説明

コンピュータシステム及び転送方法

【課題】応対者側に事前準備を強いることなく、オペレータから応対者へ取り次ぐ際に顧客が感じる不満を解消する。
【解決手段】オペレータ端末は電話に応答すると、複数の名称のうち選択された名称に対応する応対者端末を示す呼出端末情報をサーバへ送信し、サーバは呼出端末情報が示す応対者端末へ呼出信号を送信し、オペレータ端末は入力情報をサーバへ送信し、複数の応対者端末のそれぞれは、呼出信号への応答の指示を受け付けると、応答信号をサーバへ送信し、サーバは当該応答信号の送信元へ入力情報を送信し、さらに、当該応答信号の送信元を示す応対可能端末情報をオペレータ端末へ送信し、複数の応対者端末のそれぞれは、入力情報を出力し、オペレータ端末は応対可能端末情報が示す応対者端末のうち選択された応対者端末を示す転送先端末情報をサーバへ送信し、サーバは転送先端末情報が示す応対者端末への応答した電話の転送を電話交換機に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話の転送機能を有するコンピュータシステム及び転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンター業務において顧客からの電話を受け付けたオペレータは、その顧客の問い合わせ内容等に応じて適切な応対者にその電話を取り次ぐ。
【0003】
このとき、オペレータが応対者へ取り次いでから応対者が応答するまでに待ち時間が発生する場合がある。また、顧客が応対者に対して再度問い合わせ内容等を説明しなくてはならない場合がある。このような場合、顧客が不満を感じてしまう。
【0004】
ここで、コールセンター業務において、顧客が感じる不満を解消するための技術が例えば、特許文献1、2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示されている技術では、オペレータから応対者に取り次ぐ際に、その応対者に顧客からの問い合わせ内容を通知できるようにしている。これにより、顧客が応対者に対して再度問い合わせ内容等を説明しなくても済むようにしている。
【0006】
また、特許文献2に開示されている技術では、応対者側がPC等の操作によって在席情報を予め登録しておき、その情報がオペレータ端末に通知される。これにより、オペレータは、直ぐに応対可能な状態にある応対者に取り次ぐことができ、オペレータが応対者へ取り次いでから応対者が応答するまでに待ち時間が発生するのを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−153889号公報
【特許文献2】特開2009−81626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示されている技術を用いれば、顧客が応対者に対して再度問い合わせ内容等を説明しなくても済むようにすることができるようにも思える。
【0009】
しかし、特許文献1に開示されている技術では、オペレータから応対者へ取り次ぐ際に、顧客情報や顧客からの問い合わせ内容を通知している。そのため、応対者が問い合わせ内容を十分に把握するための時間が確保できず、顧客は再度問い合わせ内容等を応対者に説明しなければならなくなる可能性が高い。つまり、特許文献1に開示された技術は、顧客が感じる不満を解消するためには十分なものではない。
【0010】
また、上述した特許文献2に開示されている技術を用いれば、オペレータが応対者へ転送してから応対者が応答するまでに待ち時間が発生するのを回避することができる。
【0011】
しかし、特許文献2に開示されている技術では、応対者が予め在席情報を登録しておかなくてはならない。つまり、応対者側が事前準備をしておかなくてはならないという問題点がある。
【0012】
本発明は、応対者側に事前準備を強いることなく、オペレータから応対者へ取り次ぐ際に顧客が感じる不満を解消することを可能にするコンピュータシステム及び転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明のコンピュータシステムは、電話交換機と、該電話交換機を介して着信した電話に応答するオペレータ端末と、前記応答した電話の転送先の候補である複数の応対者端末と、前記応答した電話の転送先を前記電話交換機に指示するサーバとを有するコンピュータシステムであって、
前記オペレータ端末は、前記電話交換機を介して着信した電話に応答すると、前記複数の応対者端末の少なくとも1つと対応付けられた複数の名称のいずれかの選択を受け付け、該選択された名称に対応する応対者端末を示す呼出端末情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記呼出端末情報を受信すると、該受信した呼出端末情報が示す応対者端末へ呼出信号を送信し、
