説明

コード化粒子

【課題】精度の良い、ビーズを用いた分析を可能とするコード化粒子及び分析装置を提供する。
【解決手段】コード化粒子100が、各々、直径又は一辺の長さが1〜100μmの円形又は多角形からなる外形を有し厚さが1〜30μmである二枚の透明平板層102及び104と、その二枚の透明平板層の間にあって、粒子種識別用コードに応じてパターン化された光反射膜又は光遮蔽膜110と、を具備するように構成される。そのコード化粒子100にバイオ的表面修飾が施されて分析装置に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーズ(beads)を用いた分析技術において当該ビーズとして使用されるコード化粒子(coded particles)に関する。また、本発明は、コード化粒子の製造方法並びにコード化粒子を使用する分析装置及び分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビーズを用いた、免疫アッセイ、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid:デオキシリボ核酸)解析、SNPs(Single Nucleotide Polymorphisms:一塩基多型)解析、創薬探索等の分析技術が知られている。この分析技術では、例えば、バイオ的表面修飾を施したビーズをサンプル中に懸濁し、ビーズと蛍光物質で標識(ラべリング)されたターゲットとを結合反応させる。
【0003】
ここで、ビーズの種類の認識は、一般的に、複数の蛍光物質の混合比を変えてビーズに混入させ、観測される蛍光波長毎の蛍光強度比を測定することで行われている。しかし、この認識処理はアナログ的かつ統計的な処理であるため、ノイズが大きく、分解能が低いという問題を有している。
【0004】
また、コードを施したビーズ、すなわちコード化された粒子をビーズとして用いる例も存在する。図6に示される例では、固体支持粒子602に貫通孔604、窪み606、溝608又は切欠き610によるマークが施されることで粒子602の種類が識別される(下記特許文献1参照)。なお、符号612で示されるのは、方向づけマークである。
【0005】
また、図7は、蛍光剤をコード状に漂白することによりコード化された従来の粒子を説明するための図であって、図7(a)は、多様な強度に漂白されたコードの共焦点像を略図的に説明するものであり、図7(b)、(c)及び(d)は、コード内の多様な強度をグラフで略図的に説明するものである(下記特許文献2参照)。
【0006】
また、図8は、従来のコード読取り装置の例を示す図である(下記特許文献1参照)。同図において、符号802はコード化粒子、符号804はキャピラリー流路、符号806は読取りステーション、符号808は電荷結合素子(CCD)カメラ、符号810は計算システム、をそれぞれ示している。この例は、コード化粒子をフローさせて洗浄し、そしてフロー中のコード化粒子を撮影することでコードを読取るものである。
【0007】
図6、図7及び図8に示される従来技術にあっても、SN比(signal-to-noise ratio:信号対雑音比)の良い認識が課題であり、ビーズの姿勢によってはコードを読取ることができない、きれいに洗浄することができない、という問題がある。
【0008】
【特許文献1】特表2000−516195号公報
【特許文献2】特表2002−542484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度の良い、ビーズを用いた分析を可能とする、コード化粒子、その製造方法、並びにそれを用いた分析装置及び分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第一の面によれば、円形又は多角形からなる外形を有する二枚の透明平板層と、前記二枚の透明平板層の間にあって、粒子種識別用コードに応じてパターン化された光反射膜又は光遮蔽膜と、を具備するコード化粒子が提供される。
【0011】
また、本発明の第二の面によれば、前記第一の面によるコード化粒子にバイオ的表面修飾が施されたものが提供される。
【0012】
また、本発明の第三の面によれば、前記第一の面によるコード化粒子の製造方法であって、半導体基板の上に剥離層及び第一の透明平板層を成膜した後、第一のレジスト層を塗布する工程と、粒子種識別用コードに応じたパターン状に該第一のレジスト層を露光及び現像した後、蒸着膜を成膜する工程と、該第一のレジスト層を剥離した後、第二の透明平板層を成膜する工程と、第二のレジスト層を塗布した後、粒子片状に該第二のレジスト層を露光及び現像する工程と、エッチング又はイオンミリングにより粒子片に分割する工程と、該剥離層及び該第二のレジスト層を溶解して複数のコード化粒子を得る工程と、を具備する、コード化粒子の製造方法が提供される。
