説明

コート基材及びそれらから調製された包装

本発明は、少なくとも次のもの:i)融点Tm1を有し、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーを含む第一組成物から形成された第一層、ii)次のもの:a)少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマー、及びb)少なくとも1種のエチレンに基づくポリマーを含む第二組成物から形成された第二層、並びにiii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み、ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材を提供する。本発明は、少なくとも次のもの:i)融点Tm1を有する第一組成物から形成された第一層、並びにii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み、ここで、第一組成物は、15から35g/10分のMFRを有する少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含み、ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
本出願は、参照により本明細書に完全に組み込まれている、2009年7月17日に出願された欧州特許出願第09382115.5号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
重包装袋(Heavy Duty Shipping Sack)(HDSS)の総量は、次の3つの材料:紙、ポリエチレン及びポリプロピレン織物に分配される。ポリプロピレンから形成された袋の主な利点は、ポリエチレン袋又は紙袋と比べた場合のそれら優れた強靱性である。このため、ポリプロピレン袋の大部分は、建築及び建設材料、肥料、及びペットフードなどの重い消費財の包装に使用されている。化学産業において、ポリエチレン袋は、主として、水分に対する良好なバリア、良好なシール能力及び良好な印刷品質などのそれらの多くの利点のために使用されている。
【0003】
製袋充填システム(form fill and seal system)(FFS)の導入は、紙からポリエチレン袋への転換における重要な要因である。FFSプロセスにおいて、袋は、袋詰め機で1巻のフィルムから(垂直にシールされ袋の底部でシールされ)形成され、即座に、形成された袋は、充填され上部をシールされる。したがって、袋詰めプロセスは、高速度充填プロセスに完全に一体化されている。
【0004】
ポリプロピレン袋は、肥料及びペットフードなどの重い粉末及び充填剤の包装のためのFFSプロセスにおいて使用するために望ましい。しかし、このような袋は、ポリエチレン袋と比べて、劣ったシール性及びバリア性を有する。織ポリプロピレン袋の不透過性を改善するための従来の解決法は、ポリプロピレン基材にコーティングを塗るステップを含む。しかし、求められるシール温度における乏しいシール性能のために、FFSプロセスにおけるポリプロピレン基材の使用については、依然として問題が残っている。このため、現在の織ポリプロピレン袋は、縫い目又は継ぎによって閉じられる予め作られた袋に限定されたままである。
【0005】
米国特許第4,844,958号は、それに熱可塑性テープが固定され、押出ポリマーコーティングヒューズがテープ及び織物に接着した織チューブ体を有する円形織物を開示している。押出コート円形織物は、微粒子を運搬するための中間物バルクコンテナーにおいて有用である。ポリプロピレン、ポリエチレン、LLDPE、LDPE及びそれらのブレンドは、押出コーティングのために使用することができる。
【0006】
イギリス特許第1265755号明細書は、織物層及びその上の連続熱可塑性コーティングからなる積層ウェブを開示している。この織物層は、結晶性ポリオレフィンから作られたテープを編み合わせることによって作られており、このコーティングは、少なくとも10重量パーセントの同じ結晶性オレフィンポリマー及び少なくとも40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含有する。
【0007】
特開2001−030446A(要約書)は、コート処理され、0.870−0.920g/ccの密度、1−100g/10分のMFR、25−85℃のTREF溶出曲線の最大ピーク温度、及び少なくとも90重量パーセントの90℃以下における溶出量を有するエチレン−α−オレフィンコポリマーを含むポリエチレン樹脂材料を含む樹脂層をラミネートされた熱可塑性樹脂延伸糸からなる織布ベース材料を開示している。
【0008】
国際公開第2009/091952号は、少なくとも以下のもの:i)第一層、ii)第二層、及びiii)織ウェブ及び/又は不織ウェブを含み;ここで、第二層は、第一層の軟化点及び/又は融点のそれぞれ、及びウェブの軟化点及び/又は融点のそれぞれと比べて、より低い軟化点及び/又は融点を有する有孔コート基材を開示している。コート基材の層は、共通の中心を持つ貫通穴を有する。
【0009】
国際公開第2008/100720号は、ヒートシール可能なフィルムを形成するための押出コーティングプロセスにおける使用に適する組成物を開示している。この組成物は、50から92重量パーセントのプロピレンに基づくプラストマー又はエラストマー、及び8から50重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む。この発明は、これらの組成物から作られたヒートシール可能なシール、及び特にピーラブルシール(peelable seal)にも関する。
【0010】
米国特許第6,387,491号は、連続基板の一面における幅方向における、少なくとも端部以外の位置における、長手方向における連続した、フラップを融合することによって形成されたフラップ融合板を開示している。この基板は、高融点ポリオレフィンで作られたフラットヤーンクロスの両面に、低融点ポリオレフィンで作られた層をラミネートすることによって形成される。
【0011】
米国出願公開第2007/0254176号は、低結晶性ポリマーを含む第一又は低結晶性層、及び高結晶性ポリマーを含む第二又は高結晶性層の少なくとも2つの層を含む物品を開示している。この高結晶性ポリマーは、示差走査熱量測定法(DSC)で測定して、低結晶性ポリマーの融点の25℃とほぼ同じかそれ未満である融点を有する。この物品は、そのもとの長さ又は幅の少なくとも約50%の伸びまで、少なくとも一方向に低結晶性ポリマーの融点未満で伸ばされて、予め延伸された物品を形成する。好ましくは、この高結晶性層は、伸びると塑性変形を受けることができる。
【0012】
国際公開第2009/033196号(要約書)は、一軸延伸ポリマーテープ、特にポリオレフィン又はポリエステルテープ、好ましくはポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートテープからの織物を含むコート織物を開示している。この織物は、織物テープ材料の微結晶融点未満の融点を有する熱可塑性合成物で生成されたシール層でコートされている。このコート織物は、熱風、超音波、熱器具、赤外線、又はレーザー光線溶接技術に特に適する。
【0013】
更なるコート基材、フィルム、及び/又は袋は、米国特許出願公開第2006/0172143号及び同第2006/0204696号、国際公開第2007/05059号、同第2007/008753号、同第2010/002837号、イギリス特許出願第2039788A号、及び特開昭59−011250A(要約書)に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
FFSプロセスにおける使用のための改良されたシール強度を有するコート基材のニーズが依然として存在する。重い粉末及び充填剤を保持するために十分な強度を有するこのような袋のさらなるニーズが存在する。これらニーズは、以下の発明によって満たされた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、少なくとも以下のもの:
i)融点Tm1を有し、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーを含む第一組成物から形成された第一層;
ii)以下のもの:a)少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマー、及びb)少なくとも1種のエチレンに基づくポリマーを含む第二組成物から形成された第二層;並びに
iii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み;ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材を提供する。
【0016】
本発明は少なくとも以下のもの:
i)融点Tm1を有する第一組成物から形成された第一層;並びに
ii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み;ここで、
第一組成物は、15から35g/10分のMFRを有する少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含み、ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コート基材(シール層は、第一層であり、連結層(tie layer)は、第二層である)の一例を描いた図である。
【図2】数種のコート基材のシール強度プロフィール(シール強度に対するそのシールが調製された温度)を描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の詳細な説明
先に論じられた通り、本発明は、少なくとも以下のもの:
i)融点Tm1を有し、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーを含む第一組成物から形成された第一層;
ii)以下のもの:a)少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマー、及びb)少なくとも1種のエチレンに基づくポリマーを含む第二組成物から形成された第二層;並びに
iii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み;
ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材を提供する。
【0019】
一実施形態において、Tm1は、70℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は70℃から「Tm2b−20℃」である。
【0020】
一実施形態において、Tm1は、80℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は80℃から「Tm2b−20℃」である。
【0021】
一実施形態において、Tm1は、90℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は90℃から「Tm2b−20℃」である。
【0022】
一実施形態において、第一組成物は、115℃から135℃、好ましくは120℃から130℃の融点(Tm)を有する。
