説明

コンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 楽譜を読めない初心者でも、簡単に楽器の演奏を楽しむことができるゲーム用のプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】 ディスプレイに表示された指示に従って演奏するための電子ギターと、ディスプレイ上に演奏するタイミングと期間を指示するタイミング線31の表示を行う演奏タイミング指示手段と、電子ギター33のフレットスイッチを押さえて、弦スイッチを弾いたときに、対応する音を再生する制御部と、タッピング奏法で演奏するモードにおいて、あるフレットスイッチが押されているときに、そのスイッチを押したままで、そのスイッチより高音側のスイッチを押したときにハンマリングであると判断し、押されているスイッチが離されて、その押されていたスイッチより低音側のスイッチが押されたときにプリングと判断する判断手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏の優劣を競うゲーム用のプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイに表示された楽譜を見ながら、プレーヤが入力機器を操作して演奏技術を競うゲーム装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−6345
【特許文献2】特開平8−305356
【非特許文献1】GAMEST 1999年3.15号(ギターフリークス)株式会社新声社 1999年3月15日 第14巻 第10号 p.105
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこの種の装置では、楽譜を読めない初心者が正しいリズムに従って演奏するのは容易でなく、したがって従来の装置では、初心者が簡単に演奏を楽しむことはできなかった。
【0005】
また、従来の装置では、画面上に表示された楽譜に従って、プレーヤが演奏したときの演奏タイミングが、指示されたタイミングと一致しているか否かで、その演奏が適切であったかどうかを判断している。しかしながら、プロの演奏家でも、楽譜通りに演奏するだけでなく、その時のノリで僅かずつ早いタイミングで、或いは遅いタイミングで演奏することがある。このような演奏をすると、従来の装置では、間違いと表示されたり、技量が低く判定されたりする。このように、従来の装置は、音楽の持つノリを考慮していないので、楽器の演奏を楽しむということはできなかった。
【0006】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、楽譜を読めない初心者でも、簡単に楽器の演奏を楽しむことができるゲーム用のプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、少なくとも一つの操作用のスイッチを有する第1の入力部と信号を出力することができる操作用のスイッチを有する第2の入力部とを備える入力手段からの信号に基づいてゲーム全体の制御を行う制御手段、表示手段の画面上に、前記入力手段の第1の入力部に対応する表示物であって、前記入力手段の操作を指示するための領域を有する演奏指示表示物を楽譜オブジェクトとしてスクロール表示する楽譜オブジェクト表示手段、スクロール表示される前記演奏指示表示物に重ねて表示される、前記領域の先端部が重なったときに前記第1の入力部と前記第2の入力部の操作を指示するためのタイミング線を表示する演奏タイミング表示手段、タッピング奏法で演奏するモードであることを前記画面上に指示するタッピング奏法指示手段、前記モードにおいて、前記第1の入力部のあるスイッチが押されているときに、そのスイッチを押したままで、他のスイッチを押したときにハンマリング又はプリングを判断する判断手段、前記判断手段が、ハンマリングと判断したときには、新たに押されたスイッチのハンマリング用にサンプリングされた音を再生し、プリングと判断したときには、前記新たに押されたスイッチのプリング用にサンプリングされた音を再生するタッピング奏法制御手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、楽譜オブジェクトとしてスクロール表示される演奏指示表示物とタッピング奏法で演奏するモードであることの指示を見ながら演奏することにより、初心者でもリズムに合ったタッピング演奏を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態であるゲーム装置の概略構成図であり、(a)はその正面図、(b)はその右側面図である。
【図2】電子ギター20の詳細図である。
【図3】電子ギター部20の弦スイッチ22の拡大図である。
【図4】弦部ボリュームの出力を説明するための図である。