前記オペレータ端末は、情報の入力を受け付け、該受け付けた情報を入力情報として前記サーバへ送信し、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、前記呼出信号を受信した場合、該受信した呼出信号に応答する旨の指示を受け付けると、応答信号を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記応答信号を受信すると、前記オペレータ端末から送信されてきた入力情報を当該応答信号の送信元の応対者端末へ送信し、さらに、当該応答信号の送信元の応対者端末を示す応対可能端末情報を前記オペレータ端末へ送信し、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、前記サーバから送信されてきた入力情報を受信すると、該受信した入力情報を出力し、
前記オペレータ端末は、前記応対可能端末情報を受信し、該受信した応対可能端末情報が示す応対者端末のいずれかの選択を受け付け、該選択された応対者端末を示す転送先端末情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記転送先端末情報を受信すると、該受信した転送先端末情報が示す応対者端末へ前記応答した電話を転送するように前記電話交換機に指示する。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明の転送方法は、電話交換機と、該電話交換機を介して着信した電話に応答するオペレータ端末と、前記応答した電話の転送先の候補である複数の応対者端末と、前記応答した電話の転送先を前記電話交換機に指示するサーバとを有するコンピュータシステムにおける転送方法であって、
前記オペレータ端末が、前記電話交換機を介して着信した電話に応答すると、前記複数の応対者端末の少なくとも1つと対応付けられた複数の名称のいずれかの選択を受け付け、該選択された名称に対応する応対者端末を示す呼出端末情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記呼出端末情報を受信すると、該受信した呼出端末情報が示す応対者端末へ呼出信号を送信する処理と、
前記オペレータ端末が、情報の入力を受け付け、該受け付けた情報を入力情報として前記サーバへ送信する処理と、
前記複数の応対者端末のそれぞれが、前記呼出信号を受信した場合、該受信した呼出信号に応答する旨の指示を受け付けると、応答信号を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記応答信号を受信すると、前記オペレータ端末から送信されてきた入力情報を当該応答信号の送信元の応対者端末へ送信し、さらに、当該応答信号の送信元の応対者端末を示す応対可能端末情報を前記オペレータ端末へ送信する処理と、
前記複数の応対者端末のそれぞれが、前記サーバから送信されてきた入力情報を受信すると、該受信した入力情報を出力する処理と、
前記オペレータ端末が、前記応対可能端末情報を受信し、該受信した応対可能端末情報が示す応対者端末のいずれかの選択を受け付け、該選択された応対者端末を示す転送先端末情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記転送先端末情報を受信すると、該受信した転送先端末情報が示す応対者端末へ前記応答した電話を転送するように前記電話交換機に指示する処理と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上説明したように構成されているので、応対者側に事前準備を強いることなく、オペレータから応対者へ取り次ぐ際に顧客が感じる不満を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のコンピュータシステムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したコンピュータシステムの構成の一例を示すブロック図であり、(a)はオペレータ端末の構成の一例を示すブロック図、(b)はCTIサーバの構成の一例を示すブロック図、(c)は応対者端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2(a)に示した記憶部に記憶された応対者候補テーブルの構成の一例を示す図である。
【図4】図2(a)に示した表示部に表示される画面の一例を示す図であり、(a)は商品一覧画面の一例を示す図、(b)は機種入力画面の一例を示す図、(c)は問い合わせ内容入力画面の一例を示す図、(d)はアンケート画面の一例を示す図、(e)は応対者選択画面の一例を示す図である。
