部243だけが回答信号KSを送信する。
【0040】
端末装置2aにおいて、存否回答受信部232が他のいずれかの端末装置2から回答信号KSを受信すると(#202)、当該他の端末装置2にその選択アプリケーションソフトに必要なデータがインストールされていると判別する。必要データ要求部233は、その選択アプリケーションソフトに必要なデータを要求する信号であるプログラムファイル要求信号PSを、その回答信号KSの送信元に対して送信する(#203)。本例では、存否回答受信部232は端末装置2bのみから回答信号KSを受信するので、必要データ要求部233は端末装置2bに対してプログラムファイル要求信号PSを送信する。
【0041】
なお、回答信号KSを複数の端末装置2から受信した場合は、いずれか1つの端末装置2にプログラムファイル要求信号PSを送信すればよい。例えば、最も早く受信した回答信号KSの送信元に、必要データ要求信号PSを送信すればよい。
【0042】
端末装置2bにおいて、必要データ要求受信部244は、端末装置2aからプログラムファイル要求信号PSを受信する(#505)。
【0043】
端末装置2bの必要データ送信部245は、そのプログラムファイル要求信号PSに基づいてプログラムファイルNDを端末装置2bのハードディスク20dから読み出し、要求元つまり端末装置2aに送信する(#506)。
【0044】
端末装置2aにおいて、必要データ受信部234は、端末装置2bからプログラムファイルNDを受信する(#204)。
【0045】
そして、インストール実行部235は、受信されたプログラムファイルNDを端末装置2a自身のハードディスク20dに記憶させることによって、選択アプリケーションソフトをインストールする(#205)。
【0046】
図3に戻って、アプリケーション起動部205は、ユーザが指定した選択アプリケーションソフトを起動させる。これにより、ユーザは、その選択アプリケーションソフトを用いて種々の処理を端末装置2に行わせることができる。なお、この選択アプリケーションソフトは、上述の通り、今回の指定に伴って他の端末装置2から取得されインストールされたものである場合もあれば、それ以前からその端末装置2自身にインストールされていたものである場合もある。
【0047】
後処理部206は、ユーザの操作などによって選択アプリケーションソフトが終了したことを検知すると、選択アプリケーションソフトをアンインストールする処理を行う。
【0048】
図9は選択アプリケーションソフトを終了した後の処理の流れの例を説明するフローチャートである。ここで、端末装置2aの後処理部206を例に、後処理部206の処理の手順を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
選択アプリケーションソフトが終了すると、その選択アプリケーションソフトについての存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、他の端末装置2(端末装置2b、2c、…)に送信する(図9の#301)。これらの他の端末装置2は、存否問合せ信号TSを受信すると、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、回答信号KSを端末装置2aに送信する。
【0050】
回答信号KSを他のいずれかの端末装置2から受信すると(#302でYes)、端末装置2a以外にも選択アプリケーションソフトがインストールされている端末装置2が存在すると判断できる。そこで、端末装置2a自身のハードディスク20dからその選択アプリケーションソフトをアンインストールする(#303)。
【0051】
回答信号KSをどの端末装置2からも受信しなかった場合は(#302でNo)、選択アプリケーションソフトが端末装置2b、2c、…にはインストールされていない、つまり、端末装置2aにしかインストールされていないと判断できる。そこで、アンインストールは行わない。
【0052】
なお、上述の選択アプリケーションソフトのインストールの処理の場合と同様に、存否問合せ信号TSが送信されてから一定の時間が経過して1つも回答信号KSが受信されない場合は、選択アプリケーションソフトが他のいずれの端末装置2(端末装置2b、2c、…)にもインストールされていないと判断してもよい。次に説明する実行禁止処理部207も、同様に判断する。
【0053】
図3に戻って、実行禁止処理部207は、ユーザがメニュー画面HG1(図4参照)の中から選択したアプリケーションソフト(選択アプリケーションソフト)のライセンスを受けていないとライセンス認証部201によって判別された場合に、その選択アプリケーションソフトを実行(起動)するのを禁止する。
【0054】
すなわち、例えば、そのユーザがその端末装置2を使用している間は、その選択アプリケーションソフトがメニュー画面HG1において何度選択されても実行するのを拒否する。パスまたはプログラム名をキーボードで指定されても、実行するのを拒否する。また、他の端末装置2にもその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、その選択アプリケーションソフトをその端末装置2自身からアンインストールする。
【0055】
図10は選択アプリケーションソフトの実行を禁止するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。ここで、端末装置2aの実行禁止処理部207が選択アプリケーションソフトをアンインストールする際の処理の手順を、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
ユーザがその選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていることがライセンス認証部201によって認証されなかった場合は、その選択アプリケーションソフトについての存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、他の端末装置2(端末装置2b、2c、…)に送信する(図10の#401)。これらの他の端末装置2は、存否問合せ信号TSを受信すると、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、回答信号KSを端末装置2aに送信する。
【0057】
回答信号KSを他のいずれかの端末装置2から受信すると(#402でYes)、端末装置2a以外にその選択アプリケーションソフトがインストールされている端末装置2が存在するので、端末装置2a自身のハードディスク20dからその選択アプリケーションソフトをアンインストールする(#403)。
【0058】
回答信号KSを他のいずれの端末装置2からも受信しなかった場合は(#402でNo)、その選択アプリケーションソフトがインストールされているのは端末装置2aだけなので、アンインストールは行わない。
【0059】
そして、「選択したアプリケーションソフトを使用することはできません。」などのメッセージを、端末装置2aの液晶ディスプレイ20fに表示して(#404)、アプリケーションソフトを実行させることなく、処理を終了する。
【0060】
図11はユーザに使用される際の端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0061】
次に、あるユーザXが端末装置2aを使用する際の端末装置2aの処理の流れを、図11を参照しながら説明する。
【0062】
