説明

コンピュータシステム、及び、このコンピュータシステムで用いられるキーボード

【課題】 使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができるコンピュータシステム及び、このコンピュータシステムで用いられるキーボードを提供する。
【解決手段】 キーボードの設定をユーザーが使用しやすいように変更しているので(S24)、いずれのコンピュータに接続しても、その変更後の設定でキーボードを利用することができる。また、キーボードにはICメモリが備えられ、中央制御装置での処理でICメモリの起動命令を受けると、ICメモリがマウントするよう構成されている。従って、このコンピュータシステムを用いると、キーボードをコンピュータに接続するだけで、その使い慣れたキーボードでコンピュータ1を操作することが可能となり、また、ICメモリにより、使い慣れた状態に保存されたデータをいつでも利用することができるため、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに対し、人の操作を受け付ける入力装置を付け替え可能に構成されたコンピュータシステム、及び、このドライバシステムで入力装置として用いられるキーボードに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
近年パソコンは、仕事や生活に欠かせない家電製品の一つとなっており、出先や旅行先等で他人のパソコンを使用する機会も多くなっている。
しかし、パソコンは、他人のパソコンは使い慣れなれていないので使いにくいものである。
【0003】
そこで本発明では、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができるコンピュータシステム及び、このコンピュータシステムで用いられるキーボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するための請求項1に記載のコンピュータシステムは、コンピュータに対し、人の操作を受け付ける入力装置を付け替え可能に構成されたコンピュータシステムであって、前記入力装置は、操作者の操作を受け付ける操作受付手段と、この操作受付手段で受け付けた結果を示す操作外部情報を前記コンピュータに出力する操作出力手段とを備え、前記コンピュータは、前記操作出力手段から入力した前記操作外部情報を当該コンピュータで利用可能な操作内部情報に変換する処理を実行する変換手段とを備え、さらに、前記入力装置は、前記コンピュータに対しマウント可能な記憶手段(すなわち、コンピュータが認識可能な記憶手段)を備え、当該コンピュータシステムは、前記記憶手段の起動命令を受け付ける命令受付手段備え、前記コンピュータは、前記命令受付手段で受け付けた前記起動命令に従って、前記コンピュータに対し前記記憶手段をマウントする接続手段を備えることを特徴とする。
【0005】
このように構成された本発明のコンピュータシステムでは、キーボードその他の入力装置で受け付けた操作をコンピュータ側で利用するための一般的な構成(操作受付手段、操作出力手段、変換手段)に加え、ハードディスクや半導体メモリその他で構成される記憶手段が入力装置に備えられている。そして、このコンピュータシステムでは、命令受付手段が記憶手段の起動命令を受けると、コンピュータに備えられ接続手段が記憶手段をマウントするよう構成されている。
【0006】
従って、請求項1記載のコンピュータシステムを用いると、入力装置をコンピュータに接続するだけで、その使い慣れた入力装置でコンピュータを操作することが可能であり、また、記憶手段をマウントすることにより、使い慣れた状態に保存されたデータをいつでも利用することができるため、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができる。また、このコンピュータシステムを用いると、コンピュータだけを散点的に配置しておけば、入力装置を持ち歩くだけで、どのコンピュータもユーザーの利用しやすい環境で利用することができる。しかも、このコンピュータシステムでは、そのような環境を構築しつつ、しかし、起動命令がないと記憶手段が起動しないので、必要がなければICM34を起動しないことで、一般記憶装置に記憶されたデータを適切に保護することができる。
【0007】
尚、命令受付手段は、請求項3に記載したように、操作受付手段と一体に構成されていてもよいし、コンピュータに備えられていても良い。そして、操作受付手段と一体に構成されている場合、請求項4に記載したように、起動命令は、起動を指示する内容の操作外部情報あるいは前記操作内部情報によりなされるよう構成してもよい。この場合、起動命令は、複数のキーの組み合わせでなされるものでもよいし、一般的な配列のキーに別途キーを設け、そのキーを押すだけでなされるものでもよい。