【図5】実際のギターを用いて弦を指で弾くときの様子を示す図である。
【図6】(a)は弦スイッチの動きを説明するための図である。(b)は弦部ボリュームの出力を説明するための図である。
【図7】本実施形態の制御ブロック図である。
【図8】弦スイッチを弾いたことを認識するためのフローチャートである。
【図9】一人でプレイするときにディスプレイに表示される画面である。
【図10】二人でプレイするときにディスプレイに表示される画面である。
【図11】演奏タイミングを説明するための楽譜オブジェクトの拡大図である。
【図12】リリースを説明するための楽譜オブジェクトの拡大図である。
【図13】鞠のキャラクタの動きを説明するための図である。
【図14】プレーヤにリズムの間違いを伝える方法を説明するための図である。
【図15】リノを説明するための図である。
【図16】ある曲について、どれだけずれているかの統計を取り、その結果を示す図である。
【図17】ノリ評価のフローチャートである。
【図18】タッピングモードに移行したとのフローチャートである。
【図19】本実施形態の概略のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施形態の構成]以下に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるゲーム装置の概略構成図であり、(a)はその正面図、(b)はその右側面図である。本実施形態のゲーム装置は、制御部1等が設けられた本体部10と、入力手段である電子ギター20とを有する。本体部10は、29インチのディスプレイ11と、高音用及び低音用の2種類のスピーカ12と、各種の操作用ボタンが配置された操作部13と、上部にある看板の両側に設けられたスポットライト15とを備えている。
【0011】
図2は電子ギター20の詳細図である。電子ギター20は、図2に示すように、感圧センサを用いた12個のフレットスイッチ21と、1個の弦スイッチ22と、感圧センサを用いたミュートスイッチ23と、ボリューム付きアーム24とを有する。フレットスイッチ21は実際のギターで弦を押さえる棹状の台板の表面を区切る突起であるフレットで区切られた部分に対応するものであり、弦スイッチ22はギターの弾弦部に対応するものである。図2に示す電子ギターでは、説明の便宜上、フレットスイッチに右側から順に1から12番までの番号を付することとする。また、5番目のフレットスイッチは指で触って分かるように、例えば小さな突起が形成されている。ミュートスイッチ23は、実際のギターのミュート奏法をシミュレートするためのものである。弦スイッチを弾いた後で、右手の手のひらでミュートスイッチを押すと音を止めることができ、またミュートスイッチを押しながら弦スイッチを弾くことで、実際のギターと同様のミュート奏法が可能となる。プレーヤがこのミュートスイッチを押すことにより、音色の幅が広がり、電子ギターを弾いているときの感覚をより本物に近づけることができる。アーム24は、トレモロアームであり、音にビブラートをかけるためのものである。プレーヤは任意のタイミングでビブラートをかけることにより、本物のギターと同様に自己主張をすることができる。プレーヤがフレットスイッチを押さえて、弦スイッチを弾くと、押さえたフレットスイッチに対応するコードが本体部のスピーカから再生される。すなわち、本ゲーム装置では、プレーヤがフレットスイッチを押さえて、弦スイッチを弾くことにより、実際のギターと同じ6弦分の音が再生されるので、初心者でもギターの難しいコードを簡単に弾くことができる。
【0012】
図3は電子ギター20の弦スイッチ22の拡大図である。弦スイッチ22は、図3に示すように回動自在であり、その動きはアナログボリューム(弦部ボリューム)に伝えられ、弾かれて動いた移動量がデジタル値に変換されて制御部1に送られる。中立箇所を0とすると、制御部1には図4の矢印で示すような変動域のデータが渡される。なお、図4は弦部ボリュームの出力を説明するための図であり、横軸に時間を取り、縦軸には出力値を取っている。制御部1はこのデータを基に、プレーヤが演奏したタイミングを判断し、音を再生する。ところで、本物のギターの弦を弾くことを想定してみると、図5に示すように、まず、(1)指に弦がかかり張力を発生させる。次に、(2)指が弦の張力を解放し、音を発生させる。そして、(3)弦が元に戻る。このように、本物のギターでは、3つのプロセスを経て音を発している。この3つのプロセスを弦スイッチ22の動作で表すと、図6(a)に示すようになる。このような弦スイッチ22の動作は、弦部ボリュームに伝えられ、弦部ボリュームの出力は、図6(b)に示すように変位する。この変位は、更に1/60秒毎に刻まれた多値データとして制御部1に送られる。入力手段としてギターを用いた従来の装置では、(1)のタイミングで音を発生させていた。しかしながら、このような方法では音を発生させるタイミングが実際のギターにおける音の発音タイミングと異なるので、プレーヤに違和感を与える。これに対して、本実施形態では、制御部1が、送られてきた多値データについて、各データ毎に直近のデータとの差分を取りその差がマイナスになったときに、音を再生する。すなわち、本実施形態では、実際のギターのタイミングに近い(2)のタイミングで音を再生するので、実際にギターを演奏しているときと、同様の感覚をプレーヤに与えることができる。
【0013】
また、実際のギターでは、弦を上から下に弾いたときと、下から上に引いたときでは、音の出方が異なるので、弦スイッチを上から下に弾いたときと、下から上に弾いたときとで、異なった音を再生するようにしてもよい。尚、本実施形態では、この奏法は得点には影響しないし、またその旨の演奏の指示も行わない。勿論、この奏法の表示を行って、得点に加点するようにしてもよい。
【0014】
図7は、本実施形態の制御ブロック図である。電子ギター20は、フレットスイッチに設けられた感圧センサ21aと、感圧センサの出力値を所定の閾値で2値化するアナログデジタル変換器21bと、各アナログデジタル変換器からの信号を4ビットのデータに変換するエンコード変換器21cと、弦スイッチ22と連動して動く弦部ボリューム22aと、アーム部24と連動して動くアームボリューム24aと、ミュートスイッチ23に設けられた感圧センサ23aからの信号を所定の閾値でアナログからデジタルに変換するアナログデジタル変換器23bとを有する。フレットスイッチは、2個所以上押さえても、意味がない。プレーヤがフレットスイッチを2個所以上押えたときには、根元側に近いフレットスイッチの音を再生すれば足りる。したがって、フレットスイッチを押していない状態である0からいずれかのフレットスイッチを押している12の状態を示すために、0〜12までを識別できればよいので、エンコード変換器21cの出力のデータ幅は4ビットあればよい。
【0015】
本体部10は、制御部1の他に、アンプ4と、ディスプレイ29等を備えている。制御部1は、ゲームの制御プログラムが格納されたROM1cと、各種の入力データや演算結果等を一時的に記憶するRAM1bと、ROM1cに格納された制御プログラムを読み出して実行することにより本ゲーム全体の制御を行うCPU1aと、音源1dとを有するシステム基板2と、入出力基板3とを備えている。弦部ボリューム22aとアームボリューム24aからのデータは多値データとして入出力基板に送られ、エンコード変換器21cとアナログデジタル変換器23bからのデータは2値データとして入出力基板に送られる。CPU1aは、ROM1cに記録された制御プログラムを読み出し、電子ギターから送られる各種のデータに基づいて、ディスプレイに表示する画面を生成する。本実施形態では、後述する楽譜オブジェクトやゴムまりが跳ねているようなキャラクタ(以下、単に鞠のキャラクタとも称する。)を画面に表示する。またCPU1aは、音源1dにデータを送って、音の再生を命令する。音源1dは、予め実際のギターのコードを演奏したときの音をサンプリングして記憶しており、CPU1aの命令に従って、対応するギターの音を再生する。したがって、プレーヤは電子ギター20のフレットスイッチ21と、弦スイッチ22を操作することにより、ギターのコードを演奏し、ギターの再生音を楽しむことができる。
【0016】
図8は弦スイッチを弾いたことを認識するためのフローチャートである。ステップS1では、弦ボリュームの値と変化の速度を監視する。弦ボリュームを監視しているときに、弦ボリュームの絶対値が基準値以上であるか否かを判断する(ステップS2)。基準値以下の場合は、音を出す必要がないのでステップS1に戻る。基準値以上であれば、ステップS3に移行して、弦ボリュームの変化の速度が基準値以上あるか否かを判断する。変化の速度が基準値以下である場合、例えば、ゆっくり弦を変化させた場合には、実際のギターでも音は出ないので、本実施形態でも、音を再生せずに、ステップS1に戻って監視を続ける。ステップS3の判断で、基準値以上の速さで弦ボリュームの値が変化したときには、ステップS4に移行して、弦ボリュームの値の変化が増加から減少に反転したか否かを判断する。反転していなければ、ステップS1に戻り、反転していれば、押さえていたフレットに対応する音を再生するよう音源1dに要求する。
【0017】
[演奏方法]次に、本ゲーム装置で電子ギターを用いて演奏する方法について説明する。操作部13に設けられた選択ボタンにより、一人でプレイするか二人でプレイするかを選択し、ゲーム開始ボタンを押す。一人でのプレイを選択したときには、図9に示す画面が、二人でのプレイを選択したときには、図10に示す画面がディスプレイに表示される。以下では、説明を簡略化するために、一人でプレイとするときの画面を参照して説明するが、二人でプレイするときも同様の方法で演奏することができる。
【0018】