ユーザXが自分のUSBフラッシュメモリ6を端末装置2aに接続すると、端末装置2aは、ユーザXがライセンスを受けているアプリケーションソフトの一覧を示すメニュー画面HG1を液晶ディスプレイ20fに表示する(図11の#101)。
【0063】
ユーザXが所望のアプリケーションソフトを選択すると(#102)、端末装置2aは、USBフラッシュメモリ6に保存されているライセンスデータLDを用いて、ライセンスの認証を行う(#103)。
【0064】
ユーザXが正しいライセンスを受けている場合は(#104でYes)、端末装置2aは、自らに選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する(#105)。
【0065】
端末装置2aに選択アプリケーションソフトがインストールされていないと判定された場合は(#106でNo)、端末装置2b、2c、…のいずれかから選択アプリケーションソフトを取得し端末装置2aにインストールする処理を行う(#107)。ステップ#107の処理は、図7を用いて前に説明した通りである。
【0066】
選択アプリケーションソフトをインストールすると、選択アプリケーションソフトを起動させ、ユーザの操作などに従って種々の処理を実行する(#108)。
【0067】
ユーザが選択アプリケーションソフトを終了させると、端末装置2aは、その選択アプリケーションソフトをアンインストールするための処理(後処理)を行う(#109)。ステップ#109の処理は、図9を用いて前に説明した通りである。
【0068】
既に端末装置2aにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は(#106でYes)、他の端末装置2からそれを取得することなく、それを起動する(#108)。
【0069】
ユーザが正しいライセンスを受けていない場合は(#104でNo)、その選択アプリケーションソフトの実行を禁止する(#110)。その際に、その選択アプリケーションソフトを適宜、アンインストールする。アンインストールの処理の手順は、図10を用いて前に説明した通りである。
【0070】
本実施形態によると、PC教室ネットワーク1の管理者は、1つのアプリケーションソフトを、使用される可能性のあるすべての端末装置2にインストールする必要はなく、1台の端末装置2にインストールしておくだけでよい。
【0071】
よって、管理者は、PC教室ネットワーク1における端末装置2へのアプリケーションソフトのインストールを従来よりも簡便に行うことができる。また、ユーザは、自分が使いたいアプリケーションソフトがインストールされているか否かを調べることなく、端末装置2を自由に選ぶことができる。
【0072】
しかも、使用される可能性のあるすべての端末装置2の分のライセンスを用意する必要がなく、使用するユーザの人数分だけ用意すればよいので、ライセンスに掛かる費用を従来よりも抑えることができる場合がある。特に、使用するユーザの人数が端末装置2の台数よりも少ないアプリケーションソフトのライセンスの費用を効果的に抑えることができる。このようなライセンス管理は、ユーザごとに、使用するアプリケーションソフトのライセンスデータLDを記憶させたUSBフラッシュメモリ6を配付することによって、容易に実現することができる。
【0073】
また、本実施形態によると、端末装置2は、他の端末装置2にも同じアプリケーションソフトがインストールされていれば、そのアプリケーションソフトをアンインストールする。よって、PC教室ネットワーク1全体として取り扱うアプリケーションソフトの品数が多くなっても、それぞれの端末装置2にインストールされているアプリケーションソフトが複雑になることはなく、端末装置2の管理の作業を従来よりも簡便にすることができる。
【0074】
また、本実施形態によると、いわゆるライセンスサーバを用意する必要がないので、PC教室ネットワークを簡単に構成することができる。
【0075】
図12はアプリケーションソフトのやり取りの処理の流れの変形例を説明するフローチャートである。
【0076】
本実施形態では、端末装置2aが選択アプリケーションソフトを提供してもらうための処理を実行し、端末装置2b、2c、…が選択アプリケーションソフトを提供するための処理を実行する場合を例に説明したが、端末装置2aも他の端末装置2に対して選択アプリケーションソフトを提供するための処理を実行することがある。また、端末装置2b、2c、…も、他の端末装置2から選択アプリケーションソフトを提供してもらうための処理を実行することがある。つまり、端末装置2a、2b、2c、…はすべて、アプリケーションソフトのサーバとして機能することもあれば、クライアントとして機能することもある。
【0077】
アプリケーションソフトが複数のファイルによって構成される場合は、そのアプリケーションソフトのインストーラおよびアンインストーラを用意しておけばよい。そして、提供側の端末装置2は、要求側の端末装置2に対してこれらのインストーラおよびアンインストーラを提供すればよい。
【0078】
または、図12に示すような方法で、選択アプリケーションソフトのファイルを提供してもよい。以下、提供する側の端末装置2が端末装置2bであり、提供される側の端末装置2が端末装置2aである場合を例に説明する。
【0079】
端末装置2bは、選択アプリケーションソフトのメインプログラムのファイルのみを端末装置2aに対して送信する(図12の#251)。
【0080】
端末装置2aは、これを受信し自らのハードディスク20dに保存する(#261)。そして、メインプログラムを起動する(#262)。
【0081】
メインプログラムを実行している最中に必要なファイルが生じたら(#264でYes)、端末装置2bに対してそのファイルを要求する(#265)。
【0082】
端末装置2bは、要求を受け付けると(#252)、その要求に係るファイルを端末装置2aに送信する(#253)。
【0083】
端末装置2aは、このファイルを受信し自らのハードディスク20dに保存する(#266)。
【0084】
アプリケーションソフトが終了するまでの間、必要なファイルが生じるたびに、端末装置2bに対してそれを要求する。なお、必要なファイルは、常に端末装置2bに対して要求するのではなく、端末装置2b以外の端末装置2に対して要求してもよい。
【0085】
本実施形態では、図9で説明したアプリケーションソフトのアンインストールの処理を、そのアプリケーションソフトが終了する際に実行する例を説明したが、そのアプリケーションソフトが一定期間起動されないときに実行するようにしてもよい。
【0086】
本実施形態では、USBフラッシュメモリ6にライセンスデータLDを記憶しておく場合を例に説明したが、サーバでライセンスデータLDを一元管理し、ネットワークへのログインによりライセンスを認証するようにしてもよい。
【0087】
本実施形態では、学校のPC教室に設けられているPC教室ネットワーク1を例に説明したが、本発明は、学校以外に設けられている複数台の端末装置によって構成されるネットワークシステムにも適用可能である。例えば、企業の研修室およびインターネットカフェなどにも適用可能である。
【0088】
本実施形態では、端末装置2としてパーソナルコンピュータを用いる場合を例に説明したが、PDA(personal digital assistant)または携帯電話などを用いてもよい。
【0089】