【0008】
また、入力手段は、請求項10に記載したキーボードやマウスに限らず、人の操作を受け付けるヒューマンインターフェイス装置であればどのようなものでもよく、またキーボードは、請求項11に記載したようにポインティングデバイス機能を備えていてもよい。
【0009】
さらに、記憶手段、特定記憶手段は、それぞれ、一つのメモリをいくつかのパーテーションに割ったうちの一つでもよいし、一つのメモリに作られた複数のフォルダのうちの一つでもよいし、複数のメモリの一つでもよい。また、メモリは、ハードディスクでもよいし、フラッシュメモリ等の半導体メモリでもよいことはもちろんである。また、記憶手段は複数あってもよい。その場合、命令受付手段は、いずれの記憶手段を起動するものかを区別して起動命令をすることができるよう構成することが好ましい。
【0010】
次に、請求項2に記載したように、接続手段は、ドライブ指定情報を含む起動命令に従って、指定されたドライブに記憶手段をマウントするよう構成してもよい。このように構成すると、コンピュータにマウントされるときのドライブが一定(例えば、Kドライブに設定されていれば、Kドライブに設定される)なので、使い慣れないパソコンでもより一層手軽に扱うことができる。
【0011】
次に、請求項5に記載したように、変換手段は、入力装置に対して設定された個人設定に基づいて、操作外部情報を操作内部情報に変換するよう構成してもよい。このようにすると、使い慣れた入力手段でどのコンピュータに対しても入力を行うことができる。
【0012】
次に、請求項6に記載したように、記憶手段の停止命令を受け付ける停止命令受付手段と、この停止命令受付手段で受け付けた停止命令に従って、コンピュータから記憶手段をアンマウントする切断手段とを備えるよう構成してもよい。このようにすると、停止命令受付手段を操作することにより、コンピュータにマウントされた記憶手段をコンピュータから自由に切り離すことができるので、例えば、接続が不要な記憶手段をコンピュータから切り離すことで、この記憶手段に記憶されたデータを確実に保護することができる。
【0013】
次に、請求項7に記載したように、停止命令受付手段は、操作受付手段と一体に構成されていてもよい。この場合、請求項8に記載したように、停止命令は、停止を指示する内容の操作外部情報あるいは操作内部情報で構成してもよい。この場合、停止命令は、複数のキーの組み合わせでなされるものでもよいし、一般的な配列のキーに別途キーを設け、そのキーを押すだけでなされるものでもよい。
【0014】
次に、請求項9に記載したように、コンピュータは、テレビ映像その他の動画を受信して表示出力する出力手段を備えていてもよい。
次に、請求項12に記載したように、入力装置は、折り畳み可能に構成されていてもよい。このように構成されていると、入力装置は携帯に便利なので、本発明のコンピュータシステムをより手軽に利用することができる。
【0015】
次に、請求項13に記載したように、コンピュータに備えられ、コンピュータで利用可能なアプリケーションのリストデータを記憶するリストデータ記憶手段と、入力装置に備えられ、ユーザーが予め指定したアプリケーションの個人リストデータを記憶する個人リストデータ記憶手段と、コンピュータに備えられ、接続検出手段が、入力装置の当該コンピュータへの接続を検出したら、リストデータと個人リストデータとを比較し、一致するアプリケーションのアイコンをモニタに表示するアイコン表示手段と、を備えてもよい。このようにすると、入力装置をコンピュータに接続したとき、コンピュータにインストールされているアプリケーションのうち、ユーザーが使用を予定しているアプリケーションのアイコンがモニタに表示される。従って、このコンピュータシステムを用いると、使い慣れないパソコンでもよりいっそう手軽に扱うことができる。
【0016】
次に、請求項14に記載したように、接続手段により記憶手段がコンピュータにマウントされると、コンピュータが備えるモニタに、マウントされた記憶手段のフォルダを表示するフォルダ表示手段を備えてもよい。このようにすると、記憶手段がマウントされれば、フォルダが表示されるので、記憶手段へのアクセスが容易になる。
【0017】