【0023】
一実施形態において、第一組成物は、3から20g/10分、好ましくは4から15g/10分、より好ましくは5から12g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0024】
一実施形態において、第一組成物は、0.905から0.930g/cc、好ましくは0.910から0.930g/cc、より好ましくは0.915から0.925g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。
【0025】
一実施形態において,少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーは、不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー又は均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。
【0026】
一実施形態において、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーは、不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。
【0027】
一実施形態において、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーは、均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均一に分岐したほぼ直鎖のエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。別の実施形態において、均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均一に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。
【0028】
一実施形態において、第一組成物は、不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー及び均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含む。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。さらなる一実施形態において、均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均一に分岐したほぼ直鎖のエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。別の実施形態において、均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均一に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0029】
一実施形態において、第一組成物は、第一組成物の重量に対して、50重量パーセントを上回る、好ましくは60重量パーセントを上回る、より好ましくは70重量パーセントを上回る合計重量の不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー及び均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含む。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。
【0030】
一実施形態において、第一組成物は、第一組成物の重量に対して、50から100重量パーセント、好ましくは60から95重量パーセント、より好ましくは70から90重量パーセントの合計重量の不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー及び均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含む。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン又はプロピレンから選択される。
【0031】
一実施形態において、第一組成物は、低密度ポリエチレンをさらに含む。さらなる一実施形態において、低密度ポリエチレンは、第一組成物の重量に対して、5から40重量パーセント、好ましくは10から30重量パーセントの量で存在する。別の実施形態において、低密度ポリエチレンは、第一組成物の重量に対して、40重量パーセント未満、好ましくは30重量パーセント未満の量で存在する。
【0032】
一実施形態において、第二組成物は、10から35g/10分、好ましくは12から30g/10分、より好ましくは15から25g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0033】
一実施形態において、第二組成物は、3から20g/10分、好ましくは4から15g/10分、より好ましくは5から12g/10分のメルトインデックス(I)を有する。
【0034】
一実施形態において、第二組成物は、0.860から0.930g/cc、好ましくは0.865から0.925g/cc、より好ましくは0.870から0.920g/ccの密度を有する。
【0035】
一実施形態において、第二組成物は、90℃から120℃、好ましくは100℃から110℃の融点(Tm)を有する。融点(Tm)は、DSCで測定された最高のポリマー(又はブレンド)融点である。
【0036】
一実施形態において、第二組成物のプロピレンに基づくポリマーは、0.860g/ccから0.900g/cc、好ましくは0.870g/ccから0.890g/cc、より好ましくは0.875g/ccから0.885g/ccの密度を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0037】
一実施形態において、第二組成物のプロピレンに基づくポリマーは、5から50g/10分、好ましくは10から35g/10分、より好ましくは15から30g/10分、より好ましくは20から30g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0038】
一実施形態において、第二組成物のプロピレンに基づくポリマーは、GPCで測定して、1.5から6、好ましくは2から5.5、より好ましくは2から5の分子量分布を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0039】
一実施形態において、第二組成物のプロピレンに基づくポリマーは、第二組成物の重量に対して、50から92重量パーセント、好ましくは55から90重量パーセント、より好ましくは60から85重量パーセント、さらにより好ましくは60から80重量パーセントの量で存在する。さらなる一実施形態において、プロピレン−に基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0040】
一実施形態において、第二組成物のエチレンに基づくポリマーは、低密度ポリエチレンである。さらなる一実施形態において、低密度ポリエチレンは、0.2から15g/10分、好ましくは0.3から8g/10分、より好ましくは0.4から4g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、GPCで測定して、5から13、好ましくは6から12、より好ましくは7から10の分子量分布を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、0.900から0.930g/cc、好ましくは0.910から0.925g/cc、より好ましくは0.915から0.922g/ccの密度を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、第二組成物の重量に対して、8から50重量パーセント、好ましくは10から45重量パーセント、より好ましくは20から40重量パーセントの量で存在する。低密度ポリエチレンは、上記実施形態の2つ以上の組合せを有することができる。
【0041】
一実施形態において、第一層は、15から55重量パーセント、好ましくは23から50重量パーセントの量で存在し、第二層は、2から10重量パーセント、5から7重量パーセントの量で存在し、ウェブは、35から75重量パーセント、好ましくは42から70重量パーセントの量で存在し、各重量パーセントは、コート基材の重量に対する。
【0042】
一実施形態において、第一層のコーティング重量は、45g/m以下、好ましくは40g/m以下、より好ましくは35g/m以下である。
【0043】
一実施形態において、「第一層のコーティング重量」の「第二層のコーティング重量」に対する比は、2を上回り、好ましくは3を上回り、より好ましくは4を上回る。
【0044】
一実施形態において、「第一層のコーティング重量」の「第二層のコーティング重量」に対する比は、5を上回り、好ましくは6を上回り、より好ましくは6.5を上回る。
【0045】
一実施形態において、「第一層のコーティング重量」の「第二層のコーティング重量」に対する比は、2から7、好ましくは3から7、より好ましくは4から7である。
【0046】
一実施形態において、「第一層のコーティング重量」の「第二層のコーティング重量」に対する比は、0.1を上回り、好ましくは0.5を上回り、より好ましくは1を上回る。
【0047】
一実施形態において、「第一層の厚さ」の「第二層の厚さ」に対する比は、2を上回り、好ましくは3を上回り、より好ましくは4を上回る。
【0048】
一実施形態において、「第一層の厚さ」の「第二層の厚さ」に対する比は、5を上回り、好ましくは6を上回り、より好ましくは6.5を上回る。
【0049】
一実施形態において、「第一層の厚さ」の「第二層の厚さ」に対する比は、2から7、好ましくは3から7、より好ましくは4から7である。
【0050】
好ましい一実施形態において、第二層は、第一層及びウェブの間に位置する。さらなる一実施形態において、第一層は、第二層に隣接し、第二層は、ウェブに隣接する。
【0051】
一実施形態において、第一層は、プロピレンに基づくポリマーを含まない。
【0052】
好ましい一実施形態において、第一層の組成物は、第二層の組成物と同一ではない。
【0053】
一実施形態において、第一層を形成するために使用される組成物は、2種のエチレンに基づくポリマーを含む。
【0054】
一実施形態において、コート基材は、第一層、第二層及びウェブから構成される。
【0055】
好ましい一実施形態において、ウェブは、一面だけコートされている。
【0056】
一実施形態において、第二層のTmは、第一層のTmより低い。
【0057】
好ましい一実施形態において、コート基材は引き延ばされていない。
【0058】
一実施形態において、第一層は、ウェブに隣接していない。
【0059】
一実施形態において、第一層は、シーラント層である。
【0060】
一実施形態において、第二層は、連結層である。
【0061】
一実施形態において、第一組成物は、少なくとも1種の添加剤を含む。さらなる一実施形態において、添加剤は、紫外線安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、充填剤、及びそれらの組合せから選択される。
【0062】
