コンポジット・インダクタの新しい成形方法
【課題】均一な品質で大量生産可能な、コンポジット・インダクタの成形方法を提供する。
【解決手段】複数の対をなす電気端子片収納溝に、電気端子片収納用パレットを振動させつつ、電気端子片をそれぞれ収納・整列させ、空心コイル整列用パレットを振動させつつ、空心コイル投入孔に空心コイルを投入・整列させ、電気端子片収納用パレット上に空心コイル整列用パレットを重ねて整合させ、空心コイルのリード線に電気端子片を溶着させた後、電気端子片収納用パレットが除去された電気端子片の裏面に接着紙を貼り付け、これら複数のコイル−端子片組立体を空心コイル整列用パレットから分離して、接着紙を貼り付けたままインダクタ成形金型に入れ、金属磁性粉末と共に、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体を一度に加圧成形し、その成形体からコンポジット・インダクタを個々に切断・分離する。
【解決手段】複数の対をなす電気端子片収納溝に、電気端子片収納用パレットを振動させつつ、電気端子片をそれぞれ収納・整列させ、空心コイル整列用パレットを振動させつつ、空心コイル投入孔に空心コイルを投入・整列させ、電気端子片収納用パレット上に空心コイル整列用パレットを重ねて整合させ、空心コイルのリード線に電気端子片を溶着させた後、電気端子片収納用パレットが除去された電気端子片の裏面に接着紙を貼り付け、これら複数のコイル−端子片組立体を空心コイル整列用パレットから分離して、接着紙を貼り付けたままインダクタ成形金型に入れ、金属磁性粉末と共に、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体を一度に加圧成形し、その成形体からコンポジット・インダクタを個々に切断・分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンポジット・インダクタ（composite inductor）の新しい成形方法に関し、特にコンポジット・インダクタを自動で一度に大量生産することのできる成形方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
これまで知られている電気端子などの素子を含むコンポジット・インダクタの成形方法のうち最も簡単で代表的な方法としては、例えば、図１（イ）〜（二）に概略的に示す工程による方法が挙げられる。以下、図１を参照してこの従来の方法の概念を簡単に説明する。
【０００３】
従来の方法においては、中空部１が設けられた本体部２と、本体部２の底面に着脱可能に結合されるベース部３と、空心コイルリード線を挿入するための２つのコイル挿入孔４ａ、４ｂが設けられ、中空部１内に挿脱可能に設置される素子造形部４とから構成されるモールド（金型）Ｍが使用される。この従来の方法においては、コイル挿入孔４ａ、４ｂにコイルリード線５ａ、５ｂを挿入してコイル素子５を定位置に配置した後（図１（イ））、まず、ここに所定量の磁性材料、すなわち金属磁性粉末を加えて適切に振動操作することで所定の粉末層６を形成し（図１（ロ））、次に、モールドＭの上部に設置された加圧装置Ｐ（例えば、エアプレス又は油圧プレス）により所定の圧力をかけて金属磁性粉末体を一体に加圧成形し（図１（ハ））、このようにして得られた加圧成形体を脱型した後、各コイルリード線５ａ、５ｂを設計に応じて適当な長さに切断し、端子溶接などの必要な加工処理を行うことにより、インダクタＩが完成する（図１（二））。つまり、図示していないが、各コイルリード線５ａ、５ｂは、適当な手段で被膜を除去し、抵抗スポット溶接などの公知の適切な溶接法を用いて電気端子Ｔａ、Ｔｂに接合されるように加工処理する。その後、インダクタＩは熱硬化などの仕上げ処理を経て製品として出荷される。（特許文献１参照）
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】韓国特許登録第８６１１０３号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述した従来の方法においては、図１（イ）〜（二）の全過程が一々手作業で行われていたため、作業者に高度な熟練を要するだけでなく、工程時間が長く、各製品の均一な品質の実現が困難であるという欠点があった。従って、当該技術分野においては、前述した従来の方法の欠点を解消するとともに、複数のコンポジット・インダクタを均一な品質で一度に得られる方法が長い間求められてきた。
【０００６】
そこで、本発明は、コンポジット・インダクタを均一な品質で一度に大量生産することのできる、信頼性のある簡単で新しい成形方法を提供することをその目的及び技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者は、このような当該技術分野の要求に応えるために、長期間の検討を経て本発明を完成するに至った。
【０００８】
上記の目的及び技術的課題を達成するために、本発明は、表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレットを振動装置上で振動させることにより、前記電気端子片収納用パレット上に投入された所定の複数の電気端子片を前記各電気端子片収納溝に自動的に収納・整列させる第１工程と、前記２つ１組の電気端子片収納溝の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔が複数設けられた空心コイル整列用パレットを振動装置上で振動させ、前記空心コイル整列用パレットの表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイルを投入することにより、前記空心コイルを前記各空心コイル投入孔に自動的に投入・整列させる第２工程と、前記第１工程の電気端子片収納用パレット上に前記第２工程の空心コイル整列用パレットを重ねて整合させる第３工程と、前記電気加熱手段により前記電気端子片収納用パレットをハンダ溶融温度以上に加熱して前記空心コイルのリード線に前記電気端子片を溶着させた後、前記電気端子片収納用パレットが除去された電気端子片の裏面に接着紙を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体を前記空心コイル整列用パレットから分離する第４工程と、前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体を前記接着紙に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体を一度に成形する第５工程と、前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体から所定形状の個別のコンポジット・インダクタを切断・分離する第６工程とからなることを特徴とする、複数のコンポジット・インダクタを一度に成形する方法を提供する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、一々手作業で成形しなければならず、概して品質が不均一な従来のコンポジット・インダクタの成形方法に比べて、品質が均一に改善されたコンポジット・インダクタを一度に簡単に大量生産できるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【００１１】
図２（イ）は、本発明を実施するための電気端子片収納用パレット（以下、単に「端子用パレット」という）１０の斜視図である。端子用パレット１０は、通常の銅板又は青銅板で製作されることが好ましい。図２（ロ）は、図２（イ）のＡ−Ａ線部分断面図である。端子用パレット１０の上面には、必要に応じて２つ１組（１対）の端子片収納溝１１、１１が直方体状に陰刻加工される。図２（イ）、（ロ）に示す例においては、端子用パレット１０の上面に縦横にそれぞれ４組（４対）の端子片収納溝１１が設けられており、全体的には１６組（１６対）の端子片収納溝１１が配列される。各端子片収納溝１１の規格、すなわち縦×横×高さは、最終製品の規格に左右されるものであり、一律に規定されるものではない。また、２つ１組の端子片収納溝１１、１１間の間隔も、後述する空心コイルをはじめとする最終製品の規格に左右される。さらに、図２（イ）、（ロ）に示す例においては、２つ１組の端子片収納溝１１、１１を含む平面は正方形状であるが、これは本発明の必須要件ではなく、要求される製品の形態に応じて異なる。なお、符号１２は後述する空心コイル整列用パレットとの締結に使用される締結ピン孔を示す。
【００１２】
端子用パレット１０は、実際には、通常の振動板（図示せず）上に取り付けて使用する。つまり、端子用パレット１０を所定の既存の振動装置上に適切に結合した後、前記振動装置を作動させ、端子用パレット１０の表面上に所定規格の電気端子片１３を適当量供給すると、振動作用により、各電気端子片１３が端子用パレット１０の各端子片収納溝１１に自動的に収納・整列される。電気端子片１３は、錫メッキされた燐青銅板で製作されることが好ましい。電気端子片１３の規格は、概して端子片収納溝１１の規格に対応するが、電気端子片１３の厚さは、図２（ハ）に示すように、端子用パレット１０の表面から若干突出するように、端子片収納溝１１の深さより若干厚くすることが、本発明の実施に好ましい。電気端子片１３の厚さは、端子片収納溝１１の深さの約１．１〜１．２倍とすることが好ましいが、必須のものではなく、適切に変更してもよい。全ての端子片収納溝１１に電気端子片１３が収納されると、余分な電気端子片は適切な方式で端子用パレット１０の表面から除去される。これは、例えば銀行で硬貨を簡単に計数するために該当サイズの硬貨収納溝が設けられた計数板を使用する原理と類似する。（以上を「第１工程」という。）
端子用パレット１０には、加熱のために、通常の方式で通常の適切な電気加熱手段（図４の符号１０’を参照、例えば最大約２８０℃〜３００℃まで加熱できる電熱器）が結合される。このような電熱器との結合は、当該技術分野における通常の知識を有する者によって様々に選択可能であり、ここではその具体的な構成例を省略する。
【００１３】
図３（イ）は、本発明を実施するための空心コイル整列用パレット（以下、単に「コイル用パレット」という）２０の斜視図である。コイル用パレット２０も、端子用パレット１０と同じ材料（銅板又は青銅板）で製作されることが好ましい。図３（ロ）は、図３（イ）のＢ−Ｂ線部分断面図である。図３（イ）、（ロ）に示すように、コイル用パレット２０の表面には、後述する空心コイル２３を収納する円筒状のコイル投入孔２１が設けられている。コイル投入孔２１の大きさ（直径、深さなど）は、使用する空心コイル２３の規格に左右される。各コイル投入孔２１は、前述した図２（イ）、（ロ）の２つ１組の端子片収納溝１１、１１の位置とそれぞれ１：１で正確に対応する位置に設けられる。なお、符号２２は端子用パレット１０に設けられた締結ピン孔１２に対応する締結ピンを示す。
【００１４】
コイル用パレット２０も、端子用パレット１０と同様に、通常の振動装置（図示せず）に結合して使用する。つまり、コイル用パレット２０を振動装置に結合した後、前記振動装置を作動させ、コイル用パレット２０の表面上に適当な数の空心コイル２３を投入すると、振動により、各空心コイル２３が各コイル投入孔２１に自動的に投入・整列される。余分な空心コイル２３は、適切な手段によりコイル用パレット１０の表面から除去される。図３（ロ）に示すように、コイル投入孔２１は、空心コイル２３を自由に収納できる深さを有し、その入口の左右には、コイルリード線２３ａ（２３ｂ）、２３ｂ（２３ａ）がそれぞれ支持されるコイルリード線支持溝２１ａ（２１ｂ）、２１ｂ（２１ａ）が設けられている。各コイルリード線支持溝２１ａ、２１ｂの深さは、図３（ハ）に示すように、コイルリード線２３ａ、２３ｂがコイル用パレット２０の表面から若干突出する深さを有するが、これは使用するコイルの規格に左右される。空心コイル２３がコイル投入孔２１に投入・整列された状態の断面は図３（ハ）に概略的に示す。（以上を「第２工程」という。）