次に、請求項15に記載したように、請求項1〜14のいずれかに記載のコンピュータシステムで、入力装置として用いられるキーボードを用いると、上述したような効果をえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のコンピュータシステムで用いられるコンピュータ1及びキーボード3の内部構成を示すブロック図、図2は、コンピュータ1のHDD12や、キーボード3の中央制御装置30のROM30aに記憶されたプログラム(一点鎖線)やデータ(実線)をブロックで示した説明図で、(a)はHDD12、(b)はROM30aのブロック図、図3は、キーボード3の外観を説明するための説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はキーボード3を折り畳んだ様子を示す側面図、図4は、コンピュータ1のモニタ14に表示される画面の説明図で、(a)はキーボード3のコンピュータへの未接続時、(b)はキーボード3のコンピュータ1への接続時にモニタ14に表示される画面である。
【0019】
本実施形態のコンピュータシステムは、図1に示すように、コンピュータ1およびキーボード3を備えている。
コンピュータ1は、CPU、ROM、RAM等からなる中央制御装置10と、各種プログラムや各種データを記録可能なハードディスク12(以下HDD12という)と、中央制御装置10で実行される処理に従って各種画面を表示するモニタ14と、ホットプラグ(活線接続)可能に構成され、キーボード3その他の周辺機器をコンピュータ1に対し通信可能に接続可能なUSB規格のインターフェイス回路16と、フロッピーディスクドライブその他の機器18とを備えている(フロッピー:商標名)。中央制御装置10は、これら各装置12〜18と互いに通信して、本実施形態のコンピュータシステム、その他の処理を実行する。
【0020】
このように構成されたコンピュータ1のうち、HDD12には、図2(a)に示すような各種プログラムや各種データが記憶されている。
記憶されているプログラムは、オペレーティングシステム(以下「OS」という:例えばWindows(商標名)などが適用できる)120、本実施形態のコンピュータシステム122、キーボードドライバ124、仮想キーボードドライバ125、ICメモリドライバ126、アプリケーションソフト128、その他129に関するものである。尚、キーボードドライバ124、ICメモリドライバ126については、本実施形態のコンピュータ1は、様々な種類のキーボード、ICメモリーのそれぞれに適用可能な複数のドライバを備えているが、ここでは説明簡単のためそれぞれ一種類のドライバしか記載していない。また、アプリケーションソフト128についても、同様である。
【0021】
記憶されているデータは、コンピュータ1にインストールされているアプリケーションソフトの一覧を示すリストデータ130、各アプリケーションソフト起動用のアイコンの画像データ132、アプリケーションソフト128等を利用することによりユーザーが作成したユーザーデータ134、その他のデータ136である。尚、アイコンの画像データ132も、説明簡単のため、一つしか記載していない。
【0022】
キーボード3は、図1に示すように、MPU、ROM30a、RAM等からなる中央制御装置30と、複数のキーからなるキー群32と、各種プログラムや各種データを記録可能なICメモリー34a〜34c(以下ICM34a〜34c)と、コンピュータ1に対しキーボード3を通信可能に接続可能なUSB規格のインターフェイス回路36とを備えている。このうち、中央制御装置30は、キー群32、インターフェイス回路36と互いに通信して、本実施形態のコンピュータシステムについての処理や、キー群32を操作して入力を行うキー入力の機能に必要な処理やその他の処理を実行する。また、インターフェイス回路36はハブ機能を有しており、そのため、キーボード3をコンピュータ1に接続すると、コンピュータ1は、中央制御装置30及びキー群32と、各ICメモリー34a〜34cに対し、それぞれ別々に通信することができる。また、キーボード3は、図2に示すように、長さ方向の中央部分にヒンジ部39を備え、このヒンジ部39を中心に二つ折りに畳むことができるように構成されている。
【0023】
このように構成されたキーボード3のうち、ROM30aには、図2に示すような各種プログラムや各種データが記憶されている。
記憶されているプログラムは、キー入力300、その他302に関するものである。
【0024】
記憶されているデータは、ユーザーのキーボード3の個人設定に関する情報である個人設定データ310、ユーザーが使用するものとして予め設定したアプリケーションソフトの一覧を示す個人リストデータ312、キーボードの種類を示すキーボード種別データ314、各ICメモリ34a〜34cを起動するための起動データ316、各ICメモリ34a〜34cを停止するための停止データ318、その他のデータ320である。
【0025】