一実施形態において、第二組成物は、少なくとも1種の添加剤を含む。さらなる一実施形態において、添加剤は、紫外線安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、充填剤、及びそれらの組合せから選択される。
【0063】
一実施形態において、第二層は、織ウェブ及び/又は不織ウェブに隣接し、第一層は、外層である。
【0064】
一実施形態において、コート基材は、織ウェブ及び/又は不織ウェブを含む少なくとも3つの層を含む。
【0065】
一実施形態において、コート基材は、織ウェブ及び/又は不織ウェブを含む少なくとも4つの層を含む。
【0066】
本発明は、少なくとも以下のもの:
i)融点Tm1を有する組成物から形成された層;並びに
ii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブを含み;
ここで、該組成物は、15から35g/10分のMFRを有する少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含み、ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材も提供する。
【0067】
一実施形態において、組成物は、少なくとも1種の添加剤を含む。さらなる一実施形態において、添加剤は、紫外線安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、充填剤、及びそれらの組合せから選択される。
【0068】
一実施形態において、Tm1は、70℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は70℃から「Tm2b−20℃」である。
【0069】
一実施形態において、Tm1は、80℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は80℃から「Tm2b−20℃」である。
【0070】
一実施形態において、Tm1は、90℃から「Tm2a−20℃」、及び/又は90℃から「Tm2b−20℃」である。
【0071】
一実施形態において、組成物は、115℃から135℃、好ましくは120℃から130℃の融点(Tm)を有する。
【0072】
一実施形態において、組成物は、10から35g/10分、好ましくは12から30g/10分、より好ましくは15から25g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0073】
一実施形態において、組成物は、0.860から0.930g/cc、好ましくは0.865から0.925g/cc、より好ましくは0.870から0.920g/ccの密度を有する。
【0074】
一実施形態において、組成物は、90℃から120℃、好ましくは100℃から110℃の融点(Tm)を有する。融点(Tm)は、DSCで測定された最高のポリマー(又はブレンド)融点である。
【0075】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、0.860g/ccから0.900g/cc、好ましくは0.870g/ccから0.890g/cc、より好ましくは0.875g/ccから0.885g/ccの密度を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーはプロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0076】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、15から35g/10分、より好ましくは15から30g/10分、より好ましくは20から30g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0077】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、GPCで測定して、1.5から6、好ましくは2から5.5、より好ましくは2から5の分子量分布を有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0078】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、組成物の重量に対して、50から92重量パーセント、好ましくは55から90重量パーセント、より好ましくは60から85重量パーセント、さらにより好ましくは60から80重量パーセントの量で存在する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0079】
一実施形態において、組成物は、エチレンに基づくポリマーをさらに含む。さらなる一実施形態において、エチレンに基づくポリマーは、低密度ポリエチレンである。さらなる一実施形態において、低密度ポリエチレンは、0.2から15g/10分、好ましくは0.3から8g/10分、より好ましくは0.4から4g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、GPCで測定して、5から13、好ましくは6から12、より好ましくは7から10の分子量分布を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、0.900から0.930g/cc、好ましくは0.910から0.925g/cc、より好ましくは0.915から0.922g/ccの密度を有する。一実施形態において、低密度ポリエチレンは、組成物の重量に対して、8から50重量パーセント、好ましくは10から45重量パーセント、より好ましくは20から40重量パーセントの量で存在する。低密度ポリエチレンは、上記実施形態の2つ以上の組合せを有し得る。
【0080】
一実施形態において、層のコーティング重量は、45g/m以下、好ましくは40g/m以下、より好ましくは35g/m以下である。
【0081】
一実施形態において、コート基材は、層及びウェブから構成される。
【0082】
好ましい一実施形態において、ウェブは、一面だけをコートされている。
【0083】
好ましい一実施形態において、コート基材は、引き延ばされていない。
【0084】
以下の実施形態は、本明細書に記載された任意のコート基材に当てはまる。
【0085】
一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成される。さらなる一実施形態において、ウェブは、140℃以上のTm2a又はTm2bを有する。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0086】
一実施形態において、ウェブは、140℃から150℃のTm2aを有する織ウェブである。さらなる一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0087】
一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のエチレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。
【0088】
一実施形態において、ウェブは、織ウェブであり、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下である。さらなる一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0089】
一実施形態において、ウェブは、織ウェブであり、Tm1は、70℃から「Tm2a−20℃」である。さらなる一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0090】
一実施形態において、ウェブは、不織ウェブであり、Tm1は、「Tm2b−20℃」以下である。さらなる一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0091】
一実施形態において、ウェブは、不織ウェブであり、Tm1は、70℃から「Tma2b−20℃」である。さらなる一実施形態において、ウェブは、少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成されている。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンホモポリマーである。
【0092】
一実施形態において、コート基材は、130℃のシール温度において、15N/15mmを上回る、好ましくは20N/15mmを上回る、より好ましくは25N/15mmを上回るシール強度を有する。
【0093】
一実施形態において、コート基材は、130℃のシール温度において、25N/15mm以上、好ましくは26N/15mm以上、より好ましくは27N/15mm以上のシール強度を有する。
【0094】
好ましい一実施形態において、コート基材は、ポリアミド、ポリエステル、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、又はポリ乳酸などの極性ポリマーを含有しない。
【0095】
好ましい一実施形態において、コート基材は、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンエチルアクリレートコポリマー、又はエチレンブチルアクリレートコポリマーなどのアクリレートを含有しない。
【0096】
好ましい一実施形態において、コート基材は、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、又はエチレンメタクリルコポリマーを含有しない。
【0097】
好ましい一実施形態において、コート基材は、DuPontから入手可能である1種又は複数のSURLYNアイオノマーなどのアイオノマーを含有しない。
【0098】
好ましい一実施形態において、コート基材は、ポリビニルクロリド(PVC)又はビニリデンクロリドコポリマー(PVDC)を含有しない。
【0099】
好ましい一実施形態において、コート基材は、グラフトエチレンに基づくポリマー、例えば、無水マレイン酸グラフトエチレンに基づくポリマーを含有せず、グラフトプロピレンに基づくポリマー、例えば、無水マレイン酸グラフトプロピレンに基づくポリマーを含有しない。
【0100】
好ましい一実施形態において、コート基材は、オレフィン/ビニル芳香族コポリマーを含有しない。
【0101】
本発明は、発明のコート基材から形成される少なくとも1種の成分を含む物品も提供する。
【0102】
コート基材は、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0103】
第一組成物は、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0104】
第二組成物は、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0105】
エチレンに基づくポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0106】
エチレンに基づくインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0107】