図9に示す画面には、上部に楽譜オブジェクト30とタイミング線31と鞠のキャラクタ32が、中央部に電子ギターの画33が、下部に体力メータ34が表示されている。楽譜オブジェクト30は、ギターの棹状の台板表面に似せて描かれており、幅の狭い部分30aは音の始まりを示す部分であり、領域30bはプレーヤに押さえてほしいフレットスイッチを表示する部分である。説明の便宜上、この幅の狭い部分30aをフレット画部と称する。フレット画部に付されている数値は、電子ギターのフレットスイッチの番号に対応する。また各領域30bはギターのコードに対応する。楽譜オブジェクトは、CPUにより、画面の左側から右側に向かってスクロール表示される。電子ギター画33に表示されている12個の各フレットスイッチは、実際には、見やすいように、異なる色で色分けされている。体力メータ34は、間違った演奏を行うと、順次減り、体力メータがゼロになると、ゲームオーバーとなる。
【0019】
図11は演奏タイミングを説明するための楽譜オブジェクトの拡大図である。プレーヤは、画面上で右側から左側にスクロール表示される楽譜オブジェクトで指定されたフレットスイッチを押さえて、楽譜オブジェクトの各領域のフレット画部がタイミング線と重なった瞬間に弦スイッチを弾く。図11(a)の状態では、フレット画部に数字5が付され、その5番目の領域がフレットに対応した色で(図11では、網かけハッチングで)表示されているので、プレーヤは5番目のフレットスイッチを指で押さえる。画面がスクロールされて同図(b)に示すように、5番目のフレット画部がタイミング線と重なった瞬間に弦スイッチを弾く。間違ったフレットスイッチを押さえたり、弾くタイミングが違ったりすると、体力メータが減っていき、体力メータがなくなるとその瞬間にゲームオーバーとなる。体力メータがなくなる前に曲を演奏しきればステージクリアとなり、次の曲を演奏することが可能となる。また、本実施形態では、押さえるフレットは、楽譜オブジェクトで指示するだけでなく、図9に示すように、画面の電子ギター画33の対応するフレットの近傍に三角印を付することによっても指示される。これにより、初心者でも、難しいギターのコードを、容易に演奏することができる。なお、本実施形態では、プレーヤが間違ったフレットスイッチを押して弦スイッチを弾いたときには、間違った音がでる。
【0020】
なお、本実施形態では、プレーヤが押さえたフレットに対応した色のオブジェクトを表示するようにしてもよい。これにより、プレーヤは自分の押さえたフレットが正しいか否かを容易に確認することができる。
【0021】
図12はリリースを説明するための楽譜オブジェクトの拡大図である。本ゲーム装置では、「音の長さ」という概念を導入している。押さえていたフレットスイッチを離すか、押さえているフレットスイッチより内側のフレットスイッチを新たに押さえるか、又はミュートボタンを押すことにより、のびていた音を切ることができる。図12(a)は、フレット画部とタイミング線とが重なった状態を示しており、この状態でプレーヤは弦スイッチを弾く。これにより音が再生される。(b)の状態まで、指でフレットスイッチを押さえていると、再生が継続される。そして、(c)に示すようにタイミング線が領域の端部に位置したときに、フレットスイッチを離すと、再生が終わる。このリリースの上手下手を体力メータに反映させるようにしてもよい。
【0022】
[リズム取りの手法]次に、プレーヤにリズムを教える手法について説明する。従来の演奏を行うゲーム装置では、リズムの取れないプレーヤに対して間違えたことを伝えるだけであった。このため、プレーヤはどうすれば上達するのかが分からなかった。そこで、本実施形態では、プレーヤがリズムを取り易い表示を行うと共に、プレーヤに間違いの内容を伝えることにより、上達しようという向上心を起こさせる工夫を凝らしている。
【0023】
本実施形態では、プレーヤがタイミングを取り易くするために、画面上で、プレーヤの視界に入りやすい場所、図9に示す例では、楽譜オブジェクトの左隅に、跳ねる鞠のような画を表示する。この跳ねる鞠は自然法則に則って、図13に示すように放物線を描いて上下に動くようにプログラミングしておくと、プレーヤがリズムを取りやすくなる。尚、図13において、横軸には時間を、縦軸には鞠のキャラクタの位置をとっている。この鞠の動作は、オーケストラの指揮における指揮法に照らし合わせても納得のいく動きである。この鞠のキャラクタは、
y=−at2+bt(a>0,0<t<b/a)
の式に従って上下運動を繰り返す。プレーヤはこの鞠のキャラクタを見ながら、この鞠のキャラクタが一番下に位置したタイミングで弦スイッチを弾けば、タイミングよく弦スイッチを弾くことができる。これにより、初心者でも、容易にリズムに合ったギター演奏を行うことができる。
【0024】