【図5】図2(b)に示した記憶部に記憶された呼出情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図6】図1及び図2(a)に示したオペレータ端末を操作するオペレータの応対手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1〜図5に示したコンピュータシステムにおいてオペレータ端末30が応答した電話を応対者端末へ転送する動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】本発明のコンピュータシステムの他の形態の構成を示すブロック図である。
【図9】オペレータがより適切な応対者を選択するための構成を説明するための図であり、(a)は応対者情報テーブルの一例を示す図、(b)は応対者選択画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明のコンピュータシステムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、複数の商品の対する問い合わせを顧客から受け付けるためのコールセンタシステムをコンピュータシステムの一例としている。
【0019】
本実施形態のコンピュータシステム100は図1に示すように、CTI(Computer Telephony Integration)サーバ10と、公衆ネットワーク200に接続された電話交換機である構内交換機20と、顧客からの電話に一次応対するオペレータが操作するオペレータ端末30と、顧客からの問い合わせを受け付ける応対者が操作する応対者端末40−1〜40−nとを備えている。なお、公衆ネットワーク200に接続された顧客用端末300は、顧客が操作する端末である。
【0020】
図1に示すコンピュータシステム100において顧客からの問い合わせに応対する際の処理の概要は以下のとおりである。
【0021】
まず、問い合わせをする際に顧客は、顧客用端末300を用いてオペレータ端末30へ電話をかける。この電話は、構内交換機20を介してオペレータ端末30に着信する。そして、オペレータ端末30がこの電話に応答することにより、顧客用端末300とオペレータ端末30との間の通信が確立する。
【0022】
そして、オペレータ端末30が応答した電話は、顧客からの問い合わせ内容に基づき、応対者端末40−1〜40−nのうちのいずれかに転送される。これにより、顧客用端末300とオペレータ端末30との間の通信が、顧客用端末300と応対者端末40−1〜40−nのいずれかとの間の通信に切り替えられ、応対者が顧客からの問い合わせを受け付けられるようになる。
【0023】
次に、図1に示すコンピュータシステム100の各装置等の構成の詳細について説明する。
【0024】
構内交換機20は、CTIサーバ10からの指示等に応じ、コンピュータシステム100内の装置等の間の通信、及び、コンピュータシステム100の内部の装置等と、外部の装置等との間の通信を確立する。
【0025】
図2は、図1に示したコンピュータシステム100の構成の一例を示すブロック図であり、(a)はオペレータ端末30の構成の一例を示すブロック図、(b)はCTIサーバ10の構成の一例を示すブロック図、(c)は応対者端末40−1の構成の一例を示すブロック図である。なお、応対者端末40−2〜40−nも図2(c)に示したものと同様の構成である。
【0026】
図1に示したオペレータ端末30は図2(a)に示すように、制御部31と、表示部32と、受付部33と、記憶部34とを備えている。なお、図2(b)に示すCTIサーバ10の構成と、図2(c)に示す応対者端末40−1の構成との詳細については後述する。
【0027】
受付部33は、オペレータ端末30へのオペレータからの各種入力を受け付ける。
【0028】
記憶部34は、応対者候補テーブルを記憶している。
【0029】
図3は、図2(a)に示した記憶部34に記憶された応対者候補テーブルの構成の一例を示す図である。
【0030】
図3に示す応対者候補テーブルでは、商品名と、その商品に関する顧客からの問い合わせを受け付ける応対者が操作する応対者端末を示す端末ID(Identification)とが対応付けられている。具体的には例えば、商品名「カード決済ターミナル」は、端末ID「001」、「002」及び「003」と対応付けられている。
【0031】
再度、図2(a)を参照すると、制御部31は、構内交換機20を介して着信した顧客用端末300からの電話に応答する。制御部31は、電話に応答すると、表示部32に商品一覧画面を表示させる。
【0032】
図4は、図2(a)に示した表示部32に表示される画面の一例を示す図であり、(a)は商品一覧画面の一例を示す図、(b)は機種入力画面の一例を示す図、(c)は問い合わせ内容入力画面の一例を示す図、(d)はアンケート画面の一例を示す図、(e)は応対者選択画面の一例を示す図である。