ここで、空心コイル２３の各コイルリード線２３ａ、２３ｂの上面には、図３（ハ）にＳで示すように、予め所定の厚さのハンダ接合が適切に行われている。
【００１５】
以上のように、端子用パレット１０の各端子片収納溝１１に電気端子片１３がそれぞれ収納・整列され、空心コイル用パレット２０の各コイル投入孔２１に空心コイル２３がそれぞれ投入・整列されると、図４に示すように、端子用パレット１０の各締結ピン孔１２にコイル用パレット２０の締結ピン２２を挿入して締結することにより、端子用パレット１０にコイル用パレット２０を整合させる。（以上を「第３工程」という。）
前記第３工程中に、前述のように、各電気端子片１３は、端子用パレット１０に結合された電気加熱手段１０’により熱が伝達されて、所定の温度に加熱される。ここで、加熱温度は、ハンダ溶融温度以上、すなわち約２８０℃〜３００℃とすることが好ましく、加熱時間は、前記温度範囲で約１〜５秒であることが好ましい。このようにすると、端子用パレット１０の端子片収納溝１１に収納された電気端子片１３に伝達される熱により、これに接触しているコイル用パレット２０の空心コイル２３のコイルリード線２３ａ、２３ｂに接合されたハンダＳに熱が伝達されて溶融するため、各電気端子片１３がコイルリード線２３ａ、２３ｂにそれぞれ溶着される。次に、端子用パレット１０及びコイル用パレット２０が冷却されると、端子用パレット１０を除去した後、コイル用パレット２０のコイル投入孔２１内に維持されているコイル−端子片組立体３１の端子の背面に接着紙３０を貼り付け、コイル用パレット２０からコイル−端子片組立体３１を分離する。（以上を「第４工程」という。）
このような方式で分離した、接着紙３０に貼り付けられた状態の個別のコイル−端子片組立体３１は図５に示す。次に、例えば、図５に示す一点鎖線Ｐ−Ｐ及びＱ−Ｑに沿って接着紙３０の縁部を切り取って次の工程に備える。（必要に応じて、縁部の切断を省略してもよい。）
接着紙３０に貼り付けられたコイル−端子片組立体３１は、図６（イ）に示すように、接着紙３０に貼り付けられたまま適切な成形用金型６２に入れる。なお、符号６３は金型６２を着脱可能にする脱型用ベースである。次に、図６（ロ）に示すように、金型６２の中空部に既存の方式で所定量の金属磁性粉末を加えて金属磁性粉末層６６を形成し、加圧手段Ｐにより所定の圧力をかけて加圧成形した後に脱型することにより、１６個（＝４×４）のコンポジット・インダクタを含む成形体６７を得る。図６（ハ）及び図６（二）は、それぞれ前記得られた成形体６７の模式断面図及び模式底面図である。（以上を「第５工程」という。）
成形体６７から個別のコンポジット・インダクタＣＩを得るためには、成形体６７を例えば図６（二）に一点鎖線で示す縦方向及び横方向の各切断線に沿って適切な切断手段で切断・分離する。（以上を「第６工程」という）
本実施形態では、計１６個の個別のコンポジット・インダクタＣＩが一度に成形される結果が得られる。切断・分離した１つのコンポジット・インダクタＣＩの例は図６（二）の二点鎖線円内に拡大して示す。
【００１６】
前述のように、最終のコンポジット・インダクタＣＩは、使用される電気又は電子装置で要求される各種仕様に応じて、その規格と形状を変更可能であり、従って、端子用パレット１０及びコイル用パレット２０の設計形態も変更可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。さらに、本発明の方法においては、前記第１工程と前記第２工程の順序を変えてもよい。
【００１７】
以上、１回の成形作業で計１６個（＝４×４）のコンポジット・インダクタを含む成形体を得る場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の方法によれば、必要に応じて、１回の成形作業で所定規格のコンポジット・インダクタを少なくとも２つ、多ければ数十〜数百個含む成形体を得ることもできる。例えば、端子片収納溝１１の対とコイル投入孔２１を縦横にそれぞれ１０個ずつ設けた場合は、１００個（＝１０×１０）のコンポジット・インダクタを一度に得ることができる。
【００１８】
従って、本発明によれば、表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝１１が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段１０’が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレット１０を振動装置上で振動させることにより、電気端子片収納用パレット１０上に投入された所定の複数の電気端子片１３を各電気端子片収納溝１１に自動的に収納・整列させる第１工程と、２つ１組の電気端子片収納溝１１の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔２１が複数設けられた空心コイル整列用パレット２０を振動装置上で振動させ、空心コイル整列用パレット２０の表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイル２３を投入することにより、空心コイル２３を各空心コイル投入孔２１に自動的に投入・整列させる第２工程と、前記第１工程の電気端子片収納用パレット１０上に前記第２工程の空心コイル整列用パレット２０を重ねて整合させる第３工程と、電気加熱手段１０’により電気端子片収納用パレット１０をハンダ溶融温度以上に加熱して空心コイル２３のリード線２３ａ、２３ｂに電気端子片１３を溶着させた後、電気端子片収納用パレット１０が除去された電気端子片１３の裏面に接着紙３０を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体３１を空心コイル整列用パレット２０から分離する第４工程と、前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体３１を接着紙３０に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型６２に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体６７を一度に成形する第５工程と、前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体６７から所定形状の個別のコンポジット・インダクタＣＩを切断・分離する第６工程とからなる成形方法を用いることにより、均一な品質のコンポジット・インダクタを大量成形できるようになった。