上記のように構成されたコンピュータ1では、電源が投入されると、中央制御装置10が、OS120をHDD12から読み出して実行する。すると、中央制御装置10は、OS120での処理に従って、コンピュータ1が備えている機器や、コンピュータ1に接続されている周辺機器用のドライバをHDD12から読み出して実行する。このとき、本実施形態では、図4(a)に示すように、インターネット用のアイコン14aと、コンピュータ1あるいはコンピュータ1に接続されているドライブにアクセスするためのフォルダ14b(Windows(商標名)の初期設定では「マイコンピュータ」という名で表示されるフォルダに相当する。)だけを表示する設定で起動する。
【0026】
一方、本実施形態の中央制御装置10は、OS120とは別に、コンピュータ1の電源投入時に、本実施形態のコンピュータシステム122も実行している。
以下、本実施形態のコンピュータシステムについて説明するが、まずは、キーボード3の接続の有無に関わらず実行される常時処理について説明する。
【0027】
ここで、図5は、キーボード3がコンピュータ1に接続されていないときにコンピュータ1の中央制御装置10で実行される常時処理のフローチャートである。
中央制御装置10は、この常時処理を開始すると、HDD12から仮想キーボードドライバ125を読み出して実行する(S10)。OS120を実行すると、OS120からコンピュータ1にキーボードが接続されていることを前提として、そのキーボードの種別を判定したり、キーボードの初期化を行ったり、キーボードドライバを実行するなどの処理が行われるので、本実施形態では、この仮想キーボードドライバ125を実行して、これらの処理に対応している。そして、OSが立ち上がって、このS10での処理が終了すると、次にS12の処理を実行する。
【0028】
S12では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定する処理を実行する。本実施形態のインターフェイス回路16は、ホットプラグ(活線接続)が可能な回路であり、キーボード3が接続されると、その旨を伝える接続信号が中央制御装置10に出力される。そのため、ここ(S12)では、中央制御装置10は、この接続信号が入力されたか否かにより、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定している。そしてこの判定(S12)で、キーボード3が接続されていないと判定された場合は(S12:NO)、S14の処理を実行する。一方、この判定(S12)で、キーボード3が接続されたと判定された場合は(S12:YES)、S20の処理を実行する。尚、S14〜S18の処理は、S20以降の処理の説明が終わった後に説明する。
【0029】
S20では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1に接続されていることを示す後述するONフラグが中央制御装置10に立っているか否かを判定する。この判定で、ONフラグが立っていると判定されたら(S20:YES)、再びS12の処理を実行し、ONフラグが立っていないと判定されたら(S20:NO)、次にS22の処理を実行する。
【0030】
S22の処理では、S12でキーボード3の接続が検出されていると、この処理を開始する時までにすでに、インターフェイス回路16を介してコンピュータ1側からキーボード3に電源が供給され、中央制御装置30が処理を開始しているので、中央制御装置10は、キーボード3の中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶されたキーボード種別データ314(図2(b)参照)を読み出す処理を実行する。ここで、キーボードの種別とは、例えば、101/102英語キーボード、106 日本語(A01)キーボードと言った種別である。そして、中央制御装置10は、キーボード種別データ314を読み出し、このキーボード種別データ314に基づいて、HDD12からキーボードドライバ124(図2(a)参照)を検索して読出し、次にS24の処理を実行する。
【0031】
S24では、中央制御装置10は、再び中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された個人設定データ310(図2(b)参照)を読み出す処理を実行する。そして、中央制御装置10は、その読み出したキーボード種別データ314に基づいて、S22で読み出したキーボードドライバ124を更新し、その更新したキーボードドライバ124を実行する。これ以後、キーボード3でのコンピュータ1への入力が可能となる。そして、S10で処理を開始した、仮想キーボードドライバを停止する。
【0032】