その他、PC教室ネットワーク1、端末装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】PC教室ネットワークの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】端末装置の機能的構成の例を示す図である。
【図4】メニュー画面の例を示す図である。
【図5】インストール処理部の構成の例を示す図である。
【図6】必要データ提供部の構成の例を示す図である。
【図7】アプリケーションソフトを取得してインストールするための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図8】アプリケーションソフトを他の端末装置に提供するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図9】選択アプリケーションソフトを終了した後の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図10】選択アプリケーションソフトの実行を禁止するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図11】ユーザに使用される際の端末装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図12】アプリケーションソフトのやり取りの処理の流れの変形例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 PC教室ネットワーク(ネットワークシステム)
2 端末装置(コンピュータ)
2a 端末装置(第一のコンピュータ)
2b 端末装置(第二のコンピュータ)
202 アプリケーション存否判定部(プログラム存否判定手段)
203 インストール処理部(データ取得手段、インストール手段)
204 必要データ提供部(必要データ提供手段)
206 後処理部(検出手段、削除手段)
234 必要データ受信部(データ取得手段)
235 インストール実行部(インストール手段)
ND プログラムファイル(必要なデータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザが共有するコンピュータなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小学校、中学校、高校、または大学などの学校に、複数台の端末装置が配置されたPC教室が設けられている。
【0003】
このようなPC教室においては、生徒および教師などが、空席を見つけて着席し、その席に置かれたパーソナルコンピュータなどの端末装置を操作して、様々なアプリケーションソフトを使用する。
【0004】
特許文献1には、上述のPC教室のような複数台のコンピュータが配置されている環境において、それらのコンピュータにソフトウェアツールをインストールするインスタレーション方法が、開示されている。このインスタレーション方法によると、はじめに、ソフトウェアツール毎に決められたコマンドをコンピュータのユーザが入力する。すると、そのソフトウェアツールがそのコンピュータに存在しない場合は、ホストコンピュータからそのソフトウェアツールがダウンロードされ、ユーザが使用するコンピュータにおいて起動される。
【特許文献1】特開平5−274123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法によると、PC教室においては、例えば、ある1つのアプリケーションソフトを使用するユーザの人数よりも端末装置の台数の方が多い場合であっても、全ての端末装置にそのアプリケーションソフトをインストールしておく必要がある。ユーザが、どの端末装置を使用する場合であっても、そのアプリケーションソフトを使用できるようにするためである。
【0006】
しかし、この方法では、1〜2人のみが使用するアプリケーションソフトを含む、各ユーザが使用する全てのアプリケーションソフトを、あらかじめ全ての端末装置にインストールしておく必要がある。端末装置が数十台〜数百台におよぶ場合は、その作業量は膨大である。
【0007】
さらに、使用に際してCPUライセンスが必要なアプリケーションソフトに関しては、そのアプリケーションソフトを使用するユーザの数が2〜3人であったとしても、インストールする端末装置の台数分のライセンスを購入しなければならない。
【0008】
特許文献1の方法によると、端末装置ごとに、インストールするアプリケーションソフトをあらかじめ決めておかなければならない。したがって、PC教室において、ユーザは、自らが使用しようとするアプリケーションソフトによって、操作できる端末装置がおのずと限定されてしまう。
【0009】
本発明は、このような点に鑑み、PC教室における端末装置へのアプリケーションソフトのインストールを、従来よりも費用を抑えながらも簡便に行い、かつ、ユーザが使用できる端末装置の選択の余地を広げることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るコンピュータは、他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータであって、前記コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールするインストール手段と、前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする削除手段と、を有する。
【0011】
好ましくは、前記インストール手段は、前記プログラムの実行権限を有するユーザが実行させようとした場合にのみ、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする。
【0012】
または、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされているか否かを判別するプログラム所有判別手段、を有し、前記削除手段は、前記プログラム所有判別手段にて、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされていると判別された場合は当該プログラムをアンインストールする処理を実行する。
【0013】
本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、第一のコンピュータと第二のコンピュータとが接続されたネットワークシステムであって、前記第一のコンピュータは、前記第一のコンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該第一のコンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、前記プログラムが当該第一のコンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記第二のコンピュータから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該第一のコンピュータにインストールするインストール手段と、前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、前記プログラムをアンインストールする削除手段と、を有し、前記第二のコンピュータは、前記第一のコンピュータから前記プログラムの前記必要なデータを要求された場合に、当該必要なデータを提供する、必要データ提供手段、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、PC教室における端末装置へのアプリケーションソフトのインストールを、従来よりも費用を抑えながらも簡便に行い、かつ、ユーザが使用できる端末装置の選択の余地を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はPC教室ネットワーク1の全体的な構成の例を示す図、図2は端末装置2のハードウェア構成の例を示す図、図3は端末装置2の機能的構成の例を示す図、図4はメニュー画面の例を示す図、図5はインストール処理部203の構成の例を示す図、図6は必要データ提供部204の構成の例を示す図である。