次に、リズムの間違いをプレーヤに認識させる手法について説明する。図14はプレーヤにリズムの間違いを伝える方法を説明するための図である。プレーヤが5番目のフレットスイッチを押して、弦スイッチを弾いたときに、そのタイミングが正しいタイミングより早い場合には、「fast」の文字を5番目の領域の近傍に表示し、更にプレーヤが弾いたタイミングを三角印でフレット画部の左側に、早かった程度に応じてそのフレット画部から離して表示する。弾いたタイミングが正しいタイミングより遅い場合には、「late」の文字を表示し、更にプレーヤが弾いたタイミングを三角印でフレット画部の右側に、遅れの程度に応じてそのフレット画部から離して表示する。図14に示す場合は、5番目のフレットスイッチを押したときのタイミングが早かったので、5番目のフレット画部の左側に三角印が表示されている。このように、プレーヤの演奏したリズムが早いのか遅いのかをプレーヤが認識できれば、プレーヤは次の音で容易にその修正を行うことができる。また、プレーヤにリズムが早いか遅いかを伝えることにより、プレーヤにとっては上達の道を提示されることになるので、向上心が生まれる。更に、プレーヤが「どれぐらい早いのか或いは遅いのか」を知ることができるので、その修正幅も知ることができ、更に向上心を刺激することができる。
【0025】
[ノリ評価方法]次に、ノリ評価方法について説明する。従来技術では、リズム感の良さを評価するときに、絶対的な時間軸に対してどれだけその時間軸とずれが少ないか、ということだけを評価していた。しかしながら、音楽には「ノリ」というものがあり、従来の評価方法でプレーヤのリズム感を評価することには限界があった。例えば、基準となる絶対的なリズムに対して、3人のプレーヤが図15に示すように演奏した場合、従来の評価方法では、(プレーヤ1)=(プレーヤ2)<(プレーヤ3)という評価になる。しかしながら、プレーヤ2は、安定したリズムを刻んでおり、単に与えられた絶対的なリズムに対してずれがあるだけで(こういう演奏を「後ノリ」という。)、より音楽的な評価をするならば、(プレーヤ1)<(プレーヤ2)=(プレーヤ3)という評価をすべきである。本実施形態では、この「ノリ」の部分を評価するために、絶対的なリズムに対して、「どれだけずれているか」の統計をとる。それらの分散が小さければ小さい程、高得点となるようにボーナス得点を与えることにより、「ノリ」を評価する。図16は、ある曲について、どれだけずれているかの統計を取り、その結果を示す図である。図16の横軸はタイミングのずれを、縦軸は回数を示す。同図(a)に示す場合は、いわゆる前ノリといわれている演奏であり、このようなプレーヤに対しては、高得点を与える。同図(b)に示す場合は、正しいタイミングでリズムを取っており、従来と同様に高得点を与える。同図(c)に示す場合は、いわゆる後ノリといわれている演奏であり、この場合も高得点を与える。同図(d)に示す場合は、リズム取りがばらばらであるので、このような演奏を行ったプレーヤに対しては、低得点を与える。
【0026】
次に、ノリ評価の具体的な方法について説明する。本実施形態のゲームでは、60分の1秒で画面が切り替わり、その画面の切り替わる60分の1秒刻みで入力を感知することができる。また、音楽のリズムに乗っていると思われるのは、曲のテンポにもよるが、経験上だいたい+1/60秒から−1/60秒である。これ以上ずれていると、音を聞いていてタイミングがずれていることが分かる。そこで、本実施形態では、A:リズムが1/60秒早い場合、B:リズムがちょうど合っている場合、及びC:リズムが1/60秒遅い場合、をリズムに乗った演奏であると判断することとする。そして、それぞれのタイミングで演奏された音の数をそれぞれ、NA,NB,NCとして
( MAX(NA,NB,NC)−MIN(NA,NB,NC))×(定数)
の式に従ってボーナス点を算出する。NA,NB,NCのうちの最大値からNA,NB,NCの最小値を引いた値に定数をかけることによりボーナス点を算出し、算出したボーナス点は得点に加点される。このような計算式とすることにより、全ての入力がA,B,Cのいずれかのタイミングのときに最高得点となり、また全てのタイミングに平均して分散しているときに最低点となる。尚、分散を求めるのには時間がかかるので、本実施形態では、通常行われている演奏を、高速で評価するために、簡易な上記の方法を用いている。本実施形態のように、ノリを評価することにより、「前ノリ」、「後ノリ」の演奏も安定したリズムとして評価することができる。
【0027】