【0033】
図4(a)に示す商品一覧画面における「商品名」は、図3に示した応対者候補テーブルにおける「商品名」と同じである。
【0034】
制御部31は、図4(a)に示す商品一覧画面に表示された名称である商品名のいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付けると、図3に示した応対者候補テーブルを参照する。そして、制御部31は、選択された商品名に対応する端末IDを含む呼出端末情報をCTIサーバ10へ送信する。その後、制御部31は、図4(b)に示す機種入力画面を表示部32に表示させる。なお、図4(b)は図4(a)に示す商品一覧画面において、「カード決済ターミナル」が選択された場合の一例を示している。そして、制御部31は、機種入力画面に表示された機種名のいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付けると、図4(c)に示す問い合わせ内容入力画面を表示部32に表示させる。そして、制御部31は、問い合わせ内容入力画面に表示された内容の選択や情報の入力を受付部33を介してオペレータから受け付ける。そして、制御部31は、機種入力画面及び問い合わせ内容入力画面にて選択及び入力された情報を入力情報としてCTIサーバ10へ送信する。その後、制御部31は、図4(d)に示すアンケート画面を表示部32に表示させる。このアンケート画面については後述する。その後、制御部31は、CTIサーバ10から送信され、オペレータ端末30にて応答した電話を転送可能な応対者端末の端末IDを含む応対可能端末情報を受信すると、図4(e)に示す応対者選択画面を表示部32に表示させる。このとき、制御部31は、応対可能端末情報に含まれる端末IDと「転送可」とを対応付けて表示させる。また、制御部31は、CTIサーバ10へ送信した呼出端末情報に含まれる端末IDのうち、受信した応対可能端末情報に含まれない端末IDと「転送不可」とを対応付けて表示させる。なお、その後、CTIサーバ10から送信され、電話の転送を受けることが不可能となった応対者端末の端末IDを含む応対不可端末情報を受信した場合、制御部31は、受信した応対不可端末情報に含まれる端末IDに対応する表示を「転送可」から「転送不可」に切り替える。その後、制御部31は、応対者選択画面における表示が「転送可」に対応する端末IDのいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付ける。なお、このとき、制御部31は、「転送不可」に対応する端末IDの選択は受け付けない。そして、制御部31は、選択された端末IDを含む転送先端末情報をCTIサーバ10へ送信する。
【0035】
CTIサーバ10は、図2(b)に示すように、制御部11と、記憶部12とを備えている。
【0036】
記憶部12は、呼出情報テーブルを記憶している。
【0037】
図5は、図2(b)に示した記憶部12に記憶された呼出情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【0038】
図5に示す呼出情報テーブルでは、端末IDと、当該端末IDの応対者端末を呼び出すための情報である呼出情報とが対応付けられている。なお、呼出情報としては例えば、応対者端末40−1〜40−nのそれぞれに付与された内線番号が挙げられる。
【0039】
再度、図2(b)を参照すると、制御部11は、オペレータ端末30から送信された呼出端末情報を受信すると、図5に示した呼出情報テーブルを参照する。そして、制御部11は、受信した呼出端末情報に含まれる端末IDに対応する呼出情報を用い、受信した呼出端末情報に含まれる端末IDの応対者端末へ構内交換機20を介して呼出信号を送信する。その後、制御部11は、呼出信号を送信した応対者端末から構内交換機20を介して送信され、その呼出信号に対する応答信号を受信すると、オペレータ端末30から送信されてきた入力情報を、受信した応答信号の送信元の応対者端末へ送信する。さらに、制御部11は、受信した応答信号の送信元の応対者端末の端末IDを含む情報を、上述した応対可能端末情報としてオペレータ端末30へ送信する。その後、制御部11は、受信した応答信号の送信元の応対者端末から送信され、通信を切断するための切断信号を受信すると、受信した切断信号の送信元の応対者端末の端末IDを含む情報を、上述した応対不可端末情報としてオペレータ端末30へ送信する。その後、制御部11は、オペレータ端末30から送信されてきた転送先端末情報を受信すると、受信した転送先端末情報に含まれる端末IDの応対者端末へオペレータ端末30が応答した電話を転送するように構内交換機20に指示する。
【0040】