【0016】
PC教室ネットワーク1は、図1に示すように、複数台の端末装置2a,2b,2c,…、および通信回線4などによって構成される。端末装置2a,2b,2c,…は、通信回線4を介して互いに通信を行うことができる。以下、端末装置2a,2b,2c,…を「端末装置2」と総称することがある。
【0017】
PC教室ネットワーク1は、小学校、中学校、高校、または大学などの学校のPC教室に設けられているネットワークシステムである。PC教室ネットワーク1には、ワープロソフト、表計算ソフト、描画ソフト、または音楽編集ソフトなど様々なアプリケーションソフトが用意されている。生徒および教師など(以下、「ユーザ」と記載する。)は、端末装置2を操作してこれらのアプリケーションソフトを使用することができる。各ユーザは、複数台の端末装置2のうちどれを使用するべきか特に決められておらず、毎回異なる端末装置2を使用することができる。
【0018】
PC教室ネットワーク1の管理者は、これらのアプリケーションソフトをすべての端末装置2にインストールしておく必要はない。少なくともいずれか1台の端末装置2に予めインストールしておけばよい。端末装置2は、ユーザが使用しようとしたアプリケーションソフトが自らにインストールされていない場合は、他の端末装置2からそのアプリケーションソフトを取得しインストールする。この仕組みについては、後に詳しく説明する。
【0019】
PC教室ネットワーク1が設けられている学校においては、ユーザ1人1人に対してUSBフラッシュメモリ6が1つずつ配付されている。USBフラッシュメモリ6には、そのUSBフラッシュメモリ6の所有者であるユーザがアプリケーションソフトの使用のためのライセンスを受けていることを示すデータ(以下、「ライセンスデータLD」と称する)が記憶されている。
【0020】
USBフラッシュメモリ6には、ユーザが複数のアプリケーションソフトのライセンスを受けている場合は、それら1つ1つのライセンスデータLDが記憶されている。さらに、USBフラッシュメモリ6には、これらのアプリケーションソフトをユーザに選択させるメニュー画面を端末装置2に表示するためのメニュー画面表示プログラムが記憶されている。
【0021】
ユーザは、PC教室に入室すると、誰も使用していない端末装置2を見つけ、その端末装置2にUSBフラッシュメモリ6を接続して、ライセンスを受けているアプリケーションソフトを使用する。この際、その端末装置2にそのアプリケーションソフトがインストールされていない場合は、他の端末装置2からそのアプリケーションソフトが取得され、その端末装置2にインストールされる。インストール後、ユーザはそのアプリケーションソフトを使用することができる。
【0022】
端末装置2は、図2に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、ハードディスク20d、USB(universal serial bus)インタフェース20e、液晶ディスプレイ20f、キーボード20g、ポインティングデバイス20h、およびネットワークインタフェース20iなどによって構成される。端末装置2として、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。
【0023】
USBインタフェース20eは、USBフラッシュメモリ、デジタルカメラ、およびマウスなどのUSBデバイスを端末装置2に接続するためのインタフェースである。
【0024】
ネットワークインタフェース20iは、他の端末装置2などとTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0025】
ROM20cまたはハードディスク20dには、図3に示すようなライセンス認証部201、アプリケーション存否判定部202、インストール処理部203、必要データ提供部204、アプリケーション起動部205、後処理部206、および実行禁止処理部207などを実現するためのプログラムおよびデータが記憶されている。さらに、ハードディスク20dには、上述のようなアプリケーションソフトがインストールされている場合がある。
【0026】
端末装置2は、これらの部位によって、他の端末装置2との間でアプリケーションソフトのやり取りの処理を行う。以下、これらの部位の処理内容を、端末装置2aが他のいずれかの端末装置2(2b,2c,…)からアプリケーションソフトを取得しインストールする場合を例に挙げて説明する。
【0027】
端末装置2aにおいて、ライセンス認証部201は、ユーザが起動させようとしたアプリケーションソフトのライセンスをそのユーザが受けていることを認証する処理を行う。この処理は、次のような手順で行われる。
【0028】
ユーザは、端末装置2aの席に着くと、自分のUSBフラッシュメモリ6を端末装置2aに接続する。すると、端末装置2aはメニュー画面表示プログラムをUSBフラッシュメモリ6からロードして起動する。起動後、端末装置2aのデスクトップには、図4のようなメニュー画面HG1が表示される。
【0029】
メニュー画面HG1には、そのUSBフラッシュメモリ6に記憶されているライセンスデータLDごとのアプリケーションソフトに対応するボタンBT(BT1、BT2、…)が配置されている。ここで、ユーザは、所望のアプリケーションソフトを、それに対応するボタンBTをクリックすることによって選択する。または、アプリケーションソフトのパスまたはプログラム名をキーボードで入力することによって選択してもよい。以下、ユーザが選択したアプリケーションソフトを「選択アプリケーションソフト」と記載する。
【0030】
すると、ライセンス認証部201は、選択アプリケーションソフトのライセンスデータLDがUSBフラッシュメモリ6に保存されているか否かをチェックし、そのライセンスデータLDが正しいものであるか否かを判定する。そして、正しいものであると判定できた場合は、そのユーザが選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていると認証する。
【0031】
アプリケーション存否判定部202は、ユーザが選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていることがライセンス認証部201によって認証されると、端末装置2a自身のハードディスク20dの中からその選択アプリケーションソフトを検索する。つまり、その選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する。
【0032】
なお、本実施形態では、説明の簡単のため、アプリケーションソフトが1つのプログラムファイル(いわゆる実行ファイルまたはEXEファイル)だけで構成されている場合を例に説明する。複数のファイルを要するアプリケーションソフトの場合の処理については、後に説明する。また、選択アプリケーションソフトを構成するプログラムファイルを「プログラムファイルND」と記載する。