尚、キーボード3では、電源の供給が開始されると、中央制御装置30がキー入力のプログラムを開始し、キー群32のスキャンを開始して操作されたキーに対応するスキャンコードをコンピュータ1に送信する処理を開始する。キーボードドライバ124は、そのスキャンコードをOS120で処理可能な対応する仮想キーコードに変換する処理を行う。ここで本実施形態でいうところの個人設定データ310は、ユーザーが個別に各キーに割り当てられていた設定を変更したことを示す情報で、例えば、左右にShiftキーがある場合に一方をTabキーに変更するといった類のものである。本実施形態では、HDD12に記憶されたキーボードドライバ124は初期設定の状態に保たれており、Shiftキーのスキャンコードに対しては、Shiftキーの仮想キーコードが割り当てられているが、本実施形態では、個人設定データ310により、例えば、Shiftキーのスキャンコードに対しては、Tabキーの仮想キーコードが割り当てられるよう、HDD12から中央制御装置10に読み出されたキーボードドライバ124を更新している。このようにすれば、どのコンピュータ1を用いても、ユーザーは、ユーザーが設定した個人設定データに基づいて、自分に慣れたキーボード3を使用して、慣れた入力方法でコンピュータ1への入力が行える。
【0033】
S26では、中央制御装置10は、さらに中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された各ICM34a〜34cを起動させるための起動データ316と、各ICM34a〜34cを停止させるための停止データ318とを読み出す処理を実行する。これらの起動データ及び停止データは、各ICM34a〜34cをコンピュータ1の一定のドライブにマウントさせるため、ドライバを指定する情報を含んでおり、本実施形態では、FドライブにマウントさせるICM34aについては、起動情報は、「KIDOU@F」、停止情報は「TEISHI@F」という情報となっている。ドライバを指定する情報は@以下の「F」である。その他、本実施形態では、ICM34bをGドライブ、ICM34cをHドライブにマウントするよう設定されている。
【0034】
S28では、中央制御装置10は、またさらに中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された個人リストデータ312を読み出す処理を実行する。この個人リストデータ312は、ユーザーがコンピュータ1で使用するものとして予め設定したアプリケーションソフトの一覧を示す情報である。
【0035】
S30では、中央制御装置10は、S28で読み出した個人リストデータ312とHDD12に記憶されたリストデータ130とを照会する処理を実行し、両方のデータに含まれるアプリケーションに対応するアンコンの画像データ132をHDD12から読出し、図4(b)に示すように、その読み出した画像データ132に基づいてアイコン14c〜14eをモニタ14に表示する処理を実行する。
【0036】
S32では、中央制御装置10は、以上のS20〜S30までの処理を終了すると、キーボード3の設定が終了し、キーボード3によるコンピュータ1への入力が可能になったことを示すONフラグ(後述するS16で立てたOFFを消去する)を中央制御装置10内にたて、再びS12の処理を実行する。
【0037】
以上の処理を実行して、キーボード3がコンピュータ1に接続されているときに、キーボード3がコンピュータ1から切り離されると、S12において否定判定される。インターフェイス回路16は、キーボード3が切り離されると、その旨を伝える切断信号が中央制御装置10に出力される。そのため、ここ(S12)では、中央制御装置10は、この切断信号が入力されたか否かにより、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定している。そしてこの判定(S12)で、キーボード3が接続されていないと判定された場合は(S12:NO)、S14の処理を実行する。
【0038】
S14では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1から切り離された事を示すOFFフラグが立てられているか否かを判定し、立てられている場合は再びS12の処理を実行し、立てられていない場合は、S16の処理を実行し、OFFフラグを立てる処理を実行する(ONフラグを消去する)。
【0039】
そして、S18では、中央制御装置10は、HDD12に記憶された仮想キーボードドライバのプログラムを呼び出す処理を読み出す処理を実行し、キーボードドライバ124の処理を停止し、また、後述する接続処理で、コンピュータ1にマウントされているICM34があったら、これをアンマウントして、再びS12の処理を実行する。
【0040】
次に、キーボード3がコンピュータ1に接続されているときに実行される接続時処理について説明する。
ここで、図6は、接続時処理のフローチャートである。
【0041】
この接続時処理(S5)が開始されると、中央制御装置10は、S50の処理が実行される。