プロピレンに基づくポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0108】
プロピレンに基づくインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0109】
ポリマー層は、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0110】
織ウェブは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0111】
不織ウェブは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0112】
エチレンに基づくポリマー
本発明のコート基材における使用に好適なエチレンベースポリマーには、それだけには限らないが、不均一に分岐した直鎖エチレンに基づくポリマー、均一に分岐した直鎖エチレンに基づくポリマー、及び均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンポリマー(即ち、均一に分岐した長鎖の分岐エチレンポリマー)、又はそれらの組合せが含まれる。
【0113】
不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマー、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマー、又は均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、一般的に少なくとも1種のα−オレフィンをそれらの中に重合している。本明細書で使用される「インターポリマー」という用語は、ポリマーが、コポリマー、ターポリマー又は2種以上の重合したモノマーを有する任意のポリマーであり得ることを示す。
上記インターポリマーを作るためにエチレンと有用に共重合されるモノマーには、C3−C20α−オレフィン、及び特にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン及び1−オクテンが含まれる。特に好ましいコモノマーには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが含まれる。好ましいコポリマーには、EP(エチレン/プロピレン)、EB(エチレン/ブテン)、EH(エチレン/ヘキサン)及びEO(エチレン/オクテン)コポリマーが含まれる。
【0114】
一般的に、低密度ポリエチレン(LDPE)は、フリーラジカル重合条件を使用して高圧下で生成される。低密度ポリエチレンは、ホモポリマーであり、一般的に、0.91から0.94g/cc、好ましくは0.90から0.93g/ccの密度を有する。
【0115】
一実施形態において、エチレンに基づくポリマーは、190°C/2.16kgの条件のASTM 1238、に従って測定して、20g/10分以下、好ましくは15g/10分以下、より好ましくは8g/10分以下、最も好ましくは4g/10分以下のメルトインデックス、I2を有する。
【0116】
不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーには、それだけには限らないが、エチレン及び1種又は複数のCからCのα−オレフィンのインターポリマーが含まれる。不均一に分岐したエチレンインターポリマーは、チーグラー‐ナッタ触媒系を使用して調製することができる。それぞれα−オレフィン(又はコモノマー)共重合から生じる、分子量分布、及び短鎖分岐の両方とも、均一に分岐した直鎖及び均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーに比べて比較的広い。不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、チーグラー‐ナッタ触媒を使用して、溶液、スラリー、又は気相プロセス中で生成することができる。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれている米国特許第4,339,507を参照されたい。
【0117】
不均一に分岐した直鎖エチレンに基づくインターポリマーは、主としてそれらのコモノマー分岐分布において、均一に分岐したエチレンに基づくインターポリマーと異なる。例えば、不均一に分岐したインターポリマーは、ポリマー分子が、同じエチレン対コモノマーの比を有さない分岐分布を有する。例えば、不均一に分岐したLLDPEポリマーは、高度に分岐した部分(超低密度ポリエチレンに類似)、中程度に分岐した部分(中程度に分岐したポリエチレンに類似)及びほぼ直鎖の部分(直鎖ホモポリマーポリエチレンに類似)を含む分岐の分布を有する。これらの直鎖インターポリマーは、上記に論じられたように、長鎖分岐、又は測定可能な量の長鎖分岐を欠く。
【0118】
不均一に分岐したエチレンに基づくインターポリマーには、それだけには限らないが、直鎖中密度ポリエチレン(LMDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、及び極超低密度ポリエチレン(ULDPE)が含まれる。市販のポリマーには、DOWLEXポリマー、ATTANEポリマー、TUFLINポリマー、及びFLEXOMERポリマー(全てThe DOW Chemical Company製)、及びESCORENE LLDPEポリマー(Exxon Mobil製)が含まれる。
【0119】
一実施形態において、不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。別の実施形態において、このエチレンに基づくポリマーは、1.1から5、好ましくは約1.2から4、より好ましくは1.5から3.5の分子量分布を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0120】
一実施形態において、不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、ASTM D−1238(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定して、0.1g/10分から100g/10分、好ましくは0.5g/10分から50g/10分、より好ましくは1g/10分から20g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0121】
一実施形態において、不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、0.94g/cc以下、好ましくは0.93g/cc以下、より好ましくは0.92g/cc以下の密度を有する。別の実施形態において、このエチレンに基づくポリマーは、0.86g/cc以上、好ましくは0.87g/cc以上、より好ましくは0.88g/cc以上の密度を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0122】
不均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0123】
「均一な」及び「均一に分岐した」という用語は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーに関して使用され、ここで、α−オレフィンコモノマーが、所与のポリマー分子中にランダムに分散されており、ポリマー分子の全てが、同一又はほぼ同一なエチレンのコモノマーに対する比を有する。均一に分岐したエチレンインターポリマーには、直鎖エチレンインターポリマー、及びほぼ直鎖のエチレンインターポリマーが含まれる。
【0124】
均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、エチレンポリマーであり、このエチレンポリマーは、長鎖分岐(測定可能な量の長鎖分岐)を欠くが、インターポリマー中に重合されたコモノマーから誘導される短鎖分岐を有し、このコモノマーは、同一ポリマー鎖内、及び異なるポリマー鎖の間の両方に均一に分散されている。即ち、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、直鎖低密度ポリエチレンポリマー又は直鎖高密度ポリエチレンポリマーの場合のように、長鎖分岐を欠く。均一に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーの市販例には、the Mitsui Chemical Companyによって供給されているTAFMERポリマー及びExxonMobil Chemical Companyによって供給されているEXACTポリマーが含まれる。
【0125】
一実施形態において、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。別の実施形態において、このエチレンに基づくポリマーは、1.1から5、好ましくは約1.2から4、より好ましくは1.5から3.5の分子量分布を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0126】
一実施形態において、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、ASTM D−1238(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定して、0.1g/10分から100g/10分、好ましくは0.5g/10分から50g/10分、より好ましくは1g/10分から20g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0127】
一実施形態において、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、0.94g/cc以下、好ましくは0.93g/cc以下、より好ましくは、0.92g/cc以下の密度を有する。別の実施形態において、このエチレンに基づくポリマーは、0.86g/cc以上、好ましくは0.87g/cc以上、より好ましくは0.88g/cc以上の密度を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0128】
均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0129】
均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、それぞれの全体の内容が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,272,236号;5,278,272号;6,054,544号;6,335,410号及び6,723,810号に記載されている。ほぼ直鎖のエチレン共重合は、長鎖分岐を有する均一に分岐したエチレンインターポリマーである。長鎖分岐は、ポリマー主鎖と同じコモノマー分布を有し、ポリマー主鎖の長さとほぼ同じ長さを有し得る。「ほぼ直鎖の」は、一般的に、平均、1000個の炭素当たり0.01個の長鎖分岐から1000個の炭素当たり3個の長鎖分岐で置換されているポリマーに関する。長鎖分岐の長さは、ポリマー主鎖への1個のコモノマーの組み込みから形成される短鎖分岐の炭素長さより長い。ほぼ直鎖のポリマーの市販例には、ENGAGEポリマー及びAFFINITYポリマー(両方ともThe Dow Chemical Companyから入手可能)が含まれる。