【0033】
インストール処理部203は、図5に示すように、存否問合せ処理部231、存否回答受信部232、必要データ要求部233、必要データ受信部234、およびインストール実行部235によって構成される。このような構成により、インストール処理部203は、その選択アプリケーションソフトが端末装置2aにインストールされていないとアプリケーション存否判定部202によって判定された場合に、他の端末装置2(2b、2c、…)のいずれかからその選択アプリケーションソフトを取得し端末装置2a自身にインストールする処理を行う。
【0034】
一方、端末装置2b、2c、…の必要データ提供部204は、図6に示すように、存否問合せ受信部241、アプリケーション存否判定部242、存否回答部243、必要データ要求受信部244、および必要データ送信部245によって構成される。必要データ提供部204は、このような構成により、他の端末装置(本例は、端末装置2a)からの要求に基づいて、自らが有するアプリケーションソフトを当該他の端末装置に提供するための処理を行う。
【0035】
図7はアプリケーションソフトを取得してインストールするための処理の流れの例を説明するフローチャート、図8はアプリケーションソフトを他の端末装置に提供するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0036】
ここで、端末装置2aのインストール処理部203を構成する各部および端末装置2b、2c、…の必要データ提供部204を構成する各部の処理を、図7および図8のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
端末装置2aの存否問合せ処理部231は、選択アプリケーションソフトが端末装置2a自身にインストールされていないとアプリケーション存否判定部202によって判定されると、選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを問い合わせるための信号である存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、端末装置2b、2c、…に送信する(図7の#201)。
【0038】
すると、端末装置2b、2c、…のそれぞれにおいて、存否問合せ受信部241は、端末装置2aから存否問合せ信号TSを受信する(図8の#501)。プログラム存否判定部242は、自らのハードディスク20dの中からその選択アプリケーションソフトを検索する(#502)。つまり、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する。
【0039】
存否回答送信部243は(#503でYes)、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされているとアプリケーション存否判定部242によって判定されると、インストールされている旨を示す信号である回答信号KSを問合せ元つまり端末装置2aに送信する(#504)。ここでは、端末装置2bの存否回答部243だけが回答信号KSを送信する。
【0040】
端末装置2aにおいて、存否回答受信部232が他のいずれかの端末装置2から回答信号KSを受信すると(#202)、当該他の端末装置2にその選択アプリケーションソフトに必要なデータがインストールされていると判別する。必要データ要求部233は、その選択アプリケーションソフトに必要なデータを要求する信号であるプログラムファイル要求信号PSを、その回答信号KSの送信元に対して送信する(#203)。本例では、存否回答受信部232は端末装置2bのみから回答信号KSを受信するので、必要データ要求部233は端末装置2bに対してプログラムファイル要求信号PSを送信する。
【0041】
なお、回答信号KSを複数の端末装置2から受信した場合は、いずれか1つの端末装置2にプログラムファイル要求信号PSを送信すればよい。例えば、最も早く受信した回答信号KSの送信元に、必要データ要求信号PSを送信すればよい。
【0042】
端末装置2bにおいて、必要データ要求受信部244は、端末装置2aからプログラムファイル要求信号PSを受信する(#505)。
【0043】
端末装置2bの必要データ送信部245は、そのプログラムファイル要求信号PSに基づいてプログラムファイルNDを端末装置2bのハードディスク20dから読み出し、要求元つまり端末装置2aに送信する(#506)。
【0044】
端末装置2aにおいて、必要データ受信部234は、端末装置2bからプログラムファイルNDを受信する(#204)。
【0045】
そして、インストール実行部235は、受信されたプログラムファイルNDを端末装置2a自身のハードディスク20dに記憶させることによって、選択アプリケーションソフトをインストールする(#205)。
【0046】
図3に戻って、アプリケーション起動部205は、ユーザが指定した選択アプリケーションソフトを起動させる。これにより、ユーザは、その選択アプリケーションソフトを用いて種々の処理を端末装置2に行わせることができる。なお、この選択アプリケーションソフトは、上述の通り、今回の指定に伴って他の端末装置2から取得されインストールされたものである場合もあれば、それ以前からその端末装置2自身にインストールされていたものである場合もある。
【0047】
後処理部206は、ユーザの操作などによって選択アプリケーションソフトが終了したことを検知すると、選択アプリケーションソフトをアンインストールする処理を行う。
【0048】
図9は選択アプリケーションソフトを終了した後の処理の流れの例を説明するフローチャートである。ここで、端末装置2aの後処理部206を例に、後処理部206の処理の手順を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
選択アプリケーションソフトが終了すると、その選択アプリケーションソフトについての存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、他の端末装置2(端末装置2b、2c、…)に送信する(図9の#301)。これらの他の端末装置2は、存否問合せ信号TSを受信すると、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、回答信号KSを端末装置2aに送信する。
【0050】
回答信号KSを他のいずれかの端末装置2から受信すると(#302でYes)、端末装置2a以外にも選択アプリケーションソフトがインストールされている端末装置2が存在すると判断できる。そこで、端末装置2a自身のハードディスク20dからその選択アプリケーションソフトをアンインストールする(#303)。
【0051】
回答信号KSをどの端末装置2からも受信しなかった場合は(#302でNo)、選択アプリケーションソフトが端末装置2b、2c、…にはインストールされていない、つまり、端末装置2aにしかインストールされていないと判断できる。そこで、アンインストールは行わない。
【0052】
なお、上述の選択アプリケーションソフトのインストールの処理の場合と同様に、存否問合せ信号TSが送信されてから一定の時間が経過して1つも回答信号KSが受信されない場合は、選択アプリケーションソフトが他のいずれの端末装置2(端末装置2b、2c、…)にもインストールされていないと判断してもよい。次に説明する実行禁止処理部207も、同様に判断する。
【0053】