S50では、中央制御装置10は、ONフラグが中央制御装置10に立っているか否かを判定する。この判定で、ONフラグが立っていなければ(S50:NO)、再びS50の処理が開始され、ONフラグが立っていたら、S52の処理を実行する。
【0042】
S52では、中央制御装置10は、起動データ316あるいは停止データ318が入力されたか否かを判定する。具体的には、常時処理のS26で、コンピュータ1側に起動データ316及び停止データ318が読み込まれているので、スキャンコードが入力されるたび、その入力されたスキャンコードを順次記憶し、K→I→D→O→U→@→Fの順に記憶されたか、T→E→I→S→H→I→@→Fの順に記憶されたか否かを判定している。そして、この処理(S52)で、起動データ316、停止データ318のいずれの情報も入力されていないと判定された場合は(S52:NO)、再びS50の処理を実行する。
【0043】
一方、起動データ316が入力されたと判定された場合(S52:YES1)、中央制御装置10は、該当するドライブのICM34a〜34cに起動情報を送信してICM34a〜34cを起動させ、該当するドライブにICM34a〜34cをマウントする処理を実行し(S54)、図4(b)に示すように、そのマウントしたドライブのフォルダ14fをモニタ14に表示して(S56)、再びS50の処理を実施する。他方、停止データが入力されたと判定された場合は(S52:YES2)、該当するドライブのICM34a〜34cを停止すると共にアンマウントする処理を実行し(S58)、そのアンマウントしたドライブのフォルダ14fをモニタ14から消去して(S60)、再びS30の処理を実施する。
【0044】
以上説明したコンピュータシステムを用いると以下のような効果がある。
本実施形態では、キーボード3の設定をユーザーが使用しやすいように変更しているので、いずれのコンピュータ1に接続しても、その変更後の設定でキーボード3を利用することができる。また、本実施形態のコンピュータシステムで用いられるキーボード3にはICM34a〜34cが備えられ、中央制御装置10でのS52の処理でICM34a〜34cの起動命令を受けると、S54の処理でICM34a〜34cがマウントするよう構成されている。
【0045】
従って、本実施形態のコンピュータシステムを用いると、キーボード3をコンピュータ1に接続するだけで、使い慣れたキーボード3で使い慣れた設定でコンピュータ1を操作することが可能となり、また、ICM34a〜34cにより、使い慣れた状態に保存されたデータをいつでも利用することができるため、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができる。また、このコンピュータシステムを用いると、コンピュータ1を散点的に配置しておけば、キーボード3を持ち歩くだけで、どのコンピュータ1もユーザーの利用しやすい環境で利用することができる。しかも、このコンピュータシステムでは、そのような環境を構築しつつ、しかし、起動命令がないとICM34a〜34cが起動しないので、必要がなければICM34a〜34cを起動しないことで、記憶されたデータを適切に保護することができる。また、本実施形態のキーボード3は折り畳み可能に構成されているので、携帯に便利である。
【0046】
また、本実施形態では、キーボード3は、ICM34a〜34cをコンピュータ1にマウントするための起動データ134に含まれるドライブ情報をROM30aに記憶し、コンピュータ1の中央制御装置10は、このROM30aに記憶されたドライブ情報に基づくドライブにICM34a〜34cをマウントしている。このようにすると、コンピュータ1にマウントされるときのドライブが一定なので、使い慣れないパソコンでもより一層手軽に扱うことができる。
【0047】
さらに、本実施形態では、キーボード3を操作してICM34a〜34cの停止データ318を入力すると、その停止データ318に従って、コンピュータ1からICM34a〜34cをアンマウントするよう構成されている。このようにすると、キーボード3を操作することにより、コンピュータ1にマウントされたICM34a〜34cをコンピュータ1から自由に切り離すことができるので、例えば、接続が不要なICM34a〜34cをコンピュータ1から切り離すことで、このICM34a〜34cに記憶されたデータを確実に保護することができる。
【0048】