【産業上の利用可能性】
【００１９】
本発明の方法を関連産業に用いることにより、複数のコンポジット・インダクタを均一な品質で一度に大量生産することができ、労働力の削減や製品コストの低減などの目標を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】（イ）〜（二）は製品毎に一々成形する従来のコンポジット・インダクタの成形工程を示す模式図である。
【図２】（イ）は本発明による電気端子片収納用パレットの斜視図であり、（ロ）は電気端子片収納溝内に電気端子片が収納される原理を示す、（イ）のＡ−Ａ線部分断面図であり、（ハ）は２つ１組（１対）の電気端子収納溝に電気端子片が収納・整列された状態を示す断面図である。
【図３】（イ）は本発明による空心コイル整列用パレットの斜視図であり、（ロ）は空心コイル収納孔に空心コイルが投入・収納される原理を示す、（イ）のＢ−Ｂ線部分断面図であり、（ハ）は空心コイル収納孔に空心コイルが収納・整列された状態を示す断面図である。
【図４】本発明による電気端子片収納用パレットと空心コイル整列用パレットの結合原理を示す図である。
【図５】本発明により複数のコイル−端子片組立体を接着紙に貼り付けて空心コイル整列用パレットから分離した状態を示す斜視図である。
【図６】（イ）〜（ハ）は本発明による複数のコイル−端子片組立体をインダクタ成形用金型に入れて複数のコンポジット・インダクタを一度に成形する原理を示す図であり（例えば、図１（ロ）〜（二）に対応する）、（二）はそのようにして成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体から個別のコンポジット・インダクタを分離する原理を示す図である。
【符号の説明】
【００２１】
１０ 電気端子片収納用パレット
１１ 電気端子片収納溝
１３ 電気端子片
２０ 空心コイル整列用パレット
２１ 空心コイル投入孔
２３ 空心コイル
ＣＩ コンポジット・インダクタ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンポジット・インダクタ（composite inductor）の新しい成形方法に関し、特にコンポジット・インダクタを自動で一度に大量生産することのできる成形方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
これまで知られている電気端子などの素子を含むコンポジット・インダクタの成形方法のうち最も簡単で代表的な方法としては、例えば、図１（イ）〜（二）に概略的に示す工程による方法が挙げられる。以下、図１を参照してこの従来の方法の概念を簡単に説明する。
【０００３】
従来の方法においては、中空部１が設けられた本体部２と、本体部２の底面に着脱可能に結合されるベース部３と、空心コイルリード線を挿入するための２つのコイル挿入孔４ａ、４ｂが設けられ、中空部１内に挿脱可能に設置される素子造形部４とから構成されるモールド（金型）Ｍが使用される。この従来の方法においては、コイル挿入孔４ａ、４ｂにコイルリード線５ａ、５ｂを挿入してコイル素子５を定位置に配置した後（図１（イ））、まず、ここに所定量の磁性材料、すなわち金属磁性粉末を加えて適切に振動操作することで所定の粉末層６を形成し（図１（ロ））、次に、モールドＭの上部に設置された加圧装置Ｐ（例えば、エアプレス又は油圧プレス）により所定の圧力をかけて金属磁性粉末体を一体に加圧成形し（図１（ハ））、このようにして得られた加圧成形体を脱型した後、各コイルリード線５ａ、５ｂを設計に応じて適当な長さに切断し、端子溶接などの必要な加工処理を行うことにより、インダクタＩが完成する（図１（二））。つまり、図示していないが、各コイルリード線５ａ、５ｂは、適当な手段で被膜を除去し、抵抗スポット溶接などの公知の適切な溶接法を用いて電気端子Ｔａ、Ｔｂに接合されるように加工処理する。その後、インダクタＩは熱硬化などの仕上げ処理を経て製品として出荷される。（特許文献１参照）
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】韓国特許登録第８６１１０３号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述した従来の方法においては、図１（イ）〜（二）の全過程が一々手作業で行われていたため、作業者に高度な熟練を要するだけでなく、工程時間が長く、各製品の均一な品質の実現が困難であるという欠点があった。従って、当該技術分野においては、前述した従来の方法の欠点を解消するとともに、複数のコンポジット・インダクタを均一な品質で一度に得られる方法が長い間求められてきた。
【０００６】
そこで、本発明は、コンポジット・インダクタを均一な品質で一度に大量生産することのできる、信頼性のある簡単で新しい成形方法を提供することをその目的及び技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者は、このような当該技術分野の要求に応えるために、長期間の検討を経て本発明を完成するに至った。
【０００８】