図3に戻って、実行禁止処理部207は、ユーザがメニュー画面HG1(図4参照)の中から選択したアプリケーションソフト(選択アプリケーションソフト)のライセンスを受けていないとライセンス認証部201によって判別された場合に、その選択アプリケーションソフトを実行(起動)するのを禁止する。
【0054】
すなわち、例えば、そのユーザがその端末装置2を使用している間は、その選択アプリケーションソフトがメニュー画面HG1において何度選択されても実行するのを拒否する。パスまたはプログラム名をキーボードで指定されても、実行するのを拒否する。また、他の端末装置2にもその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、その選択アプリケーションソフトをその端末装置2自身からアンインストールする。
【0055】
図10は選択アプリケーションソフトの実行を禁止するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。ここで、端末装置2aの実行禁止処理部207が選択アプリケーションソフトをアンインストールする際の処理の手順を、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
ユーザがその選択アプリケーションソフトのライセンスを受けていることがライセンス認証部201によって認証されなかった場合は、その選択アプリケーションソフトについての存否問合せ信号TSを、ブロードキャストによって、他の端末装置2(端末装置2b、2c、…)に送信する(図10の#401)。これらの他の端末装置2は、存否問合せ信号TSを受信すると、自らにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は、回答信号KSを端末装置2aに送信する。
【0057】
回答信号KSを他のいずれかの端末装置2から受信すると(#402でYes)、端末装置2a以外にその選択アプリケーションソフトがインストールされている端末装置2が存在するので、端末装置2a自身のハードディスク20dからその選択アプリケーションソフトをアンインストールする(#403)。
【0058】
回答信号KSを他のいずれの端末装置2からも受信しなかった場合は(#402でNo)、その選択アプリケーションソフトがインストールされているのは端末装置2aだけなので、アンインストールは行わない。
【0059】
そして、「選択したアプリケーションソフトを使用することはできません。」などのメッセージを、端末装置2aの液晶ディスプレイ20fに表示して(#404)、アプリケーションソフトを実行させることなく、処理を終了する。
【0060】
図11はユーザに使用される際の端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0061】
次に、あるユーザXが端末装置2aを使用する際の端末装置2aの処理の流れを、図11を参照しながら説明する。
【0062】
ユーザXが自分のUSBフラッシュメモリ6を端末装置2aに接続すると、端末装置2aは、ユーザXがライセンスを受けているアプリケーションソフトの一覧を示すメニュー画面HG1を液晶ディスプレイ20fに表示する(図11の#101)。
【0063】
ユーザXが所望のアプリケーションソフトを選択すると(#102)、端末装置2aは、USBフラッシュメモリ6に保存されているライセンスデータLDを用いて、ライセンスの認証を行う(#103)。
【0064】
ユーザXが正しいライセンスを受けている場合は(#104でYes)、端末装置2aは、自らに選択アプリケーションソフトがインストールされているか否かを判定する(#105)。
【0065】
端末装置2aに選択アプリケーションソフトがインストールされていないと判定された場合は(#106でNo)、端末装置2b、2c、…のいずれかから選択アプリケーションソフトを取得し端末装置2aにインストールする処理を行う(#107)。ステップ#107の処理は、図7を用いて前に説明した通りである。
【0066】
選択アプリケーションソフトをインストールすると、選択アプリケーションソフトを起動させ、ユーザの操作などに従って種々の処理を実行する(#108)。
【0067】
ユーザが選択アプリケーションソフトを終了させると、端末装置2aは、その選択アプリケーションソフトをアンインストールするための処理(後処理)を行う(#109)。ステップ#109の処理は、図9を用いて前に説明した通りである。
【0068】
既に端末装置2aにその選択アプリケーションソフトがインストールされている場合は(#106でYes)、他の端末装置2からそれを取得することなく、それを起動する(#108)。
【0069】
ユーザが正しいライセンスを受けていない場合は(#104でNo)、その選択アプリケーションソフトの実行を禁止する(#110)。その際に、その選択アプリケーションソフトを適宜、アンインストールする。アンインストールの処理の手順は、図10を用いて前に説明した通りである。
【0070】
本実施形態によると、PC教室ネットワーク1の管理者は、1つのアプリケーションソフトを、使用される可能性のあるすべての端末装置2にインストールする必要はなく、1台の端末装置2にインストールしておくだけでよい。
【0071】
よって、管理者は、PC教室ネットワーク1における端末装置2へのアプリケーションソフトのインストールを従来よりも簡便に行うことができる。また、ユーザは、自分が使いたいアプリケーションソフトがインストールされているか否かを調べることなく、端末装置2を自由に選ぶことができる。
【0072】
しかも、使用される可能性のあるすべての端末装置2の分のライセンスを用意する必要がなく、使用するユーザの人数分だけ用意すればよいので、ライセンスに掛かる費用を従来よりも抑えることができる場合がある。特に、使用するユーザの人数が端末装置2の台数よりも少ないアプリケーションソフトのライセンスの費用を効果的に抑えることができる。このようなライセンス管理は、ユーザごとに、使用するアプリケーションソフトのライセンスデータLDを記憶させたUSBフラッシュメモリ6を配付することによって、容易に実現することができる。
【0073】
また、本実施形態によると、端末装置2は、他の端末装置2にも同じアプリケーションソフトがインストールされていれば、そのアプリケーションソフトをアンインストールする。よって、PC教室ネットワーク1全体として取り扱うアプリケーションソフトの品数が多くなっても、それぞれの端末装置2にインストールされているアプリケーションソフトが複雑になることはなく、端末装置2の管理の作業を従来よりも簡便にすることができる。
【0074】
また、本実施形態によると、いわゆるライセンスサーバを用意する必要がないので、PC教室ネットワークを簡単に構成することができる。
【0075】
図12はアプリケーションソフトのやり取りの処理の流れの変形例を説明するフローチャートである。
【0076】
本実施形態では、端末装置2aが選択アプリケーションソフトを提供してもらうための処理を実行し、端末装置2b、2c、…が選択アプリケーションソフトを提供するための処理を実行する場合を例に説明したが、端末装置2aも他の端末装置2に対して選択アプリケーションソフトを提供するための処理を実行することがある。また、端末装置2b、2c、…も、他の端末装置2から選択アプリケーションソフトを提供してもらうための処理を実行することがある。つまり、端末装置2a、2b、2c、…はすべて、アプリケーションソフトのサーバとして機能することもあれば、クライアントとして機能することもある。