【0130】
ほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、均一に分岐したエチレンポリマーの独特のクラスを形成する。それらは、米国特許第3,645,992号においてElstonによって記載された従来の、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーの周知のクラスと実質的に異なり、さらに、それらは、従来の不均一な「チーグラー−ナッタ触媒で重合した」直鎖エチレンポリマー(例えば、例えば、米国特許第4,076,698号においてAndersonらによって開示された技術を用いて生成された極超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)又は高密度ポリエチレン(HDPE))と同じクラスではなく、それらは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー及びエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーなどの高圧、フリーラジカルによって開始された、高度に分岐したポリエチレンと同じクラスではない。
【0131】
一実施形態において、均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。別の実施形態において、このエチレンベースのポリマーは、1.1から5、好ましくは約1.2から4、より好ましくは1.5から3.5の分子量分布を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0132】
一実施形態において、均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、ASTM D−1238(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定して、0.1g/10分から100g/10分、好ましくは0.5g/10分から50g/10分、より好ましくは1g/10分から20g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0133】
一実施形態において、均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、0.94g/cc以下、好ましくは0.93g/cc以下、より好ましくは0.92g/cc以下の密度を有する。別の実施形態において、このエチレンに基づくポリマーは、0.86g/cc以上、好ましくは0.87g/cc以上、より好ましくは0.88g/cc以上の密度を有する。さらなる一実施形態において、上記インターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる一実施形態において、α−オレフィンは、1−オクテン、1−ヘキセン、1−ブテン、又はプロピレンから選択される。
【0134】
均一に分岐したほぼ直鎖のエチレンインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0135】
不均一に分岐したインターポリマー及び均一に分岐したインターポリマーの混合物又はブレンドも使用し得る。
【0136】
プロピレンに基づくポリマー
本発明のコート基材における使用に適するプロピレンに基づくポリマーには、それだけには限らないが、プロピレン/エチレンコポリマー、プロピレン/エチレン/1−ブテンインターポリマー、プロピレン/エチレン/ENBインターポリマー、プロピレン/エチレン/1−ヘキセンインターポリマー、及びプロピレン/エチレン/1−オクテンインターポリマーが含まれる。好ましい一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレンに基づくインターポリマーである。
【0137】
好適なプロピレンに基づくインターポリマーには、VERSIFYポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能)が含まれる。さらなるプロピレンに基づくポリマーには、VISTAMAXXポリマー(ExxonMobil Chemical Co.)、LICOCENEポリマー(Clariant)、EASTOFLEXポリマー(Eastman Chemical Co.)、REXTACポリマー(Hunstman)、及びVESTOPLASTポリマー(Degussa)が含まれる。他の好適なポリマーには、ADSYLポリマー、ADFLEXポリマー、BORSOFTポリマー、並びにポリプロピレンホモポリマー及びプロピレン/α−オレフィンインターポリマーのブレンドなどの種々のブレンドが含まれる。
【0138】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15g/10分以上のメルトフローレート(MFR)を有する。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、50以下、好ましくは40以下、より好ましくは35g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有する。MFRは、ASTM D−1238(2.16kg、230℃)に従って測定される。一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー、好ましくはプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0139】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、0.90g/cc以下、好ましくは0.89g/cc以下、より好ましくは0.88g/cc(cc=立方センチメートル=cm)以下の密度を有する。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、0.85g/cc以上、好ましくは0.86g/cc以上、より好ましくは0.87g/cc以上の密度を有する。一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー、好ましくはプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0140】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。別の実施形態において、分子量分布は、2以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3以上である。一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー、好ましくはプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0141】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、1.5から6、より好ましくは2.5から5.5、より好ましくは3から5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。1.5から6までのすべての個別の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示されている。一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー、好ましくはプロピレン/エチレンコポリマーである。別の実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。
【0142】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン及び1種又は複数の不飽和コモノマーを含む。不飽和コモノマーには、それだけには限らないが、C4−C20α−オレフィン、特にC4−C12α−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなど;C4−C20ジオレフィン、好ましくは1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、ノルボルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及びジシクロペンタジエン;スチレン、o−、m−、及びp−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンを含むC8−40ビニル芳香族化合物;並びにクロロスチレン及びフルオロスチレンなどのハロゲン置換C8−40ビニル芳香族化合物が含まれる。
【0143】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、プロピレン、及び一般的に、エチレン、及び/又は1種若しくは複数の不飽和コモノマーを含む。このようなポリマーは、以下の性質:(i)ほぼ等しい強度のピークである、約14.6及び約15.7ppmにおけるレジオエラーに対応する13C NMRピーク、(ii)約−1.20を上回る歪み指数、Six、(iii)インターポリマー中のコモノマーの量(即ち、エチレン及び/又は不飽和コモノマー(複数可)から誘導される単位)を増加するのに従って、本質的に同じままであるTme及び減少するTMaxを有するDSC曲線、並びに(iv)チーグラー−ナッタ触媒を用いて調製された比較できるインターポリマーに比べてより多くのガンマ型結晶を示すX線回折パターンの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を有するものとして特徴付けられる。好ましくは、プロピレンに基づくインターポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー、好ましくはプロピレン/エチレンコポリマーである。特に好ましいプロピレンに基づくポリマーは、The Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFYポリマーである。性質(i)において、2つの13C NMRピークの間の距離は、約1.1ppmであることは留意されたい。これらのプロピレンに基づくインターポリマーは、非メタロセン、金属中心、ヘテロアリールリガンド触媒を使用して生成される。これらのポリマーは、他のポリマーとブレンドし得る。一般的に、このようなインターポリマーは、これらの性質の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、さらにより好ましくは4つすべてによって特徴付けられる。このようなインターポリマーの調製は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,919,407号、16列、6行から45列、43行までに記載されている。
【0144】