上記の目的及び技術的課題を達成するために、本発明は、表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレットを振動装置上で振動させることにより、前記電気端子片収納用パレット上に投入された所定の複数の電気端子片を前記各電気端子片収納溝に自動的に収納・整列させる第１工程と、前記２つ１組の電気端子片収納溝の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔が複数設けられた空心コイル整列用パレットを振動装置上で振動させ、前記空心コイル整列用パレットの表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイルを投入することにより、前記空心コイルを前記各空心コイル投入孔に自動的に投入・整列させる第２工程と、前記第１工程の電気端子片収納用パレット上に前記第２工程の空心コイル整列用パレットを重ねて整合させる第３工程と、前記電気加熱手段により前記電気端子片収納用パレットをハンダ溶融温度以上に加熱して前記空心コイルのリード線に前記電気端子片を溶着させた後、前記電気端子片収納用パレットが除去された電気端子片の裏面に接着紙を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体を前記空心コイル整列用パレットから分離する第４工程と、前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体を前記接着紙に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体を一度に成形する第５工程と、前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体から所定形状の個別のコンポジット・インダクタを切断・分離する第６工程とからなることを特徴とする、複数のコンポジット・インダクタを一度に成形する方法を提供する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、一々手作業で成形しなければならず、概して品質が不均一な従来のコンポジット・インダクタの成形方法に比べて、品質が均一に改善されたコンポジット・インダクタを一度に簡単に大量生産できるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【００１１】
図２（イ）は、本発明を実施するための電気端子片収納用パレット（以下、単に「端子用パレット」という）１０の斜視図である。端子用パレット１０は、通常の銅板又は青銅板で製作されることが好ましい。図２（ロ）は、図２（イ）のＡ−Ａ線部分断面図である。端子用パレット１０の上面には、必要に応じて２つ１組（１対）の端子片収納溝１１、１１が直方体状に陰刻加工される。図２（イ）、（ロ）に示す例においては、端子用パレット１０の上面に縦横にそれぞれ４組（４対）の端子片収納溝１１が設けられており、全体的には１６組（１６対）の端子片収納溝１１が配列される。各端子片収納溝１１の規格、すなわち縦×横×高さは、最終製品の規格に左右されるものであり、一律に規定されるものではない。また、２つ１組の端子片収納溝１１、１１間の間隔も、後述する空心コイルをはじめとする最終製品の規格に左右される。さらに、図２（イ）、（ロ）に示す例においては、２つ１組の端子片収納溝１１、１１を含む平面は正方形状であるが、これは本発明の必須要件ではなく、要求される製品の形態に応じて異なる。なお、符号１２は後述する空心コイル整列用パレットとの締結に使用される締結ピン孔を示す。
【００１２】
端子用パレット１０は、実際には、通常の振動板（図示せず）上に取り付けて使用する。つまり、端子用パレット１０を所定の既存の振動装置上に適切に結合した後、前記振動装置を作動させ、端子用パレット１０の表面上に所定規格の電気端子片１３を適当量供給すると、振動作用により、各電気端子片１３が端子用パレット１０の各端子片収納溝１１に自動的に収納・整列される。電気端子片１３は、錫メッキされた燐青銅板で製作されることが好ましい。電気端子片１３の規格は、概して端子片収納溝１１の規格に対応するが、電気端子片１３の厚さは、図２（ハ）に示すように、端子用パレット１０の表面から若干突出するように、端子片収納溝１１の深さより若干厚くすることが、本発明の実施に好ましい。電気端子片１３の厚さは、端子片収納溝１１の深さの約１．１〜１．２倍とすることが好ましいが、必須のものではなく、適切に変更してもよい。全ての端子片収納溝１１に電気端子片１３が収納されると、余分な電気端子片は適切な方式で端子用パレット１０の表面から除去される。これは、例えば銀行で硬貨を簡単に計数するために該当サイズの硬貨収納溝が設けられた計数板を使用する原理と類似する。（以上を「第１工程」という。）
端子用パレット１０には、加熱のために、通常の方式で通常の適切な電気加熱手段（図４の符号１０’を参照、例えば最大約２８０℃〜３００℃まで加熱できる電熱器）が結合される。このような電熱器との結合は、当該技術分野における通常の知識を有する者によって様々に選択可能であり、ここではその具体的な構成例を省略する。
【００１３】
図３（イ）は、本発明を実施するための空心コイル整列用パレット（以下、単に「コイル用パレット」という）２０の斜視図である。コイル用パレット２０も、端子用パレット１０と同じ材料（銅板又は青銅板）で製作されることが好ましい。図３（ロ）は、図３（イ）のＢ−Ｂ線部分断面図である。図３（イ）、（ロ）に示すように、コイル用パレット２０の表面には、後述する空心コイル２３を収納する円筒状のコイル投入孔２１が設けられている。コイル投入孔２１の大きさ（直径、深さなど）は、使用する空心コイル２３の規格に左右される。各コイル投入孔２１は、前述した図２（イ）、（ロ）の２つ１組の端子片収納溝１１、１１の位置とそれぞれ１：１で正確に対応する位置に設けられる。なお、符号２２は端子用パレット１０に設けられた締結ピン孔１２に対応する締結ピンを示す。
【００１４】