【0077】
アプリケーションソフトが複数のファイルによって構成される場合は、そのアプリケーションソフトのインストーラおよびアンインストーラを用意しておけばよい。そして、提供側の端末装置2は、要求側の端末装置2に対してこれらのインストーラおよびアンインストーラを提供すればよい。
【0078】
または、図12に示すような方法で、選択アプリケーションソフトのファイルを提供してもよい。以下、提供する側の端末装置2が端末装置2bであり、提供される側の端末装置2が端末装置2aである場合を例に説明する。
【0079】
端末装置2bは、選択アプリケーションソフトのメインプログラムのファイルのみを端末装置2aに対して送信する(図12の#251)。
【0080】
端末装置2aは、これを受信し自らのハードディスク20dに保存する(#261)。そして、メインプログラムを起動する(#262)。
【0081】
メインプログラムを実行している最中に必要なファイルが生じたら(#264でYes)、端末装置2bに対してそのファイルを要求する(#265)。
【0082】
端末装置2bは、要求を受け付けると(#252)、その要求に係るファイルを端末装置2aに送信する(#253)。
【0083】
端末装置2aは、このファイルを受信し自らのハードディスク20dに保存する(#266)。
【0084】
アプリケーションソフトが終了するまでの間、必要なファイルが生じるたびに、端末装置2bに対してそれを要求する。なお、必要なファイルは、常に端末装置2bに対して要求するのではなく、端末装置2b以外の端末装置2に対して要求してもよい。
【0085】
本実施形態では、図9で説明したアプリケーションソフトのアンインストールの処理を、そのアプリケーションソフトが終了する際に実行する例を説明したが、そのアプリケーションソフトが一定期間起動されないときに実行するようにしてもよい。
【0086】
本実施形態では、USBフラッシュメモリ6にライセンスデータLDを記憶しておく場合を例に説明したが、サーバでライセンスデータLDを一元管理し、ネットワークへのログインによりライセンスを認証するようにしてもよい。
【0087】
本実施形態では、学校のPC教室に設けられているPC教室ネットワーク1を例に説明したが、本発明は、学校以外に設けられている複数台の端末装置によって構成されるネットワークシステムにも適用可能である。例えば、企業の研修室およびインターネットカフェなどにも適用可能である。
【0088】
本実施形態では、端末装置2としてパーソナルコンピュータを用いる場合を例に説明したが、PDA(personal digital assistant)または携帯電話などを用いてもよい。
【0089】
その他、PC教室ネットワーク1、端末装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】PC教室ネットワークの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】端末装置の機能的構成の例を示す図である。
【図4】メニュー画面の例を示す図である。
【図5】インストール処理部の構成の例を示す図である。
【図6】必要データ提供部の構成の例を示す図である。
【図7】アプリケーションソフトを取得してインストールするための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図8】アプリケーションソフトを他の端末装置に提供するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図9】選択アプリケーションソフトを終了した後の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図10】選択アプリケーションソフトの実行を禁止するための処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図11】ユーザに使用される際の端末装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図12】アプリケーションソフトのやり取りの処理の流れの変形例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 PC教室ネットワーク(ネットワークシステム)
2 端末装置(コンピュータ)
2a 端末装置(第一のコンピュータ)
2b 端末装置(第二のコンピュータ)
202 アプリケーション存否判定部(プログラム存否判定手段)
203 インストール処理部(データ取得手段、インストール手段)
204 必要データ提供部(必要データ提供手段)
206 後処理部(検出手段、削除手段)
234 必要データ受信部(データ取得手段)
235 インストール実行部(インストール手段)
ND プログラムファイル(必要なデータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータにおいて、
前記コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールするインストール手段と、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする削除手段と、
を有することを特徴とするコンピュータ。
【請求項2】
前記インストール手段は、前記プログラムの実行権限を有するユーザが実行させようとした場合にのみ、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする、
請求項1記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされているか否かを判別するプログラム所有判別手段、を有し、
前記削除手段は、前記プログラム所有判別手段にて、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされていると判別された場合は当該プログラムをアンインストールする処理を実行する、
請求項1または請求項2記載のコンピュータ。
【請求項4】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータの管理方法であって、
当該コンピュータに、
当該コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定する処理を実行させ、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと判定した場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得する処理を実行させ、
取得した前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする処理を実行させ、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する処理を実行させ、
前記検出する処理にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータの管理方法。
【請求項5】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータに、