上記の副段落(iv)のX線特性に関して、「比較可能な」インターポリマーは、10重量パーセントの範囲内で同じモノマー組成、及び10重量パーセントの範囲内で同じM(重量平均分子量)を有するインターポリマーである。例えば、発明のプロピレン/エチレン/1−ヘキセンインターポリマーが、9重量パーセントのエチレン及び1重量パーセントの1−ヘキセンであり、250,000のMwを有する場合、比較可能なポリマーは、8.1から9.9重量パーセントのエチレン、0.9から1.1重量パーセントの1−ヘキセン、及び225,000から275,000のMwを有し、チーグラー−ナッタ触媒を用いて調製される。
【0145】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、ほぼアイソタクチックなプロピレン配列を有するものとして特徴付けられるプロピレンに基づくインターポリマーである。「ほぼアイソタクチックなプロピレン配列」及び類似の用語は、配列が、約0.85を上回る、好ましくは約0.90を上回る、より好ましくは約0.92を上回る、最も好ましくは約0.93を上回る13C NMRで測定されたアイソタクチックトリアド(triad)(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアドは、当技術分野でよく知られており、例えば、米国特許第5,504,172号、及び国際公開第00/01745号に記載されており、13C NMRスペクトルによって測定される、コポリマー分子鎖中のトリアド単位に関するアイソタクチック配列を意味する。
【0146】
一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、(A)プロピレンから誘導された少なくとも60重量パーセント(wt%)の単位、及び(B)エチレンから誘導されたゼロを上回り40重量パーセントまでの単位を含むプロピレンに基づくインターポリマーであり、該プロピレンインターポリマーは、以下の性質:(1)インターポリマーの数平均分子量(Mn)で測定された1未満、好ましくは0.95未満、より好ましくは0.85未満、さらにより好ましくは0.80未満のg’比(g’ratio)、(2)50%未満の相対組成ドリフト、並びに(3)少なくとも70モルパーセントの鎖アイソタクチシティトリアド指数を有するプロピレン鎖セグメントの少なくとも1つによってさらに特徴付けられる。別の実施形態において、アイソタクチックプロピレンインターポリマーは、特性(1)、(2)及び(3)の少なくとも2つによって特徴付けられ、別の実施形態において、アイソタクチックプロピレンインターポリマーは、特性(1)、(2)及び(3)によって特徴付けられる。
【0147】
一実施形態において、プロピレンに基づくインターポリマーは、以下:(4)5.5のlog10重量平均分子量における0.35未満の固有粘度、及び(5)1.2を上回り20までの間の歪み硬化の程度の少なくとも1つによって特徴付けられるプロピレンに基づくインターポリマーである。一実施形態において、アイソタクチックプロピレンインターポリマーは、(4)及び(5)の両方によって特徴付けられる。
【0148】
一実施形態において、プロピレンに基づくインターポリマーは、以下の性質:
(a)1モル当たり少なくとも50,000グラム(g/モル)の重量平均分子量(Mw);
(b)4未満のMw/Mn;
(c)少なくとも4,000sec−1の表面メルトフラクチャーの開始(OSMF)における限界剪断速度;
(e)(≧)5.63以上の230℃におけるI10/I
(f)0を上回り40重量%までの名目重量パーセント結晶化度;及び、好ましくは、
(g)示差走査熱量測定法(DSC)で測定された単一融点
の少なくとも1つによってさらに特徴付けられる。
【0149】
プロピレンに基づくインターポリマーは、多価アリールオキシエーテルのハフニウム錯体を含む触媒組成物の存在下で、連続溶液重合条件下で、プロピレン並びにエチレン及びC4−30α−オレフィンの少なくとも1つを重合することによって調製することができる。上記触媒は、活性化共触媒を含み、上記重合条件は、一般的に、120から250℃の温度及び100kPaから300MPaの圧力を含む。これらのプロピレンに基づくインターポリマーは、参照により本明細書に完全に組み込まれている、2007年11月19日に出願された米国特許仮出願第60/988,999号(参照により本明細書に完全に組み込まれている、国際公開第2009/067337号として公開されている、2008年11月6日に出願された現在の国際特許出願PCT/US08/082599号)にさらに記載されている。
【0150】
プロピレンに基づくポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0151】
プロピレンに基づくインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0152】
プロピレン/エチレンインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0153】
プロピレン/エチレンコポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0154】
プロピレン/α−オレフィンインターポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0155】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0156】
ウェブ
本発明のコート基材における使用のために好適なウェブには、織ウェブ、不織ウェブ、及びこれらの組合せが含まれる。
【0157】
一実施形態において、ウェブは、プロピレンに基づくポリマーを含む組成物から形成される。さらなる一実施形態において、プロピレンに基づくポリマーは、ポリプロピレンホモポリマーである。
【0158】
一実施形態において、ウェブは、エチレンに基づくポリマーを含む組成物から形成される。さらなる一実施形態において、上記エチレンに基づくポリマーは、ポリエチレンホモポリマーである。
【0159】
一実施形態において、ウェブは、5ミクロン以上の厚さを有する。
【0160】
一実施形態において、ウェブは、50から500g/m、好ましくは50から250g/mの重量を有する。
【0161】
織ウェブ及び/又は不織ウェブの例は、米国特許第5,845,995号;米国特許出願公開第2007/0178784号;及びドイツ特許出願第3236770A1に記載されており、それぞれの参照は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0162】
好適なウェブは、Ciplas S.A.及びAcorn Planting Products Ltd.から入手可能である。
【0163】
ウェブは、本明細書に記載された2つ以上の実施形態の組合せを含み得る。
【0164】
本発明のコート基材を形成する方法
コート基材構造は、使用される共押出技術に従ったポリマー選択を必要とする共押出、又は基材ウェブ及びラミネートコーティングからなるラミネートを形成するための、ウェブに基づく材料、及び単層若しくは多層溶融押出コーティングの組合せを可能にする押出ラミネーションプロセスのいずれかによる押出コーティングプロセスを使用して形成し得る。
【0165】
コーティングの完全性は、概して層を一緒に結合する問題である。押出コーティング及び押出ラミネーションプロセスは、ウェブに基づく材料(基材及び/又はラミネーションウェブ)の前処理としてのコロナ処理、火炎処理、若しくはプラズマ処理、又はコートポリマーに対する層間接着を増すための溶融コーティングウェブのオゾン処理を使用し得る。
【0166】
ウェブに基づく材料の接着若しくはホットメルトラミネーション又はカーテンコーティングを用いて塗布されるポリオレフィン分散液の多層塗布は、共押出コーティング又は押出ラミネーションの全体の代替案又は下塗りの代替案としての代替技術であり得る。
【0167】
一般的に、本発明のコート基材は、各層を生成するために適する熱可塑性ポリマーを選択するステップ、各層のコート基材を形成するステップ、及びこれらの層を接合、又は1つ又は複数の層を共押出又は流延するステップによって調製することができる。望ましくは、コート基材層は、層の間の界面範囲にわたって連続的に接合される。
【0168】
各層について、一般的に、上記成分及び任意の追加の添加剤、例えばスリップ助剤、ブロッキング防止助剤、及びポリマー加工助剤を押出ブレンドすることが適切である。押出ブレンディングは、十分な程度の分散が達成されるように実施されなければならない。押出ブレンディングのパラメーターは、成分に応じて必然的に変わるであろう。しかし、一般的に、全体のポリマー変形、即ち、混合度は、重要であり、例えば、スクリュー設計及び溶融温度によって制御される。コート基材の形成の間の溶融温度は、その成分によって決まるであろう。
【0169】
本発明の構造を作るための製造技術には、袋縫製、及び製袋充填技術、例えば、Packaging Machinery Operation、第8章:Form−Fill−Sealing、C.Glenn Davis著(Packaging Machinery Manufacturers Institute、2000 K Street、N.W.、Washington、D.C.20006);The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology、編集主幹Marilyn Bakker、364−369頁(John Wiley & Sons);米国特許第5,288,531号(Fallaら)、米国特許第5,721,025号(Fallaら)、米国特許第5,360,648号(Fallaら)及び米国特許第6,117,465号(Fallaら)に記載されたもの;他の製造技術、例えば、Plastic Coated Substrates,Technology and Packaging Applications(Technomic Publishing Co.,Inc.(1992年))、Kenton R.Osborn及びWilmer A Jenkens著、39−105頁に論じられたものが含まれる。これらの特許及び参考文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれている。他の製造技術は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,723,398号(Chumら)に開示されている。
【0170】
後加工技術、例えば、特に印刷用途のための放射線処理及びコロナ処理も、本発明の材料を用いて達成し得る。
【0171】
コート基材のシートは、ヒートシーリングによって、又は接着剤若しくは縫製プロセスの使用によって接合し得る。ヒートシーリングは、それだけには限らないが、ホットバー、インパルス加熱、片面溶接、超音波溶接、又は上記に論じられた他の代わりの加熱機構を含む従来技術を使用して実施することができる。
【0172】
コート基材は、用途に応じて、任意の厚さに作ることができる。一実施形態において、コート基材は、20から1000ミクロン、好ましくは20から500ミクロン、より好ましくは20から300ミクロン、さらにより好ましくは20から250ミクロンの総厚を有する。透過性も用途に応じて調節することができる。
【0173】
定義
本明細書で使用される「組成物」という用語には、該組成物を含む材料の混合物、並びに該組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物が含まれる。