図17はノリ評価のフローチャートである。プレーヤによって音が演奏されると(ステップS1)、ステップS2で正確なタイミング(指示されたタイミングに対して±1/60秒以内)で正確な音が演奏されたか否かを確認する。正確なタイミングで正確な音が演奏されていれば、ステップS3に移行して、タイミングずれが早いか否かを判断する。タイミングが早くないときは、ステップS4に移行してタイミングが遅いか否かを判断する。タイミングが遅くないときには、ステップS5に移行して、リズムがちょうど合っている場合用のカウンタNBの値を一つ増やす。ステップS6では、演奏が終わったか否かを判断する。演奏が終わっていなければ、ステップS1に戻り、次の入力の処理を行う。演奏が終わっていれば、ステップS7に移行して、ノリ評価のボーナス計算を行う。ステップS3の判断で、タイミングが早いと判断したときには、ステップS8に移行して、リズムが1/60秒早い場合用のカウンタNAの値を一つ増やしてステップS6に移行する。そして、上述と同様の処理を行う。また、ステップS4の判断で、タイミングが遅いと判断したときには、ステップS9に移行して、1/60遅い場合用のカウンタNCの値を一つ増やしてステップS6に移行する。そして、上述と同様の処理を行う。このようにして、一曲演奏し終わったときの、NA,NB,NCの値を求め、上記の式を用いてノリ評価のボーナス点を計算する。
【0028】
[タッピングシミュレート]次に、タッピングシミュレートについて説明する。実際のギターでは、タッピング(ライトハンド)という奏法がある。この奏法は、ハンマリング・プリングという奏法を右手も交えて行う奏法で、基本的にはハンマリング・プリングである。ここで、ハンマリングとは、始めの音はピッキングし、次の音は同じ弦上の別のポジションを指でたたくようにして押さえて音を出すテクニックのことをいう。また、プリングとは、押さえていた指を弦から離すときに「引っかける」ようにして離して音を出すテクニックのことをいう。
【0029】
本実施形態のゲームでは、このタッピングを疑似的に行うことができるようにしている。これにより、初心者でも、難しいタッピング奏法を簡単に行うことができるようになる。本実施形態では、通常奏法とタッピング奏法とを区別して、演奏することとする。タッピング奏法に移るときには、その旨の表示(タッピングモードに移行したことを示す表示)を画面上で行う。タッピング奏法の指示は、文字で表示することにより、或いは、画面上の楽譜オブジェクトの該当する領域の色を違えることなどにより行う。タッピングモードの表示がなされていないときに、プレーヤがタッピングを行っても、無効な演奏となる。
【0030】
図18は、タッピングモードに移行したときのフローチャートである。ステップS1では、画面にタッピングモードであることを表示してタッピングモードに移行する。ステップS2では、何らかの音が弾かれているか否かを判断する。タッピングモードに移行しても、プレーヤが弦スイッチを弾いたら、ステップS3に移行して、対応する音を再生して、ステップS1に戻る。本実施形態では、タッピングモードに移行しても、プレーヤは弦スイッチを弾くことにより通常の音を再生することができる。ステップS2の判断で、弦スイッチが弾かれていないときは、ステップS4に移行して、ハンマリングであるか否かを判断する。すなわち、今押されているフレットスイッチから指が離れることなく、より高音のフレットスイッチが押されたことを感知した場合、ステップS5に移行して、その押されたフレットスイッチのハンマリング用にサンプリングされた音を再生する。そして、ステップS1に戻る。ステップS4の判断で、ハンマリングでなければ、ステップS6に移行してプリングであるか否かを判断する。すなわち、今押されているフレットスイッチより低音のフレットスイッチが押された状態で、今押されているフレットスイッチから指が離れた場合、プリングあると判断して、ステップS7に移行し、その低音のフレットスイッチのプリング用にサンプリングされた音を再生する。ステップS6の判断で、プリングでないと判断したときには、ステップS8に移行してミュートスイッチを触ったか否かを判断する。ミュートスイッチを触っていれば、ステップS9に移行して、音を停止する。ミュートスイッチに触っていなければ、ステップS1に戻って、上述の処理を繰り返す。この処理は、予め定めた、所定の期間だけ行われ、その期間が終了した後は、画面上のタッピングモードの表示を消し、通常のモードに戻ってゲームの制御を行う。
【0031】
[実施形態の動作]次に、本実施形態の概略の動作について図19を参照して説明する。図19は本実施形態の概略のフローチャートである。所定枚数のコインが投入され、操作部のスタートボタンが押されると、このフローが実行される。尚、プレーヤが入力するのは、楽曲の一部のパートであるベースやリードギター等の音であり、他のパートの音は制御部10により再生される。ステップS1では、初級と上級のどちらの難易度が選択されたかを判断する。初級が選択されたときには、ステップS2に移行して、初級用の第1曲目で、どの曲を選択したかを判断する。プレーヤは、予め用意されている20から30曲の中から、自分の演奏したい曲を選択する。ステップS3では、プレーヤが選択した曲を演奏する。ディスプレイの画面に図9の画が表示され、楽譜オブジェクトがスクロール表示される。