コイル用パレット２０も、端子用パレット１０と同様に、通常の振動装置（図示せず）に結合して使用する。つまり、コイル用パレット２０を振動装置に結合した後、前記振動装置を作動させ、コイル用パレット２０の表面上に適当な数の空心コイル２３を投入すると、振動により、各空心コイル２３が各コイル投入孔２１に自動的に投入・整列される。余分な空心コイル２３は、適切な手段によりコイル用パレット１０の表面から除去される。図３（ロ）に示すように、コイル投入孔２１は、空心コイル２３を自由に収納できる深さを有し、その入口の左右には、コイルリード線２３ａ（２３ｂ）、２３ｂ（２３ａ）がそれぞれ支持されるコイルリード線支持溝２１ａ（２１ｂ）、２１ｂ（２１ａ）が設けられている。各コイルリード線支持溝２１ａ、２１ｂの深さは、図３（ハ）に示すように、コイルリード線２３ａ、２３ｂがコイル用パレット２０の表面から若干突出する深さを有するが、これは使用するコイルの規格に左右される。空心コイル２３がコイル投入孔２１に投入・整列された状態の断面は図３（ハ）に概略的に示す。（以上を「第２工程」という。）
ここで、空心コイル２３の各コイルリード線２３ａ、２３ｂの上面には、図３（ハ）にＳで示すように、予め所定の厚さのハンダ接合が適切に行われている。
【００１５】
以上のように、端子用パレット１０の各端子片収納溝１１に電気端子片１３がそれぞれ収納・整列され、空心コイル用パレット２０の各コイル投入孔２１に空心コイル２３がそれぞれ投入・整列されると、図４に示すように、端子用パレット１０の各締結ピン孔１２にコイル用パレット２０の締結ピン２２を挿入して締結することにより、端子用パレット１０にコイル用パレット２０を整合させる。（以上を「第３工程」という。）
前記第３工程中に、前述のように、各電気端子片１３は、端子用パレット１０に結合された電気加熱手段１０’により熱が伝達されて、所定の温度に加熱される。ここで、加熱温度は、ハンダ溶融温度以上、すなわち約２８０℃〜３００℃とすることが好ましく、加熱時間は、前記温度範囲で約１〜５秒であることが好ましい。このようにすると、端子用パレット１０の端子片収納溝１１に収納された電気端子片１３に伝達される熱により、これに接触しているコイル用パレット２０の空心コイル２３のコイルリード線２３ａ、２３ｂに接合されたハンダＳに熱が伝達されて溶融するため、各電気端子片１３がコイルリード線２３ａ、２３ｂにそれぞれ溶着される。次に、端子用パレット１０及びコイル用パレット２０が冷却されると、端子用パレット１０を除去した後、コイル用パレット２０のコイル投入孔２１内に維持されているコイル−端子片組立体３１の端子の背面に接着紙３０を貼り付け、コイル用パレット２０からコイル−端子片組立体３１を分離する。（以上を「第４工程」という。）
このような方式で分離した、接着紙３０に貼り付けられた状態の個別のコイル−端子片組立体３１は図５に示す。次に、例えば、図５に示す一点鎖線Ｐ−Ｐ及びＱ−Ｑに沿って接着紙３０の縁部を切り取って次の工程に備える。（必要に応じて、縁部の切断を省略してもよい。）
接着紙３０に貼り付けられたコイル−端子片組立体３１は、図６（イ）に示すように、接着紙３０に貼り付けられたまま適切な成形用金型６２に入れる。なお、符号６３は金型６２を着脱可能にする脱型用ベースである。次に、図６（ロ）に示すように、金型６２の中空部に既存の方式で所定量の金属磁性粉末を加えて金属磁性粉末層６６を形成し、加圧手段Ｐにより所定の圧力をかけて加圧成形した後に脱型することにより、１６個（＝４×４）のコンポジット・インダクタを含む成形体６７を得る。図６（ハ）及び図６（二）は、それぞれ前記得られた成形体６７の模式断面図及び模式底面図である。（以上を「第５工程」という。）
成形体６７から個別のコンポジット・インダクタＣＩを得るためには、成形体６７を例えば図６（二）に一点鎖線で示す縦方向及び横方向の各切断線に沿って適切な切断手段で切断・分離する。（以上を「第６工程」という）
本実施形態では、計１６個の個別のコンポジット・インダクタＣＩが一度に成形される結果が得られる。切断・分離した１つのコンポジット・インダクタＣＩの例は図６（二）の二点鎖線円内に拡大して示す。
【００１６】
前述のように、最終のコンポジット・インダクタＣＩは、使用される電気又は電子装置で要求される各種仕様に応じて、その規格と形状を変更可能であり、従って、端子用パレット１０及びコイル用パレット２０の設計形態も変更可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。さらに、本発明の方法においては、前記第１工程と前記第２工程の順序を変えてもよい。
【００１７】
以上、１回の成形作業で計１６個（＝４×４）のコンポジット・インダクタを含む成形体を得る場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の方法によれば、必要に応じて、１回の成形作業で所定規格のコンポジット・インダクタを少なくとも２つ、多ければ数十〜数百個含む成形体を得ることもできる。例えば、端子片収納溝１１の対とコイル投入孔２１を縦横にそれぞれ１０個ずつ設けた場合は、１００個（＝１０×１０）のコンポジット・インダクタを一度に得ることができる。
【００１８】