応対者端末40−1〜40−nは、図2(c)に示すように、制御部41と、表示部42と、受付部43とを備えている。
【0041】
制御部41は、CTIサーバ10から構内交換機20を介して送信された呼出信号を受信する。そして、制御部41は、受信した呼出信号に応答する旨の指示を受付部43を介して応対者から受け付けると、応答信号をCTIサーバ10へ送信する。なお、受付部43は例えば、応対者が押下することが可能なボタンを備えている。このボタンが押下されることにより、呼出信号の送信元との間での通信を確立したり、切断したりすることができる。また、制御部41は、CTIサーバ10から送信されてきた入力情報を受信する。そして、受信した入力情報を表示部42に表示させる。その後、制御部41は、通信を切断する旨の指示を受付部43を介して応対者から受け付けると、切断信号をCTIサーバ10へ送信する。
【0042】
以下に、上記のように構成されたコンピュータシステムにおいてオペレータ端末30が応答した電話を応対者端末へ転送する動作について説明するが、その前に、オペレータの応対手順を説明しておく。
【0043】
図6は、図1及び図2(a)に示したオペレータ端末30を操作するオペレータの応対手順を説明するためのフローチャートである。
【0044】
オペレータ端末30が顧客用端末300からの電話に応答すると、オペレータは、まず、問い合わせたい商品名を顧客から聞き、図4(a)に示した商品一覧画面において顧客から聞いた商品名を選択する(ステップS1)。
【0045】
次に、オペレータは、問い合わせたい具体的な機種名、問い合わせ内容を顧客から聞き、顧客から聞いた内容を、図4(b)に示した機種入力画面、及び、図4(c)に示した問い合わせ内容入力画面において選択及び入力する(ステップS2)。
【0046】
なお、ステップS1においてオペレータが商品名を選択すると、上述したように、呼出端末情報がCTIサーバ10へ送信される。そして、応対者は、CTIサーバ10からの呼出信号に応対者端末で応答することにより、ステップ2においてオペレータが顧客から聞いた問い合わせ内容を確認することができる。また、制御部31が呼出端末情報を送信した後も、オペレータと顧客との間で通話が継続している。そのため、顧客は、応対者を呼び出すための処理が進行していることが分からない。
【0047】
次に、オペレータは、図4(d)に示したアンケート画面の項目を顧客から聞いたり、今後の対応手順等を顧客に説明したりする(ステップS3)。なお、応対者は、オペレータがステップS3を行っている間に、応対者端末の表示部42に表示された入力情報を見ることができ、問い合わせ内容を十分に把握することができる。
【0048】
次に、オペレータは、図4(e)に示した応対者選択画面を確認し、電話を転送可能な応対者端末があるかどうかを確認する(ステップS4)。
【0049】
ステップS4における確認の結果、電話を転送可能な応対者端末がない場合、問い合わせへの対応ができない旨を顧客に通知する(ステップS5)。
【0050】
一方、ステップS4における確認の結果、電話を転送可能な応対者端末がある場合には、オペレータは、応対者選択画面において「転送可」の表示に対応する端末IDのいずれかを選択する。つまり、1つの応対者端末を選択する(ステップS6)。
【0051】
以上が、オペレータの応対手順である。
【0052】
次に、図1〜図5に示したコンピュータシステム100においてオペレータ端末30が応答した電話を応対者端末へ転送する動作について説明する。
【0053】
図7は、図1〜図5に示したコンピュータシステム100においてオペレータ端末30が応答した電話を応対者端末へ転送する動作を説明するためのシーケンス図である。
【0054】
まず、顧客用端末300からの電話が構内交換機20を介してオペレータ端末30に着信する(ステップS21)。
【0055】
オペレータ端末30の制御部31は、顧客用端末300からの電話に応答する(ステップS22)。
【0056】
制御部31は、電話に応答すると、図4(a)に示した商品一覧画面を表示部32に表示させる。
【0057】
次に、制御部31は、商品一覧画面に表示された商品名のいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付けると、図3に示した応対者候補テーブルを参照する。
【0058】
そして、制御部31は、選択された商品名に対応する端末IDを含む呼出端末情報をCTIサーバ10へ送信する(ステップS23)。
【0059】
オペレータ端末30から送信された呼出端末情報を受信したCTIサーバ10の制御部11は、図5に示した呼出情報テーブルを参照する。
【0060】
そして、制御部11は、受信した呼出端末情報に含まれる端末IDに対応する呼出情報を用い、受信した呼出端末情報に含まれる端末IDの応対者端末へ構内交換機20を介して呼出信号を送信する(ステップS24)。