プレーヤの演奏が上手であれば、すなわち、第1曲を演奏し終わるまでに、上手に演奏できて体力メータが残っていれば、ステップS4に移行して、第2曲目を選択したか否かを判断する。ステップS5では、第1曲目と同様にして第2曲目の演奏を行う。第2曲目も上手に演奏されると、ステップS6に移行して評価とランキングとエンディングの表示が行われる。評価は、例えば100満点で行われる。このとき、ノリの評価に基づくボーナス点が加点される。また、この演奏を過去に行われた演奏と比較して、そのプレーヤの順位を表示する。そして、ゲームが終了したことを画面に表示する。一方、ステップS3やステップS5の演奏中に演奏を間違えて、体力メータがゼロになったときには、ステップS6に移行して、上記と同様の処理を行い、ゲームの終了を表示する。
【0032】
また、ステップS1の難易度の選択で、上級を選択したときには、ステップS7に移行して、第1曲目の曲を選択する。ステップS8では、第1曲目の演奏を行い。上手に演奏できて体力メータが残っていれば、ステップS9に移行して、第2曲目の曲を選択する。ステップS10では、選択された第2曲目の曲を演奏する。第2曲目の演奏も、上手に演奏できれば、ステップS11に移行して第3曲目の曲を選択する。ステップS12では第3曲目の演奏を行う。第3曲目の演奏も上手にできれば、ステップS6に移行して、評価とランキングとエンディングの表示を行う。また、ステップS12で第3曲目の演奏を終わったときに、成績優秀者であるか否かを判断し、成績優秀なプレーヤには、更にエクストラ演奏を行う機会を与える。成績優秀であれば、ステップS13でエクストラ演奏用の曲を選択する。ステップS14では、そのエクストラ演奏を行い、ステップS6に移行して、評価とランキングとエンディングの表示を行う。尚、本ゲームは一曲あたり約90秒かかるので、1ゲームのだいたいの所要時間は約5分となる。
【0033】
[実施形態の効果]上記の本実施形態のゲーム装置によれば、楽譜を読めなくても、また難しいギターのコードを知らなくても、更にリズム感が悪くても、画面に表示された楽譜オブジェクトや鞠のキャラクタを見て演奏することにより、リズムに合ったギターの演奏を行うことができる。また、本ゲーム装置によれば、プレーヤが演奏したときのタイミングのずれが表示されるので、プレーヤは自分の演奏タイミングが早すぎるのか、或いは遅すぎるのかを知ることができ、したがって、初心者でも容易にリズムに合った演奏を行うことができ、更に演奏技術の向上を図ることができる。
【0034】
また、上記の本実施形態のゲーム装置によれば、所謂「前ノリ」や「後ノリ」も、適正な演奏として評価されるので、より実際の演奏に近い形で、ゲームを楽しむことができる。
【0035】
[他の実施形態]本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、電子ギターを演奏するゲーム装置について説明したが、本発明のゲーム装置は、ピアノなどの他の楽器を演奏するゲーム装置であってもよいし、またゲームではなく、ギターやピアノの練習用、或いは音楽教育用の装置などであってもよい。
【0036】
また、上記の実施形態では、ノリの評価を行う際に、簡易な計算式を用いて行ったが、ノリの評価は、ずれの分散を求めて行うようにしてもよい。これにより、より正確なノリの評価を行うことができる。
【0037】
また、上記の実施形態では、楽譜オブジェクトを横方向にスクロール表示する場合について説明したが、楽譜オブジェクトは上下方向にスクロール表示するようにしてもよい。
【0038】
更に、本実施形態では、本発明を、電子ギターを演奏するゲーム装置の形態で構成したが、本発明はこれに限らず、電子的入力手段とパーソナルコンピュータとアプリケーションの形態で構成するようにしてもよい。
【0039】
加えて、本発明は、上記の実施形態の機能を実現するプログラムを記録媒体に格納し、コンピュータを用いてその記録媒体に格納されたプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明したように、本発明のゲーム用のプログラムを記録した記録媒体では、楽譜オブジェクトとしてスクロール表示される演奏指示表示物を見ながら演奏することにより、初心者でもリズムに合った演奏を容易に行うことができる。したがって、本発明は、演奏の優劣を競うゲーム用のプログラムを記録した記録媒体に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの操作用のスイッチを有する第1の入力部と信号を出力することができる操作用のスイッチを有する第2の入力部とを備える入力手段からの信号に基づいてゲーム全体の制御を行う制御手段、
表示手段の画面上に、前記入力手段の第1の入力部に対応する表示物であって、前記入力手段の操作を指示するための領域を有する演奏指示表示物を楽譜オブジェクトとしてスクロール表示する楽譜オブジェクト表示手段、