当該コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定する処理を実行させ、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと判定した場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得する処理を実行させ、
取得した前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする処理を実行させ、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する処理を実行させ、
前記検出する処理にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
第一のコンピュータと第二のコンピュータとが接続されたネットワークシステムにおいて、
前記第一のコンピュータは、
前記第一のコンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該第一のコンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、
前記プログラムが当該第一のコンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記第二のコンピュータから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該第一のコンピュータにインストールするインストール手段と、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、前記プログラムをアンインストールする削除手段と、を有し、
前記第二のコンピュータは、
前記第一のコンピュータから前記プログラムの前記必要なデータを要求された場合に、当該必要なデータを提供する、必要データ提供手段、を有する、
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項1】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータにおいて、
前記コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールするインストール手段と、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする削除手段と、
を有することを特徴とするコンピュータ。
【請求項2】
前記インストール手段は、前記プログラムの実行権限を有するユーザが実行させようとした場合にのみ、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする、
請求項1記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされているか否かを判別するプログラム所有判別手段、を有し、
前記削除手段は、前記プログラム所有判別手段にて、前記他の複数のコンピュータのいずれかに前記プログラムがインストールされていると判別された場合は当該プログラムをアンインストールする処理を実行する、
請求項1または請求項2記載のコンピュータ。
【請求項4】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータの管理方法であって、
当該コンピュータに、
当該コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定する処理を実行させ、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと判定した場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得する処理を実行させ、
取得した前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする処理を実行させ、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する処理を実行させ、
前記検出する処理にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータの管理方法。
【請求項5】
他の複数のコンピュータとデータ通信可能に接続されたコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータに、
当該コンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該コンピュータにインストールされているか否かを判定する処理を実行させ、
前記プログラムが当該コンピュータにインストールされていないと判定した場合に、前記他の複数のコンピュータのうちのいずれかから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得する処理を実行させ、
取得した前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該コンピュータにインストールする処理を実行させ、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する処理を実行させ、
前記検出する処理にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、当該プログラムをアンインストールする処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
第一のコンピュータと第二のコンピュータとが接続されたネットワークシステムにおいて、
前記第一のコンピュータは、
前記第一のコンピュータのユーザが実行させようとするプログラムが当該第一のコンピュータにインストールされているか否かを判定するプログラム存否判定手段と、
前記プログラムが当該第一のコンピュータにインストールされていないと前記プログラム存否判定手段によって判定された場合に、前記第二のコンピュータから当該プログラムを実行するのに必要なデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された前記プログラムの前記必要なデータに基づいて、当該プログラムを当該第一のコンピュータにインストールするインストール手段と、
前記ユーザが前記プログラムの利用を終了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段にて前記プログラムの利用が終了したと検出された場合に、前記プログラムをアンインストールする削除手段と、を有し、
前記第二のコンピュータは、
前記第一のコンピュータから前記プログラムの前記必要なデータを要求された場合に、当該必要なデータを提供する、必要データ提供手段、を有する、
ことを特徴とするネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−163400(P2009−163400A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340882(P2007−340882)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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