【0061】
次に、オペレータ端末30の制御部31は、図4(b)に示した機種入力画面を表示部32に表示させる。そして、制御部31は、機種入力画面に表示された機種のいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付けると、図4(c)に示した問い合わせ内容入力画面を表示部32に表示させる。
【0062】
そして、制御部31は、問い合わせ内容入力画面に表示された問い合わせ内容の選択や情報の入力を受付部33を介してオペレータから受け付ける。そして、制御部31は、入力情報をCTIサーバ10へ送信する(ステップS25)。
【0063】
応対者端末40−1〜40−nのうち、ステップS24にてCTIサーバ10から送信された呼出信号を受信した応対者端末の制御部41は、受信した呼出信号に応答する旨の指示を受付部43を介して応対者から受け付けると、その呼出信号に対する応答信号をCTIサーバ10へ送信する(ステップS26)。
【0064】
応対者端末から送信された応答信号を受信したCTIサーバ10の制御部11は、ステップS25にてオペレータ端末30から送信された入力情報を、受信した応答信号の送信元の応対者端末へ送信する(ステップS27)
さらに、制御部11は、受信した応答信号の送信元の応対者端末の端末IDを含む応対可能端末情報をオペレータ端末30へ送信する(ステップS28)。
【0065】
CTIサーバ10から送信された入力情報を受信した応対者端末の制御部41は、受信した入力情報を表示部42に表示させる。
【0066】
また、CTIサーバ10から送信された応対可能端末情報を受信したオペレータ端末30の制御部31は、図4(e)に示した応対者選択画面を表示部32に表示させる。
【0067】
その後、上述したオペレータの応対手順におけるステップS3が完了すると、制御部31は、応対者選択画面における表示が「転送可」に対応する端末IDのいずれかの選択を受付部33を介してオペレータから受け付ける。
【0068】
そして、制御部31は、選択された端末IDを含む転送先端末情報をCTIサーバ10へ送信する(ステップS29)。
【0069】
オペレータ端末30から送信された転送先端末情報を受信したCTIサーバ10の制御部11は、受信した転送先端末情報に含まれる端末IDの応対者端末へオペレータ端末30が応答した電話を転送するように構内交換機20に指示する。
【0070】
なお、上述した動作フローにおいて、ステップS22の後、ステップS29の前までの間では、顧客はオペレータと通話することとなり、ステップS29の後は、顧客は応対者と通話することとなる。
【0071】
このように本実施形態においては、オペレータが応対者へ取り次いでから応対者が応答するまでに待ち時間が発生しない。その理由は、応対者を呼び出している間も、オペレータと顧客との通話が継続しているためである。
【0072】
また、顧客への応対を開始する前に、応対者が顧客からの問い合わせ内容等を把握することができ、顧客が応対者に対して再度問い合わせ内容等を説明しなくても済む。その理由は、電話が転送されてくる前に、応対者端末へ問い合わせ内容が通知され、応対者が問い合わせ内容を把握する時間を確保できるためである。
【0073】
従って、応対者側に事前準備を強いることなく、オペレータから応対者へ取り次ぐ際に顧客が感じる不満を解消することが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態では、応対者端末がCTIサーバ10と同じネットワークに接続されている場合について説明した。しかし、応対者端末がCTIサーバ10と同じネットワークに接続されていない場合、例えば、公衆ネットワーク200に接続されている場合でも、上述したような効果を得ることができる。
【0075】
図8は、本発明のコンピュータシステムの他の形態の構成を示すブロック図である。
【0076】
図8に示すコンピュータシステム101では、応対者端末50−1〜50−nは公衆ネットワークに接続されている。これは、応対者が外出先等において携帯電話で応対するような場合を想定している。
【0077】
この場合、応対者端末50−1〜50−nは、応対者端末40−1〜40−nのように表示部を備えておらず、音声だけを出力可能な音声出力部しか有していない可能性がある。
【0078】
このような応対者端末50−1〜50−nを用いた場合でも、応対者が入力情報を確認できるようにするため、コンピュータシステム101は変換装置であるアナウンス装置60を備えている。
【0079】
アナウンス装置60は、オペレータ端末30から送信された入力情報をCTIサーバ10を介して受信する。アナウンス装置60は、受信した入力情報を音声信号に変換する。
【0080】