スクロール表示される前記演奏指示表示物に重ねて表示される、前記領域の先端部が重なったときに前記第1の入力部と前記第2の入力部の操作を指示するためのタイミング線を表示する演奏タイミング表示手段、
タッピング奏法で演奏するモードであることを前記画面上に指示するタッピング奏法指示手段、
前記モードにおいて、前記第1の入力部のあるスイッチが押されているときに、そのスイッチを押したままで、他のスイッチを押したときにハンマリング又はプリングを判断する判断手段、
前記判断手段が、ハンマリングと判断したときには、新たに押されたスイッチのハンマリング用にサンプリングされた音を再生し、プリングと判断したときには、前記新たに押されたスイッチのプリング用にサンプリングされた音を再生するタッピング奏法制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項2】
更に、前記入力手段の前記第1の入力部と前記第2の入力部とが操作されたときに前記制御手段から送られる信号に従って、前記操作に対応する音のデータを記憶手段から読み出して音を再生する再生手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した請求項1記載の記録媒体。
【請求項3】
更に、演奏する曲に合わせてリズム取りを補助するために前記画面上で、上下方向に移動するリズム取り表示物を表示するリズム取り表示手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した請求項1又は2記載の記録媒体。
【請求項4】
前記判断手段は、前記モードにおいて、前記第1の入力部のあるスイッチが押されているときに、そのスイッチを押したままで、そのスイッチより高音側のスイッチを押したときにハンマリングであると判断し、押されているスイッチが離されて、その押されていたスイッチより低音側のスイッチが押されたときにプリングと判断することを特徴とする請求項1、2又は3記載の記録媒体。
【請求項5】
前記演奏タイミング表示手段は、スクロール表示される前記演奏指示表示物に重ねて表示される、前記領域の先端部が重なったときに前記第1の入力部と前記第2の入力部の操作を指示し、前記領域の後端部が重なったときに前記第1の入力部の操作終了を指示するためのタイミング線を表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の記録媒体。
【請求項6】
前記入力手段はギターの形状をしており、前記第1の入力部はギターのフレットで区切られた部分に対応する複数のフレットスイッチを有し、前記第2の入力部はギターの弾弦部に対応する弦スイッチを有するものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録媒体。
【請求項7】
前記楽譜オブジェクト表示手段が前記画面上に表示する前記演奏指示表示物は、ギターのフレットが形成された棹状の台板に似た表示物であることを特徴とする請求項6記載の記録媒体。
【請求項8】
前記弦スイッチは回動自在であり、その動きはボリュームに伝えられ、前記弦スイッチが弾かれて動いたときの前記ボリュームの移動量は所定の期間毎に刻まれたデジタルの多値データとして前記制御手段に送られ、
前記制御手段は、前記データ毎に直近のデータとの差分を取りその差分がマイナスになったときに、音を再生するように制御することを特徴とする請求項6又は7記載の記録媒体。
【請求項9】
前記制御手段は、前記弦スイッチを上から下に弾いたときと、下から上に弾いたときとで、異なった音を再生するように制御することを特徴とする請求項6、7又は8記載の記録媒体。
【請求項10】
更に、前記表示手段の画面に前記弦スイッチを上から下に弾くか、或いは下から上に弾くかを指示する表示を行う手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した請求項6乃至9の何れか1項に記載の記録媒体。
【請求項11】
前記入力手段は、前記弦スイッチを上から下に弾いたときと、下から上に弾いたときで、符号の異なる信号を出力することを特徴とする請求項5乃至10の何れか1項に記載の記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−183798(P2009−183798A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131338(P2009−131338)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【分割の表示】特願2007−73567(P2007−73567)の分割
【原出願日】平成11年4月5日(1999.4.5)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】