本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、同一又は異なる種類に関わらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を意味する。したがって、一般名のポリマーは、(1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを意味するために使用される)ホモポリマーという用語、及び以下で定義されるインターポリマーという用語を包含する。
本明細書で使用される「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを意味する。したがって、一般名のインターポリマーには、(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを意味するために使用される)コポリマーが含まれ、この用語には、3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーも含まれる。
本明細書で使用される「ブレンド」又は「ポリマーブレンド」という用語は、2種以上のポリマーのブレンドを意味する。このようなブレンドは、(分子レベルで相分離されていない)混和性であるか又は混和性でなくてよい。このようなブレンドは、相分離されているか又は相分離されていなくてよい。このようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及び当技術分野で知られている他の方法で測定して、1つ又は複数のドメイン配置を含むか又は含まなくてよい。
本明細書で使用される「オレフィンに基づくポリマー」という用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したオレフィンモノマー、例えばエチレン又はプロピレン、及び場合によって、1種又は複数の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「エチレンに基づくポリマー」という用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したエチレンモノマー、及び場合によって、1種又は複数の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「エチレンに基づくインターポリマー」、「エチレンインターポリマー」などの用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したエチレンモノマー、及び1種又は複数の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「エチレンに基づくコポリマー」、「エチレンコポリマー」などの用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したエチレンモノマー、及びただ1つのモノマー種類としてのコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したエチレンモノマー、重合したα−オレフィン、及び場合によって、少なくとも1種の他の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「エチレン/α−オレフィンコポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したエチレンモノマー、及びただ1つのモノマー種類としての重合したα−オレフィンを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレンに基づくポリマー」という用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、及び場合によって、1種又は複数の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレンに基づくインターポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、及び1種又は複数の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレンに基づくコポリマー」、「プロピレンコポリマー」などの用語は、(ポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、及びただ1つのモノマー種類としてのコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレン/α−オレフィンインターポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、重合したα−オレフィン、及び場合によって、少なくとも1種の他の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレン/α−オレフィンコポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、及びただ1つのモノマー種類としての重合したα−オレフィンを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレン/エチレンインターポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、重合したエチレン、及び場合によって、少なくとも1種の他の重合したコモノマーを含むポリマーを意味する。
本明細書で使用される「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量に対して)大部分の量の重合したプロピレンモノマー、ただ1つのモノマー種類としての重合したエチレンを含むポリマーを意味する。
「含んでいる(comprising)」、「含んでいる(including)」、「有すること」及びそれらの派生語は、明確に開示されているか否かに関わらず、任意の追加の成分、ステップ又は手順の存在を排除するよう意図されていない。疑いを避けるために、「含んでいる(comprising)」という用語の使用によって主張された全ての組成物は、反対の記述のない限り、ポリマー性であるかそれ以外であるかに関わらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物を含むことができる。対照的に、「から本質的に構成される(consisting essentially of)」という用語は、実施可能性に必須ではないものを除き、任意の続いて起こる列挙の範囲から、任意の他の成分、ステップ、又は手順を排除する。「から構成される(consisting of)」という用語は、明確に詳細に記載又は列挙されていない任意の成分、ステップ、又は手順を排除する。
【0174】
試験手順
エチレンに基づくポリマー及びプロピレンに基づくポリマー、及びそれらのブレンドの密度は、ASTM D−792−00に従って測定される。ASTM D−792−00は、本試験において言及される他のポリマーの密度を測定するためにも使用し得る。
【0175】
エチレンに基づくポリマー、及びそれらのブレンドのメルトインデックス(I2)は、190℃/2.16kgの条件のASTM D−1238−04に従って測定される。ASTM D−1238−04は、本試験において言及される他のポリマーのメルトインデックスを測定するためにも使用し得る。プロピレンに基づくポリマー、及びそれらのブレンドのメルトフローレート(MFR)は、230℃/2.16kgの条件のASTM D−1238−04に従って測定される。
【0176】
GPC
エチレンに基づくポリマーの分子量分布は、Polymer Laboratories Model PL−210又はPolymer Laboratories Model PL−220のいずれかから構成されるクロマトグラフシステムを用いて測定することができる。カラム及びカルーセルコンパートメントは、140℃で操作される。カラムは、3個のPolymer Laboratories、10−ミクロンMixed−Bカラムである。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンである。試料は、50ミリリットルの溶媒中の0.1グラムのポリマーの濃度で調製される。試料を調製するために使用した溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。試料は、160℃で2時間、軽く撹拌することによって調製する。注入体積は、100マイクロリットルであり、流速は1.0ミリリットル/分である。
【0177】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)カラムセットの較正の五次多項式フィットを、個々の分子量の間に少なくとも10の分離を有する、6つの「カクテル」混合物に準備された、580から8,400,000の範囲の分子量を有する21の狭い分子量分布のポリスチレン標準を用いて実施する。標準は、Polymer Laboratories(英国)から購入する。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量について50ミリリットルの溶媒中の0.025グラムで調製し、1,000,000未満の分子量について50ミリリットルの溶媒中の0.05グラムで調製する。ポリスチレン標準は、30分間、穏やかに撹拌しつつ80℃において溶解する。狭い標準混合物は、分解を最小化するために、最高の分子量成分を減少させる順序で、最初に試験する。ポリスチレン標準ピーク分子量は、(Williams及びWard、J.Polym.Sci.、Polym.Let.、6巻、621頁(1968年)に記載された)次の方程式:
ポリエチレン=Ax(Mポリスチレン
(式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4315の値を有し、Bは、1.0に等しい)を使用してポリエチレン分子量に転換する。
【0178】
ポリエチレン等価分子量計算は、Viscotek TriSECソフトウェアVersion 3.0を使用して実施する。プロピレンに基づくポリマーの分子量は、ASTM D6474.9714−1に従ってMark−Houwink比を使用して求めることができ、ここで、ポリスチレンについて、a=0.702及びlog K=−3.9であり、ポリプロピレンについて、a=0.725及びlog K=−3.721である。プロピレンに基づく試料について、カラム及びカルーセルコンパートメントは、160℃で操作する。
【0179】
ポリマーの数平均分子量Mnは、分子量に対する各分子量範囲における分子の数の初期のプロットとして表される。実際には、これは、分子の数で除した全ての分子の合計分子量であり、次式:
Mn=ΣniMi/Σni=w/Σ(wi/Mi)
(式中、ni=分子量Miを有する分子の数であり、w=材料の合計重量であり、Σni=分子の合計数である)に従って通常の方法で計算される。
【0180】
重量平均分子量、Mwは、次式:Mw=ΣwiMiに従って通常の方法で計算され、式中、wi及びMiは、GPCカラムから溶出する第i番の画分のそれぞれ重量分率及び分子量である。
【0181】
これらの2つの分子量平均(M及びM)の比である分子量分布(MWD又はMw/Mn)は、分子量の分布の幅を規定するために本明細書で使用される。