【0013】
また、本発明の第四の面によれば、前記第二の面によるコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により平面上整列状態で捕捉する捕捉手段と、前記捕捉手段に捕捉されたコード化粒子に光を照射する照射手段と、前記照射手段によって光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取る読取り手段と、を具備する分析装置が提供される。
【0014】
さらに、本発明によれば、上述した分析装置の技術的特徴と同一の技術的特徴を有する分析方法と、コンピュータを上述した分析装置の制御部として機能させるためのプログラムと、が提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示のコード化粒子及び分析装置によれば、光反射膜又は光遮蔽膜により生ずる反射光又は透過光によりコードが読取られて認識されるため、SN比が良い。また、コード化粒子が吸着により平面上整列状態で捕捉されるため、洗浄により流出することがなく、かつ、コードの読取りが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、一実施形態に係るコード化粒子100を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。コード化粒子100は、直径が26±1μmの円形からなる外形を有し厚さが4μmである二枚の透明平板層102及び104の間に、粒子種識別用コードに応じてパターン化された光反射膜110を配した構造を有している。透明平板層102及び104は、Si、SiO2、SiN、Si34等のガラス質、セラミック質等からなる。光反射膜110は、Al、Ti等からなる。
【0017】
光反射膜110は、1個の基準マーク112と複数個(N個)のビットマーク114とから構成される。基準マーク112は、開始点と配列方向を示すものであり、これにより、表面または裏面のいずれの面から見た場合にも正しくコードを識別することが可能となる。すなわち、図1(a)及び(c)のいずれの状態でも同一の粒子種と認識することができる。
【0018】
また、ビットマーク114は、その存在の有無により“1”又は“0”の情報を表す。ビットマーク114の数Nが14である(N=14)場合には、2N=16384種類のコードを表示可能な粒子セットを準備することができることとなる。コードの認識は、落射照明光が光反射膜110によって反射されることにより生じる強い光を読取ることで実現される。
【0019】
図1に示される透明平板層102及び104の各々は、直径が26±1μmで厚さが4μmの円形構造を有しているが、直径は1〜100μm、厚さは1〜30μmの範囲で適宜変更することができる。また、更には、円形である必要もなく、一辺の長さが1〜100μmの多角形からなる外形を有し厚さが1〜30μmである二枚の透明平板層としてもよい。これらの寸法であれば、コード化粒子がそのアスペクト比により平面上に配列することになる。
【0020】
また、図1に示される例では、粒子種識別用コードを表すために二枚の透明平板層102及び104の間に光反射膜110を配しているが、光反射膜に代えて、コードに応じてパターン化された光遮蔽膜を設けてもよい。この場合には、コード化粒子の一方の側からコード化粒子を照明し、コード化粒子の他方の側にて透過光を観察し、陰影を読取ることでコードを認識することができる。光反射膜又は光遮蔽膜のいずれを採用する場合にも、光強度の強いコントラストでコードを読取ることができる。
【0021】
図2は、図1に示されるコード化粒子の製造方法の例を示す図である。まず、図2(a)に示されるように、半導体(Si)基板202の上にポリシリコン(Poly−Si)からなる剥離層204とSiO2からなる第一の(すなわち、下層側の)透明平板層206とをPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長法)で成膜した後、第一のレジスト層208を塗布する。
【0022】
次いで、図2(b)に示されるように、粒子種識別用コードに応じたパターン状に第一のレジスト層208を露光及び現像した後、Al又はTiからなる蒸着膜210を成膜する。
【0023】
次いで、図2(c)に示されるように、第一のレジスト層208を剥離した後、SiO2からなる第二の(すなわち、上層側の)透明平板層212をPECVDで成膜する。