そして、CTIサーバ10は、応対者端末50−1〜50−nのうち、受信した応答信号の送信元の応対者端末へ変換された音声信号をアナウンス装置60から送信させる。これにより、音声出力部しか有していない応対者端末を用いた場合でも、応対者は入力情報を確認することができる。
【0081】
従って、図8に示したコンピュータシステム101の場合、応対者端末に表示部を具備していなくても、上述したような効果を得ることができる。
【0082】
なお、応対者端末40−1〜40−nのように、CTIサーバ10と同じネットワークに接続された応対者端末と、応対者端末50−1〜50−nのように、公衆ネットワーク200に接続された応対者端末とが混在している場合も想定される。この場合、CTIサーバ10と同じネットワークに接続されているか、公衆ネットワーク200に接続されているかどうかを呼出情報で識別できるようにしておけばよい。これにより、CTIサーバ10は、受信した入力情報をアナウンス装置60に送信する必要があるかどうかを決定することができる。
【0083】
また、上述した実施形態では、応対者選択画面は、図4(e)に示したように、端末IDと、「転送可」または「転送不可」とだけを表示する画面であった。このような画面ではなく、それぞれの応対者のコールセンター業務の経験や、それぞれの応対者が前回応対してからの待機時間等を応対者選択画面に表示すれば、オペレータは、より適切な応対者を選択することができる。
【0084】
これを実現するためには、CTIサーバ10が、応対者名や応対者の経験、待機時間を応対可能端末情報に含めてオペレータ端末30へ送信するようにすればよい。そして、オペレータ端末30が、その応対可能端末情報を応対者選択画面に表示する。
【0085】
この場合、端末IDと、応対者名、応対者の経験及び待機時間とを対応付けた応対者情報テーブルをCTIサーバ10の記憶部12に記憶させておく。
【0086】
図9は、オペレータがより適切な応対者を選択するための構成を説明するための図であり、(a)は応対者情報テーブルの一例を示す図、(b)は応対者選択画面の他の例を示す図である。
【0087】
図9(a)に示すように、応対者情報テーブルでは、端末IDと、応対者名、応対者の経験及び待機時間とが対応付けられている。なお、図9(a)において経験の項目の「◎」に対応する応対者は、経験の項目が「○」の応対者よりも経験が長いことを示している。
【0088】
CTIサーバ10の制御部11は、応対者端末から受信した応答信号の送信元の応対者端末の端末IDと、応対者情報テーブルにてその端末IDに対応する応対者名、応対者の経験及び待機時間とを応対可能端末情報としてオペレータ端末30へ送信する。
【0089】
そして、CTIサーバ10から送信された応対可能端末情報を受信したオペレータ端末30の制御部31は、図9(b)に示す応対者選択画面を表示部32に表示させる。
【0090】
このような構成にすることにより、オペレータは、より適切な応対者を選択することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 CTIサーバ
11,31,41 制御部
12,34 記憶部
20 構内交換機
30 オペレータ端末
32,42 表示部
33,43 受付部
40−1〜40−n,50−1〜50−n 応対者端末
60 アナウンス装置
100,101 コンピュータシステム
200 公衆ネットワーク
300 顧客用端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話交換機と、該電話交換機を介して着信した電話に応答するオペレータ端末と、前記応答した電話の転送先の候補である複数の応対者端末と、前記応答した電話の転送先を前記電話交換機に指示するサーバとを有するコンピュータシステムであって、
前記オペレータ端末は、前記電話交換機を介して着信した電話に応答すると、前記複数の応対者端末の少なくとも1つと対応付けられた複数の名称のいずれかの選択を受け付け、該選択された名称に対応する応対者端末を示す呼出端末情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記呼出端末情報を受信すると、該受信した呼出端末情報が示す応対者端末へ呼出信号を送信し、
前記オペレータ端末は、情報の入力を受け付け、該受け付けた情報を入力情報として前記サーバへ送信し、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、前記呼出信号を受信した場合、該受信した呼出信号に応答する旨の指示を受け付けると、応答信号を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記応答信号を受信すると、前記オペレータ端末から送信されてきた入力情報を当該応答信号の送信元の応対者端末へ送信し、さらに、当該応答信号の送信元の応対者端末を示す応対可能端末情報を前記オペレータ端末へ送信し、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、前記サーバから送信されてきた入力情報を受信すると、該受信した入力情報を出力し、