また、本実施形態では、キーボード3のROM30aに記録されたアプリケーションの個人リストデータHDD12のリストデータとを比較して一致するものがあれば、そのアプリケーションのアイコン14c〜14eをモニタ14に表示している。そのため、このコンピュータシステムを用いると、キーボード3をコンピュータ1に接続すれば、キーボード3のユーザーが普段使用しているアプリケーションのアイコン14c〜14eが、モニタ14に表示される。従って、このコンピュータシステムを用いると、使い慣れないコンピュータでもよりいっそう手軽に扱うことができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、ICM34a〜34cがコンピュータ1にマウントされると、コンピュータ1が備えるモニタ14に、マウントされたICM34a〜34cのフォルダ14fが表示されるので、各ICM34a〜34cへのアクセスが容易になる。
【0050】
次に、本実施形態と本発明との対応関係について説明する。
本実施形態のキーボード3は本発明の入力手段に相当し、キー群32が操作受付手段、スキャンコードが操作外部情報、スキャンコードをコンピュータに出力する処理を実行する中央制御手段30及びインターフェイス回路36が操作出力手段、キーボードドライバ124を実行する中央制御装置10での処理(S24)が変換手段、仮想キーコードが操作内部情報、に相当する。
【0051】
本実施形態のICM34a〜34cが本発明の記憶手段、起動データ316が起動命令、キー群3が命令受付手段、コンピュータ1に対しICM34a〜34cをマウントする処理(S54)を実行する中央制御装置10が接続手段、起動データのうちドライブを指定する情報がドライブ指定情報に相当する。
【0052】
本実施形態の停止データ318が本発明の停止命令に相当し、キー群32が停止命令受付手段に相当し、停止データに基づいてICM34a〜34cをアンマウントする処理(S58)を実行する中央制御装置10が切断手段に相当する。
【0053】
尚、以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0054】
例えば、上記実施形態では、キーボード3のキー群を操作して、ICM34をマウントさせたり、アンマウントさせたりしているが、例えば、コンピュータ1側に、これらのICM34をマウントあるいはアンマウントさせるための専用の操作ボタン等が備えられ、これらを操作することによって、ICM34をマウントあるいはアンマウントさせる構成としてもよい。この場合の上記実施形態からの変更点としては、上記の操作ボタンを操作したときに、上述した起動データや停止データを中央制御装置10に出力する構成とすればよい。
【0055】
また、上記実施形態では、コンピュータ1にキーボード3を接続するコンピュータシステムについて説明したが、コンピュータ1は、いわゆるパソコンだけでなく、例えばテレビなどコンピュータを備えているものであれば、どのようなものでもよい。
【0056】
さらに、本実施形態のキーボード3は、マウス等ポインティングデバイスに関する操作装置と一体に構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態のコンピュータシステムで用いられるコンピュータ1及びキーボード3の内部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態で用いられるコンピュータ1のHDD12や、キーボード3の中央制御装置30のROM30aに記憶されたプログラムやデータをブロックで示した説明図で、(a)はHDD12、(b)はROM30aのブロック図である。
【図3】本実施形態で用いられるキーボード3の外観を説明するための説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はキーボード3を折り畳んだ様子を示す側面図である。
【図4】本実施形態で用いられるコンピュータ1のモニタ14に表示される画面の説明図で、(a)はキーボードのコンピュータへの未接続時、(b)はキーボードのコンピュータへの接続時にモニタ14に表示される画面である。
【図5】常時処理のフローチャートである。
【図6】接続時処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…コンピュータ、3…キーボード、10…中央制御装置、12…ハードディスク、14…モニタ、16…インターフェイス回路、30…中央制御装置、32…キー群、34a〜34c…ICメモリ、36…インターフェイス回路、39…ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに対し、人の操作を受け付ける入力装置を付け替え可能に構成されたコンピュータシステムであって、
前記入力装置は、
操作者の操作を受け付ける操作受付手段と、
この操作受付手段で受け付けた結果を示す操作外部情報を前記コンピュータに出力する操作出力手段とを備え、
前記コンピュータは、
前記操作出力手段から入力した前記操作外部情報を当該コンピュータで利用可能な操作内部情報に変換する処理を実行する変換手段とを備え、