【0024】
次いで、図2(d)に示されるように、第二のレジスト層214を塗布した後、粒子片状に第二のレジスト層214を露光及び現像する。
【0025】
次いで、図2(e)に示されるように、エッチング又はイオンミリングにより粒子片に分割する。
【0026】
最後に、図2(f)に示されるように、剥離層204及び第二のレジスト層214を溶解することにより、複数のコード化粒子100を半導体(Si)基板202から剥がす。このようにして、4インチ基板あたり6M個のコード化粒子を作製することができる。
【0027】
図3は、図1に示されるコード化粒子に施されるバイオ的表面修飾について説明するための図であって、(a)はコーティングされたコード化粒子、(b)は該コーティング後にバイオ的表面修飾を施されたコード化粒子、(c)はそのバイオ的表面修飾済みコード化粒子と蛍光物質で標識(ラべリング)されたターゲットとの結合状態、をそれぞれ模式的に示している。
【0028】
図3(a)に示されるように、コード化粒子100の表面にシランカップリング剤又はポリマー302をコーティングすることで、各種の官能基が導入される。官能基が導入された後には、図3(b)に模式的に示されるように、免疫アッセイ、DNA解析、SNPs解析、創薬探索等に関わるバイオ的表面修飾304(例えば、免疫アッセイにあっては抗体修飾)を施すことができ、分析用にバイオ的表面修飾を施されたコード化粒子306が完成する。
【0029】
この際、バイオ的表面修飾の種類ごとにコードを割り当てればよく、例えば、図1に示されるように、コードを14個のビットパターンで配列すれば、214=16384種類のバイオ的表面修飾に対応することができることとなる。バイオ的表面修飾済みコード化粒子306は、例えば、図3(c)に示されるように、蛍光物質308で標識(ラべリング)されたターゲット310と結合反応を起こすことができる。分析実験においては、蛍光を発するコード化粒子のコードを判別することでサンプル中における該当ターゲットの存在を検出することが可能となる。
【0030】
図4は、分析装置の一実施形態の概略構成を示す図である。また、図5は、分析におけるコード化粒子の使用形態について説明するための図であって、(a)はコード化粒子がシャーレに捕捉される様子及び可視光下でのコード認識について説明するための図、(b)は蛍光観測について説明するための図である。
【0031】
図4において、符号402は96穴プレート、符号404は電動ピペット、符号406は捕捉シャーレ、符号408はビーズ捕捉/解放圧力レギュレータ、符号410はバッファタンク、符号412はシリンジポンプ(syringe pump)、符号414はパージ圧力レギュレータ、符号416は洗浄水タンク、符号418は廃液タンク、符号420は顕微鏡、符号422は蛍光励起ランプ、符号424は蛍光フィルタターレット、符号426は冷却CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラ、符号430はパーソナルコンピュータ(PC)、符号440はディスプレイ、をそれぞれ示す。
【0032】
PC430は、分析装置における制御部であって、プロセッサ、メモリ等を備え、メモリにロードされたプログラムをプロセッサに実行させることで、機構制御部432、画像処理部434、解析処理部436等として機能する。
【0033】
まず、96穴プレート402の各穴において、各種のビーズ(バイオ的表面修飾済みコード化粒子)306がサンプル(検体)中で懸濁される。さらに、必要に応じて、検出ターゲット物質を標識(ラベリング)するための蛍光ラベル試薬も懸濁される。ビーズ306は、そのバイオ的表面修飾に応じたサンプル中のターゲット(タンパク質、抗原、DNA等)と反応して結合する。ターゲットと結合したビーズ306は、蛍光性を獲得する。
【0034】
この懸濁液は、電動ピペット404によって、捕捉シャーレ406に移される。捕捉シャーレ406は、図5(a)に示されるように、マトリックス状に約1000個のザグリ穴(凹部)502が設けられている。各ザグリ穴502は、ビーズ306とほぼ同一の大きさを有し、その穴底に吸引穴504を備えている。PC430は、ビーズ捕捉/解放圧力レギュレータ408を制御し、バッファタンク410、吸引穴504等を介して、捕捉シャーレ406の裏面から負圧で吸引することで、ビーズ306をザグリ穴502に導いて吸着する。
【0035】
次いで、PC430は、かかる吸着状態で、シリンジポンプ412及びパージ圧力レギュレータ414を制御することで、洗浄水タンク416から洗浄水を捕捉シャーレ406に流し、シャーレに捕捉されなかったビーズ、ビーズと結合していない成分等を廃液タンク418へと流し去る。