従って、本発明によれば、表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝１１が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段１０’が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレット１０を振動装置上で振動させることにより、電気端子片収納用パレット１０上に投入された所定の複数の電気端子片１３を各電気端子片収納溝１１に自動的に収納・整列させる第１工程と、２つ１組の電気端子片収納溝１１の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔２１が複数設けられた空心コイル整列用パレット２０を振動装置上で振動させ、空心コイル整列用パレット２０の表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイル２３を投入することにより、空心コイル２３を各空心コイル投入孔２１に自動的に投入・整列させる第２工程と、前記第１工程の電気端子片収納用パレット１０上に前記第２工程の空心コイル整列用パレット２０を重ねて整合させる第３工程と、電気加熱手段１０’により電気端子片収納用パレット１０をハンダ溶融温度以上に加熱して空心コイル２３のリード線２３ａ、２３ｂに電気端子片１３を溶着させた後、電気端子片収納用パレット１０が除去された電気端子片１３の裏面に接着紙３０を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体３１を空心コイル整列用パレット２０から分離する第４工程と、前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体３１を接着紙３０に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型６２に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体６７を一度に成形する第５工程と、前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体６７から所定形状の個別のコンポジット・インダクタＣＩを切断・分離する第６工程とからなる成形方法を用いることにより、均一な品質のコンポジット・インダクタを大量成形できるようになった。
【産業上の利用可能性】
【００１９】
本発明の方法を関連産業に用いることにより、複数のコンポジット・インダクタを均一な品質で一度に大量生産することができ、労働力の削減や製品コストの低減などの目標を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】（イ）〜（二）は製品毎に一々成形する従来のコンポジット・インダクタの成形工程を示す模式図である。
【図２】（イ）は本発明による電気端子片収納用パレットの斜視図であり、（ロ）は電気端子片収納溝内に電気端子片が収納される原理を示す、（イ）のＡ−Ａ線部分断面図であり、（ハ）は２つ１組（１対）の電気端子収納溝に電気端子片が収納・整列された状態を示す断面図である。
【図３】（イ）は本発明による空心コイル整列用パレットの斜視図であり、（ロ）は空心コイル収納孔に空心コイルが投入・収納される原理を示す、（イ）のＢ−Ｂ線部分断面図であり、（ハ）は空心コイル収納孔に空心コイルが収納・整列された状態を示す断面図である。
【図４】本発明による電気端子片収納用パレットと空心コイル整列用パレットの結合原理を示す図である。
【図５】本発明により複数のコイル−端子片組立体を接着紙に貼り付けて空心コイル整列用パレットから分離した状態を示す斜視図である。
【図６】（イ）〜（ハ）は本発明による複数のコイル−端子片組立体をインダクタ成形用金型に入れて複数のコンポジット・インダクタを一度に成形する原理を示す図であり（例えば、図１（ロ）〜（二）に対応する）、（二）はそのようにして成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体から個別のコンポジット・インダクタを分離する原理を示す図である。
【符号の説明】
【００２１】
１０ 電気端子片収納用パレット
１１ 電気端子片収納溝
１３ 電気端子片
２０ 空心コイル整列用パレット
２１ 空心コイル投入孔
２３ 空心コイル
ＣＩ コンポジット・インダクタ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝（１１）が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段（１０’）が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレット（１０）を振動装置上で振動させることにより、前記電気端子片収納用パレット（１０）上に投入された所定の複数の電気端子片（１３）を前記各電気端子片収納溝（１１）に自動的に収納・整列させる第１工程と、
前記２つ１組の電気端子片収納溝（１１）の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔（２１）が複数設けられた空心コイル整列用パレット（２０）を振動装置上で振動させ、前記空心コイル整列用パレット（２０）の表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイル（２３）を投入することにより、前記空心コイル（２３）を前記各空心コイル投入孔（２１）に自動的に投入・整列させる第２工程と、
前記第１工程の電気端子片収納用パレット（１０）上に前記第２工程の空心コイル整列用パレット（２０）を重ねて整合させる第３工程と、
前記電気加熱手段（１０’）により前記電気端子片収納用パレット（１０）をハンダ溶融温度以上に加熱して前記空心コイル（２３）のリード線（２３ａ、２３ｂ）に前記電気端子片（１３）を溶着させた後、前記電気端子片収納用パレット（１０）が除去された電気端子片（１３）の裏面に接着紙を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体（３１）を前記空心コイル整列用パレット（２０）から分離する第４工程と、
前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体（３１）を前記接着紙に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型（６２）に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体（６７）を一度に成形する第５工程と、
前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体（６７）から所定形状の個別のコンポジット・インダクタ（ＣＩ）を切断・分離する第６工程と