前記オペレータ端末は、前記応対可能端末情報を受信し、該受信した応対可能端末情報が示す応対者端末のいずれかの選択を受け付け、該選択された応対者端末を示す転送先端末情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記転送先端末情報を受信すると、該受信した転送先端末情報が示す応対者端末へ前記応答した電話を転送するように前記電話交換機に指示するコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、表示部を有し、前記サーバから送信されてきた入力情報を受信すると、該受信した入力情報を前記表示部に表示するコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記入力情報を音声信号に変換する変換装置を有し、
前記サーバは、前記オペレータ端末から送信されてきた入力情報を前記変換装置へ送信し、
前記変換装置は、前記サーバから送信されてきた前記入力情報を音声信号に変換し、該変換された音声信号を前記応答信号の送信元の応対者端末へ送信し、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、音声出力部を有し、前記変換装置から送信されてきた音声信号を受信すると、該受信した音声信号を前記音声出力部から出力するコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記複数の応対者端末のそれぞれは、前記応答信号を前記サーバへ送信した後、通信を切断する旨の指示を受け付けると、前記サーバへ切断信号を送信し、
前記サーバは、前記切断信号を受信すると、該受信した切断信号の送信元の応対者端末を示す応対不可端末情報を前記オペレータ端末へ送信し、
前記オペレータ端末は、前記応対不可端末情報を受信すると、前記受信した応対可能端末情報が示す応対者端末のうち、前記受信した応対不可端末情報が示す応対者端末の選択を受け付けないコンピュータシステム。
【請求項5】
電話交換機と、該電話交換機を介して着信した電話に応答するオペレータ端末と、前記応答した電話の転送先の候補である複数の応対者端末と、前記応答した電話の転送先を前記電話交換機に指示するサーバとを有するコンピュータシステムにおける転送方法であって、
前記オペレータ端末が、前記電話交換機を介して着信した電話に応答すると、前記複数の応対者端末の少なくとも1つと対応付けられた複数の名称のいずれかの選択を受け付け、該選択された名称に対応する応対者端末を示す呼出端末情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記呼出端末情報を受信すると、該受信した呼出端末情報が示す応対者端末へ呼出信号を送信する処理と、
前記オペレータ端末が、情報の入力を受け付け、該受け付けた情報を入力情報として前記サーバへ送信する処理と、
前記複数の応対者端末のそれぞれが、前記呼出信号を受信した場合、該受信した呼出信号に応答する旨の指示を受け付けると、応答信号を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記応答信号を受信すると、前記オペレータ端末から送信されてきた入力情報を当該応答信号の送信元の応対者端末へ送信し、さらに、当該応答信号の送信元の応対者端末を示す応対可能端末情報を前記オペレータ端末へ送信する処理と、
前記複数の応対者端末のそれぞれが、前記サーバから送信されてきた入力情報を受信すると、該受信した入力情報を出力する処理と、
前記オペレータ端末が、前記応対可能端末情報を受信し、該受信した応対可能端末情報が示す応対者端末のいずれかの選択を受け付け、該選択された応対者端末を示す転送先端末情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記転送先端末情報を受信すると、該受信した転送先端末情報が示す応対者端末へ前記応答した電話を転送するように前記電話交換機に指示する処理と、を有する転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−34095(P2012−34095A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170588(P2010−170588)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】