さらに、
前記入力装置は、前記コンピュータに対しマウント可能な記憶手段を備え、
当該コンピュータシステムは、前記記憶手段の起動命令を受け付ける命令受付手段備え、
前記コンピュータは、前記命令受付手段で受け付けた前記起動命令に従って、前記コンピュータに対し前記記憶手段をマウントする接続手段を備える、
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1記載のコンピュータシステムにおいて、
前記接続手段は、ドライブ指定情報を含む前記起動命令に従って、指定されたドライブに前記記憶手段をマウントすることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記命令受付手段は、前記操作受付手段と一体に構成されていることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記起動命令は、起動を指示する内容の前記操作外部情報あるいは前記操作内部情報であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記変換手段は、前記入力装置に対して設定された個人設定に基づいて、前記操作外部情報を前記操作内部情報に変換することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記記憶手段の停止命令を受け付ける停止命令受付手段と、
この停止命令受付手段で受け付けた前記停止命令に従って、当該コンピュータから前記記憶手段をアンマウントする切断手段と
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項7】
請求項6記載のコンピュータシステムにおいて、
前記停止命令受付手段は、前記操作受付手段と一体に構成されていることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項8】
請求項7記載のコンピュータシステムにおいて、
前記停止命令は、停止を指示する内容の前記操作外部情報あるいは前記操作内部情報であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータは、テレビ映像その他の動画を受信して表示出力する出力手段を備えていることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記入力装置は、キーボードであることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項11】
請求項10に記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記キーボードは、ポインティングデバイス機能を有することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記入力装置は、折り畳み可能に構成されていることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータに備えられ、前記コンピュータで利用可能なアプリケーションのリストデータを記憶するリストデータ記憶手段と、
前記入力装置に備えられ、ユーザーが予め指定したアプリケーションの個人リストデータを記憶する個人リストデータ記憶手段と、
前記コンピュータに備えられ、前記接続検出手段が、前記入力装置の当該コンピュータへの接続を検出したら、前記リストデータと前記個人リストデータとを比較し、一致するアプリケーションのアイコンをモニタに表示するアイコン表示手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載されたコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータに備えられ、前記接続手段により前記記憶手段が前記コンピュータにマウントされると、前記コンピュータが備えるモニタに、マウントされた前記記憶手段のフォルダを表示するフォルダ表示手段を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のコンピュータシステムで、前記入力装置として用いられることを特徴とするキーボード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−309556(P2006−309556A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−132170(P2005−132170)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】