を含むことを特徴とするコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項２】
前記電気端子片収納用パレット（１０）及び前記コイル整列用パレット（２０）が、それぞれ銅板又は青銅板を材料として製作される、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項３】
前記電気端子片（１３）が、錫メッキされた燐青銅板で製作される、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項４】
前記第４工程における加熱が、２８０℃〜３００℃で１〜５秒間行われる、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項５】
１回の成形作業で成形されるインダクタの数が少なくとも２つである、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項６】
前記第１工程と前記第２工程とは、順序を変えて行える、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項７】
前記第５工程及び前記第６工程が必ず含まれる、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項８】
請求項１〜７に記載の方法で成形して得られたコンポジット・インダクタ。
【請求項１】
表面に所定の電気端子片の形状に一致するように陰刻加工された２つ１組（１対）の電気端子片収納溝（１１）が複数設けられ、裏面に任意の通常の電気加熱手段（１０’）が通常の方法で連結される電気端子片収納用パレット（１０）を振動装置上で振動させることにより、前記電気端子片収納用パレット（１０）上に投入された所定の複数の電気端子片（１３）を前記各電気端子片収納溝（１１）に自動的に収納・整列させる第１工程と、
前記２つ１組の電気端子片収納溝（１１）の位置に対応する位置の表面に所定の空心コイル投入孔（２１）が複数設けられた空心コイル整列用パレット（２０）を振動装置上で振動させ、前記空心コイル整列用パレット（２０）の表面上に両側リード線がハンダ処理された所定の複数の空心コイル（２３）を投入することにより、前記空心コイル（２３）を前記各空心コイル投入孔（２１）に自動的に投入・整列させる第２工程と、
前記第１工程の電気端子片収納用パレット（１０）上に前記第２工程の空心コイル整列用パレット（２０）を重ねて整合させる第３工程と、
前記電気加熱手段（１０’）により前記電気端子片収納用パレット（１０）をハンダ溶融温度以上に加熱して前記空心コイル（２３）のリード線（２３ａ、２３ｂ）に前記電気端子片（１３）を溶着させた後、前記電気端子片収納用パレット（１０）が除去された電気端子片（１３）の裏面に接着紙を貼り付け、複数のコイル−端子片組立体（３１）を前記空心コイル整列用パレット（２０）から分離する第４工程と、
前記第４工程の複数のコイル−端子片組立体（３１）を前記接着紙に貼り付けられたまま所定のインダクタ成形金型（６２）に入れ、金属磁性粉末とともに既存の方式で加圧成形することにより、所定の複数のコンポジット・インダクタを含む成形体（６７）を一度に成形する第５工程と、
前記第５工程で成形された複数のコンポジット・インダクタを含む成形体（６７）から所定形状の個別のコンポジット・インダクタ（ＣＩ）を切断・分離する第６工程と
を含むことを特徴とするコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項２】
前記電気端子片収納用パレット（１０）及び前記コイル整列用パレット（２０）が、それぞれ銅板又は青銅板を材料として製作される、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項３】
前記電気端子片（１３）が、錫メッキされた燐青銅板で製作される、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項４】
前記第４工程における加熱が、２８０℃〜３００℃で１〜５秒間行われる、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項５】
１回の成形作業で成形されるインダクタの数が少なくとも２つである、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項６】
前記第１工程と前記第２工程とは、順序を変えて行える、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項７】
前記第５工程及び前記第６工程が必ず含まれる、請求項１に記載のコンポジット・インダクタの新しい成形方法。
【請求項８】
請求項１〜７に記載の方法で成形して得られたコンポジット・インダクタ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１０−２７８４１３（Ｐ２０１０−２７８４１３Ａ）
【公開日】平成２２年１２月９日（２０１０．１２．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２６３０６１（Ｐ２００９−２６３０６１）
【出願日】平成２１年１１月１８日（２００９．１１．１８）
【出願人】（５０９３１９３１７）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月９日（２０１０．１２．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１１月１８日（２００９．１１．１８）
【出願人】（５０９３１９３１７）
【Ｆターム（参考）】
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