【0182】
ビカー軟化温度は、ASTM D1525−07に従って測定する。本明細書で使用される「軟化温度」という用語は、ビカー軟化温度を意味する。
【0183】
エチレンに基づくポリマー及びプロピレンに基づくポリマー、及びそれらのブレンドの融点(Tm)は、TA Instruments Model Q1000示差走査熱量計を使用して、示差走査熱量測定法(DSC)によって測定することができる。およそ「5から8mg」サイズの試料を、試験すべき材料から切断し、分析のためにDSCパンに直接置く。試料を、エチレンに基づくポリマーについて180℃(プロピレンに基づくポリマーについては230℃)まで、約10℃/分の速度で最初に加熱し、完全な溶融を確実にするためにその温度で3分間、等温的に維持する(第一加熱)。次いで、試料を、エチレンに基づくポリマーについて−60℃(プロピレンに基づくポリマーについては−40℃)まで、毎分10℃の速度で冷却し、そこで等温的に3分間維持し、その後、完全な溶融まで毎分10℃の速度で再び加熱する(第二加熱)。この第二加熱からのサーモグラムは、「第二加熱曲線」と呼ばれる。サーモグラムは、「ワット/グラム対温度」としてプロットする。
【0184】
エチレンに基づくポリマーにおけるパーセント結晶化度は、第二加熱曲線において生成された融解熱データを使用して計算することができる(融解熱は、加熱曲線下の該当面積の積分によって、一般的な市販のDSC装置によって普通は自動的に計算される)。エチレンに基づく試料についての方程式は、%Cryst.=(H÷292J/g)×100であり、プロピレンに基づく試料についての方程式は、%Cryst.=(H÷165J/g)×100である。「%Cryst.」は、パーセント結晶度を表し、「H」は、1グラム当たりジュール(J/g)で表したポリマーの融解熱を表す。
【0185】
ポリマーの融点(複数可)(Tm)は、上記に記載されたDSCから得られる第二加熱曲線から求めることができる。結晶化温度(Tc)は、第一冷却曲線から求めることができる。本明細書で使用される「Tm1」という用語は、最高のDSCポリマー(又はブレンド)融点を意味する。
【0186】
実験
材料
本研究に使用されるポリマー樹脂を表1に示す。列挙された樹脂の全てが、1種又は複数の加工添加剤及び1種又は複数の安定剤を含有した。
【0187】
表2は、表3及び図1に記載された製作コート基材の製作条件を記載している。
【0188】
【表1】

【0189】
コート基材製作
コート基材を、市販の織ポリプロピレンウェブ(60g/m)の選択したポリマー組成物による共押出コーティングによって調製した。各コート基材を、ラミネーターの前に、KRAFT紙基材の移動しているウェブ上にポリプロピレン織物のスリップシートを当てることによって調製した。各共押出コーティングを、コートハンガーダイと一緒に、フィードブロックシステムを用いて実施した。加工条件を以下の表2に示す。
押出機A:3.5”×32D(32:1 L/D)Klockner ErWePa−一条ねじ汎用スクリュー
押出機B:2.5”×30D(30:1 L/D)Klockner ErWePa−一条ねじ汎用スクリュー
押出機C:2”×24D(24:1 L/D)Klockner ErWePa−一条ねじ汎用スクリュー
【0190】
押出機、フィードブロック、及びダイのために使用された温度設定は、290℃に設定した。定常状態に到達した後、溶融温度及び相対押出量を記録した。
【0191】
塗布された合計コーティング重量は、コーティングダイを通して供給される溶融物の全押出量を制御することによって、CD(動いている基材の(横方向)及びMD(縦方向)における厚さプロフィールを制御することによって制御する。厚さプロフィール(CD制御)は、オンライン厚さ測定にリンクされた自動ダイのErWePaシリーズ510Aによって維持される。全ポリマー押出量は、ライン速度、温度設定などを含めて、ErWePa Exactプロセス制御システムによって計算され自動制御される。押出機当たりのポリマー押出量は、Siemens Gradex S7重量制御システムによって所望の予め選択したレベル/百分率において維持される。フィードブロックは、フィードブロックに供給されたポリマー種類の数に対応する共押出層構造を規定する。ダイから供給された塗布された共押出ウェブの層厚は、全押出量及びコーティング重量に対する押出機によって供給された押出量に対応する。
【0192】
コート基材の試料は、安定したウェブ端及びコーティング重量の安定なコーティング条件下でのみ採取した。コーティング及びウェブ試料のためのラミネーターの設定が、表2に示されており、9mmニップオフセット及び20℃の水で冷却されるマットチルロールを使用する。コート基材を以下の表3に示す。
【0193】
ウェブに塗布された全コーティング重量を求めるために、次の方法が使用される。コーティングの量は、面積当たりの重量(g/m)として表され、コートされたウェブの重量からウェブの重量を差し引くことによって得られる。重量は、100cm(0.01m)の円盤を打ち抜くことによって、基材ウェブ(及びコートされたウェブ)の幅にわたって得た少なくとも5個の試料の平均重量を測定することによって明らかにした。各重量は、Mettler Toledo PB 8001−S天秤で測定された。各押出コート層の厚さは、表2に示された測定された全コーティング重量に対する層の割合から計算した。
【0194】
【表2】

【0195】
【表3】

【0196】
表3に記載された基材をヒートシールした。各基材について、第一層をそれ自体にシールした。全ての試料を、ASTM F2099に従って、KOPP Sealerを使用してシールした。第一層を第一層に接触させた後、織ウェブから熱を加えた(図1を参照されたい)。ヒートシール強度を、様々な温度でシール試料を調製することによって求め、全ての試料は、試験前に48時間、周囲条件下に保った。シール条件は、次の通りであった。500Nの力で1秒の接触時間、両方のシールバーは指定の温度に加熱される(各シールバーは、TEFLONコートされており、試料の中央における「5mm×15mm」の接合領域について幅=5mmである)。シール強度を求めるために使用された試料サイズは、「100mm長さ×15mm幅」であった。
【0197】
各コート基材のシール強度を、30mmのクランプ距離及び100mm/分のクロスヘッド速度でINSTRON 5564引張試験機を使用して測定した。各温度について、少なくとも5個の試料(シール)を横方向に試験した。各コート基材のシール性能を図2に示す。130℃を超えるシール温度では、シールしたときにウェブは収縮し始めた。
【0198】
表3に示された通り、本発明のコート基材は、低いヒートシール開始温度、広範囲のシール温度、及び130℃における高いヒートシール強度などのヒートシール特性の優れた組合せを有する。35g/mのその第一層を含む試料FFS 7は、45g/mのその第一層を含む比較可能な例であるFFS 4と比べて、130℃における著しくより高いヒートシール強度を有する。
【0199】
本発明が、前述の例でかなり詳細に記載されたが、この詳細な記述は例示の目的のためであり、以下の特許請求の範囲に記載された本発明への制限として解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コート基材であって、少なくとも次のもの:
i)融点Tm1を有し、少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーを含む第一組成物から形成された第一層、
ii)次のもの:a)少なくとも1種のプロピレンに基づくポリマー、及びb)少なくとも1種のエチレンに基づくポリマーを含む第二組成物から形成された第二層、並びに
iii)Tm2aの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された織ウェブ及び/又はTm2bの融点を有する少なくとも1種のオレフィンに基づくポリマーから形成された不織ウェブ
を含み、
ここで、Tm1は、「Tm2a−20℃」以下、及び/又は「Tm2b−20℃」以下であるコート基材。
【請求項2】
前記第一組成物が、115℃から135℃の融点(Tm)を有する、請求項1に記載のコート基材。
【請求項3】
前記第一組成物が、3から20g/10分のメルトインデックス(I)を有する、請求項1又は請求項2に記載のコート基材。
【請求項4】
前記第一組成物が、0.910から0.930g/ccの密度を有する、請求項1から3のいずれかに記載のコート基材。
【請求項5】
前記少なくとも1種のエチレンに基づくインターポリマーが、不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー又は均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーである、請求項1から4のいずれかに記載のコート基材。
【請求項6】
前記第一組成物が、第一組成物の重量に対して、50重量パーセントを上回る合計重量の不均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマー及び均一に分岐したエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含む、請求項1から5のいずれかに記載のコート基材。
【請求項7】
前記第一組成物が、低密度ポリエチレンをさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載のコート基材。
【請求項8】
前記低密度ポリエチレンが、第一組成物の重量に対して、5から40重量パーセントの量で存在する、請求項7に記載のコート基材。
【請求項9】
前記第二組成物が、10から35g/10分のメルトフローレートを有する、請求項1から8のいずれかに記載のコート基材。
【請求項10】
前記第二組成物が、0.860から0.930g/ccの密度を有する、請求項1から9のいずれかに記載のコート基材。
【請求項11】
前記第二組成物のプロピレンに基づくポリマーが、5から50g/10分のメルトフロレート(MFR)を有する、請求項1から10のいずれかに記載のコート基材。
【請求項12】
前記第二組成物のエチレンに基づくポリマーが、低密度ポリエチレンである、請求項1から11のいずれかに記載のコート基材。
【請求項13】
前記低密度ポリエチレンが、0.2から15g/10分のメルトインデックス(I)を有する、請求項12に記載のコート基材。
【請求項14】
前記成分iiiが、140℃から150℃のTm2aを有する織ウェブである、請求項1から13のいずれかに記載のコート基材。
【請求項15】
130℃のシール温度において20N/15mmを上回るシール強度を有する、請求項1から14のいずれかに記載のコート基材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−533452(P2012−533452A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520818(P2012−520818)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042319
【国際公開番号】WO2011/009070
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】