【0036】
かくして、ビーズ(バイオ的表面修飾済みコード化粒子)306が吸着により平面上整列状態で捕捉され、かつ、洗浄により余分な成分が除去された状態で、ビーズを観察することが可能となる。
【0037】
その観察では、まず、捕捉シャーレ406の各穴に捕捉されたビーズ306のコードが読取られる。PC430は、図5(a)に示されるように、落射可視光照明の下で、顕微鏡420を介してビーズ306のコードを読取り、マトリックス状に設けられた穴502ごとに、コードすなわちビーズ種を記憶する。
【0038】
次いで、PC430は、図5(b)に示される蛍光観測を行う。図5(b)では、蛍光が発している様子を、便宜上、斜線で表している。すなわち、PC430は、蛍光励起ランプ422、蛍光フィルタターレット424等を使用し、落射蛍光照明の下で、蛍光フィルタごとの輝度測定を行い、ターゲットとの結合反応による輝度を呈しているビーズのマトリックス内位置を判定する。そのマトリック内位置がわかれば、その位置にあるビーズの種類すなわちターゲット成分が予め調査されていることから、PC430は、サンプル中に含有される成分を同定することができる。
【0039】
以上の実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0040】
(付記1) 円形又は多角形からなる外形を有する二枚の透明平板層と、
前記二枚の透明平板層の間にあって、粒子種識別用コードに応じてパターン化された光反射膜又は光遮蔽膜と、
を具備するコード化粒子。
【0041】
(付記2) バイオ的表面修飾が施された、付記1に記載のコード化粒子。
【0042】
(付記3) 付記1に記載のコード化粒子の製造方法であって、
半導体基板の上に剥離層及び第一の透明平板層を成膜した後、第一のレジスト層を塗布する工程と、
粒子種識別用コードに応じたパターン状に該第一のレジスト層を露光及び現像した後、蒸着膜を成膜する工程と、
該第一のレジスト層を剥離した後、第二の透明平板層を成膜する工程と、
第二のレジスト層を塗布した後、粒子片状に該第二のレジスト層を露光及び現像する工程と、
エッチング又はイオンミリングにより粒子片に分割する工程と、
該剥離層及び該第二のレジスト層を溶解して複数のコード化粒子を得る工程と、
を具備する、コード化粒子の製造方法。
【0043】
(付記4) 付記2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により平面上整列状態で捕捉する捕捉手段と、
前記捕捉手段に捕捉されたコード化粒子に光を照射する照射手段と、
前記照射手段によって光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取る読取り手段と、
を具備する分析装置。
【0044】
(付記5) 付記2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により平面上整列状態で捕捉するステップと、
該捕捉されたコード化粒子に光を照射するステップと、
該光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取るステップと、
を具備する分析方法。
【0045】
(付記6) 分析装置に設けられるコンピュータを、
捕捉部が、付記2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により整列状態で捕捉するように制御する手段と、
照射部が、前記捕捉部に捕捉されたコード化粒子に光を照射するように制御する手段と、
前記照射部によって光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取る手段と、
として機能させるプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施形態に係るコード化粒子を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図2】図1に示されるコード化粒子の製造方法の例を示す図である。
【図3】図1に示されるコード化粒子に施されるバイオ的表面修飾について説明するための図であって、(a)はコーティングされたコード化粒子、(b)は該コーティング後にバイオ的表面修飾を施されたコード化粒子、(c)はそのバイオ的表面修飾済みコード化粒子と蛍光物質で標識(ラべリング)されたターゲットとの結合状態、をそれぞれ模式的に示す図である。
【図4】分析装置の一実施形態の概略構成を示す図である。
【図5】分析におけるコード化粒子の使用形態について説明するための図であって、(a)はコード化粒子がシャーレに捕捉される様子及び可視光下でのコード認識について説明するための図、(b)は蛍光観測について説明するための図である。
【図6】貫通孔、窪み、溝又は切欠きによりコード化された従来の粒子を示す図である。
【図7】蛍光剤をコード状に漂白することによりコード化された従来の粒子を説明するための図である。
【図8】従来のコード読取り装置の例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
100 コード化粒子
102、104 透明平板層
110 光反射膜
112 基準マーク
114 ビットマーク
202 半導体(Si)基板
204 剥離層
206 第一の(下層側)透明平板層
208 第一のレジスト層
210 蒸着膜
212 第二の(上層側)透明平板層
214 第二のレジスト層
302 シランカップリング剤又はポリマー
304 バイオ的表面修飾
306 バイオ的表面修飾済みコード化粒子
308 蛍光物質
310 ターゲット
402 96穴プレート
404 電動ピペット
406 捕捉シャーレ
408 ビーズ捕捉/解放圧力レギュレータ
410 バッファタンク
412 シリンジポンプ
414 パージ圧力レギュレータ
416 洗浄水タンク
418 廃液タンク
420 顕微鏡
422 蛍光励起ランプ
424 蛍光フィルタターレット
426 冷却CCDカメラ
430 パーソナルコンピュータ(PC)
432 機構制御部
434 画像処理部
436 解析処理部
440 ディスプレイ
502 ザグリ穴(凹部)
504 吸引穴
602 固体支持粒子
604 貫通孔
606 窪み
608 溝
610 切欠き
612 方向づけマーク
802 コード化粒子
804 キャピラリー流路
806 読取りステーション
808 電荷結合素子(CCD)カメラ
810 計算システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形又は多角形からなる外形を有する二枚の透明平板層と、
前記二枚の透明平板層の間にあって、粒子種識別用コードに応じてパターン化された光反射膜又は光遮蔽膜と、
を具備するコード化粒子。
【請求項2】
バイオ的表面修飾が施された、請求項1に記載のコード化粒子。
【請求項3】
請求項1に記載のコード化粒子の製造方法であって、
半導体基板の上に剥離層及び第一の透明平板層を成膜した後、第一のレジスト層を塗布する工程と、
粒子種識別用コードに応じたパターン状に該第一のレジスト層を露光及び現像した後、蒸着膜を成膜する工程と、
該第一のレジスト層を剥離した後、第二の透明平板層を成膜する工程と、
第二のレジスト層を塗布した後、粒子片状に該第二のレジスト層を露光及び現像する工程と、
エッチング又はイオンミリングにより粒子片に分割する工程と、
該剥離層及び該第二のレジスト層を溶解して複数のコード化粒子を得る工程と、
を具備する、コード化粒子の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により平面上整列状態で捕捉する捕捉手段と、
前記捕捉手段に捕捉されたコード化粒子に光を照射する照射手段と、
前記照射手段によって光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取る読取り手段と、
を具備する分析装置。
【請求項5】
請求項2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により平面上整列状態で捕捉するステップと、
該捕捉されたコード化粒子に光を照射するステップと、
該光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取るステップと、
を具備する分析方法。
【請求項6】
分析装置に設けられるコンピュータを、
捕捉部が、請求項2に記載のコード化粒子の懸濁液から該コード化粒子を吸着により整列状態で捕捉するように制御する手段と、
照射部が、前記捕捉部に捕捉されたコード化粒子に光を照射するように制御する手段と、
前記照射部によって光を照射されたコード化粒子からの反射光又は透過光に基づいて、該コード化粒子が有する粒子種識別用コードを読取る手段と、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−174954(P2009−174954A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12768(P2008−12768)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】